2015-10-03 15:06

根の深いVW不正問題

 VWの不正ソフト問題でドイツが大揺れに揺れていると報道されているが、そんな状況が具体的にわかるデータが出てきた。
プリウスの設計者OBの八重樫さんと言う方のブログに興味深いデータがあった。
八重樫さんは昨年11月、ベルリンで今回の問題を取り上げた環境NPO、ICCTの方と話合いをしてきたのだと言う。
その時入手した欧州の自動車の排気ガス中のNOx(窒素酸化物)のデータである。

大変興味深く、この問題の根の深さが分かるのでそれを紹介。

最初に八重樫さんのブログはコレ
「クリーンならぬ、ダーティ-・ディーゼル:その2」
http://www.cordia.jp/blog/?p=1822

此処にこんなグラフがある。

2015-10-3欧州の乗用車排ガス実測データby八重樫さん

実際の使用状態での排気ガス中のNOx濃度をガソリン車(左側・青色)とディーゼル車(右側・赤色)で表したモノ。
横軸は測定した車両の年式、縦軸はNOx濃度、
左側の青四角印はガソリン車の実測値、階段状に下がっているのがNOx規制値。
右側の赤四角印はディーゼル車の実測値、階段状の線は段階的に強化されたNOx規制値。

これを見るとガソリン車は段階的に強化された規制値と実測値がよく合っている。規制が護られた証拠である。
しかしディーゼル車は規制値が段階的に厳しくなってきているが、実測値は古い年式のクルマも新しい年式のクルマも大して変わらない。規制が全く守られていないのだ。
見出しに[emissions enforcement is non-existent]と書いてある。排ガス規制は存在しないと言う意味で非常に強い言い方だ。


もう一つがコレ
新車の年度ごとの規制値と実際の排出量を比較したもの

2015-10-3欧州の乗用車排ガス実測データby八重樫さん2

左上から2000年のEURO3、右上が2005年のEURO4、左下が2009年のEURO5、右下が2014年のEURO6を現わす。
赤色点線の吹き出しが規制値、グレーの雲形吹き出しが実際の排出量である。

左上2000年の場合、規制値0.5に対し現実は1.0、右上2005年は規制値0.25に対し実際は0.8、左下2009年は規制値0.18に対し実際は0.8と何ら変わらず、右下2014年は規制値0.08に対し実際は0.6.
規制値に対し何倍のNOxを出しているかの比率では15年前より悪化。
実に2014年になっても実際の排出量は2000年の規制値すら満足しない、こんな現実を表わしている。


こんな問題が出てくる背景には年々悪化する大都市の環境悪化が有るのだろう。
これは2015年3月18日のパリの空、エッフェル塔が霞んでいる。見やすいように白の矢印を付けましたが見えるでしょうか。

2015-10-3スモッグに霞むパリの空15年3月18日
http://jp.wsj.com/articles/SB11871187576556893798304580533032371808768

記事によれば、余りにもスモッグが酷いので車のナンバー末尾の偶数と奇数で分け、乗り入れ規制をしているとか。

そう言えば日本だって昔はこんな事も有った。

2015-10-3スモッグに霞む銀座1959年
1959年(昭和34年)1月の銀座、和光の時計の文字盤さえ見えない・・・ 

しかし日本の高度成長期と同じようなスモッグが欧州の大都市を覆っている。ヨーロッパは環境先進国と言う話は全くのマボロシだったのだ。

この問題を最初に取り上げた時、ロンドンに3週間ほど滞在した人が洗濯すると水が真っ黒になる、こんな話をっ紹介した。
そこにいつも興味深いコメントを寄せてくださるNINJA300さんがこんな事をコメント下さった。
ご自身のロンドン滞在経験から、ロンドンでは顔を拭くとタオルが真っ黒になるとの事、この様に環境の悪い所、そんな事が良く分かるエピソードです。


冒頭紹介した排ガスのデータ、こんなモノが漏れ出てくると言う事は現地ではもっとすごいデータが把握されていると思って間違いない。そんな上でこんなデータを突き付けても、環境や産業を管轄する政府当局がさっぱり動かないのだろう。
マスコミなどをプッシュしても「規制値には合格したクリーンなクルマだ」、こんな事を言うばかりだったのではないか。
この問題は自動車メーカーだけでなく政治家や各方面の官僚、更にはマスコミも巻き込んだ問題になると思う。

