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2019-11-04 17:03

橋の話<東西経済回廊は最後の追い込み


 ミャンマーの橋の話を色々書いてきたのだが、11月3日のエントリー「橋の話<ミャンマーの橋への疑問」でこんな疑問点を書いた。

疑問点
1、ミャンマーで今現在、日本のODAによる橋の建設が目白押し状態。でもこんな話など聞いたこと有りませんねえ。

2、長さ265mの長大橋が落橋しただって?、そんな凄い事故なら当然日本でも大騒ぎになるだろう。どうなっているんだ?。
こんな事故なら、日本にも参考になる問題が色々あるだろう。どうしてそんな事を言わないんだろう。オマケにその橋は中国企業が設計したそうじゃないか。だから知らん顔か?

3、ミャンマーでは大統領の上に君臨するスーチー、この人物はどうにも信用できない、それは日本の外務省も熟知している筈なのに騙されてないか?。
(スーチーの邸宅の隣が日本大使の公邸)

この疑問点の内「2」についてはこのエントリーで纏めました。
しかしこのエントリーを纏めてみて、ますます混乱してきました。昨年4月に崩落したミャウンミャ橋は今年の4月に新しい第二ミャウンミャ橋として完成していたのです。
しかもこの報道が見つかったのはNNAのみ、少なくとも国内メディアでは見つかりませんでした。

色々疑問は有りますが、冒頭揚げた「1」と「3」についてを東西経済回廊との関連で考えてみたいと思います。


最初に麻生さんが言い出し、その後の日本外交の重点になっている「自由と繁栄の弧」についてみてみます。

2019-11-1自由と繁栄の弧

この図は大変見にくいので、その中のインドシナ半島についてみてみます。

2014-7-10東西経済回廊と3か国ハイウエー

ベトナム中部から西へラオス、タイを通ってミャンマーへと続きます。これが東西経済回廊。
さらにその先は何とインパールを目指しますが、この話はこれには触れないことにします。

所でこのインドシナ半島を東西に貫くルートですが、ちょっと地理上の特質を説明。
インドシナ半島の山は、概略この図のようになっています。
2014-7-10newインドシナ半島の山脈
チベット高原辺りを出発点にしてヒマラヤ山脈、カラコルム山脈、崑崙山脈が東向きから大きく曲がって南に下ってきている。これがベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーの国を形作る大きな要因。
これらの国の山は南北に連なり、川も南北に流れる。ベトナムにしてもラオスにしても国土は極端に南北に長い。それはこんな理由だが、注意すべきは、この地域は水運も道路もみんな南北に流れている。そこに東西の道路を作る。まさに画期的だ。


さて、こんなインドシナ半島ですが、ここに割り込んできた国が有ります。チャイナです。
これはチャイナの一帯一路構想と真珠の首飾り戦略。

2019-11-4一帯一路と真珠の首飾り


この一帯一路の地図と東西経済回廊の地図を見比べてください。
東西経済回廊は真珠の首飾りをぶった切る形になっていることが分かると思います。


こんな流れの中で1988年からの軍政が27年で終わり、ミャンマーも自由主義陣営に戻ってきた。
今までの軍政時代に建設された粗製乱造の橋。これは危険だし物流のネックなので架け替える。こんな事で今ミャンマーで橋の建設ラッシュが続いている。こう理解すべきだと思う。

2019-11-4ミャンマー各地で進む橋梁整備

2019-11-4ミャンマー各地で進む橋梁整備シャイン・コーカレー橋

2019-11-4ミャンマー各地で進む橋梁整備シャイン・ザタピン橋
https://www.jica.go.jp/publication/mundi/1811/ku57pq00002e9t2e-att/03.pdf
https://www.jica.go.jp/publication/mundi/1811/201811_03.html

シナ様が作ったボロボロの橋、それを日本がやってきて素晴らしい橋に架け替えた。
数年後に完成したら、新しい観光名所になりそうな予感がします。
そんな大きな政策の前にスーチーがどうのこうのはすっ飛んでしまっているのでしょう。
私もこの橋が完成したら、是非見に行きたいものですが、どうでしょうか。

橋の話はこれにて終りと致します。お付き合いいただき有難う御座いました。
  1. ミャンマー
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  3. CM(4)

