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2018-10-27 12:00

メキシコの罠


 アメリカがカナダ・メキシコと結んでいるNAFTAを新しくすると報道されている。内容はNAFTA域内からアメリカに輸入さえる自動車の関税に対する規定の変更とのこと。つまりカナダとメキシコがアメリカに輸出する自動車について、エンジンなどを重要部品について域内生産しないと自動車全体の域内生産扱い=無税扱いしないという事。


しかしこれはアメリカ製はともかく問題はメキシコ製。
メキシコ製の自動車の品質が「難あり」なのは結構知られている。これは1年半ほど前だが、ある方がレッカー車を持って営業する自営業の方と話したときの事。そのレッカー車のオーナーの方は元は自動車整備士で国産車のディーラーに勤務していたが、その後VWの輸入車の新車整備をするようになり、つい最近レッカー車を買って独立したとの事。その方曰く、VWの新車を整備してみると国産車を扱っていた時より不具合が多い。中でもメキシコ産のクルマが不具合が酷い。とんでもない例では、車の4枚のドアの取付ボルトが全部ガタガタに緩んでいたものまであったと言っていた。VWは車体ナンバーで生産国や工場が分かるので、最初にチェックして気をつけていたようです。

さて、そのNAFTAですが、日経記事が良く分かります。


<以下引用>
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36943680V21C18A0MM8000/?n_cid=NMAIL007

「新NAFTA」エンジン域内生産義務化 日本に影響 

2018/10/26 6:48日本経済新聞 電子版

米国とカナダ、メキシコが合意した新たな貿易の枠組み「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の中で、現地生産する自動車について、エンジンや変速機といった主要部品を3カ国で生産するように義務付けていることが分かった。日本や欧州の自動車メーカーの場合、主要部品を域外から持ち込んでいるモデルも多く、新たな設備投資や調達先の変更を迫られる可能性が出てきた。

2018-10-27日経のNAFTA記事 

3カ国は9月30日、北米自由貿易協定(NAFTA)を見直して、新たな協定を結ぶことで合意。2020年の発効が見込まれる。主要部品の域内生産を義務化する条文も盛り込んだ。

対象になるのはエンジンや変速機のほか緩衝器(サスペンション)、電気自動車(EV)などに使う充電池など7つの部品。このうち1つでも域外で生産したものを使うとその車種は域内生産車と認められず、3カ国の間で関税ゼロで輸出入ができなくなる。

現状のNAFTAでは現地調達する部品を金額ベースで62.5%以上にすれば、域内生産車として認められる。新協定ではこれが75%に引き上げられるほか、部品の40%以上を時給16ドル以上の労働者が生産することも求めている。

主要部品の域内での生産義務化はこれらの条件に上乗せされる。米国の場合こうした部品を17年に約450億ドル(約5兆円)輸入し、うち半分は域外からだ。新協定で部品を持ち込みにくくして、投資を促す考えとみられる。米メーカーは主要部品の域外からの輸入が少なく、相対的に日本や韓国、欧州のメーカーに不利な制度といえる。

影響が大きいのが中堅メーカーだ。エンジンや変速機の新たな生産設備には100億円規模の投資が必要で、負担が大きい。マツダはメキシコ工場で小型車を生産し、21年の稼働を計画する米国新工場では多目的スポーツ車(SUV)を生産する。いずれも変速機は日本製で、このままでは関税ゼロの恩恵を受けることができなくなる。

SUBARU(スバル)は米インディアナ州の工場で生産する車に、日本から半完成品や完成品で輸出したエンジン、変速機を組み込んでいる。独フォルクスワーゲンも米国やメキシコ生産車の変速機に、ドイツ製や日本製を使う。同社は日本経済新聞社の取材に「新協定の影響は分析中」と回答した。

現地調達率が高いトヨタ自動車も、車種によっては新たな条件を満たさない可能性がある。米国とカナダでハイブリッド車(HV)を生産しているが販売規模は小さく、主要部品を日本から供給している。トヨタは20年から米ウェストバージニア州で、HV用変速機の現地生産を始める計画。

新協定は条文が複雑に絡み合い、自動車各社は詳細な条件の確認を続けている。例えば条件を満たさないメキシコ生産車を米国に輸出する場合「適用される関税が最恵国待遇の2.5%で済むかどうか確証が無い」(国内メーカー幹部)。

日本貿易振興機構(ジェトロ)など通商関係者は内容の確認を進めており、11月以後、関係する企業などに説明会を開く。自動車や部品メーカーは協定の詳細や、年明け以後に見込まれる日米物品貿易協定(TAG)の交渉の行方を見極めて、投資などを判断することになる。

<引用終り>


此処で日本への影響だが、例えばVWの場合、
独フォルクスワーゲンも米国やメキシコ生産車の変速機に、ドイツ製や日本製を使う

エンジンだけでなく、変速機やステアリングなども極めて精密な加工の必要なもので、設備に多額の投資が必要だし、作業員の訓練だって長期間必要だ。
VWの場合、DCT(DSG=デュアル・クラッチ・トランスミッション)と普通のトルコンATがあるが、普通のトルコンATは日本のアイシンAW製。こんなものをメキシコ製にしろと言っても一朝一夕にできるものではない。
オマケにVWのDCT(VW名はDSG)は日本では故障が多い。上掲レッカー車のオーナーの話でも、VWの整備をしていた時、余りにもミッションの苦情が多いので、何度も日本VWに苦情を言い、日本VWからドイツの本社に善処を要望した。
その回答は・・・
「DSGは良いミッションでこちらでは何にも問題はない。これは日本だけの問題なので日本で何とかせよ」、こんな事だったそうです。


さて本題に戻ってメキシコの罠という話。
車の現地調達を無理やり増やそうとすると、どうしても品質問題が出てくる。特にメキシコはその国民性から言って難しいものが有るという事だと思う。

次回、メキシコの罠に嵌って倒産してしまったタカタの件を考えてみます。

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