ドイツは大変な問題を抱え込んだものだが、多分日本にも何らかの影響があると思う。
移民問題と並んで、目が離せない事態ではある。



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コメント

 VWの壮大な不正は、どう収拾する気でしょうか?この件はドイツやEUぐるみの行為だった可能性があるそうです。そうすると米国での公聴会では、以前に豊田社長が不正がなかったのに酷く罵られたくらい厳しいものですから、随分と罰金を科せられ責め立てられるでしょうね。

 そして中国での販売数を考えると工場と共に、大気汚染の原因になっていますね。そのせいで亡くなった方がたくさんいますから、これは酷い犯罪だと思います。でも欧州での大気汚染も酷いのなら、自分で自分の首を絞めてしまっています。儲けの為なら何でもする、怖い人達だと思います。

 日本が欧州で売っているデイーゼル車は、性能が良いと聞きました。日本の会社に悪い影響がないと良いのですが。
  1. 2015-10-03 18:05
  2. URL
  3. 都民です。 #-
  4. 編集

ちょっと酷すぎますね

これは相当酷いですね。ディーゼル乗用車の排出ガス(窒素酸化物)は1995年から2000年にかけて却って増加していますね。
LCV(小型商用車)に至っては2003年頃まで増え続けています。
1995年から2010年までの間、規制値を下げても実走行では規制前と殆ど変わらない状態で運用されていたと言えます。

規制当局がこの実態に全く気付かなかったとは考えられません。そうだとしたら、考えられないほどの無能者集団だということになります。
簡便なテスト方法を決めだけで、後は知らん振りでは何のための規制当局かということになります。
より実態に合ったテスト方法に早急に切り替え、実現可能な規制値を決めて厳しく監視する体制を作るべきでした。
メーカーだけで無く、この問題を放置してきた規制当局の責任も厳しく追及されるべきでしょう。
  1. 2015-10-03 22:04
  2. URL
  3. 団塊ノンポリ #-
  4. 編集

To:都民です さん

>  VWの壮大な不正は、どう収拾する気でしょうか?この件はドイツやEUぐるみの行為だった可能性があるそうです。そうすると米国での公聴会では、以前に豊田社長が不正がなかったのに酷く罵られたくらい厳しいものですから、随分と罰金を科せられ責め立てられるでしょうね。
>
>  そして中国での販売数を考えると工場と共に、大気汚染の原因になっていますね。そのせいで亡くなった方がたくさんいますから、これは酷い犯罪だと思います。でも欧州での大気汚染も酷いのなら、自分で自分の首を絞めてしまっています。儲けの為なら何でもする、怖い人達だと思います。
>
>  日本が欧州で売っているデイーゼル車は、性能が良いと聞きました。日本の会社に悪い影響がないと良いのですが。


 最初にこの件が単にVWだけの問題ならば、そして部品を替えて済む話なら・・・、罰金が何兆円であろうとも立て直すことは可能でしょう。
しかしVWとしては短期的には売る車が亡くなってしまった、長期的にはブランドイメージが木端微塵。これが痛いでしょうね。
販売台数は1割とか2割の減少ならまあしめたものと言えます。
多分かなり早い時期に排ガスをキチンと対策した車が公表されると思います。当然試乗レポートなどが出回りますが、余りの動力性能の低下、燃費の悪化に愕然とするはずです。そんな事が明るみに出るともう一度ショックが走るでしょう。

車のユーザーとしては、キチンと法規制に合格させればこんな程度の性能しかない平凡なクルマ、それを排気ガスを犠牲にして優雅な高性能を楽しんでいたことが分かってしまう。これは多分文化の、或いは文明の崩壊と言っても良い話になると思います。
犠牲にしたのが環境です。大都市のPM2.5問題で騒いだのは何だったのか 、そんな事になる筈です。

更に大きな問題があります。欧州規制当局の隠蔽体質。此れも大問題となるのは間違いありません。
更にその上マスコミの姿勢、労組の体質、こんな所も火がつく筈です。
結局欧州の文化そのもの、伝統そのものへの疑問が出てくるので、収拾付かないですね。

そんな時問題になるのが「何がVWをこんな不正に走らせたか」、この犯人探しが始まります。
理由の一つが日本との環境技術開発競争に敗れた、プリウスショックとでもいえるでしょう。

どう収拾をつけるかは私にも回答は有りません。多分社会の仕組み全体の問題になると思います。
  1. 2015-10-03 22:09
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: ちょっと酷すぎますね

