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2018-06-01 19:24

浮世絵の多回摺りの事例


 5月30日に「プロイセン人(ドイツ人)の見た幕末の日本」をエントリーしたのだが、そこのコメント欄でよもぎねこさんから木版画について指摘が有った。
コメントの内容は30日のエントリーを見ていただくとして、日本の木版画技術が浮世絵で長足の進歩を遂げていることのサンプルを紹介したい。

私は北斎の浮世絵冨嶽三十六景の内「神奈川沖浪裏」の復刻版を持っていて、多回刷りなのだが、その内容が説明してある。一寸それを紹介したい。

神奈川沖浪裏
2018-6-1神奈川沖浪裏0 

**補足:この図では細部の色が良く分かりません。如何して何回も擦らねばいけないか、そんな所の参考用に私の持っている復刻版のモノを部分ですが紹介します。現物はB4くらいの大きさがあり、私の持っているスキャナーがA4用なので上下左右かなり切れてしまいました。
色の参考用として見てください。

神奈川沖浪裏の復刻版(部分)
2018-6-1神奈川沖浪裏00 
舟の色の違いなどが分かります。

この摺りの順序 (8工程)
浮世絵は最初に輪郭線の部分を摺り、一色ずつ摺り重ねていきます。
① 輪郭線の部分
② 舟の肌色
③ 舟のねずみ色
④ 空の淡紅色
⑤ 空の薄い墨色
⑥ 空の濃い墨色
⑦ 波の水色
⑧ 波の藍色   [完成]

この工程ごとに絵がどうなるのかも説明図が有るのだが、残念ながらスキャナーでスキャンしてみると色が薄すぎて何が何だかわからない・・・。それで図無しにしました。

余談ですが、19年頃から使われる新パスポートにはこの「冨嶽三十六景」の内24枚がうっすらと印刷されるそうです。
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/18/news117.html
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コメント

浮世絵は時間が経つと青くなる?

ずっと以前の話です。
山梨県立美術館で北斎版画展が開催されていると言うことで、ドライブがてら家族で観に行ったことがあります。
目当てはお昼のランチだったのですが、北斎の版画はどれも青いのです。青の顔料は、ドイツから輸入した(確かそう記憶していますが)コバルトらしいですが、一つには北斎自身が、このコバルトが好きで多用したと言うこともあると思いますが、それだけでなく、他の顔料が時間とともに色あせてしまうのに関わらず、コバルトはなかなか色褪せない為に、北斎の版画が時間とともに青くなってきているのではないかと言う気がします。私は素人で顔料については全く知りませんので、勘違いかもしれません。
版画によっては青一色に見えるのもありました。
その様に考えると刷りたての浮世絵は、もっと赤や緑が鮮やかであったと考えられないでしょうか。
北斎展を観て感じたことでした。
  1. 2018-06-04 07:42
  2. URL
  3. 縄文人 #wM6nolEE
  4. 編集

Re: 浮世絵は時間が経つと青くなる?

> ずっと以前の話です。
> 山梨県立美術館で北斎版画展が開催されていると言うことで、ドライブがてら家族で観に行ったことがあります。
> 目当てはお昼のランチだったのですが、北斎の版画はどれも青いのです。青の顔料は、ドイツから輸入した(確かそう記憶していますが)コバルトらしいですが、一つには北斎自身が、このコバルトが好きで多用したと言うこともあると思いますが、それだけでなく、他の顔料が時間とともに色あせてしまうのに関わらず、コバルトはなかなか色褪せない為に、北斎の版画が時間とともに青くなってきているのではないかと言う気がします。私は素人で顔料については全く知りませんので、勘違いかもしれません。
> 版画によっては青一色に見えるのもありました。
> その様に考えると刷りたての浮世絵は、もっと赤や緑が鮮やかであったと考えられないでしょうか。
> 北斎展を観て感じたことでした。



私は浮世絵の専門家ではありませんので、ほんの聞きかじり程度ですが、私の知るところなどを書きます。
最初に有名な富嶽36景ですが、これは最初に出版された36景と好評のために後から追加した10景では大きく異なる部分があります。
それは最初の36景は摺刷の技術でも異なっていまして、36景は主板(おもいた:画題や筆者名、主要な線描が彫られた板)が青で摺られています。この青はベロ藍(ベルリン藍が江戸弁でなまったもの)で当時はやり始めた西洋由来の青色顔料です。この青はコバルト系では無く鉄系です。
所があとから出版された10景は墨色で摺られています。
つまり北斎は青に関して色々テストしていまして、ある時期には浮世絵がどれも青っぽかったりするようです。
北斎展で嫌に青っぽかったというのはこの時期のものが中心の展示だったせいかもしれません。

こんなものが参考になるようです
「北斎が愛した独特の青色「北斎ブルー」誕生の秘密とは」
https://serai.jp/news/294489

このベロ藍は以下参照ください
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%BA%E9%9D%92
  1. 2018-06-04 21:43
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: Re: 浮世絵は時間が経つと青くなる?<退色について

先のコメントに追加です

浮世絵の退色は使っている顔料の関係で避けられないものの様です。
そこで江戸時代と同じ技法・顔料を使った浮世絵の複製品は、一緒に退色防止用の紫外線カットガラスを使った額縁も販売しています。業者の人に聞いてみると、あの当時のモノは退色は避けられない。それで退色防止ガラスをお勧めしています。そんな事を言っていました。
まあ、かく言う私も後で慌てて退色防止ガラス付きの額縁を買った一人でして、餅より粉が高い(笑)、そんな(損な?)話でした(苦笑)。
  1. 2018-06-05 06:45
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

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