2017-08-27 15:58

不祥事まみれのドイツ自動車業界、背を向ける政治家たち

 変わり身の早いメルケルおばさん、来月の選挙を前に自動車業界を攻撃し始めたと報じられている。しかしこの話には裏が有るようだ。
最初にWSJの報道から


<以下引用>
不祥事まみれのドイツ自動車業界、背を向ける政治家たち
By William Boston
2017 年 8 月 25 日 15:21 JST
http://jp.wsj.com/articles/SB11851690739907494688204583351650692780648

 【ベルリン】ドイツの政治家たちは長年にわたり、国内の自動車業界にすり寄ってきた。だがここにきて、不祥事まみれの自動車業界が国の誇りではなく恥だと多くの有権者から見なされようになったことを受け、政治家は同業界に背を向けている。

 アンゲラ・メルケル首相は今月、来月の連邦議会選挙での4期目の政権獲得に向けた選挙運動の初の演説で、2年に及ぶディーゼル車の排ガス不正問題を巡る国内自動車大手とその経営陣の対応を厳しく批判した。

 その前日、メルケル氏の対抗馬である社会民主党(SPD)のマルティン・シュルツ党首は、自分が勝利すれば、販売する新車のうち一定割合を電気自動車(EV)とすることを義務づける制度の導入を約束した。

 こうした自動車メーカーに対する批判は、長年、その恩恵に浴してきたドイツの政治家にとって、過去との決別と言える。ドイツの有名メーカーの製品は、卓越した技術力や優雅なデザイン、強い経済力を象徴するものだった。

 しかし、 フォルクスワーゲン (VW)が2015年にディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していたことを認め、排ガス不正問題が発覚すると、高い評価を得ていたドイツの自動車業界は政治家にとって重荷に転じた。

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左のグラフは、ドイツの有権者を対象とした世論調査で「同国の自動車業界が信用できなくなった」と答えた人の割合。上から、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題発覚後の2015年10月、ドイツの自動車メーカーがディーゼルエンジンの排ガス処理装置などでカルテルを結んでいた疑いが浮上した17年7月、9月の連邦議会選挙の選挙戦が始まった17年8月。右のグラフは、キリスト教民主同盟党首のメルケル首相の支持率(黒)と社会民主党のシュルツ党首の支持率(赤)


 ドイツ公共放送連盟(ARD)が発表した最新の世論調査によると、ドイツの有権者の3分の2が、政府は自動車メーカーに甘すぎると感じていることが明らかになった。また、自動車業界が信用できなくなったと答えた人の割合は60%近くに上り、2年前から大幅に上昇した

 メルケル氏の支持率は1カ月で10ポイント低下したが、それでも8月時点で59%と、高水準を維持している。

 今月、欧州連合(EU)はディーゼルエンジンの排ガス処理装置などでカルテルを結んでいた疑いでドイツの自動車メーカーの予備調査を行っていることを認めた。

 排ガス不正問題に関する執拗(しつよう)なバッシング報道と、メルケル氏の支持率低下に関係があるかどうかは不明だが、同氏は危ない橋を渡ろうとはしない。

 メルケル氏は選挙戦の皮切りとなるドルトムントでの集会で「自動車業界は信じられないほど多くの国民の信頼を失った。それを取り戻せるのは彼らしかない。私が自動車業界と言うのは主にその経営陣のことだと述べた。

 また、シュルツ氏のEV割当制度案を退けるとともに、演説時間の半分近くを割いて自動車業界の状況について論じ、業界幹部にもっと責任を負うよう求め、国内80万人の自動車工場労働者を擁護した。

 ドイツ政府が今月主催した「ディーゼル・サミット」で自動車メーカーは、汚染物質の排出量を削減するために、数百万台のディーゼル車に搭載されているソフトウエアを更新することと、古いディーゼル車を下取りに出して新車を購入する場合、最大1万ユーロ(約130万円)割引することに同意した。

 メルケル氏は、これらの措置は自動車業界ができる「最小限のこと」とし、9月の連邦議会選挙で勝ったら、秋に2回目のディーゼル・サミットを開催し、さらなる対策について話し合うと述べた。

 アナリストらは、メルケル氏の勝利が確実視されている今回の選挙で、排ガス不正問題が大きな争点になる可能性は低いとみている。マインツ大学のユルゲン・ファルター教授(政治学)は、メルケル氏は自動車メーカーを激しく非難することで、「自身と対抗馬の差異をなくすために早い段階でこの問題を取り上げ、争点にならないようにしている」と指摘した。

 だが、選挙後もドイツ政府と自動車業界にかかる圧力は変わりそうにない。欧州委員会は、ドイツの都市部がEUの定めた大気汚染物質排出量の上限を常に超え、条約に違反しているとして、欧州司法裁判所への提訴をちらつかせている。

