2015-11-07 15:05

ビッグデータが喧しい

 最近ビッグデータがどうたら、こんな話をよく聞く。難しい話だがどうやらこれからの日本人には避けて通れない道らしい。
そんな時、興味深い話が報道されている。

<以下ロイターより引用>

トヨタ、人工知能研究開発の新会社を米に設立 5年で10億ドル投資
2015年 11月 6日 16:27 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/11/06/toyota-ai-us-idJPKCN0SV0CM20151106

[東京 11月6日 ロイター]
  トヨタ自動車は6日、人工知能技術の研究開発を手掛ける新会社を米カリフォルニア州シリコンバレーに設立すると発表した。5年間に約10億ドル(約1200億円)を投資する計画。人工知能技術は自動運転技術やロボット、生産管理システムなど幅広い分野で応用ができる。人工知能の開発を通じて、新分野での事業機会を探る。

社名は「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」。マサチューセッツ工科大(MIT)やスタンフォード大と連携する。人工知能技術を通じてビッグデータを活用し、社会が直面する課題を解決していくことが狙い。

TRIの最高経営責任者(CEO)には著名なロボット・人工知能研究者のギル・プラット氏が就任する。同氏は米国防総省が主催する災害対応ロボット競技の運営に携わった。社員数は数年かけて段階的に増やし、200人規模を予定する。

トヨタの豊田章男社長は同日、都内で会見し、トヨタグループは「織機から自動車へと生産品目を変更してきた歴史を持つ。自動車以外の産業基盤にも、人工知能、ロボティックス、ビッグデータを要素技術として活用できるのではないか」と語った。

<引用終り>

このギル・プラット氏についてはどんな人か私も知識が無い。調べてみたら今年の9月にこんな記事があった。
この記事、会員専用なので少々長いが全文引用する。

<以下日経より引用>

トヨタ、ロボット界の「至宝」を生かせるか
2015/9/12 6:30日本経済新聞 電子版

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO91589880Q5A910C1000000/

 トヨタ自動車が人工知能(AI)の開発で力強い援軍を得た。この分野で世界有数の成果を誇る米マサチューセッツ工科大学(MIT)出身で、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)で災害対策ロボットのコンテストを運営したギル・プラット氏だ。同氏は日本と不思議なつながりがあり、今回は3度目の“奇縁”となる。

■シャフトの「借り」を返す

 「毎年、世界で100万人以上が交通事故で亡くなっている。運転の楽しさを損なわず、交通事故を減らすことを目指したい」。プラット氏はトヨタが4日に米シリコンバレーで開いた記者会見で強調した。トヨタはMIT、米スタンフォード大学とAIの共同研究に取り組むことに加え、同氏を技術アドバイザーとして迎え入れたことを明らかにした。

記者会見するギル・プラット氏(4日、米カリフォルニア州パロアルト市)
2015-11-7記者会見するギル・ブラット氏

 プラット氏はMITで電気工学とコンピューター科学の博士号を取得し、日本でもDARPAの災害対策ロボットのコンテストの主催者として知る人ぞ知る存在となった。DARPAは2013年12月に最初の予選を開催。プラット氏はこの分野に着目した理由を「福島原発の事故がきっかけ」と語っている。

 日本との縁はこれだけではない。予選で首位に立ったのは東京大学発ベンチャーのSCHAFT(シャフト)。このチームを見いだしたのもプラット氏だ。米グーグルは大会におけるSCHAFTの開発したロボットの活躍に注目し、最終的に同社を買収する。日本の関係者は有望なベンチャーがグーグル傘下に入ったことを悔しがった。

 今回、トヨタが米ロボット業界の「至宝」とも言えるプラット氏と組んだことで、SCHAFTの借りを返したともみれる。もっとも同氏の手腕を生かせるかはトヨタ次第だ。これまでAIや自動運転の分野で控えめだったトヨタ。第一人者とのタッグで、どんな化学変化が起きるだろうか。

<引用終り>


どうしてビッグデータに関心があるのか。実は先日GEが製造業に回帰という事でこんなエントリーをした。
「GEが面白い事を言っている」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1178.html

ここで日本GEが7月9日に開催したフォーラム「Inventing the Next Industrial Era with Japanより、
“日本と創造する未来の産業 “と題したパネルディスカッションの内容を紹介した。

