2009-12-01 15:49

太陽が警告している<温暖化、実は寒冷化だった (その4)

地球は温暖化なのか寒冷化なのか、その鍵を握るもうひとつのファクターは海洋循環である。

 

海洋循環? 新しい言葉なので聞きなれない人が多いと思う。

ごく大雑把に言えば「地球上で最大の海流であるメキシコ湾流(注)が北極近くで海底に沈み込み、海底をゆっくり移動、そして太平洋上に湧き出し、又表面を流れてメキシコ湾流になる、約1000年程度掛かる壮大な大循環」 こんな事がいえる。

(注):メキシコ湾流は英語では「ガルフ・ストリーム」でメキシコの地名は無い、またメキシコ湾から流れ出ているわけでもない、しかし日本ではメキシコ湾流と呼び慣れているのでそのまま使用

 

まずはその概念図を

赤色が暖かい表層、青色が冷たく高塩分の深層

 

 

何故この海洋循環が問題かというと、海洋循環の中心であるメキシコ湾流がヨーロッパ全域の気象・気温に重大な影響を与えている為だ。

何やらまたまた風が吹けば桶屋が儲かるような話だが・・・

 

まずはヨーロッパの気候から話を始めたい。

ロンドンやパリが日本より随分北に有ることはよく言われることだが、それがどれくらいかと言うと

 

ロンドン・パリ・ベルリンなどヨーロッパの主要都市は皆北海道よりはるか北、それなのに冬などは札幌の方が寒い。 

具体的に数字で言うと

       1月平均気温     7月平均気温

ロンドン    3.6℃         16.1℃ 

パリ       3.3℃         18.2℃  

札幌     -4.9℃         20.2℃ 

東京       4.7℃         25.2℃

 

この違いは何処から来るか、これは地理の時間に習ったとおり暖流(メキシコ湾流)のおかげである。

 

このメキシコ湾流をJAXAの人工衛星が捉えた写真が有る。

上の地図と見比べてみれば暖流がヨーロッパに向かっていること、またメキシコ湾から流れ出ているわけでないことが分かる。

そして日本でも天気は西から変わるようにヨーロッパでも同じ、だからこの暖流、アメリカのニューヨーク付近はあまり温めず、欧州を温めているわけだ。

 

 

さてヨーロッパを温めたこの巨大な海流がそれからどうなったのか、これが分かってきたのが1990年頃のこと、北上した海流が冷やされ、塩分濃度が上がってグリーンランド沖で海底に沈みこむ、こんなメカニズムが分かってきた。これが海洋循環である。

(海洋大循環とか熱塩循環、或いは海洋コンベアとも言われる)

グリーンランド海、ラプラドル海では直径10キロにもなる巨大な渦巻きがあることが確認され(チムニーと言うそうだ)、ここが壮大な海洋循環の出発点と分かってきた。

そして地球温暖化の研究にグリーンランド海の更に奥で科学者が研究を始めた。

その最前線が北極点まであと1000キロのスパールバル諸島である。

 

このスパールバル諸島は地球温暖化の影響を一番早く受けるところと言われ、確かに2007年まで温暖化が続いた。

ここで観測された氷河の後退などの温暖化のエビデンスが、あたかもCO2のよる温暖化と解釈されて広く世界に広まった。

NHKの温暖化による北極海の白熊絶滅の危機報道ももとはここにあった。

 

しかし北極の氷の減少も2007年で終わった

この図は前々回のエントリーで使ったものだが、少しずつ氷の面積が増え始めている。

 

 

 

 

 (これは11月24日のデータ)

 

結論を言えば

20世紀は確かに温暖化した。しかしここ10年この温暖化は止まっている。

それなのに北極では温暖化が進んでいたが、その原因は海洋循環で有る。だがその北極圏での温暖化も2007年で終わったように見える

こんな事が言えるようだ。

 

 

最後にこの海洋循環、今学者を悩ませていることがある。

それはこの様なことが発見されてまだ間が無いので「データの蓄積が無い」こと。

そしてこの海洋循環、どうも僅かな変化がスイッチになって劇的に変化するらしいのだが、そのメカニズムがまだ解き明かされていない。

最悪の場合何かが原因でこの海洋循環が大きく変化し、劇的に寒冷化する事だって有りうる、然し予想がつかないのだという

こんな事が今回のデータ捏造事件の背景ではないかと思う。

 

<続く>

次回は温暖化・寒冷化がもたらす結果を、歴史上の事件との関連で考えます。

  1. 気候変動
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  3. CM(6)

コメント

No title

 縄文の豊饒さやら江戸時代の飢饉やら、温暖化・寒冷化と縁の深い現象は多々ありますね。
 実際に古代には温暖化による海進やら海退やらがありましたし。
 次回のエントリに期待しています。
  1. 2009-12-01 17:27
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  3. ご隠居 #79D/WHSg
  4. 編集

