2011-02-14 18:27

タイとカンボジアの国境問題は根が深い

タイとカンボジアが国境問題で戦闘が発生し死者まで出ている。

また世界遺産申請問題も紛争に拍車をかけた格好だ。

 

この件は裏の桜さんのエントリーでも触れられている。

http://dale-alv.iza.ne.jp/blog/entry/2149938

 

この紛争地カオ・プラ・ヴィハーンは、私がタイ時代2回行こうとして2回とも途中で断念した無念の記憶があるので、その思い出話を。

 

最初にこの遺跡の名前から

タイ語では:カオ・プラ・ヴィハーン  意味は礼拝堂の山

カンビジア語では:プレア・ヴィヒア 意味は同じく礼拝堂の山

 

何処にあるかというと

 

タイとカンボジアの国境はダンレック山脈という山地で、標高は大体500~600メーター、

この遺跡はその中でも一段高い標高657メーターの山の頂上にある。

地図を見ても分かるとおり、国境線の所には交差する道路がない。山が深く険しいので道がないし、人も殆ど住んでいない。

 

現地はどんな所かと言うと

 

右側の断崖絶壁がカンボジア側、左側のなだらかな山頂が全般はタイ領、但しこの遺跡と周辺だけがカンビジア領。

 

カンボジア側はずっと断崖絶壁なのでカンボジア側から入れる道はなく、タイ側からしか行く事が出来ない。

この事がタイが領有権を主張する根拠

 

 

所でこの寺院、歴史を見れば非常に古い

(東南アジア史第二巻、岩波書店刊より)

 

これはアンコール帝国の領土の一例。

この当時、現在のタイ国の地にはタイ人は住んでいなかった

(現在のタイ人国家は13世紀中頃・・1240年頃?出来たと言われている)

 

つまりカンボジア人から言わせれば、元々タイは俺達の領土、それをタイ人がやってきて占拠したのだ。

特にこのプレア・ヴィヒアなどは元々俺達が作ったもの。

これがカンボジア人が領有権を主張する理由

 

さらにカンビジアはアンコール帝国衰退後国力は衰退の一途、遂にはフランスの植民地になることで外圧を逃れようとした。こんな経緯が有る。

 

最初の地図でカオ・プラ・ヴィハーン(プレア・ヴィヒア)とアンコールワットが意外に近い事が分かると思うが、アンコールワットの有る町の名前・・・シエム・リアップというのは「シャムを(つまりタイを)追い出した」という意味である

カンボジアの国民感情が分かる一例。

 

 

前置きが長くなった。

今のカオ・プラ・ヴィハーン(プレア・ヴィヒア)がどうなっているかと言うと

(写真はアチコチからお借りしました、ホントは行きたかったのですが・・・)

 

これは上空か

 

 

これは入り口

 

これが遺跡

全く修理されていない

 

 

遺跡から見たカンボジア大平原

 

 

さてその行きそこなった顛末は、

 

土日を利用して見に行く事にしたのです。

遠いのは分かっていましたので早朝3時出発。

しかし当時住んでいた町からは現地まで一般道で700キロ。ガンガン飛ばしたのですが、途中寄り道した事も有り遺跡の麓についたのが午後4時。

車を駐車し軍隊が警備する検問所をパスポートを見せて通過、山登りを始めたところで雨が降ってきて夕方のように暗くなってきた。後1キロの所で断念。引き返しました。

 

遺跡から一番近いホテルのある町はスリンかウボーンラチャータニーなのですが、どちらに行くにしても一般道で150キロ。ウボーンラチャータニーに行く事にしました。

(注:現在はもう少し近いシーサケットにも数軒のホテルがあるようです)

日が暮れてからの知らない道を一人で走るのは、ホントは走らないほうがいいとつくづく思い知らされました。(第一ホテルも予約無しでしたので・・)

 

2回目は1年後、逆廻りで行く事にしました。

しかし2回目も雨、それも豪雨でしたので駐車場まで行って断念しました。

この時は帰りにも雨にたたられ、散々な目にあいました。

 

そんな事で私にはカオ・プラ・ヴィハーンは、とうとう行きそこなった無念の思い出しか有りません。

 

