2014-05-18 21:44

米国習慣「チップ廃止」の波紋

 日本の価値観・文化がアメリカに浸透し始めた、そんないい話が有る。

<以下産経より引用>

米国習慣「チップ廃止」の波紋…高級レストランは、なぜ踏み切ったのか
2014.5.18 12:00 (1/5ページ)[岡田敏一のエンタメよもやま話]

2014-5-18アメリカでのチップ不要

 さて、今週は久々となる「食」のお話です。

 米国に旅行に行かれた方ならご存じだとは思いますが、米国のレストランで食事をすると、食事代の他にチップを取られます。
大体食事代の10%~20%が相場ですが、計算するのがめんどくさいので「こんな制度やめて、最初から食事代に含めておけばいいのに」と思ったみなさんも少なくないと思います(記者もそうです)。

 そんなみなさんに朗報です。いま、米国ではこのチップという制度を廃止するレストランが増えつつあるというのです。

 5月6日付フランス通信(AFP)や5月8日付英紙デーリー・メール(電子版)などが報じていますが、ロサンゼルスやニューヨークでチップ制度を廃止した有名レストランが続々登場し、その試みを評価する声が高まっているのです。

時給200円! チップで生計を立てる業界

 そもそも、チップの制度が登場したのは18世紀の欧州で、何かのサービスのお礼として「これでお酒でも飲んでください」との意味合いを込めて渡した小銭が起源と言われています。当時は金額も特に決まっておらず、上流階級の間で習慣化していたようで、それが米国などにも広がっていったようです。

 しかし“チップ大国”で知られる現在の米国では、チップは重要な意味を持ちます。なぜなら、レストランのウエイターやウエートレス、ホテルのポーターなど、チップをもらう接客業に従事する人々は、チップも彼らの給与とみなされているため、賃金がもともと低く設定されているのです。

 米国が定める連邦最低賃金は時給7ドル25セント(約740円)ですが、レストランのウエイターやウエートレスなどでは、合法的に時給2ドル13セント(約217円)という低賃金労働を強いられている人々も。世界的に見ても物価が最も高い都市の1つ、ニューヨークでも彼らの時給は5ドル(約510円)からとなっています。

 平たくいえば、彼らはお店側から最低賃金すら保障してもらえず「足りない分はチップで稼げ」と言われているわけです。

SushiYasuda、Atera…「日本のビジネスモデルならい」超有名店が次々廃止

そんななか、まず話題となったのが、昨年9月3日付米紙ニューヨーク・タイムズや9月6日付米ABCニュース(電子版)が報じていますが、ニューヨーク・マンハッタンの寿司店「Sushi Yasuda(スシ ヤスダ)」やニューヨーク・ブルックリンの「Atera(アテラ)」や「Chef’s Table at Brooklyn Fare(シェフズ・テーブル・アット・ブルックリン・フェア)」、サンフランシスコの「Coi(コイ)」、カリフォルニア州バークレーの「Chez Panisse(シェ・パニッシュ)」、シカゴの「Next(ネクスト)」と「Alinea(アリニア)」といった名だたる有名店の数々がチップを廃止したのです。

 とりわけ「スシヤスダ」は、レシートの下に「日本の慣習にのっとり『Sushi Yasuda』の従業員には給与が十分支払われております。従ってチップは頂きません」としっかり明記しています。

 このレシートの一件がさまざまなメディアで報じられ、都心部のレストランでのチップ廃止の動きが加速したようです。

 そして前述のAFPなどによると、今度は同じニューヨークで人気の居酒屋「Riki(リキ)」が店頭に「リキ・レストランはチップが要らないお店です」、「チップは不要かつ、求められていません」との案内を掲示し、話題を集めています。

 こうした動きについて、米コーネル大学ホテル経営学部のマイケル・リン教授はAFPに、チップを廃止したのは高級なレストランが多いと説明し、食事代にチップを含めることで、チップを少なく渡す客からウエイターやウエートレスを守ることができるといった効用を主張しました。

 しかし、マイナス面もあります。チップを廃止した場合、メニューにチップ代が含まれることになり、メニュー自体の価格設定が必然的に高くなります。そうなると多くの米国人は、お店が単に値上げしただけだと勘違いするのです。

