2015-09-25 19:59

VWの不祥事発覚に思う事

 フォルクスワーゲンがアメリカ環境保護局(EPA)から、ディーゼル車の排ガス規制を不正にクリアしていたと指摘されています。
世界各国で1100万台が関係している可能性があるといわれ、大問題となっている。

最初の報道は
「アメリカ環境保護局は18日、フォルクスワーゲンが、排ガス規制を逃れるため、2008年からことしにかけて、アメリカで販売したディーゼル車およそ50万台に、試験場などでの検査の際に有害物質の排出量を大幅に低くする不正なソフトウエアを搭載していたと発表。」というもの。そして「フォルクスワーゲン側も20日、不正を認め、謝罪しました。」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150922/k10010244221000.html

この制裁金だけで最大でおよそ180億ドル(日本円でおよそ2兆1600億円)に上る巨額なものになる恐れを指摘され、これだけで驚きだが、更にこの問題はアメリカだけでなく全世界で1100万台が対象になると報道され、更に驚きが広がっている。
株価も最初に2日間で35%下落、更に下落が加速している。

更に問題はVW以外にBMWにも波及しそうである。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_97972


しかしこの話を聞いて私としては積年の疑問がやっと解けた、そんな思いがある。
問題の発端は車の排気ガス規制強化とディーゼルエンジンの画期的な技術革新にある。この技術革新、コモンレールと言う技術だ。そしてこの技術は日本のデンソー(旧日本電装)が世界で初めて開発に成功、しかし日本ではトラック用として細々と生産していたのだがその後ボッシュが乗用車用に開発。この為ヨーロッパでは爆発的にディーゼル乗用車の普及が加速。現在ではヨーロッパの乗用車販売の半分がディーゼル車になっている。

現在の乗用車のエンジンで見ると日本とアメリカはガソリンエンジンでハイブリッドが増えてきた。
しかしヨーロッパではハイブリッドはほとんど普及せず、ディーゼルが半数になる勢いである。
このディーゼル普及のキーポイントがコモンレールと呼ばれるエンジンの燃料噴射技術。

日本車では大量生産車種としては2004年に発売されたこんな車から採用されている。

ハイラックスヴィーゴ(VIGO)と言うクルマ

2015-9-25ハイラックスvigo

見たことのないクルマだと思います。2004年から発売していますが日本国内では売られていない、しかしタイを始め全世界で生産、輸出されており、トヨタでは「ヴィッツ、カローラ、カムリと並んでこのハイラックスヴィーゴは四天王と呼ばれる年産百万台規模のクルマ」だった。(注:この当時はこれが四天王、しかしその後プリウス・アクアのハイブリッド勢が此処に割り込んできています)
そしてこのクルマのエンジンに採用されたのがコモンレール技術。この当時でコモンレールにかかる圧力は1800気圧という超高圧の凄い技術。

そしてこの技術で出来た車に乗ってみると実に素晴らしい。
最初に気が付くのがディーゼルと思えない音の静かさ、ディーゼル特有のガラガラと言う音が殆ど気になりません。
走り出してみるとパワフルな事もガソリンエンジン車と同等かそれ以上。タイなどの郊外のハイウエイでは130キロ以上で平気で巡航できます。しかも燃費も良い。
そしてディーゼル特有の黒煙も非常に少ない。上掲写真のクルマは後ろに荷台はあるモノのまるで乗用車。
実は私のタイでの仕事の最後がこのクルマの関連だった。だからこのクルマには忘れられない思いがある。


所でそのコモンレールと言ってもよく分からないのでどんな技術かを紹介。
これはデンソーの資料から
http://www.denso.co.jp/ja/products/oem/ptrain/diesel/commonrail/

ディーゼルエンジン コモンレールシステム

コモンレールシステムは、サプライポンプで高圧にした燃料をレール(蓄圧室)内に蓄え、ECU制御のもとにタイミングよくインジェクタから各気筒に適切な噴射量を噴射するシステムです。

高い燃料噴射圧力により、燃料を微粒にしますので、燃料の粒が小さくなり中心部の燃え残りがなくなり粒子状物質の発生を抑えます。

燃料の高圧噴射化に伴い噴射率(単位時間あたりの噴射量)も増加しますが、噴射から燃焼開始までの遅れ(着火遅れ)は、一定時間以下には短縮できません。そのため着火までに噴射された燃料が増加、つまり初期の噴射率が多すぎるため、着火と同時に爆発的な燃焼が起きてしまい、NOx及び騒音を増加させてしまいます。

