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2020-05-27 15:33

武漢肺炎<日本のミラクルに対する見方が変わってきた


 昨日から緊急事態宣言が全面解除された。やっと経済が正常化されるということで先ずは良かった。
と言って手放しで喜んでもいられない。
安倍首相は、「日本ならではのやり方で流行をほぼ収束できた」と言っているが、もちろん二度目の緊急事態宣言も有り得るわけで、油断大敵ということだろう。

さて、こんな事で日本は何とか収束できたのだが、他の先進国と比較すると、日本の死者数は突出して少ない。桁違いの少なさであることは間違いない。

ちょっと本題に入る前に現在の死者数の状況 (5月26日現在 G7+スペイン)

 国名      死者数    人口100万人当たり  人口(単位:百万人)
アメリカ     99.800     302          330
イギリス     36.800     544          67
イタリア     32.800     544          60
フランス     28.000     436          65 
スペイン     26.000     574          46 
ドイツ        8.400       101            83
カナダ        6.500       174          37
日本          830                  7                            126


このような状況に世界からはジャパニーズ・ミラクルと言う声が聞こえてくる。
例えばこんなエントリー

そして現在はと言えば、日本人がこのミラクルに対し、『如何してこのように少ない死者数になったのか』を世界に発信していないので、世界中から不思議がられている。

例えばこんな記事
『コロナ対策に成功しているのに「失敗した」と思い込む不思議な日本人 英国の高級スーパーでは「日本食」の検索が53%も増加~ネットの反応「日本人のことが癪に障る人たちがマスコミを牛耳ってるからね」  2020年5月25日』


そしてこれが問題の本質を表していると思われる記事、5月27日付の読売のもの。
<以下引用>

「不可解」「ミステリー」、感染者数伸びない日本に戸惑う欧米メディア
2020/05/27 07:12
(引用者注:この記事の見出しは紙の新聞ではこうなっている。
「3密」回避 日本評価も  欧米メディア批判一転
こんな風に見出しを変える所に日本のメディアの困惑ぶりが分かる。参考までに記載)

新型コロナ
 【ニューヨーク=橋本潤也】緊急事態宣言を25日に解除した日本政府の新型コロナウイルス対策について、欧米メディアの評価が変化しつつある。当初、欧米と異なる対応を批判してきたが、日本政府の「3密」回避の呼びかけや、日本独自の習慣、保険制度などを評価する指摘も出てきている。

 多くの欧米メディアは日本の対応を疑問視してきた。公共交通機関の混雑や、罰則を伴わない緊急事態宣言に批判が集まったほか、PCR検査の件数について「ドイツや韓国と比べるとゼロを一つ付け忘れたように見える」(4月30日の英BBC)と少なさを問題視する指摘もあった。迅速に大量の検査を行い、感染者の移動経路を把握し、感染拡大を食い止めた韓国が成功例として称賛された。

 欧米メディアには日本の感染者数が伸びないことに、「不可解」「ミステリー」と戸惑う声もある。米紙ワシントン・ポストは25日の記事で、少ない感染者の「理由は明確でない」としつつ、感染を早期に把握できた要因の一つに日本の国民皆保険制度を挙げた。志村けんさんや岡江久美子さんら著名人の悲報が、「人々にウイルスの危険性を気付かせた」とも指摘した。

 英紙ガーディアンは22日の「大惨事目前からサクセスストーリーへ」と題する記事で、花粉症対策のマスク着用や、握手やハグをあまりせず、玄関で靴を脱ぐ日本の習慣が感染防止に寄与した可能性を指摘した。

 日本式の取り組みを参考にする動きもある。米ニューヨーク市議会衛生委員長のマーク・レバイン氏は21日、日本政府が作成した密閉、密集、密接の「3つの密を避けましょう」というポスターを英訳版と共にツイッター上に掲載した。「これが日本が取り組んでいること。何が最もリスクが高いかを強調する上で良い方法だ」と紹介している。
<引用終り>


さてここからが本題。

実は日本が奇跡と言われるのはこれが初めてではない。
それを江戸っ子風に言えば
「てやんでぇ べら棒めぇ、日本てぇ国はなあ、トインビー大先生の昔から奇跡の国とお墨付きをもらってんだぁ、ちとやそっとで奇跡奇跡と騒ぐんじゃねえよ・・・。おまえら、百年遅れてんだ。味噌汁で顏ぉ洗って出直してこい。なにぃ、毛唐は味噌汁飲まないってかぁ、知るかぁ。」
(トインビー大先生=アーノルド・J・トインビー、エゲレス国の歴史学者、1889-1975)

そのトインビーが日本の奇跡と言ったのはこんなこと。
人類の歴史の奇跡の一つは、日本の明治以降の近代化である
"One of the miracles in human history is modernization of Japan since the Meiji period."

トインビーは更にこんな事も言っている。
「19世紀末の西欧から東方を眺めれば、トルコから清国に至る諸帝国は西欧に抵抗できなかった。インドもベトナムもジャワも、その原住民は羊のように従順に、ただ黙々として毛を刈り取る者に反抗しようとはしなかった。ただ日本だけがきわめて珍しい例外であった」(アーノルド・トインビー『文明の実験』

こんなことで、トインビーは日本の明治期の近代化を歴史の奇跡と言っているのだが、その背景を見ると、当時の西欧諸国には、自分たちの文明こそが標準であり普遍であるとの驕慢が染みついていた。彼らは、その自信と圧倒的な軍事力や経済力を背景に、アジアでの植民地政策を推し進めていた。
そのような中で、白人西欧列強の植民地政策に対抗して立ち上がった日本には、共に戦い協同する有色人国家はなく、世界の中で孤立していた。当然、西欧諸国からは不快感と敵意を浴びせられた。

特にこの傾向は「日露戦争(1904-1905、M38-M39)での日本の勝利」で一層顕著になる。
日露戦争は明治維新から38年、ペリー来航(1853)から見ても51年のこと。驚異的な速さでの近代化は間違いない。


明治の近代化についてはここまでにします。要点は明治の近代化というのは西欧から見ると奇跡だということ。それでは先を急ぎます。


やっと本題に入ります。
武漢肺炎(新型コロナウイルス)対策に日本が成功した。これが西欧から見ると奇跡だということ、ここがポイントです。

先に日本の明治期の近代化を歴史の奇跡と言った、その背景は、当時の西欧諸国には、自分たちの文明こそが標準であり普遍であるとの驕慢が染みついていた。こう書きました。
このことが現在の武漢肺炎(新型コロナウイルス)対策にも言えると思うのです。
現在でも西欧諸国(特にG5の日本以外のアメリカ・イギリス・ドイツ・フランス)には自分たちの文明文化が世界の標準であり普遍である、こう信じ込んでいます
これに対し、その自分たちがやっている『絶対正しい事=武漢肺炎対策』に従おうとしない生意気な国がある。日本だ
こう言ってボロクソに叩いてきた結果が、死者数が桁違いに少ないという現実。
こんなことでは無いでしょうか。

そして重要な事。西欧のメディアの日本叩き、これの尻馬に乗っているアホな連中がいます。
日本の新聞テレビ、マスゴミです。この業界で蠢く羽織ゴロ、電波芸者の類もそうですね。

日本のメディア連中の言っていることが、欧米メディアの論調そのままなのは分かると思います。つまり、日本のメディア連中が最初から欧米の論調が正しいとひれ伏している。その結果、アメリカでは、イギリスではの出羽の守がぞろぞろ出てくるし、日本はもう終わりだの尾張の守もあとからあとから。厄介ですね。


さてそこで見方を変えます。
4月26日のエントリーでこんなことを書きました。
日本というのは、ジャンクフードを食べて運動もしないくせにスリムな女の子のようなものだ。半数の人は彼女を無視したがる。もう半数は彼女を憎らしく思う

これこそ今日本が直面している最大の問題ではないかと思うのです。
日本がこうして成功したといえば言うほど西欧エリートの一部に反感が募る。日本が成功したというと、西欧のウイルス対策を主導してきた人たちがバカに見える。

この事は単にウイルス騒動を越えて、ハンチントン云う所に文明の衝突そのものではないでしょうか。厄介極まりない問題です。


例えばこれは2016年5月の伊勢志摩サミット
2020-5-27伊勢志摩サミット


ここ伊勢神宮が単に古い名所という訳ではない。日本人の精神の根幹をなすものなのだ。
そしてこんな所から日本人の清浄を貴ぶ習慣が生まれた。

2020-4-10手水

日本には神の前に出るときは身を清める習慣がある。だから日本には手を洗う習慣が定着し、きれいな水を確保する上水道を江戸時代から整備してきた。

2020-5-27江戸の水道

江戸時代の東京(江戸)の水道システムを支える玉川上水は1653年に完成。全長43キロ、高低差92mとの事。
こんな昔からの先人の苦労が有るからこそ、手を洗うという習慣も定着したのだと思う。

ローマは一日にして成らずといいますが、東京も、日本も一日にして成らずです。
是非ともこんな事を世界に発信してほしいですね。

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2020-05-24 10:36

武漢肺炎<死の淵から生還した人の手記


 武漢肺炎(新型コロナウイルス)による緊急事態宣言が間もなく全面解除になるようだ。
報道では26日から解除とのこと。先ずは良かったということだが、それでも800名を超える方が命を落としている。ご冥福を祈りたい。

所でアメリカでは5/24現在で死者は9万8千人を超えた。NY市の3/11~5/2の死者数は19.000人だが実際は24.000に上るとの推計もある

そんななか、NY在住の日本人医師加藤友朗さんが武漢肺炎に感染、しかも重症化し、生死の境をさまよったが現在回復の方向に有るとの事。
その加藤さんの手記が週刊新潮5/21号に掲載されている。
加藤さんは約3週間意識不明だったとか、腎臓にも障害を受け人工透析を受けていたり、余病でくも膜下出血まで併発したりと大変だったそうだ。
偶然だが、加藤さんは週刊新潮の「人生で必要な英語はすっべて病院で学んだ」という連載記事の著者。そんな事情で未だ退院前という段階だが、この手記が掲載されたもののようだ。

武漢肺炎の特徴が良く分かるので、記録の為、週刊新潮の記事をそのまま紹介します。

<以下週刊新潮2020.5/21号より>

2020-5-24-101.jpg


私はこうして死の淵から生還した
在NY臓器移植の権威「加藤友朗(外科医)」が告白


 志村けんを救えなかった人工肺、ECMO(エクモ)。新型コロナウイルスから命を守るための「最後の砦」だが、それを使用せざるを得ない状況にまで追い込まれながら一命を取り留めた日本人がいる。ニューヨークのトップドクターはいかにして生還したのかーー。



