2014-10-21 10:36

「あひる飛びなさい」から半世紀

 阿川弘之の小説に「あひる飛びなさい」と言う本が有る。

戦後初の国産旅客機YS11物語だ。

これは私の持っている「あひる飛びなさい」の初版本

2014-10-21あひる飛びなさい

何せ昭和38年(1963年)5月25日発行なんで、本の外装はもうボロボロ。

でもYS11は昭和37年(1962年)7月11日試作1号機ロールアウト、8月30日初飛行。
実際に使用されたのは昭和39年(1964年)9月に東京オリンピックの聖火運搬に使われたのが最初。
就航は翌昭和40年(1965年)3月だった。


そしてそれから半世紀。再び日本製の旅客機がお目見えした。

これは10月18日初公開(ロールアウト)された半世紀ぶりの国産旅客機MRJ。

2014-10-21MRJ1

2014-10-21MRJ2


日本の実力で旅客機が出来ない訳ではない。しかし今まで諸事情で造ることが出来なかった。
やっと日本が普通の国になれる。嬉しい第一歩だと思う。

おっと、今年はもう一つ新しい飛行機のロールアウトが三菱重工小牧南工場で有った。
去る7月、密かにロールアウトしたのが国産のステルス戦闘機の実証機ATD-X(通称心神)。

2014-10-21心神ロールアウト

但しこのATD-X(心神)はステルス戦闘機の試作機ではなく、そのひとつ前の実証機。
ステルス性能や運動能力、レーダー(アビオニクス)、IHI製のXF5-1エンジンなどのテストが目的。
これが次期戦闘機F-3につながるかどうかは今後の努力次第と言った所。

自分の力で航空機を作って飛ばすことが出来る。
こんな先進国として当たり前のことがやっとできるようになった。
良い話です。

最後にコマーシャル。
これは三菱航空機のMRJのPR用動画。MRJの美しい姿をどうぞお楽しみください。



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コメント

三菱航空機のMRJを見守りつつ期待してます

私もテレビで三菱航空機のMRJのお披露目のロールアウトを見ましたが、日本にとってよい事です。中には部品の国内比率が3割しかないと言う人も出てますが、軍用機でないので経済合理主義の点で今はしかたないのでしょうね。徐々に国産比率を上げてエンジンも国産化出来れば万々歳でしょうね。自国で飛行機を量産すれば、自国の部品メーカーも育成出来ます。彼等自国の部品メーカーが力をつければ貿易で輸出も可能でしょう。

戦後のドイツと日本は飛行機の開発がしたくても出来ずにいました。ドイツはフランスにあるエアバス社に参加してます。日本だけが三菱航空機のMRJで初めて飛行機の量産が出来ます。素晴しい事ですので見守りましょう。

所で、そのYS-11が未だに現役で日本で使われて飛んでるのをご存知ですか。じつは自衛隊機として尖閣諸島の上空を哨戒活動で飛行してます。半世紀も飛んでる飛行機は稀でしょうね。それだけ実力がある飛行機なのでしょうね。今回の三菱航空機のMRJもYS-11の失敗を糧にして欲しいですね。
  1. 2014-10-21 16:00
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  3. コロ4号 #-
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 「あひる飛びなさい」懐かしいですね。確かテレビドラマにもなっていたかと。題名は「あひるの学校」だったかと。
 しかしYS11は厖大な外国製部品を必要とし、アフターサービスは少しアレで・・・・・
  1. 2014-10-21 21:31
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  3. ご隠居 #kaKZ91t6
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こんばんは。

旅客機ではないですが、ホンダジェットももうじき正式に飛び立ちます。アメリカで開発しているので日本での報道は少ないですが、車屋さんがほぼ一から十まで作ったのでかすらすごいものです。
数年前、ツインリンクもてぎで展示品のコックピットに座りましたが、テスト品であったことから中も外もがさつでとても狭い印象でした。パイロットはどうやって操縦するのかしらと。
でも、今日ではとても美しい機体になったと思います。
戦後航空機産業をつぶされた日本は、やっと戦前の位置まで戻ってきたのではないかと思います。
  1. 2014-10-21 21:33
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  3. koguma #-
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Re: 三菱航空機のMRJを見守りつつ期待してます

