2012-01-20 17:31

コダックの失敗

  アメリカの写真用品大手、イーストマン・コダックが経営破綻しましたね。

写真の好きな人なら誰でも知っているこの箱、

この色がコダックだと直ぐ分かります。

 

 

カメラのデジタル化でフィルム需要は急激に落ち込んでしまった。

世界の総需要が2000年を100として2010年には7.9

これではいかな名門企業でも持ちこたえられない。 

 

 

 

ここで読売新聞がこんな記事を載せている。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/enterprises/manda/20120120-OYT8T00594.htm

 

大変参考になるので、全文引用する。

 

<以下引用>

 

コダック、業態転換失敗

 

フィルム以外、収益源見いだせず

 

 米写真用品大手のイーストマン・コダックの経営破綻は、世界市場で圧倒的な存在感を誇った企業が、主力事業から転換することの難しさを示した。(戸田雄)

 

 コダックとともに世界の3大フィルムメーカーを構成した富士写真フイルム(現・富士フイルムホールディングス)とコニカ(現・コニカミノルタホールディングス)が事業の多角化で成功したのとは対照的だ。

 

 1880年に創業したコダックは、「あなたはシャッターを押すだけ。あとはお任せ下さい」との宣伝文句であらかじめフィルムを装填

そうてん

したカメラを出荷するなど、常に写真業界の最先端を行く企業だった。

 

 1935年には、一般向けカラーフィルム「コダクローム」を発売するなど、フィルム市場でも長く首位を走った。黄色い箱と赤いロゴは、世界中のカメラ愛好家に支持された。

 

 ポケットカメラ用の小型フィルム「110」や新写真システム(APS)などの新規格を提唱したほか、世界初のデジタルカメラを開発したのもコダックだった。

 

 だが、ライバル2社が本拠とする日本市場では苦戦が続いた。90年代半ば、米国は日本のフィルム・印画紙市場は閉鎖的で輸入を妨げているとして世界貿易機関WTO)に提訴したが、「日米フィルム紛争」は日本側の全面勝利に終わった

 

 世界的な名門企業はなぜつまずいたのか。関係者は、デジタル化への対応の遅れと、フィルム事業にこだわり過ぎたことを挙げる。富士写真フイルムが写真店など向けにデジカメで撮影した写真を印刷するプリンターをいち早く開発したが、コダックは自社の機械を持たなかった。90年代には、化学部門などフィルム以外の事業を次々と切り離し、将来の成長の芽を摘んだ。

 

 2000年代にフィルム市場が縮小した際、ライバルだった富士写真フイルムやコニカが液晶用の光学フィルムやヘルスケア関連事業など新たな収益源を見いだしたのに対し、コダックは新たな成長分野を作れなかった。

 

 コダックの経営破綻について、富士フイルムHDの古森重隆社長は「コアビジネスを失った時に、それを乗り越えることに成功した会社と乗り越えられなかった会社があることを示している」とコメントした。SMBC日興証券の三浦和晴シニアアナリストは、「複数の事業を抱える日本の会社は利益を出しにくい一方、業態転換はしやすい。日本型経営と米国型経営の光と影が出た」と指摘している。

 

(2012年1月20日  読売新聞)

 

<引用終り>

 

私が特に興味が有るのがコダックアメリカ的なところ。

何にでも因縁をつけて訴訟に持ち込むそのやり方、

これは今TPPでアメリカがやろうとしていることと同じ。

 

但しコダックWTOに提訴したので、日本の正論が通った。

しかしTPPはアメリカの国内法で裁こうと狙っている。

 

