2014-09-05 16:23

インフラにはハードとソフト、両方が必要

 矢野友遊さんと裏の桜さんが今回の広島の土砂災害に関連して、砂防ダムについてエントリーしている。

これが矢野友遊さんのエントリー
http://yuyuu2013.blog.fc2.com/blog-entry-4112.html

計画した砂防ダムが事業仕訳で建設できなかったらしい。

これが裏の桜さんのエントリー
http://sakuraura.blog.fc2.com/blog-entry-3085.html

そこでとり上げられている砂防ダムの話



そしてこれが裏の桜さんが取り上げたある方のコメント。

<以下引用>
これは、まやかしです。建設したての砂防ダムなら、このような効果は期待できるかもしれませんが、何年かすれば土砂が堆積して、このような効果は期待できません。
1回はせき止めたとしても、次は何の抵抗も無いタダの滑り台と化します
そして、その砂防ダムが決壊した場合は、より甚大な被害が予想されます。
(砂防ダム決壊で検索)
それに左みたいに滑り台のような河川はまずありません。山間部の川は、浅瀬、淵、広い河原、V字狭などの変化にとんだ川なのです。
そして、それこそが天然の砂防ダムなのです。
建設族議員や国交省役人、地元で多大な利益を得る輩の詭弁を真に受けてはいけません。
<引用終り>

私が何故このコメントを引用するかというと、
1、1回はせき止めても、次はタダの滑り台
2.日本にはこんな滑り台みたいな河川は無い
この2点が事実を知らない、見ようとしない妄想だからだ。

そこで今回の悲惨な広島の災害についてみてみたい。



最初に被災地はこんな所、これは一番被害の大きかった広島市安佐南区八木地区のグーグルアース航空写真。

2014-9-4八木四丁目グーグルアース

安佐南区の八木地区は山の東南側に開けた地形だ。そして後ろの山は非常に急峻で高い。最高地点は標高586メートルの阿武山。いかに急勾配か分かる。
しかしこの山のお蔭で八木地区は冬暖かい、住むにはとても素晴らしい。
交通の便も良い(航空写真には写ってないが、すぐ近くに山陽自動車道、広島自動車道が有る)、大変いい所なのだ。


これはNHKが放送した航空写真(国土地理院撮影)

2014-9-4安佐南区航空写真

山の斜面を這い上がるように住宅地が広がっている。
山の斜面には小さな谷が真っ直ぐ頂上に向かって伸びているのが分かる。


そしてこれは安佐南区八木を太田川の対岸から望んだもの(グーグルアースより)

2014-9-4八木を望む写真

素晴らしい景色だ。


そしてその八木地区から川の方を眺めるとこんな景色

2014-9-4八木四丁目写真

住宅地からの眺めも良い。



此処までの写真で分かる事。
この安佐南区八木は住むには素晴らしい所なのだ。
北に山、南に平野、東に大河、西に大道。これは古来都に最適な地形を示した言葉だが、正にその通り。
冬暖かく、恐らく住んでいる人はとてもいい所に住めたことの幸せを感じていたと思う。

だが一度目を反対側に向けて、背後山の方を見ると

これはグーグルアース航空写真の赤いA印の所にある砂防ダム(グーグルアースより)

2014-9-4八木の砂防ダム写真1


これは上掲A地点の砂防ダムを山側から見た所、この写真の時点では土砂は堆積しているがまだ砂防ダムとして機能している(グーグルアースより)

2014-9-4八木の砂防ダム写真2


これはグーグルアース航空写真のB地点の砂防ダム。(グーグルアースより)
1号砂防ダムとなっており、写真では真新しい。
矢野友遊さんが9基の砂防ダムを造ろうとしたが1基も完成しなかったと指摘ているので、この砂防ダムも少々古いかも。

2014-9-4八木の1号砂防ダム写真

此処まで、主にグーグルアースに載っている写真を紹介した。
写真を投稿した方がどんな方か知らないが、こんな砂防ダムを色々紹介している。
多分自分の住んでいる所の背後に潜む脅威に気が付いた方なのではないかと思う。


最後にこれが災害3日目の写真。

2014-9-4八木被災三日目写真(多分八木3丁目)

