2014-08-26 11:08

マックが苦しんでいる

 ハンバーガーのマクドナルドが苦しんでいる。中国の期限切れ鶏肉問題から消費者がソッポを向いたのだ。
実は私は若い頃はマクドナルドが好きだった。

日本マクドナルドの創業者藤田田が1号店を東京銀座、2号店を名古屋金山に出店した時、私は喜んで飛びついたミーハー族であった。
その頃は一度にビッグマック・ダブルチーズバーガー・フィレオフィッシュと3個も食べていたので、まあ大食の部類・・・

しかし十数年前からどうもおかしいなあと思っていたのだが、今回の期限切れ鶏肉問題でマクドナルドは深刻な問題を抱えたようだ。
マクドナルドで何が起こっているのか、日経に記事が有った。
しかし、その前に長男がマクドナルドにメンバー登録していて、ときどき商品の紹介メールなどが来ているのだが、今回初めてお詫びメールが来たと言って驚いていた。最初にそれの紹介から。
メールは2本に分かれていた。


<以下マクドナルドのお詫びメール1本目を引用>

チキンマックナゲットに関する報道につきまして
2014/8/6

弊社「チキンマックナゲット」の一部納入元「上海福喜食品有限公司」に関する報道がございました。
お客様には、ご不便、ご心配をおかけし、大変申し訳ございません。

日本マクドナルドは、報道のあった「上海福喜食品有限公司」から、国内で販売する「チキンマックナゲット」の約2割を輸入しておりましたが、報道を把握した7月21日(月)をもちまして、該当の「チキンマックナゲット」の販売を中止いたしました。

現在、マクドナルド全店にてお求めいただける「チキンマックナゲット」は、すべて他の取引先の商品に切り替えております。
また、その他のチキン商品につきましても当該業者からの供給は受けておりません。

マクドナルドでは中国メディアの報道を確認後、「上海福喜食品有限公司」への発注を中止するとともに、直ちに「上海福喜食品有限公司」に事実確認の調査を行っております。

当社は、今後も安全で美味しい商品をお客様に安心して召し上がっていただくべく、最善を尽くしてまいります。

<以下マクドナルドのお詫びメール2本目を引用>

安心・安全な商品を提供するための取り組みを強化
2014/8/6

日本マクドナルドは、お客様からの商品の品質と安全性の確保に対するご要望にお応えするため、商品情報の透明性を高め、品質の確保に貢献する、3つの対応策を決定、準備が整ったものから実施をしています。

1.メニューの原材料の最終加工国、主要原料原産国の情報公開

2.下記対象サプライヤーへの臨時追加監査の実施と毎月の現場での作業確認の実施
・(チキン以外の製品を製造している)中国のサプライヤー
・タイのチキン製品サプライヤー

3.中国製製品と、タイ製チキン製品の日本国内での品質検査を高頻度に実施

日本マクドナルドは「すべてを、お客様のために」の方針のもと、お客様からのマクドナルド商品へのご不安の高まりに対応し、チキン商品を全てタイ製に切り替えました。
マクドナルドは、お客様にご提供するお食事の品質と安全を最も大切にしております。
今回、お客様に安心してお食事をお楽しみいただくためには、商品がどこで製造され、日本マクドナルドがどのように品質や安全性を確保しているかをお伝えする必要があると考え、最終加工国、主要原料原産国の情報公開と品質管理体制の強化を決定いたしました。

<引用終り>


何故こんなお詫びメールを引用するか?
私は外食産業には全く縁のないモノづくりの世界に生きてきた。
しかしモノづくりの世界ではエンドユーザーの信頼を失うような品質問題は命取りである。
そんな事での長年の経験からこう考えている。

どんな良い方針、良い仕組み、良い設計をしたとしても、それが末端の作業者一人一人の「今日何をするか」と言う所まで展開しないと、(展開できないと、)単なるお題目に終わってしまう。
また人は指示したこと、話し合った事を100%理解できる訳できるわけではないし、やれるわけではない。
また年々歳々人は変わっていくし、取り巻く環境も変わる。正に現場は生きている訳だ。
そして困った事だが、中には悪意のある人も紛れ込んでいるし、出来心もある。