(加藤) 私はマラソンが趣味で、年に7~8回は市民マラソンの大会に出ています。直前になると仕事の合問を縫って週3回、5~10キロほど走るトレーニングをしています。結局中止になってしまいましたが、この3月にもハーフマラソンの大会に出る予定かあり、トレーニングしていたので、新型コロナウイルスに感染した時期、体調はかなり良い状態にありました。にもかかわらずここまで重症化してしまったわけです。逆に言えば、元々体調管理に気を使っていたからこそ、体外式膜型人工肺、ECMO(エクモ)を使用しなければならないほど重症化しても回復できたのかもしれません。ある意味奇跡です。もし持病があったり、年齢のわりに体力が衰えていたりしたら、助からなかったかもしれません。

(編集部) 療養のため、現在は休載中の本誌連戟「人生で必要な英語はすべて病院で学んだ」の著者、加藤友朗氏はそう振り返る。医師で米・ニューヨークのコロンビア火医学部外科教授でもある加藤氏は東京大薬学部、大阪大医学部を卒えた後、1995年に渡米。同国で脳死ドナーからの肝臓及び小腸の移植手術を多数手がけるほか、世界初の多臓器摘出体外腫瘍切除手術を成功させたことでも知られる臓器移植の世界的権威である。

(加藤)最初に症状が出だのは3月19日のことです。インフルエンザに罹った時よりももっと強烈な筋肉痛に見舞われました。倦怠感も強く、とにかく気分が悪かった。筋肉痛が出たのは全身で、特に背中がひどかった。翌20日には38・5度の熱が出て、その日の夕方に勤務先のコロンビア大学付属病院でPCR検査を受けました。翌日に出た結果は、「陽性」。率直に「嫌だな」とは思いましたが、さほど危機感はなかった。今では、新型コロナウイルスに感染し、重症化してから助かるというのは大変なことで、回復したとしてもなかなか社会復帰できない人も多いということが分かっていますが、当時はまだ「治る病気だ」という認識が強かったですから。感染経路については、病院内で患者さんからうつった可能性が高いと思います。
 症状がそれほど重くなかったのですぐに入院するよりは家にいたほうが良いだろうと思い、24日までは抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンと抗生物質のアジスロマイシンを同時服用しながら自宅で待機していました。このコンビネーション療法が効く、と言われていたので。自宅待機中、熱はありましたが、朝起きた時は意外と楽なのに昼から夜にかけて熱が上がっていくような感じでした。下痢症状もあり、水様便が出ていたものの、咳は案外軽かった。痰のからまない咳がたまに出る、という感じです。パルスオキシメーター(引用者注:皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する装置、赤い光の出る装置(プローブ)を指にはさむことで測定)でサチュレーション(血中酸素飽和度)を測ったところ、93~94%程度まで低下してはいましたが、それくらいなら大丈火だろうと思っていました。ちなみに酸素飽和度は95以上あれば問題ないとされています。

(編集部) 異変があっだのは3月25日だった。自宅でシャワーを浴びたところ、蒸気で呼吸ができなくなってしまったのだ。

(加藤)酸素飽和度を測ってみると80台まで落ちていて、その後も上がっていかなかったので夕方にコロンビア大学付属病院に入院しました。そこで酸素吸人をしたことで、感覚的には一瞬良くなった気がした。しかし、翌26日にはまた酸素飽和度がガクッと下がり、ICUに入って人工呼吸器を気管挿管することになりました。細かい数値は聞いていませんが、酸素マスクで最大限の処置をしても酸素飽和度が上がらなかったそうです。人工呼吸器は麻酔で眠った状態で装着しますので、それ以降、意識は全くありません。通常、そこまで酸素飽和度が低下すると息をするにもあっぷあっぷするはずなのですが、人工呼吸器を装着するまで、実は意外に元気でケロッとしていました。新型コロナウイルスの特徴である「(ハッピーハイポクシア」(幸せな低酸素症)の状態にあったのだと思います。ICUに入る直前まで電話したりメールしたりする人もいると聞きますが、私も麻酔科にいる仲間などに「今から人工呼吸器の気管挿管を行うよ」とメッセージを打っていました。なぜハッピーハイポクシア状態になるのかは分かっていません。

(編集部) 加藤氏が意識を取り戻したのは4月15日。人工呼吸器を外した日である。意識がなかった期問は、実に3週間にも及んだのだった。

くも膜下出血も併発

(加藤) 意識が戻ってからも、1週間ほどはゆめうつつの境を漂っているような感じでした。医師や看護師に言われたことは覚えているのですが、夢と現実がごっちゃになっているのです。
 後から聞いたところによると、人工呼吸器を装着してからすぐに容体が急速に悪化し、それから6日間、エクモを使用したそうです。重症肺炎になり、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の症状も出ていたと聞きました。

(編集部) ARDSは国民的歌舞伎役者、卜八代・中村勘三郎の命を最終的に奪ったことでも知られる。2012年、食道がんの手術は無事に成功したものの、重い肺炎に罹り、ARDSを発症した勘三郎。最終手段としてエクモが使われたが、帰らぬ人となった。

(加藤)私かやってもらった治療は、静脈から採った血液をエクモに送り、酸素を加えてから体内に戻す、というものです。同時に抗ウイルス薬のレムデシビルも投与され、エクモ装着後、容体は良くなっていったようです。担当した感染症の先生は「レムデシビルの注射が効いたんだろう」と推測していましたが、必ずしも効くわけではない、と言う先生もいるようなので、効果のほどははっきり分かりません。
 ただ、コロンビア大学付属病院が、エクモの利用が非常に進んでいる病院だったことは、私にとっては幸運だったかもしれません。この病院では、肺炎患者の治療の際や患者の心臓の負担を軽減するためにエクモを頻繁に使用しているので、スタッフの経験が豊富なのです。どこかほかの病院でエクモを使う必要が出てきた際、この病院のスタッフがわざわざ駆り出されるほど使い慣れている。ICUも大半がエクモに対応できるようになっています。
 エクモは早い段階で使うことに意味があるのです。人工呼吸器は圧力によって酸素を体内に送りこむものですが、その圧力によって肺が深刻なダメージを受けてからでは遅い。一方、感染症の治療の際にエクモを使うと、かえって体中にウイルスを蔓延させてしまう恐れもあるため難しい選択ではあるのですが、少なくとも担当医は私にエクモを使うことにためらいはなかったようです。

(編集部) 意識を失っている間、処置が必要だったのは肺だけではなかった。

(加藤)理由はまだ分かっていないのですが、新型コロナウイルスに感染すると、腎不全を併発する患者さんがすごく多い。私も意識を失っている最中に腎不全を起こし、エクモと同時に人工透析を受けていました。もうフルサポートですよね。意識が戻ってからも4月末までは透析治療を受けていました。今は腎臓も正常に戻っています。また、エクモを使用している間は血液を薄くする薬が投7されるので、脳出血を起こす場合もある。私はくも膜下出血を起こしてしまいました。もう出血は止まり、頭痛だけが残っている状態ですが、今では痛みもかなり改善しました。
 私たちはこの病気を「新型コロナ肺炎」と呼びます。しかし、私の例を見ても分かる通り、様々なところにいっぺんに症状が出るわけですから、実際は「新型コロナ症候群」と言ったほうが適切なのかもしれません。

ギリギリの状態

(編集部) あの志村けんも死の直前、エクモと並行して人工透析を行う状況に陥っていた。かくも過酷な闘病を経て生還した加藤氏。にもかかわらず、氏は自らが見舞われた悪夢について「情けない話」と嘆く。加藤氏が意識を失っている間、コロンビア人学付属病院は医療崩壊の危機に瀕していたのだ。

(加藤)本当なら私も医療現場の最前線に立って患者さんのケアに当たるべきだったと考えると、情けない話です。
 コロンビア大学付属病院には元々100近いICUがあるのですが、もっと増やさなければ対応しきれないということで、緊急手術用に1部屋を残して他の手術室を閉鎖。手術室をICUとして使いました。そうしてICUの数を倍以上に増やして患者さんの治療に当たっていた。それでも、私か意識を失っている間に、200人以上の患者さんが人工呼吸器を付けなくてはならない状況になり、一時は臨時のICUも全て埋まってしまったそうです。人員的にも、看護師や研修医はほぼ全貝が何らかの形でコロナウイルスに対応するコロナシフトを敷いていました。
 また、これも私か意識不明だった時期ですが、一時的にPPE(個人防護具)などの備品も不足し、2日以上同じものを使わなければならない状態にも陥っていたそうです。比較的速やかに解消されたようですが、政府で対応できるレベルを超えており、裕福な人がプライベートジェットに乗って買ってきてくれたものを使ったりしてしのいでいたとも聞きました。医療崩壊とまではいかずとも、相当厳しいギリギリの状態ではあったようです。

(編集部) 体調は回復傾向にあるものの、加藤氏はまだまともに歩くことができない状態が続いており、今もリハビリフロアに人院中だという。

(加藤)感染初期や回復期は元気でも、いつ症状が悪化するか分からないという恐怖やPTSD(*下記注参照)は、コロナに罹った人はみんな感じるものだと思います。私もせっかくここまで回復したのに、もしもう一回電症化してしまったらと考えると眠れないことがあります。今回、私は奇跡的に助かりましたが、振り返ってみると、やはり本当にひどい病気です。
<引用此処まで>
(*引用者注:PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)とは、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるもの)


加藤医師はシミ辞意行っています。
「振り返ってみると、やはり本当にひどい病気です」
この一言がこの病気をすべて言い表しているのでしょう。

恐らくこんな体験をしている人がアメリカには沢山いる筈です。そんな方の反中国感情は恐らく消えることは無いでしょう。
武漢肺炎(新型コロナウイルス)は中世の社会を激変させたペストと同じ社会の激変をもたらす、そんなことをこの手記を読んで痛感しました。

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2020-05-21 15:43

武漢肺炎<ジャパニーズ ミラクルに答えを出すべき時が来ている


 武漢肺炎(新型コロナウイルス)で日本のやっていることがPCR検査が少ないとか、安倍政権のやることが後手後手だとか、日本は今ケチョンケチョン状態だ。
しかし冷静に死者数を見ると、日本の死者数は先進国の中でも際立って少ない。桁違い、それも最悪の国と比べれば二桁違いである。

