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2019-02-08 17:35

ヨーロッパから見た日本・日本車

 
 1月29日のエントリー「マクロンが日産とルノーの経営統合を要求  2019-01-29 19:13」のコメント欄に縄文人さんから興味深いコメントをいただいた。
マクロンが日産とルノーの経営統合を要求する背景には「マクロンは日本を知らない」という問題があるのではないかとの指摘である。
根の深い問題で、コメント欄では書ききれなかったので、この問題についての私の考える所を書いてみたい。この問題の根っこにあるのはマクロン=フランスだけではない。ドイツが問題だという話になってくる。そしてマクロンは自動車を知らないということにもなるのだが、さてどうなりますか。


最初に縄文人さんの投稿から

<以下引用>
マクロンは日本を知らない

少し気になることがあります。
それはヨーロッパから見て日本はどのように映ってるいるのかということです。
そこが解らないとマクロンの言動あるいはメルケルの行動が解らないかも知れないと思います。
というのは、トッドの著書を読めば、彼が日本について「人口減少に苦しみ経済が縮小している斜陽の国」という印象を持っていることが解ります。
トッドの日本観は、おそらくヨーロッパのインテリの日本観でしょうから、マクロンやメルケルの日本観でもあることは間違いないと思います。
これはもしかしたら朝日新聞の創作した日本です。ヨーロッパのインテリは「朝日新聞の英語版」しか読まないのかなと思います。
そこから推測してマクロンは日産とルノーの合併は、日本にとって大変有り難いことであったと推測しており、ゴーンの先見の明でEV開発に成功したと考えているとも想像します。
マクロンにしてみれば、経済が縮小している日本にはもともとEVなど開発する必要もなく、トヨタなど安いから売れる車であり、日産のEV開発はルノーのおかげであり、日産がルノーの子会社になることは、当然の流れで、かつ日本にとってもそう悪い話ではないはずだと推測していないか。もしそうならマクロンの言動も解るような気がします。
トヨタのハイブリッドが奈辺の技術であるかは、ボッシュは知っているでしょうが、そのボッシュが緘黙すれば、ヨーロッパ中誰も知らない技術になります。
マクロンにしてみれば、まさか安倍が自分の申し出を断るとは信じ難いと思っているかも知れません。きっと日本にとっても良い提案であるはずだと思っているに違いありません。
昔々のまた昔、アメリカにケリー国務長官という人がいたそうですが、彼が就任するとき、アジアの担当官に「なぜ日本は孤立しているのか」と聞いたという話があります。担当官から「孤立しているのは日本ではなく中国だ。」と聞いてたいそう驚いたというホラ話があります。
もしかしてこれと同じかなあと考えた次第です。
2019-02-05 08:43 URL 縄文人 

<引用ここまで>


ここで現状認識として自動車メーカー別の生産台数ランキングと売上高ランキングを見てみます。報道では日本のトヨタとドイツのVWがトップ争いをしている。そこにルノー・日産・三菱グループが割り込んで三つ巴の争いと言われていますが・・・。





2017年 自動車メーカー販売台数
            メーカー        販売台数
第1位 VW(注)      1074.2 万台
第2位 ルノー・日産     1060.8 万台
                   ・三菱連合
第3位 トヨタ   1038.6 万台
第4位 GM       960.0 万台
第5位 現代-起亜         725.1 万台
第6位 フォード         660.7 万台
第7位 ホンダ         518.8 万台
第8位 FCA                 474.0 万台
第9位 PSA                 363.2 万台
第10位 ダイムラー          327.4 万台
(出所:https://car-moby.jp/295745#c12
(注:VWグループにはこんな企業も含まれる)
フォルクスワーゲン・アウディ・ランボルギーニ・ドゥカティ・セアト・シュコダ・ベントレー・ブガッティ・ポルシェ・スカニア・MAN

有名どころではアウディとかポルシェなどがVWグループとして台数に入っています。こんなことまでして台数世界一を追い求めたんでしょうね。そういえば日本のスズキもVWに騙されてVWに取り込まれそうになりました。スズキの爺様の英断で手切れ金を払って縁を切ったんですが、まさに正解でした。流石スズキの爺様、英断です。