そんな目でこのメールを見るとこのお詫びメールは
「オイラは悪くない、悪いのは下請け、サプライヤーだ。オイラも被害者だ」
此れで首尾一貫している。
しかし他人のせいにしても、それで事態が改善されるわけではない。
今マクドナルドはお客さんがソッポを向いてしまい、売り上げ予測も出来ないくらいらしい。
先ず自分たちがどう変わるか、そこから始めない限り自体事態が変わることは無いだろう。

昔ハンバーガーなる新しい食べ物をドキドキしながら食べに行った、そんなオールド・マクドナルド・ファンとして、是非この難関を乗り切ってほしいものだと思う。


以下は日経の記事である。大変良く分析している。
長文だが日経記事は有料なのでここに全文を引用する。
色々突っ込みたい所も有るが、長文なので今回は紹介にとどめたい。

但し以下の一言こそアメリカ式経営の問題点と今後の方向を示していると考えている。
「現場を見ないで、本社が理屈だけで考える戦略が限界にきたのではないか」
正にその通りだと思う。





<以下日経より引用>

マクドナルド、現場を襲う負の連鎖
2014/8/25 7:00
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76012310S4A820C1000000/

2014-8-26マクドナルド現場を襲う負の連鎖
(引用者注:三人の顔写真は左から日本マクドナルドの創業者藤田田、IT企業からやってきた原田泳幸(現ベネッセ社長)、サラ・カサノバ現CEO)

 中国上海市の仕入れ先が使用期限切れの鶏肉を使用していた事件が起きて、日本マクドナルドホールディングスの店頭から顧客が目に見えて減っていった。既存店売上高は急落し、業績の予想すらできない窮状に陥っている。その客足が遠のいた店舗を歩くと、「迷走する経営」があぶり出されてくる。

■混乱のマック本社

 「30年以上、マクドナルドで働いているが、こんなにお粗末な失態は初めてだ」。京都府の店舗オーナーは呆れた口調で語った。

 8月20日、日本マクドナルドは、料金の過剰徴収を発表した。18日から「マックウィング」と「豆腐しんじょナゲット」を通常の半額程度の120円に値下げした。ところが、150円で販売する店が続出、全3135店の8割以上にあたる2583店で過剰請求が起きていた。

 背景にはマクドナルド本社の迷走がある。キャンペーン開始のわずか3日前に価格を150円から120円に変更する。だが、本社が一括管理しているレジの修正が間に合わず、120円と150円の2つのボタンが混在してしまった。しかも、190円のクーポン券がすでに配布されていた。

 「すべて120円で販売するように」という指示が全国の店舗に飛んだ。しかし、急な変更に16万人のクルー(店員)が対応できるはずがなく、批判の声が上がっている。

 「ドライブスルーでは客にクーポン番号を読み上げてもらう。それをいちいち商品名と値段まで確認している余裕はない」「100人近いバイトを管理している。こんな複雑なことを全員に徹底できない」

 7月下旬に、中国の加工メーカー「上海福喜食品」が期限切れの鶏肉を使用していた事件が発覚してから、1カ月しか経っていない。相次ぐ不祥事で、店舗には本社に対する不信感が渦巻いている。

 「そもそも、チキンとナゲットは客が敬遠している“NG商品”。在庫処分のつもりかもしれないが、それをキャンペーン商品にされて、店はたまったものじゃない」(兵庫県の店舗オーナー)

■「屋台の方が安全」

 外食産業の競争が激化する中、マクドナルドはヒット商品も不発で、今年2月から前年同月比の既存店売上高がマイナスで推移してきた。そこに、期限切れの鶏肉を使う映像が報じられ、7月の数字はさらに落下、17.4%減となった。

 事件が日本で大々的に報じられたのは、夏休みが始まったばかりの火曜日のことだった。週の平日は2割を超える減収となる店が続出。だが、影響の深さに店舗が震撼したのは週末のことだった。

 「休日は家族客が増えるはずなのに、ぴたっと子供連れが消えてしまった」(東京都のファーストアシスタントマネージャー)、「子供がチキンを頼もうとすると、親が慌てて制止する」(宮城県のセカンドアシスタントマネージャー)