アメリカは分かっているのだ、正論ではコダックのように日本に負ける。

因縁をつけるのなら国内法で勝負しなければいけないと。

 
コダックの失敗は一言で言えば、
技術開発を忘れ、経営者は高禄を、株主には無茶苦茶な高額配当をしてしまった、その付けが廻ったといえる。

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コメント

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フジフィルムも昨年、ドイツの大きな現像所を閉鎖しました。しかし一方でデジタル・カメラにおいても独自な開発を続けております。コダックは、会社更生法申請で業務は続けますし、破産申請したのは米国本社だけで海外支社、たとえばドイツではまったく関係ないようです。いずれにせよ、ご指摘のような企業努力を怠った報いであることは歴然としてします。それにしてもそのフィルム<BW400CN>だけは消滅しないことを願うばかりです。
  1. 2012-01-20 20:01
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  3. 丸山光三 #79D/WHSg
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To 丸山光三さん
>フジフィルムも昨年、ドイツの大きな現像所を閉鎖しました。しかし一方でデジタル・カメラにおいても独自な開発を続けております。コダックは、会社更生法申請で業務は続けますし、破産申請したのは米国本社だけで海外支社、たとえばドイツではまったく関係ないようです。いずれにせよ、ご指摘のような企業努力を怠った報いであることは歴然としてします。それにしてもそのフィルム<BW400CN>だけは消滅しないことを願うばかりです。


写真とカメラを愛する者には何とも悲しい話。
私が写真を始めたのはコダックのトライとプラスでした。
あの日本のフィルムには無いメリハリの利いた写真。
今でもありありと思い出します。
残念です。
  1. 2012-01-20 20:42
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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 私はフィルムカメラを使っていた頃は自分で現像焼付をやってまして、フィルムはトライXの長尺を買ってきて自分で空きケースに詰めてました。
 懐かしいですが、アメリカの製造業はMBAが経営するようになっておかしくなりましたね。
 日本ではソニーか。
  1. 2012-01-20 21:53
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  3. ご隠居 #79D/WHSg
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コダック倒産か。
小生の親父が昔、JICAの仕事で海外に行ったときに初めてコダックのカラーフィルム使った写真を見ましたっけ。
色が違うんだよなあ、国産とは…
本気で着色したんだろうと思ったものです。
まあ、倒産してもおそらく事業は継続されるでしょう。あれならまだファンはいるはずだから出まわるでしょう。

不況が続き、かなり有名企業が潰れるのも見ましたがきちんとした商売自体は経営主体にかかわらず生き延びるのだということも知りました。
それだけは良いことだったものと思ってます。
  1. 2012-01-21 01:55
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  3. kazk #79D/WHSg
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To ご隠居さん
> 私はフィルムカメラを使っていた頃は自分で現像焼付をやってまして、フィルムはトライXの長尺を買ってきて自分で空きケースに詰めてました。
> 懐かしいですが、アメリカの製造業はMBAが経営するようになっておかしくなりましたね。
> 日本ではソニーか。


トライXの長尺を自分で詰めていた、本格派だったんですねえ。
多分日本には沢山の隠れコダックファンがいて、こんな事態を悲しんでいることと思います。

MBAが経営するようになってダメになった、正にご指摘の通り。
彼らは目先利益を上げる事しか頭に有りません。
握り飯と柿の種でいえば、柿の種をとって8年辛抱して育てる、
こんな考えは毛頭有りません。
若し柿が欲しければ、誰か柿を育てたのを丸ごと買い取ればいい。
こんな風です。

コダックのように無茶苦茶な配当をして、将来への投資をしないのはアメリカ流の特徴です。
今サムスンがこれをやってますね。デタラメ決算とデタラメ配当。
いやこれはご隠居さんのテーマでした。
  1. 2012-01-21 07:25
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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To kazkさん
>コダック倒産か。
>小生の親父が昔、JICAの仕事で海外に行ったときに初めてコダックのカラーフィルム使った写真を見ましたっけ。
>色が違うんだよなあ、国産とは…
>本気で着色したんだろうと思ったものです。
>まあ、倒産してもおそらく事業は継続されるでしょう。あれならまだファンはいるはずだから出まわるでしょう。
>
>不況が続き、かなり有名企業が潰れるのも見ましたがきちんとした商売自体は経営主体にかかわらず生き延びるのだということも知りました。
>それだけは良いことだったものと思ってます。


