2015-08-19 11:29

天津爆発事故、悲劇の必然 <福島 香織さんの記事です

 元産経新聞の名物記者、福島香織さんが今回の天津の大爆発事故について解説している。
あまりの大事故なので詳細が分からないが、福島さんの言っている事は興味深い。
少々長いが以下全文を紹介したい。

尚この天津大爆発事故、日本の報道がどうも報道しない自由を行使しているようだ。
有毒物質の問題もあるし、日系企業へに影響の深刻、そして中国経済への影響が気になる所だが、これは別の機会に・・・

私はBBCを見ているのだが、丁度福島原発事故の時と同じ、日本の報道だけがいやに遅い。しかしこの話はまた別の機会として、先ずは福島女史の解説を見てみよう。


<以下日経ビジネスより引用>
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/081700010/?rt=nocnt

プロの消防士がいない中国
天津化学薬品倉庫爆発事故、悲劇の必然
福島 香織
2015年8月19日(水)
2015-8-19天津の爆発事故福島香織さんの記事写真
(引用者注:この物凄い火の玉の中に多くの人がいた。亡くなられた方に合掌)

 天津で8月12日に起きた化学薬品倉庫爆発事故(あるいは事件)はすでに死者・不明者が200人を超えている。現地は建設現場従事者や港湾労働者も必要とされる地区なので、地元当局すら、事故発生当時、そこにどれだけの人がいたかを把握していなかったかもしれない。しかし、100人単位の死者を出す人災事故・事件は中国では非常にまれなことではなく、例えば今年、長江クルーズ船の沈没事故も430人以上の死者・不明者を出している。

 ただ、今回の件で特徴的だったのは犠牲者・不明者の約半数が消防士であったことだ。建国以来、一度にこれほど多くの消防士が殉職する火災は初めてである。そして、この爆発自体、消火にあたった消防士の放水が引き起こしたという。本来、火災発生時に市民の生命を守る消防士たちが、最大の加害者であり犠牲者であったこの大惨事の背後にどういった問題があったのだろう。

(引用者注:レコードチャイナには「天津爆発事故、「日本の消防士の殉職率は低い」との投稿に中国ネットが反応、「日本に学ぶべき点は多い」「消防組織の改革が中国には必要」  配信日時:2015年8月18日(火) 3時15分」 こんな記事が配信されている。
http://www.recordchina.co.jp/a116811.html    参考までに)

なぜ化学薬品に放水?

 事件はすでに詳報されていると思うが、簡単に事実関係をおさらいしておこう。

 8月12日午後10時55分ごろ、保税区の瑞海国際物流有限公司の危険薬品倉庫前のコンテナヤードに集積されていた化学薬品コンテナで火災が起きた。港湾警察の連絡を受けて、まず23の消防中隊および93輛の消防車両、総勢600人が出動し消火作業にあたったという。10分ぐらいの放水のあと、ぱちぱちと音がして、燃えていたコンテナが発光し、危険を感じた消防隊は撤退を指示。だがその直後に大爆発が起き、逃げ遅れた消防士たちが多数巻き込まれた。

 爆発の原因は、おそらく消火用放水の水が、コンテナ内の硝酸カリウムや水酸化ナトリウムに反応したことだといわれている。爆発後の現場には水をかけると発火する白い粉があちこちに散らばっていることが確認されている。

 最初の爆発はトリニトロトルエン(TNT)換算で3トン分の爆発に相当し、その30秒後に起きた爆発はTNT21トン分に相当するほどの威力であった。爆発は2分の間に4回起きたという。日本の気象衛星ひまわりからも確認できるほどの威力だった。

 最悪なことに、倉庫内に保管されていた危険薬品の中には水に反応すると青酸ガスが発生するシアン化ナトリウム700トンが含まれ、それらが大気や地下水に流出した。 爆発後も天津消防総隊から1000人以上の消防士が投入されたが、彼らの多くが、その毒ガスの存在を知らされていなかった。爆発現場の倉庫に保管されていた7種の化学薬品にシアン化ナトリウムなどが含まれている可能性が正式に発表されたのは爆発後59時間経ってからであった。