そこで、パイロット噴射を行うことにより、初期の噴射率を必要最小限に抑え、爆発の初期燃焼を緩和しNOx 及び騒音を低減させています。

2015-9-25コモンレールシステム
<引用終り>

そしてこのコモンレール、余りにも難しいものなのでデンソーとボッシュしか製造出来ないと聞いていました。
しかし今回調べてみるとメーカーは他にもう2社、ドイツのシーメンスとアメリカのデルファイ(GMの電装部門が独立した会社)でも製造しています。ただし色んな資料を見てもこの2社の事は殆ど出て来ない、多分ボッシュの技術供与で製造しているのではないかと推測します。
そして今回問題のVW用はシーメンスが製造しているようです。


さてここからが私のタイでの思い出話。
上掲ハイラックスVIGO(通称IMV)の生産準備を検討していた頃です。デンソーの旧知の方と親しく話をする機会がありました。タイでこんなモノを作るんだと言われても私には理解する知識も無い話でしたが、これがコモンレールシステムでした。しかし如何しても気になった事、日本では排出ガス規制でどうしても製造できない、しかし世界には規制が問題ない国もある。だからタイに工場を作ってこのシステムを量産するんだとの事。
IMVは世界戦略車で生産量はカローラ並、だから日本にも無い工場を作ると言う壮大な話で、何社かの部品メーカーも一緒に進進出すると聞きました。
その後しばらくして、ある巨大工業団地の経営会社のトップの方と話をする機会がありました。そのトップの方はデンソーがタイに巨大工場を作る。是非とも自分の所に誘致しよう、特別な優遇をして誘致するんだと言っていました。
結局デンソーはタイ国最大の工業団地であるアマタナコーン工業団地に決定。アマタナコーン工業団地にはデンソーを満足させる用地が無かった、それで工業団地サイドでは隣接する高速道路の反対側を買収して工業団地を造成、高速道路には橋をかけて使えるようにとの優遇ぶり。大いに驚いたものです。

その後の日本と欧州の自動車メーカーの技術が全く分かれてしまいました。日本はハイブリッド、欧州はコモンレール・ディーゼルです。
ドイツからは事あるごとにハイブリッドに対する問題点が指摘されてきました。曰く高速走行では燃費が良くない、ディーゼルの方が上だと。だからトヨタのプリウスも2代目は1.5L、3代目は1.8Lですが、排気量アップの主な理由は高速走行時の燃費改善と公表されています。

これは私の個人的感想ですが、あの凄い技術力のデンソーでさえ排気ガス規制の問題で苦労しているディーゼル乗用車。ドイツが凄いのか、メーカーのボッシュが凄いのか・・・、でもデンソーとボッシュは永年提携関係だしなあ・・・
この疑問が解けませんでした。

今回のフォルクスワーゲンの不祥事発覚、これで長年の謎が解けました。
あんな事をしなければクリヤーできない排気ガス規制、だからトヨタとホンダがハイブリッドを推進してきた訳だと。

しかしこのVWの不祥事、他のカーメーカーへの波及は間違いないでしょう。多分こんな大問題ですが、更に大きな問題に発展するのではないか、その時日本メーカーが巻き込まれない事を願っています。<
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コメント

やっつけ仕事のソフト?

日本メーカーでさえ二の足を踏んでいるのに、ヨーロッパがなんであんなにディーゼルに入れ込むのかさっぱりわからなかったんですが、今回の件で、やはり、プリウスのショックが大きかったのかなあ、と思いました。ハイブリッドに対抗するには、CO2排出量の問題をテコにしてディーゼルを推進するしかなかったのかもしれないと想像しています。

しかし、なんで公道走行すると試験時の40倍も窒素酸化物が出るソフトを入れたんでしょうね。これでは、試験のときだけ排出ガス浄化装置を起動させて、公道走行するときは排出ガス浄化装置を全く働かせないようなソフトじゃありませんか。こういうインチキをするときって、検査状態からフルパワー状態まで、走行条件に応じて制御して目立たないように細工するのが普通だと思うのです。それも面倒だったのか、技術力がなかったのか。