 その週末、神奈川県の私鉄駅前にある店では、地元の祭りが開催されていた。だが、道はごった返しているが、店に人が入ってこない。売上高は、かつての4分の1程度に低迷し、平日の売上高すら下回った。「要するに、屋台の方が安全だと判断されてしまった」。そう言って、ベテランの店員は肩を落とす。

■赤字決算の危機

 販売急落は底を打ったのか。「少しずつ影響が減っている」。8月15日の取材で、日本マクドナルド上席執行役員の青木岳彦はそう語った。だが、その頃も、多くの店舗関係者が、休日には30%前後の落ち込みが続いていると証言している。

 「もし、売上高が3割の落ち込みになれば、赤字決算に陥る」。いちよし経済研究所主席研究員の鮫島誠一郎はそう予測する。

 野村証券エクイティ・リサーチ部エグゼクティブ・ディレクターの繁村京一郎は、今期の営業利益を91%減の10億円と見ていた。だが、その後に過剰徴収事件も起きている。「展開次第では、驚くべき決算になる」(繁村)

客を呼び戻すシナリオが描けない。しびれを切らした店舗では、愚直な取り組みも始まった。

■カサノバ会見の影響

 「チキンを買ってくれたお客さんには、おじぎの角度を10度深くしろ」。神奈川県の店長は、そう指導している。背景には、社長兼最高経営責任者(CEO)のサラ・カサノバへの批判が込められていた。

 7月22日、中国の期限切れ食肉事件が日本でも大きく報じられると、翌日には供給を受けていたファミリーマートの社長が陳謝した。ところが、カサノバは会見を開かず、1週間後の中間決算発表の場で、冒頭に謝罪の言葉を読み上げた。しかも、事件に「憤りを感じる」と被害者としての発言を繰り返す。「この件は1つの地区の、1つの工場による数人の悪意を持った従業員による行動。他のサプライヤーには当てはまらない」。そう言って不快感を露わにした

 「日本の消費者の気持ちをまったく考えていない。もし、店長が彼女のような態度をとったら、絶対にクレームがつく」(神奈川県の店長)

■「できるバイト」が消えていく

 そして、現場では負の連鎖が続いている。

 アルバイトやパートが「カット」と呼ばれる労働時間短縮を余儀なくされている。店舗では、30分ごとに販売の集計値が打ち出される。そこには、時間内の客数や売上高、サンドイッチ(ハンバーガー類)販売数、客単価などが記されている。そこに、販売状況に応じた必要な人数が明記されている。「プラス1」と書かれていれば、「売上高に対して店員が1人多い」という警告を意味する。

 「他のバイトと掛け持ちする『ダブルワーク』が横行している」(都内店舗のアシスタントマネージャー)。他の仕事が忙しくなり、去って行くクルーも少なくないという。

 マクドナルドでは、アルバイトやパートの店員も、研修を受けなければ店頭に立てない。その後も、一般のクルーに向けて「リーダー」「効率的なコミュニケーション」など10テーマの研修コースが用意されている。教材はすべて、米ハンバーガー大学の教授や専門家が作成し、毎年のように磨き上げている。「それを日本流に改良して、1つ上の階層の内容を盛り込んでいる。より高いマネジメントに移りたいという欲求が起きる」(人事本部ハンバーガー大学学長の中村浩)

 アルバイトにも、巨大な店舗を運営するマネジャーが存在する。それが、苦境で数字を積み上げる原動力となっていた。

 「かつて、売り上げが伸びない時は、(労働時間を)カットするのではなく、売り上げを作る方法を模索した」。関西の大型店舗でアシスタントマネージャーを務めたイーアンドシーエスサポート社長の掛川幸子は、そう述懐する。閑散時には割引券を配って客を呼び込み、試食サンプルを持って近隣のオフィスを回った。

 だが、今では「ブランドの統一感」が重視され、数値管理も厳格になっているため、店舗の裁量権は制限されてきている。それだけに、本社の失態が続く状況に、現場の不満が鬱積している。

