2013-12-07 15:08

旧日本軍の巨大潜水艦を発見、ハワイ沖

 「旧日本軍の巨大潜水艦を発見、ハワイ沖」、こんな報道が有る。
旧日本軍の伊号400だ。
しかし何気なく見ていたらCNNに同じながら興味深い記事が有った。

産経の報道と合わせて比べてみたい。
そして昨夜成立した秘密保護法がなぜ必要かも合わせてみてみたい。

その前に伊号400とはこんな潜水艦。
2013-12-7伊400潜水艦写真


この当時世界最大の潜水艦で、これより大きな潜水艦はアメリカの原子力潜水艦の登場まで待たねばならなかった。


<以下産経より引用>

2013.12.4 11:12
旧日本軍の大型潜水艦「伊400」ハワイ沖で発見 高度技術流出恐れ米が破壊

 米ハワイ大の海洋調査研究所は3日までに、旧日本軍の潜水艦の残骸をオアフ島沖の海底で発見したと発表した。原子力潜水艦が建造されるまでは世界最大級だった「伊400」で、第2次大戦の終結直後に米軍が押収、高度の技術がソ連の手に渡るのを警戒し、破壊して沈めた。

 オアフ島南西沖の深さ約700メートルの海底で同研究所の有人潜水艇が見つけた。

 伊400は全長約120メートルで翼を折り畳んだ攻撃機を3機搭載できた。給油無しで地球を1周半連続航行する能力があったとされ、旧日本軍は当時米国が管理していたパナマ運河などへの攻撃に使うことを検討したとみられている。

 現地で調査した米海洋大気局(NOAA)の専門家は「それまでの軍事戦略を変える攻撃能力」を持つ潜水艦だったとしている。

 米軍は戦後、伊400など旧日本軍の潜水艦5隻をハワイの真珠湾に移送して能力を調査し1946年に現場海域で沈めた。同研究所は92年からこれらの潜水艦を探す調査をしている。(共同)

http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/131204/wor13120411140019-n1.html

<引用終り>



所でこれはCNNの報道、多分ソースが同じなのだろう、とてもよく似た記事。
しかし興味深い事に微妙に違うところが有る。


<以下CNNより引用>

旧日本軍の巨大潜水艦を発見、ハワイ沖
2013.12.04 Wed posted at 09:54 JST

旧日本軍の巨大潜水艦、ハワイ沖で発見
(CNN) ハワイ大学の研究所は、第2次世界大戦後の1946年に米海軍によって沈められた旧日本軍の巨大潜水艦「伊400型」が、オアフ島沖の海底に沈んでいるのを発見したと発表した。
伊400型潜水艦は、オアフ島南西沖の深さ約700メートルの海底で8月に発見され、米国務省と日本政府に連絡した後に発表したという。
伊400型潜水艦は全長約120メートル。姉妹艦2隻と合わせて当時としては世界最大の潜水艦だった。燃料補給を行わずに世界のどこへでも到達できる能力を持ち、当初は米本土を攻撃することも想定。800キロあまりの爆弾を搭載できる翼折りたたみ式の水上機3機を格納し、事実上の潜水母艦としての性能を持っていた。
結局米本土攻撃には使われず、限定的に運用されたのみで1945年の終戦を迎えた。
今回見つかったのは、終戦時に米海軍が拿捕した日本の潜水艦5隻の中の1隻で、調査のためハワイに送られていた。しかし第2次大戦後に旧ソ連と米国との緊張が高まる中、伊400型の先進的な技術がソ連海軍の手に渡ることを恐れて、米海軍が沈没させたという。
米海洋大気局(NOAA)の専門家によると、同艦の斬新な設計は、それまで対艦兵器としかみなされていなかった潜水艦の用途を一変させるものだった。「第2次世界大戦後の潜水艦は、この方向で実験と設計の変更が行われ、核の時代の弾道ミサイル発射能力を持った米軍潜水艦に行き着いた」という

http://www.cnn.co.jp/fringe/35040874.html?tag=cbox;fringe

<引用終り>

伊号400がどんな意味で先端技術か?
それまで敵の船を攻撃する目的のために使われ、もっぱら待ち伏せ攻撃用であった。
しかし
同艦の斬新な設計は、それまで対艦兵器としかみなされていなかった潜水艦の用途を一変させるものだった。「第2次世界大戦後の潜水艦は、この方向で実験と設計の変更が行われ、核の時代の弾道ミサイル発射能力を持った米軍潜水艦に行き着いた」という

