2009-01-12 18:10

10年前の通貨危機の経験を発信すべき<続>

アジアの製造業特に日系企業の場合、10年前の通貨危機では非常な困難を経験した。

今回の世界同時不況ではその経験が生かせるのではないか、

その経験、中でも人員削減については

マネージメントも共に痛みの有る方策を採ることから始めたことを前回のべた。

 

しかしそこから先が問題、

彼らは何をしたか、

 

仕事が無いとき、工場を止め従業員に有る程度の給料を払った上で一時帰休させる、

これも有効な方法ではある、

現に今GMタイ工場は12月1月と工場の操業停止、

従業員には75%の給料を払って一時帰休を実施中だ。

 

しかし遊んでいてもある程度の収入を得られるようにした従業員がその後どうなったか?

残念ながら彼らは元のようには働かない、

仕事の効率もさることながら品質の良いものを造る意欲も無くしてしまうのだ、

製造業では毎日緊張感を持って仕事をせねばならない、

品質、能率、そして安全、全てに言える事だ、

その緊張感を失ってしまうことの危険性、

これは日常レイオフを繰り返しているアメリカ型経営では分からないことだと思う。

 

 

では多くの日系企業で取った方法とは?

彼らのやったことで特筆すべきは従業員の更なる教育訓練推進だった、

内容は業種によって千差万別である、又専門の指導員や教える為の教材があるわけでもない。

そんな中でその人その人に出来ることから始めたと言ったところ、

ある人は「自分には何の技能も無いから日本語を教える」、

又ある人は溶接や切削など金属加工を教えると言った具合、

その人に出来ることと言っても最初は暗中模索であったと言う。

 

この様なところから出発してかなりの会社が取り組んだのが

ISO9000等のような品質マネジメント規格の認証取得だった。

認証取得活動を通じて従業員のレベルアップを図る、

これは言うのは簡単だが非常に苦労のいる仕事であった。

導入を決めてから認証取得まで最も速い会社でも1年半から2年かかる、

その間現地人だけでなく日本人も必死で勉強しないとシステムは完成しなかった。

 

その理由はISO9000シリーズの認証取得は

日本でも通貨危機当時は導入が始まったばかり、

従って皆が知らないことばかりだったことだ。

 

日本でのISO9000シリーズ審査登録状況

      (出所:経済産業省 産業技術環境局のデータによる)

1997年3月   4329社    ・・・ 通貨危機発生

1998年3月   6420社

1999年3月   9482社

2000年3月  14671社

2001年3月  21626社

2002年3月  29626社

2003年3月  37569社

2004年3月  44980社

2005年3月  50208社

 

 

通貨危機の数年後急速に経済は回復する、

この様なとき発展の原動力となったのは、危機当時必死に勉強し力をつけてきた日系企業だった。

 

今100年に一度の経済危機と言われといる、

しかし「ではどうするか」その具体的な処方箋が見えてこない。

マスコミなどは騒ぐばかりで何の指針にもならない。

 

だがはっきり言える事がある、

それは”経済全体の規模が全世界で縮小してしまった”こと、

だから企業と言わず個人レベルでも縮小に対応せざるをえない。

企業だけでなく一人一人の個人に処方箋が必要なのだ。

 

こんな時通貨危機の経験が生きると思うのは私1人ではないと思う。

通貨危機を切り抜けた人には是非ともそのノウハウを見せてもらいたい、

方法はひとつではない、

又痛みのある内容も沢山あるだろう、

その中にこそ自社に或いは自分にあった処方箋が有る。

このノウハウこそ日本人の共有すべき財産だと思っている。

 

 

 

 

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