> これは相当酷いですね。ディーゼル乗用車の排出ガス(窒素酸化物)は1995年から2000年にかけて却って増加していますね。
> LCV(小型商用車)に至っては2003年頃まで増え続けています。
> 1995年から2010年までの間、規制値を下げても実走行では規制前と殆ど変わらない状態で運用されていたと言えます。
>
> 規制当局がこの実態に全く気付かなかったとは考えられません。そうだとしたら、考えられないほどの無能者集団だということになります。
> 簡便なテスト方法を決めだけで、後は知らん振りでは何のための規制当局かということになります。
> より実態に合ったテスト方法に早急に切り替え、実現可能な規制値を決めて厳しく監視する体制を作るべきでした。
> メーカーだけで無く、この問題を放置してきた規制当局の責任も厳しく追及されるべきでしょう。


こんな抜け穴だらけの規制をもっと実際の走行に合わせた規制に変えようとした事も有ったようです。
しかしその度に政治家が出てきて、そんな話を潰してきたとの報道もありました。
だから規制当局も政治家も全部グルと言って良いでしょう。
しかもNPOなどが騒いでもマスコミもとり上げなかったのではないでしょうか。
それから労組もこの問題を騒ごうとする行政に圧力をかけていたようです。
この様な経緯を見ると、どう見ても欧州内では解決がつかないのでアメリカにタレこんだ、こんな風に見えます。
益々ひどい話ですね。
  1. 2015-10-03 22:23
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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 なんかこれを見ていると、VWは最初から『排ガス規制なんか糞喰らえ」と思っていたのでは?と考えてしまいます。

 一方欧州当局は、メーカーが守る意思のない事を承知で、数字だけ排ガス規制を強化して「環境先進国」を名乗ったのでは?
 
 まあ守る意思のない規制なら幾ら強化しても無問題です。

 ドイツでは自動車業界の政治力が強くて、そもそも政治の中枢に自動車業界のトップが常に入り込んでいるそうですから、こういう事もできるのでしょう。

 それにしても無茶苦茶ですね。
  1. 2015-10-04 13:42
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

以前VWが途上国向けにターボ車を売りまくるという話が出ていた時に、この会社は途上国の環境問題などを考えているのかと思ったことがありましたが、何の事はない、自分たちの環境問題も考えていなかった、それだけのことですね。それはそれで清々しいくらいの滓ですが、キレイ事だけは言わないでくれというのは確かでしょう。

連中は新型のエンジンはユーロ6の規制をクリアしてるなんて言ってましたがここでも嘘だったんでしょうか。ここまで来たらもうやれることをやるしか無いでしょう。PMとNOxの両立が難しいのですから、NOxがどうにもならない以上NOvを下げてPMを犠牲にしそれをパーティキュレーターを使うしか無いでしょう。

連中はこうした努力もしてないんじゃないでしょうか。NOxを下げるということは燃焼温度を下げることにほかなりませんからこれは燃費の減少を意味します。でもそれはもう我慢しなければいけないことでしょう。マツダあたりにしても圧縮比をあそこまで下げる以上燃費をある程度犠牲にする覚悟はあるはずです。

その辺りを考えなければいけないところに来てるんでしょう。
石原都知事が以前問題にしていた黒い粉はPMでした。パリの写真を見るとこの辺りもいい加減なのでしょう。


  1. 2015-10-04 17:17
  2. URL
  3. kazk #cPv2SIBE
  4. 編集

To:よもぎねこさん

>  なんかこれを見ていると、VWは最初から『排ガス規制なんか糞喰らえ」と思っていたのでは?と考えてしまいます。
>
>  一方欧州当局は、メーカーが守る意思のない事を承知で、数字だけ排ガス規制を強化して「環境先進国」を名乗ったのでは?
>  
>  まあ守る意思のない規制なら幾ら強化しても無問題です。
>
>  ドイツでは自動車業界の政治力が強くて、そもそも政治の中枢に自動車業界のトップが常に入り込んでいるそうですから、こういう事もできるのでしょう。
>
>  それにしても無茶苦茶ですね。


私はこの件は環境技術開発で日本に負けたドイツが起死回生を狙って仕組んだと見ています。
ドイツにとっては多分プリウスが一番のショックだったんでしょう。
特に初代プリウスは車としては出来が悪かったが2代目は正に未来のクルマを体現していました。
一番利いたのがアカデミー賞授賞式に豪華リムジンで乗り付けるのが当たり前だったのがプリウスで乗り付けるのが高い評価を得た事でしょう。
未来の世界はこんな車になるんだと言う強烈なメッセージでしたのでね。

