2018-02-19 16:55

自然災害列島に生きる


 2月10日のエントリー「37年ぶり大雪 根本的な問題をどう克服<福井県の話です」にkazkさんから「あえて皮肉を言わせてもらいます」として興味深いコメントをいただいた。

皮肉と言っているが、このコメントは「問題提起」であり、日本に生きるという事はどういうことなのか、そんな「生き方に対する疑問」を含んでいると思う。
そして多分首都圏にお住いのkazkさんの周囲にはこんな見方をする人が沢山いる。特にテレビに出没する電波芸者には多い。そんな事が言いたいのだと思うので、そんな見方で私の考えを書いてみます。

先ずは最初にそのコメントから

<以下kazkさんのコメントを引用>

あえて皮肉言わせてもらいます。

みんなそんなに困ってんですかあ?

こういうと馬鹿なこと言うな、と反論されるでしょうがそうでしょうか。

だって豪雪は37年ぶりとは言うもののいつか起こることは分かってたこと、雪は毎年降るんだし、地震のように忘れたころにやってくるもんじゃあありません。それ知ってて道路の物流に大きく頼り、在庫を減らして利益を追求したわけですよね。地元の人々もそれでいいと歓迎した結果でしょう。

確かに困りますよねえ、でもそれって数年に一回くらい、冬場の2週間位の不愉快でしょう。そんなことに銭かけてどうするんですか、世の中は温暖化なんです、そんなことに銭かけてもパフォーマンスは上がりませんよ。

おそらく福井新聞だって国の建設省あたりの予算について銭使い過ぎだとかという記事の一本や二本は書いてるはずです。どういう風の吹き回しですか。

いやな言い方だけどおそらく2.3ヶ月したらみんなこうなるんだと思ってます。簡単に忘れますからね。

今回の立ち往生にしたって不要不急の外出をした連中がいた結果でしょう。そりゃあトラックやタンクローリーの運ちゃんには同情しますよ。でもそれだけでしょう。福井県民だってわかってます。すぐに忘れるんですよ。土建屋さんを増やすのは悪なんだし余計な銭を使わせるのは税金の無駄遣いでいけないんだから…
2.30年に一片の我慢でしかありません。それでいいんです。

言いすぎでしょうかね。
本当に困ればみな考えるんですよ。

北陸電力や東北電離力は考えました。だから大規模停電は減った。国鉄JRは考えたんですよ、だから上越北陸新幹線で大規模な運休が起きてますか。在来線があれなのは困るけどやらないよりははるかにましです。

道路担当者も、SCの担当者もコンビニの責任者も本当はまだ困ってないんでしょう。
それよりも温暖なところの連中と同じような消費生活がしたい、そっちのほうが重要だったんでしょう。

だって雪は昨日今日から増えたんじゃないんでしょう。まったく降らなった雪が30年ぶりに降って困ってるっていう話じゃあない。自分たちが馬鹿だと言ってるだけじゃあないですか。

これ半分は小生の本音です。


地方の人々には一種都会、なかんずく東京に対するルサンチマンがあるんでしょう。
でも自然条件て変えられないんですよ。それを無視した結果でしょう。同じことはできないんです。
都会人だって便利な生活の中で失ってるものは多いんです。

小生にいわせれば、北陸新幹線が全通すれば人の問題は片付くでしょう。物流の問題はみんなで本当に困ってください。

解決はそこからでしょう。
2018-02-11 22:02   kazk 
<引用終り>


内容は大雑把に言って
・豪雪豪雪と言うが、こんなのは昔から分かっていた事でしょ。それを最近豪雪が無かったからと言って人手を減らし在庫を減らした。こんな事が今起こっているだけでしょ。
だから少々のことは我慢すべきです。
・特に土建屋を増やすのは悪なんです。今が我慢のしどころです。
・温暖なところと同じ消費生活をしたいのは最初から無理なんです。



まあ、こんな所でしょう。そこで最初に豪雪豪雪と言っているが、過去と比較してどうなのか。

例えばこれは新潟県のデータだが

2018-2-18新潟県の積雪量推移 
http://www.pref.niigata.lg.jp/dourokanri/1356856924164.html

確かに昭和と平成では随分違う。雪が降らなくなったのは確かのようだ。

では気温はどうか

これは日本の平均気温推移

2018-2-18日本の平均気温推移 

このデータでは百年で1.19℃の気温上昇。だがこの気温上昇は急激な上昇と横ばいを繰り返している。
第一が1800年代終わりから1915年頃まで、
第二が1940年代だがこれはほんの少しの気温上昇、
第三が1980年頃~1990年末頃までの20年刊の急激な気温上昇。
そして21世紀に入ってから気温は山谷あるもののほぼ気温は上昇も下降もしていない、横ばいだ。