全容は上掲エントリーを見ていただきたいのだが、その中にビッグデータの話が出て来るのだ。

「製造業に押し寄せる、大変革の波」というテーマで話し合われたパネルディスカッションで纏められた話。

これからの製造業の指針:パネルディスカッションから】
1. 自らを破壊するほどの覚悟で変革しなくては、生き残ることはできない。
2. ビッグデータは、顧客自身さえ気づいていないニーズを掘り起こし、顧客のビジネスを革新することができる。
3. 顧客起点で考え、ビジネスプロセスを遡って変革することが必要。すべては顧客の利益のためである。
4. 時間をかけて100%を目指すよりも、いち早く上市し修正を重ねる方が、結果的に顧客の利益にかなう。
5. 自前主義に陥らずオープン・イノベーションで社外の力を活用し、スピードを追求することが必要。

この中の指針2にビッグデータがある。
指針-2:ビッグデータは、顧客自身さえ気づいていないニーズを掘り起こし、顧客のビジネスを革新することができる。
 データによってビジネスを革新した企業といえば、多くの人が日本ではコマツの名前をあげるでしょう。モデレーターの米倉教授の 「“いまのブルドーザーは3Dプリンター。自動で土地を造成し、道路を作る。”そう言った人がいます。コマツはまさにそのように、ソフトとハードを結びつけてきましたね」との問いかけに対しコマツの大橋社長は次のように語りました。 「建設機械・鉱山機械の分野では、こういうものがお客様に受け入れられるだろうという仮説に基づいて商品開発をします。しかし、それが本当に機能しているかどうかは、なかなか判りません。建設機械の情報を遠隔で確認するためのシステム“KOMTRAX”を開発し、実際の機械の使われ方を“見える化”することで、自分たちの仮説を検証できるようになりました。その後導入した“スマートコンストラクション”では、さらに踏み込んで、お客さま自身さえ気づいていない、本当のバリューも“見える化”することができたんです」。




GEの話は以上です。

トヨタがどんな事を考えているかは報道された範囲しか分かりませんが、トヨタ、GE、どちらも世界の製造業の巨人。
そこがこんな事を言っていることを我々も考えねばいけないと思っている。

特に最近の様に製造の自動化が進んでくると世界中何処で造ってもコストは同じ、こんな時代になろうとしている。
そんな中で我々の周囲では10年前、20年前の知識や技術が役に立たない時代になってしまったと言う事だと思う。
日本も若い人だけでなく、中高年になっても新しい知識や技術を勉強、吸収していかねばいけない時代になってしまったんだなあ。

(老骨にムチ打って走るのか・・・ブツブツ)

難しい時代になったものです。
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コメント

ビッグデータ、ちょっと混乱してます。

こんにちは、

最近ビッグデータって言葉をよく聞きますが、少し混乱しています。
1.恣意的に入力することなく、操作や制御から副次的に発生するデータの集積。
2.ネットに流れているデータから、規則付けした収集と統計処理。

メディアは外来の文化を賞賛するので埋もれてしまっていますが、前者の始まりはコンビニのレジだったと思います。
レジ打ちの通常業務で副次的に発生するデータ、何時、何処で、何が売れたか、会計ボタンの代わりに推定年齢と性別を入力、レジからLANで繋がったバックヤードのサーバで集積。
これを単に仕入・在庫の管理だけでなく、商品企画や流通全体にフィードバックしていたようで、まだ Windowsが一般化する以前でレジがPC98ベース、サーバがACOSだったので 1990年代前半の話でしょうか。

自動運転の完成度を高めるには、自動車に付けたカメラやセンサー類だけでは不十分で、他の自動車が収集したデータを織り交ぜて有効に使う、軍事で使っているデータリンクのようなものが有効だと思います。
例えば直前の車が加速しているのか減速しているのか、データが渡されればカメラで車間距離を測定するより正確ですね。
その辺りのデータの収集とネットでの共有を総じてビッグデータと称しているのではないでしょうか。

結果的に混雑緩和やエネルギーの有効利用など、自動運転だけに留まらない効果が出てきそうな気がします、一体何が出てくるのかワクワクしますね。
  1. 2015-11-07 17:27
  2. URL
  3. fcq821 #/lkjinTE
  4. 編集

日立の技術もすごいです

「データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則 」という本の Amazon の紹介記事には次のように記されています。

