2010-03-06 15:05

トヨタ叩きに思う事<yuyuuさんとこんな話をしました

いつも鋭いコメントを頂くyuyuuさんからこんなコメントを頂いた。

 

Commented by yuyuu さん

このプログ、ご存知ですか?
 

中韓を知りすぎた男さんのブログ
http://kkmyo.blog70.fc2.com/blog-entry-579.html

 

いつも参考にしている好きなプログですが、この件については半分は合っているが、半分は違うと思います。

参考までに。

私が違うと思うのは奥田さんの記述と、部品の共通化と、現地調達推進の部分ですが、短足さんの、感想を聞きたくなりました?

 

 

<以下が私(短足おじさん)のコメント>

 

紹介いただき有難うございます。
私もたまに見に行くのですが、最近はトンとご無沙汰、
今回じっくり読んでみました。

奥田さんの人間性に関する部分についてはコメントのしようが有りません。
知らないから、それだけです。

但しこれだけは断言できます。
自動車メーカーのトップは激務です。
その人が理系とか文系とかは関係有りません。要はクルマ作りに対する情熱が必要なのです。
自動車を製造すると言うのは一般の製造業とは全く違う恐ろしい商売、
発売の4年前にデザインのアウトラインを決めますが、4年後何が流行るのか? 正に神のみぞ知ると言ったところ。
そしてそのための設備投資が又恐ろしい、少なくとも数百億円、多ければ数千億円もの設備投資です。そして売れなければアウト。これがクルマ作りです。
奥田さんのことを色々言う人がいます。当っている事も有ると思います。
しかしプリウスをつくる事を決断したのも奥田さんで有る事も事実です。

部品の共通化については認識が違うと思います。
今のクルマは採算ラインが最低月産2万台、年間24万台、これは1分に1台流れる組み立てラインが2シフトで1ヶ月に生産する台数です。
これより少ない台数では少なくとも国際競争には勝てません。
そのため部品の共通化とかプラットフォーム(車台)の共通化とかを進めています。
部品の共通化が部品の粗悪化になるなど有りえません。逆にいろんな車種に使う事でいろんな問題点を抽出できるので低コストながらも耐久性は向上するはずです。
 


現地調達についても同様です。
現地メーカーに発注を決めた段階で品質レベルが例えば国内メーカー並み、そんなメーカーはありません。
発注を決めてから量産開始までには3年~4年掛かります。
その間金型や設備を準備するのと同時に、技術や管理を教えて必要なレベルに育て上げる。これが現地調達です。
その為には現場に座り込んで一つずつ教え込む地道な努力が必要です。

今回豊田社長が拡大のスピードが人材育成の速度を超えたと言ったのはそのことです。

中韓を知りすぎた男さんは良く知っていると思います、しかしややマスコミ情報に毒された面があり一面的な見方ではないか、これが私の感想です。


最後のこれだけはと言う事、奥田さんがクルマは5年持てば十分と言ったとの事、これは何かの誤解でしょう。百歩譲って若し社長がそういったとしても技術者はそんな事をやる筈が有りません。
(これはトヨタに限らずホンダ・日産・マツダ・スバル皆同じでしょう)

それからセルシオを20万キロ乗ったとの事。
これは凄い事では有りますが、私は自分の車で20万キロ以上を4台乗り継ぎました。20万キロは当たり前です。

 

 

<此処からがyuyuuさんのコメント>

 

Commented by yuyuu さん

To 短足おじさんさん

>奥田さんの人間性に関する部分についてはコメントのしようが有りません。知らないから、それだけです。

私も個人的には全く接点がありませんが、以前に入社同期の方々(もはや引退しておられます)に、様々な面でお世話になったこともあり、その方から様々なエピソードを聞いている程度です。

エリートコースを歩いてきた方でなく、見出されなければ海外の営業畑を歩いただけで終わってしまう存在だったと聞いています。
本社は大企業でも、海外子会社は単なる中小企業ですから社長は上から下まで目を走らせねばならず、そうした苦労が本社の社長になってから役立ったと想像します。
また、プリウスの開発・販売を決断したのは奥田氏ですね。
最初は儲からないどころか売れば売るほど赤字になるプリウスを信念を持ってGOサインを出した。利益重視ならやるはずがない。

