2014-08-31 13:50

地震津波の実況生中継を聞いた話

 日本海沿岸で津波を起こす可能性のある大規模地震の想定を、政府の有識者検討会がまとめ、8月26日公表した。
これについて、地震から5分程度で20メーターもの津波が押し寄せる可能性が指摘され、如何すればいいんだと言う意見もある。

此れで思い出したのが今から21年前の1993年7月12日発生した北海道南西沖地震。この地震で北海道奥尻島では地震後5分位で大津波が押し寄せ、大災害となった。

そしてこの時、この大地震津波の津波直前の現地レポートをNHKラジオが放送、愛知県在住の私が聞いた事が有る。
何か偶然の塊のような話だがその顛末は・・・

最も被害の大きかった奥尻島青苗地区にNHK函館放送局の自然番組取材のスタッフが当夜泊まっていた。
そして地元の人の津波が来る、逃げてくださいと言う事で直ぐ高台に避難。そこからNHKに電話で状況報告したのだが、それがNHKラジオでリアルタイムで放送された。
それを私が、丁度帰宅途中のクルマの中のカーラジオで聞いた。こんな事だった。

今考えても本当に貴重な経験。丁度いい機会なのでその一部始終を紹介します。


地震が起こったのは1993年7月12日の午後22時17分、北海道南西沖を震源とするM7.8の地震だった。
その地震で発生した津波の第一波は奥尻島青苗地区を5分後には襲っている。

その電話の内容・・・20年も前の話で記憶だけですが、今でもそれをありありと思いだせる位凄いレポートでした。

「NHKの〇〇です。今丁度取材で奥尻島青苗地区に来ています。
地震だ、津波が来るぞ、すぐ逃げろと地元の人に言われ、今高台につきました。
地震から5分くらい経ったでしょうか。
辺りは停電で真っ暗です。
しかし町の方から高台に避難する人の懐中電灯の光が続々と坂を上がって、こちらに向かっているのが見えます。
皆さん津波が来るぞ、逃げろ。高台に逃げろ。こう声を掛け合っています。
アッ、津波が来たようです・・・、早く、早く逃げてください・・・」

こんなモノでした。
正に津波襲来の実況生中継、本当にびっくりしました。


ちょっと参考までにその青苗地区と言うのはどんな所かというと

2014-8-31奥尻島青苗地区航空写真


そしてこれが地震直後の様子、津波と直後の大火で町は壊滅状態、
2014-8-31奥尻島青苗地区の地震直後の写真


その青苗地区は海に近い低地に353世帯、1015人は住んでおり、最終的に死者・行方不明者107人と言う大災害となった。
そして地元の人はその10年前の日本海中部地震でも津波被害を受けていたので、地震が有れば津波が来る。そう思って避難することを常日頃考えていたようです。
ですから地震から津波襲来まで僅か5分、それで住民の死者が約1割と考えるか、9割の人が逃げおおせたと考えるか。

私はよくぞあれだけの大津波で、9割の人が逃げおおせた、凄い事だったんだなあ、そう思っています。

尚その後現地調査した結果、生き延びた人と逃げ切れなかった人の差はホンの紙一重の差だったようです。
或る報告によれば
”助かった人からの聞き取りでは「モノを持ち出す余裕は無かった、とにかく逃げようと思った」「全速力で走った」「隣の家の人は、モノを取りに戻って逃げ遅れた」「サンダルをつっかけて逃げた、靴を探していたら逃げ遅れただろう」などの証言を得た。一瞬の判断と機敏な行動が生存につながったのである。”
こんな事の様である。
以上は下記参照ください。
http://www.jsce.or.jp/library/eq10/proc/00034/81-8-101279.pdf

尚NHKスタッフはクルマで逃げ助かっていますが、その後クルマで逃げようとした人は渋滞で動けなくなり、かえって逃げ遅れて亡くなった人が多いと聞きました。
こんな時は下手にクルマで動くのは危険、そんな教訓だと思います。

