2015-04-05 22:04

タイの高規格鉄道計画が動き出しそう

 タイがヤルヤルと言いながらちっとも進まなかった高規格鉄道計画、どうやら今度はホントらしい。
最初にこの鉄道計画、高速鉄道計画と言われ、日本の新幹線が走ると言われているが如何も信じられない。
そこで私は高規格鉄道と書くことにした。
要は軌道は1435ミリの標準軌の複線鉄道という事である。此れだって現在のタイの鉄道が1000ミリの狭軌で単線が殆どだから、大変な進歩ではある。
但し走る列車は高速列車を走らせたいのがタイの願望だが、実際建設する路線を見るとコンテナ輸送が主になる路線も有る。
そんな所を最近の報道から見てみたい。


最初に今度は本決まりらしいと言っているバンコク週報の記事から。

<以下引用>
http://www.bangkokshuho.com/article_detail.php?id=5442

タイ鉄道整備計画、日本が2路線建設か、早ければ5月に覚書

01/04/2015
プラチン運輸相は3月31日、日本の国土交通省幹部と話し合ったあと、日本側がカンチャナブリからサケオとバンコクからチェンマイの2ルートに複線鉄道を建設することに強い関心を示していると明らかにするとともに、プラユット首相が日本側の要求を受け入れるとの見通しを示した。

現在は首相の承認を待っているところで、承認が出れば、4月末には閣議で承認されて、5月には2国間で覚書が取り交わされる見通しという。

事が順調に進めば、来年にも建設工事を開始できるとのことだ。

<引用終り>

タイの高規格鉄道は日本と中国が売り込んでいる。すでに中国は一部の路線の建設を受注したと報じられているが如何も話は難航しているようだ。

ではその路線と言うのはどうかと言うと

これは今まで検討されてきたタイの高速鉄道計画路線。
青色の点線が今回日本が建設する(らしい)2路線、カンチャナブリ⇔バンコク⇔アランヤプラテート線とバンコク⇔チェンマイ線。
赤で印をつけたのは中国が推進しようとしているノンカーイ⇔ケーンコイ⇔マプタプット線

2015-4-2タイの高速鉄道建設計画路線図no2

この地図で最初に赤で印をつけた中国が推進する路線を見ると如何にもおかしいのが分かる。
最終目的地のマプタプットはタイの軍港である。一般のコンテナ船などはもっと北の(つまりバンコクに近い)レムチャバン港に入港する。つまりこの路線は中国が高速列車を走らせると言う甘い言葉で誘っているが、実は中国奥地からラオスを通ってノンカーイ経由でマプタプット軍港に出る。中国の軍用路線見え見えの話なのだ。

では日本が建設できそうな2路線はと言うと、
1) バンコク⇔チェンマイ線 これは首都バンコクとタイ第二の都市チェンマイを結ぶ路線。
   タイで唯一高速列車の可能性のある路線だ。

2) カンチャナブリ⇔バンコク⇔アランヤプラテート線 これは主に貨物輸送用の路線である。
  カンチャナブリから先はミャンマーのダウェー工業団地と深水港へ出る。
  アランヤプラテートから先はカンボジアのプノンペン方面から南シナ海へ

この2)の路線についてはこの図を見てください。

2015-4-5南部経済回廊図

日本・中国からインド、アラビヤ半島、そしてスエズ運河経由で欧州方面に行くにはマレー半島が実に邪魔な存在。
僅かに通れるのはマラッカ海峡だけという事が分かると思う。そのマラッカ海峡はこの狭い海峡に沢山の船が押し寄せる交通ラッシュの海峡で、おまけに海賊が暴れまわることで知られている。

マラッカ海峡を通らないで日本、中国、南シナ海沿岸諸国(フィリッピン・ベトナム・カンボジア・タイなど)からインド洋に出られるルートは昔からの課題であったのだ。
そこに鉄道でマラッカ海峡を通らない物流ルートが出来る、長年の懸案が解決することになる。
恐らく最初はバンコク辺りからカンチャナブリ、ミャンマーへのルートが真っ先に開通することになるだろう。
これでタイからインド・欧州方面への輸出コンテナ船がかなりの日数短縮が出来る筈だ。