どうも私には見果てぬ夢のまた夢・・・

  1. タイiza
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コメント

No title

こんにちは。

私もネットではありますが、紛争の直接的な原因に成っている「カオ・プラ・ヴィハーン(プレア・ヴィヒア)」の遺跡を少しだけ調べてみました。

本当に大変なところにありますね。よく造ったモノだ、と昔の人たちの情熱に感心いたしました。

話は飛びますが、この様な紛争が起きるといまの日本では「話し合いで」といわれますが、歴史経緯を知ると「難し過ぎる」と思いますね。確かに、理想とすれば武力行使での問題解決は良くないのでしょうが・・・それとこの問題に大国が余計な口を出してきて、問題を今以上に複雑に成らない事を祈るしかありません。そしてヘンテコリンな理想主義者、平和原理主義者たちから利用されることがないようにと思わずにはいられませんね。
  1. 2011-02-14 19:27
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  3. 裏の桜 #79D/WHSg
  4. 編集

No title

ご参考まで、下記の方のサイトが一番詳しい感じもします。

http://kuradashieigakan.com/con16khao/contents16.htm

国際司法裁判所の判決にかかわる説明が、面白いです。
  1. 2011-02-14 20:10
  2. URL
  3. hetare-ojiji #79D/WHSg
  4. 編集

No title

僕もここ行きたかったですが
まだ近づいてもいません。
マチュピチュとか天空の城の様な遺跡に興味が有るのです。
何か星とか宇宙との繋がりが有るような気がして。
何故こんな場所に作ったのか?
興味を駆り立てられます。

  1. 2011-02-15 10:40
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  3. sonoraone #79D/WHSg
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To 裏の桜さん

>私もネットではありますが、紛争の直接的な原因に成っている「カオ・プラ・ヴィハーン(プレア・ヴィヒア)」の遺跡を少しだけ調べてみました。
>
>本当に大変なところにありますね。よく造ったモノだ、と昔の人たちの情熱に感心いたしました。

アンコール帝国はとにかく大変な文化と技術力を持っていたのです。
それがカンボジア人の誇り。
残念ながらその後衰退したので誇れる物はこれしかない、これがカンボジアの悲劇です。

>話は飛びますが、この様な紛争が起きるといまの日本では「話し合いで」といわれますが、歴史経緯を知ると「難し過ぎる」と思いますね。確かに、理想とすれば武力行使での問題解決は良くないのでしょうが・・・それとこの問題に大国が余計な口を出してきて、問題を今以上に複雑に成らない事を祈るしかありません。そしてヘンテコリンな理想主義者、平和原理主義者たちから利用されることがないようにと思わずにはいられませんね。

そうですね。この問題の根は深い。
だから話し合いで解決できる問題ではないのです。
唯一の解決策は共同管理でしょう。
然し今はそれは無理ではないか、何せタクシンカンボジアが取り込んでいますので。
  1. 2011-02-15 11:18
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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To hetare-ojijiさん
>ご参考まで、下記の方のサイトが一番詳しい感じもします。
>
>http://kuradashieigakan.com/con16khao/contents16.htm
>
>国際司法裁判所の判決にかかわる説明が、面白いです。

情報有難うございます。
紹介いただいたサイトにあった王道、これに興味があって以前から色々調べていました。
最近カンボジアのポルポト派が占拠していた所の遺跡の調査が進んで色々分かってきたようです。
  1. 2011-02-15 11:22
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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To sonoraoneさん
>僕もここ行きたかったですが
>まだ近づいてもいません。
>マチュピチュとか天空の城の様な遺跡に興味が有るのです。
>何か星とか宇宙との繋がりが有るような気がして。
>何故こんな場所に作ったのか?
>興味を駆り立てられます。

sonoraoneさんはきっと機会があるのではないでしょうか。
奥様の妹さんはタイ語が出来るので心配ないように感じます。
但し本文にも書いたように遠い。
若し行かれるならバンコクから飛行機でスリンかウボンラチャータニーまで飛び、其処から運転手つきのレンタカーになると思います。
私のように車で行くのは大変。
ウボンから本文にあるように約150キロ。
途中にまともなレストランもありませんのでそれも注意が必要。

それにしても1000年以上前にあんな物を作ったクメール人、たいしたものです。
  1. 2011-02-15 11:30
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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No title