東日本大震災の時は昼間でしたので未曾有の大災害でしたが、皆さんTVなどで実情をよくご覧になったと思います。
この奥尻島での災害は夜、それも停電してしまった時どうするか、そんないい教訓になったのだと思っています。

明日は防災の日。私の拙い経験が何かの参考になれば幸いです。


尚最後にこの地震の前兆現象は無かったと言われています。
しかし地元ではこんな事も言われているようです。
”奥尻島・住民たちの証言 
「まえぶれはあったさ。町営『神威脇温泉保養所』の湯温が、普段60度前後のものだが、地震の10日ほど前から80度から90度くらいに上がって、いつもの3倍も水でうめたよ」
「ここはネズミの多い所だが、地震の半月前からネズミがピタッと姿をみせなくなったさ。あのネズミはどこへ行っただか」
「普段は釣れないような魚があがって、何かおかしいって話してただよ」
「津波で助かったのは着のみ着のままで逃げたモンだけさ。こういう時は欲張っちやいかん。身体だけ助かればいい。逃げる時は身軽が一番」”
引用元
http://www.bo-sai.co.jp/sub8.html
  1. 社会一般
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コメント

不思議な体験をしたことを 思い出しました。
あの時は豊川に単身赴任していて独身寮に泊まっていました。
9時ごろまで残業して、帰ってすぐに寝てしまいました。
その夜、地震の夢を見て ひどい寝違いになりました。(数か月治りませんでした。)
北海道で地震があったことは会社へ行って知りました。不思議でした。

そういえば兵庫の地震の時は、息子が数日前に 私の弟が地震にあった夢を見たそうです。
弟は神戸の真ん中の区に住んで居ました。テレビが飛んできたと言っていました。
マンションの壁にひびが入っただけで 本人に怪我は有りませんでした。
  1. 2014-08-31 15:00
  2. URL
  3. 八目山人 #4lXsiBFM
  4. 編集

To:八目山人さん

> 不思議な体験をしたことを 思い出しました。
> あの時は豊川に単身赴任していて独身寮に泊まっていました。
> 9時ごろまで残業して、帰ってすぐに寝てしまいました。
> その夜、地震の夢を見て ひどい寝違いになりました。(数か月治りませんでした。)
> 北海道で地震があったことは会社へ行って知りました。不思議でした。
>
> そういえば兵庫の地震の時は、息子が数日前に 私の弟が地震にあった夢を見たそうです。
> 弟は神戸の真ん中の区に住んで居ました。テレビが飛んできたと言っていました。
> マンションの壁にひびが入っただけで 本人に怪我は有りませんでした。


凄い経験をされましたね。現代社会でも人知の及ばない部分が沢山ある。
そんな話なんでしょうか。
人間の能力と言うのは鍛えれば物凄い能力を発揮できる、そんな部分が有ります。
例えば昔軍艦のマストのてっぺんで見張りをしていたような人は視力6.0以上だったと聞きます。
そんな人がコレがこうなっているという事など普通の人には全く見えない世界。

そんな意味で八目山人さんにも何かそんな能力が備わっているのかもしれません。
それにしても明日の事が分かるようになる方がなんぼか良いのですが・・・、無理か・・・。
  1. 2014-08-31 16:35
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
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日本海中部地震というがありましたっけ。

リアルタイムでは聞けずに、後のニュースでの解説ですが、奥尻島の時は津波が岬の尾根を越えてきたので、海岸沿いに山へ逃げた人は助かったが、岬の尾根に逃げた人は犠牲になったとか、一瞬の判断の違いで本当に恐ろしいものです。

遡ること10年1983年の日本海中部地震の津波は7分で到着したということで、防波堤から流される人の映像が印象に残っています。このとき太平洋側から来ていた船舶はすぐに船を出して難を逃れたが、地元の船舶の多くが非難せずに被災したと言われています。
同じ日本の中でも地震・津波に対する身構えは大きく違うものだと思いました。