この非常に少ない死者数について、ジャパニーズ ミラクルという声が聞こえてきた。

ちょっと本題に入る前に現在の死者数の状況 (5月19日現在 G7+スペイン)

国名       死者数    人口100万人当たり
アメリカ     91.000     278
イギリス     34.000     513
イタリア     32.000     529
フランス     28.000     433
スペイン     27.000     593 
ドイツ        8.000       97
カナダ        5.800     155
日本          749      6

こんな風で、同じ島国のイギリスを見ても、日本より約100倍多いと言ってもいいだろう。

色んなところから、どうして日本の死者がこんなに少ないのか、その秘密は何なのだ。こんな声が日増しに大きくなっているようだ。

このジャパニーズ ミラクルについて、5月10日夜放送されたNHKスペシャルで、WHOのシニア・アドバイザー進藤奈邦子さんがこんな事を言っている。
(影の声:WHOにもまともな人もいるようだ・・・)

・日本では相当早い時期から患者が発生したにも関わらず、非常に低いレベルで抑え込んで来ている。これは世界的には、「ジャパニーズ・ミラクル」と言われている。

・この原因としては、

  (1)世界から仰ぎ見られるような感染症の専門家がおり、陣頭指揮をとっている。

  (2)以前から国民の高い衛生意識、感染症に対する理解がある。

・「検査の遅れ」と言うのは間違い。日本の戦略的検査を、私たちは高く評価している。
ソース:大道無門さんのブログより拝借
https://plaza.rakuten.co.jp/kenske/diary/202005100001/


また青山繁晴さんは5/15放送 ニッポン放送「飯田浩司のOK!Cozy up!」でジャパニーズ ミラクルについて話している。
全体は「ぼやきくっくり」さんのブログを参照いただきたいが、以下要点だけ。
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2322.html#sequel

青山さんの発言要旨

・客観的数字として、人口100万人当たりの死者数を見ると、日本は英国の1/100、アメリカは1/50である。だからジャパンミラクルと言われている。

・何時もきかれるのが「何をやってそんな風に抑え込んだのか」である。
本当は何をやったんだと、どういう裏の手があったんだと言われるから(笑)、国民に自粛求める時に裏の手はないよと言っている。

・同じアジアでも韓国は個人情報をスマホとかラインとか何でも使って追跡しているが、日本はそんな事は一切やっていない。
(引用者注:ラインの危険性がこんな所でバレた・・・)

・じゃあ何だと聞かれるから、「連帯感」だと答えている。

・不安の声があるが、不安は痛みと同じで人類に必要なモノ。痛みが有るから病気やケガが分かる。不安も痛みと同じ。不安があるのが自然と考えて欲しい。
<青山さんの発言要旨終り>



こんな件は私は色々エントリーしてきた。

武漢肺炎<なぜ日本はコロナ被害少ない? スペイン人監督が驚き「人口1億2600万人の国で…」  2020-05-06 16:23

武漢肺炎<日本の新型コロナウイルス対策が評価されない理由  2020-04-26 16:46


この二つの記事の内。4月26日の記事についてもう一度見てみます。

 日本在住のオーストラリア人ジャーナリストがアジアタイムズに寄稿したものです。
以下要旨抜萃。

題して『日本の新型コロナウイルス対策が評価されない理由』、サブタイトルが『日本は隣国に比べて低い死亡率を維持しているのに非難されている。そこには「フクシマ」の影があった』

まあ色々書いてあるが、特に気になっていること。

日本は諸外国のように都市のロックダウン(封鎖)をやっていない。しかしこれはソーシャルディスタンシング(『社会的距離』を保つこと)を実行できる民衆にとって必要性は低い。さらにソーシャルディスタンシングは、手洗い習慣が比較的根付いている民衆にとってさほど重要性は高くない。

こんな風に日本のやり方が元々日本人が持っている衛生観念から見ないと理解できない。

日本にとっての真の武器は、新型コロナウイルス感染症の出現後も特に新しい何かが必要となったわけではないことだ。基本的衛生への注意はインフルエンザシーズンの要となっている。福島のメルトダウン後に日本の一般大衆にも使用されるようになった手指消毒液は、完全になくなってはいない。端的に言えば、必要となったものの多くは、すでにあったものを強化すればよいだけのものであった。

そして問題はコレ。
ドイツ、アメリカ両国が日本の検査数不足を非外交的に批判したこと、これが問題をややこしくしているのだ。
元米軍軍人でアジア・ウォッチャー、アル・ジョンソンは「日本というのは、ジャンクフードを食べて運動もしないくせにスリムな女の子のようなものだ。半数の人は彼女を無視したがる。もう半数は彼女を憎らしく思う」と書いている。

こんなことが起こるのは、日本を非難する連中は、彼らが日本に手本を示すことになると思っていたのだ
しかし現実は日本に手本を示す代わりに、日本のやり方の方が正しかったと認めざるを得ない。
今そんな状況が起こっていることを理解したうえで、日本の何が良かったのか、これから世界はどうすべきなのかを世界に向かって示す必要があるのだと思う

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2020-05-16 19:27

日本は新しい世界に<自殺者数が4月は激減している


 武漢肺炎(新型コロナウイルス)で世界中が戦争状態。日本でも緊急事態宣言が一部解除されてきたものの、戦いは続いている。この人類が初めて経験するウイルスで日本が変わり始めた兆候が出てきた。
今回は速報ということでそれを書いてみたい。

日本で何が変わってきたか・・・、

それは日本の自殺者数が4月度、大きく減少に転じたようなのだ。。

先ずは最初にその報道から。

<以下引用>
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3977832.htm?1589614584937

4月の自殺者数、前年比約20%減
12日 20時15分

 先月の全国の自殺者数が前の年に比べおよそ20%減ったことが、厚生労働省などのまとめでわかりました。

 厚労省などによりますと、先月の全国の自殺者数は前の年の同じ月に比べ359人少ない1455人で、19.8%減ったことがわかりました。少なくとも最近5年間では最も大きな減少幅だということです。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、家族ら同居する人が外出せず家にいることや、職場や学校に行く機会が減り、悩むことが少なかったことなどが要因とみられています。
<引用終り>

多分、こんな自殺者数減少という事象に対し、マスゴミさんはどう判断していいのか分からないのだろう。いい加減にお茶を濁す報道とはこんなものか。
他の報道を探しても、あまりしっかりした報道が見つからない・・・。

ではどのように変わってきたか、その詳細をグラフで見てみたい。(こんな時は、ピンポイントで見ても実態は見えてこない。中長期的に見ると傾向が見えてくる)

2020-5-16月別自殺者数推移(2015-2020)
ソース:https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R02/R01_jisatuno_joukyou.pdf
(上掲資料のグラフを筆者加工)

このグラフは月ごとの自殺者数推移の折れ線グラフを5年分重ねたもの。今年の分がないので筆者が追記したのだが、線の色が特に平成30年はピンク色で甚だ見にくいし、データが重なっているので余計見ずらいがご了承を。

言いたいのは自殺者数は月ごとに山谷を繰り返しているが、全体では年々少しずつ減少してきた。今年は1月は例年と似たような傾向だが2月から減少の兆候が有り、4月にはっきりしてきた。(2月はうるう年で1日多いが、前回のうるう年と比べても減少傾向は変わらない)

4月の自殺者数は1455人で、前年比は20%減だが、5年前のH27年比では30%減だ。

どうしてこんな事に注目するかというと、先ずはこのグラフを見てください。

2020-5-16自殺者数の年次推移(s53-)
ソース:https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R02/R01_jisatuno_joukyou.pdf

このグラフは昭和53年(1978年)からの毎年の自殺者数の推移。
特徴的なのが平成10年から14年続いた自殺者数年間3万人越え。これは原因がさっぱり分からず、色んなところで何とか対策しようと躍起になったものの効果がでず、結局14年間も続いてしまった。
この自殺者数3万人超えこそ失われた10年20年を代表するデータだし、平成の停滞を国民が痛感する事実でもある。
そして日本は自殺大国と外国からは揶揄されるし、自殺した本人もだが、家族や友人知人の悲しみは消えることも無い。
しかし平成24年(民主党政権最末期、12月に政権交代)に3万人台以下となり、それ以降緩やかに自殺者数は減少してきた。

ここで、本年4月の自殺者数減少を考える前に、1998年の自殺者数急増の状況を見直してみたい。

これがプロットが細かいが月ごとの自殺者数をプロットしたグラフ。
2019-2-13自殺者数・失業者数推移
参考エントリー:http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1614.html

このグラフは、私が永年ずっと注目してきたグラフ。1998年3月に何故突如自殺者数が激増したのか。この答えこそ日本が失われた10年20年から脱却する方法だと思っていた。
1998年3月に突如グラフが跳ね上がったのは単なる偶然では無く、日本中を支配する何かがある。そんな目で見てきたのだが、遂に自殺者が突如急減する。そんな新しい現実が出てきた。

このグラフでわかるが、自殺者には月ごとの変動に傾向があることが良く分かると思う。

ここでもう一つ、2番目のグラフ「自殺者数の年次推移」を見て欲しい。
1998年3月以前は、大体年間2万人より少し多い程度。これが安定成長期、バブル期(86/12-91/2)を通じて大体の日本の国民性からくるレベルだと思う。

しかしこの年2万人のレベルを割り込んで来れば、日本人の意識が過去にはない新しい段階に入った、前向きに生きていこうとする人が増えてきたことになる。
日本人の意識がどの程度変わるかは難しいが、遂に戦後75年の頸木から解き離れるときが近づいてきたのかも知れない。いやそれを切望している。

今はまだ1ヵ月の数字を見ただけで即断は難しいが、何かが変わってきたことは間違いないと思う。
日本人ミンナが、ウイルスという新たな見えざる敵と戦うことを覚悟した。
私にはそう見える。今後の傾向を注意していきたい。


**オマケ**
私が何故こんな事が気になるかと言えば、この武漢肺炎(新型コロナウイルス)に関しては、「日本もうダメだ」、「アベのやることは後手後手で最早手遅れだ」、「日本は2週間後にはNYになる」、こんな論調が蔓延している。これこそウイルスよりひどい感染爆発と言って良い。そんな中に「日本の自殺者は又激増する。さあ大変だ~~」こんな事を言う人があちこちにいるためだ。私の尊敬する高名なチャイナウォッチャーの方だってその一人なのが悲しい。
そんな自殺者激増だあ報道の例としてこんなモノを参考までに引用しよう。