 まず、多くの人たちが、消防隊が化学薬品倉庫の火災を水で消そうとしたことに驚いたかもしれない。素人でも、化学薬品倉庫の火災を放水で消そうとするのは無理があるのではないか、と思うだろう。実は中国の消防士は素人同然だと言われている。

 中国には独立した消防署が存在しない。中国で一般に消防隊と呼ばれるのは、公安(警察)所属する消防隊、石油化学企業などが独自に雇用する臨時消防員、そして居民や企業職員が自主的に組織する消防組織の三つくらいだ。一部省では地元政府が公務員として消防官を募集し公安消防隊と協力する「合同制」が導入されているが、主力の公安消防隊は、解放軍傘下の武警消防隊を通じて徴用される「消防新兵」と呼ばれる兵士たちである。

研修3か月、殉職率は米国の倍

 彼らは2年の任期でほとんど義務兵役のような形で配属される。このため、ベテラン消防士というのはほとんど存在せず、その多くが20~28歳で、その経験不足から死傷率が高い。例えば2011年、米国の消防士は10万回の出動の中での殉職率は2.51人。同じ年の中国公安当局の資料では、消防隊の殉職率は4.8人でおよそ倍だという。2006年から2012年までの中国の殉職消防隊員の平均年齢は24歳で、最年少は18歳という。

 学歴も低く、たとえば2010年、上海市で消防新兵になった1213人のうち高卒水準が32.31%、高専水準が40.49%、中卒水準が15.41%(香港フェニックステレビ調べ)という。専門の消防技術を教える教育機関は南京士官学院など中国に三つしかない。彼らはわずか3か月の研修の後、現場に入る。2015年、消防新兵の月給は1700元(研修期間中は1500元)、危険手当300元。広東省の工場労働者よりも待遇が悪い。危険できつく、待遇も悪いために誰もなりたがらない。一般に先進国では人口1万人に対し消防士10人が水準だと言われているが、中国は1万人に対して2人に満たず、慢性的な消防士不足である。

 もともとは、非戦時下の兵士訓練の一環として民間の消防活動に従事させられる解放軍の伝統から始まった。しかし、現代の火災の現場は高層ビルや石油化学コンビナート、はては原発火災なども想定しなければならず、もはや3か月研修を受けた消防新兵たちの手に負えるようなものではない。未熟な消防活動が被害を拡大したり、二次災害を引き起こすことはこれまでもあった。

 この中国の消防隊問題については、今年1月に中国メディアがかなり特集を組んでいた。きっかけは今年1月2日の黒竜江省ハルビン市で起きた倉庫火災で18歳から22歳までの5人の若い消防兵士が焼け崩れる建物に巻き込まれ殉職した事件だ。この事件後、メディアが消防隊の実態をこぞって取材したが、消防新兵たちは、バックドラフトなど基本的な火災動力学も知らずに無知な勇気だけで現場に突っ込み、同僚を危険に陥れることも多々あることを紹介していた。

無知な勇気と無茶な命令

 また、この5人の消防隊員が犠牲になったハルビン市の倉庫火災では、出火後9時間も経って、消火活動が意味をなさない状況であったにもかかわらず、市当局幹部たちが、建物の中からの消火活動を望んだために、突入させられたという背景もあった。つまり官僚たちは末端の新兵の命などよりも、倉庫や中身の損害を少しでも食い止める方が大事だったのだ。そして公安消防隊は、毎年補充できる新兵の命よりも、市政府から予算を得て最新装備をそろえることの方が重要であり、市政府の無茶な命令にも従う。もし、彼らが消防新兵でなく、十分に研修費用をかけて育てあげた一騎当千のプロフェッショナルな消防士であれば、市政府もいたずらに彼らを危険な現場に突入させるような「浪費」はしないはずである。

