2018-04-06 08:55

「あたる」前に必ず「かする」by 石岡荘十氏


 「心臓手術 私の生還記」 こんな著書のある石岡荘十氏がこんなコラムを書いている。
曰く「あたる」前に必ず「かする」
この件は私の友人も似たような心臓病で一命をとりとめたことが有る。
今日そんな友人たちと「遅すぎる花見」(もう花はとっくに散ってしまったけれど)をすることになっているので、何かの参考になればと思い、石岡荘十氏のコラムを紹介します。


<以下引用>

「あたる」前に必ず「かする」

         石岡 荘十

 旧聞に属すが、ベテラン俳優若林豪さんが2008年3月5日、倒れた。若林 さんは小林幸子特別公演「天勝物語」で小林扮する天勝の師匠松旭斎天一 役で、名古屋市の御園座に出演していた。

しかし、若林さんの体調は思わしくなく、「セリフもよく入っていなかっ た」という。この日も昼の部に出演したが、本番を終了直後に病院に向 かった。医師の診察を受けて手術が行われた。
 
病名「慢性硬膜下血腫」というのは、脳の血管が切れて脳を覆っている硬 膜とその下の脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫す る病気だ。

病名は違うが同じ脳疾患で、脳の血管がつまったり、破れたりして、その 先の細胞に栄養が届かなくなる「脳卒中」で倒れることを、昔から業界で は「あたる」といい、一過性の前ぶれを「かする」という。

つまり「あたる」前に必ず「かする」前兆がある。

したがってこの段階で、“適切な”治療を受けていれば、頭蓋骨を開くとい うような恐ろしい経験をしなくとも済むかもしれないのだ。

新聞やテレビの報道を総合すると、座長の小林幸子さんは、「2日ほど 前、若林さんが小林の楽屋に顔を出し、セリフが引っかかっちゃってゴメ ンネと謝りに来た。その時は、『長いセリフで大変でしょう』ってお話し はしました。
それが、まさかこの前兆だったと思うと言葉もありません」と話したとい う。テレビの芸能ニュースでは「右肩がなんとなく下がっているような気 がした」と語っている。

このやり取りから判断すると、当時68歳の本人も54歳の座長もいい年、つ まり心臓疾患や脳疾患の“適齢期”だというのに、これが重大な病気の前ぶ れだと判断する知識をまったく持ち合わせていなかったようだ。

したがって、舞台を降りてでも病院に行くという発想には行き着かなかった。

「舞台に穴を開けられないと頑張ったのでは」と有名な仲間の芸能人が若 林さんの芸人根性を褒めたつもりで感想を洩らしていたが、バカ丸出しだ。

もし「あるいは---」と感じながら、無理を通そうとしていたのなら、こ の年代にとって残った人生で何が一番大切なことか、プライオリティー、 つまり優先順位について発想の転換が出来ていなかったということだろう。

変な言い方だが、ポックリいければまだいい方で、160万人以上が半身マ ヒや言語障害という後遺症で苦しんでいる。

本人だけではない。家族が、大きな負担を強いられることを考えると、 「自分に限って---」などという根拠のない楽観は捨て去った方がいい。

救いは、心臓も脳も「あたる」前に「かする」、つまり前兆があるという ことだ。

その脳疾患の前兆は、
・ 片方の手足がしびれる
・ 持っているものをポロリと落とす、
・ 思っていることが言葉に出てこない、
・ ろれつがまわらなくなる
などなどだ。

心臓の血管(冠動脈)が狭くなる狭心症、完全に塞がる心筋梗塞も高齢者 に多い疾患だが、よくよく思い出すとほとんどの人にその前兆がある。

血圧が高い、胸が痛くなったり、なんとなく重苦しい感じがしたりするが 15分かそこらで治まるので、「ああよかった」とやり過ごす。

人によっては左の奥歯が痛くなったりうずいたりすることもあるが、この ように心臓から遠いところに違和感を覚える人もいる。

これを専門的には「放散痛」というが、大概の人はこれが心筋梗塞の前兆 であることに気づかない。

こんなときには、バカにせず、24時間緊急対応をしてくれる専門の医師 と検査体制の整った病院へ行って診察を受けることが大切だ。
 
私は、10数年前からかすった段階で診察を受け、診察券を確保して、こ れを外出のときも肌身はなさず携帯して歩いている。

そのくらいの心掛けがなければ、attackでよしんば一命をとりとめても、 半身不随では快適な老後は過ごせない。

よくよく振りかえると、ほとんどの高齢にかすって経験があるはずだ。 「ああ---」と思った以上に多くの高齢者が、膝を叩くに違いない。

<引用終り>


私は幸いこんな前兆は無い(と思っているだけかも)が、気をつけねばいけないことだと思います。
今日友人たちに会うので、こんな話をするつもりです。

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コメント

こんばんは。

自分の父親は還暦後に「かすり」を訴えていたのに周りが気づけず、あっという間に脳卒中で逝ってしまいました。
30年後母親も息が上がると「かすり」を訴えていたのに、自分が「年のせいだから」とほっといたために、危うく逝ってしかも知れない目にあいました。
本人の我慢しない正直な訴えはもとより、周りの気づきはもっと大事と戒めている次第。
  1. 2018-04-06 20:47
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  3. koguma #-
  4. 編集

To:koguma さん

> こんばんは。
>
> 自分の父親は還暦後に「かすり」を訴えていたのに周りが気づけず、あっという間に脳卒中で逝ってしまいました。
> 30年後母親も息が上がると「かすり」を訴えていたのに、自分が「年のせいだから」とほっといたために、危うく逝ってしかも知れない目にあいました。
> 本人の我慢しない正直な訴えはもとより、周りの気づきはもっと大事と戒めている次第。



そうでしたか、還暦を過ぎたばかりではこれから人生を楽しもうという時、残念でしたね。
私もそんな事に気をつけねばいけない年代。本当に他人ごとではないです。
  1. 2018-04-07 07:53
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  3. 短足おじさん二世 #-
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