『日立製作所中央研究所で2006年に開発されたウエアラブルセンサ「ビジネス顕微鏡」による人間行動の研究が、いま、人間・組織・社会の理解を根本から変えようとしている。
著者自身を含め、これまでのべ100万人日以上の行動を計測、その身体活動、位置情報、センサを付けている人どうしの面会などを記録した「ヒューマンビッグデータ」が、人間や社会に普遍的に見られる「法則」や「方程式」を次々と明らかにしているのである。
そのデータから明らかになる「法則」とはいかなるものか。
法則の理解は、私たちの生活や社会をどのように変えるのか。
世界を変えつつある新たなサイエンスの登場を、世界の第一人者が自ら綴る! 』

http://www.amazon.co.jp/dp/4794220685/ref=cm_sw_r_tw_awdl_fMR0ub0B5G0EJ

組織内の人物相関がデータで示され、キーパーソンが誰なのかもまるわかり。かつて日本企業で当たり前だった社内運動会も組織の活性化に多いに効果があったはずだという。

『「知り合いの知り合い」を増やすことで組織統合を成功に導く新技術』という章など、旧世代なら接待ゴルフや「釣りバカ日誌」のハマちゃんを思い起こさせます。今時の高校生を見ていると電車で「おはよう」とあいさつした後は黙々とスマホをいじるだけ。リアルでの会話がとても少ない。

近頃のアニメでは引きこもり、ニート、コミュ障(コミュニケーション障害)の主人公も多くなっていますが、社会や組織の活性化にはリアルでの付き合い(意思疎通)が何より大事という当たり前の結論になるようです。


  1. 2015-11-07 20:42
  2. URL
  3. gai-yaang #-
  4. 編集

ビックデータを使い、自動運転のシステム作ろうという計画でしょうか?

 先日 主人と東京モーターショーに行ったら、自動運転のシュミレーション体験コーナーなどあり色々と展示していました。並んでいたので、面白そうでしたが体験はしませんでした。

 本当に自動運転ができたら、お年寄りや身障者の方が自由に外出できるのは良いことだと思います。ただ事故は起こるので、その時のリスクを出来るだけ減らさないと怖いですよね。

アラウンドビューモニター
http://www.nissan-global.com/JP/TECHNOLOGY/OVERVIEW/avm.html

 こういうアラウンドビューモニターを全車に標準装備したり、実現にはコストが問題だと思います。でも最先端の技術が詰まった工場を運営するのに、我が国の真面目な国民性がとても適しているのではないでしょうか。きっと、工場の国内回帰に繋がりますね。
  1. 2015-11-07 22:19
  2. URL
  3. 都民です。 #-
  4. 編集

Re: ビッグデータ、ちょっと混乱してます。

> こんにちは、
>
> 最近ビッグデータって言葉をよく聞きますが、少し混乱しています。
> 1.恣意的に入力することなく、操作や制御から副次的に発生するデータの集積。
> 2.ネットに流れているデータから、規則付けした収集と統計処理。
>
> メディアは外来の文化を賞賛するので埋もれてしまっていますが、前者の始まりはコンビニのレジだったと思います。
> レジ打ちの通常業務で副次的に発生するデータ、何時、何処で、何が売れたか、会計ボタンの代わりに推定年齢と性別を入力、レジからLANで繋がったバックヤードのサーバで集積。
> これを単に仕入・在庫の管理だけでなく、商品企画や流通全体にフィードバックしていたようで、まだ Windowsが一般化する以前でレジがPC98ベース、サーバがACOSだったので 1990年代前半の話でしょうか。
>
> 自動運転の完成度を高めるには、自動車に付けたカメラやセンサー類だけでは不十分で、他の自動車が収集したデータを織り交ぜて有効に使う、軍事で使っているデータリンクのようなものが有効だと思います。
> 例えば直前の車が加速しているのか減速しているのか、データが渡されればカメラで車間距離を測定するより正確ですね。
> その辺りのデータの収集とネットでの共有を総じてビッグデータと称しているのではないでしょうか。
>
> 結果的に混雑緩和やエネルギーの有効利用など、自動運転だけに留まらない効果が出てきそうな気がします、一体何が出てくるのかワクワクしますね。


そうですね、自動運転の為には他のクルマの収集したデータを利用する、こんな事も必要でしょう。
ビッグデータが注目されるのは、そのデータを扱う人が想像だにしなかったものが出て来る可能性がある事なんでしょうね。
そんな意味で今まで思いもしなかった新しいニーズを発掘したりできる。
アイディアは無限だと思います。
アメリカの様に新しいアイディアをどんどんやっていこう、こんな文化の国にはもってこいですね。
日本は一つの事を極める、こんな文化がありますからそこに生かすのは難しい。
しかしそれだからこそ狙いがいがある。
何が出て来るか分からない、そこにかけるトヨタの意気込みは凄いと思っています。
  1. 2015-11-08 06:57
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: 日立の技術もすごいです