>それにしても1000年以上前にあんな物を作ったクメール人、たいしたものです。

猿から人間に進化した。
文明は段階的に進化した。
こういう歴史上の定説を否定する様な遺跡だと思います。
メソポタミア文明しかり、シュメール文明しかり、エジプト文明しかり、
超古代に一旦最高潮に達した文明が何らかの原因で荒廃し滅び、そこから再び進化の道を歩み始めたのが現代文明であると云う説も有ります。
事実、エジプトスフィンクスを地質学的に調査したドイツの調査団が建造年月日を1万5千年前としました。しかし、それは現在のエジプト学の定説に合わないので退けられさらなる調査は拒否され現場から追い出されたといいいます。
またピラッミドの石組みの奥深くから現代の考古学上はあり得ない鉄製の金属棒が発見されましたがこれも闇に葬られたまま、近年になって大英博物館の所蔵品の中に発見されましたが「正当派考古学者」は後生に誰かが持ち込んだ物として深い追求を拒否しています。
それを主導したエジプト学の大家が今回の暴動で被害が出たエジプト国立博物館の館長ザハ・ヒリ博士です。かれは現代のエジプト学と矛盾する発見は徹底的に妨害し隠匿しました。
長くなりましたが、要するにエジプト学に限らず古代シュメールの四海文書や、南米の遺跡の数々は現代考古学と矛盾する事実が沢山発見されているにも関わらず「正史」とはならないものが沢山有るようです。
あくまで、現代人類は石器時代から段階的に発展して現代に至ったと云う図式に当て嵌めようと云う歴史学が正史なのです。

この辺はアメリカのジャーナリストGraham Hancock等の著作「Keeper of Genesis」に詳しいところです。
日本では翔泳社から「創世の守護神」と云う翻訳で出版されていました。
考古学好きなら一度読むと面白いかも知れません。

長々と失礼しました^^
  1. 2011-02-15 12:27
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  3. sonoraone #79D/WHSg
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To sonoraoneさん
>猿から人間に進化した。
>文明は段階的に進化した。
>こういう歴史上の定説を否定する様な遺跡だと思います。
>メソポタミア文明しかり、シュメール文明しかり、エジプト文明しかり、
>超古代に一旦最高潮に達した文明が何らかの原因で荒廃し滅び、そこから再び進化の道を歩み始めたのが現代文明であると云う説も有ります。


私は歴史特に考古学好きですが、文明が一直線に進化したのではない。
段階的に進化、ある時は大きく後退したこともある、この説は共感を覚えます。
その証拠は沢山有るので間違いないでしょう。
そしてその原因ですが、これは私の私見ですが、原因はエリート層がいたかどうかだと思っています。
人間の能力は千差万別、その中で一部のエリート層を育てれば文明は発達する。これに失敗すると文明は亡びる、こう思っています。
アンコール帝国関連の遺跡、その衰退の歴史はこれが原因ではないでしょうか。
日本もエリート教育がおろそかになって久しい、危機が近づいているのではないか、心配しています。


>この辺はアメリカのジャーナリストGraham Hancock等の著作「Keeper of Genesis」に詳しいところです。
>日本では翔泳社から「創世の守護神」と云う翻訳で出版されていました。
>考古学好きなら一度読むと面白いかも知れません。

面白そうな本ですね、紹介有難うございます。
少し落ち着いたらこんな本、じっくり読んでみたいです。
  1. 2011-02-15 13:04
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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No title

そういえば、以前何かの本で独立した「文字」を持つ文明というのはそんなに多いわけではないというのを読んだことがあります。
言われてみると、古代から文明が繁栄したという所には、文字が存在しますが、文字の存在というのは文明が繁栄する重要なファクターの一つかもしれませんねえ。
  1. 2011-02-15 16:55
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  3. その蜩 #79D/WHSg
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No title

To その蜩さん
>そういえば、以前何かの本で独立した「文字」を持つ文明というのはそんなに多いわけではないというのを読んだことがあります。
>言われてみると、古代から文明が繁栄したという所には、文字が存在しますが、文字の存在というのは文明が繁栄する重要なファクターの一つかもしれませんねえ。

仰るとおり、文字こそ文明の基礎です。
そして昔から今までの歴史では文字はそんなに多く有りません。
アルファベット・漢字・アラビア文字・インド文字など。

ですから文字のない人たちには文明は存在しない、これは事実です。
然し今の日本はその文字さえ疎かにしている・・・
これからの何十年かが恐ろしいと思っています。
  1. 2011-02-15 20:19
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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No title

古代に栄えてその後滅んだ文明というものにはロマンを感じますね。見に行ってみたいなとは思うのですが、滅んでしまって後が続いていない場合は、今は行きにくい状況になっていることが多く残念です。
この遺跡も以前から興味はあったので、この記事を興味深く読ませていただきました。やっぱり、行くのがそんなに大変なんですね。ここへ行くのは後回しにして、環境が整備されるのは待つしかないかな。

