2015-09-19 17:37

デザイン・レビューのすすめ

 今回の東日本大水害に関して「防災には訓練が重要」をエントリーしたのだが、そこに浸水した常総市役所の写真を載せた。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1164.html

この浸水した常総市役所、昨年暮れに完成したばかりの新庁舎がこんな被害。市民の皆さんもきっと無念だと思う。

2015-9-17浸水した常総市役所


新聞では「非常用電源浸水した常総市役所、備えの甘さ露呈」、こんな事を書かれている。
だが言われた方の立場なら見れば「無責任な外野席が勝手な言いたい放題言いおって・・・、じゃあ如何すればいいんだ」、、こんな感じではなかったか。

 私はこれを作る時、設計段階で「デザイン・レビュー」をきちんとやっておればこんな事態にならなかった筈だ。そう思っているのだが、その前にこんな話をご紹介。

コメント欄でkoguma さんからこんな指摘を頂いた。
>常総市役所も新築なのであれば、電気設備は屋上に置き、1階は市民ホールとして市役所機能を置かず(うちの県庁舎はそうなっています)、2階以上に市役所機能を置けば被害がかなり異なったと思います。折角ハザードマップがあったのに宝の持ち腐れにしてしまいました。
> 自分の実家の市は過去カスリーン台風で偉い目にあったので、市役所の1階に入るのに敷地内の結構な階段を上ります。水が入らないためです。ただ半地下の出入り口があるので、普段お年寄りはそこからエレベーターで1階に行きます。
> 過去の教訓や研究結果を生かすも〇すも、周りを見回す目を持った人がいるかいないかなのではないかと思います。

貴重なご意見である。そして他の市や県ではこんな事を計算に入れて建物を作っている。そんな所の人から見れば「分かってる事だろ、何考えてんだ」と言われるわけだ。

さてこれからが本題。
そんな事を防ぐために手法として「デザイン・レビュー(略してDR、設計審査と言う)」という事がある。
どんな事か?

デザインレビューとは主に物造りの中で品質システムの一環として使われています。
JISやISOの品質システム、例えばISO9001などで製品を設計したら必ず「デザインレビューをやりなさい」となっています。

具体的には
デザインレビュー(Design Review)とは、製品ならびにその生産から廃棄に至るライフサイクルの設計計画のアウトプットとその導出プロセスに対して、機能、性能、安全性、信頼性、操作性、デザイン、生産性、保全性、廃棄性、コスト、法令・規制、納期などの顧客要求や設計開発目標に関わるすべての品質特性の見地から、妥当性の評価ならびに問題点の摘出を行い、次の設計開発のステップへ移行できるかどうかを判断する組織的活動です。

と何やら難しい話になりましたが、もう少し辛抱してください。

歴史を紐解けば、
この"Design Review"は1950~1960年代に一発勝負で失敗の許されないミサイルや宇宙ロケットの開発や打上げに係わる製品の信頼性確保の必要から生み出された設計管理の手法であり、その後に飛行機、自動車、テレビなど複雑な製品の使用時の品質の確保の手法として適用が拡がった。日本には1970年代に日科技連が信頼性デザインレビュー委員会を設けて普及を図り、1990年代に確立した設計管理の方法論です。

ますます訳が分からない・・・
これは日本が戦後の復興から高度成長と発展していく過程で品質をどんどん向上させてきた。そしていつの間にか品質で欧米を凌駕するようになってきた。そんな過程で欧米流の品質システムに日本流の品質システム(TQC)を取り込んで品質システムを作り上げてきた。それがJISやISOで規格化されたものと言う事です。

要するに
建築でも家電でも自動車でも、設計が出来たらいろんな部署の専門家が集まってしっかり検討しなさい。これは組織的にやりなさい。こんな事なのです。
今回の常総市役所の場合でも、設計ができた段階でいろんな部署に人がそれぞれの目で検討する場を作って検討していたら・・・
そんな所に防災担当の人がいたら、当然こんな発言をした筈だ。
「この土地は洪水の被害を受けやすい土地で、だからハザードマップを作っている。このハザードマップを見てくれ、こんな浸水でもちゃんと機能する市役所にするべきではないのか」、こうではないでしょうか。

そしてkogumaさんの言われる「周りを見回す目を持った人がいるかいないか」、これは組織的に問題点を摘出する活動、これをまとめる人が重要で、それがトップ、リーダーの役目と言う事だと思います。

これは私の勝手な推定ですが、多分建設段階で問題に気が付いた人は沢山いたと思います。しかし何かするにはすべて手遅れ、或いはトップがコレで良いんだと押し切った、こんな事情があると見ています。


そう言えば最近もデッカイ事例があります。東京オリンピックのメインスタジアム問題。
幸い安倍首相がこれでは駄目と見直しを指示した・・・(大英断だと思います)
これから物凄い突貫工事が始まるでしょう。しかし後世の残るとんでもないスタジアムを直前で思いとどまった
これからの関係者のご努力に期待しています。


さてこんな毛唐かぶれのデザインレビュー・・・ 実は違います。
これは日本古来の考え方そのものなのです。

最初に明治維新のポリシー、五箇条の御誓文の第一
一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ

こうなっています。これをものの設計段階に具体的に展開したのがデザインレビュー。

オッと待った、オラの事を忘れちゃ困ると聖徳太子。十七条憲法には
十七曰、夫事不可獨斷。必與衆宜論。(以下略)
書き下し分は、
十七に曰く、夫れ事独り断むべからず。必ず衆(もろもろ)とともに宜しく論(あげつら)ふべし。(以下略)
現代風に言えば、
・ 大事なことは一人で決めずに、必ず皆と相談しなさい

今風に言えば「デザインレビュー」ですが、明治維新のポリシーであり、古くは聖徳太子の十七条憲法でも言われている事です。
色んな所で使えると思います。

  1. 社会一般
  2. TB(0)
  3. CM(30)

コメント

決壊は想定するべきか。

こんばんわ、

越水は両岸の数箇所でほぼ同時に起こり浸水域が広いのに対し、決壊は片岸の一箇所に水が集中し、場合によっては河川が逆流して決壊箇所から流入するので、被害が甚大になる傾向があります。
知らない土地ですので、高低差のような細かい立地条件は判りませんが、決壊という事態まで想定するべきかとなると、難しい問題ですね。
もし想定すべきであるとなれば、かなり多くの庁舎で対策が必要になるでしょう。

例えば平成12年の東海豪雨で氾濫した庄内川の場合、右岸と左岸で堤防の高さ変えて名古屋市側には氾濫しない構造になっていますが、決壊しないという保証はありません、もし決壊で名古屋市が受ける被害を想定して対策するとなると現実的ではありません。

9月12日というと忘れもしない、昭和51年に安八町で長良川の堤防が決壊して甚大な被害を出した、安八水害の日でした。
当日は川沿いの親戚の家に、水害に備えて荷物を上階に上げる手伝いに行っていまして、時折川の様子を見に行っていたのですが、長良橋の橋脚が水没する上限まで上がっていた水位が、堤防決壊の後短時間に50cmは下がったと記憶しています、決壊箇所から流出した水の勢いが想像されます。
輪中堤を閉め切って難を逃れた輪之内町は、それが為に遡上した水で浸水した墨俣町から、ずいぶんと恨まれたとか恨まれなかったとか。

長良川の上限水位には一つカラクリがありまして、上流の関市に洗い堰(霞堤)が2ヶ所あり、洗い堰を乗越えて三段ある河岸段丘の最下段を遊水地として流れ込む期間は、水位の上昇が止められる仕組みです。水没するのは精々10年に一度程度で普段は水田になっています。
遊水地の所有者も土地を有効利用したいという要望で、代わりとなる地下遊水地を岐阜市内に作ったようで、遊水地が川下に移ったことで、その間の堤防の補強と、かなり綿密に設計しているようです。
河口堰ができる以前までは本流にダムの無い川で宣伝していましたが、手を変え品を変え治水に苦心してきたようで、堤防が低かった明治中期の地図を見ますと、分流があったり川幅が広いところがあったりと、流域を広く取ってあったようです。
治水の為の広い土地と、土地の有効利用との兼ね合いで難しいところです。

調べてましたら、鬼怒川も上流の宇都宮市石井に霞堤がありますね、ここが機能して尚且つ水量を制限できなかったなら、天災と諦めるしかないでしょうが、ここが機能する前に堤防が決壊したなら、明らかに堤防の問題と言えるのではないでしょうか。

因みに岐阜市役所は昭和40年頃の建築で、伊勢湾台風で浸水した地域ではありませんが、一階はすべてロビーで、市民課・税務課が中二階、機械室は別棟の中二階という贅沢な配置になっています。
贅沢もさるものながら、バリアフリーの問題もあり、現在このような配置を作るのは難しいと思われます。尤も手狭になった今では一階ロビーの大半を潰して事務スペースに使わざるを得なくなっています。
  1. 2015-09-20 03:55
  2. URL
  3. fcq821 #/lkjinTE
  4. 編集

fcq821 #/lkjinTE様。

>調べてましたら、鬼怒川も上流の宇都宮市石井に霞堤がありますね

このあたりは河道や河川敷が広く勾配もあるため、流域の降水量か多かったと言われていますが、今回は中流域で水面が河川敷まで上昇することはありませんでしたし、防災情報も出ませんでした。従って、上流で降った雨が全部流れたことになります。隣の小貝川の方が結構危なかったくらいです。
また、下流域の堤防の高さや河道幅は中流域のそれよりずっと低く狭いので、中流域の霞堤が機能しても下流域の水害は避けらけなかったかもしれませんし、これが機能すると言うことは今回より更なる短時間の大雨、または長期間の多量の降水量を必要としますので、いずれにしろ下流域の被害は出たと思います。