 これを受けて、一部の市長は市内でのディーゼル車の走行を全面的に禁止することを検討している。政府の統計によると、ドイツの新車販売に占めるディーゼル車の割合は7月に40.5%と、前年同月の47.1%から低下した。

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今月ドイツのザンクト・ペーター・オーディングで行われたメルケル首相の選挙集会で「ディーゼルマフィアは辞めさせろ」と書かれた旗を掲げる活動家

 メルケル氏による自動車業界批判は、同氏にとって大きな方向転換だ。メルケル氏は10年に米カリフォルニア州のアーノルド・シュワルツェネッガー知事(当時)らと会談した際、カリフォルニア州はディーゼルエンジンの窒素酸化物の排出量を厳しく制限することで「ドイツの自動車メーカーに打撃を与えている」として、同州大気資源局のメアリー・ニコルズ局長を非難した。

 英国のノーマン・ベーカー運輸相(当時)によると、その3年後、EUが温室効果ガス排出削減で合意した後、メルケル氏はドイツの高級車メーカーが過度に不当に扱われることになると考え、英国のデービッド・キャメロン首相(当時)に合意への支持を撤回するよう説得した。

 さらに数カ月後、 BMW の支配株主が、メルケル氏率いるキリスト教民主同盟(CDU)に69万ユーロ寄付したことを明らかにした。CDUは寄付と政策の関係を否定している。
<引用終り>


とうとうディーゼル・マフィアなどと言う言葉までできてしまいました。これで排ガスがきれいになるのならいいのですが、メルケルさんはこの問題でライバルと同じ主張をすることで争点から外すことを考えているようです。選挙が終わったら又元の黙阿弥かも知れません。

そして自動車メーカーは無償修理を打ち出しましたが、多分ユーザーは簡単には修理に応じないでしょう。だって排ガスがきれいになるように修理すれば、大幅パワーダウン、燃費悪化、耐久性悪化など、ユーザーには良いことは何もありません。
だから無償修理は単なる目先のごまかし、そう思います。

EVへの切り替え云々の話も具体性が全くありません。だからこれも目先のごまかしでしょう。

そしてこんな時の常套手段は外部に敵を作ること。標的はもちろん日本車。こんな事が起こります。
そんな時、日本ではモリそば、カケそば問題ばかり。目を外にも向けないといけないと思います。元寇(シナとコリアの連合軍でした)は今目の前なんですから。



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コメント

素人は何でも言えます。

日本人には「技術・科学はドイツ」という思い込みがありました。私もその1人です。ここにきてVWの捏造が明るみに出てその神話が崩れました。素人だから言えることですが、なぜドイツの自動車産業はダメになったのですか?データを誤魔化さねば彼らの技術は維持できなくなったのは何故か。

20年位?前のテレビで、提携していた三菱に対しベンツの社員がベンツと三菱のマークは形が似ている、だから両社はダメなんだとふざけたようなコメントを発していました。

もっと昔の新聞で読んだ話は、日本在住のドイツの新聞記者(女性)がインタビューに答えて、政治を語るためには経済を見ればよい、と答えていました。ドイツの経済(自動車産業)を俯瞰してドイツの政治を語れるのか、メルケルさんは。
  1. 2017-08-28 00:51
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  3. 相模 #-
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Re: 素人は何でも言えます。

> 日本人には「技術・科学はドイツ」という思い込みがありました。私もその1人です。ここにきてVWの捏造が明るみに出てその神話が崩れました。素人だから言えることですが、なぜドイツの自動車産業はダメになったのですか?データを誤魔化さねば彼らの技術は維持できなくなったのは何故か。
>
> 20年位?前のテレビで、提携していた三菱に対しベンツの社員がベンツと三菱のマークは形が似ている、だから両社はダメなんだとふざけたようなコメントを発していました。
>
> もっと昔の新聞で読んだ話は、日本在住のドイツの新聞記者(女性)がインタビューに答えて、政治を語るためには経済を見ればよい、と答えていました。ドイツの経済(自動車産業)を俯瞰してドイツの政治を語れるのか、メルケルさんは。



大変な難問で、私も以前から考えているのですが良く分かりません。
今の所の結論は「人間性の問題」に収斂するのではないかと見ています。
そしてその起源は30年戦争くらいまでさかのぼらないといけない。日本で言えば江戸時代の初めですね。
其の30年戦争で人口が激減するような悲惨な経験をして、すっかり人間性がおかしくなったのではないか。そんな風に見ています。
先日取り上げた石井菊次郎の「ドイツと組んで幸せになった国はフレデリック大王以来無い」、これは事実だと思います。

しかし私のようにドイツ好きの人間にはとても書きにくいですね。
  1. 2017-08-28 19:08
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  3. 短足おじさん二世 #-
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