そんな事でこれをブランド別にみると
1)トヨタ 938万台
2)GM 797万台
3)VW 623万台
4)日産 581万台
5)ホンダ 522万台
6)フォード 491万台
7)現代自動車 451万台
8)ルノー 376万台

こんな事でVWブランドとしては日産より少し上と言った所でしょうか。


しかしこれを売上高ベースで見てみるとどうなるか。

2019-2-7世界の自動車メーカー売上ランキング2017 
https://automotive.ten-navi.com/article/29752/

売り上げベースではトップは台数3位のトヨタですが、僅差でVW。しかしそれより3位にびっくり、ダイムラーです。昔は車の名前はメルセデス・ベンツ、会社の名前はダイムラー・ベンツでしたが、クライスラーとの合併・合併解消を経て、現在の社名はダイムラーです。
高級車ベンツと大型トラックを作っているので、台数は少ないが売り上げ高は凄いです。
(下の表の台数順位が12位、上の表の台数順位が10位と可笑しいですが、これはこんなものとして見てください)

台数ベースでドイツ勢が凄いのは分かりますが、ルノー、あるいはフランス勢も健闘しているように見えます。しかし売上金額で見るとダイムラー(車名はメルセデス・ベンツ)の存在感は大きいことが分かります。
流石自動車王国ドイツです。

ヨーロッパの自動車メーカーはこのようにドイツ勢が圧倒的で、フランス勢などはルノーとプジョー・シトロエングループを合わせてもVWの半分程度、そこにダイムラーとBMWが加わり、部品メーカーの巨人ボッシュがいる。ドイツ勢の圧倒的な強さが分かります。こんな現状認識の上でこの問題を見ていきます。


さてこんな現状認識に立ってみてみたいのがカーオブザイヤー。
欧州には欧州カーオブザイヤーと世界カーオブザイヤーが有ります。ここでどんな車がカーオブザイヤーに選ばれたのか見ていくと欧州のジャーナリストの考えていることが大体見当がつくのではないかと調べてみました。

最初に欧州カーオブザイヤー
欧州カーオブザイヤー概要:1964年に始まり、ヨーロッパ7か国の自動車雑誌社各1社により構成され、自動車ジャーナリストが審査員となる。2006年には22か国からの58人が審査。

最近30年の欧州カーオブザイヤー受賞車
1990年 - シトロエン・XM
1991年 - ルノー・クリオ(日本名ルーテシア)
1992年 - フォルクスワーゲン・ゴルフ(3代目) - フォルクスワーゲン(VW)車初の受賞
1993年 - 日産・マイクラ(日本名マーチ) - 日本車初の受賞
1994年 - フォード・モンデオ
1995年 - フィアット・プント
1996年 - フィアット・ブラーボ/ブラーバ(日本名ブラビッシモ)
1997年 - ルノー・メガーヌ/ルノー・セニック - セニックはミニバンとして初の受賞
1998年 - アルファロメオ・156 - アルファロメオ初の受賞
1999年 - フォード・フォーカス - 史上初・欧州/北米のカー・オブ・ザ・イヤー同時受賞
2000年 - トヨタ・ヤリス(日本名ヴィッツ)
2001年 - アルファロメオ・147
2002年 - プジョー・307 - プジョー3度目の受賞
2003年 - ルノー・メガーヌ(2代目)
2004年 - フィアット・ニューパンダ
2005年 - トヨタ・プリウス(2代目) - 日本車初の欧州/北米カーオブザイヤー同時受賞
2006年 - ルノー・クリオ(3代目) - ルノー6度目、クリオとして2度目の受賞
 (注:2005年にはトヨタ・プリウスが37人からの最高得点を得て計406点で1位を受賞したのに対し、2006年にはルノー・クリオが235点の得票で1位となったが、同車に10点満点を投票したジャーナリストは僅か一人であった。)