個人的にディーゼル車はあまり好きではないのですが、ディーゼルの燃焼方法には、ガソリンエンジンとは全然違う潜在力があると思っています。VWの行為は、その芽を摘みかねませんね。
  1. 2015-09-25 22:03
  2. URL
  3. Kamosuke #-
  4. 編集

【画像】VWのディーゼルで汚染されたパリの空をご覧くださいvwvw 東京の空との比較がヤバすぎワロタvwvw
http://www.news-us.jp/article/426669960.html

25 :名無しさん@1周年:2015/09/24(木) 21:32:28.28 ID:Aeev7Ci20.net
東京の澄み切った青空(2015年)
http://livedoor.blogimg.jp/bluestylecom-skytree/imgs/f/3/f31421e0.jpg
ディーゼル汚染された結果
パリの大気汚染(2014年)
http://takashi1016.com/wp-content/uploads/2014/03/Air-pollution-in-Paris-E-010.jpg

北京の大気汚染(2013年)
http://pds.exblog.jp/pds/1/201302/15/07/a0212807_737388.jpg
  1. 2015-09-25 22:12
  2. URL
  3. taigen #-
  4. 編集

私も昔にディーゼル車に数か月間運転しましたよ

私は20年前ほど昔にサラリーマンでディーゼルのワンボックス車を数か月間だけ運転してました。感想は坂道ではパーワが無くて、ディーゼル車特有の臭気が漂っており仕事以外ではとても乗りたいと思うわない酷い出来の車でした。ただ1リッターではガソリン車と比べて30円ぐらい安くそれが一番の利用価値かと思いました。それが、ドイツ車ではクーリンエンジンとか何やら納得出来ない名目に「あんな臭い臭気がする液体をクーリンな排ガスにするなんて、嘘クサイな」という疑問が今回正しかったのでしょうか? 浅学菲才の身は分かりませんが。

日本で流行らずラッキーでした。たぶん、フォルクス・ワーゲンは再起不能に一度落ちるかもしれません。


それと、少し前の短足おじさんのスレタイで話題の地球の小氷河期問題ですが、英国の学者も2030年に太陽は今の60%しか活動しないと言う事を発表しました。

アドレスは http://karapaia.livedoor.biz/archives/52201412.html

です。なんか、こちらの方が問題が凄まじく大きいと思いますし、15年後なんて、ほとんどの人の人生に影響します。


  1. 2015-09-25 22:48
  2. URL
  3. 匿名希望のコロ4号 #-
  4. 編集

Re: やっつけ仕事のソフト?

> 日本メーカーでさえ二の足を踏んでいるのに、ヨーロッパがなんであんなにディーゼルに入れ込むのかさっぱりわからなかったんですが、今回の件で、やはり、プリウスのショックが大きかったのかなあ、と思いました。ハイブリッドに対抗するには、CO2排出量の問題をテコにしてディーゼルを推進するしかなかったのかもしれないと想像しています。
>
> しかし、なんで公道走行すると試験時の40倍も窒素酸化物が出るソフトを入れたんでしょうね。これでは、試験のときだけ排出ガス浄化装置を起動させて、公道走行するときは排出ガス浄化装置を全く働かせないようなソフトじゃありませんか。こういうインチキをするときって、検査状態からフルパワー状態まで、走行条件に応じて制御して目立たないように細工するのが普通だと思うのです。それも面倒だったのか、技術力がなかったのか。
>
> 個人的にディーゼル車はあまり好きではないのですが、ディーゼルの燃焼方法には、ガソリンエンジンとは全然違う潜在力があると思っています。VWの行為は、その芽を摘みかねませんね。


ご指摘のプリウス・ショック、これが本当の原因との見方は私も同感です。
普通技術は平準化すると言われ、新技術を出しても直ぐマネされてしまうのが普通の時代です。なのにやっとホンダが追い付いたとき、プリウスは三代目の時代に入っていた。
GMに至ってはボルトと言うインチキを出してみたものの全く歯が立たなかった。
こんな所を見るとヨーロッパがディーゼルで大逆転を狙ったのも分かります。しかしVW以外のメーカーにも波及しそうですし、更には政治家が排気ガス規制の抜け穴を許容するよう圧力をかけたらしいことも報道され始めました。
正に空前のスキャンダルですね。