日産のゴーンは、すでに完成して一部販売も始めていた(100台程度)ハイブリッドの開発を中断しました。開発チームは解散です。
その理由は「ハイブリッドは採算に合わない」「(トヨタのように)出せば赤字の車を開発するのは商売じゃない」。この台詞、私はこの耳で聞きましたから。

>その人が理系とか文系とかは関係有りません。要はクルマ作りに対する情熱が必要なのです。
>自動車を製造すると言うのは一般の製造業とは全く違う恐ろしい商売、
>発売の4年前にデザインのアウトラインを決めますが、4年後何が流行るのか? 正に神のみぞ知ると言ったところ。
>そしてそのための設備投資が又恐ろしい、少なくとも数百億円、多ければ数千億円もの設備投資です。そして売れなければアウト。これがクルマ作りです。

自動車のビジネスは長期的な展望が無ければ出来ません・・・と部品メーカーの方からも聞いています。
そのために膨大な情報を集め、実験をして、調査して最終判断するのです。
そして、間違えると終わりです。厳しいなんてものじゃない。

 

>現地調達についても同様です。
>現地メーカーに発注を決めた段階で品質レベルが例えば国内メーカー並み、そんなメーカーはありません。
>発注を決めてから量産開始までには3年~4年掛かります。
>その間金型や設備を準備するのと同時に、技術や管理を教えて必要なレベルに育て上げる。これが現地調達です。
>その為には現場に座り込んで一つずつ教え込む地道な努力が必要です。
>
>今回豊田社長が拡大のスピードが人材育成の速度を超えたと言ったのはそのことです。

日本の部品メーカーを切って、海外の部品メーカーを使ったからこうなったという批判は、明らかに間違いです。
製造工場のラインとシンクロ納入しなければならないのに、日本から持って行ったらどうにもなりません。
船が遅れたらラインが止ってしまいます。

日本は日本の部品メーカー、米国は米国の部品メーカーから調達する。
それは前提であり、その中味をどこまでレベルを上げるかの問題です。

日産のゴーンのやった世界最適調達は、安い部品を世界から調達する。
これでは、販売した後の補給部品の販売にも困る。
 

>今回豊田社長が拡大のスピードが人材育成の速度を超えたと言ったのはそのことです。

そうですね。
確かに需要にあわせて急ぎ過ぎていると感じていました。

>最後のこれだけはと言う事、奥田さんがクルマは5年持てば十分と言ったとの事、これは何かの誤解でしょう。百歩譲って若し社長がそういったとしても技術者はそんな事をやる筈が有りません。
>(これはトヨタに限らずホンダ・日産・マツダ・スバル皆同じでしょう)

これはありえないと思います。

>それからセルシオを20万キロ乗ったとの事。
>これは凄い事では有りますが、私は自分の車で20万キロ以上を4台乗り継ぎました。20万キロは当たり前です。


20万kmから30万kmと聞いています。
これは中古車輸出業者から聞きました。
日本で既に20万km走ったタクシーを輸出して、海外では「あと30万km走る」
・・・・なんと合計50万kmですか?

 

<以上でyuyuuさんのコメント終り>

 

こんなやり取りをしました。yuyuuさんは自動車にも大変お詳しい。皆様にも参考になればと思い再掲させていただきました。

 

中韓を知りすぎた男さん、yuyuuさん どうも有難うございました。

 

  1. 自動車
  2. TB(0)
  3. CM(8)

コメント

No title

いい話題ですねえ。なるほど、と思ってしまいました。こういうことを、新聞の解説欄に書いてくれたら、興味を持って読む人は、意外に多いのではないでしょうか。

>自動車のビジネスは長期的な展望が無ければ出来ません・・・と部品メ>ーカーの方からも聞いています。

どれだけ厳しいか、私のような者にはピンときませんが、自動車ビジネスが私ら素人の想像を超えて厳しいものだということだけはわかります。

素人なりに想像するに、自動車というのは、今の社会で、民間会社が独自に開発、販売できるものとしては、最高難度の工業製品かもしれませんね。
部品点数が自動車よりも一桁以上増え、実験が大がかりになり、生産台数が桁違いに少ない飛行機やロケットのようなものになると、国家レベルで取り組むのは、当たり前ですね。それを仕分けして予算を減らしちゃう政府って・・・。

