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2019-04-14 17:32

新紙幣の顔に思う事


 日本の紙幣、一万円札、五千円札、千円札が更新されることが発表になりました。
新しい紙幣の肖像は「渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎」、これは大変素晴らしいことだと思います。
特に渋沢栄一、北里柴三郎について書いてみます。

2019-4-14新一万円札 
2019-4-14新五千円札 
2019-4-14新千円札 


何が素晴らしいか、最初に渋沢栄一について。

渋沢栄一は日本資本主義の父と呼ばれる人物だが、単に沢山の会社を作っただけでは無い。沢山の会社を作っただけなら明治の財閥の創始者たちはみんなそれに該当する。
渋沢栄一が凄いのは、「道徳経済合一説」を唱え、経済・経営に道徳と言う概念を織り込んだこと。
この「道徳経済合一説」はwikiではこう書いている。

道徳経済合一説
大正5年(1916年)に『論語と算盤』を著し、「道徳経済合一説」という理念を打ち出した。幼少期に学んだ『論語』を拠り所に倫理と利益の両立を掲げ、経済を発展させ、利益を独占するのではなく、国全体を豊かにする為に、富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと同時に自身にも心がけた。 『論語と算盤』にはその理念が端的に次のように述べられている。

富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。
そして、道徳と離れた欺瞞、不道徳、権謀術数的な商才は、真の商才ではないと言っている。また、同書の次の言葉には、栄一の経営哲学のエッセンスが込められている。


実はこの概念は、江戸時代初期の鈴木正三(しょうさん)、江戸時代中期の石田梅岩(ばいがん)、そして明治の渋沢栄一、昭和の松下幸之助と続く日本人の労働観・価値観の根底を為す概念だと思う。
一寸簡単に鈴木正三、石田梅岩を紹介。(松下幸之助は説明不要でしょう)

鈴木正三については以下ブログ参照ください。
「切支丹伴天連から鈴木正三の労働観まで  2018-10-31 16:13」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1580.html

ある農民の問いに対し正三はこう答えます。
「農業にいそしむことがすなわち仏道修行です。信心とは暇な時にやって、成仏を願うものではありません。また、そもそも来世で楽することを願っているようでは、成仏はおぼつかないでしょう。煩悩の多いわが身を敵と見立てて畑をすき返し、煩悩を刈り取る心で耕作するのです。辛苦の努力をし、心身を責めている時には、煩悩が生まれる余裕はありません。こうして常に仏道修行として農業にいそしめば、どうして改めて仏道修行する必要があるでしょうか」

正三のこの考え方は、農業だけでなく、どんな職業においても同じである(職業に貴賤はない)とし、世俗的生活のすべてが仏道修行であるという結論に至ります。いわば「労働即仏道」という思想で、日々の仕事の中に宗教性を持たせることで、人々に「生き甲斐=成仏」を与えようとしたのだといわれます。そしてこの思想は、日本資本主義の精神の先駆ともいわれるのです。


石田梅岩については、以下の記事が分かりやすいと思う。
「石門心学の祖・石田梅岩~その生涯と思想、名言」
https://shuchi.php.co.jp/rekishikaido/detail/4337

その要点は
「商人の得る利益とは、武士の俸禄と同じで、正当な利益である。だからこそ商人は、正直であることが大切になる。水に落ちた一滴の油のように、些細なごまかしがすべてを駄目にする」
商人に俸禄を下さるのはお客様なのだから、商人はお客様に真実を尽くさねばならない
「真実を尽くすには、倹約をしなくてはならない。倹約とはけちけちすることではなく、たとえばこれまで3つ要していたものを、2つで済むように工夫し、努めることである。無駄な贅沢をやめれば、それでも家は成り立ってゆくものである」
「商人の蓄える利益とは、その者だけのものではない。天下の宝であることをわきまえなくてはならない」
「まことの商人は先も立ち、われも立つことを思ふなり(正しい商人とは、相手のためになって喜ばせ、自分も正当な利益を得る者をいう)」
等々。