<以下引用>
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200419-00000002-pseven-soci
新型コロナで自殺者増加の恐れ高まる 「相談電話」のいま
4/19(日) 7:05  NEWS ポストセブン

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が出されて10日あまり。感染拡大を防ぐため、営業停止や仕事量の減少など、多くの人に影響が出ている。そんな中、心配なのが、経済的・精神的に追い込まれ、自殺を考える人が増えることだ。

 3月発表の「2019年の自殺者統計」によれば、令和元年の自殺者数は2万169人。10年連続の減少とはいえ、2万人以上が自殺に追い込まれる深刻な状況が続いている。
(引用者注:大変だ大変だと騒いでいるが、この2万169人というのは1978年(S53年)の統計開始以来最小の数字。メシの種が無くなって大変なのだろう。

「ましてや今年は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響で、自殺者が急増した1998年のような最悪の事態が再来しかねない。そんな危機感が自殺対策の関係者の間では広がっています」

 と話すのは、元NHKの報道ディレクターで、自殺対策支援センター ライフリンクの清水康之さんだ。

 1997~1998年は山一証券、長銀などの大手金融機関が次々破綻し、失業者が急増。ホームレスに転落する人が続出した一方、資金繰りの悪化で中小企業の倒産も相次ぎ、自殺者が加速度的に増加した。

「そんな経済が激動した1997年の年度末である1998年3月に、自殺者が8000人以上増え、前年比35%増となりました。一気にわが国の自殺者総数が3万人の大台を突破したのです」(清水さん・以下同)
(引用者注:自殺者数激増は単月では98年3月から、しかし97年度(98年3月まで)が激増した訳では無く、激増し年間3万人を超えたのは暦年の98年から。97年に金融機関が次々破綻した事実を無理やり自殺と結びつけようとした(関連は無論ある)理屈付けと思われる)

 自殺者数の推移グラフでも1998年の急増は突出。これ以降、14年連続で自殺者数は3万人を超え続け、異常事態の呼び水となった。その状況が、新型コロナの広がりによる影響で、再び起きるのではないかと、危惧されているのだ。
・・・以下略 詳細は上掲リンク先参照・・・
<引用終り>

こんな推測報道が日本を覆っている。ウイルスよりそれに便乗した日本貶め報道が問題で、それをアベ貶めに利用する悪質アカヒなどのゴミメディアが問題だと思っている。

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2020-05-13 16:16

武漢肺炎<大変革、イタリア人は玄関で靴を脱ぐように


 武漢肺炎も日本では収束に向かっているが、ヨーロッパでも街の封鎖を少しずつ解除する動きが始まっている。
昨日長女と電話で今回のウイルス問題の話をして、日本が欧米諸国と比較して死者数が桁違いに少ない理由の一つが日本社会の清潔さもある。そんな事を話したら、長女のロンドンでの経験を話してくれた。
長女は4年ほど前、ロンドンに3週間ほど行ってきた経験が有るのだが、ロンドンの町はとても汚い。
その例として「ミュールを履いて街を歩くと足がとても汚れる。あんな汚れ方は日本では経験した事が無い」、こんな話だった。

実はミュールと言われても私には何のことか分からないので、ネットで写真を拾ってきた。
ミュール
2020-5-13ミュール

長女には、欧米は室内でも靴を履いたままなので、街の汚れが室内に入ってくるんだろうなあ。ミュールを履いてみると分かる日本とは格段に違う町の汚れ、これもウイルス問題に影響しているんだろうなあ。こんな話をしたら、長女は「でもイタリアでは玄関で靴を脱ぐようになってきたらしいよ」と言う。

調べてみると、ネットにいい記事が有った。
イタリアでは封鎖された街が少しずつ解除され始め、再び立ち上がろうとしている。そんな現地からのリポート。

大変いい記事なので全文紹介したいと思います。日本のこれからを考えるうえで大いに参考になると思います。
私は特にテレビのCMが、商品PRをやめ、この危機を一緒に乗り越えようというCMに切り替えたこと、これに大いに興味がわきます。
ではその記事をどうぞ。

<以下引用>
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72459

玄関で靴を脱ぐように…コロナから再起、イタリアの「新しい生活様式」
大変革を余儀なくされた人々のいま
2020-5-11
田島 麻美フリーライター


新型コロナウイルスで大きな打撃を受けたイタリアでも、人々の活動制限が少しずつ緩和されつつある。賑やかな食事も、路上でのキスも抱擁もできない「新しい生活様式」を、イタリア人は大騒ぎもせず受け入れ、再び立ち上がろうとしている――イタリア在住のライター・田島麻美氏による現地最新ルポ!


新規感染者は増え続けているが…

新型コロナウイルス感染拡大防止策として3月10日から長期に渡る全土封鎖を行なっていたイタリアが、ゆっくりと動き始めた。

コンテ首相が4月26日に発表した「フェーズ2」の緩和政策により、5月4日から主として製造業・建設業に従事する約440万人が職場に復帰した。

新型コロナウイルスが残した深い爪痕が今なお生々しいイタリアでは、現在も新規感染者数が日に1000人以上増え続けている。それを考えると、まだまだとても手放しで喜べるような状況ではないが、医療現場の状況は好転しており、5月6日には統計を取り始めて以来初めて、完治者の数が現在の感染者数を上回った。

新規感染者の増加ペースが鈍るのと反比例して、完治者の増加ペースが加速していることはとても嬉しいが、同時に移動規制が緩和されることによって感染の再爆発が起こらないかという不安もある。

段階的な活動再開の最初の一歩となる「フェーズ2」の首相令は、この安堵と危惧の間を、慎重にバランスを取りながら進むよう市民に要請する内容となっている。


恋人とは会えるが、友達とは会えない

移動規制の緩やかな解除を実施する前に、イタリア政府は市民が遵守すべき詳細なルールを次のように明示した。

この2ヵ月間会うことが叶わなかった家族、そして恋人同士は会うことができるが、友達と会うことはできない。これまで自宅の半径200mに限られていた移動範囲規制は無くなるが、州をまたいでの移動は不可。原則として不要不急の用事でない限り、一般市民の外出禁止措置は5月17日まで継続する。

外出の自己申告書の携行義務は継続する。葬儀は15名までの参列者であれば認められるが、可能な限り屋外で行うこと。スポーツ選手は練習を再開できる。一般市民も自宅付近だけでなく広範囲での運動が認められる。

飲食店はデリバリーに加えテイクアウトの料理の提供が認められるが、それらを消費する場所は自宅か職場に限定する。いずれの場合も大人数での集会は不可。バスや地下鉄など公共交通機関の車内は乗車率を50%とする。

交通機関の利用時や屋内で周囲の人と1m以上の距離が保てない環境ではマスクの着用が義務付けられ、違反者には罰金が科される。小売店の営業に関しては、4月中旬に営業再開が認められた書店、文房具店、子ども用品店以外は引き続き休業とし、5月18日の営業再開を目安に商品や店内の消毒などの準備を始められる。


5月4日から「できること、できないこと」を項目別に明示した一覧表。美容院やレストランの営業再開は6月1日まで見送られることになった(図表:L’EGO-HUB)
2020-5-13イタリアの規制解除リスト
(引用者注:
(Si=英語のYes、giugno=6月、maggio=5月、uso della mascherina=マスクの使用)



この首相令の有効期間は5月4日から17日までで、その間の状況変化を判断した上で、18日に新たな首相令が発表されることになっている。

コンテ首相はフェーズ2の発令に際し、感染拡大を抑えつつ本格的な経済活動を再開するためには国民一人ひとりがさらに長期的な犠牲を払わなければならないこと、ウイルスとの共存は不可避であり、警戒を怠れば再び感染が拡大すると警告した上で、「イタリアを愛しているのなら、距離を保とう」と訴えた。また、マスク着用の義務化に先立ち、マスクにかかる付加価値税を免除した上でマスクの価格を一律1枚0.5ユーロ(約60円)に統一することを決定した。


商店街に出かけてみると…

フェーズ2に突入した翌日の5月5日、久しぶりに家から徒歩10分の距離にあるスーパーまで足を伸ばした。

ロックダウンの2ヵ月間、買い物は週に一度、自宅から一番近いスーパーで済ませるようにしていたので、少し離れた所にあるお気に入りのスーパーまで行くことができなかった。距離にすればほんの900mの位置にあるスーパーが、なんと遠かったことか。

道々、動き出した街の様子を観察しながらゆっくりと歩いた。小さな商店が軒を連ねる通りには先週よりも多くの人の姿が見られたが、心配していたような人混みはできていない。

すれ違う人は皆マスクを付け、さらに半数以上の人はゴム手袋もしっかり付けている。パン屋や八百屋に並ぶ人々は、既に慣れた様子で1mの距離を目で測ってはチョコチョコと移動している。

これまでデリバリーのみ許可されていたピザ屋やバールの店先にはテイクアウトの客用にメニューを置いた仕切りテーブルが置かれ、簡易注文窓口が出来ていた。シャッターが半分だけ開いた衣料品店や靴屋、雑貨店は、18日からの営業再開に向け、店内にできるだけ広いスペースを確保しようと、商品の陳列に四苦八苦している。

誰もが「1日も早く仕事を再開したい」と欲していることが肌で感じられるような光景が、商店街のあちこちで見られた。

ピザ屋の店頭に作られた即席のテイクアウト専用カウンター
2020-5-13イタリアのピザ屋


変化を甘んじて受け入れた

ロックダウン直後から始まったマスク、手袋、店頭の消毒ジェルの使用は、もはやイタリアの日常生活に不可欠なものとなった。

スーパーや食料品店、薬局はもちろんのこと、営業再開の準備をしている靴屋や衣料品店の店先、駅の改札口にも消毒ジェルのスペースが出来ていた。さらに、1日に何度も手洗い、うがいをする習慣がついたことは言うまでもないが、私のイタリア人の友人は皆、「玄関で靴を脱ぐようになった」と話していた。

2ヵ月前まで目にしていた路上のキスも抱擁も、大きなテーブルを囲んでの賑やかな食事風景も、もうしばらくの間は見ることが出来ないだろう。やたらと人とくっついて、大勢でワイワイやるのが当たり前だったイタリア人の日常生活は、新型コロナウイルスによって大変革を余儀なくされた

だが、イタリア市民はそれらの変化を特に大騒ぎすることもなく、甘んじて受け入れた。その切り替えの早さと徹底ぶりは、個人主義を貫き通すイタリア人を見慣れた私にとって、眼から鱗が落ちるほどの見事さだった。

