2017-04-14 09:22

海外での流言飛語の事例

 北朝鮮情勢が緊迫の度を加えている。NHKでも「邦人退避」なる言葉まで出てくるようになった。

以下はそれを伝えるNHK報道
北朝鮮情勢 邦人退避想定含め万全の態勢を 官房長官
4月12日 13時06分


 さてこんな時恐ろしいのが流言飛語(流言蜚語)である。特に韓国ではこの流言飛語でとんでもない事件が起こることがあり、被害にあわぬよう注意が必要だ。

そこで私がタイ時代に体験した流言飛語がどんなもので、どう対策したのか 、古い話だが参考になると思うので書いてみたい。


事件は1999年12月の深夜発生した。場所はタイ国のバンコクより東南120キロにあるタイオイル・シラチャ製油所。この製油所の巨大な自動車ガソリン用大型貯蔵タンク(貯蔵量150万リットル)が大音響とともに爆発炎上、火災は42時間に渡って燃え続け、タイ国内にあった全ての化学消化剤(同社や他社の製油所・空海軍からも持ってきたが)を使用しても消えず、シンガポール軍の輸送機で52トンもの消火剤を運び、やっと消し止めた。
この事故による死者は消防士を含め7名となる惨事であった。

この写真は事故後36時間ほどのモノ

2017-4-13タイオイル爆発火災 
  住民はほとんど逃げており、カメラマンなどがいるだけ
  しかしこんな近くでも別に制止されるわけでもなく、自由に入っていけた。
 
この事故の特徴は、爆発と同時に巨大な低周波音・・つまり人の耳には聞こえない大音響・・が発生したこと。
周辺の民家や工場はこの低周波音の為爆風が無いのに窓ガラスがほとんど全部破壊され、天井のボードも落下した。特徴的なのは建物の爆発現場と反対側の窓ガラスも割れていたこと(だから風とか飛散したものが原因ではない)。
被害は非常に広範囲に及び、私が確認した限りでも約7キロ先まで被害がでていた。
 
この低周波による被害、科学的知識の乏しいタイ人には何かとんでもない恐ろしいことが起こっていると受け止められたようだ。(余談ではあるがタイ人はお化け・妖怪の類い(タイ語でピーと言う)の存在を真剣に信じており、人に悪さをすると思っている)
 
現にこの現場から数キロはなれたところに住んでいたスタッフは
「突然大きな音と共に窓ガラスがびりびり振動し、パラリと割れ落ちた。風も無く物が飛んできたわけでもない。何か恐ろしいことが起こっているようだ」
この様に心底怖そうに説明してくれた。
 
ではこの様な事故でどんな流言飛語が発生したか
 
 私の会社は事故現場から約30キロ離れており、操業に支障は無く従業員も平常どおり出社してきた。勿論大きな事故があったことは知っていたが、その時点ではそれだけの事。
 
しかし事故から9時間後の朝9時頃から社内のざわつきが始まった。
携帯電話であちこちから情報が入り、事故に対する不安を広げているようだ。こんな時日本の常識は、噂に振り回されること無く、テレビやラジオのニュースで正確な情報をつかむこと。
 そこで食堂にタイ人幹部社員を集めテレビを見せ、正しい情報はこうだと分からせようとした、しかし逆に現地人マネージャーからは、会社は危険なので臨時休業にし従業員を帰宅させるべきと言ってくる。
 
テレビではリポーターが現場から火災を背にリポートしている。
何を言っているか通訳させてみると・・・、
「火災は隣接するタンクへと次々に誘爆、現在4基のタンクが炎上中、さらに隣接するタンクにも危険が迫っている。しかし消火に手こずっている。(これは事実だった)」
 そして
「もしさらに火災が拡大すると大変危険で、現場から半径5キロ以内の人は避難するように」
 (注:半径5キロ以内といえば、原爆並みの爆発なのだが・・・)
 さらの午後になってからはテレビの報道はエスカレートし
大爆発が起きる恐れがある、現場から半径30キロ以内は極めて危険、避難するようにとか、現場から地下のパイプラインを通って炎が隣町まで到達する、こんな事を言い始めた。
 
従業員が動揺するので、全員に説明することにした。こんな時重要なのが「現地の言葉で、現地人が話すこと」。この為最初に現地人の技術屋のトップに事実として分かっていること、対処方法を理解させたうえで、従業員には私が英語で話し、タイ人技術屋がタイ語で説明することで従業員の動揺は何とか収めた・・・。
尚、この頃には危険区域が半径30キロから半径100キロまで拡大などという話も出てきていた・・・、どこかで聞いたことのあるような話ではありませんか?。
 
