2013-08-01 16:38

スペイン高速鉄道事故の根は深そうだ

  スペインで起こった高速鉄道事故、78人もの死者を出すなど悲惨な結果で、おまけに事故の様子が監視カメラで生々しく撮影されていて大変衝撃的だった。

この事故、運転士がスピード狂だったとか(ニューズウィークによる)、いろいろ言われている。運転ミスである事は間違いないだろう。

しかし私にはどうにも腑に落ちない。

 

制限速度80キロの所に190キロで突っ込む??、どうして???

納得できないのだ。

おまけに事故現場、どう見ても出来たばかりの新設線、走っているのは高速鉄道なのだが、これは在来線なのだと言う???。

 

最初にその衝撃的な動画

 

 

この事故、最初から機関車の後ろの発電機を積んだ車両が重く、重心が高いのでそれが転倒したと言われている。

動画で見ても分かる。

 

赤矢印で示したように発電機を積んだ車両が最初に倒れている。良く見ると前だけでなく後ろの方の車両もすでにおかしい。

 

これが事故を起こしたS-730型列車

 

非電化路線を走れるように機関車の後ろにディーゼル発電機を積んだ電源車が付いている。

注:スペインの高速鉄道はフランスのTGVと同じで先頭と最後尾が機関車。あとの客車はただ引っ張られているだけ。

S-730はそれに電源車が付いている。

 

この高速鉄道の特徴はスペインの在来線はレール幅1668ミリの広軌、高速鉄道はレール幅1435ミリの標準軌でこれがヨーロッパの当り前。

だから車両に軌道幅可変装置をつけ、変換所を時速20キロ位で通れば変換できるようになっている。

また高速鉄道は電圧2万5千ボルト、在来線は3千ボルト、こんな風に色んな状況に対応できる列車、その上上記S-730は非電化部分でも走れる。

凄い列車である・・・

言い換えればトンデモナイ無理をしている訳だ。

 

更に無理な話。

この軌道幅変換装置については日本でも昔から研究している。

しかし厄介な問題が有る、重くなるのである。

自動車などではばね下重量と言って、車輪などバネから下の部分の重量を軽くすることが安定性に非常に重要で技術者の課題である。鉄道でも同じの筈なのだ。

重い車輪・台車で超高速運転、それが何をもたらすのか・・・

誰かそんな事を意見する人はいなかったのかねえ。

 

これが従来型の電化路線専用タイプ S-130

 

 

私は世界の高速鉄道は日本の新幹線が最初、フランスのTGVは新幹線の成功に刺激され、新幹線を徹底的に研究してできたもの。こんな理解をしていた。

だからドイツICEなどの高速鉄道も皆フランスがお手本、路線の長さもフランスヨーロッパ一、こう思っていた。

 

ところが最近この事故であちこち見てみると高速鉄道路線距離は

一番・・パクリ国の中国  総延長9760キロ

二番・・何とスペイン!  総延長は見る資料でどんどん増えているので良く分からない。最近見た数字は2515キロだったが、もっと増え日本を追い越したらしい。

三番・・日本  総延長2667キロ

 

まだまだ分からない事、スペインの高速鉄道は標準軌1435ミリの筈なのだが、標準軌1435ミリの部分の総延長は998キロなのだと言う。

ハアッ??  高速鉄道は少なくとも2500キロ以上あるんだろ、残りの1500キロは在来線基準で高速運転しているってこと??

分かりません・・・

信号システムが如何のこうのと色々言うが、こんな無茶苦茶な急拡大。

色んな付帯設備が付いていけないのは無理もない。

もっと厄介なのが人の教育、簡単に増やせるものではない。

 

 

そして高速鉄道はスペインの重要な輸出品なのだとか・・・

 

色々調べてみると、スペイン政府の急拡大政策が背景に有るようだ。

パクリ国家中国と全く同じである。

 

こんな報道が有る。

スペイン政府は「国内どこからでも4時間以内で首都マドリードに」をキャッチフレーズに、20年には高速鉄道網を1万キロにする計画を掲げた。92年にマドリード―セビリアの471キロで初開業。その後しばらく新設されなかった路線が、03年から飛躍的に延びた。

 

 

凄い話だが、スペインの人口は4千6百万人位、こんなペースで高速鉄道を作っても採算は合わないと思えるのだが、一体何を考えているのだろう。

スペインは社会主義国家だったのだろうか・・・

 

 

 

 

そしてwikiではいろんな問題点が指摘されている

中でもビックリなのがコレ

30分以上の延着で料金の100%払い戻し、15分から30分以内の延着で料金の50%払い戻しの制度がある(2009年7月現在)が、実際には元々かなり余裕のあるダイヤ設定がなされているため、遅れることはほとんど無い。むしろ時刻表に記載された到着時刻より5分以上早く着くことが多い

 

なるほどこんな裏事情が有ったのだ。

だから運転士が無茶苦茶飛ばしても誰も怒らない日本の常識なら5分も早着すれば何か問題が有ったと思うだろうが、スペインでは5分早着、良くやった!である。

 