2007年 - フォード・S-MAX - フォード8年ぶり、ミニバンとして2度目の受賞
2008年 - フィアット・Nuova 500 - フィアット(傘下ブランド除き)9回目の受賞
2009年 - オペル/ヴォクスホール・インシグニア - 欧州GMの22年ぶり受賞
2010年 - フォルクスワーゲン・ポロ(5代目) - VWとして18年ぶり、2度目の受賞
2011年 - 日産・リーフ - 電気自動車初の受賞
2012年 - シボレー・Volt/オペル(ヴォクスホール)・アンペラ - 電気自動車として2年連続の受賞
2013年 - フォルクスワーゲン・ゴルフVII - VWとして3度目、ゴルフとして2度目の受賞
2014年 - プジョー・308 - プジョー4度目の受賞
2015年 - フォルクスワーゲン・パサート
2016年 - オペル・アストラ
2017年 - プジョー・3008

欧州カーオブザイヤーは欧州ですからアメ車が無いのは分かります。欧州車中心ですが、日本車も結構入っています。
2005年のプリウスについては、圧倒的な支持でトップとなり受賞しました。この間の経緯は以下ブログ参照ください。

このブログで引用しているプリウスの設計者八重樫さんの話が興味深い。要点だけ引用すると

冒頭(欧州カーオブザイヤー)の選考委員会委員長Mr. Rey Huttonのスピーチの中で
「トヨタは(自動車としての)厳しい道を学んできた。カーオブザイヤーの審査委員は、2000年プリウスも候補としたが、その投票は割れていた。当時では、プリウスが将来のビーコン(引用者注: beacon 、標識、かがり火、航空標識などの意味、将来の方向を指し示すものと言う意味と思われる)と見なした委員と、ハイブリッドのアイデアは見当違いと片づけた委員に分かれていた。新型プリウスは2000年には無かった大部分を持つようになった。今回は、32の候補車の中で、過去最高得点の一つ139点を獲得し、58人の審査員のうち39名がトップとした。」
などとこの受賞を紹介してくれました。

・・・中略・・・

このブログを書きながら、はたと思い至ったことがあります。この欧州カーオブザイヤーの受賞式は2005年1月、これがひょっとすると今大騒ぎになっているVWスキャンダルの引き金の一つになったのではとの思いです。
プリウスハイブリッドが米国で、欧州で認知度が高まり、急激に販売を伸ばし始めたのもこの頃からです。講演会、フォーラムでの欧米エンジニアの態度、目線に変化を感じ始めたのもこの時期からのような気がします。特に、欧州のエンジニア、ジャーナリストは、審査員のコメント、委員長のスピーチにあったように2000年のモデルまでは、ハイブリッドを収益無視の広告宣伝用のシステム、欧州では通用しないとの意見が主流であったのに対し、この2003年二代目でその見方が変わったように思います。

・・・中略・・・
この二代目プリウスは、このブログのように、2005年欧州カーオブザイヤー受賞の他、北米カーオブザイヤーも受賞しました。
以下略
<引用ここまで>

長々と引用したのは、私の見る所ですが、この2台目プリウスの成功が発端になって、その後のヨーロッパメーカー(特にドイツのカーメーカー)のクリーンディーゼル(というマヤカシ)への傾斜とキャンペーンが始まり、日本敵視政策が始まったと見ているためです。
最近もトヨタはEVに出遅れているキャンペーンをやっていますね。

そんなものの一環がこんなもの。もう一つの「世界カーオブザイヤー

世界・カー・オブ・ザ・イヤー (World Car of the Year 、WCOTY)概要:2004年創設、23国・82人の国際的自動車ジャーナリストにより選考される自動車賞である。
その年に、世界各地域・各国で発売される新車を平等に評価・投票するものとして創設された。選考の対象となる自動車は、該当年の1月1日の時点で2つ以上の大陸にまたがる5か国以上で販売されていることが条件である。

歴代受賞車
  ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー
2005   アウディ・A6
2006  BMW・3シリーズ
2007   レクサス・LS 460
2008   マツダ・デミオ
2009   フォルクスワーゲン・ゴルフ VI
2010   フォルクスワーゲン・ポロ 6R
2011   日産・リーフ
2012   フォルクスワーゲン・up!
2013   フォルクスワーゲン・ゴルフ VII
2014   アウディ・A3
2015  メルセデス・ベンツ・Cクラス
2016   マツダ・ロードスター[3]
2017   ジャガー・F-PACE
2018   ボルボ・XC60

