2014-09-07 18:19

降水観測衛星がいよいよ運用開始


 日本のJAXAとアメリカのNASAが共同開発し、日本のH2Aロケットで打ち上げた降水観測衛星(GPM主衛星)がいよいよ運用開始したと発表された。

雨や雪の降っている状態を立体的にとらえることが出来る、実に素晴らしいモノが出来たものである。
しかも特筆すべきことは日本とアメリカの共同開発だが、日本が衛星を作り、日本のロケットで打ち上げた事。
今迄航空宇宙関係はアメリカが先行し、日本はそこに便乗させてもらうだけの時代が長かった。やっと対等の立場で開発、運用できるところまで来た。日本人として実に素晴らしい事だと思う。

もう一つ重要なのが
各国の気象機関や研究者に無償で提供し、天気予報の精度向上や気候変動の研究などに役立ててもらう」事である。

アメリカは以前から宇宙開発の成果を無償で全世界に提供してきた。GPSなどはその最たるもの。
此れこそ世界ナンバーワンとしての活動で、他の国では到底真似のできない事だったのだが、いよいよ日本もそう言うナンバーワンとしての活動をするようになった。

実はこれは物造りに関しての私の長年の持論でもある。
「もう世界にお手本は無いんだ、しかし世界中が日本をお手本にしようとしている。そんな中でいかにして世界のお手本になるようなもの造りをするか、それを考えるんだ」
(注:私のやってきたことは極々、そのまた極々小さい範囲です。大きなことは言えませんが・・・)

口で言うのは簡単だがイザこれをやろうとすると並大抵ではない。しかし此れで苦労してきた。目指すのは「世界ナンバーワン」。
そんな良い事例が出来たことは実に素晴らしい。
未来を担う子どもたちにも是非こんな話を知って貰いたいものだと思う。

さて前置きはこれくらいにして、どんな話かというと・・・



<以下引用>

降水衛星の観測データ公開 NASAとJAXA「予報や研究に役立てて」
2014.9.5 14:50
 米航空宇宙局(NASA)は4日、2月に日本のH2Aロケットで打ち上げた全球降水観測計画「GPM」の主衛星などが観測した大気中の雨や雪のデータの公開を始めたと発表した。

 各国の気象機関や研究者に無償で提供し、天気予報の精度向上や気候変動の研究などに役立ててもらう。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発した主衛星は、大気中の水分を立体的に精密観測できる。複数の副衛星のデータと組み合わせることで、地球のほぼ全域を3時間ごとに観測する計画だ。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/science/news/140905/scn14090514500004-n1.htm


この衛星が送ってきた画像はこんなもの。以下は5月に公開された最初の画像

<以下引用>

降水観測衛星の初画像公開 JAXAとNASA、雨や雪を立体把握
2014.5.12 09:30

全球降水観測(GPM)計画の主衛星がとらえた降水の立体分布。赤い場所は雨が強い(JAXA・NASA提供)
2014-9-7降雨監視衛星画像


 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と米航空宇宙局(NASA)は、2月に打ち上げた全球降水観測(GPM)計画の主衛星が初めて観測した画像を公開した。従来は不可能だった温帯地域の雨や雪の立体的な把握に成功した。

 初画像は日本の東海上の発達した低気圧による降水の強さを観測した。日本が開発した2種類のレーダーの観測データを組み合わせ、衛星の進行方向に沿った垂直の断面を調べたところ、雨の降り方の強弱が色別に表現された。

 雪が降っているとみられる空間も判別できた。同時に搭載された米国製のカメラは広範囲を高い解像度で観測することに成功した。

 1997年から運用している日米共同開発の衛星「TRMM」(トリム)もレーダーを搭載するが、熱帯や亜熱帯の強い雨しか検出できない。GPM主衛星の観測域は温帯を含む北緯65~南緯65度で、弱い雨の検出や雨と雪の区別が可能。地球の降水の95%を観測できるという。
(引用者注:北極圏が北緯66度33分なので、ほぼ北極圏と南極圏の間全部という事になる)

 JAXA地球観測研究センターの沖理子研究領域リーダは「期待通りのデータが取れた。温暖化で豪雨や干魃(かんばつ)の増加が懸念される中、TRMMと合わせて観測できる意義は大きい」と話す。調整作業の後、初秋から観測データを公開する。(草下健夫)

http://sankei.jp.msn.com/science/news/140512/scn14051209300003-n1.htm

そしてこれはJAXAから公開されている動画、良く出来ている、大変面白い動画だ。




そしてこれはこの衛星打ち上げの様子
(注:何やら可笑しなオバサン大使が出ているが、可愛いキャロラインちゃんに免じて不問)