本格的な経済活動を一日も早く再開し、ウイルス感染をこれ以上拡大させないこと。イタリアは今、一丸となってそのたった2つの目標を見据えながら、ゆっくりと歩き出した。


商品PRをやめたテレビCM

移動制限が解除されたとはいえ、大半の市民は次の法令が発表される18日までの間はこれまでとさほど変わらない隔離生活を続けている。自宅にこもる時間がここまで長くなると、以前はテレビとは無縁の生活を送っていた我が家でも、夜はテレビを観る習慣がつく。

ロックダウンが始まった直後から、どのチャンネルを回してもCMの前後に「コロナウイルスは深刻な問題です。あなたと大切な人を守ためにもマスクを付けましょう。手洗いを頻繁にしましょう。1mの距離を保ちましょう」と言うメッセージが流れ続けていた。

と同時に、どの企業も一斉に商品PRをやめ、「この危機を一緒に乗り越えよう」と視聴者を勇気づけるようなCMに切り替えたことには少し驚いた。

大手スーパー・チェーンは「あなたに寄り添い、一緒に乗り越えていくために、私たちは商品の値段を下げて提供しています」というコピーとともに、危機的状況の中で献身的に働くマスク姿の従業員を前面に押し出したCMを作成した。

大手食品メーカーや消費財メーカー、保険会社も銀行も軒並み同様のCMを流し、商品の訴求よりも視聴者の共感を呼ぶことに専念していた。

いつもの明るく快活で楽しいCMは影を潜め、変わって力強く頼もしいトーンのナレーションとともに過酷な医療現場のスタッフやボランティアの人々の姿を追ったCMは、イタリア人でなくとも思わず胸が熱くなるようなものだった。


人間的な心を取り戻そう

その後、段階的な制限解除が発表された4月の下旬から、テレビのCMにも変化が見られ始めた。それまでの重さが消え、今度は「共に力強く立ち上がろう」とアピールするCMに切り替わった。

相変わらず自社商品のPRは控え、代わりにイタリア各地の美しい風景や人々の姿、歴史の1シーンなどを繋ぎながら、イタリア人としての誇りや愛国心、団結心に訴求するCMが流れるようになった。これらのCMに共通しているのは、より人間的な心を取り戻そう、というメッセージである。

つい先日、イギリスの医療現場にバンクシーが残した絵画が話題になったばかりだが、イタリアでも早くから医療の最前線で命がけで治療にあたってきた医師や看護師、スタッフは英雄として讃えられてきた。

特別な力や才能を持ったスーパーヒーローではなく、人間としての思いやりや使命感、責任感を持って、一人でも多くの命を救おうと危機に立ち向かっている「身近にいる普通の人」こそ英雄と呼ぶのにふさわしい。誰もがそう思うようになった。

イタリア各地の病院には、医療スタッフを英雄・守護天使と呼ぶ子どもたちからの感謝の手紙や励ましのメッセージが毎日たくさん届いている。ウイルスという未知の脅威に直面している今、スーパーヒーローよりも、より人間らしい心の強さと優しさを持った人たちが強く求められている。

ローマのスパランツァーニ病院の門に掲げられた感謝の横断幕は、付近の幼稚園児から寄せられたもの(画像:RomaToday)
2020-5-13イタリアの病院
(引用者注:Asilo spallanzani=スパランツァーニ幼稚園・・)


旅行者の再来を待ちわびて

保健省から毎日発表される感染者のデータは引き続き好転が続いているものの、規制緩和後の状況が判明するまでにはまだ1〜2週間を要する。

被害が特に甚大な北イタリアでは一刻も早く全ての経済活動を始めたいという動きが激しくなっているが、新型コロナウイルスによる犠牲者の80%近くが同エリアに集中していることを考えると、規制解除にはかなり慎重にならざるを得ない。

今後の活動再開に向けては州ごとの状況の違いを考慮しつつ、各州と政府が協議の上で臨機応変な対応をしていくことが必要になってくるだろう。

一方、観光業やサービス業の従事者が多いローマでは、予定されている6月1日よりも早く美容院やレストランなどの営業を再開しようという動きもあり、そのための準備が急ピッチで進められている。

鉄道の主要駅であるテルミニ駅、空の玄関口であるフィウミチーノ空港では徹底した体温チェックを行う準備も整い、旅行者の再来を待ちわびているが、本格的な活動再開がいつになるのかはまだ誰にもわからない。

今、イタリア国民は息を潜めてカレンダーの5月18日を見つめている。その日が来れば、次の道も見えてくる。その道が明るいものになるかどうかは、市民一人ひとりの責任ある行動にかかっている。
<引用終り>


参考までに今日現在の死者数を見てみると
      死者数      人口
アメリカ  83.400      3億2800万人
イギリス  32.700       6600万
イタリア  30.900       6000万 
フランス  26.900       6700万
スペイン  26.900       4700万
ドイツ     7.700       8300万
日本       657        1億2600万 

日本が欧米諸国とは比較にならない死者数の少なさであることが分かります。
この原因の一つに日本、日本人の清潔さ、日本社会の清潔さがある。
その一例として、日本人は玄関で靴を脱ぐ。こんな事が効いている。そう思います。

こんな習慣一つでも、あちこちに下駄箱(靴箱)や上履きを用意するとか、いろんな準備をしないと簡単にできるものではない。
でもイタリアは変わろうとしているようです。文明のひとつの脱皮かも知れません。
注目してみていきたいと思います。

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2020-05-10 19:27

武漢肺炎<危機管理の最中における非難や批判は有害無益


 武漢肺炎(新型コロナウイルス)が収束の方向だが、未だ緊急事態宣言は解除されていない。
そんな中、私がとても気になること。それは全マスゴミ挙げて「アベ批判」の大合唱中だということだ。しかもこのアベ批判、残念なことに今まで保守と言われていた論客の多くが、些細なアベ政権のやり方への不満から声高に批判を繰り返している。
いわば大同を捨てて小異を問題にしている訳だ。

勿論私だって気に入らないことは一杯ある。
例えば習近平の国賓訪日などはそもそも失敗で、安倍政権をそこまでやらせた経団連などは本当は切腹ものだ。その為に中国人の入国を止められなかった。
また自由社の教科書不合格問題も腹に据えかねている。文科省は前川助平氏だけでなく全部が赤く染まっているかと思うと情けなくて涙も出ない。
がしかし、今この国難に対し、不平不満を言う前に敵に対し団結する時では無いのか。

こんな日本の内輪揉めを見てチャンスと手ぐすねを引いているのが中国、そして蝙蝠の韓国だ。
人類が初めて遭遇する新型ウイルス。治療法も薬も無い状態の時、些細な事で上げ足をとっている時だろうか。
外敵と戦う時、先頭に立っているリーダーの安倍さんの後ろから背中を撃って何か良い事があるだろうか。こんな時こそ小異を捨てて大同につくべき、大同とは日本の国益であり、日本人の生命財産の安全だ。そんなことが分からない言論が特に新聞・テレビに溢れている。


こう思っている時、日本政策研究センターの情報誌「明日への選択 5月号」の編集者のコラム欄にこんな記事が有った。
曰く、『力を合わせて(この難局を)乗り切ろう』、良い話なので、この記事をスキャンし引用します。


明日への選択
2020-5-10明日への選択5月号表紙
表紙の写真は新潟県十日町市の星峠の棚田 ・・・余談ですが美しい棚田です。
(本文末に写真を載せました)


<以下引用>
読者への手紙
力を合わせて乗り切ろう

日本政策研究センター所長 岡田邦宏


 緊急事態宣言のなか、仕事の一環として新聞に目を通し、ウェブサイトのニュースをチェックし、一応テレビのニュース番祖も時々見てはいる。しかし、ウイルス禍を巡っては、日本人の道徳観はどこに行ったのかと思わざる得ない惨状を呈している。

 緊急事態になれば私権制限が起こると強調していたテレビ番組のキャスターが実際に緊急事態が宣言された途端もっと早くすべきだったと言い、何をおいても先ずPCR検査と言っていたテレビのコメンテーターは何の説明もなく突然宗旨替えして医療崩壊の危機を叫び始める。いまだに外出白粛より検査が大事という「専門家」を一面に登場させる全国紙……思い出せばこんな話はいくらでも挙げられよう。

  * * *

 なかでも盛んなのが安倍首相批判。これはもう書き切れないほどあり、ウエブ上のニュースサイトを開けば、全国の休校措置、一律十万円問題からマスク配布問題等々、よく種が尽きないなと思えるほどである。おそらく今の緊急事態の区切りとなる五月六日が過ぎても外出自粛要請が続くようなことになれば(引用者注:現にそうなった)、あたかも首相の責任であるかのような主張が出てくるだろう。

 むろん、そんな追及ばかりにうんざりしている人もいる。コピーライターの糸井重里氏は「わかったことがある。新型コロナウイルスのことばかり聞いているのがつらいのではなかった。ずっと、誰かが誰かを責め立てている。これを感じるのがつらいのだ」と書いている (四月九日のTwitter)

 また、ミュージシヤンの山下達郎氏はこうも書いている。「なんでも反対、プロパガンダはお休みになりませんか。責任の追及、糾弾は、このウイルスが終息してからいくらでもすればいいと思います。冷静さと寛容さが何よりも大事です。正確な判断は冷静さでしか生まれません。我々は我々ができることをしましょう」(四月十二日放送のFMラジオ番組『サンデー・ソングブック』)。

 こんな発言を聞くと、常識というものがまだ生きていると感じるのだが、実はあまり注目されていないというのが実情らしい。

 * * *

 日本社会は、言論は基本的に自由という社会だが、今はまさに緊急事態のなかにある。緊急事態にはリーダーシップに対する国民のあり方、フォロアーシップのあり方がもっと議論されて良いはずなのだが、そうした議論もあまり表面に出てこない。

 少ないなかで記者なりに気付いた発言を引用すると、
国家の危機にこれほど一国のリーダーの決断を既す国はない」という織田邦男氏(元空将)は危機管理についてこう書いている。

 「危機管理は政府だけでやるものではない。国民一人一人の理解と協力がなければ危機管理は成功しない。危機管理にはリーダーとフォロアーが一体となった『ワンチーム』 が求められる」「今はリーダーの決断を批判する時ではない。危機管理の最中における非難や批判は有害無益であり、結果的に自分達の首を絞めるだけである。国民には、リーダーの決断に対し、積極的、自主的に協力するフォロアーシップが求められる。リーダーの評価は事後、選挙で行えばいい。これが民主主義国家の危機管理である」と(『正論』五月号)。

