2014-06-16 10:19

移民が持ち込むビジネスモデル

 最近エントリーがなかなかできない。数日前に義父の法事を済ませたのだが、その前後多忙だったこともあり、少々バテ気味(歳を考えろの声あり・・・笑)。

 所で今こんな本を読み始めた。
「国家はなぜ衰退するのか/権力・繁栄・貧困の起源(上・下)」アセモダル&ロビンソン著、鬼澤忍訳、2013年6月、早川書房刊

2014-6-14国家はなぜ衰退するのか

重い本である。読むのに時間がかかるが内容は大変興味深い。
特に旧ソ連の見せかけの繁栄とそれに騙された西側知識人の言動を分析した部分などはとても面白いのだが、それはちょっと置いといて本書冒頭にとり上げている初期アメリカに入った移民の行動について書いてみたい。
スペイン人が植民地化した中南米と、それから100年近く遅れてイギリス人が植民地化したアメリカとの比較から話は始まるのだが、イギリスの植民地化の狙いが面白い。

北アメリカに入植した初期の人たちの事は、1620年にイギリスからメイフラワー号でマサチューセッツ州プリマスに入植した102名から始まるとは良く知られている。しかし最初の冬が大変厳しく約半数の人が死亡。やっと生き延びた人たちが現地で協力してくれた原住民(インディアン)とともに収穫を祝ったのがサンクスギビングデーの起源。
実は私の知識もこんな程度。
しかし以前からアメリカ大陸への入植は大変な困難が伴い、多くの犠牲者を出したことは知ってた。
特に悲惨だったのがヴァージニアに入植した人たちで、食料が尽き仲間の死体を食べたとか、横で寝ていた嫁さんを殺してばらばらにし塩漬けにして、頭を残して全部食べてしまったとか、恐ろしい事が有ったとモノの本には書いてある。

今回「国家はなぜ衰退するのか」には1607年にイギリスからヴァージニアに入植した人たちの狙い・行動が詳しく書かれている。
問題は1607年の入植から2年間、入植者の狙いは耕して先ず食料を確保することでは無かった
食料は現地人との交易、或いは略奪、それとも現地人を捕まえて無理やり働かせて食料を手に入れればいい
それより狙いは価値のある金、銀を手に入れる事だった。

しかしその狙いは上手くいかず、1609年~1610年の冬には食料が尽きた。
結果500名いた入植者で生き残ったのはわずか60名と言う悲惨な結果だった。
1609年~1610年と言えば、日本では関ヶ原の戦いが終わり(1600年)、徳川幕府成立(1603年)、そして大坂夏の陣(1615年)はまだ始まっていない時代だった。尚家康に重用されたイギリス人三浦按針(ウィリアム・アダムス、 William Adams, 1600年漂着- 1620年没)が生きていた時代でもある。

さてそんな時代背景を見ながらアメリカに入植した初期イギリス人のビジネスモデルを考えてみたい。
彼らの持っていたビジネスモデル、それは「現地を収奪し、金銀財宝を手に入れる」ことだった。
食料は現地人のモノを手に入れればいい、手に入れる方法は交易、略奪、強制労働を考えていた。
彼らはそのビジネスモデルが上手くいかず、結局ビジネスモデルを変えざるを得なくなった。
こんな人を送って下さいと言うリストには、「大工・農夫・庭師・漁師・鍛冶屋・・・」こんな職種が並んでいる。つまり現地人を収奪することが出来ないので方針を変えたのだ。

此処まで読み進んで私は「ハタと気が付いた事が有る」。そうか欧米人には額に汗して働いて食べ物を作るような仕事は奴隷の仕事なのか。だから労働を尊敬しないのか!。

そんな事なのでマッカーサーがわざわざ上院の公聴会でこんな事を証言したのか。

これは昭和26年にアメリカ上院でマッカーサーがあの戦争は日本の自衛の為のモノだったと証言したときの発言・対訳です。

<以下引用>
Some place down the line they have discovered what you might call the dignity of labor, that men are happier when they are working and constructing than when they are idling.

いつの頃からか、彼ら(引用者注:日本人の事)は、労働の尊厳と称すべきものを発見しました。つまり、人間は、何もしないでいるときよりも、働いて何かを作っているときの方が幸せだということを発見したのです。


2014-2-1マッカーサー上院証言風景
上院で証言するマッカーサー
<引用終り、以下エントリー参照ください>
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-763.html

そしてローマ教皇もこんな事を言っている
これは2013年5月1日のミサで教皇フランシスコが言った事

2014-6-16ローマ教皇の話

詳細は以下参照ください
http://unidosconelpapa.blogspot.jp/2013/05/51_2.html

こんな事を改めて感じるのは私がタイでの仕事で一番重要視していたことがコレだったから。
そして日本人がごく当たり前に感じている「労働の尊厳」、実はこれが世界の当り前ではないという事の様なのだ。

日本人がこの事を世界に発信していく必要が有る、それを思い出させてくれたのがこの「国家はなぜ衰退するのか」と言う本だった。
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コメント

食料が無くて、入植者が飢えに苦しんでいると、それを見かねたインディアンがトウモロコシを分けてくれて一冬を越すことができた。
1年後にお礼の宴をとインディアンを招いてパーティを開き、その場で皆殺しにして食料を奪った。