> 私もテレビで三菱航空機のMRJのお披露目のロールアウトを見ましたが、日本にとってよい事です。中には部品の国内比率が3割しかないと言う人も出てますが、軍用機でないので経済合理主義の点で今はしかたないのでしょうね。徐々に国産比率を上げてエンジンも国産化出来れば万々歳でしょうね。自国で飛行機を量産すれば、自国の部品メーカーも育成出来ます。彼等自国の部品メーカーが力をつければ貿易で輸出も可能でしょう。
>
> 戦後のドイツと日本は飛行機の開発がしたくても出来ずにいました。ドイツはフランスにあるエアバス社に参加してます。日本だけが三菱航空機のMRJで初めて飛行機の量産が出来ます。素晴しい事ですので見守りましょう。
>
> 所で、そのYS-11が未だに現役で日本で使われて飛んでるのをご存知ですか。じつは自衛隊機として尖閣諸島の上空を哨戒活動で飛行してます。半世紀も飛んでる飛行機は稀でしょうね。それだけ実力がある飛行機なのでしょうね。今回の三菱航空機のMRJもYS-11の失敗を糧にして欲しいですね。


国産化率3割の件ですが、MRJはエンジンはアメリカ製です。エンジンは小さな部品が多いので、そんな事で部品点数ベースなら3割になるかもしれません。
実はMRJを開発するに当たり一番問題になったのがアメリカの反対をどう説得するかでした。
その為アメリカが作っていないサイズの機体にし、エンジンはアメリカ製とすることでアメリカを納得させたのです。

YS11以来半世紀旅客機を作れなかった、それがアメリカの政策だからです。
やっとその網の目を掻い潜ったという事です。
実は似たような話は戦闘機でもありました。最近生産を終了したF-2です。
元々これは全部(エンジンまで)国産の計画でした。そこに横槍を入れてきたのがアメリカです。
自分とこのF-16を買えと。
何とかそれを共同開発にし、製作を始めたらトンデモナイ話が出てきました。肝心要のフライバイワイヤーシステムのソースコードの提供を拒否されたのです。
普通ならこれでこの話はおじゃん。アメリカのF-16を買う以外無い事になります。
所がどっこい、そんな事でへこたれないのが日本。
実はその前に日本はCCV(コントロール・コンフィギュアード・ビークル)開発をやっていました。
そこでフライバイワイヤーのノウハウを十分持っていたのです。
結果F-2が完成したという事です。性能は本家のF-16より勝るとも劣ることは無いそうです。
こんな事でその後の日本はP-1哨戒機までそのシステムを使っています。
そんな意味でもMRJは楽しみです。

所でYS11ですがこの飛行機ほど不思議な飛行機は有りません。
最初は特に軍用機を設計したチームの設計だけあって、およそ旅客機らしくない。
あまり評判は良くなかったです。
しかし何年も使っている内にどんどん評判が良くなってきました。
理由はとにかく頑丈で壊れない。この一点です。
旅客機には定時運航率と言う指標が有りますが、現代の進歩した旅客機を含めてもトップクラスです。
壊れない飛行機ほど頼りになるモノは無い。
それが未だに使われている理由だと思います。
尚航空会社のスタッフの中ではYS11のクラスはボンバルディアなどですが、故障が多すぎる。
何はとも角壊れないYS11を懐かしむ声が未だにあると聞きます。

  1. 2014-10-21 22:25
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  3. 短足おじさん二世 #-
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To:ご隠居 さん

>  「あひる飛びなさい」懐かしいですね。確かテレビドラマにもなっていたかと。題名は「あひるの学校」だったかと。
>  しかしYS11は厖大な外国製部品を必要とし、アフターサービスは少しアレで・・・・・


テレビドラマですか。私は見たことは無いのですが話は聞いたような・・
でもこんな苦難の物語は若い人には夢を与える話。どんどん出てきてほしいものです。

それから外国製部品の件。
兎に角エンジンはロールスロイス製ですから、部品点数で言えば凄い点数が外国製ですね。
でも、それでも、日本で設計し、日本で造った事に価値が有ると思います。

YS11は不思議な機体でして、コロ4号さんへのコメントでも書きましたが、使い込んでいくうちにだんだん評価が上がってきた飛行機でした。
何せ設計した連中が旅客機に乗った事も無い連中(笑)、だから旅客機とは何たるかも知らずに作ったのです。
軍用機だと揶揄されるのも無理からぬ話。
しかし重く非力だったんですが兎に角頑丈で壊れない。
だから定時運航率などは現代の飛行機と比べても非常に良いレベル。
そんな事を知っている人たちがMRJに期待しているんだと思います。
  1. 2014-10-22 08:32
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  3. 短足おじさん二世 #-
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To:koguma さん