 危機管理論と言えば堅苫しく聞こえるが、奇しくも毎日のようにテレビに出てくるお笑いコンビの一人もほぼ同じことを言っている。サンドイッチマンの伊達みきお氏は「文句が止まらない方は、落ち着いたら選挙に立候補して国会議員になって総理大臣になればいい。家で、関連の番組見てると文句ばかりが目立つ。今は、まず一致団結してコロナウイルスをやっつける事で同じ方向を見ないと乗り越えられないですからね」(四月八日・ブログ)。

 緊急事態の今だからこそ、力を合わせて乗り切ろうというのが、単純だが大切なメッセージである。
<引用終り>


ずっと、誰かが誰かを責め立てている。これを感じるのがつらいのだ。
これが今の日本を覆っているもの。

いったい今何をすべきか、そんな事が話題にもならずに人の揚げ足をとる。そんな情けない日本人になってしまったのではないだろうか。


<オマケ>
辛い話が続いているのでちょっと休憩。
冒頭紹介した情報誌「明日への選択5月号」に有った新潟県十日町市星峠の棚田の写真です。

武漢肺炎騒ぎの喧騒を忘れて、美しい棚田風景をお楽しみください。
(但し、緊急事態宣言を受けて現在閉鎖中で地元関係者以外立ち入り禁止だとか)
2020-5-10十日町市の星峠の棚田
https://niigata-kankou.or.jp/spot/10051

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2020-05-06 16:23

武漢肺炎<なぜ日本はコロナ被害少ない? スペイン人監督が驚き「人口1億2600万人の国で…」


 サッカーJ1・セレッソ大阪のロティーナ監督が武漢肺炎について語っている。
ロティーナ監督は当然ながら専門家では無く、日本滞在経験も今4年目に入った所で長くない。
そんな門外漢の人の話だが、ロティーナ監督の母国スペインは人口が日本の37%ほどなのに死者が2万5千人を超えている。その差が出た要因についてのスペイン人としての見方が面白い。
ロティーナ監督は『日本の文化を形作る複合的な要因が、武漢肺炎の対策につながっている』と見ているようだ。

武漢肺炎については、日本の死者数が突出して少ないのが世界的には謎。残念ながら日本自身がこの事について明確な発言をしていない為、或いは反日日本人による日本貶め発言などの為、日本はあらぬ疑いをかけられている。
酷い話、死者7千人のドイツは(英仏伊より死者が少ないので)よくやっていると褒められている。メルケル首相の指導力まで持ち上げられている。
日本はと言えば、死者556人なのに日本政府の対応は可笑しい、遅いとケチョンケチョンだ。安倍さんに至っては、明確に外出禁止を打ち出せばいいのに「要請」などと手ぬるい事を言っている。指導力の欠如も甚だしい。もうボロクソだ。
本当は外出禁止などやりたくても憲法が邪魔になって出来ないのに、有ろうことか護憲派を名乗る連中まで「憲法を無視してでも外出禁止をするべきだ。やらないアベが悪い」などと言い出す始末。

そんな中での外から見た日本・日本人についての話は大変貴重。そんな事でこの話を引用したいともいます。

尚日本の死者数が少ない原因は大きな要因として、日本の国民皆保険制度がうまく機能していること。武漢肺炎の診断にはCTスキャンが大いに役立っており、日本は世界のCTの約1/3を保有するCTスキャン大国であることなどもあげられる。
しかしこんな事を除外しても、『日本の文化を形作る複合的な要因・・・』という話は興味深い。

ではその記事から。

<以下引用>
https://www.football-zone.net/archives/260297
なぜ日本はコロナ被害少ない? スペイン人監督が驚き「人口1億2600万人の国で…」
2020.05.05 

C大阪を率いるロティーナ監督、日本文化に言及 「他人に迷惑をかけず、何事にも敬意」

2020-5-6セレッソ大阪のロティーナ監督
セレッソ大阪のロティーナ監督

 J1セレッソ大阪を率いるスペインの智将ロティーナは今季で来日4年目を迎えているなか、世界中で蔓延する新型コロナウイルスの状況に触れて「人口1億2600万人の国で、500人の死者しかいない」と驚きを露わにしている。スペインメディア「Deia」が報じた。

 ロティーナ監督は2017年からJ2東京ヴェルディで2年間指揮を執り、自身初となるJ1での采配となった昨季はC大阪をリーグ5位に導いた。Jリーグで4シーズン目の今季は開幕戦後に新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断している。

「街には行かず、カフェにも行っていない。スーパーマーケットだけは4日おきに行っている。1日約2時間、誰とも話さずに朝12キロ歩く。それ以降は家にいて、ビデオ会議などでクラブのスタッフやメンバーとやり取りしているよ」

 そう語るロティーナ監督は、世界中で拡大する新型コロナウイルスについて言及。母国スペインは人口4694万人のなか、感染者24万7000人、死亡者2万5200人と甚大な被害が及んでいる(worldometers集計/4日20時時点)。欧米に比べて感染拡大のペースを抑えている日本に関して、ロティーナ監督は「人口1億2600万人の国で死亡者500人という事実が示すように、日本のすべての習慣が直面している危機の克服に役立っている」と率直な思いを口にしている。

「日本に来て4年目になるが、他人に迷惑をかけず何事にも敬意を払う文化を知っている。健康面で言えば、誰もが家にマスクを置いていて男性も含めて手をきれいにするためのものを持ち歩いていたりする。誰かに紹介された時には、敬意を表して頭を下げ、握手をする人はそこまで多くはない

 日本の文化を形作る複合的な要因が、新型コロナウイルスの対策につながっていると主張するロティーナ監督。先の見えない日々のなか、改めて異文化について思考を深めているようだ。
<引用終り>

ロティーナ監督も指摘しているが、手を綺麗にする習慣、こんな事一つが実はとんでもない長い歴史と伝統、そしてそれを支えるインフラなどの蓄積がある。

例えば手水(ちょうず)
2020-4-10手水


また水道事業でも、日本は江戸時代から立派な水道設備を東京に設けている。
文京区本郷にある東京都水道歴史館
https://www.gakken.co.jp/kagakusouken/spread/oedo/01/haiken.html

また世界で水道の水が安心して飲める国は日本以外ではあと15ヵ国位の様です。
そんな国は安心して手も洗えるのでしょうが、他の国では手を洗うこと自体が水があるかという問題が付きまとうようです。
(参考)
水道水が飲める国は15か国?日本と世界の水道水のいま
https://www.sarastear.com/blog/b3094/


手を洗う、たったその一つでも長い歴史と文化、そしてそれを支えるインフラがある。
こんなことが今回の武漢肺炎(新型コロナウイルス)で明るみに出てきたと思います。

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2020-05-04 17:30

武漢肺炎<新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音

 
 武漢肺炎(新型コロナウイルス)と日夜戦っている現場の医師の貴重な体験談が「デイリー新潮」に掲載されている。

その書き出しは
新型コロナウイルス関連の報道では、数多くの医師がメディアに登場して、自身の知見を述べている。しかし、最前線で感染者たちと接している医師の話をじっくりと聞く機会は意外と少ない。実際にはその患者を診たことがない「専門家」(中には医師ではない者もいる)のオピニオンのほうが多く流布されている。現場からの声として紹介される多くは、治療現場の苦境といったところに限定されているようにもある。
 そこで今回、ある総合病院で新型コロナウイルスを実際に診察し、また現場の統括もしているベテラン医師に匿名を条件で本音を語ってもらった。

こんな書き出しで始まるのだが、内容は大変素晴らしい。
是非とも多くの方に見ていただきたいので紹介します。

新型コロナウイルス「最前線の医師」が語った本音
5/2(土) 6:32配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200502-00625938-shincho-soci&p=1

全文はデイリー新潮の方を見てください。
(本当は全文引用したいが、デイリー新潮に敬意を表してタイトル紹介に留めます)

中でも私が注目しているのは最後のこの一文。

<以下引用>
 また、特にメディアの方にお願いしたいのは、善意や問題意識からなのでしょうが、常に「国(厚労省)や都のやっていることは間違いだ」といった論調の報道は考えていただきたいところです。

 先ほども申し上げたように、日本のこれまでの対応は決して間違っていません死者数を見れば明らかです。「世界が疑問視している」といった報道ばかりが目立ちますが、海外では日本を評価する報道も出ています。単にそれがあまり紹介されていないだけです。

 死者数が少ないことをもっとポジティヴに捉える論調が増えてもいいのではないでしょうか。

 私たちは国や都の定めた方針の中で動いており、それに背くことはありません。しかし、国も都も、いろいろと考えたうえで方針を打ち出しています。その決定過程には私たちも関与しています。

 明らかに間違った方針が出れば、私たちも声をあげますそういう判断ができないほど現場の医師たちは馬鹿ではないのです
<引用終り>

この話は恐らくここで終わることは無いでしょう。このウイルス騒ぎがある程度終息してきたら、では日本はどうして成功したのか、そんな議論が始まる筈です。

日本が世界にお手本を示す番がくる。そう思います。

武漢肺炎が開く新しい世界は日本の役割がもっと大きくなるはずです。
その為に今私たちが何をしていけばいいか、そんな事をみんなでで考えていきたいと思います。

  1. 疫病
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2020-05-01 16:54

武漢肺炎<NYの惨状(下)


 前回に続きNYの惨状です。
読んでいくと、こんな事が先進国で起こっていいのかと思いますが、これが現実です。
こんな地獄を経験した人たちが猛烈な反中になるのは間違いなく、アメリカを大きく動かすでしょう。

日本もウロウロして中国寄りとみられると・・・、とんだとばっちりを受けるかもしれません。特に中国に進出している日本企業は要注意でしょう。

では後半です。

<以下引用>
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00119/043000018/

池松由香のニューヨーク発直行便
「独りで死なせたくなかった」 応援看護師が見たNYの惨状(下)

池松 由香  ニューヨーク支局長
2020年4月30日 

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ノースカロライナ州からニューヨークの医療現場を支援するために駆けつけた看護師のアラン・グリザードさん

 「『あのとき』も異常な状況だったけれど、今回も信じがたい異常さでした。同じ異常でも、今回ほどの絶望感にさいなまれたことはありません」

 ノースカロライナ州で看護師として働くアラン・グリザードさん(43歳)もまた、新型コロナウイルス感染爆発まっただ中のニューヨークに応援にやってきた医療従事者の一人だ。政府が緊急時に提供する制度を利用した短期派遣で、2020年4月初~中旬をニューヨークで過ごした。