帰宅し夕食の為町に出ると(当時事故現場から6キロほど離れた町に住んでいた)、いつもはにぎやかな町が閑散としている、名物の屋台も殆ど店を開けていない、いつもは町を走り回っているタイ名物の三輪タクシー(トゥクトゥク)も姿が見えない。
行きつけの日本料理店で食事を注文し食べ始めると店の親父から、「従業員が怖がっているので今すぐ店を閉める、悪いが食べるのを止めて今すぐ帰ってくれ」と言われ、腹を減らして帰宅せざるを得ない始末。
(この町は住民の90%以上がその夜町から逃げ出したと言われている)
 
火災は翌日夕方鎮火し、その頃にはこの地域も平静を取り戻した。
 
後日色んな所からの情報等を総合すると、当日の様子はこうだった。
 
事故現場の隣の工業団地内の会社では、当日9時頃から従業員が恐怖に駆られ、ほぼ全員が職場放棄して会社を逃げ出した。
(近くの国道では走って逃げていくタイ人の長い列が出来ていたそうだ)
 
事故現場から十数キロ離れたところにある工業団地では大部分の会社が、そして30キロほど離れたところの工業団地でもかなりの会社が途中で臨時休業せざるを得なかった。
 
もぬけの殻となった町は「泥棒天国」となったらしい(笑)。会社の従業員も何人かが被害にあっている。
 
流言飛語で街はもぬけの殻、 では事実はどうだったのか。
 
全くの偶然だが、事故の1週間後、所轄消防署の係官から実態を聞く機会があった。
(以前から計画していた防火訓練で、まさにこの事故現場のまん前にある消防署から係官が来て訓練を実施)
 
所轄消防署の話
1)報道では4基のタンクが誘爆炎上と言われている、しかし事実は4号タンク1基だけが爆発炎上
 
2)非常に広範囲の地域の人が避難した様だが、消防署・警察では避難指示はしていない
  報道機関が勝手に言ったこと。
(だから私が野次馬よろしく事故現場近くまで行って、写真を撮っていても制止されなかった訳だ)
 
ここから教訓として以下のことが読み取れる。
 
大きな事件などが起こったとき、正しい情報をつかむことは非常に重要だ。その一番有力な手段がテレビ・ラジオ。しかしそのテレビ・ラジオと言えども「科学的知識の無いリポーターなどが感情的に話す」ことがあるので本当かどうか極めて怪しい。
(このケースはまさしくそれ、このことは日本人は東日本大震災で実感している) 
特に危険なのは地元の人に対してのインタビュー、地元の人は個人の意見として「怖いので逃げる」等と言ったりする。しかしこれが一度電波に乗ってしまうと「そのメディアの公式見解」になってしまう。だから誰か1人が怖いので逃げるというと「危ないからみんな逃げろ」になる。
 
さらに厄介なのが携帯電話、個人の思い込みがあっという間に拡散する。最近はスマホが普及し、ツイッターなどSNSは正しい情報のためには非常に重要だ。しかし思い込みを拡散することもしばしばある。注意が必要だと思う。
  
以上のことから海外にいる日本人としてどう行動するか?
 
実は紹介した事例はタイのものだが、韓国朝鮮には特に注意せねばいけないことがある。
それは韓国朝鮮、中国人に共通する残虐性だ。
敗戦直後の朝鮮半島で起こったことは色々なところで書かれているが、その典型がこれ。
『和夫一家殺害事件』-日本が負けた途端、育ててくれた日本人養母を強姦し、内臓をばら撒く鬼畜朝鮮人


そして最後には「自分の身は自分で守る」、当たり前だがこれしかないと思う。
 
だがしかしそのためには、
1) 信頼できる日本人との情報ネットワークを持つこと。この事例の場合、現地の日本人が業種やグループを超えたコニュニケーションのネットワークを持っており、これがうまく機能した。
 
2)現地の人が何を言っているのか把握すること。特に危険な流言飛語の場合、日本人は現地人が何で騒いでいるか分からない事が多い。
この事例の場合、半径30キロ以内の人は避難しろとテレビで言っていた。しかしこのことを知っていた日本人は半数にも満たなかった。
 
そして日本人にとって都合の悪いことでも報告してくれる現地人が必要で、常日頃この点に留意すべき。
 
 
最後に日本人ならどうしても日本国大使館に頼りたくなるが、その実態はこんな風であった。
 
日本とアメリカ、大使館の対応の違い
・  アメリカ大使館では当日昼過ぎ現地地域在住のアメリカ人に対し以下のような避難指示を出した。
「大変な災害の恐れが報道されている、しかし事実関係がどうなのか確認が取れない、
兎に角今日のところは、安全と思われるバンコク地区まで避難せよ。」
(この指示、もちろん翌日には解除されが・・・)
 
・ 日本大使館の場合
日本人も何人かが日本大使館に電話し、どうしたらよいか相談している、がその回答は
「えっ何かあったんですか?。あぁそうですか。
 いや特に大使館としては何も・・・、特別な指示は出していませんので・・、
  あぁアメリカ大使館はそうなんですか、
 それではそちらの方でよく状況を見て・・・、そちらで判断してください。」
 