この背景には昔は太陽の沈まぬ国スペインとして世界に君臨していた、それが没落に次ぐ没落。独裁政治が終わった時にはヨーロッパの後進国に成り下がっていた。そこから何とかして昔の栄光を取り戻したい、そんな思いがこんな政策になったのだろう。

 

鉄道に関してもwikiにはそんな事情が垣間見える事が書いてある

 

何か日本の隣国にもそっくり通じる事情が有ると思う。

まあ他の国のせいにしないだけ良いという事でしょう

  1. 鉄道
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コメント

No title

>言い換えればトンデモナイ無理をしている訳だ。

 つまり安全性を多少犠牲にすれば、それほどの技術が無くても、結構簡単に凄い列車が作れると言う事ですね。
 
 
  1. 2013-08-01 17:21
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  3. よもぎ猫 #79D/WHSg
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To よもぎ猫さん
>>言い換えればトンデモナイ無理をしている訳だ。
>
> つまり安全性を多少犠牲にすれば、それほどの技術が無くても、結構簡単に凄い列車が作れると言う事ですね。


高速鉄道の価値を見るのに誰でも最高速度が何キロかを考えます。
線路をまっすぐにすれば少々可笑しなのでもスピードは出る、ですから最高速度350キロなどと言う中共のパクリ高速鉄道が出来る訳です。
その代り駅まで町からバスで1時間かかるなどと言うとんでもないものが出来上がる。

スペインも調べてみると中共パクリ高速鉄道とやっている事は同じです。
尚同じ理由でフランスのTGVが何時も新幹線より最高速度が速いですが、それがフランスの日本に対する対抗意識です。
調べてみると平均速度は新幹線の方が早いのですがね。
  1. 2013-08-01 18:32
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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No title

この機関車、タルゴですよね。可変軌道というやつでスペイン広軌と標準機に合わせるためのものですよね。普通タルゴは皆連接の一軸ですがそれで機関車を作る、相当無理したんだろうということはよくわかります。

実はこれJRでも在来線と新幹線の共用ということで研究自体は相当長くやってるのですがなかなか実用化という話を聞きません。タルゴ自体はかつてのTEEのための車両でしたから機関車自体は国境で付替のはずでした。

最初は高速鉄道を標準軌だけでやってたんだろうけど欲が出てきたんでしょうね可変電圧まではOKでしょうが、電源車はねえ…

おそらく在来線区間の軌道強化で持って高速鉄道と謳ってるだけでしょう。フランスあたりと同じです。この機関車が走れるところは高速鉄道なんでしょう。架線と軌道の強化はしてるでしょうがおそらくはそれだけです。ATCや信号の問題、何処まで出来てるんでしょうか。

鉄道自体の高速化はそんなに難しくありません。記録なら570キロくらいは出してるはずです。問題は表定速度と運行頻度の問題です。
おそらく一番整備されてるはずのマドリード-バルセロナ間630キロが最大で2時間半、大体3時間ですから表定速度で200から250キロ前後、一日15本ですか。相当無理してることは見て取れます。

難しいのは高速で走る事ではない、総合の所要時間をどれだけ短縮するかなのです。1964年に新幹線ができた時、プロは最高速度の200キロはちっとも驚きませんでしたが、表定速度170キロには皆脱帽しました。そして最大7分半に一本運転ということを聞いた時は、最初誰も信じなかったと言います。

こういうところで実は本当の実力が出るのです。





  1. 2013-08-01 23:47
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  3. kazk #79D/WHSg
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To kazkさん
>この機関車、タルゴですよね。可変軌道というやつでスペイン広軌と標準機に合わせるためのものですよね。普通タルゴは皆連接の一軸ですがそれで機関車を作る、相当無理したんだろうということはよくわかります。
>
>実はこれJRでも在来線と新幹線の共用ということで研究自体は相当長くやってるのですがなかなか実用化という話を聞きません。タルゴ自体はかつてのTEEのための車両でしたから機関車自体は国境で付替のはずでした。
>
>最初は高速鉄道を標準軌だけでやってたんだろうけど欲が出てきたんでしょうね可変電圧まではOKでしょうが、電源車はねえ…
>
>おそらく在来線区間の軌道強化で持って高速鉄道と謳ってるだけでしょう。フランスあたりと同じです。この機関車が走れるところは高速鉄道なんでしょう。架線と軌道の強化はしてるでしょうがおそらくはそれだけです。ATCや信号の問題、何処まで出来てるんでしょうか。
>
>鉄道自体の高速化はそんなに難しくありません。記録なら570キロくらいは出してるはずです。問題は表定速度と運行頻度の問題です。
>おそらく一番整備されてるはずのマドリード-バルセロナ間630キロが最大で2時間半、大体3時間ですから表定速度で200から250キロ前後、一日15本ですか。相当無理してることは見て取れます。
>
>難しいのは高速で走る事ではない、総合の所要時間をどれだけ短縮するかなのです。1964年に新幹線ができた時、プロは最高速度の200キロはちっとも驚きませんでしたが、表定速度170キロには皆脱帽しました。そして最大7分半に一本運転ということを聞いた時は、最初誰も信じなかったと言います。
>
>こういうところで実は本当の実力が出るのです。