 看護師資格を取得する前は、救急救命士として働いていた。01年9月11日に発生した同時多発テロ事件のときも、ニューヨークに駆けつけて地元の消防士を支援した。

 「あのときは、建物の中に何人いて、どのくらいの被害が出ていて、これから何が起こりそうかの予測が少しはつけられました。でも、COVID-19(新型コロナ感染症)では、一体どのくらいの人がやってきて、どんな処置をすればいいのかという前提がありません。医療の現場は能動的に動くのが理想ですが、受け身でしか動けない。最悪の状況でした」

 前回の「『殺さないで!』が最期の言葉 応援看護師が見たNYの惨状(上)」に続き、今回も州外から応援にやってきた看護師が見たニューヨークの医療崩壊の現実を取り上げる。

 救急救命士と看護師という2つの立場から、常に生と死を見つめ続けてきたグリザードさん。彼の言葉は、働くことと生きることの意味と、人々に働く場を提供する企業の経営者が大事にすべきことを教えてくれる。

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グリザードさんがニューヨーク滞在中に見たエンパイアステートビルは、しっかりと「鼓動」し続けていた


なぜニューヨークに行こうと思ったのですか。

アラン・グリザードさん(以下、グリザードさん):看護師としてそうすることが当たり前だと思ったからです。決断に迷いはありませんでした。行かなければ! ただそれだけでした。

 米連邦緊急事態管理局(FEMA)が資金を提供し、緊急時に医療従事者の有志を被災地に送る制度があるので、それに応募しました。通常は、竜巻やハリケーンなどで大きな被害が出たときに活用されるものです。

 今回は、新型コロナのパンデミックにより崩壊状態にあったニューヨークの医療現場を支援するのがミッションでした。4000人以上の医療従事者が、この仕組みを通じてニューヨークの病院に送り込まれたと聞いています。

 私が割り当てられたのは、ニューヨーク市ブロンクス地区のとある病院でした。

外に飛び出して5秒間だけ息をする

ブロンクスの病院ではどんな働き方をしていたのですか。

グリザードさん:朝の5時40分に宿泊先のホテルからバスに乗り、病院に移動します。6時半に職場に入り、仕事を始めます。シフトが終わるのは夜の7時半。ホテルに戻れるのは8時半くらいでした。そこからシャワーを浴びて、食事をして、就寝する。これをただひたすら繰り返します。

ご自身もいつ感染するか分からない状況でした。怖くなかったのですか。

グリザードさん:多少は怖かった。PPE(感染から身を守るための防護具)を装着してはいても、いつ感染してもおかしくないことは認識していました。

 というのも、病院のER(救急救命室)には60床のベッドがあったのですが、そこに150人の患者さんがひしめいていました。その90~100%がCOVID-19の患者さん、または検査こそしていないけれど限りなくCOVID-19の可能性が高い患者さんでしたから、コンセントにフォークを突っ込んでいる状態がずっと続いているようなものです。危険性は十分に認識していました。

 何時間もそんな状況の中で働いているので、時々、息苦しくなって外に飛び出すことがありました。そこで、5秒間だけ、PPEを外して息をする。そして、またPPEを着け直して現場に戻るのです。たった数分のことだけれど、私にはそれが必要でした。

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PPEを装着して新型コロナと闘う


どんなときに最も怖いと感じましたか。

グリザードさん:最も……そうですね。滞在最終日の2日前だと思います。滞在期間の終盤に差し掛かり、入院してくる患者さんの数が徐々に減って、病院内の空気が少し良くなってきたかな、と思った頃でした。私の勤務時間中だけで、9人もの方が亡くなられたのです。しかも、その全員が45歳以下でした。

誰一人として独りで死なせない

グリザードさん:私と同い年ぐらいの人たちです。そのうち何人かは、もともと何らかの病気にかかっていたわけでもない健康な人たちでした。「怖い」。そう思いました。

 この出来事は、大きな衝撃とともに我々の目を覚まさせてくれました。ディフェンスのガードの手を下ろすな。「ピークは越えたかな」と少し気を緩めそうになっていた我々に、状況の厳しさを改めて教えてくれたのです。

数多くの人が亡くなっていく場にいるのはつらいことです。

グリザードさん:死は誰もが人生で経験するものですが、どんな死でも心が痛み、つらいものです。でもCOVID-19が本当に残酷なのは、患者さんが最期に話し、会うことができるのは、我々看護師だけだということなんです。

 私がいた病院には、同じ制度を使って州外から支援に来ていた看護師が私を含めて3人いました。それぞれが患者さんを受け持っていたのですが、3人で決めていたことがありました。

 それは、お互いの患者さんへの目配りを十分にするだけではなく、もし、そのうちの誰かが死にゆく準備に入ってしまったら、必ず我々のうちの誰かがその人とともにそこにいる、ということでした。

 誰一人として、独りで亡くなってほしくなかったからです。こんな状況だけれど、最期を迎える人たちに、人としての威厳を保ってもらいたかった。

「人生のはかなさを学んだ」

グリザードさん:この病が残酷なのは、無差別で、人によって全くたどる経過が違うことです。共通しているのは、X線で見た肺の状況が似ているということくらい。かなり悪い状態で入院してきても治る人もいれば、それほど具合が悪そうではなかったのに10分後に容体が急変して亡くなる人もいます。
(引用者注:X線で肺を見ていますがCTスキャンは言及なし。日本と違う所です)

 亡くなるときは多くの患者さんが人工呼吸器を装着していますが、意識がない人もいれば、話すことはできなくても意識のある人もいます。

 私たち3人は、どんな場合でも、患者さんのそばに寄り添い、手を握り、話しかけて、我々もこんな状況で亡くなってほしくはなかったことが伝わるように努力しました。契約の21日間、これをやり続けました。

今回の経験から学んだことは何ですか。

グリザードさん:1つは、この世の中に何一つとして我々の思い通りになることなんてないということです。いつ何が起きてもおかしくない。だから、何事も与えられて当たり前、そこにあって当たり前だと思ってはいけないと感じました。

 もう1つは、世の中には人の善意や温かみがまだまだあるということ。ニューヨークの人々にそれを教えられました。

 毎日午後7時になると、感染拡大を防ぐために自宅にこもっている人たちが、我々のために拍手や歓声を送ってくれていました。送られる側にとっては、本当にそれが支えになりました。よしっ、またあしたも頑張ろう。現場で力を尽くそう、と思えました。

 人生ははかないものであることも学びました。何事も優先順位を付けて後悔のないように生きよう。今まで悩んでいたことも、なんとちっぽけなことだったかと、考え方が変わりました。

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ともに汗を流した仲間たち


人口密度が高い東京は気をつけて

家族を故郷に残すことにためらいはなかったのですか。

グリザードさん:つらい決断ではありました。感染拡大が深刻化しているときに妻や子どもたちを守ってやれないことが1つ。状況が状況なので、もしかしたら自分が戻ってこられなくなることも頭に浮かびました。結果としては、本当にラッキーなことに、新型コロナに感染せずに帰ってこられました。家族もつらかったと思いますが、彼らはたくましい。何せ私の「ロックスター」ですから(笑)。

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笑顔でグリザードさんを見送った家族


日本でも新型コロナの感染拡大を抑制するために外出自粛をしています。メッセージはありますか。

グリザードさん:世界中が同じ危機に直面していますが、日本、特に東京は人口密度が高いので、ニューヨークと同じように危険だと思います。どうか、政府や地方自治体が推奨する対策に従ってください、と伝えたいです。

 ソーシャル・ディスタンシングは特に大切です。手も洗って、できればシャワーも浴びてください。推奨されていることは全てやってほしい。最初は中国だけのことかと思っていたけれど、もはやこれはニューヨークだけの問題でも日本だけの問題でもありません。世界の問題です。

特に企業の経営者やビジネスパーソンに伝えたいことはありますか。

グリザードさん:経営者の方々には、どうか従業員たちを守ってください、と言いたい。

 今、米国では数百万という人が仕事を失い、経済力を失っています。経済活動が早く再開すればいいけれど、早すぎるとまたパンデミックがぶり返し、振り出しに戻ってしまいます。私は、こんな状況になってもまだ仕事があることに本当に感謝しています。少なくとも家族を食べさせられることができますから。でも、それができない人が我々の国にはたくさんいるのです。

 また管理職の方々には、部下の方の心のケアもお願いしたい。会社がいかに社員を必要としているか、会社にとってどんなに社員が価値ある存在なのかを伝えてほしいと思います。

 人は一人では生きていけません。今、私たち全員が、同じ敵と闘っているのです。できる範囲で、一人ひとりがお互いを助けながらベストを尽くすべき時なのだと思います。

<引用終り>

こんな凄い話をどう未来につなげるか、日本人として考えて行かねばいけない事例だと思います。

  1. 疫病
  2. TB(0)
  3. CM(16)

2020-05-01 16:40

武漢肺炎<NYの惨状(上)


 4月28日のイギリスBBCでこの日イギリス全土で医療従事者の死者を慰霊する黙とうがささげられたと報道していた。
何せ医療従事者だけで100人以上が死亡したのだという。
医療従事者は国民の命を救うため、壮烈な戦死を遂げたといってもいいだろう。
5月1日現在のイギリスの死者数は26.900人で、アメリカ(63.800人)、イタリア(27.900人)に次いで3番目となっている。 

黙祷する人たち
2020-5-1イギリスで医療従事者の死への黙祷4月28日
https://www.nagoyatv.com/news/kokusai.html?id=000182852


さてここからが本題。
死者数の最も多いアメリカ、中でもニューヨークは感染爆発で大変な状況で、4/22現在でニューヨーク州だけで死者は15.000人を超えた、4/27現在17,000人以上と報道されている。

そんな中、感染爆発で医療崩壊したNYの現場からの生の声が報道されている。

恐らく、この疫病が全く違う世界を作ることは間違いなく、その為の貴重な資料と思い、この現場からの声を全文引用したいと思う。
凄まじい話ですが、日本の未来を考えるうえでも大いに参考になると思います。

尚今回の引用文は個人の顔写真なども(いつもは割愛するところを)あえて掲載しました。
こんな報道がアメリカで猛烈な反中感情を書きたてることは間違いなく、今後の世界を考えるうえで貴重だと思ったからです。

