2014-03-30 11:25

ドルに従属する人民元 「新型大国関係」の裏で

 産経のコラムニスト田村秀男さんの面白いコラムがZAKZAKに載っていた。
こんなモノである。

<以下引用>

【お金は知っている】ドルに従属する人民元 「新型大国関係」の裏で

2014.03.28

2014-3-30田村秀夫さんコラム


 オランダ・ハーグでの核安全保障サミットに先立ってオバマ米大統領と中国の習近平国家主席が会談し、「新型大国関係」を強化することで一致したという。

 ワシントン側は以前、米中の緊密な協力関係を意味する「G2」を口にして北京に誘いかけたが、北京側は拒絶したいきさつがある。北京にとってのG2とは、米国の要請に応じるよう圧力をかけられる場になると警戒したのだ。

 オバマ政権はロシアを牽制(けんせい)するため、別の言い方で中国に改めて誘い水をかけたが、中国側は今回ばかりはむげに断れない。経済・金融の側面からすれば、中国は対米配慮せざるをえないほど窮地に立つ。

 グラフは2008年9月を起点に米中の中央銀行によるお金の発行量(マネタリーベース)の増加額の推移を追っている。人民元の発行量はドルに換算して比較しやすくした。マネタリーベースは本来、各国独自の経済・金融事情に応じて調節されるのだが、中国は11年後半から、明らかにドルの発行量に合わせて人民元を供給していることが読み取れる。今年1月の米中のそれはほぼ同額であることも興味深い。中国人民銀行は米連邦準備制度理事会(FRB)のマネタリーベースを基準にした金融の量的拡大に徹しているのである。

 中国人民銀行は歴史的に、人民元の相場を絶えずドルに対して固定する政策で一貫してきた。やり方は、流入する外貨をことごとく人民銀行が買い上げ、外貨流入量に応じて人民元を発行する。グラフが示すように、11年9月頃まで人民銀行が保有する外為資産増加額と人民元発行額の増加量がほぼ一致してきたのはそんな背景がある。

 ところが11年秋からは外為保有増加額をはるかにしのぐ勢いで、人民銀行はマネタリーベースを増やしている。他方では、マネタリーベースの増加額をドルに沿うように推移させている。

 外貨流入額にこだわらずに人民元を発行せざるを得なくなった背景には、不動産バブル崩壊不安がある。人民銀行はお札を刷っては主として国有商業銀行に流し込み、商業銀行が融資を増やすわけだが、12年初めからは投機資金が国外に逃げ出した影響で、貿易黒字を合わせても流入外貨が増えなくなった。

 人民銀行がそのままマネタリーベースを増やせなくなると、不動産市場にカネが流れなくなる。金詰まりで不動産市場が崩れる。そこで、人民銀行は保有外貨の裏付けなしに、人民元を増刷し出した。ただし、新たな目安はドルの発行量として、人民元の安定を意識している。

 米国に対する中国の弱みは、ドルへの従属関係にある。中国は世界最大の米国債保有者だからと言っても、大量に売って米国債相場を暴落させると、中国は巨額の損失を負う。従って、保有米国債は「人質」ではあっても、武器にはなりえない。通貨はその国にとっての安全保障を左右する。中国は米国との関係を壊すわけにはいかないのだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140327/ecn1403271817001-n1.htm

<引用終り>



何が興味深いのかと言えばアメリカのリーマンショック、サブプライムローンショックからの立ち直り。
そこでアメリカがとった政策が超金融緩和だった。
その結果何が起こったのか、それが良く分かるのだ。

金融緩和で金をジャブジャブ市中に流せば当然インフレになる。これは経済学の教科書そのものである。
そしてアメリカもその通りの事をやっているのになぜか大してインフレにならない。

以前からそのカラクリがどうなっているのかは興味が有った。
そこに丁度良く分かるグラフが出てきたので私にとっては大変ありがたい事だったのである。

本文冒頭のグラフ、「中国はドルに合わせて人民元資金を発行する
なるほどねえ、だから中国様とアメリカはお友達だったわけだ。
昨年暮れの中国の防空識別圏問題で口ではうまい事を言いながらアメリカは中国にはハッキリモノを言わない。
そりゃあ大切なお得意様・お友達ならそうなるわけだ。うん大いに納得。

そしてそんなアメリカと中国の合作バブル、その結果こんなモノが出来た。

2014-3-30中国オルドス市の鬼城

これは中国内モンゴルのオルドス市。荒野のど真ん中に百万都市を作ったのだがモヌケの殻。
こんなゴーストタウン、中国では鬼城というらしい。

<追記> taigenさんがこのオルドス市の惨状を紹介する動画が有ると教えてくれた。
大変ありがたいので早速紹介。taigenさん どうも有り難うございました。


アメリカがバブルが発生しない代わりに中国でバブルが発生していた。そんな事だったのだ。
良く分かる話である。

  1. 中国
  2. TB(0)
  3. CM(6)