つくづく海の無い県で良かった、とはいえ根尾谷断層の近くですので、身を引き締めてと。
何で関東大震災が防災の日で、M8内陸直下型の濃尾地震は忘れられているのかと、ぶつぶつ。
昔の伝統工法の農家は遥に頑丈だったみたいで、家は被災を免れたものの、余震と地割れが怖くて、竹藪に蚊帳を吊って半年過ごしたと聞いています、根が張っていれば地割れも起きない、いったいどこからそんな知恵が湧いたか不思議。
町屋は全滅に近い状態で、農家は被災を免れた、筋交いを用いない伝統工法が見直されても良いと思うんですが、見落とされているのは、建築界の怠慢じゃあるまいか。
どんどん話が逸れてすいません。
  1. 2014-08-31 20:18
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  3. fcq821 #/lkjinTE
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NHKが何をしたか!

私が、奥尻島に行ったときに島の人から聞いた話です。
「ほんの少し高いところに逃げればよいので、走って逃げた人は助かった。島の人間はそのことを知っていたが、高齢者などを運ばないといけないような人がいて、そういう人は車を使わざるを得なかった。たまたま、そのとき、違う番組の取材でNHKが来ていて、彼らも避難したのだが、後ろから来る間の列を撮影するために、ゆっくり走った。一本しかない細い道をNHKの車がのろのろ走ったために、後ろの車は逃げ遅れた。あのとき、NHKが来ていなければ被害はもっと少なかっただろう。証拠は、何よりNHKが流した映像だ。光が一列になって、車が走っているところがはっきりと移っている。
だから、島には、NHKのことをよく思っていないものが多い。」
  1. 2014-09-01 06:26
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  3. ぎっちょん #-
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Re: 日本海中部地震というがありましたっけ。

> リアルタイムでは聞けずに、後のニュースでの解説ですが、奥尻島の時は津波が岬の尾根を越えてきたので、海岸沿いに山へ逃げた人は助かったが、岬の尾根に逃げた人は犠牲になったとか、一瞬の判断の違いで本当に恐ろしいものです。
>
> 遡ること10年1983年の日本海中部地震の津波は7分で到着したということで、防波堤から流される人の映像が印象に残っています。このとき太平洋側から来ていた船舶はすぐに船を出して難を逃れたが、地元の船舶の多くが非難せずに被災したと言われています。
> 同じ日本の中でも地震・津波に対する身構えは大きく違うものだと思いました。
>
> つくづく海の無い県で良かった、とはいえ根尾谷断層の近くですので、身を引き締めてと。
> 何で関東大震災が防災の日で、M8内陸直下型の濃尾地震は忘れられているのかと、ぶつぶつ。
> 昔の伝統工法の農家は遥に頑丈だったみたいで、家は被災を免れたものの、余震と地割れが怖くて、竹藪に蚊帳を吊って半年過ごしたと聞いています、根が張っていれば地割れも起きない、いったいどこからそんな知恵が湧いたか不思議。
> 町屋は全滅に近い状態で、農家は被災を免れた、筋交いを用いない伝統工法が見直されても良いと思うんですが、見落とされているのは、建築界の怠慢じゃあるまいか。
> どんどん話が逸れてすいません。


根尾谷断層のお近くにお住まいですか。地震の理屈に依れば、一度大地震を起こした断層は再びエネルギーをため込むのに相当時間がかかりますから、当分安心な土地なんでしょうね。
でも地震が来たら竹藪に逃げろと言うのは私の住んでいる所でも聞きますし、長良川沿いの輪中地帯でも聞いた事が有ります。

それから建物の被害ですが、地盤の状態と建物の被害は密接に関係しています。
関東大震災で顕著だったのは、下町は普通の木造民家が壊れた。しかし山の手は土蔵が壊れた。
こんな現象があります。振動の周期が違うのと、地盤の弱い所は揺れが極端に大きいんでしょう。
私の住まいの近くで言いますと東南海地震(昭和19年12月)で住宅が壊れたのは昔海だったような低地の住宅。山の手はほとんど無傷でした。
おなじことが阪神大震災でもいえます。私の姉は神戸の山の上に住んでいますが、壁にひびが入った位。
勿論戸棚など全部ひっくり返って大変でしたが、まあそんなモノ。
しかし低地は被害甚大。特に昔の河道跡はダメでしたね。見事にその上が壊滅していました。

お住まいの所の地盤を見てみるとその辺りの耳珠が分かるかもしれません。
  1. 2014-09-01 15:19
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  3. 短足おじさん二世 #-
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Re: NHKが何をしたか!