こんな不法ソフトを組み込まざるを得なかった技術陣、恐らく関係者の間では大激論だったんでしょう。トップが最終的に決断したことは間違いありません。関係者がみんな口止め料をもらっているなんて事も有るかもしれません。

今度は環境問題、特に欧州の大気汚染が大問題になってくることは間違いないでしょう。次回エントリーで欧州の大気汚染を取り上げようかと思っています。
  1. 2015-09-26 07:36
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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To:taigen さん

> 【画像】VWのディーゼルで汚染されたパリの空をご覧くださいvwvw 東京の空との比較がヤバすぎワロタvwvw
> http://www.news-us.jp/article/426669960.html
>
> 25 :名無しさん@1周年:2015/09/24(木) 21:32:28.28 ID:Aeev7Ci20.net
> 東京の澄み切った青空(2015年)
> http://livedoor.blogimg.jp/bluestylecom-skytree/imgs/f/3/f31421e0.jpg
> ディーゼル汚染された結果
> パリの大気汚染(2014年)
> http://takashi1016.com/wp-content/uploads/2014/03/Air-pollution-in-Paris-E-010.jpg
>
> 北京の大気汚染(2013年)
> http://pds.exblog.jp/pds/1/201302/15/07/a0212807_737388.jpg


貴重な情報、有難うございます。
実はこのエントリーの次に欧州の大気汚染の問題を取り上げようと思っていました。
この写真もその際使わせていただきたいと思います。
宜しくご了承、お願いします。
  1. 2015-09-26 07:39
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: 私も昔にディーゼル車に数か月間運転しましたよ

> 私は20年前ほど昔にサラリーマンでディーゼルのワンボックス車を数か月間だけ運転してました。感想は坂道ではパーワが無くて、ディーゼル車特有の臭気が漂っており仕事以外ではとても乗りたいと思うわない酷い出来の車でした。ただ1リッターではガソリン車と比べて30円ぐらい安くそれが一番の利用価値かと思いました。それが、ドイツ車ではクーリンエンジンとか何やら納得出来ない名目に「あんな臭い臭気がする液体をクーリンな排ガスにするなんて、嘘クサイな」という疑問が今回正しかったのでしょうか? 浅学菲才の身は分かりませんが。
>
> 日本で流行らずラッキーでした。たぶん、フォルクス・ワーゲンは再起不能に一度落ちるかもしれません。
>
>
> それと、少し前の短足おじさんのスレタイで話題の地球の小氷河期問題ですが、英国の学者も2030年に太陽は今の60%しか活動しないと言う事を発表しました。
>
> アドレスは http://karapaia.livedoor.biz/archives/52201412.html
>
> です。なんか、こちらの方が問題が凄まじく大きいと思いますし、15年後なんて、ほとんどの人の人生に影響します。


昔のディーゼルは本当にひどかった、トラックしか成り立史ませんでしたね。
しかしこのエントリーで取り上げたようにコモンレール技術は凄い、普通のガソリンエンジンと何ら変わりません。
そんな事で今回の不祥事が起きたんでしょうね。クルマのメーカーは数量を追いかけるとロクな事は無い、トヨタは豊田章男社長になってからそれに気が付きました。ホンダもつい最近社長の突然の交代劇、これも数量を追った為と反省しています。
矢張りVWも同じ轍を踏んだと言う事なのでしょう。

このVW不正問題は多分ドイツの社会問題に発展するでしょう。それ位根が深いと思います。
既に政治家がこの不正に関与しているらしいとの話も出てきています。
最近ドイツの反日ぶりが原発問題とか色々取りざたされていますが、どうやら「日本に喧嘩をうった国は酷い目に合う」とのジンクスが此処でも出てきそうです。

それから小氷期問題、情報ありがとうございます。
小氷期と言っても氷河がアチコチに出現するような寒冷化ではない、日本でいえば江戸時代の前期位、将軍徳川家光の後の4代目から徳川吉宗の前の7代目辺りまでの時代に相当する機構だと理解すればいいかと思います。でも現在より相当寒くなりますから覚悟が必要でしょう。
特に最近は都市化などで気候変動に弱くなっていますから、気候変動対策でインフラの強靭化を10年がかりで進めるべきでしょうね。
  1. 2015-09-26 08:58
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集