しかし今回の件は単にカーメーカーだけでなく、部品メーカー(特にボッシュ)、規制当局、労組、政府と政治家、全部がグルになって突っ走っています。
こんな状況はヒットラー・ナチスを台頭させたあの時の熱狂と同じ。(移民問題も同じです)
そしてこれはゲルマン民族の悪のDNAだと言う人もいます。

こんな事だからドイツ問題などという言い方をされるのかもしれません。
  1. 2015-10-04 18:30
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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政治か技術か。

こんばんわ、

問題提起をした石原慎太郎元知事の評判が上がっていますが、今回コモンレールからNOx抑制まで一連の技術の説明を頂きまして、業界の自主的な立ち上がりは早く、ある程度目途が立っていた段階で、
「出来る事をやらないのは業界の怠慢だ」と激を飛ばしただけのような気もしてきました。

VWはDefeat Device(無効化装置)の使用が明らかになったので大問題になっていますが、今日提示されたデータや大気汚染を考えると、ベンチテストの段階でメーカーも承知していたでしょうから、程度の差こそあれ他メーカーも真剣に排出ガスの問題に取り組んでこなかったのは明らかに見えます。

指導者の不在だけが原因ならば、今回の問題提起を機会に改めることも可能でしょうが、技術の実体を考えずに理想論だけで規制を厳しくし、メーカーもそんな空理空論に付き合うつもりは無かったとなると、今更実体に合わせて規制を緩和することも出来ず、困ったことになりますね。
汚染状況からPMとNOxの優先順位をはっきりして、順番に対策を考えるのが打開策かと思いますが。

一つ前のエントリーにあったEGRによるエンジンの劣化ですが、水分の凝縮によるトラブルもあるようですが、煤によるスラッジの形成が主ではないでしょうか。だとするとエンジン単体で綺麗に燃やすということが出来ていない。

コモンレールというのは素晴らしいシステムですが、回転数から逆算して僅か数msの間に正確に複数回噴射しなければならない、EGRを効かせると燃焼速度は遅くなり、ターボで過給すれば燃焼速度が速くなる、制御屋の目から見ると余りにも難しい代物です。

Boschにお任せでエンジンを作った、コモンレールも上手く使いこなせず煤が出る、余りに実燃費が悪くCO2規制に適合しない若しくはユーザーの不評を買う恐れがある、そんな中での苦肉の策だったか。

燃費に関してはエンジン単体の問題ではなく車全体で考える必要があるでしょうね。
プリウスショックの後に、スズキさんとダイハツさんが鎬を削って、実燃費が悪いと言われた軽自動車の燃費が一気に向上しましたが、肝になったのはエンジンとミッションの統合制御だと見ています。
現行のWagonRに5MTの設定がありますが、ene-charge無しのCVTより燃費が落ちます。実際に私の車も燃費計を睨んでいると「あんた何考えてんの?」と面白い挙動を示します。

欧州のATとMTの比率は判りませんが、今の賢い統合制御ならATの方が有利と見ています、その辺りの作り込みが甘かったような気もします。そんな燃費一辺倒の車は面白くないと言われればそれまでですが。
  1. 2015-10-05 03:55
  2. URL
  3. fcq821 #/lkjinTE
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To:kazk さん

> 以前VWが途上国向けにターボ車を売りまくるという話が出ていた時に、この会社は途上国の環境問題などを考えているのかと思ったことがありましたが、何の事はない、自分たちの環境問題も考えていなかった、それだけのことですね。それはそれで清々しいくらいの滓ですが、キレイ事だけは言わないでくれというのは確かでしょう。
>
> 連中は新型のエンジンはユーロ6の規制をクリアしてるなんて言ってましたがここでも嘘だったんでしょうか。ここまで来たらもうやれることをやるしか無いでしょう。PMとNOxの両立が難しいのですから、NOxがどうにもならない以上NOvを下げてPMを犠牲にしそれをパーティキュレーターを使うしか無いでしょう。
>
> 連中はこうした努力もしてないんじゃないでしょうか。NOxを下げるということは燃焼温度を下げることにほかなりませんからこれは燃費の減少を意味します。でもそれはもう我慢しなければいけないことでしょう。マツダあたりにしても圧縮比をあそこまで下げる以上燃費をある程度犠牲にする覚悟はあるはずです。
>
> その辺りを考えなければいけないところに来てるんでしょう。
> 石原都知事が以前問題にしていた黒い粉はPMでした。パリの写真を見るとこの辺りもいい加減なのでしょう。