という事なのだと言う。
確かにアメリカはそれ以降巡航ミサイル搭載潜水艦などを作った。
初期型は伊号400と構造がそっくりである。
ずっと後になって垂直発射型ミサイルが開発され、大きく線形が変わり、今日に至っている。

そして
旧ソ連と米国との緊張が高まる中、伊400型の先進的な技術がソ連海軍の手に渡ることを恐れて、米海軍が沈没させたという

実はこの話で私は納得した。
この伊号400についてはイギリス、ソ連から(調査のため)回航して欲しいとの要望が来ていたようである。
しかし当時は既に冷戦が始まっている。

そしてここからが問題、ずっと後になってアメリカ内のソ連のスパイ活動についてのヴェノナ文書が公開された。1995年の事である。
このヴェノナ文書はソ連とアメリカ内のスパイとの通信を傍受、暗号解読したもので1943年からのスパイ活動の一部が分かる。
(ヴェノナ文書:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%8E%E3%83%8A#.E5.85.83.E8.B0.B72008)

それによれば当時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルト周辺には200人以上のソ連のスパイがいた。
一番の高官は何と財務次官補のハリー・ホワイトだった。
このホワイトなる人物、日本が開戦を決断せざるを得なかった「ハル・ノート」を作った人物なのだと言う。(ホワイトはマッカーシー旋風で自殺)
また国務省にはヤルタ会談にルーズベルト大統領の特別顧問で参加したアルジャー・ヒスがいた。(ヒスは裁判で10年の刑に)

こんな状況でアメリカ政府内には共産主義者が跋扈していた。
それは恐らくアメリカ海軍は分かっていたのだろう、若し伊号400をソ連に渡せと言う政治判断が出れば海軍とて抵抗できない。

海軍は多分分かっていた。
もしソ連が伊号400並の潜水艦と航空機を作って、下の動画にあるような化学兵器や原爆による攻撃をすればとんでもない事になる。

これが伊号400が大急ぎで爆沈処理された理由なのだと。

もう一つ、伊号400は400.401、402と3艦完成、402は日本近海で爆破処理されたが、401は400と同様ハワイで調査され、その後爆沈処理された。
そして2005年に沈没箇所が発見されている。
今回の伊号400が最後なのである。

にもかかわらず今回大発見の様に報道されている。良く分からない・・・

こんなニュースを見ると政権中枢部にまでスパイが入り込んでいる。
矢張り秘密保護法は必要なのだ。
そう痛感した次第。

最後にこの動画は大変興味深い。
巨大な格納庫のついた潜水艦の構造、そして水上攻撃機晴嵐の構造など良く分かる。
晴嵐がカタパルトで打ち出され飛んでいく所など大変面白い。

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コメント

1945年までの日本の潜水艦技術というものは、工業水準が低い国が必死の努力を行い特殊の発展を遂げた歪な技術という気がします。
いうなればソフト面では一歩も二歩も先を行くものがありましたが、ハード面がついていかない、海軍戦略全般の中で潜水艦の使用法があまりに硬直的であり、実力を全く発揮できないという大問題がありました。