<以下引用>
2014-9-7H2A打上げ14年2月28日

H2Aロケット打ち上げ成功 降水観測衛星搭載 ケネディ大使「目を見張った」
2014.2.28 08:25 [宇宙]

 日米が共同開発した降水観測衛星を搭載したH2Aロケット23号機が28日午前3時37分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星は約16分後、予定軌道に投入され打ち上げは成功した。

 この衛星は、地球のほぼ全域で雨を高精度に観測する国際プロジェクト「全球降水観測(GPM)計画」の中心となる主衛星。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と米航空宇宙局(NASA)などが共同開発した。

 日本が開発した高性能レーダーを搭載し、従来の衛星レーダーでは不可能だった弱い雨や雪も観測できる。9月をめどに運用を開始し、各国の副衛星と連携して降水の様子を3時間ごとに詳しく把握。観測データは地球温暖化の研究、台風や豪雨の災害対策、天気予報などに役立てる

 主衛星は重さ3・7トンと大型で、開発費は打ち上げ費用を含め785億円。H2Aは17回連続の成功となり、成功率は95・6%に向上し信頼性を高めた。

 打ち上げを視察後、会見したキャロライン・ケネディ駐日米大使は「目を見張る打ち上げだった。全人類に役立つ素晴らしい日米連携の一例となった」と述べた。



 【用語解説】全球降水観測(GPM)計画

 雨や雪の様子を地球規模で高精度に観測する日米欧などの国際協力プロジェクト。日米が共同開発した主衛星と各国の副衛星が連携し、地表の9割を3時間ごとに観測。現行の衛星「TRMM」(トリム)が熱帯や亜熱帯の雨しか観測できない弱点を克服する。運用開始時には日本の「しずく」など12基の副衛星が連携する見通し。GPMは英語の「Global Precipitation Measurement」の頭文字。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/140228/scn14022808270000-n1.htm
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コメント

目を見張る、と言えば・・「だいち」も

こんにちは。

特定国を監視する為の「衛星」を日本も打ち上げ、運用していますが・・・これには色々な事があって情報はだだ漏れとの噂も聴きますが・・・その監視衛星の精度を裏付ける様な陸域観測衛星「だいち」とその後継機「だいち2号」の精度は目を見張るモノがありますね〜・・・
  1. 2014-09-07 20:18
  2. URL
  3. 裏の桜 #-
  4. 編集

国民に隠れて、こそこそと~。

こんばんわ、
人工衛星で国威発揚なんて時代じゃないとは言うものの、実に壮大な計画ですね、尚且つGPSみたいに軍事予算が入っていないから、大したものです。

以前にサイエンスZEROで放送していたのを思い出しました、雲の上面温度と正確な降水量の関係を主衛星で正確に測り、それを基準として、副衛星で雲の上面温度だけを測れば、高い頻度で全球の降水量が把握できるってシステムでしたっけ、間違っていたらすいません。

来月には「ひまわり8号」も打ち上げを控えているようで、現用機はアジア太平洋30ヶ国でデーターを利用されているそうです。

分かち合える成果は分かち合う、逆に沢山の目で見れば、その方がより多くの解析を得られる、科学に対する日本の姿勢は真面目すぎるんです。
どこぞの自称大国には判らない話でしょうね。
  1. 2014-09-08 01:22
  2. URL
  3. fcq821 #/lkjinTE
  4. 編集

Re: 目を見張る、と言えば・・「だいち」も

> こんにちは。
>
> 特定国を監視する為の「衛星」を日本も打ち上げ、運用していますが・・・これには色々な事があって情報はだだ漏れとの噂も聴きますが・・・その監視衛星の精度を裏付ける様な陸域観測衛星「だいち」とその後継機「だいち2号」の精度は目を見張るモノがありますね〜・・・


情報だだ漏れ、これは実に困った事ですね。
特にミンス時代に自衛隊関連の情報が漏れに漏れた。
呆れたことに流出先のK国を通り越して全部がシナまで・・・
でもそのおかげでシナでは日本に戦争を仕掛けても自衛隊の能力は半端じゃないからヤメレ、こうなったのだとか。
此れも抑止力と考えれば、ミンス売国政権も戦争回避という意味では役に立ったのかも(爆笑)。

でも防衛力とは本来こうあるべきなんでしょうね。
そんな意味で日本の衛星技術は素晴らしいモノが有る。そう思います。
そのいい証拠がマレーシア航空機の行方不明事件。
シナでは嫌々ながら偵察衛星画像を公開した、これでシナの偵察能力が丸わかり。