 前述のマイケル・リン教授も「米国人はチップを食事代と考えていないことが多い。その店の価格設定が高いかどうかを判断する際、チップは考慮に入れないのです」と話し「チップを取るレストランは、チップを取らないレストランより(メニューの価格を)15%安くできるでしょうが、それはチップを期待しているからです」と説明します。確かに、チップの分を含めれば顧客が支払う総額はほぼ同じになりますからね。

 また、前述のニューヨーク・タイムズ紙によると、チップにはもともと、ウエイターやウエートレスといった接客担当の人々と、キッチンなど裏方で働くスタッフの賃金を均等化するという雇用者側の狙いもあるのですが、キッチンなどで働く人々の中には不満を持つ人もいるほか、当の接客担当者同士でトラブルが発生する事例も少なくなく、訴訟に発展するケースも珍しくないといいます。

 チップを最初からメニュー代に含んでおけば、店側にとっては、こうした従業員の不満などを解消できます。

離職率を下げ、モラル向上に期待

 ロサンゼルス市郊外グレンデールにある有名レストラン「Brand(ブランド) 158」を経営するガブリエル・フレム氏も、チップを廃止することで客の気まぐれから従業員を守ることができると考えており、AFPに対し「われわれは面接などで、能力があり、期待に応えてくれると判断した人々をウエイターやウエートレスとして雇用している。期待に沿わない人材なら去ってもらうが、気まぐれな理由に基づいた客の思い付きの計算で従業員の賃金が左右されたいとは思わない」と明言します。

 また、レストランのマネジャーたちの中には、前述したチップ廃止の利点により、従業員の離職率の減少やモラルの向上が期待できると考える人も少なくありません。

和食に続いて脚光…米国に続いてカナダも「チップ廃止」

 顧客の中にも考えが変わったという人がいます。週に最低2回は外食するというニューヨーカーの若者、ノエル・ウォーレンさんはAFPに「当初は怠惰な接客態度をとる接客担当者には、チップを減らして対抗してやろうと思ったが、なぜ彼らが最初から好ましくない接客態度を取るか考えてみた。それは多分、客がチップを弾んでくれるという期待感が持てないからだろう。しかし、働きぶりに対し適切な対価を得ることができれば接客態度も改善すると思う」と述べ、チップ廃止の効用を評価しました。

 この動き、米国内ではニューヨークやロサンゼルス、シカゴといった大都会だけで、田舎には広がらないとの指摘もありますが、既に米国外にも広がり始めています。

 5月9日付のカナダの日刊紙タイムズ・コロニスト(電子版=ブリティッシュコロンビア州の州都ビクトリアの地元紙)によると、バンクーバー東岸に6月開業する新しい複合商業施設内のレストラン「スモーク・アンド・ウォーター」が、チップ不要のレストランになるというのです。

 チップ不要のレストランは恐らくカナダ初といい、このレストランの経営者は、チップを不要にする代わりに、同業他社のお店などに比べ、メニュー価格を18%高くし、その分、従業員の雇用を守り、福利厚生などを充実させたいと話しています。

 タイムズ・コロニスト紙はこの試みについて「日本やオーストラリア、ニュージーランド、そして欧州の一部で採用している、従業員に生活賃金を支払うというビジネスモデルを意図している」と報じました。

 カナダの観光学の専門家はタイムズ・コロニスト紙に「カナダのレストランのビジネスモデルが変わるときが来た。今後5年の間に、5割の確率で、カナダのレストランはチップ不要へと変わっていくだろう」と予測しました。

 日本食(和食)が世界で評価を高めるなど、食の国際化が進むなか、米国のレストランのビジネスモデルも本格的な“国際化”時代に突入し、変革を余儀なくされているようです…。
(岡田敏一)

http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140518/wec14051812000004-n1.htm

<引用終り>

良い話である。
戦後日本人は「アメリカこそ良い国、世界のお手本」、そう言われ続けてきた。
そして世界の殆どの国が「目標・お手本とする国はアメリカ」、これは今でもそうだろう。
国際語は英語・・・これは間違いない
食べるのはマクドナルド・・・これも世界中に広まった。