No title

もともと温暖化を騒ぎ始めたのは欧州で、2003年の熱波が最後のピークだったのでしょうか?
あの後、熱波のニュースを聞かないのは変だと思ってました。
欧州が冷えて来たら、彼等は現金ですので、早々に方向転換するかも知れませんね。

  1. 2009-12-01 21:17
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  3. yuyuu #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To ご隠居さん

> 縄文の豊饒さやら江戸時代の飢饉やら、温暖化・寒冷化と縁の深い現象は多々ありますね。
> 実際に古代には温暖化による海進やら海退やらがありましたし。
> 次回のエントリに期待しています。

有難うございます。
縄文時代、青森の三内丸山遺跡などは縄文人が細々と狩猟採集をしていたという常識を覆すものでした。
これなどは温暖化の恩恵そのものでしょう。
でももっと問題なのは江戸時代に頻発した飢饉、私には江戸時代という安定した時代だったのであの程度で済んだと思えるのですがどうでしょうか。
  1. 2009-12-01 21:20
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To yuyuuさん

>もともと温暖化を騒ぎ始めたのは欧州で、2003年の熱波が最後のピークだったのでしょうか?
>あの後、熱波のニュースを聞かないのは変だと思ってました。
>欧州が冷えて来たら、彼等は現金ですので、早々に方向転換するかも知れませんね。

ゴア元副大統領などはノーベル賞までもらっておきながら、最近では温暖化へのCO2の寄与度は40%だなどと言い出しているようです。
それでアメリカでは金まみれのゴアの変節などと揶揄されているようです。
欧米人の現金なこと、ホント注意が必要です。
  1. 2009-12-01 21:31
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
  4. 編集

No title

海洋循環の話は数年前にUCLAバークレー校の何かの公開講座に友人に付合わされて行った時に聞いた事があります。しかし、その時は少し興味を感じたものの忘れていました。その時の講義ではまた話がずれますが(すみません)シベリヤからアラスカにかけての北極海沿岸地域(たしかユーコン地域と聞いた様な)に大量に埋まるマンモスだけでなく、像や豹や馬や本来熱帯性と思われる動物の「瞬間冷凍」が大量に埋まっているというお話でした。昔訪れたレイキャビックのレストランで「マンモス」の肉のステーキがメニュウにありましたが、その時の話では正に瞬間冷凍された新鮮さで今でも十分食用に耐えるのだとか聞きました。13000年程前の話しですがこのときに地球に何が起こったのでしょうか?恐竜絶滅の後にももっと近代に近くなっても大きな気候変動が起こった様です。なにより奇妙なのは、13000年前と言えば最後の氷河期が終わり地球が温暖化に向かい氷河がとけて海水位が急上昇した時代だそうですが、この氷河期の時代の北極圏はこの世の春、いろいろな熱帯、温暖動物の宝庫だったというのも不思議です。地球が90度ひっくり返ったということでしょうか?
この世の中にはまだまだ科学の追いつかない話があるということでしょうか。
  1. 2009-12-04 08:45
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  3. sonoraone #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To sonoraone さん

海洋循環の所で話がややこしくなるので書きませんでしたがこんな事情です。
最終氷期が温暖化していく時代、今から1万3千年位前のこと、当時北アメリカ大陸北部は暑さ数百メートルの巨大な氷床に覆われていました。その氷床から流れ出す水はミシシッピ川に流れメキシコ湾に注いでいました、氷が解けるに従って下からセントローレンス川が現れ、大氷床からの水がそこを流れるようになります。その水は大西洋北部の海に入るので、そこが急激に塩分濃度が薄くなった、結果として大西洋北部で塩分濃度が高くなって海底に沈んでいた海洋循環のサイクルが変わってしまいこの海洋循環が止まってしまった。この為北半球北部を中心に急激な気温低下が発生しました。
この時期をヤンガードライアス期と言います。今から12900年~11500年前のことです。この寒冷期イギリスで年平均気温がー5℃(!)になったと言われており、約1300年続いたと見られています。またこの変化はごく短時間で起こったとも言われています。
心ある学者は今この入り口ではないかと心配しています。
NASAがこの懸念を公表しています↓
http://science.nasa.gov/headlines/y2004/05mar_arctic.htm
尚この時期はベーリング海峡が陸続きで、しかも大氷床が二つに分かれて無氷回廊が出来た、この僅かな期間に人類(モンゴロイド)がアメリカ大陸に進出できた、そんな奇跡の時期でも有ります。その後アメリカ大陸に新たに人類が入ってくるのは1万年以上後。そんな歴史が有ります。
  1. 2009-12-04 09:53
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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