こんな日本の、日本人の労働観、日本資本主義の精神に大きな影響のあった渋沢栄一が紙幣の顔になった。考えてみれば、今アメリカ流の強欲資本主義が破綻しようとしている。そんな時にでは代わりにどんな思想があるのか、そんな答えになるのが日本的なものの考え方だと思う。

例えば諸外国に発信することとして、紙幣の顔が渋沢栄一なら、「この紙幣の顔(渋沢栄一)を見てください。日本資本主義の父と言われる人です。かれは『「道徳経済合一説」という理念を打ち出し、富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ』と言いました。これこそ資本主義の未来、労働の価値だと思います。」
こんな事が言えるのではないでしょうか。



次に北里柴三郎です。
北里柴三郎は1901年の第一回ノーベル賞で受賞者にノミネートされていました。しかし結果は北里柴三郎の共同研究者が受賞してしまいました。(メインは北里柴三郎)
そんな事が以下で紹介されています。

第一回ノーベル賞の有力候補に
http://kitasato-respectlife.com/shibasaburo/3275.html
世紀を越えて成し遂げた悲願のノーベル賞
http://kitasato-respectlife.com/shibasaburo/3988.html


そして、ああ、何と言う事でしょう。
あのCNNがノーベル賞を北里柴三郎に与えてくれたのです。何だってと言う前に以下記事をご覧ください。

<以下CNNより引用>
https://www.cnn.co.jp/style/design/35135543.html
日本が新紙幣発表、千円札に北斎の浮世絵
2019.04.10 Wed posted at 15:45 JST

2019-4-14新千円札裏面byCNN
新千円札に描かれた北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

Oscar Holland, CNN
財務省は9日、2024年度から使用される1万円札、5千円札、千円札の新たなデザインを発表した。千円札に印刷される図案には、江戸時代の有名な浮世絵師、葛飾北斎が描いた木版画「冨嶽(ふがく)三十六景 神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」が初めて採用された。

北斎の代表作としてなじみ深いこの作品は、現在の東京湾に当たる「神奈川沖」に現れた大波と、その奥にたたずむ富士山の姿を描いたもの。表面にはノーベル賞を受賞した細菌学者、北里柴三郎の肖像が印刷されている。

2019-4-14新千円札表面byCNN 
新千円札の表面には細菌学者、北里柴三郎の肖像が印刷される/Kyodo News/Getty Images

5千円札と1万円札の肖像には、20世紀への変わり目に日本の女子教育発展のため尽力した津田梅子、日本経済の近代化を進めた実業家の渋沢栄一がそれぞれ選ばれた。
・・・以下略・・・


北里柴三郎の業績は、この当時の基準で見てもノーベル賞に値するものだが、残念ながらノーベル賞受賞はできなかった。黄色人種がノーベル賞など以ての外ということで、ノーベル賞の汚点の一つになっている。
CNNはそんな事情を理解したうえで、こんな報道をしてくれたのであろう。
有難う、CNNさん。

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コメント

感性

>仁義道徳。正しい道理の富でなければ-----

資本主義は資本家が資金を用意し、労働者が労力を売って生産物を作り利益を得る仕組み。相互に発生する関係は自己責任。この関係をコントロールするのは法の定めるところだけ。

お馴染み「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)の精神は、渋沢が唱えた「道徳経済合一説」の数百年前から日本人の精神に根付いていました。

「マルクスが日本に生まれていたら」と投げかけた出光佐三の精神も日本の資本主義精神の賜物です。

日本は世界に誇れる素晴らしい人物を多数得て、日本人の背骨を強くしてくれました。
経済のみならず科学では、北里柴三郎、野口英世、志賀潔、鈴木梅太郎等々、渋沢の同時代人がノーベル賞級の仕事をしています。