例えば大戦中に潜水艦に飛行機を積み込み利用したのは日本海軍のみです。イ400における晴嵐爆撃機は間違いなく潜水艦発射ミサイルのアイデアの原型そのものです。
イ400の最大の特徴はその船体にあります。いわゆる複殻型と言われる構造で円筒形の戦隊を2つ束ねる構造はほとんど例を見ません。後年ソ連がタイフーン級でこれを採用しますが戦後30年以上たってからです。アメリカの意図は完全に成功したといえるでしょう。
あと日本海軍はというより、軍事技術の中で溶接技術に関しては確実に一等地を抜いていました。ただ問題は鋼材でありこの質と量がどうにもなりませんでした。
さらに、どう仕様もなかったのはエンジンや補機類、これらの静音化が全くダメ、さらには電子技術の立ち遅れが致命的でありました。そのくせ潜水艦において海面の浅い部分では長波通信が可能ということを発見していたりわけがわからない状況になってます。

その一方で酸素魚雷や誘導魚雷の元祖とも言える回天のようなアイデアが出てくるなどどう評していいかわからない世界です。

つまり技術後進国が必死の努力をし、技術開発に関係ないソフト面では非常に進んだアイデアを出しつつ、ハード面の立ち遅れからそれを消化できず、海軍戦略があまりに問題が多く潜水艦をあたら使い潰したというのが実態だと思います。
  1. 2013-12-08 00:43
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To:kazkさん

> 1945年までの日本の潜水艦技術というものは、工業水準が低い国が必死の努力を行い特殊の発展を遂げた歪な技術という気がします。
> いうなればソフト面では一歩も二歩も先を行くものがありましたが、ハード面がついていかない、海軍戦略全般の中で潜水艦の使用法があまりに硬直的であり、実力を全く発揮できないという大問題がありました。
>
> 例えば大戦中に潜水艦に飛行機を積み込み利用したのは日本海軍のみです。イ400における晴嵐爆撃機は間違いなく潜水艦発射ミサイルのアイデアの原型そのものです。
> イ400の最大の特徴はその船体にあります。いわゆる複殻型と言われる構造で円筒形の戦隊を2つ束ねる構造はほとんど例を見ません。後年ソ連がタイフーン級でこれを採用しますが戦後30年以上たってからです。アメリカの意図は完全に成功したといえるでしょう。
> あと日本海軍はというより、軍事技術の中で溶接技術に関しては確実に一等地を抜いていました。ただ問題は鋼材でありこの質と量がどうにもなりませんでした。
> さらに、どう仕様もなかったのはエンジンや補機類、これらの静音化が全くダメ、さらには電子技術の立ち遅れが致命的でありました。そのくせ潜水艦において海面の浅い部分では長波通信が可能ということを発見していたりわけがわからない状況になってます。
>
> その一方で酸素魚雷や誘導魚雷の元祖とも言える回天のようなアイデアが出てくるなどどう評していいかわからない世界です。
>
> つまり技術後進国が必死の努力をし、技術開発に関係ないソフト面では非常に進んだアイデアを出しつつ、ハード面の立ち遅れからそれを消化できず、海軍戦略があまりに問題が多く潜水艦をあたら使い潰したというのが実態だと思います。


全く同感です。
問題を一言で言えば基礎的な工業力に差が有りすぎた、こう言ってしまえば身も蓋もないのですが仕方ないですね。
実は海外で仕事をしていまして今の基礎的な工業力を痛感しました。
そして、この基礎的な部分が日本はハンディキャップが大きすぎると思いました。
例えば道路です。アメリカでも他の国でも道路が必要ならブルトーザを持ってきてガリガリやれば直ぐできる。
元々土地が平らですからね。
しかし日本では山を削り谷を埋め、橋を架けトンネルを掘り、延々とやらないと道路が出来ない。
この差が非常に大きい、それを痛感しました。
これがコストにも期間にも跳ね返っている、そう思っています。

だからこそ基礎的なインフラにカネをかけるべきなのですが、最近のインフラ不足は酷すぎる。
10年20年先につけが回ります。
そんな所がこの大東亜戦争の苦い経験から学ぶべきことなのではないかなあ、そう思います。
  1. 2013-12-08 18:48
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  3. 短足おじさん二世 #-
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