2009-09-09 15:43

日経新聞さん! 科学の記事にウソは駄目ですよ<続>

日経新聞に9月6日掲載された科学記事がトンデモの部分があることを前回指摘した。

所でこの議論、未だに決着はついていないが、どうも今までの常識(と言われていたもの)が間違っていたようだ。

 

前回も掲載したが日本への弥生人の渡来ルートの図

 

 

 

この図の何処が間違っているかの前に弥生人=稲作人の渡来ルートにどんな説があるか

 

稲の伝来ルート(他にも説はあるようだがマイナーなので除外)

 

1) 遼東半島から朝鮮半島を南下して九州北部に伝来(上の図のルート)

 

2) 長江(揚子江)下流域原産米が山東半島経由で朝鮮半島南部に伝来、そこから九州へ伝来した

 

3) 長江下流域(今の上海あたり)から直接九州北部に伝来

 

4) 長江下流域から西南諸島を経て九州南部へ伝来

 

この内1)の説が日経新聞に掲載された記事の図である。

然しこの説は遼東半島や朝鮮北部に古代の水耕田址が発見されていない事、遼東半島が元々稲作に不向きな寒冷地であることなどから、かなり以前から否定された説である。

 

参考までに現在の中国の地域別主要作物がどうなっているかを示す。

これを見ても米・稲作が中国北部から朝鮮半島北部経由で日本まで来るのが無理なことが分かるというもの。

 

また4)は途中の沖縄に稲作伝来の証拠が見つからず、逆に九州から後の時代に伝わったと考えられている。

 

残るは2)と3)だが

 

2)については今でもこの説を主張する学者は多い、

然し植物学者による稲のDNA研究から朝鮮半島から伝来したと考えるには無理があるとされている。

また2)なら途中の対馬・壱岐に伝来の痕跡があるはずだが未だ見つかっていない。

 

残るは3)だけ、長江下流域(今の上海あたり)から九州北部まで直線距離で800キロは有る。

こんな距離を弥生人が航海できたのか?

どんな船で、どんな方法で?

 

その答えの参考になるものが、兵庫県出石町の袴狭(はかざ)遺跡で発見された。それは弥生時代後期から古墳時代初期の木製品(板材)でそこに16隻の古代船が線刻されていた。

 

線刻画全体図

 

この線刻画を元に実物大の古代船が平成19年復元された。

現物は平成19年10月オープンの兵庫県立考古博物館にある。

 

復元された古代船

 

日経新聞の記事は一部は最新の科学情報だが、弥生人の伝来に関しては諸説ある中で、すでに否定された過去の説に基づいている。もっとシッカリしてよ、日経さん!と言わねばならない。

 

所で長江下流域からの800キロを越える航海、これについては次回詳しく考えて見たい。

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コメント

No title

そうなんですね。九州南部と、朝鮮半島南部とはほぼ同時というのが一般的ではないでしょうか。中国地域主要作物の図は始めてみました。これは説得力ありますね。弥生文化東遷のエントリーを書こうと思っていたのですがあれこれやっていて延び延びになっています。関東の弥生時代がどうもすっきりしない。勉強不足のせいでしょうか。
  1. 2009-09-09 16:15
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  3. お絵かき爺 #79D/WHSg
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No title

To お絵かき爺様

>中国地域主要作物の図は始めてみました。これは説得力ありますね。

有難うございます。古代と今では気候など違いはあると思いますが、参考になると思います。

弥生文化東遷のエントリーを書こうと思っていたのですがあれこれやっていて延び延びになっています。関東の弥生時代がどうもすっきりしない。勉強不足のせいでしょうか。

多分今までの日本の研究が固定概念が強すぎだったので、よく分からないのかと思っています。
つまり縄文人は狩猟採集民であまり定住しない、弥生人は農耕民で一箇所で米ばかり作っていた、こんな視点ではなかったのでしょうか。

ところで私の住んでいる町(村かな?)にも弥生時代前期の遺跡があります(私の自宅から500m位)、遠賀川式土器が出土したのですが、面白いことにこの弥生人、しばらく住んで又何処かに行ってしまったらしい。
何処に行ったのでしょうか? もしかしたら関東方面かも???