そんな中に遂にアメリカのマナーの基本、チップを否定する動きが始まったのだ。
引用文にあるようにチップと言うのは煩わしい、しかしそれより問題なのはチップをもらえるのがウエイターなどに限られ、料理人はもらえないなど問題が一杯ある。
それを解決するために日本式のチップ不要の店が増えてきた。素晴らしい事である。

世界中のお手本になれる国は世界中でもそんなにたくさんは無い。
多分G5の5か国(米英仏独、そして唯一非白人国日本)だけだろう。
未来のためにこんな話を若い人にもっと知ってほしい、日本は素晴らしい国なんだと。
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コメント

上手く行くといいんですけど……
長年染み付いた習慣はなかなか抜けないし
新しい考えは浸透まで時間がかかります。

下衆の勘ぐりですが「誰か」にとって「都合がいい」から
始まっている様に思えますね。

日本の核家族化が進んだのも建設業界や不動産業界が住宅を売りたいが為
なんて話もありますし……何か裏がありそうです。
  1. 2014-05-19 08:29
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  3. ハロン棒 #-
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日本からアメリカに輸出された思想ってのはけっこうあって、今は「自由と平等の番人」みたいな顔してるアメリカですが、あの思想だって日本からの輸出品です。第二次世界大戦までのアメリカは、明確に人種差別国家でしたからね。
  1. 2014-05-19 09:11
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  3. nack #-
  4. 編集

To:ハロン棒さん

> 上手く行くといいんですけど……
> 長年染み付いた習慣はなかなか抜けないし
> 新しい考えは浸透まで時間がかかります。
>
> 下衆の勘ぐりですが「誰か」にとって「都合がいい」から
> 始まっている様に思えますね。
>
> 日本の核家族化が進んだのも建設業界や不動産業界が住宅を売りたいが為
> なんて話もありますし……何か裏がありそうです。


アメリカのチップ制度は奴隷労働が姿を変えたもの、そう理解すべきと思っています。
確かにアメリカのレストランのウエイターは良く働きますが、目の前にニンジンをぶら下げられた馬でしょうね。
チップで生きている限り何十年働こうとも老ウエイターのままです。
しかしそのレストランの従業員であれば、努力すれば出世の道も有りうるし、将来コックさんへの配置転換もありうる。上手くいけば将来マネージャーへの道も可能性がある。
働き方の大変換だと思います。

実に素晴らしい事だと思います。
  1. 2014-05-19 17:23
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  3. 短足おじさん二世 #-
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To:nack さん

> 日本からアメリカに輸出された思想ってのはけっこうあって、今は「自由と平等の番人」みたいな顔してるアメリカですが、あの思想だって日本からの輸出品です。第二次世界大戦までのアメリカは、明確に人種差別国家でしたからね。


初めまして、コメント有難うございます。
ご指摘の通り、戦前のアメリカは明確に人種差別国家でした。
そして現在でも間違いなく人種差別国家です。
ではなぜ黒人大統領? ズバリ、票の為、平等の国のシンボルとしての飾り物でしょう。

この話を聞くと昭和天皇陛下のこんな話を思い出します。
昭和天皇はあの戦争に至った理由として「多分あれが原因だったんだろうなあ」、そう仰ったそうです。
その「あれ」とは戦前の国際連盟(日本は常任理事国でした)で日本が人種差別撤廃を謳おうとした、それをアメリカ大統領の反対で潰された。
昭和天皇は多分これがその後の反日運動に結びつき、戦争に追い込まれた。
苦悩の中で得た結論だったと思います。尊いご判断、日本人は今一度噛みしめねばいけないのかなあ。
そう思っています。
  1. 2014-05-19 17:35
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  3. 短足おじさん二世 #-
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アメリカ人のサービスというものに関する考え方は完全に2つに分かれてるのでしょうか。一方にある技術系や医療系の専門性があるものになるとえらくバカ高い料金がかかるようにできていて信じられないくらいの金かかります。同原価計算したってそんな物暴利だろうというものです。

