2015-10-17 21:18

姫路城の伝説

 横浜で高級マンションが傾いている事が発覚した。例えばこんな報道。
“安心”も傾いた横浜のブランドマンション 住民に怒りと不安「はらわた煮えくりかえる」
http://www.sankei.com/affairs/news/151016/afr1510160027-n1.html


所で話は変わるが、私は建物が傾いたと聞くたびに思いだす伝説がある。あの国宝姫路城にまつわる伝説である。

2015-10-17姫路城1


先ずはどんな話かというと

姫路城の伝説
姫路城の公式HPより
http://www.city.himeji.lg.jp/guide/castle/about/history.html

棟梁・桜井源兵衛の死
池田輝政による姫路城築城の時、完成した天守から一人の男が身を投げて自殺したといわれています。その男の名は、城普請にあたった大工の棟梁・桜井源兵衛。

2015-10-17姫路城2

輝政に命じられ、9年間、寝る間も惜しんで仕事に打ち込み、やっと完成した姫路城。しかし、彼には、丹精込めて造り上げた天守閣が巽(東南)の方向に少し傾いているように思えてなりませんでした。
そこで妻を伴って天守に登ると、「お城は立派ですが、惜しいことに少し傾いていますね」と指摘されてしまいます。「女の目に分かるほどとすれば、自分が計った寸法が狂っていたに違いない」とがくぜんとした源兵衛は、まもなくノミをくわえて飛び下りたといわれています。
実際に城が東南に傾いていたのは解体修理で確かめられています。本当の理由は、東と西の石垣が沈んだためでした。

<引用此処まで>


こんな話が有る事は以前から知っていたが、今回の解体修理でその実態が分かった。伝承は確かだった、すばらしい発見である。
棟梁さん、事実はあなたのせいじゃ無かったよ、なにも死ぬことは無かったのにねえ・・・

でも命をかけて自分の仕事を全うする、こんな気概は実に見習うべきものと思う。

所で何故こんな事が起こるか、こんな建物は瓦とその下の葺土の重量が非常に大きい。
だから棟上げを終わった時と瓦を葺いた後では当然寸法など変わってくる。
有名なところでは東大寺の大仏殿、解体修理で屋根瓦を下したところ軒先が1メートルも上に上がったと言う。

まあこんな所が木造建築の難しさなのだが、この姫路城が傾いていた、誰も見ても分からないモノが如何して大工の棟梁には分かったのか、そんな事を昔何かの本で読んだことがある。
棟梁は建築中絶えずまっすぐに立っているかチェックしている。そんなチェックポイントが必ずあるのだと言う。
分かりやすい所では五重塔、まっすぐ立っているかどうかは芯柱最上部から錘を吊り下げてみれば一目瞭然。
そんな風にチェックできるように錘を上から下まで通せるようになっているのだとか。

現代の建築はどうなっているのだろうか。
今はレーザーなどで精密に測量できるはずなのだが、レーザーの光より山吹色の光の方が強いのかもしれないなあ・・。
  1. 社会一般
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コメント

 傾いたマンションの隣のららぽーとは、小さいお子さん連れの多い賑やかなショッピングモールで楽しい所です。でも住人の方は、学校や職場の事があるから一時的にでも引っ越すのは大変だと思います。業者は建て替えると言っているそうですが、どのくらい時間がかかるのかまだ分らないようです。

 私は建築を見るのが好きで、特に木の建物が良いです。姫路城は、テレビで観るだけですが綺麗な姿のお城ですね。建てた棟梁が、責任を感じて身を投げたのはそれだけ仕事に精魂込めていたからだと思います。今でも日本の職人さんは最終的には機械ではなく体の感覚で計ると「和風総本家」という番組で知りました。

 以前「プロジェクトX」で、法隆寺の宮大工棟梁だった西岡 常一さんが(修復の時に屋根 を支える隅木を設計よりも五センチ高く組んだ理由を聞かれて)「歳月の重みで屋根の反りは落ちていく。千年後に、設計通りになる。」と言ったお話を観ました。そんなに長い目でお寺の修復工事をしていたことに、本当に感動しました。姫路城の棟梁もそういう心構えだったのもしれませんね。
  1. 2015-10-17 22:29
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  3. 都民です。 #-
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To:都民です さん