14車種のうちドイツ車が8車種、中でもVWが4車種、VWグループとしてアウディも入れると6車種がVWグループです。日本車はトヨタ1、日産1、マツダ2。
これだけ見てもこの世界カーオブザイヤーがドイツ車マンセーが目的と分かります。世界と言いながらアメ車が有りません。

実はこれにはからくりが有ります。「選考の対象となる自動車は、該当年の1月1日の時点で2つ以上の大陸にまたがる5か国以上で販売されていることが条件である。」、これです。これでアメリカ専用車とか日本専用車はパージされます。日本車がアメリカでいくら売れても、日本(アジア大陸)とアメリカ(北米大陸)で、2大陸はクリヤーしますが、5ヵ国以上という縛りでこれも選考対象から外れます。一方ヨーロッパは小さな国が沢山ありますから、5ヵ国以上は簡単にクリヤーできる。2大陸も多分トルコ位を入れればヨーロッパ大陸とアジア大陸がクリヤーできるから問題なし、巧妙ですね。

しかももう一つの問題。この欧州カーオブザイヤーは「World Car Awards -  Steering Committee」の6人の委員が審査員を指名するようですが、その6人は日本、イギリス、カナダ、ドイツ。アメリカ、インドとなっているものの日本の委員というのはPETER LYON というオーストラリア人(やっぱりねえ)。
こんな所が14車種中ドイツ車が8車種も受賞する原因ではないかと思う。

そこで直近の状況はというと、2019年はこんな車がノミネートされている。

2019ワールドカーオブザイヤーの第2次選考10車種
・アウディe-tron
・BMW3シリーズ
・フォード・フォーカス
・ジェネシスG70
・ヒュンダイ・ネクソ
・ジャガー I-PACE
・メルセデスベンツAクラス
・スズキ・ジムニー
・ボルボS60/V60
・ボルボXC40

日本車はスズキ・ジムニー、まあノミネートされるだけ良しとせねばいけないかもしれないがどうなんだろう。


結論です。ヨーロッパのメディアが伝える自動車関連のニュースはこのようにとんでもないバイアスがかかっています。そして残念ながらゴーンもマクロンもこんなニュースを見て日本の実情を判断しますから、縄文人さんが言われる懸念も尤もです。
つまり
>マクロンにしてみれば、経済が縮小している日本にはもともとEVなど開発する必要もなく、トヨタなど安いから売れる車であり、日産のEV開発はルノーのおかげであり、日産がルノーの子会社になることは、当然の流れで、かつ日本にとってもそう悪い話ではないはずだと推測していないか。
こんな見方になるように欧州のメディアが情報を垂れ流している訳です。
そして
その黒幕はどう見てもドイツのVW・ダイムラーを代表とする自動車関連でしょう。

騙されてはいけませんね。



  1. 自動車
  2. TB(1)
  3. CM(2)

コメント

こんなカラクリがあったんですねえ。
青山繁晴氏は、日本車は突出してナンバー1とおっしゃっていたのを思い出しました。
そして、欧州人もこのカラクリを知らないわけですねえ。
  1. 2019-02-15 17:57
  2. URL
  3. NINJA300 #/xzFVZWc
  4. 編集

To:NINJA300 さん

> こんなカラクリがあったんですねえ。
> 青山繁晴氏は、日本車は突出してナンバー1とおっしゃっていたのを思い出しました。
> そして、欧州人もこのカラクリを知らないわけですねえ。



そうなんです。欧州特にドイツ人がこのからくりを知らない。これは地球温暖化詐欺、京都議定書の悪辣な詐欺と重なります。
何かドイツでは電力のベース電源を再生可能エネルギー(風力や太陽光発電)に切り替える動きがあるようです。
自殺行為ですね。
戦前の外交官石井菊次郎は帝国議会での3国同盟反対演説で「フレデリック大王以来ドイツと組んで幸せになった国は無い」と言いましたが、この言葉はいまだに正しいですね。特にVW排ガス不正問題などで実証されたのにもう忘れているようです。
この件は以下ブログに書いています。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1419.html

このブログにはNINJA300さんからもコメントいただいていますが、もう驚愕する内容ですね。日本人もだらしないものです。他人のことは言えません。
  1. 2019-02-16 08:24
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

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