昨晩、車を運転していて、「そういえばこの車、グロリアスーパー6と同じ排気量だけれど、馬力は二倍以上あるんだな」と気づき、技術の進歩にあらためて驚きいたKamosukeでした。
  1. 2010-03-06 18:31
  2. URL
  3. kamosuke #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To kamosukeさん
>いい話題ですねえ。なるほど、と思ってしまいました。こういうことを、新聞の解説欄に書いてくれたら、興味を持って読む人は、意外に多いのではないでしょうか。
>
>>自動車のビジネスは長期的な展望が無ければ出来ません・・・と部品メ>ーカーの方からも聞いています。
>
>どれだけ厳しいか、私のような者にはピンときませんが、自動車ビジネスが私ら素人の想像を超えて厳しいものだということだけはわかります。
>
>素人なりに想像するに、自動車というのは、今の社会で、民間会社が独自に開発、販売できるものとしては、最高難度の工業製品かもしれませんね。
>部品点数が自動車よりも一桁以上増え、実験が大がかりになり、生産台数が桁違いに少ない飛行機やロケットのようなものになると、国家レベルで取り組むのは、当たり前ですね。それを仕分けして予算を減らしちゃう政府って・・・。

クルマ好きなKamosukeさんのご意見、良く分かります。

>昨晩、車を運転していて、「そういえばこの車、グロリアスーパー6と同じ排気量だけれど、馬力は二倍以上あるんだな」と気づき、技術の進歩にあらためて驚きいたKamosukeでした。

グロリアスーパー6懐かしい名前です。当時はプリンス自動車、前身は中島飛行機でした。彼らの技術者としての誇りと名誉にかけてつくったのがこのクルマです。
誇りと名誉・・・最近この言葉も値打ちが下がりました。
埃と迷惑・・・これがモットーの謎の鳥がポッポと鳴いて幅を利かせています。
・・・閑話休題・・・

もう一度グロリアスーパー6、良いクルマでした・・・(遠い目)
リヤサスがド・ディオンアクスルなどと言う、コストを考えたら絶対採用できないモノを採用した。
あの頃はクルマ作りは若者の夢だった・・・そんな時代でした。

あと何年かしたら自動車の技術史上に残る革新には
・商売として失敗したけれどマツダのロータリーエンジン
・あまりにも従来の物と違いすぎて大変だったがハイブリッドプリウス
この二つではないかと思っています。
若い人にこれにつづく新しい技術にチャレンジして欲しいと思っています。
  1. 2010-03-06 21:26
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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No title

貴エントリーは私にとってトヨタリコールを考える上で貴重な情報になりました。
何時も米国発のニュースでトヨタを竹の穴から見る感じを持っていましたので。
  1. 2010-03-07 00:58
  2. URL
  3. Tom #79D/WHSg
  4. 編集

No title

短足おじさんおばんです・・・

奥田前社長が原因を作った事は確かでしょう。「本来ステンレスの部分が亜鉛であった」為に錆びたとかみたいな、極小さいことまで目を光らせる事が徹底出来なかったのは、急拡大の歪みでしょう。日本人同士では阿吽の呼吸で出来る事でも米国人の会社では踏み込んで注意出来ない。契約社会の壁なんかあるでしょう。人材教育も追いつかなかった事もあるでしょう。

これらは想像ですが、現豊田社長には踏ん張ってもらうしかないでしょう。

なぜなら、友愛首相はトヨタの生存なんか眼中に無いででしょうから・・

    私は、頑張れトヨタです・・・
  1. 2010-03-07 03:15
  2. URL
  3. siseinotamikusa #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To ..... tomtomさん
>貴エントリーは私にとってトヨタリコールを考える上で貴重な情報になりました。
>何時も米国発のニュースでトヨタを竹の穴から見る感じを持っていましたので。

いえいえ、こちらこそtomtomさん のブログはアメリカについての貴重な情報源。いつも参考にさせていただいています。
  1. 2010-03-07 08:55
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To siseinotamikusaさん