家のすぐ裏山、普段は森に隠れて、そこに沢がある事さえ分からないような所。
しかしいったん集中豪雨が降ると途端に牙をむく。
自然の恐ろしさを痛感させられる写真である。
私の知人も広島在住の方がいて、今はこの辺りには住んでいないが昔住んでいたことが有ると言っていた。
私にとっても他人事とも思えない災害である。


そして冒頭に戻って問題点として指摘したこと。

1、1回はせき止めても、次はタダの滑り台

これは古い砂防ダムの写真(最後から3番目の写真)を見ると理解いただけよう。何回かの大雨で流れた土砂をため込んでいる訳だ

2.日本にはこんな滑り台みたいな河川は無い

これはNHK放送の航空写真が良く示している。
急峻な山の斜面では沢は蛇行などしない(出来ない)。真っ直ぐ駆け下りてくる。これが日本の地形なのだ。


事業仕訳で砂防ダム建設を止めてしまったミンス一味の罪は重い。万死に値するとはまさにこの事だろう。
しかし砂防ダムさえ有ればいいのだろうか。
砂防ダムもやがては埋まってしまう。定期的に点検と土砂取り除きなどのメンテナンスが必要だ。

そしてそんな事で支えられている便利で快適な生活、その為の防災訓練などを普段することが必要ではないだろうか。
  1. 社会一般
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コメント

少年時代の思い出

昔、祖父(明治生まれ)と名も知らぬ川に行ったとき、祖父は「この川は暴れ川だな」と言いました。理由は、大きな石が至る所に転がっていたからです。「都会っ子」の私は初めて川と石の関係を知った訳です。

周辺には広葉樹が植えられており、これが保水力を持たせていたと後年に知りました。因みに木材用に戦後大量に植えられた杉は保水力が乏しい。

取るに足りぬ話ですが、祖父の代までは常識で語られた治山治水が、今では国民全員が「都会っ子」「大都会人」になったために、常識を忘れて問題視されたかと思います。
  1. 2014-09-06 08:06
  2. URL
  3. 相模 #-
  4. 編集

Re: 少年時代の思い出

> 昔、祖父(明治生まれ)と名も知らぬ川に行ったとき、祖父は「この川は暴れ川だな」と言いました。理由は、大きな石が至る所に転がっていたからです。「都会っ子」の私は初めて川と石の関係を知った訳です。
>
> 周辺には広葉樹が植えられており、これが保水力を持たせていたと後年に知りました。因みに木材用に戦後大量に植えられた杉は保水力が乏しい。
>
> 取るに足りぬ話ですが、祖父の代までは常識で語られた治山治水が、今では国民全員が「都会っ子」「大都会人」になったために、常識を忘れて問題視されたかと思います。


昔は子供は皆そうして色んな知識を身に着けたんですね。
私も同じような経験が沢山有るので良く分かります。

しかし本文に取り上げた土地は調べると恐ろしい所です。
背後の山塊は上空から見ると細長い形で、長手方向で5~6キロ位。
頂上は標高500メーターを超える訳ですから、広島市街から瀬戸内海まで望める眺望の素晴らしい所。
しかし登山道はグーグル航空写真の左下から登るルートが二つあって、あとは縦走路だけ。
北西に降りられる登山道が有りますが、道が険しいので止めた方がいいと書いてありました。
つまり土砂災害被害の有った地区から背後の山に登る道は無いのです。
登山道も出来ないような険しい所と理解すべき所だったのです。

あまり書くのは被災者の方の心情も有るので書きませんでした。
子どもの頃からそんな話を聞いていればまた考え方も変わったのではないでしょうか。
  1. 2014-09-06 09:54
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

わたしは広島市出身です。電話で母(広島)から聞いた話ですが、母の弟が土砂現場から500M離れた団地にすんでいたようです。緑井というところ。で、その弟(わたしからみればおじさん)のところはまったくの無傷で停電も断水もなにもなかったそうです。そしてそのおじさんはいつも土砂災害の現場をみて「ここは川の土砂が流れそうな危ないところだなあ」と思っていたそうです。おじさんは若い頃はソフトウェア関連で建築知識はまったくありません。参考までにカキコしました。
  1. 2014-09-06 21:05
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  3. NINJA300 #/xzFVZWc
  4. 編集