 「現場を見ないで、本社が理屈だけで考える戦略が限界にきたのではないか」。かつて日本マクドナルドの代表取締役を務めた藤木努は、混乱の原因をそう分析している。

■「株価が半値になる」

 「ビジネスモデルが劣化し、客離れに歯止めがかかっていない」。そう指摘する野村証券の繁村は、8月8日に株価予想を下方修正、現在の2657円(8月22日終値)よりも47%低い水準となる1400円とした。鮫島も半年で1800円まで落ち込むと読む。そうなれば、2001年のJASDAQ上場時の4700円はおろか、業績が2期連続の赤字に陥って、アップルコンピュータ日本法人社長の原田泳幸を迎えた時の2380円をも下回る。8期連続で既存店売上高を伸ばした「原田マジック」の成果すら消え去ることになる。

 それは、米国生まれのハンバーガーチェーンを、独自の戦略で成長させた「“日本”マクドナルド」の終焉を意味する。産業界を代表する名経営者たちが率いた外食企業は、米国企業の一現地法人に戻ろうとしている。

 創業者の藤田田は、「日本化」を徹底することで、米国の食文化を日本に浸透させ、外食業界の頂点にまで押し上げた。だが、その強さが、次第に時代とのミスマッチを生み出すことになる。

■「デフレの勝ち組」の挫折

 藤田が東京・銀座の三越に1号店を出したのは1971年のこと。それまで海外の高級ブランド品を輸入販売する藤田商店を経営して成功を収めていた。その秘訣を藤田は「シュガーコーティング」と表現した。高級ブランド品でも、日本人好みに作りかえる(シュガーコート:砂糖でくるむ)ように、海外企業に指示を飛ばしていた。

 米マクドナルドの創業者、レイ・クロックとの交渉でも、「米国側のアドバイスは受けるが、注文は受けない」という条件をのませた。米本社が1号店の候補地を神奈川県の茅ケ崎と指定してきたが、「文化は銀座から日本中に広がる」と主張して譲らなかった。その読みは的中し、三越が予測した「日商15万円」をはるかにこえる「100万円」を達成、店舗網拡大の起爆剤となり、82年には小僧寿し本部を抜いて外食トップの座につく。95年にはハンバーガーを210円から130円に値下げしてヒットし、「デフレの勝ち組」とも称された。

 だが、世紀が変わる頃、経営の国際標準化と効率化が進む。そして、マクドナルドの日本的経営が問題を露呈することになる。

 一つは、店舗効率の低下がある。90年に776店だった店舗数を、10年間で5倍近い3598店に膨張させる。だが、専属の店長がいない「サテライト店舗」を大量出店し、商品構成が揃わず、ブランドの統一感が損なわれていった。商圏が重なるカニバリズム(自社競合)も起きた。2001年に念願の株式上場を果たすが、その審査で、マクドナルドから売上高の1%が藤田商店に「経営指導料」として流れていることが問題視された。

 上場後は業績が暗転、02、03年は2期連続の最終赤字に落ち込み、その混乱の中で藤田商店との契約が解除され、藤田は会社を去ることになる。

 そして、IT企業のアップルから原田を迎え入れ、「商い」から「合理的経営」へと大きく舵(かじ)を切る。

 原田が経営トップに就任した2004年以降、既存店売上高が急回復することになる。この復活劇は後に「原田マジック」と称されるが、彼はマクドナルドに2つの経営手法を持ち込んでいた。

 一つは「シーケンス(順番)戦略」というマーケティング手法だった。まず、荒れた店を立て直すため、QSC(品質・サービス・清潔さ)の向上だけに専念させる。そして、客の評価が上がってきたところで、「100円バーガー」などの値引き戦略を繰り出して、客数を爆発的に伸ばす。その後、新商品や値上げによって、客単価を引き上げていく。

 もう一つは、資産効率を上げる戦略だった。

 「原田さんの功績は、B/S(貸借対照表)の発想を持ち込んだこと。それまで、マックの社員はP/L(損益計算書)しか見ていなかった。B/Sはオーナー創業者である藤田さんが管理するから、考える必要がない」。マクドナルドの元幹部で、米マクドナルドのハンバーガー大学教員を務めた経歴を持つモスダイニング会長の友成勇樹は、そう原田を評する。