 こうした中国の消防隊が抱える問題が、今回の天津の最悪の大爆発をもたらしたといえる。

 天津の事件後、メディアや世論は再び、中国の消防士のプロ化を求める声を上げている。だが、一言で消防士のプロ化といっても、簡単ではないようだ。天津の倉庫で初期消火にあたっていた消防士の中には、天津港が雇用している「専業消防士」も含まれていたが、彼らがプロかというと、そうではなく、公安消防隊よりもさらに技術の低い「バイト消防士」である。この場合、プロと呼ばれるべきは、それなりの専門知識と技術、経験の蓄積をもつ人材であり、なおかつプロ組織として機能する体制が必要なのだ。つまり目下、最低賃金に近い徴兵式で集めている全国16万人の消防士に関して、公務員並みの給与と職位、育成機関などをともなう一つの独立したシステムを構築しなければならなくなる。

 実は消防士のプロ化は、深圳市でテストケースとして1984年から取り組まれてきた。そして25年後の2009年、この試みは失敗であったと宣言された。

 深圳では地方財政から年間1億元の予算をつけ、消防士を公務員として採用することにした。これは財政的に大きな負担となった。また、徴兵式の消防士と違って、彼らは公務員の地位に安住してしまい、時間が経つにつれ消防士の老齢化・官僚化問題が深刻になってきた。その矛盾がはっきりしたのが、2008年2月の南山区の大火の時で、現場に派遣された消防隊はわずか6人、隊長1人、班長3人、実際に消防活動にあたる消防士は2人だった。この年、深圳市消防局が出した報告書によれば、現役消防官および公安消防士はあわせて1123人だが、実際に消防救援活動に従事できるのは600人あまりで、消防士プロ化計画は断念せざるを得ないという結論に達した。

足りない経費とプロ意識

 プロ化の最大のネックはまず経費。そして、何よりも、年齢が上がり給与が上がっても、第一線の現場に立ちたいというプロ意識を本人が持てるか、という問題があるのだ。

 これには職業に対する矜持、あるいは社会全体のその職業に対する尊敬の念が重要なのだが、中国においては権力と金にまさる名誉も矜持も存在しない。ましてや命を危険にさらしてまで現場で働く人間となるより、そういう現場に他人を赴かせる権力を持つことの方が、中国人にとっては出世であり、魅力なのである。

 これは別に消防士に限ったことではなく様々な職業について私が日々感じていることだが、例えば日本人の新聞記者は40歳になっても50歳になっても最前線の現場に出たがる人が多いが、中国人記者は30歳になれば、デスク業務やコラムニスト、解説員になりたがる。日本の中小企業や工場では社長になってもラインに降りてきて、製品の出来不出来を一目で見分ける人が少なくない。中国で企業や工場の管理職は、経営管理を専門に学んだエリートが多く、いわゆる生産現場にはほとんど関心がない。現場で技術や知識をもって働く人間に対する敬意というのが日本人は比較的強い。それは職人気質、プロフェッショナルという言葉に賞賛の意味が含まれることが示している。

 消防士プロ化論争の中には、「消防局が、公安などから独立して一つの省庁となれば、汚職と利権の温床が一つ増えるだけ」と皮肉る声もあった。今の体制の中国には、プロ意識そのものが育つ土壌・環境がないのだ。末端の現場で働く人間は、権力を持つ官僚に利用され搾取され、使い捨てられ、死んだ後で「烈士」「英雄」と祭られるだけ。中国では権力を持たない人間の命はあまりに軽いのだ。命を軽視するから、金と時間をかけて人材を育成することができない。プロやプロ意識を育てる手間暇費用をかけるよりも、安い命を使い捨てるのだ。

命の軽視、悲劇は止められない

 天津の爆発事故の背景には、消防隊の問題のほか、大物政治家・官僚の庇護を受けた企業(爆発を起こした倉庫の企業・瑞海国際は李瑞環の甥が株主という噂も)が、公共インフラ施設や居民区の1キロ以内に危険物倉庫などを設置してはいけないという法規を無視できることや、シアン化ナトリウムなどの猛毒をコンテナヤードに放置する危険物管理のずさんさなどが指摘されている。

 すべての問題が、法が権力を持つ者を平等に裁くことができず、民衆・メディアが権力を監視する機能を持たない共産党独裁体制下での、権力を持たぬ者の命の軽視という一言に集約される気がする。