三等国と言われた日本がこれ程素晴らしい国民を育んでいたことは奇跡かも知れません。なぜその奇蹟が生まれたのか?
答えは新千円札の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」に見る日本人の感性から発せられたものではないでしょうか?
  1. 2019-04-16 17:54
  2. URL
  3. 相模 #-
  4. 編集

スレチおよび閲覧注意ご容赦願います

 数年前に一般的にジョークグッズというもの(笑)を検索してたどり着いたLOVE PIECE CLUBというサイトですが、先日久々に見てみるとかなり香ばしいことに…。トップページの「ワークショップのご案内」から入って「女のニュース」「フェミニズム」をクリックすると李信恵、弁護士の打越さく良とかいろいろ出てきます。

 今コメ書きながらちょっと辿ってみると、名前の通り元々そういう系統だったようです。フロントページにリンダ女王様が出ていれば購入意欲無くしますもんね。商売を理解しているというか、ある意味良心的というか。
  1. 2019-04-17 01:44
  2. URL
  3. ノッチmrng #-
  4. 編集

Re: 感性

> >仁義道徳。正しい道理の富でなければ-----
>
> 資本主義は資本家が資金を用意し、労働者が労力を売って生産物を作り利益を得る仕組み。相互に発生する関係は自己責任。この関係をコントロールするのは法の定めるところだけ。
>
> お馴染み「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)の精神は、渋沢が唱えた「道徳経済合一説」の数百年前から日本人の精神に根付いていました。
>
> 「マルクスが日本に生まれていたら」と投げかけた出光佐三の精神も日本の資本主義精神の賜物です。
>
> 日本は世界に誇れる素晴らしい人物を多数得て、日本人の背骨を強くしてくれました。
> 経済のみならず科学では、北里柴三郎、野口英世、志賀潔、鈴木梅太郎等々、渋沢の同時代人がノーベル賞級の仕事をしています。
>
> 三等国と言われた日本がこれ程素晴らしい国民を育んでいたことは奇跡かも知れません。なぜその奇蹟が生まれたのか?
> 答えは新千円札の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」に見る日本人の感性から発せられたものではないでしょうか?



どうも相模さんに私の手の内を読まれたみたいです(笑)。
実は次回エントリーに北斎を取り上げようと思って準備しています。日本人は何故北斎が好きか、剃んな感じで書こうと思っています。

それから
>日本は世界に誇れる素晴らしい人物を多数得て、日本人の背骨を強くしてくれました
この件は全く同感ですが、私はそのルーツが縄文時代に遡ると思ています。単に古いだけでなく、縄文文明と言ってもいいような高度な文化を持っていた。
例えば青森県の三内丸山遺跡で明かになったようにあの当時の縄文人は一尺35センチの縄文尺を持っていた。そして3:4:5で直角三角形ができることも知っていたと見ています。
こんな基礎が有るからこそ江戸時代の繁栄、明治の大発展が有った、こんな風に考えています。
そんな一端で先ずは北斎から見ていきたいと思います。
  1. 2019-04-17 09:43
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: スレチおよび閲覧注意ご容赦願います

>  数年前に一般的にジョークグッズというもの(笑)を検索してたどり着いたLOVE PIECE CLUBというサイトですが、先日久々に見てみるとかなり香ばしいことに…。トップページの「ワークショップのご案内」から入って「女のニュース」「フェミニズム」をクリックすると李信恵、弁護士の打越さく良とかいろいろ出てきます。
>
>  今コメ書きながらちょっと辿ってみると、名前の通り元々そういう系統だったようです。フロントページにリンダ女王様が出ていれば購入意欲無くしますもんね。商売を理解しているというか、ある意味良心的というか。



面白い情報有難う御座います。
まあ、スケベな女がいるもんだと言うか、李信恵のような左巻きは元々スケベだというのか、そんな感じですね。
でも確かに最初っから李信恵を前面に出したら・・・、お客さんが逃げるのは間違いないでしょう・・・(笑)。
  1. 2019-04-17 09:49
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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