>  傾いたマンションの隣のららぽーとは、小さいお子さん連れの多い賑やかなショッピングモールで楽しい所です。でも住人の方は、学校や職場の事があるから一時的にでも引っ越すのは大変だと思います。業者は建て替えると言っているそうですが、どのくらい時間がかかるのかまだ分らないようです。
>
>  私は建築を見るのが好きで、特に木の建物が良いです。姫路城は、テレビで観るだけですが綺麗な姿のお城ですね。建てた棟梁が、責任を感じて身を投げたのはそれだけ仕事に精魂込めていたからだと思います。今でも日本の職人さんは最終的には機械ではなく体の感覚で計ると「和風総本家」という番組で知りました。
>
>  以前「プロジェクトX」で、法隆寺の宮大工棟梁だった西岡 常一さんが(修復の時に屋根 を支える隅木を設計よりも五センチ高く組んだ理由を聞かれて)「歳月の重みで屋根の反りは落ちていく。千年後に、設計通りになる。」と言ったお話を観ました。そんなに長い目でお寺の修復工事をしていたことに、本当に感動しました。姫路城の棟梁もそういう心構えだったのもしれませんね。


高価なマンションに暮らして、ローンの支払いに四苦八苦している方たちには本当の腹の立つ話だと思います。
でも傾いたと言っても大した傾斜ではない、床にボールを置いたらコロコロ転がってしまうような傾きの所でも人は住んでいますからね。マスゴミが騒ぎすぎ、そんな風にも感じます。
当事者としては引っ越しを二度もせねばならない、大変であることは確かですね。
問題はこんな不祥事が起こるような日本の劣化、これを問題にすべきでしょう。私には最近被害者救済云々が大きく取り上げられすぎて責任の所在があいまいになっている事の方が問題と思います。
不正を行ったのは二次下請けのある特定の人だったらしいと報道されていますが、私に言わせればその人の上司なり品質管理の担当部署なりは何をしていたのか、元請の責任者はどうなっているのか、発注先を選定した調達部署は単に価格だけで決めていませんか、こんな疑問がぞろぞろ出て来ます。

所で建築がお好きですか。良いご趣味ですね。
建築にはその時を生きた人たちの色んな思いが詰め込まれている。そしてそれを使い続けた人が更にそれに磨きをかけている。
そう思っています。
法隆寺の様に千年以上前のモノが今も現存し、今なお使い続けられている、これが素晴らしいですね。
そして法隆寺の様な木造建築は常に修理し続ける必要があります。だから法隆寺には専属の宮大工がいまして、西岡さんも確かその家系の人だった筈。
そんな人が常々古い建物に手を入れているからこそご指摘のように何百年先にどうなる、こんな事が言えるんでしょうね。
  1. 2015-10-18 11:14
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  3. 短足おじさん二世 #-
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はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。姫路城にはそのような伝説があったのですね。
旅行で行った京都の知恩院 三門にて白木の棺という伝説を聞きました。
http://www.chion-in.or.jp/04_meiho/fus/shir.html

当時の棟梁さんと今の工務店を比べるの酷ですかね?
  1. 2015-10-19 11:41
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  3. source-que #-
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こんばんは。

昔、大学に行っていた時のアパートは昭和30年代の代物で傾いてました。
4年間の期限の住処でしたので、住めば都でした。
ローンを組んで住むとなるとそんなのんきなことは言っていられないでしょうが。
通潤橋の建造の時の棟梁の覚悟の話がありますが、姫路城の棟梁といい今はそういう方はほぼいないのでしょうねえ。
  1. 2015-10-19 20:15
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  3. koguma #-
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To:source-que さん

> はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。姫路城にはそのような伝説があったのですね。
> 旅行で行った京都の知恩院 三門にて白木の棺という伝説を聞きました。
> http://www.chion-in.or.jp/04_meiho/fus/shir.html
>
> 当時の棟梁さんと今の工務店を比べるの酷ですかね?


いらっしゃいませ、コメント有難うございます。
知恩院にそんな話が有った事、知りませんでした。でもその棟梁の心意気は凄いですね。
この当時の棟梁と今の工務店との比較は難しいですが、しかし今の日本にもそんな精神は生きていると思っています。

私はタイで仕事をしていまして、新しく工場を作る時何処に発注するか、そんな事を色々調べましたし、他の会社の発注先選定にもいろいろアドバイスもしました。
日系メーカーが日系ゼネコン、例えば鹿島、竹中などに発注するのはまあ分かります。
しかし欧米の会社がタイに進出する時、建築を任せるのは矢張り日経ゼネコンが多かったです。
だから日経ゼネコンを選んだメーカーの人とも何度か話をしました。答えは何時も同じ、出来栄え、品質、アフターサービス、信頼性、どれをとっても日系メーカーの右に出る地場メーカーや欧米のゼネコンは無い、これでした。
昔からの誠実なもの造りは今日も生きています。海外で間違いなく立証しています。
  1. 2015-10-19 22:17
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  3. 短足おじさん二世 #-
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含蓄のあるお話

