2009-03-31 16:07

GMクライスラー破綻処理先送りの先に見えるもの

今日アメリカではGM、クライスラーへの追加支援策が発表されている。

表向きはクライスラーには1ヶ月の猶予、GMには2ヶ月の猶予を与え、

その間に抜本的な再建策を取りまとめるよう迫る内容だ。

 

しかし実際は連邦破産法11条による破綻処理をして再建を目指せと言うもので、

その為に強硬にこれに反対しているGMワゴナーCEOの首を切り、

さあ邪魔者の首を切ったから、後は破産処理をせよと迫るものだ。

 

 その内容は

<以下引用>

 

 

オバマ米大統領 GM、クライスラーへの追加支援声明へ

2009/03/30 22:04更新

 

記事本文

 

 【ワシントン=渡辺浩生】オバマ米大統領は30日午前(日本時間31日未明)、公的支援を受けて経営再建中の米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーへの追加支援策をめぐり声明を発表する。

 難航する全米自動車労働組合(UAW)や債権者との交渉期限を3月末から4月30日まで1カ月間延長し、この期限内に交渉がまとまらない場合、政府は両社に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を迫るとみられている。GMとクライスラーが破綻(はたん)すれば大量の失業者が発生する恐れもある

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記事本文の続き 一部の米メディアによると、追加支援はGMに対して当面経営に必要な運転資金を融資する。クライスラーには最大60億ドル(約5870億円)を融資する代わりに、基本合意しているイタリア大手の自動車メーカー、フィアットとの資本提携交渉を1カ月以内に正式合意するよう求める。

 政府の追加支援策発表前にGMのワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)が29日、辞任した。公的資金の追加投入と引き換えに、経営責任の明確化を迫る政府の要求に応じて引責辞任したとみられる。後任には、ヘンダーソン社長兼最高執行責任者(COO)が暫定としてCEOに就任した。

 

 ・・・・長いので以下省略・・・・

 

 

<引用終り>

 

しかしこれでGM、クライスラーが抜本的な再建策を出せるかと言えば・・・答えはNO!

自動車メーカーの建て直しには金だけでは不十分である。

 

本当に必要なのは

1) 工場・事務・技術部門を問わず生産性の向上(による人員削減)と人件費削減

2) 部品・材料などの調達コスト削減と在庫削減

  (ゴーン日産はこれで業績を立て直した)

3) 時代を先取りした魅力ある車の開発

4) 販売体制の改革での拡販

 

この4つがうまくバランスをとる事が建て直しには不可欠と思う。

しかし今までさんざん時間をかけていながら一向効果的な改善策を

打ち出せないGM、クライスラー自力で改善策をまとめるのは今では不可能と見る。

 

オバマ政権もこれが分かっているので、

クライスラーには1ヶ月以内にフィアットとの提携交渉をまとめることを支援の条件にしている。

 

だが上に書いた生産性の向上や販売体制立て直し、

新型車開発等には膨大なマンパワーが必要、

クライスラーの提携候補のフィアットだが、

2008年の自動車販売ランキングでやっとクライスラーを抜いて

(と言うかクライスラーが大きく落ちてきたので)11位になっただけ、

そのフィアットにクライスラーを助けるだけの人材を出す余裕があるのだろうか?、

(自分のところも火の車らしい)

 

参考までに昨年の新車販売ランキングは以下のようになっている。

 

 

 

そして問題はGM、破綻処理に反対し

「破綻すれば大量の失業者が出る」事を人質にして

支援を引き出してきたワゴナーCEOの首を切っただけでは事は終わらない。

 

ここまで業績を悪化させた経営責任を明確にし、徹底的に膿を出し切った上で

新しい血が必要だと思う。

つまりどこかと提携し、建て直しを図るしか方法は無いと見る。

それの出来るメーカーは世界中でそう何社も無い、上の表の中のどこかであろう。

 

ただGMの場合、ひとつのサンプルがある、

それはトヨタ・GMの合弁会社NUMMIの存在だ。

 

この会社はサンフランシスコ近くのカリフォルニア州フリーモント市にあり、

今から25年前に当時問題となった自動車摩擦の解決策として設立されたものだ。

現在でもカローラなどトヨタブランド車とポンティアックVibeと言うGMブランド車を製造しており、

ライバル同士が提携して成功させた稀有な例として知られている。

 

 

 NUMMI HPより

 

 

私は2~3日後に発表される3月の各社のアメリカでの自動車販売台数に注目している。

 

2月までの実績を見ると、各社とも販売台数を大幅に落としているが、

特にGM、クライスラーの落ち込みはひどく(前年比半減)、

このままではどんなに金をつぎ込んでも会社が成り立たない状態であることがはっきり現れている。

さて3月はどうか、それによってオバマ政権も決断せざるを得ないと思う。

 

そしてその時、日本のメーカーも問題の渦中に巻き込まれると思うのだが・・・。

  1. 自動車
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  3. CM(2)

コメント

No title

GM再建には巨大な人員削減と、巨大なマンパワーが必要。どっちが簡単か。後者だろう。前者は、多数決制では誰も削減OKとは言わないので、全員が同じ船に乗って、ずるずる死へのベルトコンベヤーで死へ向かって進んで行くだけ。それを破るには強力なリーダーが必要だ。必要以外の人員の首を切れる、強力なリーダーが必要だ。首を切る場合でも退職金の内必要なだけを株で支払うなど。

また、いよいよとなればなれば、今回バイアメリカン政策が出たように、車も限定的なバイアメリカンが出るかもしれない。欧州系の車は別にして、トヨタや日産、ホンダのお陰で傾いたのは事実なんだから・・。幾ら優れた車だからといって、アメリカの象徴を潰して良いとは言えない。

それであれば、GMをすくう道は、この短足おじさんの言うように、トヨタ等との合併だ。トヨタは以前お手伝いしてもいいですよ(いずれ矛先が自分に来るのを予測して)と言ったのに、誇り高いGMがこれを断ったことがある。従って、トヨタ側ではOKなのだ。GMは誇りを捨てよ、今誇りどころじゃない?
まてよ、クライスラーは、フィアットと合併して生き残りを決心した。なぜ、GMは合併による再建を模索しないのか?本来、真に危なくなれば合併するはずだ。と言うことは・・・

GMは、まだ本当には危なくないのかも知れない。車の生産台数でもトヨタとほぼ同じ量、価格はGMの方が高級車なのでもっと大きいはずだ。

これは或いは 壮大な・・・(労組と債権保有者に対して譲歩を引き出す)壮大な演出(演技)が混じっているのかもしれない。だって、アメリカはハリウッド映画の国だものね。
  1. 2009-04-02 13:51
  2. URL
  3. ななみパパnnanami2 #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To nnanami2さん

コメント有難うございます。
>
>これは或いは 壮大な・・・(労組と債権保有者に対して譲歩を引き出す)壮大な演出(演技)が混じっているのかもしれない。だって、アメリカはハリウッド映画の国だものね。

まさかそんな! と思うような話ですが案外これが正解かもしれません。
そう思うと昨年リーマンショックの直後からのトヨタの発言も納得がいきます。
”車が売れない、このままではトヨタも赤字だ!”
まだ決算までずいぶん間のある時期のコメントとして唐突の観は否めません、
でもnnanami2 さんの指摘されたようにハリウッド映画と思えば
十分納得できる話です。
でもこの顛末、アメリカだけでなく日本にも大津波が押し寄せそうです。
  1. 2009-04-02 18:12
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
  4. 編集

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