2013-10-13 18:32

JR北海道の処方箋<またまた続編>

 先回のエントリーでJR北海道にはISO9000シリーズの導入が一つの解決策との考えを書いた。
しかし少々舌足らず、そこでISO9000品質マネージメントシステムについてちょっと捕捉したい。

最初に先回のエントリーでこんな表を出した。

JIS(日本)とISO(欧米)の基本的な違い

  JIS(日本)            ISO(欧米)

・商品の品質を保証する      ・「品質保証のシステム」を保証する

・メーカーの責任で顧客に保証  ・顧客の立場からメーカーに要求

・自主管理・自主検査        ・第三者機関の検証(証拠主義・契約重視)

・従業員の経験と知恵        ・マニュアルの厳守


此処で私が言いたいのは日本式はあくまで性善説。しかし時間とともに人も組織も変わる。その中で一貫して品質を保証するしくみ、これが日本式には欠けていたのだ。

その丁度いい事例が有る。昔日本には品質管理の最高の賞としてデミング賞と言うのが有った。受賞した会社は鼻高々で自慢したものである。
しかしこの賞がいろいろ問題がある事が分かり、特にこの賞を受賞した会社は業績が悪化する事が顕著になった。
ISO9000の品質マネージメントシステムはそのアンチテーゼなのである。

この要求事項の中でも最重点は三つ。
1. 品質マネージメントシステム(品質マニュアル)
2. 経営者の責任
3. 内部監査(内部品質監査)

この中でも最後の内部監査、これは内部監査員を決め、教育訓練し、マニュアルの基づいて監査する。
この内部の監査員と言うところが重要なのだ。外部から来た人間では内部の複雑な問題はなかなか分かり難い。内部の人間ならそれを発見できるのである。

例えば今回の脱線事故の発端となったレールの異常が放置された問題。
これを内部監査なら例えばこんな会話になる。

監査員:レールの異常を修正したデータを見せてください
担当者:ハイ、これ
監査院:アレッ、最近のデータが無いね。レールの検査報告書を見せて
担当者:・・ガサガサ、ハイ、これ
監査員:可笑しいなあ、最近も測定したはずなのにどうしてデータが無いの
担当者:・・・ まだ未処理です
監査員:不具合は15日以内に完了させる決まりでしょ。半年たって未処理は無いでしょ。

こんな会話で問題は直ぐ分るのである。

日本式の品質管理で一番欠けていたのがこの内部監査と言う考え方。
JR北海道建て直しのためには極めて有効ではないかと思えるのだ。
是非とも検討してほしい所である。
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コメント

旧国鉄はねえ

 JR東日本や北海道は組合が牛耳っているんでしょうが、なまじ経営側が強くなると、遅延にパニックを起こした運転士が大事故を起こすような西日本の体質が・・・
  1. 2013-10-13 21:39
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  3. ご隠居 #-
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対策があります

小生がISOを信じない理由の一つはあまりに書類偏重主義だということです。マニュアルもそうですし報告書も大変なことになる。

そのくせ結構緩いところがあったりします。この例でも手慣れた連中ならばどうするか。報告書自体変造してしまいます。

実務は自分たちがやるんじゃない、下請けがやるなんてことになったら。いいように下請けに書かせる。それで現場の責任にしてしまうということを平然とやります。それでつじつまが合ってるようにしてしまうのですよ。

この例では綺麗に文書を揃え、工事したという形にしておくんですよ。その手抜きが問題という形です。場合によっては検査も下請けということがありますからね。

今回のレールの問題にしても小生が思うにこの程度の手抜きでは大丈夫だという読みがあったのだと思います。だから貨車の側を疑ったのです。

こうなると下請けだって考えますよ。きちんとした裏報告書を作りそれを提出した形にします。昔は書類でしたが今は電子ファイル、PCの中に入ってます、といってもいちいち確認しない場合が多い、それで責任を逃れるということをやらざるおえません。

本当に技術があれば最低限のところで破綻しないように抑えていくはずです。特に下請けならば。
今回の件も問題がある所と無い所の差異がものすごく大きかったはずです。最後は結局人の誠意の問題だということです。

破壊活動をやる連中に誠意は期待できないでしょう。
  1. 2013-10-13 22:27
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  3. kazk #-
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Re: 旧国鉄はねえ

>  JR東日本や北海道は組合が牛耳っているんでしょうが、なまじ経営側が強くなると、遅延にパニックを起こした運転士が大事故を起こすような西日本の体質が・・・


確かにそんな心配もありますね。一番ダメなのは組合に潜む革マル派などの左巻きではなく、目的意識を失った管理職にあると思っています。
あの大震災の時、石原慎太郎知事が東京にダメなものが二つある、東電とJR東日本だと言って怒っていました。
東電はともかく、JR東日本は震災当日帰宅難民であふれた駅を閉鎖してしまった、百貨店などアチコチが店を開け、帰宅難民を受け入れたのと対照的でした。
こんな所を見るとこのJRを立て直すのには相当のショック療法が必要なんだと思いますね。
  1. 2013-10-14 07:40
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  3. 短足おじさん二世 #-
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Re: 対策があります