おお、おかげさまで超クルマ音痴のワタシ にも、いろいろ気になっていた事がわかってきました。

実はネットには随分様々な説が出ていて、ここはもう短足おじさんの解説を‼️と、待ち続けていたのです。

ところで今回VWは、今迄に売った1100万台をリコールすると言っているそうです。
しかしそんな事にできるんですか。

だってこれまでいろいろなメーカーであったリコールの話は、皆一部の部品の不具合や些細な設計ミスで、稀にトラブルが起きると言うような話ばかりでした。

これなら部品を取り換えるとか、問題部分を改造するだけですから、簡単に治してお客さんに返す事ができるでしょう。

しかし今回の問題は、結局VWが客に提示した性能と廃ガス規制の遵守を満たすエンジンを作れなかった事ではありませんか?
しかも短足おじさんの記事を読む限り、そんなエンジンはこの世のどんなメーカーも作れないのです。

これでは車を回収したところで、問題を解決して客に返す事なんか絶対不可能でしょう?

ちなみに、高橋洋一氏はこのような事を言っていますが、いかががものでしょう?

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
米国では出る杭は打たれる? VW不正騒動の背景を読む

http://www.j-cast.com/2015/09/24245890.html
  1. 2015-09-26 10:45
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

独フォルクスワーゲンの排ガス不正-「ごまかし」はこうして暴かれた
2015/09/25 03:06 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NV6OMU6K50YC01.html

これを読む限り不正暴露は、アメリカの陰謀云々ではないようですが。

しかしそれはそれで尚更始末が悪いでしょう。 アメリカの陰謀なら、ある程度アメリカに利益を供与すれば済むでしょうが、本物の不正で大気汚染の原因になっているにでは、アメリカ製政府だってどうしようもないでしょうから。

  1. 2015-09-26 11:01
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

日本ではドイツ車と言うと高い評価をする人が多いですが、アメリカでは事情が全く異なるようです。
2015年の販売累計で見ても、VW は238,074台でありシェアにして2.1%でしかありません。
これは韓国メーカーのヒュンダイや起亜自動車のみならず、スバルにも遅れを取っています。しかも前年対比でマイナスです。
Audiを含めれば368,137台となり、ようやくスバルの足元に届こうかという水準です。
これにはアメリカでのガソリン価格が安く、軽油の値段が高く設定されているという事情も有ります。

欧州では温暖化ガスである二酸化炭素の排出を重視するあまり、窒素酸化物に対する規制が緩い状況が続いていました。
燃焼温度の高いディーゼルエンジンでは、二酸化炭素の排出量が少ない一方で、窒素酸化物は多く排出されます。
欧州での軽油の安さと燃費の良さで、規制を通してディーゼル自動車を普及させる政策がとられたということでしょう。

多く排出される窒素酸化物を低減させるには、技術とコストが必要になります。
段々と強化される規制に対して、一部のメーカーの技術革新が追いつかなくなってきた段階に入ったということでしょう。

ドイツでの排出ガス関連の特許取得状況を見ると、メルセデスベンツはかなり有りますが、VWは殆どありません。
このことは排ガス規制に対してVWがサプライヤーに、かなり依存していることを伺わせます。
検査機関に秘密が暴露される危険を承知で違法なソフトウエアを組み込む事を決めるとは、相当に追い込まれていたのでしょう。

今回この危険を冒したのはVWだけで無く、ボッシュも1枚噛んでいたと推定されます。VWのやっている事を知らなかったとは言えないでしょう。
そうなると、ドイツに対する信頼を一気に失わせる事態となります。
まぁ日本叩きをしていたら、実は自分の尻に火が付いていたという悲しい状況に追い込まれてしまったようです。

この問題で、日本のディーゼル乗用車の普及にまい進しているマツダへの影響が懸念されますが、
マツダのスカイアクティブは圧縮比を下げるなどの工夫により、窒素酸化物の濃度を下げる仕組みを使っているため、
VWの出鱈目なクリーンディーゼルとは異なることを、多くの日本人が知ることを期待します。

  1. 2015-09-26 14:44
  2. URL
  3. 団塊ノンポリ #-
  4. 編集

dCi(直噴コモンレール式ディーゼルターボ )