確かに結果として環境を蔑にした、そんな意識であることは事実です。
しかし私は価値観の問題としてたとえ環境を犠牲にしても、国民、世界に嘘を吐いても優先したい事があった。それが自動車は自分らで作ってきた、そんな歴史に対する誇り、これでは無かったかと思うのです。

今回の移民問題もそうです。メルケルさん自身、移民を入れたら学校が、地域の秩序・治安がムチャクチャになる。そう分かっています。それでも移民に「ウェルカム」、そして拍手で出迎え。
こんな事を見ると何か一つの方向が良いと思ったら周りは全く見えなくなる。1930年代にヒットラー・ナチスを熱狂歓迎し台頭させたゲルマン民族気質、これが出てきているようです。

今回のディーゼル問題は環境対応エンジン開発で敗れたドイツの苦し紛れの大嘘だった、こうなのでしょうね。
ご指摘のように圧縮比をあそこまで下げて燃焼温度を下げる。この背景には50年51年53年規制という無理難題にエンジンの中での年商を基礎から研究した、こんな技術が生きていると思っています。

実はこんな問題はエンジンだけではありません。欧州だけの特殊事情と言うとデュアル・クラッチ・トランスミッションがあります。欧州勢はコレの方がいいんだと言って鼻高々です。しかしその裏でVW・BMWなどはアイシン(の子会社のアイシンAW)のミッションを結構輸入しています。似たようなものだと思っています。
  1. 2015-10-05 05:18
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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Re: 政治か技術か。

> こんばんわ、
>
> 問題提起をした石原慎太郎元知事の評判が上がっていますが、今回コモンレールからNOx抑制まで一連の技術の説明を頂きまして、業界の自主的な立ち上がりは早く、ある程度目途が立っていた段階で、
> 「出来る事をやらないのは業界の怠慢だ」と激を飛ばしただけのような気もしてきました。
>
> VWはDefeat Device(無効化装置)の使用が明らかになったので大問題になっていますが、今日提示されたデータや大気汚染を考えると、ベンチテストの段階でメーカーも承知していたでしょうから、程度の差こそあれ他メーカーも真剣に排出ガスの問題に取り組んでこなかったのは明らかに見えます。
>
> 指導者の不在だけが原因ならば、今回の問題提起を機会に改めることも可能でしょうが、技術の実体を考えずに理想論だけで規制を厳しくし、メーカーもそんな空理空論に付き合うつもりは無かったとなると、今更実体に合わせて規制を緩和することも出来ず、困ったことになりますね。
> 汚染状況からPMとNOxの優先順位をはっきりして、順番に対策を考えるのが打開策かと思いますが。
>
> 一つ前のエントリーにあったEGRによるエンジンの劣化ですが、水分の凝縮によるトラブルもあるようですが、煤によるスラッジの形成が主ではないでしょうか。だとするとエンジン単体で綺麗に燃やすということが出来ていない。
>
> コモンレールというのは素晴らしいシステムですが、回転数から逆算して僅か数msの間に正確に複数回噴射しなければならない、EGRを効かせると燃焼速度は遅くなり、ターボで過給すれば燃焼速度が速くなる、制御屋の目から見ると余りにも難しい代物です。
>
> Boschにお任せでエンジンを作った、コモンレールも上手く使いこなせず煤が出る、余りに実燃費が悪くCO2規制に適合しない若しくはユーザーの不評を買う恐れがある、そんな中での苦肉の策だったか。
>
> 燃費に関してはエンジン単体の問題ではなく車全体で考える必要があるでしょうね。
> プリウスショックの後に、スズキさんとダイハツさんが鎬を削って、実燃費が悪いと言われた軽自動車の燃費が一気に向上しましたが、肝になったのはエンジンとミッションの統合制御だと見ています。
> 現行のWagonRに5MTの設定がありますが、ene-charge無しのCVTより燃費が落ちます。実際に私の車も燃費計を睨んでいると「あんた何考えてんの?」と面白い挙動を示します。
>
> 欧州のATとMTの比率は判りませんが、今の賢い統合制御ならATの方が有利と見ています、その辺りの作り込みが甘かったような気もします。そんな燃費一辺倒の車は面白くないと言われればそれまでですが。