 このままでは、こうした大惨事はまた繰り返されるはずである。

<引用此処まで>


この福島香織さんの意見は正論である。
しかし私に言わせると、別に消防士だけがプロがいなかったわけではない。
色んな職業の、少なくとも専門知識の必要な職業人は、そして経営者や管理者すべてがプロがいない。
中国でいるのは不正な金儲けのプロ、贈収賄のプロ、こんな連中ばかりであるが、この話は次回エントリーしたいと思います。

  1. 中国
  2. TB(0)
  3. CM(12)

コメント

日本ではなでしこりんさんや余命さんのブログが削除されましたが、中華人民共和国では政府に都合の悪い記事をネット上に上げたらサイトごと廃止させるという独裁国家ならではの力技を使う様です。
  1. 2015-08-19 12:12
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  3. taigen #-
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To:taigen さん

> 日本ではなでしこりんさんや余命さんのブログが削除されましたが、中華人民共和国では政府に都合の悪い記事をネット上に上げたらサイトごと廃止させるという独裁国家ならではの力技を使う様です。


そうですね。古くはsonoさんも何度か引っかかってますよね。
どうも裏にいる黒幕はシナチョーセンだけでは無い、某大国も噛んでいるかもしれません。
  1. 2015-08-19 14:24
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  3. 短足おじさん二世 #-
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 消防士を公務員として身分を安定化させても結局、現場で技術を磨く消防士は減るばかりと言う話は、面白いですね。

 ワタシは実は何で中国で武士道や騎士道に当たるモノが育たなかったのか?と言うのが気になっているのですが、これはその理由を何となく想像できる話です。

 武士は侍と言う名の通り、本来は貴人のガードマンでそんなに高い身分ではありませんでした。 騎士も同様なのですね。 ナイトと言うのは元来は侍者とか従者と言う意味で、やはり貴人のガードマンなのです。

 しかし現実に命を懸けて戦う人の方が、その後ろで命令する人間より尊敬されるようになり、結局本来騎士を使う側であった王族までもが騎士を名乗るようになるのです。

 そこで騎士達にも矜持や誇りが生まれて騎士道ができてくる。

 ところが中国はそういう世界にはならなかったのです。 しかし消防士でさへ権力を得ると絶対に現場に出たがらないと言う社会であれば、なるほど騎士道も武士道も生まれるわけなないと思わざるを得ません。
  1. 2015-08-20 12:39
  2. URL
  3. よもぎねこ #-
  4. 編集

こんにちは
今回の事故も、普通なら考えられないことです。
想像の出来ない事故がおきるのが中国ですね。
今、心配なのは、三峡ダムです。
四川省で、洪水が発生しています。
次の台風の進路が心配です。

四川省の洪水のニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150819/k10010195151000.html
  1. 2015-08-20 14:24
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  3. 指圧屋 #-
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To:よもぎねこさん

>  消防士を公務員として身分を安定化させても結局、現場で技術を磨く消防士は減るばかりと言う話は、面白いですね。
>
>  ワタシは実は何で中国で武士道や騎士道に当たるモノが育たなかったのか?と言うのが気になっているのですが、これはその理由を何となく想像できる話です。
>
>  武士は侍と言う名の通り、本来は貴人のガードマンでそんなに高い身分ではありませんでした。 騎士も同様なのですね。 ナイトと言うのは元来は侍者とか従者と言う意味で、やはり貴人のガードマンなのです。
>
>  しかし現実に命を懸けて戦う人の方が、その後ろで命令する人間より尊敬されるようになり、結局本来騎士を使う側であった王族までもが騎士を名乗るようになるのです。
>
>  そこで騎士達にも矜持や誇りが生まれて騎士道ができてくる。
>
>  ところが中国はそういう世界にはならなかったのです。 しかし消防士でさへ権力を得ると絶対に現場に出たがらないと言う社会であれば、なるほど騎士道も武士道も生まれるわけなないと思わざるを得ません。


面白い見方ですね。中国には確かに武士道らしきものは有りません。
確か南宋滅亡時に多少それに近い連中も出てきたようですが、まあ大した人数では無かったでしょう。
そんな事で将兵を鼓舞する方法は勝てば金銀財宝、女、何でも手に入るぞ、やりたい放題だ!
こんな事で戦争をしてきたわけですね。
その伝統のままなので褒賞が少なければ何もしないのは当たり前という事なのでしょう。