> 「データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則 」という本の Amazon の紹介記事には次のように記されています。
>
> 『日立製作所中央研究所で2006年に開発されたウエアラブルセンサ「ビジネス顕微鏡」による人間行動の研究が、いま、人間・組織・社会の理解を根本から変えようとしている。
> 著者自身を含め、これまでのべ100万人日以上の行動を計測、その身体活動、位置情報、センサを付けている人どうしの面会などを記録した「ヒューマンビッグデータ」が、人間や社会に普遍的に見られる「法則」や「方程式」を次々と明らかにしているのである。
> そのデータから明らかになる「法則」とはいかなるものか。
> 法則の理解は、私たちの生活や社会をどのように変えるのか。
> 世界を変えつつある新たなサイエンスの登場を、世界の第一人者が自ら綴る! 』
>
> http://www.amazon.co.jp/dp/4794220685/ref=cm_sw_r_tw_awdl_fMR0ub0B5G0EJ
>
> 組織内の人物相関がデータで示され、キーパーソンが誰なのかもまるわかり。かつて日本企業で当たり前だった社内運動会も組織の活性化に多いに効果があったはずだという。
>
> 『「知り合いの知り合い」を増やすことで組織統合を成功に導く新技術』という章など、旧世代なら接待ゴルフや「釣りバカ日誌」のハマちゃんを思い起こさせます。今時の高校生を見ていると電車で「おはよう」とあいさつした後は黙々とスマホをいじるだけ。リアルでの会話がとても少ない。
>
> 近頃のアニメでは引きこもり、ニート、コミュ障(コミュニケーション障害)の主人公も多くなっていますが、社会や組織の活性化にはリアルでの付き合い(意思疎通)が何より大事という当たり前の結論になるようです。


面白そうな話ですね。
日立のやっている事の一端を色々聞きましたので良く分かります。凄い会社、その一言です。

実はgai-yaang さんには分かると思いますが、タイ人社会は「口コミ社会」なんですね。
どのようにするとあんなに早く情報が口コミで伝わるのか、本当に訳分からない。
実はタイではその口コミの速度に驚いて、どんな経路でそれが伝わっていくか、興味がありました。
結論は女学生のおしゃべりと一緒、こんな風でした。

これから益々高度な情報社会になるのは間違いありません。であるからこそ人間のコミュニケーションも一層大事。
そこの折り合いを如何つけるか、そんな所が新たな課題だと思います。
  1. 2015-11-08 07:43
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: ビックデータを使い、自動運転のシステム作ろうという計画でしょうか?

>  先日 主人と東京モーターショーに行ったら、自動運転のシュミレーション体験コーナーなどあり色々と展示していました。並んでいたので、面白そうでしたが体験はしませんでした。
>
>  本当に自動運転ができたら、お年寄りや身障者の方が自由に外出できるのは良いことだと思います。ただ事故は起こるので、その時のリスクを出来るだけ減らさないと怖いですよね。
>
> アラウンドビューモニター
> http://www.nissan-global.com/JP/TECHNOLOGY/OVERVIEW/avm.html
>
>  こういうアラウンドビューモニターを全車に標準装備したり、実現にはコストが問題だと思います。でも最先端の技術が詰まった工場を運営するのに、我が国の真面目な国民性がとても適しているのではないでしょうか。きっと、工場の国内回帰に繋がりますね。


自動運転は今ブームになっている感がありますが、実際に走り出すのは相当先でしょう。
そして自動運転が採用されるのは長距離のトラック辺りではないかと思うのです。
例えな身近な食品スーパーなどには生鮮食品が並んでいますが、これなどは九州とか東北辺りから長距離トラックで運ばれたものが多い、こんなモノのトラック運転手は長時間勤務で大変なのですが、こんな所に自動運転が有効なんです。
トラック業界などが待っているでしょうね。

それに反して高齢者向けの自動運転は難しい。アメリカの様に住宅地が広ければとも角、日本では道路も住宅地も狭いので大変でしょう。
この分野は研究はするでしょうが、最も実用化が難しいですね。
私はここ十数年、私の母、義父、義母、三人の年寄りの介護をしてきました。
それが終わったら更に叔母、そして叔父の介護も追加され、未だにそれが続いています。
色々筆舌に尽くせぬ苦労をしましたが、家族以外で一番頼りになったのがタクシーの運転手でしたね。
逆に頼りにならないのがお役人様。オッとこんな事は話が横道にそれました。

ビッグデータは自動運転と言うより、全く新しいビジネスなどへのアプローチに使える、そんな可能性を秘めているので重要と言う話しなんです。
トヨタは何が出て来るか分からない研究に1200億円ものカネを投じる。ひょっとすると今のビジネスが無くなるかもしれない可能性に対してです。
面白いと思います。
  1. 2015-11-08 08:24
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

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