可変軌道そのものは戦前の満鉄がシベリア鉄道との乗り入れで相当検討したはずですが、その当時では台車交換がベストだったような(うろ覚えです)。
しかしスペインは昔広軌を採用した経緯がフランスに対する敵対感情が元の様ですが、この高速鉄道計画でまたまた失敗していますね。
矢張り技術に理解の無い人(政治家?、経営者?)が主流を占めるとこんな変なものが出来る、良い事例かもしれません。
多分これからも似たような事故が起こりそうな気がします。
  1. 2013-08-02 10:00
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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To 短足おじさんさん
>可変軌道そのものは戦前の満鉄がシベリア鉄道との乗り入れで相当検討したはずですが、その当時では台車交換がベストだったような(うろ覚えです)。

満州支那は標準軌ロシアはいわゆるロシア広軌ですから戦前も今も台車交換です。ただ一部の装甲列車などは交換なしで乗り込めるような準備だけはしていたはずです。今ではこの問題がロシアの鉄道の最大の問題になりつつあります。

>しかしスペインは昔広軌を採用した経緯がフランスに対する敵対感情が元の様ですが、この高速鉄道計画でまたまた失敗していますね。

本来無理をしないでタルゴ形式は客車のみにすればよかったのにと思います。機関車の付替を嫌がった結果が事故の遠因だというのは正解かもしれません。スペインはフランスの、ロシアはドイツの侵入を嫌って広軌にしたと今もって言われています。イタリアとの間ではシンプソン越えのルートを作りましたがスペインまだまともなピレネー越えのルートがありません。

>矢張り技術に理解の無い人(政治家?、経営者?)が主流を占めるとこんな変なものが出来る、良い事例かもしれません。
>多分これからも似たような事故が起こりそうな気がします。

実を言うと日本にも似た話があります。明治時代に日本は狭軌を採用してしまいましたがこれを行ったのは大隈重信です。大して鉄道は必要なかろうと考えて安くあげようとしたらしい。
実はこれが今に至る大問題です。大正時代に国鉄の広軌化が真剣に検討され大熊は自分の失敗を取り戻すため懸命に運動しましたが結局ダメでした。将来の鉄道の姿を考えるとこれは厄介な問題となってるのです。
  1. 2013-08-02 12:06
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  3. kazk #79D/WHSg
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To kazkさん

>>可変軌道そのものは戦前の満鉄がシベリア鉄道との乗り入れで相当検討したはずですが、その当時では台車交換がベストだったような(うろ覚えです)。
>
>満州支那は標準軌ロシアはいわゆるロシア広軌ですから戦前も今も台車交換です。ただ一部の装甲列車などは交換なしで乗り込めるような準備だけはしていたはずです。今ではこの問題がロシアの鉄道の最大の問題になりつつあります。
>
>>しかしスペインは昔広軌を採用した経緯がフランスに対する敵対感情が元の様ですが、この高速鉄道計画でまたまた失敗していますね。
>
>本来無理をしないでタルゴ形式は客車のみにすればよかったのにと思います。機関車の付替を嫌がった結果が事故の遠因だというのは正解かもしれません。スペインはフランスの、ロシアはドイツの侵入を嫌って広軌にしたと今もって言われています。イタリアとの間ではシンプソン越えのルートを作りましたがスペインまだまともなピレネー越えのルートがありません。


こんな鉄道の実態を見ると正に民度の縮図、そう思います。


>>矢張り技術に理解の無い人(政治家?、経営者?)が主流を占めるとこんな変なものが出来る、良い事例かもしれません。
>>多分これからも似たような事故が起こりそうな気がします。
>
>実を言うと日本にも似た話があります。明治時代に日本は狭軌を採用してしまいましたがこれを行ったのは大隈重信です。大して鉄道は必要なかろうと考えて安くあげようとしたらしい。
>実はこれが今に至る大問題です。大正時代に国鉄の広軌化が真剣に検討され大熊は自分の失敗を取り戻すため懸命に運動しましたが結局ダメでした。将来の鉄道の姿を考えるとこれは厄介な問題となってるのです。


日本の国鉄の改軌の活動は後藤新平に尽きます。もう一歩で改軌に成功していたのですから。
その後藤新平の下で改軌を推進しようとしたのが島保次郎、彼はその後弾丸列車構想を進めました。
保次郎の長男が島秀雄で正に親の敵討ちで新幹線を造りました。
そして孫の島隆は台湾新幹線

この改軌の問題は何時の日か蒸し返してみるべきですね。

  1. 2013-08-02 15:01
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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