コダックは色が違う、仰るとおりです。
あの澄んだ空の青、如何して日本のフィルムではあの色が出ないのか、カメラ仲間で良く話したものです。

きちんとした商売をしていれば経営主体がどうなろうとも生き延びる・・・
丁度いい事例が目の前に有ります。オリンパスです。
経営者はデタラメでした、しかしそれはホンの一握り。
オリンパスは生き延びるでしょう。
正に仰るとおり、きちんとした商売のおかげだと思います。
  1. 2012-01-21 07:34
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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我が家には現像室がありました。
作ったのは父で、モノクロは自分で現像してました。
現像室中に、彼が学生時代(戦前ですが)に撮影したヌード写真が残っており、これを発見した母と夫婦喧嘩になりました。
私も見ましたが、良い写真でした。無修正でしたが。
そのうち、私も現像をやるようになりました。
トライXの長尺を、新宿のサクラヤか、淀橋カメラで購入してました。
カラーも最初からコダックでした。
赤と黄色がクッキリ出るので、私の色彩感覚とマッチしていたからです。

懐かしい思い出です。
  1. 2012-01-21 12:21
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  3. yuyuu #79D/WHSg
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To yuyuuさん
>我が家には現像室がありました。
>作ったのは父で、モノクロは自分で現像してました。
>現像室中に、彼が学生時代(戦前ですが)に撮影したヌード写真が残っており、これを発見した母と夫婦喧嘩になりました。
>私も見ましたが、良い写真でした。無修正でしたが。
>そのうち、私も現像をやるようになりました。
>トライXの長尺を、新宿のサクラヤか、淀橋カメラで購入してました。
>カラーも最初からコダックでした。
>赤と黄色がクッキリ出るので、私の色彩感覚とマッチしていたからです。
>
>懐かしい思い出です。


そうですか、yuyuuさんは親子2代の写真愛好家、どうりで筋金入りな訳だ。納得です。
コダックが倒産して一番悲しんでいるのが、コダックで写真の素晴らしさを体験した写真愛好家。
カラーも白黒も正に一味も二味も違いましたからね。
コダックには何とか再起して欲しい物です。
但しイバラの道になるでしょう、頑張って欲しい物です。
  1. 2012-01-21 14:19
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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この業界で働いていたことがあり、全盛時のコダックの威容を知っているだけに、その倒産というのは感慨深いものがあります。
往時にコダックの本社を訪問した時に、社員食堂に連れていかれました。日本の社員食堂のような役員も平社員も一緒というものでなく、役員専用が別にあり、それは豪華な作りでした。あそこで食べていたような連中がつぶしたんだろうな、と回想しています。

写真フィルムというのは非常に儲かる商売でした。高度な技術と大規模な設備が必要なため参入障壁が高く、世界に4社しかないため、高い利益率を誇っていました。設備産業の特性で、作れば作るほど儲かる、規模が大きいほど儲かるので、コニカよりフジ、フジよりコダックが儲かっていました。全盛時のコダックでは、フィルムを塗ることは、紙幣を印刷することみたいなもんだったでしょう。短期の利益を考える経営だったら、この儲けに目がくらんだのもむべなるかなという気がします。

でも、今回のような破綻は、典型的なイノベーションのジレンマですよね。こんなのは、随分前からMBAの授業では必ず取り上げられていることです。MBAをとるような連中なら知っているはずです。でも何もできなかった。MBAの中でも出来の悪い連中だったんですかね。

それから、オリンパスの事例はちょっと違うかなと言う気がします。
内視鏡市場が縮小している状況ではないからです。写真フィルムの市場が拡大している時期だったら、コダックでどんなひどい経営が行われていてもきっと破綻していなくて、「きちんとした商売をしていれば経営主体がどうなろうとも生き延びる」なんて言われていたんじゃないでしょうか。
  1. 2012-01-21 20:54
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  3. takaca #79D/WHSg
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To takacaさん
>この業界で働いていたことがあり、全盛時のコダックの威容を知っているだけに、その倒産というのは感慨深いものがあります。
>往時にコダックの本社を訪問した時に、社員食堂に連れていかれました。日本の社員食堂のような役員も平社員も一緒というものでなく、役員専用が別にあり、それは豪華な作りでした。あそこで食べていたような連中がつぶしたんだろうな、と回想しています。
>


お久しぶりです。
そうですか、コダックの全盛時代をご存知ですか。
凄かったんでしょうね。
世界中敵無し、そんな勢いでしたから、
でも私に言わせるとそんな世界中敵無し、この上に胡坐をかいていた、これが問題だったんでしょう。
本文にも書いたのですが、90年代にフジをWTOに提訴した問題、
たまたまその裁判関係の資料を少し読んで見た(全文は膨大すぎ、ホンの一部です)感じですが、その頃から開発投資を怠り配当していた事が指摘されています。

