2009-02-24 23:33

GMは破産以外に生きる道が無い>だから日本も対策を

タイでは2月17日GMタイ工場が790人の人員整理をすることが報道された、

確かGMタイ工場は従業員2000人程度と記憶していたので手元の資料を見てみた、

数年前の資料だが、従業員数は時間給労働者(現場の作業者)~2384名、

月給制労働者(スタッフ・管理監督者)~550名となっている、合計2900名ほどだ。

この中から790名の人員削減は約27%になる。

790名の内訳は希望退職700名、解雇90名と言う、

 

前回GMタイ工場が12月・1月と工場をストップすることをエントリーしたが事態はさらに深刻だ、

1月の販売台数は前年同月比56%減と現地では報道されている。

 

一方GMのほかの子会社はと言えば、スウェーデンのサーブは破綻、

ドイツのオペルはドイツ政府から18億ユーロの公的支援を要請したが足らず、

更に33億ユーロ(約3900億円)の追加支援を要請していることが先週20日明らかになった。

 

そして本家GMだが現在は政府に再建計画を提出し、政府の判断待ち状態、まさに俎板の上の鯉状態、

しかしGMの問題のひとつにそのでたらめとも言える販売戦略がある。

 

2月2日NHKで放送されたNHKスペシャル「アメリカ発 世界自動車危機」はそこをうまく報道している、

内容は大島信三氏のブログ:金融商品に頼ったGMの失敗に詳しい、

大島氏は肝心な部分を実に分かりやすく纏めている、ご一読いただきたい。

 

私なりに見たGMの問題点、

1) 販売面

  証券化というウォール街の悪魔が作り出した商品を使って、

  本来そんな高級車を買えない人に売りつけ、

  架空の消費を作り出した、

  GMAC(GMのローン会社)の場合ローンの審査をきつくすると(これが正常な姿)

  これまで購入していた人の約40%が対象外、つまり架空消費。

 

  このことは単に低所得者層が買った、こんな単純なものではない、

  低所得者層が分不相応な生活をすることで生活の価値観まで変わってしまった、

  住宅(サブプライムローン)でも車でも、うまく誤魔化せば1年や2年はいい想いが出来ると・・・

 

  車ではないが住宅の場合、差し押さえられた住宅の10%~20%は頭金ゼロ

  なんと金利すら一度も払っていないという、

  それでも差し押さえまでには最低1年はかかるそうで、

  つまり1年は只で高級住宅に住めるのだと言う。

  <不動産経済ファンドレビュー2008/04/05参照>

  車も多分同じであろう。

  

2) 車の企画・設計

  どんな車を作るか、これは車のユーザーがどんな人かを綿密に調べターゲットにする、

  だがそんな(高価な)高級車が買えない筈の低所得者層が買うのではどう企画すればよいか、

  誰が考えてもそんな企画が成り立たないことは明白だ、

  だからGMの車は見てくれだけ、中身は旧態然とした車になってしまった。

 

  こんな事を10年もしてきたのだ、GMの技術陣はみんな馬鹿になっている、

  そんな連中に今急に新しい車を作れといっても出来るだろうか?

 

  話しはすこし脱線するがアカデミー賞(日本の映画が認められたことは素晴らしい)について、

  この授賞式にプリウスなどのハイブリッド車で乗りつける俳優が多く話題となっている、

  これもGMの販売戦略を見ると納得が行く、

  つまりGMの高級車は低所得層が乗るのでステータスシンボルにならないのだ。

 

3) 経営

  経営者はこんなでたらめな売り方をすればどうなるか分かるはず、

  昨年は全米で190万台の車がローンが払えず差し押さえられている、

  それには目をつぶってとにかく儲かればよいとしか頭に無かった、

  そして自分の高額所得に目がくらみ、わが身の保身に汲々とする金の亡者となってしまった。

 

  経営層が金の亡者なら中間層も金の亡者、

  だからUAWがとんでもない労働条件を持ち出してもそれを呑んでしまった。

  その結果がトヨタやホンダなどより3~4割高い人件費となっている。

  そしてUAWは一度つかんだ好条件、簡単には放さない、

 

  GMはタイでも同じ経営をしている、

  私は数年前或るGMタイの現地人マネージャー(日本の課長級に相当)と話をする機会があった、

  若いそのマネージャー氏曰く、

  マネージャーとして採用されると全員乗用車(新車!)を会社から与えられる、

  これは勿論社用だけでなく個人用として使ってよい

  ・・・これは他社ではありえない好条件だった・・・

 

  こんな所にもGMの金の亡者体質が現れていると感じた。

 

 

GMとは、

経営者は金の亡者、ユーザーは借金漬けで踏み倒し常習犯、

従業員は良い車をつくろうなどという考えは薬にしたくとも無い、こんな会社なのだ。 

 