がしかし、多分実感はもっと温暖化しているように感じているのではないだろうか。
子どもの頃はもっと雪が降ったぞという声がきっと聞こえてくると思う。一寸各都市の気温推移を見てみると・・・。

これは東京の気温推移、上の線が最高気温推移、中欧が平均気温推移、下が最低気温推移です。
2016-7-29東京平均気温推移 

日本全体の平均気温は都市化の影響のない地点でのデータでは百年で1.19℃上昇。平均気温が1度上昇という事は東京の気温が宮崎並みになるという事なのだが・・・、
現実は東京では3.3℃上昇、しかもよく見ると最低気温は4.6℃上昇している。つまり都市化での温暖化は最低気温の上昇により強く出ていることが分かる。
これが都市化による気温の上昇の実態である。

念のため他の地域も見てみると、
これは札幌のデータ
2016-7-29札幌平均気温推移 

これは大阪のデータ
2016-7-29大阪平均気温推移 

これは福岡のデータ
2016-7-29福岡平均気温推移 
詳細は以下参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1280.html

日本全体の平均気温は都市化の影響のない地点でのデータでは百年で1.19℃上昇。
平均気温が1度上昇という事は東京の気温が宮崎並みになるという事なのだが・・・、
現実は東京では3.3℃上昇、しかもよく見ると最低気温は4.6℃上昇している。
これが都市化による気温の上昇である。

此処に重要な問題が有る。
地球温暖化とアチコチで騒いできたが、温暖化は20世紀いっぱいで終わった。21世紀は今までほぼ横ばい。しかし実感は確かに暖かくなった。そこに隠れたもう一つの温暖化要因が有る。都市化である。しかも厄介なことに都市化による温暖化は最低気温の上昇が顕著。雪が積もらなくなったとか氷が張らなくなったという実感は都市化による最低気温の上昇が大きい。
しかし、こんな現実は新聞テレビでは殆ど報道されないのが現実で、一般の人が知らないのも無理はない。


此処で本題に戻ります。

冒頭紹介したコメントの意見は、都会に住んで都市化の恩恵で温かくなった、特に最低気温が下がらなくなった。そんな環境に住む人の実感だと思います。

しかし日本全体で見ると、自分らが生活している環境とは全く違う環境が有り、生活が有るという事です。そこにこの豪雪問題の理解が進まない原因が有ると見ています。

そして都会だけでは生活は成り立たないという事をきちんと理解しないといけないのです。
これはミンス政権時代に嫌というほど目にしました。
例えば電気・水などのインフラを見ても、電気は都会には発電所が少ないので都会だけでは暮らせません。水も八ッ場ダム問題で明るみに出たように山奥に降った雨水を利用している訳です。
北陸の豪雪だって、この豪雪の水を蓄えて黒四ダムなどが関西圏に電気を送っています。(関西電力管内の発電所は水力・原子力とも関西電力の営業範囲外に発電所が結構多い)

このことは新聞テレビなどのメディアや行政を動かしているお役人様がこんな環境で暮らし、こんな風にものを考える基礎になっている、そう思えるのです。

その典型的な事例がこれ。

2018-2-10おんぶされて災害視察 


こんな事が起こるのは、実際に地で物を見て手を汚し汗をかいてみないと実が見えない。そういうことを現していると思います。

この現地(現場)・現物・現実を三現主義と言いますが、これをやろうとすると、日々実践活動をする「道場」のようなものが必要になります。日本で明治維新が成功し、西欧の植民地支配の波から独立を維持できたのは、江戸時代260年の太平の間も日本の武士階級が色んな場で実践・鍛錬を続けてきたことも大きいと思っていますが、この件は長くなるので先に進みます。



もう一つ、kazkさんのコメントにはこんな文言が・・・
「土建屋さんを増やすのは悪なんだし・・・」

これはこんな事を考えている人が多いという事なのだが、これも日本のマスゴミが公共事業叩きの狂奔してきた結果ではないか。何せ「コンクリートから人へ」などというキャッチフレーズ、未だに訂正もお詫びも有りません。

がしかし、こんな事を永年やっていれば、世界の趨勢から大きく立ち遅れるのも無理有りません。
こんなデータが有ります。

世界各国のインフラ制作費用比較
2016-2-20国別インフラ支出推移2 

こんなものを見ると分かりますが、日本のインフラ投資額だけが大きく下り坂。
これが永年の公共事業敵視政策の招いた結果です。その為建設関係の業界全体が委縮してしまっている訳です。