実はよもぎねこさんご指摘の話は私がタイ時代から「如何したら人をやる気にさせ、良いものを作り、良い会社にして行くか」、このテーマとも合致する話です。
今回の天津の大惨事も他山の石として、こんな事を起さぬようどうすればよいか、そんな事を色々考えさせてくれます。
  1. 2015-08-20 19:01
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  3. 短足おじさん二世 #-
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To:指圧屋さん

> こんにちは
> 今回の事故も、普通なら考えられないことです。
> 想像の出来ない事故がおきるのが中国ですね。
> 今、心配なのは、三峡ダムです。
> 四川省で、洪水が発生しています。
> 次の台風の進路が心配です。
>
> 四川省の洪水のニュース
> http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150819/k10010195151000.html


お久しぶりです。貴重な情報ありがとうございます。
三峡ダムは確かに心配ですね。
でも一番心配なのは内乱・テロなどで三峡ダムを破壊すれば相手に大損害を与えられる、こう考える輩が出てくることです。
何せ中国にはそれで大洪水をおこし、多数の国民を殺した歴史がありますから。
  1. 2015-08-20 19:06
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  3. 短足おじさん二世 #-
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小生これでも危険物の第1類酸化性固体及び第6類酸化性液体の取扱者免状を持ってます。
今話題になってる硝酸アンモニウムですがこれは酸化危険物の典型ですが化学肥料や爆薬の製造に使うんだと言っても普通の人にはと言うよりは、支那人にはわからないんでしょうねえ。

報道では火災が発生しシアン化ナトリウムだとか金属アルミニウムだとかに水をかけたと言うんでしょう。良く消防士やってられるものだと感心しますわ。シアン化ナトリウムはまた別な危険がありますが金属アルミニウムは日本では第2種の可燃性固体です。これが発火したんでしょうか。

その上でアルキルアルミニウムでもあったら大変です。これは自然発火性固体(危険物3類)というやつで消火がが一番厄介なものです。それに水かけたら爆発するんですから…こんなものを数千トン単位で保管なんて考えられません。少なくとも性質上分けねばいけなはずです。

怖いのはこんな訳のわからない危険物を反応させる実験なんて普通は誰もやらないということです。だから未知のの毒物が発生してる可能性は否定できません。あれだけの爆発で高温高圧下でどういう化学反応を起こしてるのでしょうか少なくともアルミニウムが溶けて固まった状態が見つかってますからシアン化ナトリウムがどういう反応を起こしたんでしょうか。神経ガスの発生もむべなるかなと思います。

何年かに一辺くらいの割でよく外国の弾薬庫が爆発する事例がありますが、通常ああなると消火など出来ません。しばらく前にウラジオストックでもありました。こうなると住民を退避させ爆発物が爆発し終わるまで放置するしか手はありません。確かこの時は住民が5万人以上退避しましたが、死者はゼロだったはずです。

今回は多くの連中が消防士だったということでしょう。まあ報道では600人以上の労働者が蒸発したんじゃないかとまで言われていますがどうなんでしょうか。

小生原発には融和的というより推進派ですが冷却材にナトリウムを使うのだけはやめたほうがいいと思ってます。これも3類危険物の典型で常温で自然発火し、水をかけると爆発します。原発において蒸気タービンを回す以上水は不可欠ですが、これを水と一緒に安全に取り扱える方法がどうしてもわからないからです。


  1. 2015-08-21 10:39
  2. URL
  3. kazk #cPv2SIBE
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To:kazk さん