To:NINJA300 さん

> わたしは広島市出身です。電話で母(広島)から聞いた話ですが、母の弟が土砂現場から500M離れた団地にすんでいたようです。緑井というところ。で、その弟(わたしからみればおじさん)のところはまったくの無傷で停電も断水もなにもなかったそうです。そしてそのおじさんはいつも土砂災害の現場をみて「ここは川の土砂が流れそうな危ないところだなあ」と思っていたそうです。おじさんは若い頃はソフトウェア関連で建築知識はまったくありません。参考までにカキコしました。


御親戚の方がご無事で本当の良かったですね。
多分TVなどのニュースで広島市安佐南区と聞いて、御親戚の方とかご友人の方とか、安否が気になったと思います。
私も似たような経験が有りますので分かります。安否が分かるまで本当に心配です。

広島出身の方には釈迦に説法ですが、本文冒頭のグーグルアース航空写真の左下、ツアーガイドなどと書いてありますが、そのすぐ右がJR緑井駅だと思います。
ですのでほんの紙一重の違いで天国と地獄が同居している、そんな事でしょうね。

そう言えばタイはもう洪水の季節になりました。
まあタイの洪水はおとなしいので、少々の水害は大丈夫なのですがそちらは如何でしょうか。
タイの洪水で気を付けねばいけないのは電線が切れて水に入り、その水に触れたことによる感電死。
日本と違って色んな所に危険がある国ですので、それなりの暮らす必要が有りますね。
  1. 2014-09-06 22:09
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

私がいいたかったのは、母によると、伯父さんは、以前から土砂災害エリアを見て、危険性を感じていたことです。500m先の御自分の家の場所にはない危険性を感じていたということです。
タイはスコールでいきなり冠水しますよね。先日はATMで子供が感電死したニュースを読みました。電気工事していて感電で両手を失った元ムエタイボクサーにあったこともあります。新興国の電気は怖いので気をつけたいものですね。
  1. 2014-09-07 01:44
  2. URL
  3. NINJA300 #-
  4. 編集

To:NINJA300 さん

> 私がいいたかったのは、母によると、伯父さんは、以前から土砂災害エリアを見て、危険性を感じていたことです。500m先の御自分の家の場所にはない危険性を感じていたということです。
> タイはスコールでいきなり冠水しますよね。先日はATMで子供が感電死したニュースを読みました。電気工事していて感電で両手を失った元ムエタイボクサーにあったこともあります。新興国の電気は怖いので気をつけたいものですね。


なるほど、叔父様は土木関係の専門家ではないモノのそんな危険を察知していた、凄いですね。感心しました。

所でタイの電力事情について私の経験を少々。
タイの電圧は公称220ボルトです。しかし或る時測定して見たら軽く260ボルト以上ありました。
電圧変動が日本の常識と違いますね。

それから落雷と停電は何度も何度も痛い目に遭いましたが(数えきれません)、その中でもすごかったケース。
或るとき隣の会社(系列会社)の隣にある電柱に落雷しました。勿論避雷針つきの電柱でしたが、その会社の引き込み線を通ってその会社を電撃。多数の機械を壊しました。
更にその会社から当社への非常用の連絡線を通って当社の機械を電撃。
当社の電源は別の電柱からだったんですが、そんな風でやられました。多数の機械が故障し大騒ぎでした。
強い雷が鳴るとスタッフはテレビの電源プラグを抜きますし、エアコンの電源もプラグを抜きます。
落雷でテレビが燃える事も有るのだとか・・・
日本では聞いた事も無いですね。

  1. 2014-09-07 17:01
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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というか、誰でも危険性の予見可能性があった場所という意味です。元々が危ない場所だったわけです。これが現地に住む通常の人の常識的判断の訳です。
  1. 2014-09-07 23:09
  2. URL
  3. NINJA300 #-
  4. 編集

To:NINJA300 さん

> というか、誰でも危険性の予見可能性があった場所という意味です。元々が危ない場所だったわけです。これが現地に住む通常の人の常識的判断の訳です。


なるほど、分かりました。
現地に住む普通の人なら知っている常識、そうだったんですね。
心しなければいけない事例と思います。
  1. 2014-09-08 07:23
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

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