そんな意味で日本の人工衛星の能力は凄いモノが有ります。
特にアメリカが一目も二目も置くのがはやぶさの成功でしょうか。
  1. 2014-09-08 07:10
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

Re: 国民に隠れて、こそこそと~。

> こんばんわ、
> 人工衛星で国威発揚なんて時代じゃないとは言うものの、実に壮大な計画ですね、尚且つGPSみたいに軍事予算が入っていないから、大したものです。
>
> 以前にサイエンスZEROで放送していたのを思い出しました、雲の上面温度と正確な降水量の関係を主衛星で正確に測り、それを基準として、副衛星で雲の上面温度だけを測れば、高い頻度で全球の降水量が把握できるってシステムでしたっけ、間違っていたらすいません。
>
> 来月には「ひまわり8号」も打ち上げを控えているようで、現用機はアジア太平洋30ヶ国でデーターを利用されているそうです。
>
> 分かち合える成果は分かち合う、逆に沢山の目で見れば、その方がより多くの解析を得られる、科学に対する日本の姿勢は真面目すぎるんです。
> どこぞの自称大国には判らない話でしょうね。


最後の一言、「どこぞの自称大国には判らない話」、これこそこの話の神髄です。
先進国にして大国、だからこそ無償で貴重なデータを提供し世界に貢献する。
発展途上国ではこのデータを活用して色んな研究を進めることが出来る。
素晴らしい事です。
  1. 2014-09-08 07:32
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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これこそが全世界的なソフト対策なんでしょう。

前のトピックにもありましたが、この手の対策も立派なソフト対策でしょう。これを解析し住民に迅速に伝達すること、これが次の課題です。

ただ、ハードの対策は直接の防止に役立つのですがソフトの対策は被害の局限かそれ以前の被害発生抑止の方向しかありません。水害の増加は林業の壊滅と無関係ではないはずです。

日本で川砂が枯渇した頃とダム群の完成は重なります。今度はこれらのハードをどう維持するかの知性が求められてるのですが、これには本来作り直しと同じような銭がかかるはずなのですが、みんなそのことを分かっていません。
先進国はおそらくそのメンテナンスをし続けなくてはいけないのですよね。

それはさておき

これから参考にするモデルはない、など通って思考停止する必要はないでしょう。世界が日本をクールだというのは殆ど全て日本人が日本人の感性で作り上げたものです。

我々が我々の暮らしで必要だと思うものを日々努力して生み出していくだけでいいのです。だからこそ問題は国民が貧しくなってはいけないのですよね。物質的にも精神的にも…

新自由主義者やレントシーカーはこの国には無用だと思います。
乏しきを憂えず等しからざるを憂う国であってもらいたいものです。
  1. 2014-09-09 14:25
  2. URL
  3. kazk #-
  4. 編集

Re: これこそが全世界的なソフト対策なんでしょう。

> 前のトピックにもありましたが、この手の対策も立派なソフト対策でしょう。これを解析し住民に迅速に伝達すること、これが次の課題です。
>
> ただ、ハードの対策は直接の防止に役立つのですがソフトの対策は被害の局限かそれ以前の被害発生抑止の方向しかありません。水害の増加は林業の壊滅と無関係ではないはずです。
>
> 日本で川砂が枯渇した頃とダム群の完成は重なります。今度はこれらのハードをどう維持するかの知性が求められてるのですが、これには本来作り直しと同じような銭がかかるはずなのですが、みんなそのことを分かっていません。
> 先進国はおそらくそのメンテナンスをし続けなくてはいけないのですよね。
>
> それはさておき
>
> これから参考にするモデルはない、など通って思考停止する必要はないでしょう。世界が日本をクールだというのは殆ど全て日本人が日本人の感性で作り上げたものです。
>
> 我々が我々の暮らしで必要だと思うものを日々努力して生み出していくだけでいいのです。だからこそ問題は国民が貧しくなってはいけないのですよね。物質的にも精神的にも…
>
> 新自由主義者やレントシーカーはこの国には無用だと思います。
> 乏しきを憂えず等しからざるを憂う国であってもらいたいものです。


そうなんですね。これが出来たので世界中の研究者が集まって色んな研究が出来る。
数年後にはその成果が続々出てくるでしょう、楽しみです。
奨学金を出して学校に行かせた子が卒業し、社会に出て活躍を始めた。何かそんな話を聞くような思いです。