> 小生これでも危険物の第1類酸化性固体及び第6類酸化性液体の取扱者免状を持ってます。
> 今話題になってる硝酸アンモニウムですがこれは酸化危険物の典型ですが化学肥料や爆薬の製造に使うんだと言っても普通の人にはと言うよりは、支那人にはわからないんでしょうねえ。
>
> 報道では火災が発生しシアン化ナトリウムだとか金属アルミニウムだとかに水をかけたと言うんでしょう。良く消防士やってられるものだと感心しますわ。シアン化ナトリウムはまた別な危険がありますが金属アルミニウムは日本では第2種の可燃性固体です。これが発火したんでしょうか。
>
> その上でアルキルアルミニウムでもあったら大変です。これは自然発火性固体(危険物3類)というやつで消火がが一番厄介なものです。それに水かけたら爆発するんですから…こんなものを数千トン単位で保管なんて考えられません。少なくとも性質上分けねばいけなはずです。
>
> 怖いのはこんな訳のわからない危険物を反応させる実験なんて普通は誰もやらないということです。だから未知のの毒物が発生してる可能性は否定できません。あれだけの爆発で高温高圧下でどういう化学反応を起こしてるのでしょうか少なくともアルミニウムが溶けて固まった状態が見つかってますからシアン化ナトリウムがどういう反応を起こしたんでしょうか。神経ガスの発生もむべなるかなと思います。
>
> 何年かに一辺くらいの割でよく外国の弾薬庫が爆発する事例がありますが、通常ああなると消火など出来ません。しばらく前にウラジオストックでもありました。こうなると住民を退避させ爆発物が爆発し終わるまで放置するしか手はありません。確かこの時は住民が5万人以上退避しましたが、死者はゼロだったはずです。
>
> 今回は多くの連中が消防士だったということでしょう。まあ報道では600人以上の労働者が蒸発したんじゃないかとまで言われていますがどうなんでしょうか。
>
> 小生原発には融和的というより推進派ですが冷却材にナトリウムを使うのだけはやめたほうがいいと思ってます。これも3類危険物の典型で常温で自然発火し、水をかけると爆発します。原発において蒸気タービンを回す以上水は不可欠ですが、これを水と一緒に安全に取り扱える方法がどうしてもわからないからです。



随分お詳しいですね。というか安全管理責任者なのでそれ位の危機感は当然なのですね。
私は一般的な知識しかありませんが、あの爆発とその後の高温はおよそ常識外のモノと言う事は分かります。
600人以上のろうう同社が蒸発したとの話もあり得るでしょうね。
ネットに現場の死体の転がっている映像がいくつかありますが、正直言って通常の爆発ではないです。小型核爆発並と言っても良いでしょう。

kazk さんご指摘のように基本的な知識が全く不足はその通りだと思います。
しかし私はもう一つ前段階で消火活動に対する訓練不足、いやその前に消火に対する経営とか行政トップの責任感欠如、こんな所まで見つめないと現場の人たちの責任には出来ないと思っています。
いずれにしても問題の根は深い、国を崩壊させないと解決は難しいでしょうね。
  1. 2015-08-22 10:13
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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混ぜるな危険

こんにちは、先日はお騒がせして申し訳ありませんでした。

爆発現場の写真から、初期消火で大量の可燃性ガスが発生した、それだけでは酸素分圧の不足から燃焼速度は制限を受けます、次に硝酸アンモニウムが爆発してガスが吹き飛ばされた、先端では十分に酸素がありますから、地表を舐めるように急速に火球が広がったのではないかと推測しています。

硝酸アンモニウムは、窒素肥料にも使われる比較的ポピュラーな物質ですが、近年では2004年の龍川駅列車爆発事故の惨事が思い起こされます。
当初あった炭化カルシウム(カルシウムカーバイト)の話は消えてしまっているようですが、可燃性ガスを発生させたのが何か気になるところです。

国際標準とは違いがあるようですが、日本の消防法での分類は下記の通り、
第1類:酸化性固体
第2類:可燃性固体
第3類:自然発火性物質及び禁水性物質
第4類:可燃性液体
第5類:自己反応性物質
第6類:酸化性液体
誰でも見分けが付くように、下記のような看板の設置が義務付けられています。
http://www.bousaiya.co.jp/products/image/07-0502.gif
kazk様の言われる第1類、第6類は、それ単独では危険性が少ないので見落とされがちです。
燃焼とは主に可燃物が酸素と結合することですので、たとえ多量の可燃物があっても、酸素の供給の限界が燃焼の律速になり、この辺りが消火のメカニズムの一つになり、放水は温度を下げると共に、水蒸気による窒息効果もあります。
ここに酸化性物質があると、そこから酸素が供給されますので、急速に燃焼が拡大し爆発になります。
それぞれの物質の危険性は低くても『混ぜるな危険』なのです。