毎日鬼怒川を渡っていて天気と川の具合を見ていますので、蛇足ながら失礼しました。
  1. 2015-09-20 07:22
  2. URL
  3. koguma #-
  4. 編集

Re: 決壊は想定するべきか。

> こんばんわ、
>
> 越水は両岸の数箇所でほぼ同時に起こり浸水域が広いのに対し、決壊は片岸の一箇所に水が集中し、場合によっては河川が逆流して決壊箇所から流入するので、被害が甚大になる傾向があります。
> 知らない土地ですので、高低差のような細かい立地条件は判りませんが、決壊という事態まで想定するべきかとなると、難しい問題ですね。
> もし想定すべきであるとなれば、かなり多くの庁舎で対策が必要になるでしょう。
>
> 例えば平成12年の東海豪雨で氾濫した庄内川の場合、右岸と左岸で堤防の高さ変えて名古屋市側には氾濫しない構造になっていますが、決壊しないという保証はありません、もし決壊で名古屋市が受ける被害を想定して対策するとなると現実的ではありません。
>
> 9月12日というと忘れもしない、昭和51年に安八町で長良川の堤防が決壊して甚大な被害を出した、安八水害の日でした。
> 当日は川沿いの親戚の家に、水害に備えて荷物を上階に上げる手伝いに行っていまして、時折川の様子を見に行っていたのですが、長良橋の橋脚が水没する上限まで上がっていた水位が、堤防決壊の後短時間に50cmは下がったと記憶しています、決壊箇所から流出した水の勢いが想像されます。
> 輪中堤を閉め切って難を逃れた輪之内町は、それが為に遡上した水で浸水した墨俣町から、ずいぶんと恨まれたとか恨まれなかったとか。
>
> 長良川の上限水位には一つカラクリがありまして、上流の関市に洗い堰(霞堤)が2ヶ所あり、洗い堰を乗越えて三段ある河岸段丘の最下段を遊水地として流れ込む期間は、水位の上昇が止められる仕組みです。水没するのは精々10年に一度程度で普段は水田になっています。
> 遊水地の所有者も土地を有効利用したいという要望で、代わりとなる地下遊水地を岐阜市内に作ったようで、遊水地が川下に移ったことで、その間の堤防の補強と、かなり綿密に設計しているようです。
> 河口堰ができる以前までは本流にダムの無い川で宣伝していましたが、手を変え品を変え治水に苦心してきたようで、堤防が低かった明治中期の地図を見ますと、分流があったり川幅が広いところがあったりと、流域を広く取ってあったようです。
> 治水の為の広い土地と、土地の有効利用との兼ね合いで難しいところです。
>
> 調べてましたら、鬼怒川も上流の宇都宮市石井に霞堤がありますね、ここが機能して尚且つ水量を制限できなかったなら、天災と諦めるしかないでしょうが、ここが機能する前に堤防が決壊したなら、明らかに堤防の問題と言えるのではないでしょうか。
>
> 因みに岐阜市役所は昭和40年頃の建築で、伊勢湾台風で浸水した地域ではありませんが、一階はすべてロビーで、市民課・税務課が中二階、機械室は別棟の中二階という贅沢な配置になっています。
> 贅沢もさるものながら、バリアフリーの問題もあり、現在このような配置を作るのは難しいと思われます。尤も手狭になった今では一階ロビーの大半を潰して事務スペースに使わざるを得なくなっています。


庄内川の洗堰問題ですが、小田井人足と言う言葉がが有ります。今は完全に死語ですが、庄内川が氾濫寸前になると名古屋城と反対側、つまり小田井辺りの堤防を切ってこちらに水を流す。その為に小田井の百姓を人足としてこの堤防切をさせるのですが、人足にしてみると自分の住む家が水没する。だからだらだら仕事をしたような振りをするがチットモ仕事をしない。
ここから仕事をしない人足のことを言う言葉になりました。

川の堤防を作る時は決して口外しませんがどちらが切れるか、越水するかが考えて作ってあります。最悪の場合被害が最小になるようにです。但しこれは普通は誰も言いません。(ですが堤防をキチンと測量すればすぐわかります)

今回の鬼怒川の決壊は最大の要因はさらに下流の大木開削の部分です(前回エントリーでの写真参照)。この写真を見ていただくと分かりますが、この掘割場の部分は水位が上がっても流量はそんなには増えません。その上流の部分は川幅が広くなるので大量の水を受け止められますが、それがこの掘割状の部分が抵抗になって上流部の水位が上がります。
この掘割状の部分の河床勾配がきつくて流速が早ければ解決の可能性がありますが、河床勾配はずっと同じ。
結論として鬼怒川は決壊ヶ所付近で越水しやすい構造だと言う事です。

現地を知らない人間なので曖昧な事は言いたくなかった、そんな事でこんな事は余り本文には書きませんでした。
しかしそんな事情を踏まえて対策と訓練を重ねるべきなのだと思っています。

安八水害の話、現地の生の声、有難うございます。実は私は愛知県の知多半島在住ですが、この水害直後に現地を見に行きました。
締め切った輪中堤防とか土嚢をどこの土をとって作ったかとか、色々見てきました。
あの辺りの人は流石水害になれていました。だから破堤しやすそうなところには水防小屋を作り資材を保管。そしてこの時は破堤しそうなところに杭を打って破堤を防ごうとしていた筈です。(その作業の為堤防に居た水防団の方で犠牲者が出た筈。合掌)

そんな目で見るとあの暴れ川に対して用心が足りなかった、そう言われても仕方ないですね。
  1. 2015-09-20 16:37
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

To:koguma さん

> fcq821 #/lkjinTE様。
>
> >調べてましたら、鬼怒川も上流の宇都宮市石井に霞堤がありますね
>
> このあたりは河道や河川敷が広く勾配もあるため、流域の降水量か多かったと言われていますが、今回は中流域で水面が河川敷まで上昇することはありませんでしたし、防災情報も出ませんでした。従って、上流で降った雨が全部流れたことになります。隣の小貝川の方が結構危なかったくらいです。
> また、下流域の堤防の高さや河道幅は中流域のそれよりずっと低く狭いので、中流域の霞堤が機能しても下流域の水害は避けらけなかったかもしれませんし、これが機能すると言うことは今回より更なる短時間の大雨、または長期間の多量の降水量を必要としますので、いずれにしろ下流域の被害は出たと思います。
>
> 毎日鬼怒川を渡っていて天気と川の具合を見ていますので、蛇足ながら失礼しました。


なるほど、詳しい情報ありがとうございます。
河川勾配図を見ていただくと分かりますが、宇都宮辺りでは河川勾配は360分の1程度、流速は結構速いと思います。
しかし常総市辺りでは2500分の1程度と河川勾配が緩くなる。だから本当はこの辺り大きな遊水地と霞堤が必要なのですね。
更に悪いのがさらに下流の大木開削の部分。この掘割状の部分が洪水のさいの抵抗になるのです。
fcq821さんへのコメントにも書きましたが、鬼怒川はこの辺りが本当のネックなのですね。
そんな時川の改良を叫んでも簡単には解決しない、そんな所に住むと言う現実を前提にした対策が必要だった。そうだと思っています。
でも現地を知らない人間にはこれ以上分かりません。一刻も早い復興を祈るばかりです。
  1. 2015-09-20 16:52
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

川と共に生きる

こんばんわ、

誤解があるようですが、安八水害の事例も含めて、遊水地は川上でも川下でも構わないのです。途中で増加する水量に関しては、合流する川の水量もしくは排水場の能力から凡そ見当がつくはずで、川下で遊水地が開けば、計画勾配よりも流速が速くなります。
川全体で考えてネックとなる部分の水位を抑えられれば良いのですから、常総市だけを見ても何とも言えません。報道では判りませんが、下流の利根川の水位の上昇が、流速を遅くしていた可能性も考えられます。

提示されたハザードマップですが、一定の条件の元で想定したものですので、その条件を満たす可能性を考慮に入れなければ、リスクの大きさは判りません。
例えば庄内川のハザードマップを見ると、名古屋側が決壊することは最初から想定されていません、しかし可能性が0ではありません。
安八水害で決壊した箇所は、古い蛇行の跡で堤防の下に伏流水が入り込んで基礎が緩んだと聞いています。
なお堤防の欠陥は明らかになりましたが、民事訴訟では敗訴になっています。