だがこれはGM一企業の問題ではなく、アメリカ全体が病んでいることを忘れてはならない。

拝金主義が横行し、額に汗して働くことを忘れ、自分たちが身の丈を忘れ過剰消費した、

そのつけを証券化という悪魔の生み出した商品にして世界中にばら撒いた。

日本もそのつけを払わされているわけだ。

 

そんな中でのGM再建、

そのためにはまずアメリカの人がGMの価値を認めその車を買うこと、

そのためにはGMがトップから末端の一作業者に至るまで必死でよい車を作っていることを見せねばならない。

 

これは私の考えだが3月上旬、2月の全米での車の売れ行きがまとまる、

その時GM(及びビッグスリー)の月間販売台数はトヨタやホンダとは大きくかけ離れた数字になると見ている、

 

車が売れなければいくら金をつぎ込んでも再建不可能、

そんな当り前の結論が出るように思える。

 

だがしかしGMは70年以上世界ナンバーワンの企業として世界に君臨してきた。

もはや倒産確実だが倒産すればその影響は計り知れない、

日本もその大波をかぶること間違いない、

さてではどうするか? これは難問である。

 

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コメント

No title

こんにちは。始めてお邪魔いたします。
コメントありがとうございました。
GMと言いAIGと言いまったく困ったものです。
確かに言われるようにGMは本業の車より、
デタラメなオートローンの貸付で大やけどを
負っているわけです。
金融業界が詐欺的な住宅ローン・サブプライム
低所得者を標的にして荒稼ぎした事とまったく同根です。
Warabi
  1. 2009-02-25 12:57
  2. URL
  3. izalausa #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To izalausaさん

はじめまして、コメント有難うございます。

私が一番心配なのはGM問題とか、サブプライムローン問題とか、
この根本にある事、アメリカの人の心がすさんでいることです。
これを解決しない限りアメリカの再浮上はありえない、
そのためには大ショック療法も必要かと思います。
多数の犠牲者が出るのも仕方ないこと、困ったことです。
  1. 2009-02-25 14:06
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
  4. 編集

No title

コメントとTB戴きありがとうございます。
私も、昔、家内の父親がタイ駐在が長かった事も有り、家族親戚一同大のタイのフアンで毎年お正月などにタイに出かけます。昨年はホアヒンに行きました。

さて、GMの今の危機は、本来購買力の無い層にも架空のクレジットを作り出して買わせるウオール街マジックに乗ってキャッシュの先取りをしたツケがついに身に降り掛かったと云う事だと思います。そうせざるを得なかった背景は企業トップと労組の複合体の高コストを負担させる原資が必要だったと云う事でしょう。甘い汁を先取りして吸い過ぎたと云う事でしょう。こう云う構造を打ち切るにはChapter11で強引にしがらみを切らせるのが一番合理的な方法だと思います。この当りから日本の出番は有るのですが、今の政治の体たらくではそう云う戦略的な動きは出来かねるでしょうね。
ただ、どう云う方法になるか解りませんが、私が長くアメリカに住んで感じた、アメリカ人の特性を考えますと、意外に早く新しい社会基盤の修復をして「ウオール街カルト」からの脱却に成功するのでは無いか、そんな気もします。根拠の無い単なるカンに過ぎませんが。
  1. 2009-02-27 09:17
  2. URL
  3. sonoraone #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To sonoraoneさん

いらっしゃいませ、コメント有難うございます。

>私も、昔、家内の父親がタイ駐在が長かった事も有り、家族親戚一同大のタイのフアンで毎年お正月などにタイに出かけます。昨年はホアヒンに行きました。

ホアヒンですか、タイのことをよくご存知ですね!
バンコクやパタヤ等と違いホアヒンは本当に静かないいリゾート地です。
タイのいい面の見られる土地ですね。


>ただ、どう云う方法になるか解りませんが、私が長くアメリカに住んで感じた、アメリカ人の特性を考えますと、意外に早く新しい社会基盤の修復をして「ウオール街カルト」からの脱却に成功するのでは無いか、そんな気もします。根拠の無い単なるカンに過ぎませんが。

私もそう願っています。
ただそのためには多分哲学が必要ではないか、
車については、物づくりの哲学はトヨタとホンダに任せればよいでしょうが、
生活の哲学=過剰消費をつつしみ、身の丈にあった生活に戻す・・
労働の哲学=額に汗して働くこと・・等はどうなんでしょうか?
こんなところにも日本の出番は有ると思います、
今年のアカデミー賞の受賞作品などにもその一端があるような気がするのですが。

  1. 2009-02-27 15:05
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
  4. 編集

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