インディアンを殺して食料を奪えたのを神に感謝したのがサンクスギビングデーだと何かで読んだことがあります。
ほんとかどうかは知りませんが。
  1. 2014-06-16 10:34
  2. URL
  3. 八目山人 #4lXsiBFM
  4. 編集

こんにちは。

思いますに
「額に汗して働く」とか
「籠に乗る人籠担ぐ人そのまた草鞋を作る人」
ということを当たり前として実践している国は、日本以外にほとんどないのではないかと。
欧米列では国内外の敗者は一生浮かばれませんし、あちらの考えに依れば草鞋を作る労働者は一生最底辺のままです。
人には分がある、分をわきまえると言うことが分からない彼の国々や、平蔵他の日本国内のぐろーばるすたんだーど礼賛者を少々かわいそうと思う次第です。
  1. 2014-06-16 14:39
  2. URL
  3. koguma #-
  4. 編集

To:八目山人 さん

> 食料が無くて、入植者が飢えに苦しんでいると、それを見かねたインディアンがトウモロコシを分けてくれて一冬を越すことができた。
> 1年後にお礼の宴をとインディアンを招いてパーティを開き、その場で皆殺しにして食料を奪った。
>
> インディアンを殺して食料を奪えたのを神に感謝したのがサンクスギビングデーだと何かで読んだことがあります。
> ほんとかどうかは知りませんが。


メイフラワー号で入植した人たちも現地人から㎡ると相当悪い事をしたようです。
しかしイギリスの最初の植民地はヴァージニア州のジェームズタウンですが、そこではインディアンとの戦闘が有り、その和解パーティーを開いてその席で酒に毒を入れ、200人位毒殺したことが有った。
以下参照ください。
ジェームズタウン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%B3_(%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2%E5%B7%9E)

ジェームズタウンの虐殺
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%99%90%E6%AE%BA

尚wikiでジェームズタウンを検索すると「食人」などと言うのが沢山出てきます。
恐らく八目山人さんの仰る話も表現は別として事実でしょう。
300年~380年位前の話と言えば世代では13,4代前位。
日本でもそんな頃の事を案外語り継いでいる家が有るのではないでしょうか。

アメリカには世界のお手本に出来るような歴史は無い、そんな所なのかもしれません。
  1. 2014-06-16 20:34
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

To:koguma さん

> こんにちは。
>
> 思いますに
> 「額に汗して働く」とか
> 「籠に乗る人籠担ぐ人そのまた草鞋を作る人」
> ということを当たり前として実践している国は、日本以外にほとんどないのではないかと。
> 欧米列では国内外の敗者は一生浮かばれませんし、あちらの考えに依れば草鞋を作る労働者は一生最底辺のままです。
> 人には分がある、分をわきまえると言うことが分からない彼の国々や、平蔵他の日本国内のぐろーばるすたんだーど礼賛者を少々かわいそうと思う次第です。


全く同感です。
これは私の考えですが間もなく中狂は破産するでしょう。その後に来るのはアメリカの解体かもしれません。
そんな混沌の21世紀になった時世界の手本になれる国は何処か?
それが働くことの意味を知っている日本ではないかと思うのです。
その精神的バックボーンは天皇陛下の存在。
天皇陛下は自ら田植えをし、稲を育てています。
皇后陛下は自ら蚕を育て絹を織っています。
恐らくこんな皇帝・王様は世界で日本だけでしょう。これが世界のお手本ではないかと思っています。
  1. 2014-06-16 20:47
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

人が動くから、働くという字になるわけで、
金を動かしても、働くいう字にはならない。
やっぱり、漢字はすごいと思う。
日本人は、いい物は取り入れ、合わない物は取り入れない。
その、日本人のよい感覚をなくさない事が大事だと思う。
その個性的な日本人の存在が、一部のグローバル資本家にとって気に入らない事かもしれません。
グローバル資本家のルールが、世界の貧困の原因のような気がします。
  1. 2014-06-16 23:32
  2. URL
  3. 指圧屋 #-
  4. 編集

To:指圧屋 さん

> 人が動くから、働くという字になるわけで、
> 金を動かしても、働くいう字にはならない。
> やっぱり、漢字はすごいと思う。
> 日本人は、いい物は取り入れ、合わない物は取り入れない。
> その、日本人のよい感覚をなくさない事が大事だと思う。
> その個性的な日本人の存在が、一部のグローバル資本家にとって気に入らない事かもしれません。
> グローバル資本家のルールが、世界の貧困の原因のような気がします。


実は100年も前からグローバル資本家は日本が嫌いでした。
アメリカの反日は大東亜戦争のはるか前からです。結果は日本が世界を読み切れず、戦争に追い込まれました。
昭和天皇が後年こう言っています。
あの戦争の真の原因はなんだったのかとの問いに対し、
「多分あれが原因だったのだろうなあ、そのあれと言うのは当時発足した国際連盟(日本は常任理事国でした)で”人種差別撤廃を連盟の憲章に入れようとした事。あれがアメリカの反発を招いたのだろうなあ」。流石昭和天皇です。事実を良く見ていると思いませんか。

アメリカの支配階級はカネの亡者。だから中狂大好き、困った存在です。
尚グローバル主義と共産主義は実は同根、こんな事を言う人がいます。私も同じ意見です。
  1. 2014-06-18 05:10
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

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