越水が決壊に至った原因の一つとして、河川敷の保護林を切り倒して開発したために、水圧が集中して堤防の負荷が大きくなったと考えられるでしょう。流量を稼ぐには河川敷の樹木は邪魔なもので、堤防の保護と流量のどちらを取るか難しいところです。
いずれにしても河川全体で総合的に考えるべきところを、部分的に開発したので辻褄が合わなくなったのでしょう。

越水したときの浸水の深さとして、明治以前からの農家の土盛りの高さを、凡その基準に見ています。堤防が低かった昔はしょっちゅう越水していたと考えられ、それで流域が広がるのですから、際限なく浸水が深くなるわけではありません。もちろん決壊の場合はそれ以上になる可能性もあり、水屋の土盛りが凡その目安ですね。
当地の細かい高低差は判りませんが、この辺りを基準に市役所のある場所の立地条件の良し悪しの見当が付くと思います。
航空写真を見た限りでは、無理な開発が行なわれた地域でなく、土地の小高い所に民家が並んでいたような印象を受けました。二階屋の軒高を越える長良川の堤防を見慣れている方としては、特別に危険な低地だとも思えません。

岐阜市役所の中二階の高さが、200mほど離れたところの岡本家のお屋敷がある旧街道と凡そ同じ高さなんですね、偶然だと思いますが。岡本家というより鍋屋工業と言ったほうが有名ですね。
  1. 2015-09-20 20:41
  2. URL
  3. fcq821 #/lkjinTE
  4. 編集

ご指摘の通り、安倍首相の国立競技場の決断は英断でした。しかし、それでも文句をいうマスコミはまさにゴミです。
「鬼怒」川なんて、名称からして、洪水をたびたび起こす川だと地元市役所は認識していなかったのでしょうか?不思議ですが、要はデザインは専門家に丸投げだから「自分らには関係ない」という無責任な対応だったと想像します。しかし、日本の80年代後半バブル時代にこの当たりや牛区沼あたりまでサラリーマン層にかわれました。海外在住なのでよくわかりませんが、家を流された人は水害保険とか効くのでしょうか。財産的損害は大きいのでは。
  1. 2015-09-21 13:19
  2. URL
  3. NINJA300 #/xzFVZWc
  4. 編集

Re: 川と共に生きる

> こんばんわ、
>
> 誤解があるようですが、安八水害の事例も含めて、遊水地は川上でも川下でも構わないのです。途中で増加する水量に関しては、合流する川の水量もしくは排水場の能力から凡そ見当がつくはずで、川下で遊水地が開けば、計画勾配よりも流速が速くなります。
> 川全体で考えてネックとなる部分の水位を抑えられれば良いのですから、常総市だけを見ても何とも言えません。報道では判りませんが、下流の利根川の水位の上昇が、流速を遅くしていた可能性も考えられます。
>
> 提示されたハザードマップですが、一定の条件の元で想定したものですので、その条件を満たす可能性を考慮に入れなければ、リスクの大きさは判りません。
> 例えば庄内川のハザードマップを見ると、名古屋側が決壊することは最初から想定されていません、しかし可能性が0ではありません。
> 安八水害で決壊した箇所は、古い蛇行の跡で堤防の下に伏流水が入り込んで基礎が緩んだと聞いています。
> なお堤防の欠陥は明らかになりましたが、民事訴訟では敗訴になっています。
>
> 越水が決壊に至った原因の一つとして、河川敷の保護林を切り倒して開発したために、水圧が集中して堤防の負荷が大きくなったと考えられるでしょう。流量を稼ぐには河川敷の樹木は邪魔なもので、堤防の保護と流量のどちらを取るか難しいところです。
> いずれにしても河川全体で総合的に考えるべきところを、部分的に開発したので辻褄が合わなくなったのでしょう。
>
> 越水したときの浸水の深さとして、明治以前からの農家の土盛りの高さを、凡その基準に見ています。堤防が低かった昔はしょっちゅう越水していたと考えられ、それで流域が広がるのですから、際限なく浸水が深くなるわけではありません。もちろん決壊の場合はそれ以上になる可能性もあり、水屋の土盛りが凡その目安ですね。
> 当地の細かい高低差は判りませんが、この辺りを基準に市役所のある場所の立地条件の良し悪しの見当が付くと思います。
> 航空写真を見た限りでは、無理な開発が行なわれた地域でなく、土地の小高い所に民家が並んでいたような印象を受けました。二階屋の軒高を越える長良川の堤防を見慣れている方としては、特別に危険な低地だとも思えません。
>
> 岐阜市役所の中二階の高さが、200mほど離れたところの岡本家のお屋敷がある旧街道と凡そ同じ高さなんですね、偶然だと思いますが。岡本家というより鍋屋工業と言ったほうが有名ですね。


確かにご指摘の通り、どこかに水の逃げ場が有れば他の地域は救われます。
本流の長大堤防で水を閉じ込めている為水位が非常に高いですが、氾濫した時の水位はそれほど高くない。だから安八水害の時輪中堤を見たのですが、本流の堤防より随分低いけれど此れで良いんだと聞きました。
尚この時決壊した所には昔丸池と言う池があり、堤防は池が半分くらいかかっていたのだとか、だから池の底面を滑って堤防本体が突然崩壊したと聞いた記憶があります。これが昔の川の蛇行跡ならなるほど納得です。

それから岐阜市役所の話ですが、昔の地図と現在の地図を比較するソフトが有ります。
http://ktgis.net/kjmapw/kjmapw.html?lat=35.172883&lng=136.889812&zoom=14&dataset=chukyo&age=0&map2type=roadmap&dual=true
一つの画面に新旧両方の地形図が表示されます。
これで見ると岐阜市役所は昔の微高地から一段下がった所に立地していますね。

いずれにしてもご指摘の「川と共に生きる」、名言です、正にこの通りなのでしょう。
今回の水害の一番のキーワードは「川と共に生きている。そのことを忘れるな」でしょうね。
  1. 2015-09-21 14:32
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

To:NINJA300 さん

> ご指摘の通り、安倍首相の国立競技場の決断は英断でした。しかし、それでも文句をいうマスコミはまさにゴミです。
> 「鬼怒」川なんて、名称からして、洪水をたびたび起こす川だと地元市役所は認識していなかったのでしょうか?不思議ですが、要はデザインは専門家に丸投げだから「自分らには関係ない」という無責任な対応だったと想像します。しかし、日本の80年代後半バブル時代にこの当たりや牛区沼あたりまでサラリーマン層にかわれました。海外在住なのでよくわかりませんが、家を流された人は水害保険とか効くのでしょうか。財産的損害は大きいのでは。


確かにデザインの専門家に任せたから自分らは関係ないと思っていたと想像しています。
だからこそこんな時はデザインレビューをやる事で問題点が出てくる。但しその為には矢張りトップが柔軟な姿勢で対応しないとダメでしょうね。
私もレビューする側にもされる側にもなりましたのでそんな悩みは良く分かります。一番の難物はコスト。これで長年苦労しました。

こんな所の土地を取得された方には大変お気の毒ですが、私は水害の報道をテレビで見る時、家族にこんな事を言っています。
被害に遭った家は皆新しいだろ、古い家は被害の少ない所にあるだろ。これをよく見ておきなさいと。
他の方のコメントにも書きましたが「「川と共に生きている。そのことを忘れるな」だと思います。
  1. 2015-09-21 14:47
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

ハザードマップだけでは予見は難しかったのでは。

まず面白いサイトをご紹介頂きありがとうございます。
明治年間の地図は図書館で閲覧コピーできますので見覚えがあるものの、河川も鉄道も場所が変っていて同じ場所を比定するのも寺社や旧街道に頼るしか無かったのですが、この地図は興味深く見ていて飽きませんね。
長良川は昭和の始めに北側の分流を閉切って現在の1本にまとめたのですが、同時に堤防を移転して本流の川幅を3割ほど広げています、更に地形を観察すると、それ以前の分流も何本か存在する暴れ川だったんですね。

柳ヶ瀬という地名が表すように、明治以前には柳の茂る川原だったと聞いていますので、排水が整備される以前は水に弱かった土地が中心部になっています。岐阜市役所の立地ですが、表側は道路の高さですが、裏側は1m以上の石垣になりますので、丘地の端に盛り土したと思われます。道路に合わせてあちこち盛り土してありますので、明治の地形図そのままの高低差ではありませんが、ブラタモリよろしく、そうした観察を通じて市街地の1m2mの高低差は、粗方把握しているつもりです。
そういう事情で岐阜市には独自に調査したと思われる詳細(20mメッシュ?)なハザードマップがあり、PDFのレイヤー機能で必要な情報だけ見れる優れものです、誰がこれだけの予算を付けた?
http://www.city.gifu.lg.jp/12625.htm
加えて堤防中段には昔の木造の時代から数kmおきに水防倉庫があり、川沿いの自治会では消防団とは別に組織した水防団が毎年春に土嚢積みの訓練をしています。現在の長良川堤防が決壊するとは考えられませんが、古くからの慣わしが続いているようです。