コメント

動画も有りました
https://www.youtube.com/watch?v=9BOkxnmfsN8
  1. 2014-03-31 05:41
  2. URL
  3. taigen #-
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To:taigenさん

> 動画も有りました
> https://www.youtube.com/watch?v=9BOkxnmfsN8


情報ありがとうございます。いやあ凄いの一語ですねえ・・・
それにしてもこのオルドス級の鬼城が何十個所もあると言います。
此処から立ち直るには何十年もかかるでしょう。大変ですね。

私はアジア通貨危機直後からタイで仕事をしていました。
その頃はこんなモノがアチコチにありましたが、その頃のタイとは規模が違いますね。
二桁、いや三桁は違うでしょう。タイの1000倍以上、多分1000倍以上でしょう。もっとかな?
最早想像もできません・・・。
  1. 2014-03-31 22:37
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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中国人にとっての鬼の認識は日本人のものとは異なると聞きました.日本人が想像する筋骨隆々の角を生やした赤鬼や青鬼のイメージとは異なり,中国人が想像する鬼とは日本における弱弱しい幽霊のような風前のともしびのような儚いイメージのものなのだそうです.故に日本を中傷する言葉にも鬼という文字が多用されるのだとか.言葉に対する認識の異なりひとつで物の捉え方がこうもガラリと変わるのかと驚いています.
初め鬼城という言葉を聞いたときは,安土城のようなどんな威容を誇る建物がおっ建てられているのかと思いましたが,寂れた住宅群を見てやや肩透かしでした.そしてもう一度大江山の鬼退治物語を読み返したくなりました.
  1. 2014-03-31 22:48
  2. URL
  3. 機械 #GsYLaFnE
  4. 編集

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%83%83%E3%82%B0%E5%88%B6

人民元は典型的なドルペック制ですね。
同じ量だけ発行すれば、為替問題から回避できる。
日本は白川法王が、お札を刷らないので、どんどん円高になり国内製造業は塗炭の苦しみ。円高は為替が勝手に動いたのではなく、法王の日本経済破壊への強い思いから発したものでしょう。
しかし、ドルペックは発展途上国に中でも特に弱小な国に許されるもの。従ドル慰安紙幣なんですから。
それにしても、ドルと人民元は大量に刷ることを前提にした極めて安っぽい紙幣でして、日本銀行券とは出来が違います。
どちらも国際的に見ても困った紙幣ですね。
  1. 2014-04-01 06:24
  2. URL
  3. 矢野友遊 #-
  4. 編集

To:機械さん

> 中国人にとっての鬼の認識は日本人のものとは異なると聞きました.日本人が想像する筋骨隆々の角を生やした赤鬼や青鬼のイメージとは異なり,中国人が想像する鬼とは日本における弱弱しい幽霊のような風前のともしびのような儚いイメージのものなのだそうです.故に日本を中傷する言葉にも鬼という文字が多用されるのだとか.言葉に対する認識の異なりひとつで物の捉え方がこうもガラリと変わるのかと驚いています.
> 初め鬼城という言葉を聞いたときは,安土城のようなどんな威容を誇る建物がおっ建てられているのかと思いましたが,寂れた住宅群を見てやや肩透かしでした.そしてもう一度大江山の鬼退治物語を読み返したくなりました.


日本語で言うお化け屋敷の方が近いのかもしれません。
でも凄いのは兎に角外観だけでも完成しているモノが多い事ですね。
よくぞあれだけ作ったものです。
しかも全国では数えきれないくらい有る、呆れたものです。
  1. 2014-04-01 15:23
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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To:友遊さん

> http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%83%83%E3%82%B0%E5%88%B6
>
> 人民元は典型的なドルペック制ですね。
> 同じ量だけ発行すれば、為替問題から回避できる。
> 日本は白川法王が、お札を刷らないので、どんどん円高になり国内製造業は塗炭の苦しみ。円高は為替が勝手に動いたのではなく、法王の日本経済破壊への強い思いから発したものでしょう。
> しかし、ドルペックは発展途上国に中でも特に弱小な国に許されるもの。従ドル慰安紙幣なんですから。
> それにしても、ドルと人民元は大量に刷ることを前提にした極めて安っぽい紙幣でして、日本銀行券とは出来が違います。
> どちらも国際的に見ても困った紙幣ですね。


なるほど、ドルと円の価値の違いを紙幣の質でみる、面白い見方ですね。
確かにはじめてアメリカに行く人には必ず念を押されるのがドルは1ドルでも100ドルでも紙幣は全く同じ。肖像画が違うだけだから気をつけろ、これですね。
しかもドルの垂れ流しをしてもインフレにならない仕組みは人民元にある。
ドルも人民元もそういう意味では価値は同じですね。

日本人は日本円を持てることの幸せを本当に自覚していない。
もっと自信を持つべきです。
日本円と日本のパスポートは世界最強ですから。

  1. 2014-04-01 16:20
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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