現代社会でこれらの物質は欠かせません、危険物と十羽一絡げに報道されていますが、夫々の性質毎に適切に別けて管理していれば、これ程の大事故には至らなかった思われます。

私も一応第4類危険物取扱の資格を取得しましたので、一通り勉強したつもりです。
なに消防署主催の講習会2日ですが、要点を説明されれば一応理解はできます、この辺りの日本の初等教育のレベルは大したものだと、改めて思います。
こういう事はあまり言いたくないのですが、消防に限らず一般の科学知識のレベルが、文明を扱うには余りに低すぎると思えてなりません、学校で一体何を勉強しているのでしょうか。
  1. 2015-08-22 17:59
  2. URL
  3. fcq821 #/lkjinTE
  4. 編集

Re: 混ぜるな危険

> こんにちは、先日はお騒がせして申し訳ありませんでした。
>
> 爆発現場の写真から、初期消火で大量の可燃性ガスが発生した、それだけでは酸素分圧の不足から燃焼速度は制限を受けます、次に硝酸アンモニウムが爆発してガスが吹き飛ばされた、先端では十分に酸素がありますから、地表を舐めるように急速に火球が広がったのではないかと推測しています。
>
> 硝酸アンモニウムは、窒素肥料にも使われる比較的ポピュラーな物質ですが、近年では2004年の龍川駅列車爆発事故の惨事が思い起こされます。
> 当初あった炭化カルシウム(カルシウムカーバイト)の話は消えてしまっているようですが、可燃性ガスを発生させたのが何か気になるところです。
>
> 国際標準とは違いがあるようですが、日本の消防法での分類は下記の通り、
> 第1類:酸化性固体
> 第2類:可燃性固体
> 第3類:自然発火性物質及び禁水性物質
> 第4類:可燃性液体
> 第5類:自己反応性物質
> 第6類:酸化性液体
> 誰でも見分けが付くように、下記のような看板の設置が義務付けられています。
> http://www.bousaiya.co.jp/products/image/07-0502.gif
> kazk様の言われる第1類、第6類は、それ単独では危険性が少ないので見落とされがちです。
> 燃焼とは主に可燃物が酸素と結合することですので、たとえ多量の可燃物があっても、酸素の供給の限界が燃焼の律速になり、この辺りが消火のメカニズムの一つになり、放水は温度を下げると共に、水蒸気による窒息効果もあります。
> ここに酸化性物質があると、そこから酸素が供給されますので、急速に燃焼が拡大し爆発になります。
> それぞれの物質の危険性は低くても『混ぜるな危険』なのです。
>
> 現代社会でこれらの物質は欠かせません、危険物と十羽一絡げに報道されていますが、夫々の性質毎に適切に別けて管理していれば、これ程の大事故には至らなかった思われます。
>
> 私も一応第4類危険物取扱の資格を取得しましたので、一通り勉強したつもりです。
> なに消防署主催の講習会2日ですが、要点を説明されれば一応理解はできます、この辺りの日本の初等教育のレベルは大したものだと、改めて思います。
> こういう事はあまり言いたくないのですが、消防に限らず一般の科学知識のレベルが、文明を扱うには余りに低すぎると思えてなりません、学校で一体何を勉強しているのでしょうか。


先日の件はどこに問題が潜んでいるかが分かりましたので、それはそれでまあ結果オーライでした。
それから詳しい解説有難うございます。
私はあの凄まじい火球が出来ている事、猛烈な高温になっている事、こんな事から可燃性のモノと酸化剤が混合した一種に爆弾のような状態になったんだろうなあ、そう思っていました。
多分真相は発表されない(出来ない)のではないかなと想像しています。

それから
>消防に限らず一般の科学知識のレベルが、文明を扱うには余りに低すぎると思えてなりません
これについては私のタイでの経験でも低開発国の人は一応学問を身につけても一般常識に当たる者は中々身に付きません。
子どもの頃からの家庭教育、或いは父母の会話などにそんな科学的知識に関することがあればいいのですが無理でしょう。
其れともう一つ大きなこと。
日本では新聞は家庭にあるのが当たり前、だから毎日活字に接し、色んな一般常識を身につけます。
この事は日本人は意識しませんが欧米を始め先進国と比較しても日本人の民度が高くなる大きな要因ではないかと思うのです。
この件はもう少し考えが纏まったらエントリーしたいと思っています。
  1. 2015-08-22 21:03
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

