2015-11-05 17:33

東西経済回廊がヒッソリ開通していた

 インドシナ半島を横断する東西経済回廊について何度かエントリーしてきた。
マラッカ海峡を通らずに南シナ海、タイ湾からインドシナ半島を横切り、ベンガル湾、インド洋に抜けるルートである。
このルートのうち東西経済回廊の未開通部分ミャンマー側が2015年に開通することは以前から知っていた。しかし全く報道が無かったのだが、いつの間にかヒッソリ開通していた。

これが東西経済回廊

2015-11-5東西経済回廊



この回廊を使ってミャンマーからタイのバンコクへ物流ルートを開拓したことが報道されている。
ミャンマーの最大の都市ヤンゴン(ラングーン)からモーラメイン⇒タイのメソート⇒ターク⇒バンコク⇒船積、こんなルートだ。

このモーラメイン⇔ターク間はテナセリム山脈を越える極々狭い山道しかなく、従来は一日おきに西行き、東行きの一方通行で物流上の大ネックになっていた。
旧ルートのついては以下参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-978.html
そこを整備し、自由に交通できるようにする。勿論日本のODAで建設されているルートである。


しかし不思議な事に完成したら大々的に報道されるはずなのだが、全く報道が無かった。
現地はカレン族など少数民族の居住地、そして間もなく総選挙なので政治的な配慮があったのだろうか。
またはヤンゴンからの接続道路が未完成なのだろうか。
其れともマラッカ海峡を通らないルートなので、何かほかの配慮なのかも。
(マラッカ海峡の重要性については後述)

何はともあれ、新しい物流ルートの報道はこんなモノ。

<以下引用>

南海通運/ミャンマーからタイ陸送経由で日本への物流開始
2015年11月04日 
http://lnews.jp/2015/11/h110406.html

南海通運は11月4日、 ミャンマー国内工場から陸送で国境を経てタイ(バンコク)へ、 更にバンコク港から船便で日本主要港への一貫物流を11月から開始したと発表した。

2015-11-5ミャンマーからの輸送ルート

2015-11-5ミャンマーの新バイパス写真

4月に発表したタイ(バンコク)からミャンマー(ヤンゴン)への国境陸送混載便による輸入は、 その後順調に物量・荷主数が伸びている。 これに加えて、 各荷主(特に衣料縫製関連企業)からは逆方向のミャンマー発日本への輸出に対する納期短縮の要望が数多く寄せられた。
ミャンマーから陸送(トラック)でバンコクまで運び、 バンコク港から船便(FCL)で日本主要港まで届ける「バンコク経由陸海ルート」 を、 約2週間(13~15日)の納期で実現した。
本来の 「シンガポール経由海上ルート」 に比べ、 約1週間の納期短縮となる。

同社の陸送ルートを使えば、 ドアツードアの納期で比較すると、 タイから出荷の資材の送り込みで10日間短縮、 日本向けの完成品の輸出で1週間の短縮、 合計2~3週間のリードタイム短縮が可能となる。
ミャンマーに発注できる製品の幅が広がることも期待され、 タイ・ミャンマービジネスの促進に大きく貢献するものと思われるとしている。

これまで、ミャンマー国境の町(ミャワディ)からコーカレイまでの約40kmの山岳部の悪路が国境物流のネックの一つとなっていたが、8月下旬にバイパス道路が開通し、 大幅に安全性が改善された。
相互通行も可能となり、 4時間の山越えも40分程度に短縮されたため、 利便性も大きく高まった。
また、 アメリカ経済制裁等の影響を受けている港湾貨物や航空貨物の混乱を避ける第3のルートとしても注目を集めており、 国境物流の重要度が更に増すという。
現時点では、 ミャンマーとタイのトラックの相互乗り入れが認められていないため、 国境での載せ換えと、 バンコクでのコンテナバンニングの2回の作業が発生する。
価格の面ではヤンゴンからコンテナ船を使った場合に比較して、まだ割高であるが、納期短縮と貨物追跡情報の透明化等大きなメリットもある。
今後、 価格を抑える方法として、トラックの両国相互乗り入れの一日も早い実現が望まれるが、 往復の貨物を増やすことでトラックの利用効率を上げる等の企業努力により、 国境物流のさらなる安定化・低価格化・利便性の追求を推し進めていくとしている。

<引用終り>


さてこんな物流だがどうしてこんな苦労をしてまで新しいルートを開拓するのか。それはこの地域最大の隘路、マラッカ海峡を理解しないと分からない。
マラッカ海峡については以下参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-965.html

上掲エントリーでも紹介したこんな図、日本、中国からアセアン、インド、アラビア、そしてヨーロッパ方面の図。

2015-11-5東西経済回廊とマラッカ海峡周辺

今南シナ海が問題になっている。中国の赤い舌だ。この舌の先がマラッカ海峡。
マラッカ海峡を抜ければその先はインド、インド洋、そしてアラビアからヨーロッパに出られる。
昔から交通の難所中の難所がマラッカ海峡だった。現代でも海賊が跋扈する危険な海である。

そんな危険な海を通らないルートが出来た。
小さな一歩だが日本にとっては新たな世界の開ける一歩になると思う。大いに期待したい。
  1. タイ
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  3. CM(6)

コメント

そうなると、なおのこと南シナ海を中華人民共和国のいいようにさせない事が大事になってきますね。
  1. 2015-11-05 23:07
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  3. taigen #-
  4. 編集

車は右?