> こんばんは。
>
> 旅客機ではないですが、ホンダジェットももうじき正式に飛び立ちます。アメリカで開発しているので日本での報道は少ないですが、車屋さんがほぼ一から十まで作ったのでかすらすごいものです。
> 数年前、ツインリンクもてぎで展示品のコックピットに座りましたが、テスト品であったことから中も外もがさつでとても狭い印象でした。パイロットはどうやって操縦するのかしらと。
> でも、今日ではとても美しい機体になったと思います。
> 戦後航空機産業をつぶされた日本は、やっと戦前の位置まで戻ってきたのではないかと思います。


そうですね。戦後の航空機産業の歴史は正に苦闘の連続。
そしてこの分野では未だに戦後が終わっていない。関係者の苦労は大変だったでしょう。
MRJでもアメリカの造っていないサイズの機体でしかもエンジンはアメリカ製。
これでアメリカを納得させたんだと思います。
まあこれなら日本製が世界を席巻しても、困るのはカナダとブラジルのメーカーだから問題ない。しかもエンジンは売れるし。
こうだったんでしょうね。

国産哨戒機P-1のエンジン(これは国産)も似たようなサイズですから、国産が出来ない筈はないんです。
でも将来が楽しみですね。
  1. 2014-10-22 09:03
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  3. 短足おじさん二世 #-
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YS-11の本当の主務設計者は

土井武夫ですから名機は当然です。
実はこの飛行機、生まれが生まれですから操縦性は戦闘機に近いものがあり、いちいち輸送機のパイロットを養成できない小国の空軍にえらい人気があったのですよね。小国では戦闘機のパイロットが年をとってから輸送機の操縦桿を握りその後管理職になるからです。

ただこの時もエンジンはRRのダートですからなんとも言えません。まあ、企画、設計、出資を全部自国でやれば国産機ですから問題はないのですが、MRJだってやれたかどうかは別としてエンジンはP&Wでしょう。

もちろん輸入ではなくライセンスですがこの辺りはもう政治でしょう。この辺り国産で作らなければならないのですよね。たくさん売れればどさくさ紛れでなんとかなるでしょう。今実質的に大型ジェットエンジンのメーカーは3社しかありません。この辺りを乗り越えてもらいたいと本当に思うのです。これが出来て初めて航空機業界の戦後が終わるのだと思います。

造船業界の戦後は三菱が大型舶用ディーゼルエンジンを作れたから簡単に終わりました。今では世界で3社しかありません。この辺りやはり三菱は日の丸を背負った会社だという気がします。

  1. 2014-10-22 11:00
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  3. kazk #-
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Re: YS-11の本当の主務設計者は

> 土井武夫ですから名機は当然です。
> 実はこの飛行機、生まれが生まれですから操縦性は戦闘機に近いものがあり、いちいち輸送機のパイロットを養成できない小国の空軍にえらい人気があったのですよね。小国では戦闘機のパイロットが年をとってから輸送機の操縦桿を握りその後管理職になるからです。
>
> ただこの時もエンジンはRRのダートですからなんとも言えません。まあ、企画、設計、出資を全部自国でやれば国産機ですから問題はないのですが、MRJだってやれたかどうかは別としてエンジンはP&Wでしょう。
>
> もちろん輸入ではなくライセンスですがこの辺りはもう政治でしょう。この辺り国産で作らなければならないのですよね。たくさん売れればどさくさ紛れでなんとかなるでしょう。今実質的に大型ジェットエンジンのメーカーは3社しかありません。この辺りを乗り越えてもらいたいと本当に思うのです。これが出来て初めて航空機業界の戦後が終わるのだと思います。
>
> 造船業界の戦後は三菱が大型舶用ディーゼルエンジンを作れたから簡単に終わりました。今では世界で3社しかありません。この辺りやはり三菱は日の丸を背負った会社だという気がします。


流石kazkさん、良くご存知ですね。
この飛行機は重い、非力、そんな所が有ったんですが兎に角頑丈で壊れない。
これは飛行機を扱う人たちには大変好評だったようです。
日本の場合、後継機がボンバルディアのような無茶苦茶な機体。
だから未だにYS11を惜しむ声が有ると聞きました。
無事之名馬、こんな所なのでしょう。

兎に角国産飛行機の歴史はアメリカの圧力の歴史。
F-2開発の話など涙なしには聞けません。(コロ4号さんの所に書いたソースコードの話など)
しかし結果として出来上がったものはベースにしたF-16を遥かに凌ぐものになった。
此れを見てアメリカが相当慌てたと聞きましたが、私ではそれ以上は無理。
多分kazkさんはそんな所も良くご存知だと思います。
今度は心神でもう一泡吹かせたいですね。
  1. 2014-10-22 22:19
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  3. 短足おじさん二世 #-
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機械音痴の質問です