所で諸外国と比較して日本の国土はどうか。
これは日本・イギリス・フランス・ドイツの国土面積に対する可住地割合の図。
 
2016-2-26国別可住地面積比較1

日本は狭く急峻な国土の中で、ごくわずかな可住地に多くの国民が暮らしているのです。

更に東京の立地状態を見てみましょう。
東京が縄文時代は海だったところに出来た土地、こんな話を私も何度もエントリーしたが、その縄文海進とはこんなもの。
2016-2-23縄文海進2 

昔の東京湾はこんな大きく、現在の埼玉県幸手辺りまで海だった、ちょっと想像もできませんね。
そして昔海だったところは地盤が弱いのは良く知られています。
現に東日本大震災の被害の大きかったところもそんな場所だったところが多い。

そしてこれは東京の地盤の断面図

2016-2-26東京の地盤断面図1
この図の青丸で示した沖積層が一番最近堆積した地盤で、極めて軟弱な部分。 
この地域は地盤が柔らかいだけでなく、海抜も低いので水の被害も受けやすい。若し首都圏を直下型地震が襲えば、一番被害の想定される地域である。

参考ブログ :「大災害列島」の大補修を No1-No5
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1228.html
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1229.html
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1231.html
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-date-201602.html
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1233.html



結論です。
豪雪地帯で苦労していることを「昔からでしょ」と言うとしたら、首都圏だって災害には実に脆弱な地域で、しっかりしたインフラの構築と補修がどうしても必要。
土建屋さんをもっと増やして、誇りをもって仕事のできるようにすることが重要です。
霞が関のお役人様にも「もっと自分の足元をよく見てごらんなさい」、こう言いたいですね。

それから温暖化温暖化と耳にタコが当たる穂D聴きましたが、現在の太陽活動から見ると、これからもっと寒冷化するのは間違いないと見ています。
そんな時こそしっかりしたインフラ整備が重要、そう思います。

長い話になりました。
最後に江戸時代の雪景色を紹介し、コメントに対する私の考えを終わります。


広重の「東都名所日本橋雪中」

2018-2-18東都名所日本橋雪中by広重 

ちょっとお断わり、この浮世絵は富士山が書かれています。しかし、雪の降るような天候の時、富士山は見えませんが、日本橋・江戸城・富士山と並ぶところに名所の価値が有るので書いたと思われます。

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コメント

>「コンクリートから人へ」などというキャッチフレーズ、未だに訂正もお詫びも有りません。

たしかに、訂正ありませんね。

正しくは「コンクリートから人柱へ」です。
  1. 2018-02-20 17:17
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  3. 勃ちあがれ日本人 #-
  4. 編集

To:勃ちあがれ日本人 さん

> >「コンクリートから人へ」などというキャッチフレーズ、未だに訂正もお詫びも有りません。
>
> たしかに、訂正ありませんね。
>
> 正しくは「コンクリートから人柱へ」です。




>コンクリートから人柱!、
上手い!、その通りです。
ぜひともあの連中を人柱にしてやりたいですね。
  1. 2018-02-21 10:01
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  3. 短足おじさん二世 #-
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「太陽活動が低い時期には急性心停止が著しく増加する」:まったく世に出てこないこの過去数十年間の医学的研究の結論を今書かせていただきます
https://indeep.jp/solar-activity-and-sudden-cardiac-death-relationship/

※俳優の大杉漣さんが突然亡くなられましたが、太陽の活動が心臓にも影響するそうで・・・
  1. 2018-02-23 11:55
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  3. taigen #-
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To:taigen さん

> 「太陽活動が低い時期には急性心停止が著しく増加する」:まったく世に出てこないこの過去数十年間の医学的研究の結論を今書かせていただきます
> https://indeep.jp/solar-activity-and-sudden-cardiac-death-relationship/
>
> ※俳優の大杉漣さんが突然亡くなられましたが、太陽の活動が心臓にも影響するそうで・・・



 貴重な話、有難う御座います。私も知りませんでした。
ただ宇宙線が火山の噴火の引き金を引いている、こんな事を言う学者さんもいますので、関係が有るというのは考えられますね。
ぜひとももっと研究を進めて欲しいです。

しかし今温暖化懐疑論者には予算が下りず、まともな学者さんがいなくなりつつある。困ったことが起きています。
  1. 2018-02-23 17:25
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  3. 短足おじさん二世 #-
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