  1. 2009-09-09 17:27
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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No title

早速お邪魔します
復元された古代船は海を渡るのは不可能ですね
この船は儀式用か戦闘用としか考えられないですね
少なくともこの状態で波のある海での使用は出来ない

重心が上にある、船の幅に対し長すぎる
簡単に転覆します
舷側が高く広がりすぎで、転覆したら元に戻せないでしょう

他の種族が丸木舟しか持っていない場合
射座が高くなり舷側が防御の役に立ちます

もう一つの運用法は重量物を積むことで、喫水を深くし
丸木舟の部分を半分水没させる事で安定を持つでしょうね
この状態ならばある程度の波でも航海可能かもしれません
ただし速度は期待できないでしょうね

水流が有る場合水流の影響を受けやすい船底構造になります
帆船の船体としては、平底より良い形状です

  1. 2009-09-09 18:59
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  3. ana5 #79D/WHSg
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No title

大陸流浪人さんが紹介された資料は
遅くとも弥生中期までには沿岸航路が開拓されたと
考えられます
  1. 2009-09-09 19:03
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  3. ana5 #79D/WHSg
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No title

皆さんが海運の事を低く見積もりすぎています
現在でも鉄道と比較しても船の輸送力は5倍は優位です
整備された道路と自動車を使った場合では10倍ぐらいは優位です

中国の古代帝国で運河が掘られた事実があれば
すでに平底船による河川を利用した交易が可能になったと考えても良い

動力に帆と人力を仮定すると時速5kmから10kmは出せます
ので1日10時間航海すれば50Km~100Km移動できます
10日で500Km~1000Kmの移動ですこれに匹敵する
輸送手段は古代では存在しないでしょうね
沿岸航路と川を使った水運の優位性が良く解ります
  1. 2009-09-09 19:29
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  3. ana5 #79D/WHSg
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No title

中国の河川は河口から500~800Kmは航路として
利用できます
今でも武漢までは1000トン~5000トンの船が運航しています
  1. 2009-09-09 19:34
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  3. ana5 #79D/WHSg
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No title

参考
三国志などで、騎馬隊より河川を利用した水上部隊の方が機動性があったことがよく出ています
  1. 2009-09-09 20:04
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  3. ana5 #79D/WHSg
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No title

参考
提示されている地図で
芋生産地帯が米生産地帯にはさまれています
この地図に河川を書き入れてみれば
面白い事に気づきますよ
  1. 2009-09-09 20:08
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  3. ana5 #79D/WHSg
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To ana5さん

色々貴重なコメント有難うございます。大変参考になります。
次回エントリーは船に関する内容の予定、
又色々貴重なコメント、お待ちしております。
  1. 2009-09-10 10:43
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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サバニの参考になるページです
http://blog.livedoor.jp/faithischoice/archives/cat_10016422.html

丸木舟の進化した後継者サバニの写真が沢山あります
古代のの船の場合製材の技術が問題になります
鋸の発明製造は難しいからです

  1. 2009-09-10 19:46
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  3. ana5 #79D/WHSg
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No title

To ana5さん

>サバニの参考になるページです
>http://blog.livedoor.jp/faithischoice/archives/cat_10016422.html
>
>丸木舟の進化した後継者サバニの写真が沢山あります
>古代のの船の場合製材の技術が問題になります
>鋸の発明製造は難しいからです

面白い情報有難うございます。
特に台湾坊主に遭遇したときの話、凄いですね。
これを読んでいて何年か前タイ湾の中で猛烈なに出会ったことを思い出しました。
勿論タイ湾坊主とはスケールが違いすぎて比較にもならなかったのですが、それでも随分怖い思いをしました。
これからもよろしくお願いします。
  1. 2009-09-10 21:51
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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No title

私はボートの転覆一回
危険の無い漂流1回経験あります
  1. 2009-09-11 00:18
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  3. ana5 #79D/WHSg
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No title

笑ってください
証拠写真のある危機一髪です
http://yosi29.iza.ne.jp/blog/entry/885109/
  1. 2009-09-11 00:29
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  3. ana5 #79D/WHSg
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