>段階的に発展して現代に至ったと云う図式に当て嵌めようと云う歴史学が正史なのです。

>この辺はアメリカのジャーナリストGraham Hancock等の著作「Keeper of Genesis」に詳しいところです。

非連続な文明が古代にあったというのには共感するんですが、ハンコックが出て来ると、ちょっとどうなのかなあと思ってしまいます。
彼は逆に、古代に驚異的な文明があったはずだという思い込みに無理やりはめ込むことをしますからね。「神々の指紋」なんてひどいものでした。都合の良い物だけ集め、否定論は無視しています。その辺は、『「神々の指紋」の超真相』(データハウス社)に詳しいです。
それと同じ著者が書いたとなると、「創世の守護神」もまゆにつばしながら読まなければ、と思ってしまうんですが。
  1. 2011-02-16 08:30
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  3. takaca #79D/WHSg
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To takacaさん
>古代に栄えてその後滅んだ文明というものにはロマンを感じますね。見に行ってみたいなとは思うのですが、滅んでしまって後が続いていない場合は、今は行きにくい状況になっていることが多く残念です。
>この遺跡も以前から興味はあったので、この記事を興味深く読ませていただきました。やっぱり、行くのがそんなに大変なんですね。ここへ行くのは後回しにして、環境が整備されるのは待つしかないかな。


古代クメール文明の遺跡はタイには色々ありまして面白いです。
この記事の続編でタイのクメール時代の遺跡の紹介をしようと思っています。少々お待ちください。
タイの三大クメール遺跡といいまして、ここカオ・プラ・ヴィハーン(プレア・ヴィヒア)、ピマーイ、パノムルンです。あとの二箇所はキチンと修復されていまして見る価値が有ります。


>非連続な文明が古代にあったというのには共感するんですが、ハンコックが出て来ると、ちょっとどうなのかなあと思ってしまいます。
>彼は逆に、古代に驚異的な文明があったはずだという思い込みに無理やりはめ込むことをしますからね。「神々の指紋」なんてひどいものでした。都合の良い物だけ集め、否定論は無視しています。その辺は、『「神々の指紋」の超真相』(データハウス社)に詳しいです。
>それと同じ著者が書いたとなると、「創世の守護神」もまゆにつばしながら読まなければ、と思ってしまうんですが。


まあ玉石混交と思って見ればいいのだと思います。
一概に否定できないのは、最近も単なる神話の世界と思われていたものが事実として証拠が見つかったりしている事。
例えば最近の発見としては、中国の伝説上の国家である「夏」の存在が発掘で発見された事。
今までは殷(紀元前1600年~前1050年)、周(前1046年~前256年)までしか分からなかったが、夏(前2070年~前1600年)の実在が証明された。

これからもまだまだ驚異的な発見が有るかもしれません。
但しご指摘のようにこじつけは沢山有ると思います。それは覚悟して読めばいいのでしょう。
  1. 2011-02-16 09:31
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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> この記事の続編でタイのクメール時代の遺跡の紹介をしようと思っています。少々お待ちください。
楽しみにしています。カオ・プラ・ヴィハーンは後回しにして、まずは他の2箇所ですね。後回しにしている間に、カオ・プラ・ヴィハーンの環境も良くなれば良いのですが。

>仰るとおり、文字こそ文明の基礎です。
文字と言えば、インカの縄結びはおもしろいですね。縄の結び目なんていうと数の目印くらいなら想像がつきますが、これで物語も記述していたというから驚きました。我々が想像する文字とは全然形態が違いますが、これも立派な文字です。
他の、文字がないと言われている文明に、実は我々が想像もしない形態の文字が存在していた、なんてこともあるかもしれませんね。
  1. 2011-02-17 15:55
  2. URL
  3. takaca #79D/WHSg
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To takacaさん
>> この記事の続編でタイのクメール時代の遺跡の紹介をしようと思っています。少々お待ちください。
>楽しみにしています。カオ・プラ・ヴィハーンは後回しにして、まずは他の2箇所ですね。後回しにしている間に、カオ・プラ・ヴィハーンの環境も良くなれば良いのですが。

今日アップするつもりです。
もう少しお待ちください。

>>仰るとおり、文字こそ文明の基礎です。
>文字と言えば、インカの縄結びはおもしろいですね。縄の結び目なんていうと数の目印くらいなら想像がつきますが、これで物語も記述していたというから驚きました。我々が想像する文字とは全然形態が違いますが、これも立派な文字です。
>他の、文字がないと言われている文明に、実は我々が想像もしない形態の文字が存在していた、なんてこともあるかもしれませんね。

そうですか、なるほどねえ。
あれだけの文明を作った民族ですから何か有るとは思っていましたが、
凄い物が有ったんですねえ。
正に目からウロコです。
  1. 2011-02-17 17:19
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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