コメント

初めまして。橋、ブログの第一話目で知り、私も報道の無さに驚きました。中国の新幹線、ベトナムのダムに匹敵する技術と安全性に対する大惨事です。

調べてみたところ2018年12月にカチン州都ミッチーナのイラワジ川に掛かる中国国境との橋がトラック4台の過積載で崩落したというのも見つけました。2012年にとりあえず掛け直した橋で、中国にレアアースを運ばれ放題、ミャンマー側は縦割りなのか規制できない、中国側が言うには試験的な現場のものだけ運んでいる、というものでした(尖閣諸島の言い訳に似てます)
https://www.rfa.org/english/news/myanmar/bridge-trucks-12142018164753.html


チベット・ブータンなどの漢方に使われる高山植物も持ってかれていると聞いたことありますし、中国は周り中から資源を運び出しているんでしょうか。ミャンマーの行政は機能しているのだろうか。今後、日本が掛ける橋がこのような使い方をされないといいのですが。

  1. 2019-11-05 00:10
  2. URL
  3. とも #bzaLr9t2
  4. 編集

To:とも さん

> 初めまして。橋、ブログの第一話目で知り、私も報道の無さに驚きました。中国の新幹線、ベトナムのダムに匹敵する技術と安全性に対する大惨事です。
>
> 調べてみたところ2018年12月にカチン州都ミッチーナのイラワジ川に掛かる中国国境との橋がトラック4台の過積載で崩落したというのも見つけました。2012年にとりあえず掛け直した橋で、中国にレアアースを運ばれ放題、ミャンマー側は縦割りなのか規制できない、中国側が言うには試験的な現場のものだけ運んでいる、というものでした(尖閣諸島の言い訳に似てます)
> https://www.rfa.org/english/news/myanmar/bridge-trucks-12142018164753.html
>
>
> チベット・ブータンなどの漢方に使われる高山植物も持ってかれていると聞いたことありますし、中国は周り中から資源を運び出しているんでしょうか。ミャンマーの行政は機能しているのだろうか。今後、日本が掛ける橋がこのような使い方をされないといいのですが。



初めまして、コメント有難う御座います。
最初に「ベトナムのダム」との事ですが、ラオスのダムのことでしょうか。
それなら私もいろいろ取り上げていますので、ラオスで検索していただければわかると思います。

それからミャンマーの情報、有難う御座います。この件は私も知りませんでした。
この橋の崩壊ですが、場所はカチン州ですので、南北に長いミャンマーの一番北に当たります。ミャンマーは南部から中部はタイと隣接していますが、その北側はラオス、さらに北側は駐豪と隣接しています。
ミャンマーは多民族国家でしてメインはビルマ族ですが、中部から北部の山岳地帯は少数民族のテリトリー。
そんな事でこの辺りは独立志向が強く、カチン州などは本来自治区になるべきところでしょう。ですからミャンマー政府の統治が行き届きません。
中国はそこに付け込んで資源の収奪(泥棒です)をやっています。この辺りの少数民族は貧しいので、いくばくかの金に騙されるのでしょう。

こんな事なので本文で取り上げているミャンマー南部~中部の話とは事情が違うと理解すべきと思います。

尚参考までに、カチン州にはタイ語系統の言葉を話すタイヤイ族(シャン族)もいます。このタイヤイ族が一番多いのは隣のシャン州ですが、カチン州にも多いです。タイヤイの人は言葉がタイ国のタイ語の一方言と言った感じなので、言葉に抵抗が無く、タイに密入国して働いています。
  1. 2019-11-05 12:37
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

遅くなりすみません。

>最初に「ベトナムのダム」との事ですが、ラオスのダムのことでしょうか。

大変失礼しました。ラオスでした。リアルタイムで読んでますが、もう一度読み直してきます・・・


>カチン州にはタイ語系統の言葉を話すタイヤイ族(シャン族)もいます。

シャン族という響きで思い出し、数年前に読んでいた、謎のアジア納豆 という本を引っ張り出してみました。その国境辺りは納豆を作る民族がいくつかいて、そのうちの一つがシャン族でした。

そしてカチン族の納豆は特に日本の納豆と似ていて、普段は各家庭で作り、道で売っているものは黒や緑の葉っぱに四角く包まれているようです。竹筒に入れるのもあるそうでした。