石原慎太郎元知事はあれだけの㎡ん大提起をする前に相当の事前調査やヒヤリングをしていたと思います。
そして「やろうと思えばできるがコスト云々で・・・」と言う技術陣の本音までつかんだうえであの問題提起をしたと思っています。今考えても立派な業績でしょう。

fcq821 さんは昭和50年・51年・53年排ガス規制を覚えておいでだと思います。50年規制・51年規制のクルマはもうどこにもありません。あまりにも酷い車でしたので芽ユーザーに見放されたし、メーカーも積極的に廃車にしたのです。
VWは2009年のユーロ5の段階が本当は最後のチャンスだったと思います。ユーロ4より大幅に規制が強化された。だからこんな車になってしまった。環境の為だ我慢してくれ。こう言って日本の50年規制車みたいな酷い動力性能の「腑抜けクルマ」を出すべきだった。そう思っています。

それからご指摘のミッションの問題、これも同じですね。kazkさんへのコメントにも書きましたが、密かに日本製部品を使っています。裏には技術開発の遅れがあることは間違いありません。
  1. 2015-10-05 06:06
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

フォルクスワーゲンのCM

短足おじさん、はじめまして。いつも拝見させて頂いています。

私は東京の杉並区に住んでいますが、いつの頃からか、正月でなくても冬の晴れた日には富士山が見えることが増えました。子どもの頃には考えられなかった事です。
環境対策が進んだ西側先進国ならば都市部でも、今はどこも似たように澄んでいるのだろうと、勝手に思い込んでおりました。そうではなかったのですね。

昨年末の紅白歌合戦で、ヒットラーを模したようなちょび髭を付けた桑田佳祐率いるサザンオールスターズが、「ピースとハイライト」を歌って顰蹙を買いましたが、そもそもこの曲は、2013年の夏に、フォルクスワーゲン社の「NEW GOLF」の日本発売CMとのタイアップで作られた曲だったと、後で知りました。
当時CMはかなりヘヴィーローテーョンで放映されていたので、メロディーには聞き覚えがありましたが、具体的に何を謳っているのかは、紅白歌合戦で初めて知る事となりました(紅白は歌詞が字幕で出るので)。
ドイツを代表する大企業のフォルクスワーゲンが、なぜ日本で、ドイツの新車のCMに、この曲を起用したのか。意図が不明で気味悪いと思いました。
しかしそれも、昨今のメルケル氏の言動や、この度のVWをみて、なんとなく分ったような気がしています。

ちなみにこのCM制作は電通で、製作陣のクリエイティブディレクター欄に左翼活動家の津田大介を見つけた時、ちょっと笑ってしまいました。
  1. 2015-10-05 18:13
  2. URL
  3. 月子 #-
  4. 編集

Re: フォルクスワーゲンのCM

> 短足おじさん、はじめまして。いつも拝見させて頂いています。
>
> 私は東京の杉並区に住んでいますが、いつの頃からか、正月でなくても冬の晴れた日には富士山が見えることが増えました。子どもの頃には考えられなかった事です。
> 環境対策が進んだ西側先進国ならば都市部でも、今はどこも似たように澄んでいるのだろうと、勝手に思い込んでおりました。そうではなかったのですね。
>
> 昨年末の紅白歌合戦で、ヒットラーを模したようなちょび髭を付けた桑田佳祐率いるサザンオールスターズが、「ピースとハイライト」を歌って顰蹙を買いましたが、そもそもこの曲は、2013年の夏に、フォルクスワーゲン社の「NEW GOLF」の日本発売CMとのタイアップで作られた曲だったと、後で知りました。
> 当時CMはかなりヘヴィーローテーョンで放映されていたので、メロディーには聞き覚えがありましたが、具体的に何を謳っているのかは、紅白歌合戦で初めて知る事となりました(紅白は歌詞が字幕で出るので)。
> ドイツを代表する大企業のフォルクスワーゲンが、なぜ日本で、ドイツの新車のCMに、この曲を起用したのか。意図が不明で気味悪いと思いました。
> しかしそれも、昨今のメルケル氏の言動や、この度のVWをみて、なんとなく分ったような気がしています。
>
> ちなみにこのCM制作は電通で、製作陣のクリエイティブディレクター欄に左翼活動家の津田大介を見つけた時、ちょっと笑ってしまいました。


いらっしゃいませ、コメント有難うございます。
世田谷から富士山が見える日が増えてきたとの事、日本全体で環境対策に取り組んでいるいい証拠ですね。
私はタイで仕事をしていましたので、日本の様に空気と水がきれいな国に暮らせるのは本当に幸せだと思っています。