私がきちんとした商売と言うのは、将来を見据えた開発投資なども含んでの事です。
カメラメーカーとキチンと情報交換していれば、現在のデジタル化の流れは15年以上前に分かる筈、そう思います。
例えば最後のフィルム1眼レフ、ニコンF6が出たとき(2004年でした)、「フィルム1眼レフはF5で終りではなかったか」と言われていました。

ですから少なくとも10年は利益の上に胡坐をかいて居眠りしていた、こう思っています。
  1. 2012-01-21 21:46
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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ご無沙汰しておりました。最近はほとんどコメントしていなかったのすが、今回ばかりはわが身にインパクトがある話題でしたので。

コダックについては、正におっしゃるとおりだと思います。「10年は利益の上に胡坐をかいて居眠りしていた」はそのとおりです。
ただ、オリンパスについては、経営はグダグダ、本業の市場は堅調、本業はしっかりやっていたので、生き残れた、と言う状況だと思います。「将来を見据えた開発投資」もしているかも知れませんが、それは表面に出ていませんし、それがあったから生き残れたというものでもないので、今回のコダックの対照とするには適当ではないと思ったのです。
もし内視鏡を代替するような技術が開発され、内視鏡市場が縮小しているような状況で今回のオリンパスのようなことが起きたら、きっと破綻していたでしょう。コダックだって、写真フィルムの事業自体はしっかりやっていたので、写真フィルムの市場が堅調な時代だったら、経営に多少問題があったって生き残っていたと思うのです。

イノベーションのジレンマなんて10年以上前からMBAの授業では取り上げられていたものですから、MBAの連中が認識していないはずないんですが、「10年は利益の上に胡坐をかいて居眠りしていた」んでしょうね。
OLEDでは最先端の技術を持っていたのに結局活用できなかった。写真フィルムの技術を活用して、フジやコニカはLCDの保護フィルムで良い商売しているのに、コダックはできていない。本当に何してたんだろうと思います。
  1. 2012-01-21 23:21
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  3. takaca #79D/WHSg
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To takacaさん
>ご無沙汰しておりました。最近はほとんどコメントしていなかったのすが、今回ばかりはわが身にインパクトがある話題でしたので。
>
>コダックについては、正におっしゃるとおりだと思います。「10年は利益の上に胡坐をかいて居眠りしていた」はそのとおりです。
>ただ、オリンパスについては、経営はグダグダ、本業の市場は堅調、本業はしっかりやっていたので、生き残れた、と言う状況だと思います。「将来を見据えた開発投資」もしているかも知れませんが、それは表面に出ていませんし、それがあったから生き残れたというものでもないので、今回のコダックの対照とするには適当ではないと思ったのです。
>もし内視鏡を代替するような技術が開発され、内視鏡市場が縮小しているような状況で今回のオリンパスのようなことが起きたら、きっと破綻していたでしょう。コダックだって、写真フィルムの事業自体はしっかりやっていたので、写真フィルムの市場が堅調な時代だったら、経営に多少問題があったって生き残っていたと思うのです。
>
>イノベーションのジレンマなんて10年以上前からMBAの授業では取り上げられていたものですから、MBAの連中が認識していないはずないんですが、「10年は利益の上に胡坐をかいて居眠りしていた」んでしょうね。
>OLEDでは最先端の技術を持っていたのに結局活用できなかった。写真フィルムの技術を活用して、フジやコニカはLCDの保護フィルムで良い商売しているのに、コダックはできていない。本当に何してたんだろうと思います。


私は自動車関連の仕事をしてきましたが、自動車といっても矢張り主力商品が消えてしまう、こんな事はしょっちゅうです。
最近ではガソリンエンジンから電気自動車ですが、それ以前でも例えばキャブレターから燃料噴射とか、こんな話がゴロゴロ。
基礎研究から初めて商品化するまでに10年くらいはざら、
しかも研究してもモノになるのはその中の何分の一か。
2年や3年で利益を出したいと考えたら、こんな事は取り組めません。
コダックが失敗したのは此処が分からなかったから、そう思っています。
  1. 2012-01-22 09:11
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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