それから「これから参考にするモデルは無い」、これは思考停止ではなく新しい事をやろうという事で理解してほしいです。
例えばクルマで言いますと、燃費をもっと向上させたい、その為にベンツは如何しているか、BMWは如何か、こんな考え方では百年たってもプリウスは出来ません。
将来を見据えた時、本当に必要なのは何か、そんな考え方で既成の概念を全部捨てる所からイノベーションは始まる。こうだと思うのです。
しかしそれは苦しいいばらの道。
kazkさんは軍事に強いので、こんないい例として帝国海軍の伊号400を考えてください。
アメリカはもしこれで細菌兵器や化学兵器で攻撃されたらと震え上がったのです。
(日本は決してしようとは考えませんでしたが・・・)
伊号400を手本にミサイル潜水艦を作るのは容易でしょう。
しかし最初に作ろうと考えた、これが凄いのです。
二番手を歩いていては決して出来ない仕事だと思います。

第二、第三の伊号400やプリウス、そしてハヤブサを作る。
それが今の日本人の課題だと思っています。
  1. 2014-09-09 17:48
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

イ400、これこそが日本人が作るもののひとつの典型なんです。

ブログ主様がイ400を挙げられましたが、これこそ日本人の作るものの問題点を示しています。あまり知られていませんが、これは開戦後強引なトップダウンで作らされたものであり、それを現場の技術者ができるからやってしまった、というものです。

発想自体は秀逸であり素晴らしい物でしたが、これは1941年までに用意しなければいけなかったものなのです。完全に戦略奇襲兵器なのですから。

基本的な戦略と全然リンクしてません。だから使っても殆ど役に立たなかったはずです。しかし、これのお影でどれだけ潜水艦の量産に響いたか計り知れません。なまじやれることが問題なのです。

要はマーケッティングや市場動向を考えずに作りたいものを作ってしまった典型なのです。これは軍の首脳が頓珍漢なことの証明でしかありません。当たり前の発想を持つ日本人が作った当たり前のもの、これこそが当時も今も間違いなくクールです。問題は世界を知らぬこととその力の使い方を分かっていないことです。

これはおそらく今も日本人の宿痾だと思います。だから逆に言えばこの宿痾を気づかせてくれる友人、もしくは補完してくれる友人がこの国には必要なのです。
それがどこの国かは問題なのですがね。
  1. 2014-09-09 21:52
  2. URL
  3. kazk #-
  4. 編集

Re: イ400、これこそが日本人が作るもののひとつの典型なんです。

> ブログ主様がイ400を挙げられましたが、これこそ日本人の作るものの問題点を示しています。あまり知られていませんが、これは開戦後強引なトップダウンで作らされたものであり、それを現場の技術者ができるからやってしまった、というものです。
>
> 発想自体は秀逸であり素晴らしい物でしたが、これは1941年までに用意しなければいけなかったものなのです。完全に戦略奇襲兵器なのですから。
>
> 基本的な戦略と全然リンクしてません。だから使っても殆ど役に立たなかったはずです。しかし、これのお影でどれだけ潜水艦の量産に響いたか計り知れません。なまじやれることが問題なのです。
>
> 要はマーケッティングや市場動向を考えずに作りたいものを作ってしまった典型なのです。これは軍の首脳が頓珍漢なことの証明でしかありません。当たり前の発想を持つ日本人が作った当たり前のもの、これこそが当時も今も間違いなくクールです。問題は世界を知らぬこととその力の使い方を分かっていないことです。
>
> これはおそらく今も日本人の宿痾だと思います。だから逆に言えばこの宿痾を気づかせてくれる友人、もしくは補完してくれる友人がこの国には必要なのです。
> それがどこの国かは問題なのですがね。


ご指摘の件は正に図星ですね。
しかし私の様に「日本は戦争に負けた。何故負けたのか、モノづくりから考えよう」、こんな事をやってきた人間には沢山の教訓が有ると思っています。
昔から言う負け戦にこそ教訓が沢山あると言うヤツですね。
つい最近もある雑誌で「日本はモノづくりが強すぎてマーケッティングが弱すぎる。これが課題だ」。こんな言葉を目にしました。事実でしょうね。

日本には友人が必要だ。これは同感です。
しかし友人になりうる国は何処かと言うと、私にはG5の4か国しか思いつきませんが、如何なんでしょうか。
その中でもアメリカは多分近い将来は(中国が破綻分裂した後で)分解するんでしょうし、フランスは無理でしょう。
私はイギリスしかないと見ていますが、今のイギリスは苦難の道を歩んでいる。
難しいですね。
  1. 2014-09-10 17:02
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

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