以前麻生さんが「自由と繁栄の弧」と言った、そのルートがいよいよ実現する日が近づいている。
(続)




  1. タイ
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コメント

短足おじさんさん こんばんは。

>つまりこの路線は中国が高速列車を走らせると言う甘い言葉で誘っているが、実は中国奥地からラオスを通ってノンカーイ経由でマプタプット軍港に出る。中国の軍用路線見え見えの話なのだ。
こんなの小生を含め、タイに行ったコトの無い、いや行っても観光ぐらいなら、とても認識できませんね・・・。

スレ違いで申し訳ございません。今日NHKでカンボジアの「つばさ橋」の完成の様子が放送されてました。これもタイに大きな影響があるのでしょうかね。
こんな重要な橋、シナや韓国に任せられませんね、いろんな意味でww
  1. 2015-04-06 22:13
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  3. 播州人 #-
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To:播州人 さん

> 短足おじさんさん こんばんは。
>
> >つまりこの路線は中国が高速列車を走らせると言う甘い言葉で誘っているが、実は中国奥地からラオスを通ってノンカーイ経由でマプタプット軍港に出る。中国の軍用路線見え見えの話なのだ。
> こんなの小生を含め、タイに行ったコトの無い、いや行っても観光ぐらいなら、とても認識できませんね・・・。
>
> スレ違いで申し訳ございません。今日NHKでカンボジアの「つばさ橋」の完成の様子が放送されてました。これもタイに大きな影響があるのでしょうかね。
> こんな重要な橋、シナや韓国に任せられませんね、いろんな意味でww


軍用路線の話はタイに何年か在住の方でも見抜くのは難しいかもしれません。
元々この路線とそれに並行する道路がベトナム戦争当時どんな役割をしたのか、そんな事を理解しないと分かりませんので。
例えばこの路線の終点マプタプットと言う所は軍港ですが、同時にタイ空軍の基地も有ります。
この基地はベトナム戦争当時B52の発進基地でした。ですからジャンボジェット機が楽々離発着できる巨大な飛行場です。

それからつばさ橋ですが、この次の突き当りのエントリーで書きたいと思います。
本文でも書きましたようにインドシナ半島を横ぎる経済回廊は大きくは二つ。
東西回廊と南部回廊です。東西回廊は本文の鉄道路線図で真横に横切っているライン(ターク・ピサヌローク・コンケン・ムクダハン)です。
このルートは最初に道路が出来まして、その道路橋も日本のODAで完成しています。
そして今回完成したつばさ橋が南部回廊のメコン川に架かる橋です。
これらが麻生さんが「自由と繁栄の弧」と言ったそのルートです。着々とできてきたことになります。
  1. 2015-04-06 23:28
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  3. 短足おじさん二世 #-
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地政学的に見た観点のお話

貴重なお話、ありがとうございます。
こういう地政学的?に見た観点は、なかなか出会いません。
地図が貴重でわかりやすいです。

このような観点での冷徹な外交政策を、外務省はよく理解しているのでしょうか?
私は外務省に対する不信感がぬぐいきれません。
韓国の喚きに振り回されているだけで、重大な観点を忘れているように危惧します。

>マレー半島が実に邪魔な存在
改めて地図を眺め、周辺国のインフラ状況をみると、改めてそう感じますネ。
ド素人の夢想ですが、マレー半島の付け根のあたりに、運河でも作ってはどうなんだろうか、と感じます。
  1. 2015-04-07 11:14
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  3. 道草人 #-
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わたしも運河を造ればいいのにと感じますが、そうすればシンガポールに閑古鳥がなきますから、華僑は話にのりませんね。
また、ノンカイ/ビエンチャンの間の橋梁は日本のODAですよね。シナのために橋をつくったようなものですね。外務省は何をやっているのでしょうか?
わたしは、本気で王様崩御後の混乱で、タイがネパール化しないか不安です。インドでは、最近独立した3つの州に対して、外務省は要警戒をだしていますが、そこはマオイストの巣窟なんです。タイの華僑とシナはつながりがあるので、タイ王室に対してとても懸念しております。とくに、赤いタクシン派が怖いですね。
  1. 2015-04-07 17:11
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  3. NINJA300 #/xzFVZWc
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赤いタクシン派