大変残念だがこれが日本国大使館の実情であった。
 

最後に事態は日々緊迫の度を増している。
4月13日の参院外交防衛委員会で、安倍首相は北朝鮮について「(猛毒の)サリンを弾頭に付けて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と述べたと報道されている。
安倍晋三首相「サリン弾頭の着弾能力を保有している可能性」 自衛隊のミサイル防衛の限界にも言及

韓国在住の方はよく考えて、迅速な対応をお願いします。いやこれは日本国内でも同じではないかと思います。

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コメント

ガ島の絶壁で潜水艦を待つ

ガダルカナルの戦いは日本の敗北に終わった戦いです。初めから戦力差、火力差が歴然としている所に補給を断たれ、制空権を握られ、多数の兵士がジャングルの中に逃げ込んだ戦いです。ジャングルに逃げ込んだ兵士の一群が、ガダルカナルの絶壁側(多分南側)に友軍の潜水艦が待機しているというデマに踊らされて、ジャングルを抜けて絶壁に逃げ込んだということがあったようです。これは山本七平氏の著書で知りました。全員死んだでしょうから、真相はわかりません。潜水艦が撃沈された艦船の生存者を探していたことは事実です。しかし、砂浜ならともかくとして救助は不可能だろうと思います。おそらく現在でも絶壁付近に白骨を晒しているのではないでしょうか。
彼らはよく訓練された兵士であったはずです。ちょっと考えれば、絶壁しかない所に潜水艦が救助に来るはずがないのです。
映画「ポセイドンアドベンチャー」では、転覆した船の上側(艦首側)に逃げるのではなく、反対に下側に逃げる集団がいました。キチガイ牧師に率いられた人々です。
韓国のセオル号事件は、つまるところ、引率者がキチガイ牧師であったということです。かの国は、国の指導者が、キチガイ牧師なのです。
危急の時、デマに騙されないことは、大事なことですが、非常に難しいことであると認識しておく必要があります。
潜水艦が助けに来てくれないかなあ。敵は北側にいる。このジャングルを抜けて、南側に抜ければ、潜水艦がいてもおかしくないような気がする。いや、潜水艦が待機していると聞いたぞ。おーい、みんな、潜水艦が南側に待機しているぞー。よし、ジャングルの南側に行くんだ。助かるぞ。
危急の時に思考停止しない人がいれば、その人は優れた指導者になれると思います。
  1. 2017-04-15 08:40
  2. URL
  3. 縄文人 #wM6nolEE
  4. 編集

Re: ガ島の絶壁で潜水艦を待つ

> ガダルカナルの戦いは日本の敗北に終わった戦いです。初めから戦力差、火力差が歴然としている所に補給を断たれ、制空権を握られ、多数の兵士がジャングルの中に逃げ込んだ戦いです。ジャングルに逃げ込んだ兵士の一群が、ガダルカナルの絶壁側(多分南側)に友軍の潜水艦が待機しているというデマに踊らされて、ジャングルを抜けて絶壁に逃げ込んだということがあったようです。これは山本七平氏の著書で知りました。全員死んだでしょうから、真相はわかりません。潜水艦が撃沈された艦船の生存者を探していたことは事実です。しかし、砂浜ならともかくとして救助は不可能だろうと思います。おそらく現在でも絶壁付近に白骨を晒しているのではないでしょうか。
> 彼らはよく訓練された兵士であったはずです。ちょっと考えれば、絶壁しかない所に潜水艦が救助に来るはずがないのです。
> 映画「ポセイドンアドベンチャー」では、転覆した船の上側(艦首側)に逃げるのではなく、反対に下側に逃げる集団がいました。キチガイ牧師に率いられた人々です。
> 韓国のセオル号事件は、つまるところ、引率者がキチガイ牧師であったということです。かの国は、国の指導者が、キチガイ牧師なのです。
> 危急の時、デマに騙されないことは、大事なことですが、非常に難しいことであると認識しておく必要があります。
> 潜水艦が助けに来てくれないかなあ。敵は北側にいる。このジャングルを抜けて、南側に抜ければ、潜水艦がいてもおかしくないような気がする。いや、潜水艦が待機していると聞いたぞ。おーい、みんな、潜水艦が南側に待機しているぞー。よし、ジャングルの南側に行くんだ。助かるぞ。
> 危急の時に思考停止しない人がいれば、その人は優れた指導者になれると思います。



ガダルカナルの話は知りませんでした。そんな悲惨な話があったんですねえ。
英霊の魂に報いるためにも、何故そうなってしまったのか、これからどうしたらいいかを考えるべきなんでしょう。
ご指摘のように問題はリーダーです。
ですが自分がその立場になったとき、果たして正しい判断ができるのか。
私はそんなときは歴史とか、過去の事例とか、そんなものを学ぶのも大切だと思っています。

私の場合、この本文の事例はそんな事を考えさせるとても良い事例になりました。
しかし自分をその渦中に置いてみると難しいものですね。
  1. 2017-04-15 11:36
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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