常総市のハザードマップは、国土地理院地形図の等高線を元に作成したと思われ、大まかなことしか判りません。教えて頂いたサイトで常総市役所の立地を見ましたら、明治以来の市街地の横の桑畑の中なので、丘地だったのではないかと思われます。
http://ktgis.net/kjmapw/kjmapw.html?lat=36.01946500211529&lng=139.9923130089112&zoom=14&dataset=kanto&age=0&map1type=roadmap&map2type=roadmap&dual=true&mapOpacity=10&altitudeOpacity=3
予算の問題やバリアフリーなどの利用上の都合もあるでしょうし、重たく振動がある発電機を上階に設置するだけでも、元々頑丈な原発などとは違い建物の強度を増す必要があるので、簡単ではないでしょう。
浸水したという結果から行政の不備を指摘するのは簡単ですが、予見して説得力のある説明ができたかとなると、難しかっただろうと思われます。結果からは反省点を洗い出して今後の対策に反映していくのが肝要かと。

逆に排水の速さには感心しました、翌日には浸水した場所の多くで水が引いていましたから。自然排水が動力排水か判りませんが、これだけ排水能力の余力があるということは、元々それほど危険が迫ったような地域ではなかったように思います。
被害に遭われた方々にはお気の毒ですが、関東だけに大きく騒がれただけのような気もします。
  1. 2015-09-22 03:32
  2. URL
  3. fcq821 #/lkjinTE
  4. 編集

Re: ハザードマップだけでは予見は難しかったのでは。

> まず面白いサイトをご紹介頂きありがとうございます。
> 明治年間の地図は図書館で閲覧コピーできますので見覚えがあるものの、河川も鉄道も場所が変っていて同じ場所を比定するのも寺社や旧街道に頼るしか無かったのですが、この地図は興味深く見ていて飽きませんね。
> 長良川は昭和の始めに北側の分流を閉切って現在の1本にまとめたのですが、同時に堤防を移転して本流の川幅を3割ほど広げています、更に地形を観察すると、それ以前の分流も何本か存在する暴れ川だったんですね。
>
> 柳ヶ瀬という地名が表すように、明治以前には柳の茂る川原だったと聞いていますので、排水が整備される以前は水に弱かった土地が中心部になっています。岐阜市役所の立地ですが、表側は道路の高さですが、裏側は1m以上の石垣になりますので、丘地の端に盛り土したと思われます。道路に合わせてあちこち盛り土してありますので、明治の地形図そのままの高低差ではありませんが、ブラタモリよろしく、そうした観察を通じて市街地の1m2mの高低差は、粗方把握しているつもりです。
> そういう事情で岐阜市には独自に調査したと思われる詳細(20mメッシュ?)なハザードマップがあり、PDFのレイヤー機能で必要な情報だけ見れる優れものです、誰がこれだけの予算を付けた?
> http://www.city.gifu.lg.jp/12625.htm
> 加えて堤防中段には昔の木造の時代から数kmおきに水防倉庫があり、川沿いの自治会では消防団とは別に組織した水防団が毎年春に土嚢積みの訓練をしています。現在の長良川堤防が決壊するとは考えられませんが、古くからの慣わしが続いているようです。
>
> 常総市のハザードマップは、国土地理院地形図の等高線を元に作成したと思われ、大まかなことしか判りません。教えて頂いたサイトで常総市役所の立地を見ましたら、明治以来の市街地の横の桑畑の中なので、丘地だったのではないかと思われます。
> http://ktgis.net/kjmapw/kjmapw.html?lat=36.01946500211529&lng=139.9923130089112&zoom=14&dataset=kanto&age=0&map1type=roadmap&map2type=roadmap&dual=true&mapOpacity=10&altitudeOpacity=3
> 予算の問題やバリアフリーなどの利用上の都合もあるでしょうし、重たく振動がある発電機を上階に設置するだけでも、元々頑丈な原発などとは違い建物の強度を増す必要があるので、簡単ではないでしょう。
> 浸水したという結果から行政の不備を指摘するのは簡単ですが、予見して説得力のある説明ができたかとなると、難しかっただろうと思われます。結果からは反省点を洗い出して今後の対策に反映していくのが肝要かと。
>
> 逆に排水の速さには感心しました、翌日には浸水した場所の多くで水が引いていましたから。自然排水が動力排水か判りませんが、これだけ排水能力の余力があるということは、元々それほど危険が迫ったような地域ではなかったように思います。
> 被害に遭われた方々にはお気の毒ですが、関東だけに大きく騒がれただけのような気もします。


この新旧地形図の比較は実に素晴らしい仕事でして、これからの防災など随分役に立つと思います。
1年前ですが広島水害の時、昔の地名が蛇落地悪谷との話が流れ話題になりました。私もとり上げようかなあと思ったのですが、このソフトで確認したらそんな名称は出て来ない。それでブログには書きませんでした。結果はどうもそんな名前は江戸時代以前に遡っても記録が無いと言う事でしたね。

所で水防訓練の話、木曽三川はあちこちに水防小屋があり、水防団が組織され、定期的に水防訓練が行われている事は知っています。そしてこれがとても重要で、こんな普段の訓練があればこそ問題が未然に防げると思っています。
鬼怒川の自然堤防を削ってしまった件、もしこの辺りにも水防団があって毎年訓練をしていたら、こんな時大騒ぎになっていたでしょう。

念の為鬼怒川周辺を調べてみたのですが、どうも水防団らしきものは見当たらない。
矢張り普段の訓練が重要で、そんな所から住民の意識も問題点の摘出も行われるのではないかと思います。
  1. 2015-09-22 07:49
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

決壊は想定すべきでしょう

決壊はそりゃ想定すべきでしょう。その上で、可能な範囲で対策すればよいだけです。完璧な対策を求めれば現実的でないのはあたりまえですよ。隕石から原発を守れと言うようなものです。

名古屋の話もそうです。すべての建物を今すぐ建て替えようとすれば現実的でないのは当たり前。でもいずれ建て替えねばならない日は来るはずです。その時に役所や学校、病院などは災害時を想定して設計するべきでしょう。そんなに変なことですか?
  1. 2015-09-22 17:24
  2. URL
  3. 神戸人 #mQop/nM.
  4. 編集

Re: 決壊は想定すべきでしょう

> 決壊はそりゃ想定すべきでしょう。その上で、可能な範囲で対策すればよいだけです。完璧な対策を求めれば現実的でないのはあたりまえですよ。隕石から原発を守れと言うようなものです。
>
> 名古屋の話もそうです。すべての建物を今すぐ建て替えようとすれば現実的でないのは当たり前。でもいずれ建て替えねばならない日は来るはずです。その時に役所や学校、病院などは災害時を想定して設計するべきでしょう。そんなに変なことですか?


初めまして、コメント有難うございます。
確かにいろんなケースを想定して対策するのは重要です。しかし意外とそんな事がおざなりになっている現状があります。
川の話なので神戸の事例で説明します。
鬼怒川が天井川で川床が地面より高い、そんな川なので決壊が問題なのですが、そんな川は神戸にも沢山あります。
例えば芦屋川、JRが川の下を通ってますよね。
芦屋川は上流の六甲に降った水を海に流す川なので昔は暴れ川だった筈です。明治時代に六甲山系の砂防工事が行われ、大分川が大人しくなったと聞いています。
しかし今神戸にお住まいの方で芦屋川が昔の暴れ川の本性を現すなどほとんど考えていない方が多いのではないでしょうか。

そんな事なので矢張り日常の防災訓練が重要。その中で浮かび上がってきた問題点対策を地道にコツコツ積み上げていく必要がある。
そう思っています。
  1. 2015-09-22 19:16
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

懐かしい言葉です

「デザイン・レビュー」「設計審査」という、なつかしい言葉に出会いました。
私もコンピュター・システム部門にいましたので、レビューは常にしたり受けたりしました。

レビューを実のあるものにするには、いかにわかりやすく説明できるか、ということだと思います。
レビューする方は、自分の責任ではないので、本音は本気になりません。わかりにくければどうでもいいや、という気持ちになります。
わかりやすければ、連鎖的にああいうことはどうなのかと、観点が広がります。

常総市役所が浸水したこと自体はわかりませんが、浸水によって、もし電源とか機能低下につながる被害があったとすれば、これは問題です。
仰るようにデザインレビューがされていなかったのでしょう。

またそれ以前の問題として、「要件定義」がされていなかったのではないかと思います。
つまり、製品(システムとか建物)に要求される性能などを、定義する過程を「要件定義」と呼んでいました。

災害があっても機能できること、が必要だと定義されれば、
そのためには耐震度を、ビルの高さを、電源を・・・と掘り下げていくわけです。
これはIBMがさかんにユーザー奨めていたプロセスです。
当時は理想的なことばかり言って・・・と思っていましたが。

仰るように、日本は形は違うが古来からやってきたことですネ。
改めて我が国の良さを実感します。

常総市長は左巻きの市長とか?
こういう人は実践に弱いものだと、無責任に邪推しています。
  1. 2015-09-22 19:55
  2. URL
  3. 道草人 #-
  4. 編集

Re:

はじめまして、いつも楽しく拝見させていただいています。
先ほどは横から失礼しました。

仰るとおり、神戸にも天井川があります。芦屋川、住吉川などの六甲山から神戸を通って海に流れ込む川の話を小学生の頃に習いました。

暴れ川の本性は昭和になってからもたびたび現れていたようで、地震の前までは神戸の災害といえば水害だったように記憶しています。といっても私は神戸の中心地からは離れた生まれですので、件の川も当時は見たことが無く、まるで実感がわかなかった覚えがあります。

私のような想像力に限りのある者にとって、訓練を通じて体験するというのは大切なことだろうと思います。実際に試してみてわかる事というのがありますから。

その上で、分ったことを生かすための仕組みが必要になるという話なんだろうと思います。
  1. 2015-09-22 22:24
  2. URL
  3. 神戸人 #mQop/nM.
  4. 編集

防災計画と建築の違い

こんばんわ、

「決壊は想定すべきでしょう」と反論されてしまったので、もう少し書かせて下さい。
防災計画は主に人命を守ることだけを考えますが、建築の方はコストや利便性との兼ね合いということになりますから、同じには考えられません。

決壊という事態は、震災と同程度の確立だと想定しています。
震災で建物が損壊すればそのまま人命被害につながりますから、コストが掛かっても最大限に考慮すべきでしょうが、水害は上階に避難可能ならば、人命被害に及ぶ可能性は低いと考えられます。震災時に全機能が維持できないように、大水害の際に機能が制限されるのは止むを得ないでしょう。
ですからコストや利便性を犠牲にしてまで対処するべきかというと、なかなか難しいということで、防災計画としては一応合格点だったとも言っても良いのではないでしょうか。

もちろん過去に照らして水害の頻度の高い地域では、それなりの建物を考える必要がありますが、実際地元の方々が今回の水害の前にどの程度の認識があったか分からないものの、カスリーン台風以来水害が無かったようですし、その後の河川改修も含めて、今回の常総市と市役所の立地が特別に危険度が高かったようには感じないのです、あくまで頻度の問題ですから、今回の結果だけを見るべきではないでしょう。

利便性というのは主にバリアフリーの問題ですね。
このため一時流行った中二階というのは選択肢に入りません、岐阜県庁もスロープを登って二階エントランスですが、一般市民の訪れる頻度が高い市役所は、出来れば道路面からあまり勾配無く入れるのが望ましいと考えられます。
県庁と市役所では要求条件が異なるのです。

一階をピロティにして機能を二階以上に上げる、発電機を上階に設けるといった案は、凡そ現実的とは思えませんが、腹案が無いわけではありません。
予想される浸水が1m程度であるなら、敷地全体を石垣で囲い、普段の入口には必要に応じて土嚢を積むか、人手が足りないならば遮水扉を設ける。この場合、雨水管を逆流して敷地内に浸水する可能性がありますから、敷地内の降水も含めて排水施設が必要になります。輪中堤ですね。
それを越えた浸水に対しては、一階は犠牲にするとして、発電機並びに防災用品の倉庫は別棟にして、遮水壁で囲って専ら二階から出入りするか、土盛りなどで2mほど嵩上げした中二階に設置する。発電機の設置位置が高い場合は、ローリーから給油に際して汲み上げポンプが必要になります。水屋ですね。

この程度の対策なら、現在の建物ののまま、また利便性を削ぐ事なく実現可能でしょう。
高潮に対応した地下鉄名古屋港駅は、防災と利便性を非常に上手く調和させたと思います。

改めて写真を見ると駐車場がほぼまっ平ですね。建物から離れるほど掘り下げて、全体に緩い傾斜にして遊水池とするのをよく見かけますが、そういう心配も無い地域ということなのでしょう。

ところで鬼怒川が天井川だというのは、どこから出た話でしょうか?
最初に提示していただいた資料、
http://www.kasen.or.jp/c_study/pdf_study02b/study02b_25.pdf
これによると、河底が削れて低下する問題があり、勾配を確保するために河底止を設置しているくらいなのですが。
国土地理院地形図によりますと、水海道駅小貝川河川敷に10mの標高線がありますので、水海道辺りはこれより高いと思われ、上流の石下鬼怒川河川敷に15mの標高線があります。
提示して頂いた河床高断面図と比較して、天井川にはならないと思われるのですが。
出水時に河面が生活地を越えるのはごく当たり前ですね、そうでなければ動力排水は必要ありませんから。
  1. 2015-09-22 23:37
  2. URL
  3. fcq821 #/lkjinTE
  4. 編集

おはようございます。

地域の特性によっては、fcq821 #/lkjinTE様のご意見もありと思いますが、設備業界に身を置く者として先の自分のコメントに補足を致します。

多分常総市役所の電気設備は1階または地階にあると想像します。近くに大規模河川があって、庁舎が浸水すると予測されている場所には、法律上問題がなくても浸水災害時には不適当な設置状態です。写真を見ると、庁舎の屋上には太陽光パネルとなにがしかの物が置いてあります。これらは非常用設備ではないと思い、例として屋上に置けばと書きました。実際、敷地等の都合上屋上に電気設備その他一式を置くビルは多数ありますので、非現実的ではありません。

常総市役所の規模程度であれば、建物の強度はの増強は必要でしょうが、常用の電気設備と、消防法にかないかつサーバーその他の非常電源をまかなえるだけの発電機と燃料タンクを置くことは可能です。パッケージ型発電機で充分です。
ただし、浸水高さより高い位置であれば、櫓の上でも2階でもよく、屋上にこだわるわけではありません。

また、敷地を囲って敷地内を屁の浸水を防ぐのも有用と思います。ただし、状況によっては閉鎖の判断と閉鎖完了までの速度が問題でしょう。

ピロティについては一時避難場所として有用ですが、設計によっては日常業務でお年寄りなど対しては不便ですので、あった方がいいかどうかは何とも言えません。

以上、蛇足に蛇足を重ねまして済みません。
  1. 2015-09-23 10:38
  2. URL
  3. koguma #-
  4. 編集

>fcq821さんへ

小生が前のエントリで出した地図を見てください。

http://hal7.net/datahensen01.html

これの上の地図が現行の海抜5mラインであり縄文時代には確実に水面下だったところです
。ここは行けば分かるのですが本当に地面が平らでなにもないところです。関東平野でも最も平らなところです。鬼怒川は山岳河川ですから平野部にでると本来は扇状地を形成するのですが治水や地形の関係で相当な河岸段丘を形成しています。

水海道小貝川河川敷や石下鬼怒川河川敷の標高はまさに平地より高く実際の水面が天井川であるかは微妙ですが、利根本流だって一部は天井川です。えらく危ないことは昔から有名だったんです。

現在に至るも小規模な水害は度々発生しています。
この辺りは平成の大合併によって新しく市になったところです。治水を少し甘く見てたということはあるかもしれません。
  1. 2015-09-23 11:14
  2. URL
  3. kazk #cPv2SIBE
  4. 編集

言葉遊びととらえられるかもしれませんが、
DRとは仕様をどのように実現するか(設計)というレビューです・

今回の建物の要件は市側が出す仕様(要求定義)の問題なので、DRの範疇ではないでしょう。仕様とコストは表裏一体でこれで業者側は落札するわけです。
仕様には建物の大きさや基本構造、地震や風水害や寿命・工法(騒音なども)に対する要求や基本的な建物内の配置なども含まれます。
要求する項目が多くて性能が厳しければコストもアップします。
いうなれば、仕様設定の段階でのレビューですが、公共物の場合、大体前例に従うのが多いのでは。
  1. 2015-09-23 13:25
  2. URL
  3. さいとう #WSkogyGU
  4. 編集

To:神戸人 さん

> はじめまして、いつも楽しく拝見させていただいています。
> 先ほどは横から失礼しました。
>
> 仰るとおり、神戸にも天井川があります。芦屋川、住吉川などの六甲山から神戸を通って海に流れ込む川の話を小学生の頃に習いました。
>
> 暴れ川の本性は昭和になってからもたびたび現れていたようで、地震の前までは神戸の災害といえば水害だったように記憶しています。といっても私は神戸の中心地からは離れた生まれですので、件の川も当時は見たことが無く、まるで実感がわかなかった覚えがあります。
>
> 私のような想像力に限りのある者にとって、訓練を通じて体験するというのは大切なことだろうと思います。実際に試してみてわかる事というのがありますから。
>
> その上で、分ったことを生かすための仕組みが必要になるという話なんだろうと思います。


こちらこそ、私は愛知県在住なので神戸は詳しくありません。でも川の問題では神戸の事例をよく聞きますのでちょっと聞きかじりまでと言う所です。

そして仰る通り、日常の訓練の積み重ねで問題も対策も分かる。イザと言うときモノを言うのはどれだけ訓練してきたか、そこでしょう。
それから神戸では私は気がかりな事があります。神戸は平地が少ない、その為最近は西区の方など山を切り開いて住宅地などを作ってます。しかしそんな造成地は昔の山ほど水を保つ能力がありません。舗装した道路はどんどん水を下に流しています。
しかし下の方はそんな大量の水を受け止める力がありますん。だから下流域の街中で洪水が発生する。都市型工事と言われるものです。
先日の鬼怒川流域で降ったような局地的な大雨が若し神戸で降ったら・・・ 神戸も被害は免れません。

