2013-10-22 20:33

石油危機の痛みを忘れてはならない <日経の社説です

 やっとまともな報道が出てきた。現在日本は原発停止に伴う天然ガス等の燃料輸入増で貿易収支が大赤字。

以前なら「このままでは日本沈没」との大合唱の筈。しかしそんな事は全く聞こえてこない。

遅まきながら日経がエネルギーの安定供給の重要性を言い始めた訳だ。

 

 

<以下日経の社説から>

 

 石油危機の痛みを忘れてはならない 

2013/10/14 3:30

 

 街のネオンが消え、店頭から様々な物資が姿を消した。世界経済に混乱をもたらした第1次石油危機から今月で40年。あの時の痛みを忘れてはいないだろうか。

 

 エネルギーの安定供給は国の発展の基礎である。多様なエネルギーを利用し、無駄な消費を抑える社会を築く歩みを止めてはならない。コストや安全、地球環境問題とバランスがとれた資源確保戦略を改めて考える時である。

 

 日本は石油危機を機に、「脱石油」と「脱中東」を掲げた。だが東日本大震災後に原子力発電所の運転が止まった結果、化石燃料の輸入が急増。原油の中東依存度は危機前の水準に戻ってしまった。

 

 米国ではシェールガスと呼ぶ新型天然ガスの生産が増えている。ロシアやアフリカでも油田やガス田の開発が進む。調達先を広げる努力を怠ってはならない。

 

 調達先の分散は供給国との交渉力を高め、調達価格の引き下げにつながる。太陽光や風力など輸入とは無縁の再生可能エネルギーを育てることや、天然ガスの成分が地中で水と結びついたメタンハイドレートといった日本周辺の海域に眠る国産資源の開発も大切だ。

 

 忘れてはならないのが省エネルギーだ。日本は危機をばねに省エネ技術を磨き、効率の良い製品は日本企業が海外に飛躍する原動力になった。エネルギー消費の増大に直面する新興国に、日本の技術を広げる余地はまだ大きい。

 

 40年前に産油国が石油メジャーから奪い取った原油の価格主導権は、1980年代に市場へと移った。電子取引システムが絶え間なく動く現在の原油市場にはヘッジファンドや年金基金などの資金も入り込む。

 

 「アラブの春」で中東・北アフリカ情勢が混迷した2011年2月には、欧米合わせた1日の原油先物売買高が20億バレルとサウジアラビアの200日分の生産量に匹敵する水準に膨らんだ。米国の金融政策や投資資金の影響を強く受け、1日で相場が急変することも珍しくなくなった。

 

 政府は各国と連携し、原油相場を動かす様々な動きに目配りしていく必要がある。石油危機の73年に変動相場制に移行した為替は、為替予約などによるヘッジが企業に浸透している。多くの原燃料を輸入に頼る日本企業は、エネルギー価格の変動リスクに備えて先物市場などを利用し、経営安定に向けて対応することが求められる。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO61061790U3A011C1PE8000/

 

<引用終り>

 

 

日本は大震災以来貿易赤字が続いている。凄まじい金額の赤字である。

しかし貿易収支、貿易外収支を合わせた経常収支(国際収支)は大幅減とは言え黒字だ。

だから日本沈没だなどとは誰も言わないがそれで良いのだろうか?

このグラフを見てほしい。

これは8月8日発表の今年上半期までの経常収支(国際収支)推移

 

大震災以降貿易収支は大赤字である。比較可能な1985年以来の最低水準と言う。

原因は原発停止による天然ガス等の大量輸入だ。

しかしこんな事を言う詐欺師もいる。

 

前回「脱原発詐欺の裏側」をエントリーしたが、こんな詐欺師を日本では総理大臣に頂いていたのだ。

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/3207547/

 

 

数日前近所に住む知人とこんな話をした。

原発が止まっても皆さん日常生活は支障出てないよねえ、でもその為に日本の貿易収支は大変な赤字、昔なら大変だ! 大変だ!の大騒ぎなのだが何も報道されないよねえ、可笑しいでしょ。

実は海外での儲けを国内に送金する所得収支と言うのが黒字が大きく、それで貿易収支の赤字を埋めてトータルは少ないながらも黒字、これが実態です。

この所得収支の黒字は毎月1兆円以上ある、だから皆さんの生活が成り立っているんですよ。こんな話をした。

その知人はそんな事は聞いた事もなかったが、私の話で今までの疑問が解けたと言っていた。

 

上掲グラフで言うと直近の2013年上期(1月~6月)、

貿易収支は6か月間で4兆2382億円の赤字

しかし所得収支は6か月間で8兆6783億円の黒字

トータルで経常収支は3兆2114億円の黒字だった。

日本国内が長いデフレで苦しみながらも海外で利益を上げてきた。

その成果である。

とは言うもののこの黒字額、比較可能な1985年以降で言えば過去最低から2番目のブービー賞、過去最低はひとつ前の2012年下期。

実は危ない綱渡りなのだという事を国民は全く知らされていない。

 

 

長い話になった。冒頭上げた日経の社説、やっと日経がそのカラクリに気が付いてまともな事を言い始めたという事だろう。遅ればせながら良い事だと言える。

 

 

今日のFC2のエントリーはこちらです。

http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-806.html

 

しかしこの所どうも天候が不順ですね。

人間より草木や虫たちが気が付いてきたようです。変な時の新芽が出てきたり・・・

もっと注意深く観察しないといけないですね。

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コメント

No title

地球が寒冷化に向かえば電力は今以上に必要になります。世界中でエネルギーが必要に。日本が経常収支で黒字と言えるのも時間の問題でしょう。

日本では何かと「省エネ」で乗り切ろうとする気風がありますが、それは枝葉の問題で、根っこ・幹である貿易収支の改善(=エネルギー問題)を国民の関心事にすべきです。

テレビでも主婦が「電気・ガスの値上げ困ります」にとどまる話が多すぎます。
原子力発電は安上がりのエネルギーです。事故ばかりにとらわれず「改革・改善」を目指すべきと思います。
  1. 2013-10-23 04:17
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  3. 相模 #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To 相模さん
>地球が寒冷化に向かえば電力は今以上に必要になります。世界中でエネルギーが必要に。日本が経常収支で黒字と言えるのも時間の問題でしょう。
>
>日本では何かと「省エネ」で乗り切ろうとする気風がありますが、それは枝葉の問題で、根っこ・幹である貿易収支の改善(=エネルギー問題)を国民の関心事にすべきです。
>
>テレビでも主婦が「電気・ガスの値上げ困ります」にとどまる話が多すぎます。
>原子力発電は安上がりのエネルギーです。事故ばかりにとらわれず「改革・改善」を目指すべきと思います。


このエネルギー問題、大停電などで死人が出ないと日本人は目が覚めないのかもしれません。
残念ながらマスゴミが機能しない今、そんな考えが湧きあがってきます。
しかし今年の冬は猛烈に寒くなりそう。もう既にその兆候が出ているのですが、そんな事は気象予報士も言いませんね。
目の前、数日先までの予報なら外れても責任は有りません。しかし中長期予報はそうはいかない。でもトンデモナイ事態が来るかもしれない、覚悟すべきでしょう。

近々エントリーしようと思っていますが、ヨーロッパは再生可能エネルギーの失敗でトンデモナイ衰退に向かうと言われ始めています。この冬辺り大騒ぎになるかもしれません。
  1. 2013-10-23 06:49
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
  4. 編集

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