>ミャンマーは多民族国家でしてメインはビルマ族ですが、中部から北部の山岳地帯は少数民族のテリトリー。
そんな事でこの辺りは独立志向が強く、カチン州などは本来自治区になるべきところでしょう。ですからミャンマー政府の統治が行き届きません。
中国はそこに付け込んで資源の収奪(泥棒です)をやっています。この辺りの少数民族は貧しいので、いくばくかの金に騙されるのでしょう。


ミャンマーが多民族国家とも知らず、そのような状況とは。
東南アジアの少数民族と政治情勢を絡めたことがなかったのでとても勉強になりました。

先述の納豆の本に、カチン軍のゲリラに納豆をもらうと冒頭にあり、それが本来は現地では何を意味しているのか、政治的にはそのような事態になっているともっと想像を働かせるべきでした。

日本の地域のように、点在する小さい村ごとに風習がかなり違うが、東南アジアの一般人はみんな似ていてハッピーに暮らしてる、くらいに思ってたので、今回、色々考えを改めました。

ミャンマー中〜南部、日本の支援などが入っていくには、規模や地域の安定性も全然違うのでしょうね・・・
本文とは違う内容になってしまい申し訳ないです。
  1. 2019-11-09 10:07
  2. URL
  3. とも #bzaLr9t2
  4. 編集

To:とも さん

> 遅くなりすみません。
>
> >最初に「ベトナムのダム」との事ですが、ラオスのダムのことでしょうか。
>
> 大変失礼しました。ラオスでした。リアルタイムで読んでますが、もう一度読み直してきます・・・
>
>
> >カチン州にはタイ語系統の言葉を話すタイヤイ族(シャン族)もいます。
>
> シャン族という響きで思い出し、数年前に読んでいた、謎のアジア納豆 という本を引っ張り出してみました。その国境辺りは納豆を作る民族がいくつかいて、そのうちの一つがシャン族でした。
>
> そしてカチン族の納豆は特に日本の納豆と似ていて、普段は各家庭で作り、道で売っているものは黒や緑の葉っぱに四角く包まれているようです。竹筒に入れるのもあるそうでした。
>
>
> >ミャンマーは多民族国家でしてメインはビルマ族ですが、中部から北部の山岳地帯は少数民族のテリトリー。
> そんな事でこの辺りは独立志向が強く、カチン州などは本来自治区になるべきところでしょう。ですからミャンマー政府の統治が行き届きません。
> 中国はそこに付け込んで資源の収奪(泥棒です)をやっています。この辺りの少数民族は貧しいので、いくばくかの金に騙されるのでしょう。
>
>
> ミャンマーが多民族国家とも知らず、そのような状況とは。
> 東南アジアの少数民族と政治情勢を絡めたことがなかったのでとても勉強になりました。
>
> 先述の納豆の本に、カチン軍のゲリラに納豆をもらうと冒頭にあり、それが本来は現地では何を意味しているのか、政治的にはそのような事態になっているともっと想像を働かせるべきでした。
>
> 日本の地域のように、点在する小さい村ごとに風習がかなり違うが、東南アジアの一般人はみんな似ていてハッピーに暮らしてる、くらいに思ってたので、今回、色々考えを改めました。
>
> ミャンマー中〜南部、日本の支援などが入っていくには、規模や地域の安定性も全然違うのでしょうね・・・
> 本文とは違う内容になってしまい申し訳ないです。



ミャンマー辺りの事情にご興味があるようでしたら、色々調べてみると面白いですよ。
抑々この辺りはいろんな民族が暮らしていまして、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、そして中国の雲南省辺り、どの国も平地は大体似たような民族が暮らしています。しかし山岳地帯は少数民族のテリトリーです。
この辺りの少数民族の分布については、中国雲南省での研究を見たことが有ります。彼らは標高で住み分けているんですね。理由は生業です。
例え稲作民と言っても、水稲と陸稲では住むところも農業のやり方も違いますから。私もタイなどでこの辺りを垣間見たことが有ります。
ラオスのダム事故を御存知でしたら、ダムのある所は海抜1000m位の高原地帯で、未だに一部では焼き畑農業をしているような所。勿論少数民族です。そのダム決壊で被害を受けたのは山の麓の海抜100m前後の所で水稲農業地帯。民族的にはタイ族系統のラオ族。
こんな事は日本の報道では分かりませんね。
  1. 2019-11-11 06:56
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  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

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