 原田がトップに就任した頃、直営店とフランチャイズ店(FC店)の比率は7:3だった。だが、米マクドナルドは、FC店が7割と逆の数字になっている。それは、ブランドと商品供給を管理することに重点を置き、リスクを極小化して確実に利益を上げることを意味した。店舗運営をFC店のオーナーに任せることで、資産がスリム化されて経営効率が上がる。人件費や労務管理の負担も大幅に軽減される。

■原田マジックの深層

 だが、FC店比率はすでに68%となり目標をほぼ達成している。そして、思わぬ副作用を生み出している。

 マクドナルドの売上高は、「直営店舗売上高」と「フランチャイズ収入」が合算されている。そのフランチャイズ収入に、店舗運営事業の売却益が計上されているため、営業利益をかさ上げする効果がある。多い年には年間43億円もの売却益が上がっていたため、原田の全盛期でも、市場関係者の間では「店舗売却がなければ減益ではないか」と囁(ささや)かれていた。

 こうしたFC化戦略の影響について、原田は8月23日、広報担当者を通じて「誤解のないようにお願いしたい」とコメントを寄せてきた。

 「FC店の1店舗当たりの売上高が1.8倍になっている。それに準じてキャッシュフローも潤沢になった」。そう成果を強調する。

 だが、「成功の代償」も大きい。店舗売却益という収益源が細っていくことは、今後の営業利益回復への道を困難なものにしている。

 もう一つの施策であるシーケンス戦略も、震災後、機能しなくなった。11年10月からビッグマックを200円にするなど次々と定番商品を値下げして話題を呼んだ。だが、値段を戻すと、プロモーション以前の売り上げに数字が戻らない。11年は売上高が減少に転じ、12年から減収減益に陥っている。13年の営業利益は、前年比53%減の115億円となった。

 これまでの(勝利の)方程式と違ってきた。原田はそう認めて、カナダ出身のサラ・カサノバにバトンを引き継いだ。カサノバは昨年8月に事業会社のトップに就くと、ファミリー層を中心とした店作りを掲げ、定番商品の価格を極端に上下動させない方針も打ち出している。

■スピード勝負の限界

 すでにデジタルプレイランドなど、子供向けの遊戯設備も開発した。だが、外食産業である以上、商品の価値と魅力を高めないと、本格的な業績回復には結びつかない。

 「マクドナルドの商品開発は極めて難しい状況にある」(外食関係者)。競合関係が複雑に入り組み、新たな定番商品を作る余地が狭まっている。「健康志向や高価格帯の定番商品を作ろうとしても、モスバーガーやフレッシュネスバーガー、サブウェイの牙城を崩すことは難しい」

 価格帯を上げにくい構造的な理由もある。マクドナルドの競争力の源泉は、スピード調理が可能な厨房システムにある。昨年1月、会計終了から1分以内に商品を提供できない場合、無料券を提供する「60秒サービス」を展開して話題を呼んだ。その背景には、多くの商品を35~50秒で作ることを目指してきた経験と実績がある。そのため、バンズ(パン)やパティ(肉)、野菜、ソースなどを「基本アイテム」として、この組み合わせで複数の商品を作り上げている。

 だが、高級バーガーとして食材が増えると、極限まで効率化された厨房に混乱を来す。昨年7月、1日限定の1000円バーガーを販売して話題を集めたが、「20分で売り切れる商品のために、練習をするわけにもいかない。ベテラン店員まで、新人のように戸惑ってしまった」(兵庫県の店舗オーナー)。結局、生産工程を大きく変更しなくても提供できる商品で勝負するしかない。スピード重視の価格訴求型商品となるが、そのカテゴリーには牛丼や回転ずし、コーヒーチェーン、コンビニエンスストアなど、効率化を追求した精鋭たちが揃っている。少しでも隙を見せれば、客を奪われてしまう。

 それだけに、チキンという主力商品を不振に陥れた期限切れ食肉事件は、大きな打撃となっている。決算の予想数字が出せない窮状は、販売現場が反転の糸口すらつかめていないことを意味する。そして、テコ入れを図ったキャンペーンが、直前まで価格決定で揺れて、挙げ句の果てに過剰請求を起こす…。