こんにちは。
わたしはかって4年ほどルノー・メガーヌ 1.9dCi(直噴コモンレール式ディーゼルターボ )に乗っていました。素晴らしいエンジンで、若干ディーゼルらしい回転音はするものの実にスムーズな回転で、またディーゼルゆえの太いトルクのおかげで高速巡行中は6速でもオートバーンの追い越しは楽チンでした。最高速度は210キロは出せました。乗り心地はいかにもルノーらしいソフトさで操作性もよく、また燃費も当然なことに抜群で満タンにすると650キロは走れました。

がしかし、これまたルノーらしく、走れば最高ですが、走らないことがあるのが胡乱です。ある日、オートバーン走行中に出力がなくなりしかも追い越し車線だったためにひやひやでした。幸い休憩所まで慣性走行でなんとかたどり着いたのでした。ADACに牽引してもらい家の近くの修理工場で見てもらったところターボの故障で燃料が供給されなかったとのこと。修理に1500ユーロ支出を迫られました。しかしそんな車は危なくって乗れないのでまもなく手放しました。あれがなければ欧州の一般ユーザーのように10年20万キロは乗ったことでしょう。ディーゼルは耐久性も売りですからね。

そのころはメーカーのスペックどおりクリーンなエンジンと信じていましたので走る快感と低燃費に大満足の4年間でした。欧州の大方のユーザーも斯くの如きだったのでありましょう。
  1. 2015-09-26 16:20
  2. URL
  3. 丸山光三 #54oMcB6U
  4. 編集

To:よもぎねこさん

> おお、おかげさまで超クルマ音痴のワタシ にも、いろいろ気になっていた事がわかってきました。
>
> 実はネットには随分様々な説が出ていて、ここはもう短足おじさんの解説を‼️と、待ち続けていたのです。
>
> ところで今回VWは、今迄に売った1100万台をリコールすると言っているそうです。
> しかしそんな事にできるんですか。
>
> だってこれまでいろいろなメーカーであったリコールの話は、皆一部の部品の不具合や些細な設計ミスで、稀にトラブルが起きると言うような話ばかりでした。
>
> これなら部品を取り換えるとか、問題部分を改造するだけですから、簡単に治してお客さんに返す事ができるでしょう。
>
> しかし今回の問題は、結局VWが客に提示した性能と廃ガス規制の遵守を満たすエンジンを作れなかった事ではありませんか?
> しかも短足おじさんの記事を読む限り、そんなエンジンはこの世のどんなメーカーも作れないのです。
>
> これでは車を回収したところで、問題を解決して客に返す事なんか絶対不可能でしょう?
>
> ちなみに、高橋洋一氏はこのような事を言っていますが、いかががものでしょう?
>
> 高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
> 米国では出る杭は打たれる? VW不正騒動の背景を読む
>
> http://www.j-cast.com/2015/09/24245890.html


先ず最初の質問ですが、VWは排ガス性能を満足しながら動力性能・燃費性能・耐久性を満足させるようなエンジンが出来なかったという事です。違法なプログラムを除去し、排ガス性能を満足させるように改造すると・・・動力性能、燃費、耐久性が大きく劣る車になるでしょう。特に触媒の劣化が激しくなるのでメンテ費用などにも問題が出ます。

此処からが問題です。リコールをしたとしてもユーザーが改造に応じる保証は有りません。だって性能が落ち、燃料を食い、おまけにメンテにも費用が掛かる。こんな車にする改造、私なら拒否するでしょう。
どんな事になるか想像もつきません。

それから高橋洋一氏の話は尤もですが、今回のケースについては違うと見ています。
よもぎねこさんに紹介いただいたブルームバーグの記事に以下の記述があります。
>ディーゼルエンジンによる大気汚染を心配した欧州当局が、米国で販売された欧州車の路上走行での排ガス検査を望んだ。米国での路上検査の結果は欧州のものよりも試験場での検査結果に近いだろうと考えたからだ

つまり欧州当局も色々調べたが埒があかない、それでアメリカに頼んで調べてもらった。こんな所が真相の様な気がします。
その理由はディーゼル車の排ガス規制をどんどんやってきたのに大気汚染はちっとも改善しない、こんな事が背景にあると思います。この件は次回エントリー予定ですが、欧州当局も自分とこだけでは手に負えないのでアメリカを巻き込んだ、こう言う事だと思います。それだけVWの政治力が大きく、又影響も大きいんだと思います。
  1. 2015-09-26 20:35
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