所で桑田佳祐の話、なるほどあの件の裏話が良く分かりました。有難うございます。
実は私は年甲斐もなく(笑)、桑田佳祐大好き人間でした。サザンの初期の歌はカラオケで良く歌っていましたが、あの件を機会にキッパリ歌うのを止めました。悲しいですね。
これからも宜しくお願いします。
  1. 2015-10-05 20:10
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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ディーゼルハイブリッド

こんにちは。ご無沙汰してます。
コメントのやり取りの中で出ていたディーゼルハイブリッドを、マツダが来年にも出すという情報を目にしました。マツダは果敢に攻めますね。頑張って正道を切り開いて欲しいです。
http://ethicallifehack.blog.fc2.com/blog-entry-2203.html

ただ、VWの件は、あまり荒れると日本のメーカーや経済にも良くないような素人感想を持っています。
トヨタの社長は
「VWの苦境につけ込む火事場泥棒のようなことは断じてやってはならぬ」と役員会で発言したそうですが、正当な競争で負けるより、相手の不正で勝ってしまうその後の影響を心配しているのでしょうか?
http://ethicallifehack.blog.fc2.com/blog-entry-2203.html
  1. 2015-10-06 14:28
  2. URL
  3. もらもら #j4Q5JhNU
  4. 編集

Re: ディーゼルハイブリッド

> こんにちは。ご無沙汰してます。
> コメントのやり取りの中で出ていたディーゼルハイブリッドを、マツダが来年にも出すという情報を目にしました。マツダは果敢に攻めますね。頑張って正道を切り開いて欲しいです。
> http://ethicallifehack.blog.fc2.com/blog-entry-2203.html
>
> ただ、VWの件は、あまり荒れると日本のメーカーや経済にも良くないような素人感想を持っています。
> トヨタの社長は
> 「VWの苦境につけ込む火事場泥棒のようなことは断じてやってはならぬ」と役員会で発言したそうですが、正当な競争で負けるより、相手の不正で勝ってしまうその後の影響を心配しているのでしょうか?
> http://ethicallifehack.blog.fc2.com/blog-entry-2203.html


お久しぶりです、情報ありがとうございます。
実は今回の件で私が一番心配している事、それはこの不正の第二弾の問題です。
不正ソフト搭載がバレた。このショックは大きいですが第二弾はもっとすごいと思います。
つまりリコールで不正ソフトの台上試験用モードを全部の走行にも適用すると言うものです。
EGR(排ガス再循環)をフルに使って燃焼温度を下げ、触媒もフルに作動させる。
これで動力性能は大きく落ちます。燃費も相当悪くなるでしょう。(だから日本車は開発に長年苦しんで来た)
何がショックか、リコールでこの改修をしたときユーザーは愕然とするはずです。こんな酷いボロクルマだったんだ、それを汚い排気ガスをまき散らすことで胡麻化してきたんだ・・・、こんな現実を目の当たりにするはずです。
恐らくドイツの文化・文明、或いは欧州の文化・文明に対する不信感が巻き起こるでしょう。
解決策は特別法でも作って販売済みのクルマに対する法規制を適用除外とか、そんなトンデモナイ事をしないと収まりません。
もうこれは一企業の問題ではなく政治の問題と思います。
だからこそ、あの豊田社長発言が出てきた、そう理解しています。
  1. 2015-10-06 18:04
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

日本人は自虐的

この問題、VWの呆れ果てた所業にびっくり・・というのもありますが、
それと同時に日本人って自虐的、というか素直だなぁ・・という感想を
持ちました。

クルマに関しては素人であまりエラそうなことは語れない、なおかつ
手前味噌で恐縮ですが、「クリーンディーゼル?なんやそれ?」という
疑いは昔からうっすらとありました。
どう考えてもハイブリッド、電気使う方がディーゼルより排気ガスに関しては
クリーンだろう?魔法を使うわけでもあるまいに、排気ガスはハイブリッドと
タメを張れるほどにクリーン、しかもパワーダウンは無し・・どう考えても
絵空事だろうと思ってはいました。

でも、一方でヨーロッパ、特にドイツは世界に名だたる自動車先進国、環境先進国、それにディーゼルエンジンといえば名前の通りドイツ起源の技術だし、何かすごい裏ワザ、技術があるに違いない・・と期待していたら、裏ワザは裏ワザでも不正のテクニックだったという・・。

で、自動車雑誌なんかみると、この問題でテレビにも出演しまくってる某K氏などVWを筆頭とする欧州の「クリーンディーゼル」を褒めまくり、ハイブリッドは苦し紛れの技術・・みたいなことを言っているし、日本人の欧州車、特にドイツ車信仰は凄まじいものが相変わらずあるし、私もそんな雰囲気につい呑まれて
しまっていました。