今回の東日本水害はそんな事を考えさせてくれました。
  1. 2015-09-23 18:58
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: 懐かしい言葉です

> 「デザイン・レビュー」「設計審査」という、なつかしい言葉に出会いました。
> 私もコンピュター・システム部門にいましたので、レビューは常にしたり受けたりしました。
>
> レビューを実のあるものにするには、いかにわかりやすく説明できるか、ということだと思います。
> レビューする方は、自分の責任ではないので、本音は本気になりません。わかりにくければどうでもいいや、という気持ちになります。
> わかりやすければ、連鎖的にああいうことはどうなのかと、観点が広がります。
>
> 常総市役所が浸水したこと自体はわかりませんが、浸水によって、もし電源とか機能低下につながる被害があったとすれば、これは問題です。
> 仰るようにデザインレビューがされていなかったのでしょう。
>
> またそれ以前の問題として、「要件定義」がされていなかったのではないかと思います。
> つまり、製品(システムとか建物)に要求される性能などを、定義する過程を「要件定義」と呼んでいました。
>
> 災害があっても機能できること、が必要だと定義されれば、
> そのためには耐震度を、ビルの高さを、電源を・・・と掘り下げていくわけです。
> これはIBMがさかんにユーザー奨めていたプロセスです。
> 当時は理想的なことばかり言って・・・と思っていましたが。
>
> 仰るように、日本は形は違うが古来からやってきたことですネ。
> 改めて我が国の良さを実感します。
>
> 常総市長は左巻きの市長とか?
> こういう人は実践に弱いものだと、無責任に邪推しています。


そうですか、その道の専門家でしたか。此れではまさに釈迦に説法でした・・・(笑)
ご指摘の「要件定義」、これでしょうね。
コンピューターの世界と違って私の仕事の自動車関係では、こんな重要な事が結構分かり難くなっています。
その為に如何して問題を見つけるか。
矢張りキーポイントは実践だと思います。

常総市長の件が話題になっていますが、空理空論に生きている人では所詮駄目という事なんだと思います。
  1. 2015-09-23 19:19
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: 防災計画と建築の違い

> こんばんわ、
>
> 「決壊は想定すべきでしょう」と反論されてしまったので、もう少し書かせて下さい。
> 防災計画は主に人命を守ることだけを考えますが、建築の方はコストや利便性との兼ね合いということになりますから、同じには考えられません。
>
> 決壊という事態は、震災と同程度の確立だと想定しています。
> 震災で建物が損壊すればそのまま人命被害につながりますから、コストが掛かっても最大限に考慮すべきでしょうが、水害は上階に避難可能ならば、人命被害に及ぶ可能性は低いと考えられます。震災時に全機能が維持できないように、大水害の際に機能が制限されるのは止むを得ないでしょう。
> ですからコストや利便性を犠牲にしてまで対処するべきかというと、なかなか難しいということで、防災計画としては一応合格点だったとも言っても良いのではないでしょうか。
>
> もちろん過去に照らして水害の頻度の高い地域では、それなりの建物を考える必要がありますが、実際地元の方々が今回の水害の前にどの程度の認識があったか分からないものの、カスリーン台風以来水害が無かったようですし、その後の河川改修も含めて、今回の常総市と市役所の立地が特別に危険度が高かったようには感じないのです、あくまで頻度の問題ですから、今回の結果だけを見るべきではないでしょう。
>
> 利便性というのは主にバリアフリーの問題ですね。
> このため一時流行った中二階というのは選択肢に入りません、岐阜県庁もスロープを登って二階エントランスですが、一般市民の訪れる頻度が高い市役所は、出来れば道路面からあまり勾配無く入れるのが望ましいと考えられます。
> 県庁と市役所では要求条件が異なるのです。
>
> 一階をピロティにして機能を二階以上に上げる、発電機を上階に設けるといった案は、凡そ現実的とは思えませんが、腹案が無いわけではありません。
> 予想される浸水が1m程度であるなら、敷地全体を石垣で囲い、普段の入口には必要に応じて土嚢を積むか、人手が足りないならば遮水扉を設ける。この場合、雨水管を逆流して敷地内に浸水する可能性がありますから、敷地内の降水も含めて排水施設が必要になります。輪中堤ですね。
> それを越えた浸水に対しては、一階は犠牲にするとして、発電機並びに防災用品の倉庫は別棟にして、遮水壁で囲って専ら二階から出入りするか、土盛りなどで2mほど嵩上げした中二階に設置する。発電機の設置位置が高い場合は、ローリーから給油に際して汲み上げポンプが必要になります。水屋ですね。
>
> この程度の対策なら、現在の建物ののまま、また利便性を削ぐ事なく実現可能でしょう。
> 高潮に対応した地下鉄名古屋港駅は、防災と利便性を非常に上手く調和させたと思います。
>
> 改めて写真を見ると駐車場がほぼまっ平ですね。建物から離れるほど掘り下げて、全体に緩い傾斜にして遊水池とするのをよく見かけますが、そういう心配も無い地域ということなのでしょう。
>
> ところで鬼怒川が天井川だというのは、どこから出た話でしょうか?
> 最初に提示していただいた資料、
> http://www.kasen.or.jp/c_study/pdf_study02b/study02b_25.pdf
> これによると、河底が削れて低下する問題があり、勾配を確保するために河底止を設置しているくらいなのですが。
> 国土地理院地形図によりますと、水海道駅小貝川河川敷に10mの標高線がありますので、水海道辺りはこれより高いと思われ、上流の石下鬼怒川河川敷に15mの標高線があります。
> 提示して頂いた河床高断面図と比較して、天井川にはならないと思われるのですが。
> 出水時に河面が生活地を越えるのはごく当たり前ですね、そうでなければ動力排水は必要ありませんから。


私の言いたい事をkogumaさんとkazkさんに指摘していただいたのでちょっと補足。
市役所などは利便性が重要との話ですが、その通りなのですがその前に前提条件があります。市役所などでも例えば戸籍の様に百年以上きちんと保管せねば癒えないモノがありました、こんなモノをたとえ水害があっても安全に保管する。そんな事は市役所の管理の大前提だと思います。その上で利便性を議論せねばいけない。
そんな意味で言えば発電機が使えない、こんな問題は訓練をしていれば必ず問題として出てくると思います。

それから天井川の問題。これは神戸の方と思いましたので分かりやすく天井川と言いました。鬼怒川が川床が下がって困っている事も知っていますし、部分的には天井川ですがそうでない所もある。しかし神戸のように天井川だらけの土地(天井川と言う名前の川まであるんです)にはそんな意味合いで分かりやすいと思ったためです。ご了承ください。

それから建物を止水壁で囲む件、これは良さそうで実は実行困難です。
止水壁をつけても水は下水から溢れてきます。下水の穴はありとあらゆる所にあいていまして、例えばトイレとか手洗い場とか沢山あります。こんな所を一つ一つ穴をふさぐのは難しい。
私の住む地域は伊勢湾台風の被災地ですので、こんな事情をよく聞いています。最近ではタイ・バンコクの大水害。私の知人の工場も被災しました。矢張り止水壁で守ろうとして土嚢など準備していましたので、「トイレなどの下水の穴を全部ふさがないとダメ」とアドバイスしました。結果は矢張り水を止められませんでした。また下水のマンホールの蓋が簡単に水圧で飛ぶ、そんな事を目の当たりにし、水の怖さを再確認したと言っていました。
  1. 2015-09-24 08:01
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

To:koguma さん

> おはようございます。
>
> 地域の特性によっては、fcq821 #/lkjinTE様のご意見もありと思いますが、設備業界に身を置く者として先の自分のコメントに補足を致します。
>
> 多分常総市役所の電気設備は1階または地階にあると想像します。近くに大規模河川があって、庁舎が浸水すると予測されている場所には、法律上問題がなくても浸水災害時には不適当な設置状態です。写真を見ると、庁舎の屋上には太陽光パネルとなにがしかの物が置いてあります。これらは非常用設備ではないと思い、例として屋上に置けばと書きました。実際、敷地等の都合上屋上に電気設備その他一式を置くビルは多数ありますので、非現実的ではありません。
>
> 常総市役所の規模程度であれば、建物の強度はの増強は必要でしょうが、常用の電気設備と、消防法にかないかつサーバーその他の非常電源をまかなえるだけの発電機と燃料タンクを置くことは可能です。パッケージ型発電機で充分です。
> ただし、浸水高さより高い位置であれば、櫓の上でも2階でもよく、屋上にこだわるわけではありません。
>
> また、敷地を囲って敷地内への浸水を防ぐのも有用と思います。ただし、状況によっては閉鎖の判断と閉鎖完了までの速度が問題でしょう。
>
> ピロティについては一時避難場所として有用ですが、設計によっては日常業務でお年寄りなど対しては不便ですので、あった方がいいかどうかは何とも言えません。
>
> 以上、蛇足に蛇足を重ねまして済みません。