>奥田前社長が原因を作った事は確かでしょう。「本来ステンレスの部分が亜鉛であった」為に錆びたとかみたいな、極小さいことまで目を光らせる事が徹底出来なかったのは、急拡大の歪みでしょう。日本人同士では阿吽の呼吸で出来る事でも米国人の会社では踏み込んで注意出来ない。契約社会の壁なんかあるでしょう。人材教育も追いつかなかった事もあるでしょう。
>
>これらは想像ですが、現豊田社長には踏ん張ってもらうしかないでしょう。

この「人材教育も追いつかなかった事」、これはトヨタだけでなく日本の企業全体にいえる重大事です。
私の家内は教師をしていましたが私はいつもこの問題を話していました。
一言で言えば「学校を出て会社に入ってから、再教育しないと使い物にならない人が多すぎる」ことです。

6日にKamosukeさんから頂いたコメントの中に
「出版社に勤める知り合いによると、若手の記者が「お前、ここ間違ってるぞ」と指摘したとき、10数年前から、「だって、○○さんはこう言っていた」と反論するようになったそうです」
こんな話がありました。
使い物にならないとは具体的にはこういう事です、これを考え方の基礎から変えていく必要があるのですが、とにかく時間が掛かります。

>なぜなら、友愛首相はトヨタの生存なんか眼中に無いででしょうから・・
>
>    私は、頑張れトヨタです・・・

同感です。
ポッポでは話しになりませんからトヨタには日本を、日本人を代表して頑張って欲しいと思います。
  1. 2010-03-07 09:15
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
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No title

最近忙しくこの貴エントリを読むのが遅くなりました。
結論から言わしていただければ、短足おじさんとyuyuuさんの掛け合いは非常に分かりやすく的を得ている公平な議論と感じました。
その上でお二人の人間性が良く表わされた衒いの無いエントリです。
大変勉強になりました。感謝申し上げます。

中韓を知り過ぎた方の論は何とも言いようが有りません。中韓さんがご指摘の奥田さんに関わる事は存じ上げないので何とも論評は出来ませんが、こういう問題は一人の責任に帰す様な問題では有りませんね。豊田社長は奥田さんの犠牲者と迄言っては言い過ぎでしょう。もはやトヨタ問題と言うよりは奥田さんへの個人攻撃になってしまっては全体の論拠への信頼感を悉く喪失してしまう気がします。

何れにしてもこのエントリは短足おじさんならではの非常にステキなエントリだと思います。美味しい料理を戴いた様な気分です^^
  1. 2010-03-08 09:39
  2. URL
  3. sonoraone #79D/WHSg
  4. 編集

No title

To sonoraoneさん
>最近忙しくこの貴エントリを読むのが遅くなりました。
>結論から言わしていただければ、短足おじさんとyuyuuさんの掛け合いは非常に分かりやすく的を得ている公平な議論と感じました。
>その上でお二人の人間性が良く表わされた衒いの無いエントリです。
>大変勉強になりました。感謝申し上げます。

ご多忙中のところコメント有難うございます。
又身に余るお言葉、大感謝です。

>中韓を知り過ぎた方の論は何とも言いようが有りません。中韓さんがご指摘の奥田さんに関わる事は存じ上げないので何とも論評は出来ませんが、こういう問題は一人の責任に帰す様な問題では有りませんね。豊田社長は奥田さんの犠牲者と迄言っては言い過ぎでしょう。もはやトヨタ問題と言うよりは奥田さんへの個人攻撃になってしまっては全体の論拠への信頼感を悉く喪失してしまう気がします。
>
>何れにしてもこのエントリは短足おじさんならではの非常にステキなエントリだと思います。美味しい料理を戴いた様な気分です^^

急成長の過程で歪が出るのは仕方ない事、それを恐れていては成長は有りません。
今回のトヨタの場合、恐らくトヨタはかなり早い時期に立ち直ると見ています。しかしその過程はムチャクチャな強行軍、犠牲者が出ない事を祈っていますが多分ゼロではないでしょう。
その痛みに耐えて前進する、大変ですがトヨタだけでなく日本全体が痛みに耐えて前進する、この心が今求められています。
  1. 2010-03-08 11:36
  2. URL
  3. 短足おじさん #79D/WHSg
  4. 編集

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