またこの記事は全文は長いので、前半(「殺さないで!」が最期の言葉)と後半(「独りで死なせたくなかった」)を分けてエントリーします。

尚こんな記事を紹介するのは、死の危険の中で人のために尽くす活躍と言えば日本では3.11の福島の事例を思い出すが、日本とアメリカの事例での報道の違いぶりも見てください。
こんなのを見ると、日本のマスゴミがいかに日本の害になっているかが良く分かると思います。


では前半部分です。日経ビジネスより。

<以下引用>

「殺さないで!」が最期の言葉 応援看護師が見たNYの惨状(上)

池松 由香  ニューヨーク支局長
2020年4月28日 

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オハイオ州からニューヨークの窮地を救うために応援にやってきた看護師のブルックリン・ヘイゼルさん

 「最初は誰かが銃で撃たれでもしたのかと思いました」

 米オハイオ州コロンバスからニューヨーク市に21日間限定の「助っ人」としてやってきていた看護師のブルックリン・ヘイゼルさん(31歳)は、2020年4月22日に迎えた最終日の様子をこう振り返って笑う。ヘイゼルさんが勘違いしたのは、勤務を終えて病院の外に出ると、消防車やパトカーが何台も並び、大勢の警官や消防士たちに出迎えられたから。

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大勢の警官や消防士に見送られてニューヨークを後にした

 「でもそこにいたテレビ局のリポーターが、皆、あなたたちにお礼を言うために集まっているんだよ、と教えてくれました。田舎町から出てきた私にとっては信じられない光景でした」

 助っ人看護師たちが乗り込んだバスはその後、まるで大統領でも乗せているかのようにパトカーに先導されて市内を移動した。

 4月27日現在、新型コロナウイルス感染による死者数が5万5000人を超えた米国。中でもニューヨークは他に類を見ない感染爆発を経験し、同日までに全米の合計の3割を上回る1万7000人以上の命を失った。ピークは4月第1~2週にかけて。4月1日に1日当たりの死者数が400人を上回ると、最大時で799人を記録した。なお、25日には4月で初めて1日当たりの死者数が400人を下回り、減少を続けている。

 今回から2回にわたり、そのピークを支えるために州外から応援に来ていた看護師たちが見た「医療崩壊現場の実情」を取り上げる。初回の主人公は、前出のヘイゼルさん。州外出身だからこその客観的な目で見たニューヨークの医療現場は、想像以上に残酷で、かつ改善への示唆にあふれていた。医療関連の企業はもちろん、ITや製造などあらゆる分野の企業に勤めるビジネスパーソンに、生きることの意味だけではなく新規事業のヒントも与えてくれるはずだ。

なぜニューヨークへ行こうと思ったのですか。

ブルックリン・ヘイゼルさん(以下、ヘイゼルさん):ニューヨークでは新型コロナウイルスの感染拡大が深刻で、看護師の手が足りていないとSNS(交流サイト)で知ったからです。すぐに同僚と、21日間の契約で働きに行こうと決めました。

 普段からPRN(医療現場の必要に応じて1日単位で勤務する認定看護師)として働いているので、短期で働くのは慣れています。実際にニューヨークに滞在したのは4月3日から23日まで。23日の夜遅くに同僚とレンタカーでオハイオまで帰ってきました。

(編集注:米連邦政府の緊急事態管理局=FEMAが資金を提供し、医療従事者の有志を新型コロナと闘う地域へ送り込む制度が始まっていた。旅費や滞在費はもちろん給料も支給される)

乳児のお子さんがいるそうですが、ご家族が反対しなかったのですか。

ヘイゼルさん:私のパートナーは軍人経験もある警官で、こういった社会奉仕への理解がありました。ちょうど新型コロナで2週間ごとの交代勤務になっていたので、息子の面倒を休みの期間に見てもらうことができました。タイミングが良かったのです。

ニューヨークでの体験はいかがでしたか。

ヘイゼルさん:特に最初の1週間半が過酷でした。

 私が勤務したのはニューヨーク市のブロンクス地区の病院です。もともとニューヨークの病院がどのように運営されているのか知りませんが、ER(救急救命室)の状況は本当にひどいものでした。

モノが散乱、トイレも足らず……

 とにかく不衛生なんです。病室も廊下も患者さんであふれかえっていて、本来の収容人数を超えて1つの部屋に3人も4人も押し込められていました。患者さんにプライバシーなどありません。モノが散乱していて、トイレも足らないので、その辺に便器が置かれ、患者さんたちは人前で用を足さなければなりませんでした。

 そんな状況なので、自分が担当する患者さんを探そうにも、なかなか見つかりませんでした。どこに誰がいるかの把握すらできていないのです。患者さんによっては、ずっと何も処置されないまま放置されている人もいました。

 現場にいた看護師の心理状態も最悪でした。看護師が患者さんに向かって怒鳴る。怒鳴られた患者さんも怒鳴り返す。忙しいからそうなのか、状況が悲惨だから精神的に参っていたのか。理由は分かりませんが、看護師がナースステーションで人目もはばからず泣いているのを見たときは、「あり得ない!」と感じました。看護師が職場で涙を見せるのは、絶対にやってはいけないことだと思っています。

 医師としてまだ「赤ちゃん」の新米医師が、最前線に立たされているのを見るのもつらいものでした。私には、彼らが責任を持った決断ができるようには見えませんでしたが、患者さんの生死を分ける重大な決断に迫られていた。とても見ていられませんでした。


「人工呼吸器をつながないで」

最もつらかったのはどんなときでしたか。

ヘイゼルさん:これが一番つらい、と思っても、それと同じくらい、あるいはもっと悲しい体験をして塗り替えられる。その繰り返しで、つらいシーンは枚挙にいとまがありません。

 ある50代のイタリア系の男性は、呼吸が苦しい状態に陥っていました。でも、廊下に響き渡るくらいの大きな声で叫んでいた。人工呼吸器を装着しないといけなかったのですが、看護師たちに大声で、涙ながらにこう懇願していたのです。

 「お願い、お願いだから人工呼吸器をつながないで! お願いだから、私を殺さないで!」

 何度も何度も、泣きながら訴えていました。すると、周囲の看護師たちも泣き始めました。人工呼吸器を装着したくない気持ちを痛いほど理解できたからだと思います。

 他の病院のことは調べてみないと分かりませんが、私が勤務していた病院では、人工呼吸器をつないで生還した例は1割ほどで、9割が亡くなっていました。人工呼吸器につながれるということは、死刑を言い渡されるようなもの。そのことをほとんどの患者さんが知っていて、彼も知っていました。だから泣いて拒んだのです。

 「お願いだから私を殺さないで」

 それが最期の言葉となり、彼は翌日に亡くなりました。


最後は皆、1人で亡くなっていく

ヘイゼルさん:こんなこともありました。ある女性の患者さんに死が近づいていました。彼女は私に「助けて」と言ってきました。息がほとんどできない中、泣きながら、「息子に連絡を取りたい」と懇願してきたのです。

 息子さんに電話をして、スピーカーで彼の声を聞かせてあげました。できればFaceTimeやSkypeなどの機能を使って顔を見せてあげたかったけれど、息子さんには、それが使えないようでした。

 息子さんは泣きながら、「そこに行ってあげられなくてごめんね」と言っていました。新型コロナ感染症の患者さんのご家族は、感染リスクがあるため会いには来られないからです。今、思い出しても、胸が痛みます。

 病院にいた新型コロナ感染症の患者さんは全員、1人で亡くなっていきます。そこには、私たち看護師がいるだけなのです。家族がそばにいられたら、どんなにいいか。そう何度も思いました。

PPE(感染から身を守るための防護具)や人工呼吸器などは足りていましたか。

ヘイゼルさん:ニューヨークの多くの病院でPPEが不足していましたが、幸い私たちの病院には在庫がありました。ただ、患者さんのための備品が全く足りていませんでした。

 人工呼吸器も(州や市からの)供給を増やしてもらったようですが、現場の立場から言うと、足りていたとは言えません。

 というのも人工呼吸器には、病院の所定の場所に設置し、長期にわたって使うこともできる比較的大型のタイプと、移動中などの短期的な利用を目的に作られた小型のタイプがあります。大型のモノは信頼できるのですが、小型のモノはそもそも長期的に使うために作られているものではないので、使うときに不安がありました。

 大型のモノは常に使用中だったので、仕方なく小型のモノを使っていました。だから、数としては足りていても、十分だったとは言えません。


家族とともに最期を迎えられるツールを

ヘイゼルさん:今でも忘れられませんが、遺体安置所には本当にたくさんの方が重なるようにして置かれていました。それでも場所が足りないので、いくつかの部屋を遺体安置所の代わりにして使っていました。

 葬儀サービスの担当者も忙しいのか、なかなかご遺体を引き取りに来てくれません。葬儀をあげる資金力のない家族も多くいたと聞いています。私がその日のシフトを終えても、まだ同じ場所に放置されているご遺体もたくさんありました。何時間も経過しているのに、ずっとそこにあるのです。この状況に直面したことも、とてもつらい経験でした。

今回の経験を通して学んだことは何ですか。

ヘイゼルさん:これまで当たり前だと思っていたことが、どんなに感謝すべきことなのかを痛感しました。コロンバスで私が勤めてきた病院は、どこも本当に素晴らしい環境だったことに気づかされました。だからもう、ちょっとやそっとのことで不満を口にすることはないと思います。

 ニューヨークの医療施設が常にこんな状況にあるのかは分かりませんが、私が勤務していた期間は、状況が劣悪だったことは否めません。

 ただ、ニューヨークの方々には本当によくしてもらいました。これほど「両手を広げて受け入れてもらっている」と感じたことはありません。

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消防士たちから食事を届けられることも
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ニューヨークで苦楽をともにした仲間たちとともに

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日本の読者の多くは企業の経営者やビジネスパーソンなのですが、伝えたいことはありますか。

ヘイゼルさん:新型コロナ感染症の現場を体験して、人生の最期を家族とともにいられることの大切さを思い知りました。病院には、死に至らないまでも長期間を1人で過ごさなければならない人たちがたくさんいます。こういった人たちのために看護師たちが、いつでも手軽に、患者さんと家族をつなげてあげられる専用のデバイスやアプリケーションがあればいいと思います。

 すでにあるFaceTimeやSkypeをすぐに使えるようにするモノでもかまいません。そんなツールがあったら本当にありがたいのに、と心の底から思います。ぜひ、そんなモノを開発してもらいたいと言いたいです。 

<引用終り>

  1. 疫病
  2. TB(0)
  3. CM(6)