> 小生がISOを信じない理由の一つはあまりに書類偏重主義だということです。マニュアルもそうですし報告書も大変なことになる。
>
> そのくせ結構緩いところがあったりします。この例でも手慣れた連中ならばどうするか。報告書自体変造してしまいます。
>
> 実務は自分たちがやるんじゃない、下請けがやるなんてことになったら。いいように下請けに書かせる。それで現場の責任にしてしまうということを平然とやります。それでつじつまが合ってるようにしてしまうのですよ。
>
> この例では綺麗に文書を揃え、工事したという形にしておくんですよ。その手抜きが問題という形です。場合によっては検査も下請けということがありますからね。
>
> 今回のレールの問題にしても小生が思うにこの程度の手抜きでは大丈夫だという読みがあったのだと思います。だから貨車の側を疑ったのです。
>
> こうなると下請けだって考えますよ。きちんとした裏報告書を作りそれを提出した形にします。昔は書類でしたが今は電子ファイル、PCの中に入ってます、といってもいちいち確認しない場合が多い、それで責任を逃れるということをやらざるおえません。
>
> 本当に技術があれば最低限のところで破綻しないように抑えていくはずです。特に下請けならば。
> 今回の件も問題がある所と無い所の差異がものすごく大きかったはずです。最後は結局人の誠意の問題だということです。
>
> 破壊活動をやる連中に誠意は期待できないでしょう。


最後は人の誠意の問題、正にその通りです。
昔から言われている事ですが品質管理とは人質管理、そうだと思っています。
ではその為にどうするか、その為の各論が無ければ所詮空念仏。
ISOはその為の道具だと思っています。
私がタイでISOに取り組んだとき、実は日本の会社はまだそんなモノは全く考えていませんでした。
そんな時代からいろいろ苦労してきたのですが、やった事を一言で言えば経営者の、会社のポリシーを如何に末端まで浸透させるか、この一つです。

ISOを導入すれば会社が良くなる、こんな考えで取り組めば失敗間違いなし。
経営の、会社の目的を達成するための有効な道具と考えれば成功すると思います。

そんな意味でJRにはこんなモノは如何か、こう考えたのですが結局は最後は人の質。
此処に収斂しますね。
  1. 2013-10-14 09:00
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  3. 短足おじさん二世 #-
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小生ISOは嫌いですがISOの発想が分からないではないですし、それが有効な場面も多いだろうとは思います。でも対策はあるんですよね、結局。
 最後は信頼だということです。こんな事知ってるのも実は仕事上で半ば手抜きを命じられたことがあるからです。理由は簡単「予算がない」の一言でした。
 「事故起こっても知りませんよ」「それは困る、金をかけずに何とかしろ、こちらは関知しないことにするからそっちの責任でやれ」

こういう発想が平気で出るのです。クライアントは官庁です。こちらも頭にきたので裏報告書を作り他の書類に添付して相手方のPCには送りつけました。クライアントが報告書を見なかったことが悪い、そういう形にしないと収まりませんでしたからね。
 それで問題が起きれば議会の野党に送りつける、そこまでの算段はしてきました。

おそらくJRは双方が腐ってるのでしょう。内部からのリークもでないんですから。、
  1. 2013-10-14 10:51
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  3. kazk #-
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Re: タイトルなし

> 小生ISOは嫌いですがISOの発想が分からないではないですし、それが有効な場面も多いだろうとは思います。でも対策はあるんですよね、結局。
>  最後は信頼だということです。こんな事知ってるのも実は仕事上で半ば手抜きを命じられたことがあるからです。理由は簡単「予算がない」の一言でした。
>  「事故起こっても知りませんよ」「それは困る、金をかけずに何とかしろ、こちらは関知しないことにするからそっちの責任でやれ」
>
> こういう発想が平気で出るのです。クライアントは官庁です。こちらも頭にきたので裏報告書を作り他の書類に添付して相手方のPCには送りつけました。クライアントが報告書を見なかったことが悪い、そういう形にしないと収まりませんでしたからね。
>  それで問題が起きれば議会の野党に送りつける、そこまでの算段はしてきました。
>
> おそらくJRは双方が腐ってるのでしょう。内部からのリークもでないんですから。、


凄い事を経験されましたね。
そのような事こそ日本的経営、マネージメント、品質管理に共通する問題点です。
例えばひところ一世を風靡したTQC、こんな素晴らしい考え方が今では誰も語ろうとしない、そこに問題点が有るんですね。

実はタイでは私は小さいながらもその分野ではグローバル ナンバーワンを目指そうとして仕事をしてきました。
そんな考え方、例えば大手カーメーカーではそれが「志(こころざし)を高く掲げて」とか言っていますが、それが無ければご指摘の腐敗した官僚のケースのようになってしまう。

今の日本に一番欠けているのがこんな部分です。
明治維新では「さあ、文明開化だ」でした。戦後は「追いつき追い越せ」でした。
今の日本は何でしょうか。
  1. 2013-10-14 17:09
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  3. 短足おじさん二世 #-
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