To:よもぎねこさん

> 独フォルクスワーゲンの排ガス不正-「ごまかし」はこうして暴かれた
> 2015/09/25 03:06 JST
> http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NV6OMU6K50YC01.html
>
> これを読む限り不正暴露は、アメリカの陰謀云々ではないようですが。
>
> しかしそれはそれで尚更始末が悪いでしょう。 アメリカの陰謀なら、ある程度アメリカに利益を供与すれば済むでしょうが、本物の不正で大気汚染の原因になっているにでは、アメリカ製政府だってどうしようもないでしょうから。


貴重な情報ありがとうございます。
私が多分こうだったんだなあと言う技術的側面がこの記事で分かりました。
そこでこれをネタにエントリーしました。
改めて情報感謝します。
  1. 2015-09-26 20:38
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

To:団塊ノンポリさん

> 日本ではドイツ車と言うと高い評価をする人が多いですが、アメリカでは事情が全く異なるようです。
> 2015年の販売累計で見ても、VW は238,074台でありシェアにして2.1%でしかありません。
> これは韓国メーカーのヒュンダイや起亜自動車のみならず、スバルにも遅れを取っています。しかも前年対比でマイナスです。
> Audiを含めれば368,137台となり、ようやくスバルの足元に届こうかという水準です。
> これにはアメリカでのガソリン価格が安く、軽油の値段が高く設定されているという事情も有ります。
>
> 欧州では温暖化ガスである二酸化炭素の排出を重視するあまり、窒素酸化物に対する規制が緩い状況が続いていました。
> 燃焼温度の高いディーゼルエンジンでは、二酸化炭素の排出量が少ない一方で、窒素酸化物は多く排出されます。
> 欧州での軽油の安さと燃費の良さで、規制を通してディーゼル自動車を普及させる政策がとられたということでしょう。
>
> 多く排出される窒素酸化物を低減させるには、技術とコストが必要になります。
> 段々と強化される規制に対して、一部のメーカーの技術革新が追いつかなくなってきた段階に入ったということでしょう。
>
> ドイツでの排出ガス関連の特許取得状況を見ると、メルセデスベンツはかなり有りますが、VWは殆どありません。
> このことは排ガス規制に対してVWがサプライヤーに、かなり依存していることを伺わせます。
> 検査機関に秘密が暴露される危険を承知で違法なソフトウエアを組み込む事を決めるとは、相当に追い込まれていたのでしょう。
>
> 今回この危険を冒したのはVWだけで無く、ボッシュも1枚噛んでいたと推定されます。VWのやっている事を知らなかったとは言えないでしょう。
> そうなると、ドイツに対する信頼を一気に失わせる事態となります。
> まぁ日本叩きをしていたら、実は自分の尻に火が付いていたという悲しい状況に追い込まれてしまったようです。
>
> この問題で、日本のディーゼル乗用車の普及にまい進しているマツダへの影響が懸念されますが、
> マツダのスカイアクティブは圧縮比を下げるなどの工夫により、窒素酸化物の濃度を下げる仕組みを使っているため、
> VWの出鱈目なクリーンディーゼルとは異なることを、多くの日本人が知ることを期待します。


お久しぶりです。コメント有難うございます。
1年ぶりくらいでしょうか、これからも宜しくお願いします。
VWはビートルでアメリカ進出した時は日本車より先行していました。
それがいつの間にか可笑しくなってしまった、私にもよく分かりません。
ただVWは数年前アメリカに工場(チャタヌガ工場)を作りましたが、人件費が驚くほど安いと評判になりました。
人件費を抑えるのは経営的には良い事ですが、余りにも安いのでアメリカ人の反発があるのかもしれません。

それで今回の問題ですが、ボッシュが噛んでいる事は間違いありません。違法なソフトを組み込んだ部品はVW本体では製造していない、ボッシュ若しくはボッシュの息のかかったメーカーの筈ですから。

それからマツダの件ですが、実は昨日マツダのセールスを長年やっていた友人に会いました。彼が言うには2日ほど前マツダの仲間と色々話をしたのだが、主な話題はVWの件。以下は彼の話です。
マツダは昔とても辛い思いをしたことがある。ロータリーの件です。
滑らかな回転と素晴らしいパワー、そんなロータリーだがガスを馬鹿食いする、排気が汚い、散々言われました。
マツダ全社ではこの時の辛い思いを今でも共有しており、それを車作りに生かそうとしている。
だから今回の件でもマツダは決して可笑しなことはしないだろうと。