タクシン派の背後には共産支那がいるとか、タイの王政を廃止するつもりだとか、チェンマイを中心にタイを分裂させるつもりだとか、いろんな話があります。どれもそれなりに信憑性はあるのかも。
タイの古い地図を見ると最大版図ではラオス・ベトナム北部山岳地帯、カンボジア南部からメコンデルタまで専有していました。タイが南北に分かれていた頃の地図ではピサヌロークの北方が国境で現在のラオス・タイ北部・イサーン地方・カンボジア西部が同じ国。タイ人がイサーンをラオというのが納得できます。
第二次大戦当時はカンボジアのアンコールワット遺跡のあるシェムリアップあたりまでタイの領土でした。アセアンは今のところ安定していますが、中国バブルが今にもはじけそうな状況で中国が不安定化する可能性、さらにタイ国王の後継者問題を真剣に考えなければならない時期でもあります。順調に経済発展しているようにみえるアセアンも中国依存が高い国ほど脆いかもしれません。
  1. 2015-04-07 21:58
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  3. 八専 #-
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Re: 地政学的に見た観点のお話

> 貴重なお話、ありがとうございます。
> こういう地政学的?に見た観点は、なかなか出会いません。
> 地図が貴重でわかりやすいです。
>
> このような観点での冷徹な外交政策を、外務省はよく理解しているのでしょうか?
> 私は外務省に対する不信感がぬぐいきれません。
> 韓国の喚きに振り回されているだけで、重大な観点を忘れているように危惧します。
>
> >マレー半島が実に邪魔な存在
> 改めて地図を眺め、周辺国のインフラ状況をみると、改めてそう感じますネ。
> ド素人の夢想ですが、マレー半島の付け根のあたりに、運河でも作ってはどうなんだろうか、と感じます。


確かにご指摘の通り、地政学的観点と言うのは日本人の最も苦手なものです。
そんな中でこのマレー半島、マラッカ海峡を見てみないと事実が見えませんね。
そしてご指摘の様に、私も日本の外務省には強い不審庵を持っていますが、その中にもまともな人もいるのではないでしょうか。
そしてこのインドシナ半島の東西回廊などは、麻生さんの自由と繁栄の弧が今も生き続けているモノです。
良い仕事と言えるでしょう。

マレー半島の運河計画は戦前からありまして、一番幅の狭いクラ地峡を中心に永年検討されています。
一番幅の狭い部分は約60キロですから運河にはもってこい。
実はタイ時代にこの運河が何故できなかったのか、それが知りたくてクラ地峡まで出かけて行った事が有ります。
その辺りのことはまた別の機会にエントリーしますが、日本でもほとんど知られていない第二泰麺鉄道の遺構まで残っています。
  1. 2015-04-07 22:26
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  3. 短足おじさん二世 #-
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To:NINJA300 さん

> わたしも運河を造ればいいのにと感じますが、そうすればシンガポールに閑古鳥がなきますから、華僑は話にのりませんね。
> また、ノンカイ/ビエンチャンの間の橋梁は日本のODAですよね。シナのために橋をつくったようなものですね。外務省は何をやっているのでしょうか?
> わたしは、本気で王様崩御後の混乱で、タイがネパール化しないか不安です。インドでは、最近独立した3つの州に対して、外務省は要警戒をだしていますが、そこはマオイストの巣窟なんです。タイの華僑とシナはつながりがあるので、タイ王室に対してとても懸念しております。とくに、赤いタクシン派が怖いですね。


マレー半島クラ地峡辺りに運河を造る計画は戦前から議論されてきました。
クラ地峡は世界3大地峡の一つで、スエズ地峡・パナマ地峡と並んで正に要衝です。
私はタイに居る頃このクラ地峡をみたくて二度ほど出かけました。車での日帰りはきつかったですね。
それで何となく多分これがクラ地峡だけ運河が出来ない理由なのかなあ、そんな所も自分なりに結論を出しています。でも驚いたのが今まで一度も聞いた事の無かった第二泰麺鉄道の遺構が有った事でした。