■組合の深謀遠慮

 売り上げの大幅減少によって、労働を「カット」される対象がさらに広まるという危機感が現場に広まっている。

 「退職勧奨の動きがある。それは何としても潰さなければならない」

 日本マクドナルドユニオン中央執行委員長の岡田篤の元には、社員からアルバイトまで、様々な職種から問い合わせが殺到している。「現場には雇用の不安が渦巻いている」。携帯電話やメール、SNSを駆使して、昼夜を問わず個別に相談に乗っている。

 組合はこの夏、連合傘下の金属機械業の産別組合、JAMに加盟することを決めた。「あえて中小零細の工場が集まる組合に入ったのは、マックの店と、規模や組織が似ているから。また、マクドナルドは経営陣と現場が離れすぎているから、組合だけでも、現場に近い存在でなければならない」

 その岡田は労使協力路線をうたっている。

 「中小の工場は、無理な要求をすると会社が倒れてしまう。だから、不要な資産の売却などを迫りながら、会社が傾かないように経営側と交渉していく。この手法が今のマクドナルドには必要だと思っている」

 現場で働く社員までもが、混迷の度を深める経営の行く末を憂慮している。果たして、マクドナルドは、外食王として君臨した時代の輝きを取り戻せるのか。これから繰り出す戦術で、もう失態は許されない。

=敬称略    (編集委員 金田信一郎)
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コメント

原田の時の経営が良くなかった、くらいにしか記憶してませんねー。
マック普通に食ってましたけど、近くの店がなくなってから食べてないです。
中国産使っているのを知っていたなら、早めに切り替えるべきでしたね。

そういえば以前……今年のはじめくらいかな?
ブラジル産鶏肉が薬まみれ?で、現地の人も食べない、という話が
ネットでありましたけど、駐日ブラジル大使が『デマだ』と
反論していましたね。
あれってどこぞの特亜が自国の鶏肉輸出を伸ばす為にやった
ネガキャンだったのかなー?とか思ったりw
考え過ぎかな……
  1. 2014-08-26 13:58
  2. URL
  3. ハロン棒 #-
  4. 編集

食品表示Q&A・ガイドライン等
http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/qa.html
生鮮食品
生鮮食品品質表示基準Q&A[外部リンク(消費者庁ホームページ)]
http://www.caa.go.jp/jas/hyoji/pdf/0717_1qa.pdf
数の魚を切断し、盛り合わせ
(マグロの刺身) (刺身盛り合わせ、鍋物セット)
また、刺身の盛り合わせ、鍋物セットは加工
食品に該当しますので、加工食品品質表
示基準の規定に基づき表示して
下さい。なお、店内処理されて店内で販売する限りにお
いては表示は不要です。
   ↑
マクドナルドも氷山の一角でしょう。加工食品となれば産地を表示する義務が無いのが現状ですから。
  1. 2014-08-26 21:19
  2. URL
  3. taigen #-
  4. 編集

マックが最初にオープンしたのは1970年頃です。ほぼ同時にケンタッキー・フライド・チキンもオープンしており「就職など自分で探せコネなど頼るな」と言っていた父が「KFCで社員探してるからどう?」と聞いてきた記憶あります。私も、この業界にいくところでしたが断りました。行けば面白かったとは思います。
マックは和魂洋才でやっていたのですが、いつの間にか米国本社の直轄になってしまいました。カナノバ回顧録の対応は典型的な派遣重役の対応を感じます。
KFCの方は逆に米国本社を押さえてしまいました。セブン・イレブンと同様の展開です。
ほぼ100%日本の鶏肉を使っていたKFCでも、今回の事件で大きく売上げが落ちたとのですから、火元のマックは大変でしょうね。
でも、カザノバ回顧録は日本の消費者が異常であり日本の市場の閉鎖性が原因と思っているでしょう。
  1. 2014-08-26 21:59
  2. URL
  3. 矢野友遊 #-
  4. 編集