こういう日本人の自虐っていうと保守系の論客からはすぐに日教組が~、とか
GHQが~とか朝日を始めとするマスゴミが~という意見が出ますが、個人的にはあまり関係ないと思ってます。

その例として戦前の無線分野における八木アンテナの例がありますね。
名前の通り、東北帝大の八木秀次教授の開発した指向性アンテナなのですが、
日本の学会、産業界で価値を理解されず、戦時中にこともあろうに敵国の
英米でレーダー開発に応用されたという失態がありましたね。

要するに皇国史観の国粋教育だったとされる戦前期の「軍国」時代の日本に
おいてすら、現代以上に日本人は「自虐的」で画期的な発明、開発が日本から
出るはずがない・・という思い込みに支配されていたんですね。

まあ、変な自惚れがない、常に己の足りない点を自覚し努力するのが日本人の
良い面だと思うので一概に否定はしませんけども。
  1. 2015-10-08 11:44
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  3. prijon #-
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Re: 日本人は自虐的

> この問題、VWの呆れ果てた所業にびっくり・・というのもありますが、
> それと同時に日本人って自虐的、というか素直だなぁ・・という感想を
> 持ちました。
>
> クルマに関しては素人であまりエラそうなことは語れない、なおかつ
> 手前味噌で恐縮ですが、「クリーンディーゼル?なんやそれ?」という
> 疑いは昔からうっすらとありました。
> どう考えてもハイブリッド、電気使う方がディーゼルより排気ガスに関しては
> クリーンだろう?魔法を使うわけでもあるまいに、排気ガスはハイブリッドと
> タメを張れるほどにクリーン、しかもパワーダウンは無し・・どう考えても
> 絵空事だろうと思ってはいました。
>
> でも、一方でヨーロッパ、特にドイツは世界に名だたる自動車先進国、環境先進国、それにディーゼルエンジンといえば名前の通りドイツ起源の技術だし、何かすごい裏ワザ、技術があるに違いない・・と期待していたら、裏ワザは裏ワザでも不正のテクニックだったという・・。
>
> で、自動車雑誌なんかみると、この問題でテレビにも出演しまくってる某K氏などVWを筆頭とする欧州の「クリーンディーゼル」を褒めまくり、ハイブリッドは苦し紛れの技術・・みたいなことを言っているし、日本人の欧州車、特にドイツ車信仰は凄まじいものが相変わらずあるし、私もそんな雰囲気につい呑まれて
> しまっていました。
>
> こういう日本人の自虐っていうと保守系の論客からはすぐに日教組が~、とか
> GHQが~とか朝日を始めとするマスゴミが~という意見が出ますが、個人的にはあまり関係ないと思ってます。
>
> その例として戦前の無線分野における八木アンテナの例がありますね。
> 名前の通り、東北帝大の八木秀次教授の開発した指向性アンテナなのですが、
> 日本の学会、産業界で価値を理解されず、戦時中にこともあろうに敵国の
> 英米でレーダー開発に応用されたという失態がありましたね。
>
> 要するに皇国史観の国粋教育だったとされる戦前期の「軍国」時代の日本に
> おいてすら、現代以上に日本人は「自虐的」で画期的な発明、開発が日本から
> 出るはずがない・・という思い込みに支配されていたんですね。
>
> まあ、変な自惚れがない、常に己の足りない点を自覚し努力するのが日本人の
> 良い面だと思うので一概に否定はしませんけども。


最初にコメントへの返事が遅れました。恐縮です。
ご指摘の日本人の持つ西欧文化に対する自虐的な見方は私も同感です。
でもこれは仕方ないと思っています。
何せ19世紀の世界はと言えば圧倒的に西欧・白人優位の世界であることは間違いありません。
それは20世紀もその通りなのですが、唯一そこに割り込んだのが日本だった、当時の日本人にして見ると見るものすべてがあまりにも差がありすぎた、そう思います。

今回のVWの不正問題で日本のいわゆる識者と言われる人の欺瞞性が炙り出されたのは大変良い事だと思います。
この問題ともう一つ移民問題、この二つは恐らく後世の人からは冷戦終結と並ぶ大事件とみられると思います。
特に重要なのがVWがあけたパンdらの箱、中から出てきたのは西欧文明の終結と言っていいようなトンデモナイお化けでした。
まだまだこの激震、終結の気配もありません。
  1. 2015-10-10 11:19
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  3. 短足おじさん二世 #-
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