詳しいご意見ありがとうございます。私も同意見です。
ただ止水壁で水を止める件、これはfcq821さんへのコメントにも書きましたが、一言でいって「言うは易く行うは難し」です。
水はこんな時主に下水から入ってきます。
家が浸水した方の話を聞くと「気が付いたら玄関の外は水が一杯だった」と仰います。しかし実はその時トイレや台所には水が入り始めている。下水の穴は沢山ありまして、一般住宅では床下にあることも多く、こんな所を全部ふさぐのは多分無理でしょう。
もし建築に関係のお仕事をされておられましたら、拙い私の経験ですが「下水の逆流を考慮に入れるべき」、こんな事も考慮の一つに入れていただければ幸いです。
  1. 2015-09-24 08:17
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: >fcq821さんへ

> 小生が前のエントリで出した地図を見てください。
>
> http://hal7.net/datahensen01.html
>
> これの上の地図が現行の海抜5mラインであり縄文時代には確実に水面下だったところです
> 。ここは行けば分かるのですが本当に地面が平らでなにもないところです。関東平野でも最も平らなところです。鬼怒川は山岳河川ですから平野部にでると本来は扇状地を形成するのですが治水や地形の関係で相当な河岸段丘を形成しています。
>
> 水海道小貝川河川敷や石下鬼怒川河川敷の標高はまさに平地より高く実際の水面が天井川であるかは微妙ですが、利根本流だって一部は天井川です。えらく危ないことは昔から有名だったんです。
>
> 現在に至るも小規模な水害は度々発生しています。
> この辺りは平成の大合併によって新しく市になったところです。治水を少し甘く見てたということはあるかもしれません。


詳細な解説、有難うございます。
私のように現地の実態を知らない人間には大変貴重なご意見、大変良く分かりました。
kazkさんのご意見を聞いて八ッ場ダム(やんばダム)問題を思い出しました。如何して都知事があんなに激怒したか?
利根川が暴れると東京が甚大な被害を受ける、だからこそ利根川を大人しくさせないといけない、こうだったんでしょうね。
  1. 2015-09-24 08:24
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

To:さいとう さん

> 言葉遊びととらえられるかもしれませんが、
> DRとは仕様をどのように実現するか(設計)というレビューです・
>
> 今回の建物の要件は市側が出す仕様(要求定義)の問題なので、DRの範疇ではないでしょう。仕様とコストは表裏一体でこれで業者側は落札するわけです。
> 仕様には建物の大きさや基本構造、地震や風水害や寿命・工法(騒音なども)に対する要求や基本的な建物内の配置なども含まれます。
> 要求する項目が多くて性能が厳しければコストもアップします。
> いうなれば、仕様設定の段階でのレビューですが、公共物の場合、大体前例に従うのが多いのでは。



初めまして、コメント有難うございます。
私が言うデザインレビューとは本文にも書きましたが、もう一度確認したいと思います。
デザインレビュー(Design Review)のDesignとは、製品ならびにその生産から廃棄に至るライフサイクル全ての設計計画の事です。言い方を変えれば上流から下流までの全て。
ですから設計図を作る事だけでなく、概念設計とか構想設計、或いは要件定義、こんな事まで全てDesignです。日本語のデザインより広い意味と解釈していただきたいと思います。

ご指摘の「仕様には建物の大きさや基本構造、地震や風水害や寿命・工法(騒音なども)に対する要求や基本的な建物内の配置なども含まれます」、此処なんですね、一番の問題は。
これを手を抜くと見た目は良いは使いにくいとか言う建物が出来る、そう思います。
  1. 2015-09-24 08:55
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

地図を読む。

こんにちは、度々失礼します。

水海道市の浸水の記録は昭和13年まで遡らないと無いようで、カスリーン台風の時には被害を受けていないようですので、まず訂正します。
その頃の知見があれば、ハザードマップより遥かに詳細な情報が得られるかと思ったのですが、なかなか出てきませんね。浸水の深さからみて1m2mの差異の問題ですので、通常の地形図では判らないのです。

最初に常総市街地の地図を見た時から、変わった地形だと思っていたのです。西側に国道354線の豊水橋がありますが、スロープらしきものがないまま市街地に通じていますから、堤防に比べてあまり低い土地ではないのではないかと。

埒があかないので、Googleストリートビューで走り回ってきました。
堤防の高さに一集落あり、そこから一段下がって常総市街地、市街地の勾配が極めて緩いので高低差は判りかねますが、市役所の敷地は西からは道路面、東からはスロープを登るような所ですので、丘地の端ということでしょう。
関東鉄道の盛り土があり、その東は一段低く、小貝川沿いはかなり低いようで、小貝川のハザードマップの浸水域が関東鉄道で止まっているのも納得です。
鬼怒川と小貝川は、かなりの高低差があるようで、だからこそ鬼怒川の付替えが可能だったのでしょう。
川沿いに堆積物で形成される丘地は珍しいものではなく、この市街地もそのような丘地を選んで、人々が住み着き始めたところなのでしょう。
その辺りの高低差の認識を、地元の人から聞きたかったわけで、川沿いの平坦な低地という先入観だけでは話が合いませんね。

真剣に洪水対策のために嵩上げををするとして、鬼怒川の堤防の高さを大幅に越えても意味がありませんから、その検討なしに庁舎機能を二階上げるのが良いとは早計過ぎるでしょう。
また100年に一度あるか無いかと思われる、つまり堆積物で自然堤や丘地が形成されるということは定期的に越水している、しかも極めて長いスパンでの繰り返し結果で、少々の越水なら小貝川沿い低地に流れて終わりですから、そこまで真剣に対策する必要があるかどうかは判りません。
必要とされる機能を洗い出すのもデザインの一環ではないでしょうか?

>kazk様
天井川の定義は、河底が生活面より高いところですよね。
平時の河面が生活面より高い所など、岐阜市内に幾つかありますが、特別危険だとは認識されていませんよ、たとえば現在の岐阜大学と大学病院がある柳戸など。もし堤防と排水施設が無ければ一面の沼地ですね、開発前の湿田と沼地が広がった光景は覚えていますが、そういう積み重ねが治水の歴史そのものではないでしょうか。
近くで天井川というと、池田山の麓にありますね。文字通り道路が川の下をくぐってビックリしました。

>短足おじさん様
遮水塀は私のアイディアではなく、岐阜市役所や県総合医療センターがその作りで、他にもあると思います。閉鎖は土嚢ですが、医療センターの方は閉鎖時の救急車の出入りのためのスロープが別に用意されています。排水管より低いところに地下室がある関係で専用の排水施設を持っているのでしょう。9.12安八水害のときに土嚢で閉鎖した見覚えがあります。
もう一つ水郷地帯の知恵で、お仏壇を吊り上げられるように作ってありますが、戸籍などの重要書類に応用できるのではないでしょうか。

話し変わって国立競技場の件、ザハ氏のことは全く知らなかったので、ザハ案でも構わないと思っていたのですが、それを推したのが安藤忠雄氏と聞いて白紙撤回は正解だと納得しました。
機能ために不恰好になるのはその内に慣れますが、意匠のために機能が犠牲になるのは使い物にならない、安藤氏の作品は後者が多いような気がするのです、評価が分かれるところであくまで個人的感想ですが。
  1. 2015-09-24 18:22
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  3. fcq821 #/lkjinTE
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言葉の力

バリアフリーという言葉は建築が福祉を取り込んだ結果、生まれたのだろうと思います。おかげで日本中にバリアフリーという考え方が広まりました。家の中も外も移動しやすくなりました。今度は建築に防災、あるいは減災を盛り込んだ言葉が生まれれば、もっと他地域での経験が生かせるようになるのかもしれません。

被害を減らす為の方法は沢山あることを知りました。コメントしてみて良かったです。
  1. 2015-09-24 19:12
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  3. 神戸人 #mQop/nM.
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Re: 地図を読む。