相模補給廠爆発事故

折良く(悪しくというべきか)相模補給廠が爆発事故を起こしましたね。
やはりこの辺り米軍も消防当局もよくわかってる。放水による消火なんてしませんでしたし延焼を防ぐのみで結局、爆発物が爆破し尽くすまで監視しただけでしたね。これしか方法がないんですよ。事故原因は不明ですが対応は適切です。まあ、9条教の信者がまた五月蠅いんでしょうがね。

だから天津でも保管物質がなにか分ってればそれだけで対応は違ったはずです。

爆発事故は結構多いんです。特に日本海軍はこの手の事故の常習犯でして戦艦松島、三笠、筑波、河内、陸奥を爆発事故で失ってます。これはレコードだと思います。だから本当に数年に一辺の割合で事故を起こしていたんです。

細かい事故を勘定してたらもっと多いはずです。だからプロ筋は一応管理され立リスクと思ってるはずです。
この手の事故の原因は嫌な話ですが人為的な過失が一番多いはずです。ただ皆それに慣れてるので事故が起きたらすぐ避難が徹底してるのです。だから少数の負傷者が出ることは多いのですが死者案外と少ないのです。この手の事故での死傷者はたしか陸奥の事故が一番多かったはずです。

爆発事故で世界最大級のものはハリファックス事故です。内容は以下の通り。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E5%A4%A7%E7%88%86%E7%99%BA

まあ、街1つが吹っ飛んだという事故です。火薬輸送中の事故ですがこれ自体は稀で相当に不運なものだったと言えましょう。通常の状態ならば問題はないのが普通です。そう心配する問題ではありません。
  1. 2015-08-24 15:30
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  3. kazk #cPv2SIBE
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Re: 相模補給廠爆発事故

> 折良く(悪しくというべきか)相模補給廠が爆発事故を起こしましたね。
> やはりこの辺り米軍も消防当局もよくわかってる。放水による消火なんてしませんでしたし延焼を防ぐのみで結局、爆発物が爆破し尽くすまで監視しただけでしたね。これしか方法がないんですよ。事故原因は不明ですが対応は適切です。まあ、9条教の信者がまた五月蠅いんでしょうがね。
>
> だから天津でも保管物質がなにか分ってればそれだけで対応は違ったはずです。
>
> 爆発事故は結構多いんです。特に日本海軍はこの手の事故の常習犯でして戦艦松島、三笠、筑波、河内、陸奥を爆発事故で失ってます。これはレコードだと思います。だから本当に数年に一辺の割合で事故を起こしていたんです。
>
> 細かい事故を勘定してたらもっと多いはずです。だからプロ筋は一応管理され立リスクと思ってるはずです。
> この手の事故の原因は嫌な話ですが人為的な過失が一番多いはずです。ただ皆それに慣れてるので事故が起きたらすぐ避難が徹底してるのです。だから少数の負傷者が出ることは多いのですが死者案外と少ないのです。この手の事故での死傷者はたしか陸奥の事故が一番多かったはずです。
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> 爆発事故で世界最大級のものはハリファックス事故です。内容は以下の通り。
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> https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E5%A4%A7%E7%88%86%E7%99%BA
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> まあ、街1つが吹っ飛んだという事故です。火薬輸送中の事故ですがこれ自体は稀で相当に不運なものだったと言えましょう。通常の状態ならば問題はないのが普通です。そう心配する問題ではありません。


情報ありがとうございます。この件は知りませんでした。凄いの一言ですね。
所でこの天津爆発事故について、損保ジャパンから大変わかりやすいレポートが出ました。
今日のエントリーで紹介しましたのでご一読いただければ幸いです。

この相模補給廠爆発事故が実にいい事例になっています。
  1. 2015-08-24 19:05
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  3. 短足おじさん二世 #-
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