私もタイ時代にマツダの人と色々付き合いがありましたので、こんな彼らの想いは良く分かります。
でも当分ディーゼルには逆風でしょうね。
  1. 2015-09-26 21:12
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

訂正です

ボッシュでは無くシーメンスでした。
  1. 2015-09-26 21:13
  2. URL
  3. 団塊ノンポリ #-
  4. 編集

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  1. 2015-09-26 21:31
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Re: dCi(直噴コモンレール式ディーゼルターボ )

> こんにちは。
> わたしはかって4年ほどルノー・メガーヌ 1.9dCi(直噴コモンレール式ディーゼルターボ )に乗っていました。素晴らしいエンジンで、若干ディーゼルらしい回転音はするものの実にスムーズな回転で、またディーゼルゆえの太いトルクのおかげで高速巡行中は6速でもオートバーンの追い越しは楽チンでした。最高速度は210キロは出せました。乗り心地はいかにもルノーらしいソフトさで操作性もよく、また燃費も当然なことに抜群で満タンにすると650キロは走れました。
>
> がしかし、これまたルノーらしく、走れば最高ですが、走らないことがあるのが胡乱です。ある日、オートバーン走行中に出力がなくなりしかも追い越し車線だったためにひやひやでした。幸い休憩所まで慣性走行でなんとかたどり着いたのでした。ADACに牽引してもらい家の近くの修理工場で見てもらったところターボの故障で燃料が供給されなかったとのこと。修理に1500ユーロ支出を迫られました。しかしそんな車は危なくって乗れないのでまもなく手放しました。あれがなければ欧州の一般ユーザーのように10年20万キロは乗ったことでしょう。ディーゼルは耐久性も売りですからね。
>
> そのころはメーカーのスペックどおりクリーンなエンジンと信じていましたので走る快感と低燃費に大満足の4年間でした。欧州の大方のユーザーも斯くの如きだったのでありましょう。


現地からの生の声、有難うございます。
コモンレールディーゼルのパワフルな走り、ホントにすばらしいですね。特にドイツは高速走行が多いので走る楽しみを満喫できたことでしょう。
しかし環境性能は本当に可笑しかった、そう思います。
実はこの8月にある人がロンドンに3週間ほど滞在しました。語学留学です。
帰国してロンドンの事を色々聞きましたが、大いに驚いたのがロンドンの空気が汚い事。鼻水が黒くなるなんて経験は日本では一度もしたことが無いのにロンドンでは毎日だ。そしてズボンなどを洗濯すると水が真っ黒になる。此れも経験したことが無かったので大いに驚いたと言っていました。本人は名古屋市内在住なので田舎暮らしではないのにです。

色々調べてみると矢張りディーゼルが原因らしい、そんな事が分かりました。
そんな事をもう少し調べてエントリーしようかと思っています。
  1. 2015-09-26 22:25
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  3. 短足おじさん二世 #-
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Re: 訂正です

> ボッシュでは無くシーメンスでした。


了解しました。
とは言うものの実はやはりボッシュではないか。
本文にも書きましたがシーメンスは多分ボッシュの下請け的立場ではないでしょうか。
コモンレールは余りにも難しい、シーメンスと言えども何もなしに開発できるとは思えません。
  1. 2015-09-27 07:17
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  3. 短足おじさん二世 #-
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マツダには頑張って頂きたいです

マツダはロータリーで社運を賭けたのですが、本当に辛酸をなめました。
しかしマツダの方(単に技術人だけでなく全社の)はこのお蔭で沢山のモノを獲得しました。
例えば現在金型などのコーティング技術はロータリー開発から生まれました。
数十キロもある金型部品を名古屋から航空便で広島に送り、あっと言う間にコーティングし送り返す。技術屋だけでなくいろんな部署の人が心を一つにしないとできません。ロータリーは失敗でしたが、こんな有形無形の財産が今もマツダには脈々と流れています。
マツダがフォード傘下に入りましたが、フォードの経営陣からの評価は「マツダから得る事は非常に多く、フォード内ではマツダに出向するのは出世コースだ」、こんな評価です。
凄いですね。
  1. 2015-09-27 07:34
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  3. 短足おじさん二世 #-
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