> 私が、奥尻島に行ったときに島の人から聞いた話です。
> 「ほんの少し高いところに逃げればよいので、走って逃げた人は助かった。島の人間はそのことを知っていたが、高齢者などを運ばないといけないような人がいて、そういう人は車を使わざるを得なかった。たまたま、そのとき、違う番組の取材でNHKが来ていて、彼らも避難したのだが、後ろから来る間の列を撮影するために、ゆっくり走った。一本しかない細い道をNHKの車がのろのろ走ったために、後ろの車は逃げ遅れた。あのとき、NHKが来ていなければ被害はもっと少なかっただろう。証拠は、何よりNHKが流した映像だ。光が一列になって、車が走っているところがはっきりと移っている。
> だから、島には、NHKのことをよく思っていないものが多い。」


おおっ!、情報ありがとうございます。

実は今回のエントリーまでは私も奥尻島の津波被害は大変だったんだなあ、そんな認識でした。
今回エントリーするにあたって調べてみました。
色々調べてもNHKスタッフが車で逃げたと言う話しは無かったです。
私は当然カメラ持って走ったんだろうなあ、漠然とそう考えていました。
しかしNHKの資料を探し当て、車で逃げたと知りました。
あんな狭い町の中です。車が一台走れば、どれだけ他の人が迷惑するか。
ましてや高台に駐車場など満足にある筈がない、絶対やってはいけない事をやった。
そう思いました。
しかしそれ以上はどうにも情報不足、
ただ避難する人がゆっくり歩いていたと言うNHKスタッフの言い分が書いてありましたので、どうにも腑に落ちませんでした。

ぎっちょんさんの情報でミッシングリンクがつながりました。
矢張りNHKは朝日新聞と同じ、傲慢な体質を持っているんですね。
この件、私のエントリーに使わせていただきたいと思います。
宜しくお願いします。
  1. 2014-09-01 15:30
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

RE.NHK

短足おじさん様

 私も、十分に水準以上の短足です。

 マスコミは、どうせ「カバとカバとでかばい合い」ですから、マスコミ人の非行は報道しないと思います。
 私にお話をして下さった方は、随分感情を抑制した話しぶりでしたが、心中さぞ、煮えたぎるものがあったことと思います。
 奥尻島の人々の無念を思うと、いたたまれない気持ちです。

 このような事実ができるだけ多くの人々に伝わることを祈ります。
  1. 2014-09-02 06:08
  2. URL
  3. ぎっちょん #-
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Re: RE.NHK

> 短足おじさん様
>
>  私も、十分に水準以上の短足です。
>
>  マスコミは、どうせ「カバとカバとでかばい合い」ですから、マスコミ人の非行は報道しないと思います。
>  私にお話をして下さった方は、随分感情を抑制した話しぶりでしたが、心中さぞ、煮えたぎるものがあったことと思います。
>  奥尻島の人々の無念を思うと、いたたまれない気持ちです。
>
>  このような事実ができるだけ多くの人々に伝わることを祈ります。


この話は是非皆さんに知ってほしいと思っているのですが、単なるNHKの悪口にはしたくない。
それで当時の事情など、公表されているモノを調べています。
ある程度まとまったら、なるべく早くエントリーするつもりです。
(影の声:何か国会答弁風になりました・・・笑)
  1. 2014-09-02 11:20
  2. URL
  3. 短足おじさん二世 #-
  4. 編集

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