面白い、含蓄のあるお話、ありがとうございます。

今回のマンションの杭の件、日本人らしからぬ出来事ですネ。
一瞬隣国のことかと思いました。
先日の豪雨で、流されなかった白い建物が、旭化成のヘーベルハウスだったとか?で、旭化成は一躍名を挙げたばかりなのに、あっという間に地獄に転落です。

>棟梁さん、なにも死ぬことは無かったのにねえ・・・
>でも命をかけて自分の仕事を全うする

棟梁さんは、自分の仕事の品質に命をかけていたのだと思います。
後世に、「この城を建てた大工は大した腕ではなかったみたいだな」と言われることが、死ぬより辛いことだったのでしょう。わかりますネ。
今回の解体工事で原因が判明し、棟梁さんもやっと浮かばれますネ。


私の女房は、積水でアパートを建てたのですが、その下請け業者が「積水は検査が厳しく、少しの瑕疵でもすべてやり直させられる。緊張の連続だ」とぼやいていました。
今回のマンションの杭の件は、日頃の検査体制にゆるみがあったのだと思います。

  1. 2015-10-19 23:38
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  3. 道草人 #-
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To:koguma さん

> こんばんは。
>
> 昔、大学に行っていた時のアパートは昭和30年代の代物で傾いてました。
> 4年間の期限の住処でしたので、住めば都でした。
> ローンを組んで住むとなるとそんなのんきなことは言っていられないでしょうが。
> 通潤橋の建造の時の棟梁の覚悟の話がありますが、姫路城の棟梁といい今はそういう方はほぼいないのでしょうねえ。


なるほど、通潤橋にもそんな話が有ったんですか。知りませんでした。
しかし何か新しい、巨大な仕事をする時にはそれ位の心構えが必要と言う事なんでしょうね。納得です。

それからそんな棟梁の心意気、これは現代にも生きていると思います。
私はタイに居ましたので、タイに進出した日本のゼネコン(大手総合建設会社)がどう評価されているか知っています。
他の方へのコメントにも書きましたが、欧米企業型に進出する際、工場建設を任せるのが日系ゼネコンでした。
彼らにしてみると欧米系ゼネコンの方が意思疎通面で使いやすいし、地元ローカルならコストは安い。しかし日系ゼネコン(鹿島とか竹中とか)を選ぶのは出来栄え、品質、アフターサービス、信頼性、どれをとっても日系メーカーが優れていると判断したためです。そんな事を決めた欧米系メーカーの人と話をしましたので間違いありません。
こんな事は報道されませんが、大いに自信を持っていいと思っています。
  1. 2015-10-20 05:39
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  3. 短足おじさん二世 #-
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Re: 含蓄のあるお話

> 面白い、含蓄のあるお話、ありがとうございます。
>
> 今回のマンションの杭の件、日本人らしからぬ出来事ですネ。
> 一瞬隣国のことかと思いました。
> 先日の豪雨で、流されなかった白い建物が、旭化成のヘーベルハウスだったとか?で、旭化成は一躍名を挙げたばかりなのに、あっという間に地獄に転落です。
>
> >棟梁さん、なにも死ぬことは無かったのにねえ・・・
> >でも命をかけて自分の仕事を全うする
>
> 棟梁さんは、自分の仕事の品質に命をかけていたのだと思います。
> 後世に、「この城を建てた大工は大した腕ではなかったみたいだな」と言われることが、死ぬより辛いことだったのでしょう。わかりますネ。
> 今回の解体工事で原因が判明し、棟梁さんもやっと浮かばれますネ。
>
>
> 私の女房は、積水でアパートを建てたのですが、その下請け業者が「積水は検査が厳しく、少しの瑕疵でもすべてやり直させられる。緊張の連続だ」とぼやいていました。
> 今回のマンションの杭の件は、日頃の検査体制にゆるみがあったのだと思います。


全く同感です。
そして今回の事件を日本人全体の問題として、こんな問題を起さないための組織のあり方やトップの姿勢などを改善するきっかけにしていくことが必要だなあ、そう思っています。
日本も金の為には少々手抜きしても良い、そんな拝金主義の悪弊が蔓延してきているようです。

昔トロイ遺跡の発見で有名なシュリーマンが江戸時代末期の日本にやってきて非常に驚いたとしてこんなことぉ書き留めています。
曰く、武士にとって最大の恥辱は「賄賂を受け取る事だ」、こんな事が著書に書かれています。
そんな武士の魂がまだ残っている事を信じたいですね。
  1. 2015-10-20 09:15
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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