To:ハロン棒 さん

> 原田の時の経営が良くなかった、くらいにしか記憶してませんねー。
> マック普通に食ってましたけど、近くの店がなくなってから食べてないです。
> 中国産使っているのを知っていたなら、早めに切り替えるべきでしたね。
>
> そういえば以前……今年のはじめくらいかな?
> ブラジル産鶏肉が薬まみれ?で、現地の人も食べない、という話が
> ネットでありましたけど、駐日ブラジル大使が『デマだ』と
> 反論していましたね。
> あれってどこぞの特亜が自国の鶏肉輸出を伸ばす為にやった
> ネガキャンだったのかなー?とか思ったりw
> 考え過ぎかな……


私も漠然と最近のマックはおかしいとは思っていましたが、それでハンバーガーを食べるのを止めようとは思はなかった。
でも今回の件で考え方が変わりましたね。
カネの亡者に支配された企業はモラルも何も有ったもんじゃない、儲かればいい、それだけ。
此処に諸悪の根源が有ると思います。

だからこそアメリカが日本にありとあらゆる難癖をつけてくる、その真の原因が此処だと思っています。
アメリカの価値観はカネがすべて、儲かればいいんです。
それに対し日本は独自の国体を持ち、カネだけでない悠久の大義を考えている。
アメリカにはうっとおしい訳です。
  1. 2014-08-27 10:16
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

To:taigenさん

> 食品表示Q&A・ガイドライン等
> http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/qa.html
> 生鮮食品
> 生鮮食品品質表示基準Q&A[外部リンク(消費者庁ホームページ)]
> http://www.caa.go.jp/jas/hyoji/pdf/0717_1qa.pdf
> 数の魚を切断し、盛り合わせ
> (マグロの刺身) (刺身盛り合わせ、鍋物セット)
> また、刺身の盛り合わせ、鍋物セットは加工
> 食品に該当しますので、加工食品品質表
> 示基準の規定に基づき表示して
> 下さい。なお、店内処理されて店内で販売する限りにお
> いては表示は不要です。
>    ↑
> マクドナルドも氷山の一角でしょう。加工食品となれば産地を表示する義務が無いのが現状ですから。


情報有難う御座います。
確かにご指摘の通りですね。
マクドナルドの場合、急速調理が売り物で、それでいつも暖かく新鮮な(と思われている)モノが食べられるのがウリですから。

恐らく初期のマクドナルドと今のマクドナルドは外見は同じかもしれませんが、中身は全く違うモノになっているのでしょう。
全世界に展開するという事はそのリスクにどう対処するかという事なんでしょうね。

私も海外で仕事をしてきましたのでその点は良く分かります。
同じ図面で同じものを作っても、材料の鉄板が見た目は同じでも中身が違うなんてことは朝飯前。

日本もそう言うおっかない時代になってしまったという事なんですね。
  1. 2014-08-27 10:25
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

To:矢野友遊 さん

> マックが最初にオープンしたのは1970年頃です。ほぼ同時にケンタッキー・フライド・チキンもオープンしており「就職など自分で探せコネなど頼るな」と言っていた父が「KFCで社員探してるからどう?」と聞いてきた記憶あります。私も、この業界にいくところでしたが断りました。行けば面白かったとは思います。
> マックは和魂洋才でやっていたのですが、いつの間にか米国本社の直轄になってしまいました。カナノバ回顧録の対応は典型的な派遣重役の対応を感じます。
> KFCの方は逆に米国本社を押さえてしまいました。セブン・イレブンと同様の展開です。
> ほぼ100%日本の鶏肉を使っていたKFCでも、今回の事件で大きく売上げが落ちたとのですから、火元のマックは大変でしょうね。
> でも、カザノバ回顧録は日本の消費者が異常であり日本の市場の閉鎖性が原因と思っているでしょう。


そうですか、ひょっとしたら友遊さんはKFCの社長さんになっていたかもしれないですね。
なるほどなるほど。
私も藤田田がマクドナルドを始めた経緯は色々読んでいました。
その結果、マクドナルドのファンになった訳です。

しかし今回の一件でのカサノバ発言。
確かにご指摘の通り、典型的な派遣重役の対応でしょうね。
そして
「日本の消費者が異常であり日本の市場の閉鎖性が原因」
此れをアメリカに帰って大々的にアピールするでしょう。
可笑しなところで新たな日米摩擦の元が出来たのかもしれません。
  1. 2014-08-27 10:34
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

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