> こんにちは、度々失礼します。
>
> 水海道市の浸水の記録は昭和13年まで遡らないと無いようで、カスリーン台風の時には被害を受けていないようですので、まず訂正します。
> その頃の知見があれば、ハザードマップより遥かに詳細な情報が得られるかと思ったのですが、なかなか出てきませんね。浸水の深さからみて1m2mの差異の問題ですので、通常の地形図では判らないのです。
>
> 最初に常総市街地の地図を見た時から、変わった地形だと思っていたのです。西側に国道354線の豊水橋がありますが、スロープらしきものがないまま市街地に通じていますから、堤防に比べてあまり低い土地ではないのではないかと。
>
> 埒があかないので、Googleストリートビューで走り回ってきました。
> 堤防の高さに一集落あり、そこから一段下がって常総市街地、市街地の勾配が極めて緩いので高低差は判りかねますが、市役所の敷地は西からは道路面、東からはスロープを登るような所ですので、丘地の端ということでしょう。
> 関東鉄道の盛り土があり、その東は一段低く、小貝川沿いはかなり低いようで、小貝川のハザードマップの浸水域が関東鉄道で止まっているのも納得です。
> 鬼怒川と小貝川は、かなりの高低差があるようで、だからこそ鬼怒川の付替えが可能だったのでしょう。
> 川沿いに堆積物で形成される丘地は珍しいものではなく、この市街地もそのような丘地を選んで、人々が住み着き始めたところなのでしょう。
> その辺りの高低差の認識を、地元の人から聞きたかったわけで、川沿いの平坦な低地という先入観だけでは話が合いませんね。
>
> 真剣に洪水対策のために嵩上げををするとして、鬼怒川の堤防の高さを大幅に越えても意味がありませんから、その検討なしに庁舎機能を二階上げるのが良いとは早計過ぎるでしょう。
> また100年に一度あるか無いかと思われる、つまり堆積物で自然堤や丘地が形成されるということは定期的に越水している、しかも極めて長いスパンでの繰り返し結果で、少々の越水なら小貝川沿い低地に流れて終わりですから、そこまで真剣に対策する必要があるかどうかは判りません。
> 必要とされる機能を洗い出すのもデザインの一環ではないでしょうか?
>
> >kazk様
> 天井川の定義は、河底が生活面より高いところですよね。
> 平時の河面が生活面より高い所など、岐阜市内に幾つかありますが、特別危険だとは認識されていませんよ、たとえば現在の岐阜大学と大学病院がある柳戸など。もし堤防と排水施設が無ければ一面の沼地ですね、開発前の湿田と沼地が広がった光景は覚えていますが、そういう積み重ねが治水の歴史そのものではないでしょうか。
> 近くで天井川というと、池田山の麓にありますね。文字通り道路が川の下をくぐってビックリしました。
>
> >短足おじさん様
> 遮水塀は私のアイディアではなく、岐阜市役所や県総合医療センターがその作りで、他にもあると思います。閉鎖は土嚢ですが、医療センターの方は閉鎖時の救急車の出入りのためのスロープが別に用意されています。排水管より低いところに地下室がある関係で専用の排水施設を持っているのでしょう。9.12安八水害のときに土嚢で閉鎖した見覚えがあります。
> もう一つ水郷地帯の知恵で、お仏壇を吊り上げられるように作ってありますが、戸籍などの重要書類に応用できるのではないでしょうか。
>
> 話し変わって国立競技場の件、ザハ氏のことは全く知らなかったので、ザハ案でも構わないと思っていたのですが、それを推したのが安藤忠雄氏と聞いて白紙撤回は正解だと納得しました。
> 機能ために不恰好になるのはその内に慣れますが、意匠のために機能が犠牲になるのは使い物にならない、安藤氏の作品は後者が多いような気がするのです、評価が分かれるところであくまで個人的感想ですが。


最初に地形図を読むと言う話しですが、これは現地に生活している人間ではないので一般論ですが・・・
矢張り地形図を見ながら現地を歩く位の事をしないと本当の所は分かりません。
例えば現地で小さな工事をやっている所があったら、その土地が掘ると水の出る土地か、掘ると粘土層の出る土地かが分かる。
今回の件でアドバイスできるとしたら、そんな現地現物をしっかり見ることが足りなかったのだと思います。

それから遮水壁ですが、これが有効でないという話ではないのです。昔と違い現代は水を大量に使う時代なのです。そして水を使うと言う事は排水も大量に出るのです。
例えば遮水壁の大型のモノは輪中堤でしょう。しかしこれを使っていた頃は便所は汲み取り式。風呂は内風呂は無く夏なら盥で行水、冬なら何日も風呂にも入らない、そんな時代で水も流しませんでした。しかし現代は違います。大量に水を流す時代です。
一般家庭だけでなくちょっとした工場などでも大量の排水が必要です。
下水は普段は分かりませんので、一般の方にはその苦労が分からない。多分一番痛切に感じているのはビルの地下室にある発電機やポンプなどのメンテをされているからでしょう。水が溜まって苦労されている話を時々聞きますので。

排水で苦労している商売にメッキ屋があります。酸等のタンクが有るので水没したら甚大な被害です。その為普段から万一に備えて色々対策しています。一番の対策は毎日経営者が朝早くから出勤すること。8時始業の会社で経営者が朝6時半には会社にいます。万一に備えるためです。

最後に国立競技場の件は私も同感、安倍さんはよくぞ決断してくれた、百年後悔する所でした。
  1. 2015-09-26 07:06
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  3. 短足おじさん二世 #-
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Re: 言葉の力

> バリアフリーという言葉は建築が福祉を取り込んだ結果、生まれたのだろうと思います。おかげで日本中にバリアフリーという考え方が広まりました。家の中も外も移動しやすくなりました。今度は建築に防災、あるいは減災を盛り込んだ言葉が生まれれば、もっと他地域での経験が生かせるようになるのかもしれません。
>
> 被害を減らす為の方法は沢山あることを知りました。コメントしてみて良かったです。


皆さんの色んなご意見は私も日々目を開かされるものばかり、衆人の知恵ですね。
こんな事がブログの楽しみであり、コメント欄のある価値ではないかと思います。
拙いブログですがこれからも宜しくお願いします。
  1. 2015-09-26 07:10
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  3. 短足おじさん二世 #-
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国の仕事は、安全保障が基なのに・・

本題とは関係なく、小田井の話が出ていたので、不謹慎ながら懐かしく思いました

当時、遅い夏休みを取っていまして、堤防が決壊したので、川向うへ行けなくなり、
「偶然休みを取っていてよかった」 などと思いました。
「城側で良かったな」などとも。

ウチの親なぞは「人が住んではいかん地域になんぞ家を建てるから水没するんだ」と言っていましたが
しょうがないですね。広い場所が無いんですから。

ただ、昔からいる人からすれば「堤防が切れたら、右岸側へ流れる」なんてのは常識ですから、
(途中に大きく堤防を切り欠いた遊水地もあるし)
リスクを踏まえて住んでね。と言うところなのでしょう。


鬼怒川の様な事が起きるたびに、必ず思い出すのが 

「超過確立年が100年で改修しないといけない」と検証していながら

国から予算が付かない、地権者がゴネていたから
と言う理由で、水没してしまった災害の話

うろ覚えですが
可児市だか、御嵩だか、美濃加茂辺りだったと思います

その理由を、ニュースで知った時に
 『コンクリートから人柱へ』なんて言っているからこんな事が起きるんだて!
と怒った事を思い出すからですね。

「子ども手当なんて言ってたって、町ごと、自治体ごと無くなったら何も意味ないだろが!」とも

「またこんな事は起こるて!」

何て言ってたら、今年になって、鬼怒川の事ですからね・・・

何年かたって時限爆弾のように効くんですよね「人柱へ」って。

まだまだ、起きるでしょうね。残念ですが。
  1. 2015-10-01 22:32
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  3. 勃ちあがれ日本人 #-
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Re: 国の仕事は、安全保障が基なのに・・

> 本題とは関係なく、小田井の話が出ていたので、不謹慎ながら懐かしく思いました
>
> 当時、遅い夏休みを取っていまして、堤防が決壊したので、川向うへ行けなくなり、
> 「偶然休みを取っていてよかった」 などと思いました。
> 「城側で良かったな」などとも。
>
> ウチの親なぞは「人が住んではいかん地域になんぞ家を建てるから水没するんだ」と言っていましたが
> しょうがないですね。広い場所が無いんですから。
>
> ただ、昔からいる人からすれば「堤防が切れたら、右岸側へ流れる」なんてのは常識ですから、
> (途中に大きく堤防を切り欠いた遊水地もあるし)
> リスクを踏まえて住んでね。と言うところなのでしょう。
>
>
> 鬼怒川の様な事が起きるたびに、必ず思い出すのが 
>
> 「超過確立年が100年で改修しないといけない」と検証していながら
>
> 国から予算が付かない、地権者がゴネていたから
> と言う理由で、水没してしまった災害の話
>
> うろ覚えですが
> 可児市だか、御嵩だか、美濃加茂辺りだったと思います
>
> その理由を、ニュースで知った時に
>  『コンクリートから人柱へ』なんて言っているからこんな事が起きるんだて!
> と怒った事を思い出すからですね。
>
> 「子ども手当なんて言ってたって、町ごと、自治体ごと無くなったら何も意味ないだろが!」とも
>
> 「またこんな事は起こるて!」
>
> 何て言ってたら、今年になって、鬼怒川の事ですからね・・・
>
> 何年かたって時限爆弾のように効くんですよね「人柱へ」って。
>
> まだまだ、起きるでしょうね。残念ですが。


小田井にご縁のある方でしたか、不謹慎な事を言いまして恐縮です。
しかし地元に長く暮らしている方は知っているんですね。そして残念ながらそんな土地は価格が安い、それはそんなリスクがあるためだと言う事を知って暮らす必要があるんだと思っています。

それから可児市の水害は2010年(平成22年)7月の水害の事だと思います。ミンスが政権を盗った直後の事でしたね。

しかしご指摘のようにコンクリートから人へ、この政策のお蔭で防災関係予算は大幅に切られ、これは未だにもとに戻りません。
ばら撒かれたカネの美味しさに国民が未だにバラマキを欲しがる体質が抜けないのです。
幸い安倍さんが長期政権になりそうなので、一つずつ解決していってほしいですね。
民主党に投票した人たちは自分らの行為が香に罪作りか、それをこれからもっと知ってほしいです。
  1. 2015-10-02 06:01
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  3. 短足おじさん二世 #-
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