その究極にあるのはマニュアル化する必要もないかマニュアル化がごく簡単にできる労働に対する低評価です。ウェイターなんてのは後者の典型ですが、この手の労働の質はどうでもいいと使用者が考えてるとしか思えません。

思うに日本語では単に労働なんですが前者はworkであり後者はlaborなのでしょう。laborは基本的には奴隷の仕事であってそれは評価に値しないということなんでしょうか。AFLなんて組織がありますがおそらくこれは労働をそう見てるからでしょう。

戦史類を見てみると明白にわかるのですが日本軍の下士官兵の素質の高さとエリートの無能さは何時の時代も見られる現象です。これが戦後の発展をもたらしたのですがその辺りの問題がどこまで日本の経営者にわかってるか心もとないと思うことが多いのは小生の老婆心でしょうか。

それはともかくとして、これはおそらくウェイターの質は向上するでしょう。
いあわゆる新自由主義の徒はどう思うか知りませんが、恒産なくして恒心なしというのはおそらくどこの世界でも真理だろうからです。
  1. 2014-05-24 11:57
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  3. kazk #-
  4. 編集

To:kazkさん

> アメリカ人のサービスというものに関する考え方は完全に2つに分かれてるのでしょうか。一方にある技術系や医療系の専門性があるものになるとえらくバカ高い料金がかかるようにできていて信じられないくらいの金かかります。同原価計算したってそんな物暴利だろうというものです。
>
> その究極にあるのはマニュアル化する必要もないかマニュアル化がごく簡単にできる労働に対する低評価です。ウェイターなんてのは後者の典型ですが、この手の労働の質はどうでもいいと使用者が考えてるとしか思えません。
>
> 思うに日本語では単に労働なんですが前者はworkであり後者はlaborなのでしょう。laborは基本的には奴隷の仕事であってそれは評価に値しないということなんでしょうか。AFLなんて組織がありますがおそらくこれは労働をそう見てるからでしょう。
>
> 戦史類を見てみると明白にわかるのですが日本軍の下士官兵の素質の高さとエリートの無能さは何時の時代も見られる現象です。これが戦後の発展をもたらしたのですがその辺りの問題がどこまで日本の経営者にわかってるか心もとないと思うことが多いのは小生の老婆心でしょうか。
>
> それはともかくとして、これはおそらくウェイターの質は向上するでしょう。
> いあわゆる新自由主義の徒はどう思うか知りませんが、恒産なくして恒心なしというのはおそらくどこの世界でも真理だろうからです。


アメリカ人の労働観が二つある、私も同じ思いを持っています。
どなたかが言ってましたが「LABOR」と言う言葉には女性の陣痛と言う意味が有る。
要するに苦しいものがLABORなのだと。

実は最近面白い本を読んでいまして、アメリカに移民でやってきた初期の人たち、この人たちは労働をしに来たのではない、原住民を捕まえて奴隷として働かせる、これが目的だったと言うのです。
未だアフリカから黒人を連れてくるはるか以前の話、この話を読んだとき私の長年の疑問が解けました。
アメリカの田舎には働くことに価値観を見出す人たちが沢山いる、西部劇の世界などはその代表格でしょうか。しかし一方では奴隷労働は決してなくならない、アメリカ国内で亡くなったように見えますが実はアメリカ国内にもいっぱいいる。不法移民グループなどがその典型。
そして都合が悪くなるとその奴隷労働を輸出する、中国などはその典型でしょう。

私はタイでアメリカ系企業とも付き合ってきましたのである程度分かりますが、彼らの考え方は間違いなく人を奴隷扱いしていますね。

日本は下士官クラスは優秀だがエリートクラスがダメ、これは事実ですがではいつからそんなだったのでしょうか。江戸時代、いやその前の戦国時代も矢張りエリートが無能だったのでしょうか。
私は矢張り子供の頃からエリート教育すべきだと思っています。
その為には学校教育だけでは足りません。もっと別の方法でエリート教育していかないといけない、そうでは無いでしょうか。
  1. 2014-05-25 12:00
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  3. 短足おじさん二世 #-
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