それからノンカーイ⇔ヴィエンチャン間の橋は日本のODAではなくオーストラリアの援助で出来た橋です。
第一タイ・ラオス友好橋と言っています。
確か7.8年前、この橋の上を鉄道がとおるようになり、タイからヴィエンチャンまでの鉄路が開通。
それから第二タイ・ラオス友好橋はムクダハン県のメコン川にかかっており、これがヴェトナム・ダナン港からハイヴァン峠(海雲峠)・ラオスを通ってムクダハン、更にコンケン、タークを通ってミャンマーに出る計画の路線。橋は大分前に開通しましたが、今年ミャンマー側の道路が開通する予定です。
東西経済回廊の中心設備ですね。
第三タイ・ラオス友好橋はイサーンからベトナム・ハノイに出るルートで中国の援助で完成しました。

タイの王様の件は私もとても心配しています。
その為に現在の軍事政権が出来た訳で、今徹底的にタクシン潰しをしているのもそれが理由です。
でもタクシンの背後には中国とアメリカ(赤いアメリカ)がついています。手ごわいですね。
  1. 2015-04-08 23:12
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  3. 短足おじさん二世 #-
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Re: 赤いタクシン派

> タクシン派の背後には共産支那がいるとか、タイの王政を廃止するつもりだとか、チェンマイを中心にタイを分裂させるつもりだとか、いろんな話があります。どれもそれなりに信憑性はあるのかも。
> タイの古い地図を見ると最大版図ではラオス・ベトナム北部山岳地帯、カンボジア南部からメコンデルタまで専有していました。タイが南北に分かれていた頃の地図ではピサヌロークの北方が国境で現在のラオス・タイ北部・イサーン地方・カンボジア西部が同じ国。タイ人がイサーンをラオというのが納得できます。
> 第二次大戦当時はカンボジアのアンコールワット遺跡のあるシェムリアップあたりまでタイの領土でした。アセアンは今のところ安定していますが、中国バブルが今にもはじけそうな状況で中国が不安定化する可能性、さらにタイ国王の後継者問題を真剣に考えなければならない時期でもあります。順調に経済発展しているようにみえるアセアンも中国依存が高い国ほど脆いかもしれません。


タクシンと共産主義者の話ですが、私はその件を過去エントリーしています。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-31.html
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-124.html

これを見ていただくと分かりますが、第一次タクシン内閣にはタイ共産党の残党が閣僚として何人も入っています。
そしてタイ共産党がタイ北部・東北部の農村地帯に作り上げたオルグ組織が残っていまして、これがタクシン派の選挙活動の組織になっています。
またタイ共産党は武装闘争をしていましたので、大量の武器弾薬を隠し持っています。
軍事政権が最初にやったのが武器保持の摘発であることは記憶されていると思いますが、狙いはこのタイ共産党の残党でした。
尚タクシン派のパワーの源はカネですが、このエントリーでその資金力が分かります。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-154.html

ポッポは日本では大金持ちですが、タクシンと比べたら月とすっぽん、タクシンの資金力は本当にすごいです。
  1. 2015-04-08 23:30
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  3. 短足おじさん二世 #-
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返信ありがとうございます。
第一タイ・ラオス友好橋は豪州の援助ですね。ご指摘ありがとうございました。
  1. 2015-04-13 18:02
  2. URL
  3. NINJA300 #/xzFVZWc
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タクシンエントリー読みました。とても勉強になりました。
  1. 2015-04-13 18:22
  2. URL
  3. NINJA300 #/xzFVZWc
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To:NINJA300 さん

> 返信ありがとうございます。
> 第一タイ・ラオス友好橋は豪州の援助ですね。ご指摘ありがとうございました。


こちらこそ、これからも宜しくお願いします。
  1. 2015-04-13 22:33
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  3. 短足おじさん二世 #-
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To:NINJA300 さん

> タクシンエントリー読みました。とても勉強になりました。


古いエントリーですがご高覧いただき有難うございます。
IZAブログから引っ越すとき、どういう理由か分かりませんが2010年前半より前のエントリーは写真が上手く引っ越しできていませんでした。
今日改めて写真を貼り直しましたので多少見やすくなったと思います。
  1. 2015-04-13 22:45
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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