 本当に全然知りませんでした。これでAECがかなり結びつきを強めてくるのでしょうか。シンガポ-ルなどは、あまり歓迎しないのですか。これからの動きが楽しみです。

 ところでタイは日本と同じく車は左側を通行しますが、他は逆だと思います。相互乗り入れをしたら、事故が心配ですね。イギリスでは、外国人が時々それが原因で事故を起こすみたいですが。日本と韓国も相互乗り入れをしていますが、治安と安全面が心配です。日本で犯罪を犯してすぐに帰国できてしないますよね。
  1. 2015-11-05 23:18
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  3. Cherry Blossoms #-
  4. 編集

To:taigen さん

> そうなると、なおのこと南シナ海を中華人民共和国のいいようにさせない事が大事になってきますね。


そうなんです。
南シナ海が中国の赤い舌と言われていますが、その舌の狙う先が問題なんです。
狙いはマラッカ海峡、国ではインドネシア・シンガポール・マレーシア、いずれも華僑が牛耳っている国ですね。
此処を抑えれば間にかあった時マラッカ海峡を封鎖できる⇒日本が干上がる、こう言う構図です。
こんな目で中国の動きを見てください。
最近のインドネシアの高速鉄道問題、こんなモノもこの遠大なプランの一環です。
中国がさらにその先、広大なインド洋、アラビア方面を狙っているのでパキスタンは既に中国の属国となっています。
こう見てくると沖縄問題も本質が見えてきますね。
  1. 2015-11-06 09:40
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  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: 車は右?

>  本当に全然知りませんでした。これでAECがかなり結びつきを強めてくるのでしょうか。シンガポ-ルなどは、あまり歓迎しないのですか。これからの動きが楽しみです。
>
>  ところでタイは日本と同じく車は左側を通行しますが、他は逆だと思います。相互乗り入れをしたら、事故が心配ですね。イギリスでは、外国人が時々それが原因で事故を起こすみたいですが。日本と韓国も相互乗り入れをしていますが、治安と安全面が心配です。日本で犯罪を犯してすぐに帰国できてしないますよね。


クルマの右側・左側通行ですがあの辺りはこうなっています。
インドシナ半島のタイ・マレーシア・インドネシア・シンガポールは左側通行(右ハンドル)
更に南アジアはインドとその周辺パキスタン・バングラデシュ・ネパール・スリランカ、この辺りはすべて左側通行右ハンドルです。
その中にあってミャンマーだけが右側通行左ハンドル。旧イギリス植民地なのになぜと思いますが、ミャンマーはイギリス植民地だったけれど非常に反英意識が強う国、多分その為に変えたのではないかと思います。

タイからラオスへの国境を超える橋には橋のラオス側(右側通行)に行くため車線をクロスさせて入れ替えるようになっていますね。今は交通量が少ないから大した問題になっていませんが、矢張りその関連の事故は増えてくるのはやむを得ないと思います。

日本と韓国の話は車云々の以前に最早あの国とまともには付き合えない所まで来てしまいました。
来年には韓国駐留の米軍が撤退しますのでいよいよ最後の歯止めが外れる時が来ましたね。
日本人も覚悟せねばいけません。
  1. 2015-11-06 09:57
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  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

 お返事、ありがとうございます。意外と左側通行が多いのですね。ベトナムは右側通行でしたよ。

 ホーチミンから、バンコクまでの回廊については、NHKで特集を組んで、報道していたのですね。(4月)みてみればよかったなと思いました。漫然とネットを見てても入ってこない情報もありますね。

 内乱は半島のみで全力を尽くしてもらいたいと願ってます。
  1. 2015-11-06 14:57
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  3. Cherry Blossoms #-
  4. 編集

To:Cherry Blossoms さん

>  お返事、ありがとうございます。意外と左側通行が多いのですね。ベトナムは右側通行でしたよ。
>
>  ホーチミンから、バンコクまでの回廊については、NHKで特集を組んで、報道していたのですね。(4月)みてみればよかったなと思いました。漫然とネットを見てても入ってこない情報もありますね。
>
>  内乱は半島のみで全力を尽くしてもらいたいと願ってます。


ベトナム・ラオス・カンボジアが右側通行左ハンドルですね。つまり旧フランス植民地はフランスの社会制度を取り入れたので右側通行。そう言う事なんです。逆に左側通行の国はイギリスの社会制度を取り入れたのでそうなった、こんな事情です。
ついでに言えば旧フランスの植民地だった所は何処も「パンがおいしい」、ベトナムもそうですよね。

所でホーチミンからカンボジア方面は今年4月にメコン川に新しい橋が開通しています。名づけて「つばさ橋」。
日本は現地の言葉で名前を付けてくれと言ったんですが、現地政府の希望で日本のODAでかけてもらった橋だからという事で「つばさ橋」。
まあキャプテン翼が向こうでも有名なので、そんな名前に違和感はないと思います。

この橋を出来たのでホーチミンからカンボジアを通ってバンコクまでの南部回廊が出来た。あとはバンコクからミャンマーまでの道路が出来れば南部東西回廊完成ですね。今そこもミャンマーのダウェイまでの国道工事が進んでいるので、そう遠くない時期に開通するでしょう。

但し今ミャンマーの総選挙が近づいていまして、イギリスがスーチーに無茶苦茶テコ入れをしていますから、イギリスの巻き返しがあるでしょうね。詳しくはいずれエントリーします。
  1. 2015-11-06 18:34
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  3. 短足おじさん二世 #-
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