機械音痴ですみませんが、新明和工業製造の水上飛行機「US-2」はYS-11以降の歴史上でどんな位置にあるのでしょうか。安倍首相がインドに売り込んだと聞きましたが、エンジンはロールスロイスながらもこれも国産機ですね?
余談ですが日本はエンジンは世界水準の力がないと言う事ですか?戦前の軍用機は栄エンジン他自前で賄えたのでしょうか。
  1. 2014-10-23 05:32
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  3. 相模 #-
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Re: 機械音痴の質問です

> 機械音痴ですみませんが、新明和工業製造の水上飛行機「US-2」はYS-11以降の歴史上でどんな位置にあるのでしょうか。安倍首相がインドに売り込んだと聞きましたが、エンジンはロールスロイスながらもこれも国産機ですね?
> 余談ですが日本はエンジンは世界水準の力がないと言う事ですか?戦前の軍用機は栄エンジン他自前で賄えたのでしょうか。


水上を離発着する飛行機(広義の水上飛行機)は大きく分けて3種類、一つ目が小型の飛行機にフロートをつけて水上で離発着するもの(狭義の水上飛行機)、二つ目はヘリコプターにフロートをつけたもの(これは説明不要でしょう)。三つ目が大型の機体で機体そのものがスロートにもなっているモノ(飛行艇、US-2など)です。
WW2までは艦隊護衛用などで水上飛行機の需要が沢山ありました。
しかしその後ヘリコプターが出来たのでほとんどん水上飛行機はヘリコプターに置き換えられました。
1950年代に入って軍需民需を問わずヘリコプターが急速に普及したので、水上飛行機の必要がほとんどなくなりました。現在では主に観光用などに使われています。

さてその中で大型の飛行艇です。
戦時中までは日本は優秀な飛行艇を持っていました。最後が2式大艇ですがこれは当時としては世界最高のモノでした。
そして日本が自衛隊を整備する過程で対潜哨戒機が重要になり、2式大艇の技術を生かして対潜哨戒機PS-1を作りました。初飛行は1967年(昭和42年)です。YS11とあまり変わりませんね。
しかし対潜哨戒機としてはダメとなって、海洋救難飛行艇として発展してきました。
その為世界初の水陸両用飛行艇になりました。
その後、日本は海洋国家なのでこの技術は何としても生かすべきとの関係者の大変な苦労で細々と開発生産を続けてきました。それがUS-2です。
こんなモノですので世界的に需要は極端に少ない。だから日本が開発してもアメリカは何も文句は言いません。

そんな飛行機なのでインドの様に広大な海のある国には矢張り必要だと思います。
日本でも小笠原諸島などの人たちは万一急病人が有ってもUS-2が来てくれるから大丈夫、そう思っています。
何せ天皇陛下がお見えになった時でも、空港の無い父島には硫黄島からUS-2で来ていただいた、だから信頼感抜群ですから。

戦後69年、アメリカの政策の基本は日本には航空機と核兵器を作らせるな、これは絶対です。
特に広島・長崎に原爆を落としたアメリカの残虐行為、日本人が復讐しない筈はないとアメリカは今でも思っています。
その為核兵器運搬手段としての航空機、ロケットは日本には作らせない、こんな政策を今でもとっています。
自衛隊のF-2戦闘機を作る時、日本はエンジンも含め全部自前で造ろうとしました。それをイチャモンをつけたのがアメリカ。F-16を使えばいいと言うのがアメちゃんの言い分。
仕方なくF-16の改良版を作ったのですが最後になってソースコードを提供しない事にしてしまった。
アメリカによる陰湿ないじめですね。それでもアメちゃん以上のモノを作り上げてしまったのだから大したものです。

エンジンについてです。
日本はエンジンを作る力は持っていますがそれで商売になるわけではない。
エンジンを作るには膨大な設備投資と人材育成が必要で、大型航空機のエンジンなどは事実上世界には3社しかない状態。
現状はと言えば何とかして航空機エンジンも自前で造れるようにしたい。
その為にコストが高いのを我慢して自衛隊用の飛行機に採用し、民需を狙っている。
今そんな所です。

最後に航空産業ではアメリカが将来も大国には変わりありませんが、日本の技術、材料、部品が無いと成り立たなくなってきている。それがアメリカにも良く分かってきました。
最大の失敗はボーイング787。日本とアメリカだけでやっていれば良かったのを安さに惚れて世界中のメーカーを使った。特に失敗はコリアを使った事だと思っていますが、その内実態がばれてくるでしょう。

もう既にステルス戦闘機用の大型エンジンの開発が始まりましたから、それが日の目を見る日も近いかもしれません。楽しみですね。
  1. 2014-10-23 10:43
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  3. 短足おじさん二世 #-
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