2010-06-10 17:34

タイの今はどうなったか

タイの首都バンコク中心部を占拠していたタクシン派デモが鎮圧されてから3週間。バンコク市内は平静を取り戻してきた。

ここでこのデモの背景と残したモノ、そして日本にとっても参考にすべきコトを考えて見たい。

 

まず今回のデモを特徴付ける写真から

 

これは4月10日のデモ隊と治安部隊との衝突の際の写真。

凶弾に倒れた日本人カメラマン村本さんが撮影したモノ

デモ隊側から治安部隊の兵士に向かって擲弾が発射され爆発した瞬間である。

(村本さんはこの映像を撮った直後狙撃された・・・合掌)

兵士は銃を持っているが装填されているのはゴム弾、治安部隊は国民を殺すわけには行かないと命令されていた。

 

 

 

デモ隊と治安部隊の衝突

この写真は4月10日の衝突時のもの、右端に移っているカメラマンが故村本さん

 

 

赤シャツデモ隊はタイ東北部から1日500バーツで雇われて集まった善良な農民。

奥に黒服の男が写っている(黄丸印)。

この黒服グループがライフル銃や擲弾銃で武装した戦闘部隊。

村本さんを狙撃したのもこの黒服グループの一員といわれている。

 

 

そしてこの黒服戦闘部隊、その本質は1982年頃までタイ北部・東北部で武装闘争をしていたタイ共産党の残党が中心とされている。

タクシン派はこの共産党組織を利用し村々に浸透した。

そしてこの組織が軍事訓練までしていたようである。

(その軍事訓練の中心人物が今回のデモ騒動中に射殺された現職の陸軍少将だったらしい)

 

 

こんな事は2001年タクシン政権が発足したとき、はじめて明らかになった。

タクシンの支持母体、タイ愛国党党員の中に1982年まで反政府武力闘争を続けていたタイ共産党の元党員が多数いた。

タクシン政権下で副首相・エネルギー大臣をしたプロミン氏、情報通信技術大臣だったスラポン氏、運輸省副大臣だったプームタム氏、農業省副大臣だったプラパット氏などが閣僚・側近の元共産党員。

これがタクシンの隠れた一面だったのだ。

 

タイのこの事例、日本人も絶対忘れてはならない事を示唆している。

つまり例え20年以上も前の事であっても「武装闘争」していた連中の中には、時期が来れば昔取った杵柄でムチャクチャな事をやらかす原理主義者が居るのだ。

日本でも昔赤軍派との噂の有るお方が今呆務大臣である。

そして首相と官房長官が全共闘のようなお方と言われている。

 

但し若い頃の過激な思想が全て問題ではない。その後実業の世界などで経験を積めば大抵の人は現実路線を進む。しかしその経験のないまま過激派原理主義で凝り固まると問題が起こる。

このタイでの事例が正にそのことを如実に物語っている

 

 

 

 

5月19日 タクシン派デモ隊投降直後放火されたショッピングセンター

 

これはデモ制圧後の5月20日の映像

セントラルワールド・ショッピングセンターのZENデパート部分は完全に崩壊。

 

この放火について4人の男が指名手配され、その内の1人が数日前逮捕された。

タイ東北部出身のこの男は、シャツデモ隊の警備を担当。1日500バーツで雇われていたと自供している。

 

 

 

 

治安回復後の日曜日23日、多数のボランティアによる清掃作業。

(若者が多いことに気づかれただろうか)

 

 

そして6月6日、バンコク都50区の内14区で都議会議員選挙が行われた。結果は反タクシン派が14区中10区を独占するなど圧勝し、今まで多数派だったタクシン派は大敗した。

バンコクの市民はタクシンにノーを突きつけた結果となった。

 

  

しかし田舎の貧しい農民達にはタクシンがばら撒く僅かな金がとても貴重。

そして彼ら・彼女らがデモに参加してもらう1日500バーツの金は田舎での稼ぎの3日分~4日分、だから彼らは嬉々としてデモに参加しているわけだ。

1ヶ月デモに参加すれば何ヶ月かは遊んで暮らせるというわけだ。

(バンコクの最低賃金は1日205バーツ、東北の田舎は150バーツ~160バーツ) 

 

 

そしてもう一つ厄介な事、それは世界的な温暖化サギに端を発した穀物価格の高騰の影響である。

 

 

これはコメ・麦・とうもろこし・大豆の国際価格推移表である。

特にコメは2008年に鋭いピークが有り、それまでの4倍近くに跳ね上がっている。皆さんも記憶にあるとおり、アメリカの強欲マネーが温暖化サギを囃し立て石油価格を暴騰させた。それにつられて穀物価格も暴騰した結果である。

日本では石油価格は暴騰した、しかしコメの価格は影響なかったのであまりピンとこないかも知れない。しかし発展途上国ではこの影響は計り知れない。

タイの場合、コメの暴騰で農民は潤ったか・・・、答えはノーである。儲けたのは精米業者や輸出・流通業者ばかり

此処にタイ北部・東北部の農民達の怒りが有り、タクシン派に付け入られるスキが有ったといえる。

 

タイ東北部ではこの頃から旱魃・病虫害でコメの収穫が地域によっては平年の半分以下のところが多くなっている。こんなところの農民にはタクシンがばら撒く金がいかに貴重か分かる。

 

日本でも若い人に仕事が無い。タイの事例は対岸の火事ではないと思う。

  1. タイiza10年以前
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コメント

No title

 結局、G2とやらがタイ国をおかしくした遠因なのですね。タイの農民にしてみればタクシンの野郎に往復ビンタ食らったようなものですねえ。
 それでも銭が出るからついていくか・・・・
 せめて、まともな利潤くらいは上げられるような産業構造にはしたものです。
  1. 2010-06-14 01:50
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  3. kazk #79D/WHSg
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No title

To kazkさん
> 結局、G2とやらがタイ国をおかしくした遠因なのですね。タイの農民にしてみればタクシンの野郎に往復ビンタ食らったようなものですねえ。
> それでも銭が出るからついていくか・・・・
> せめて、まともな利潤くらいは上げられるような産業構造にはしたものです。

そうなんです。ウォール街の強欲連中と中国の強欲共産原理主義が一つ穴のムジナ。
世界は強欲で悪意に満ちているいい例です。

報道されていませんがタイのデモではこんな例も。

タクシン派デモ隊の中に不思議な事に何人かの白人の姿がある。
現地TVのインタビューでは、いきなり「Fuck!」とののしるような連中です。
彼らは金のためには何でもする・・・
このデモの隠れた一面です。
  1. 2010-06-14 06:37
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  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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 そうかあ・・・
中南海の馬鹿どもだけではないのですねえ。
仕分け対象にウォール街を加えねば・・・
  1. 2010-06-15 21:12
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  3. kazk #79D/WHSg
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No title

To kazkさん
> そうかあ・・・
>中南海の馬鹿どもだけではないのですねえ。
>仕分け対象にウォール街を加えねば・・・

その通りだと思います。
世界は悪意に満ちている、特にウォール街には悪意がこぼれんばかり・・・
  1. 2010-06-16 10:49
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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