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2019-09-26 17:22

明日を見るために達人がしていること


 見えないものが見える。壁の向こう側で何をしているのか見える。密室で話していることが聞こえる。これはスパイ小説や映画ならよくある話だ。
現に私だって今使っているノートパソコンの画面の上のカメラのレンズ部をテープで塞いで万一に備えている。

がしかし、今日はそんな話ではなく、日常の世界で普通の人には見えない(気が付かない)ものを見ている人がいる。そんな事について面白い話が有ったので記録の為書いています。

10mTVという一話10分で学ぶ教養動画メディアというものが有り。そこに面白い話が有ります。
その中から田口佳史氏の『東洋思想の主張~見えないものを見る(1)暗いところが見える「玄人」』の中にその話が有ります。

最初にその話の該当部分だけを・・・。


<以下田口佳史氏の論稿より>

明日を見るために、前夜万全の準備を整える天竜川の達人

 私は、若い頃、「達人」「名人」と言われる人に非常に興味がありまして、そういう人に
会いに行くのを楽しみにしていました。それこそ当時はいろいろな世界、いろいろな業界
に、達人、名人と言われる人がいまして、そういう人を訪ね歩いたものです。

 ある時、投網(トアミ)の名人が天竜川にいるということで、投網の名人性というのは
どこにあるのかを伺おうと思って、お訪ねしました。そうすると、「本当は前の日の夜に来
てくれないと駄目だ」というお話でしたので、それでは、何日後の夜に伺いたいと申しま
した。どういうことを言っておられるのだろうなと思いながら、夜の10時頃に来いとい
うお話だったので、夜伺いました。そうすると、二階に用意ができているからぜひ見ても
らいたいということで、二階に上がりましたら、それこそ非常に整然と重りや疑似餌など、
いろいろなものがだーっと並んでいるのです。

 そして、「これが、要するに自分の達人性なのだ」と言うのです。つまり、明日をどう見
るかというところに達人のゆえんがある。したがって、夜、天竜川へ行って川を見て、水
の色がどうなっているか、水の流れがどうなのか、さらに言えば、どういう風がどのよう
に吹いているかというようなものをちゃんと見ると、明日は川のどの辺の部分、つまり、
深い所か浅い所かその中間か、それから流れが速い所かゆっくりしている所か、どういう
所に獲物が集まるかということが、非常によく見て取れるということなのです。それが見
えるというのが達人の達人たるゆえんで、それに合わせて、重りや疑似餌などをそろえる。
前日の夜にそこまでやれば、明日はもう終わったようなものだ」と言うので、もうつく
づく、「ああ、達人というのはそういうものか」と思った次第であります。

 今日でも、イチロー選手などの野球に対するアプローチの仕方は、まさに次の一球が見
えるというように言ってもいいようなものですね。ですから、そういう意味では、昔も今
日も、プロフェッショナルには違いがなく、皆に見えないところが見えるということなの
です。
<引用終り>


こんな事を見ると、私には全く場違いな話だが、伝説のF1ドライバー、ファンジオの事を思い出す。ファンジオ(1911-1995)と言っても”エッ、だれ?”だが1950年代に活躍した名ドライバーで、事故回避能力が極めて高いことで有名な人だ。

これがファンジオが1955年のアルゼンチンGPでの優勝シーン
2019-9-26ファンジオ

今から60年以上前ですが、この当時はタイヤが細いですね。
この伝説のドライバー・ファンジオは2016年のイギリスの調査でも歴代最高のF1ドライバーとなっています。

そして、私が特に注目しているのは1950年のモナコグランプリ。ブラインドコーナーの先で多重事故が発生したのだが、そこに突っ込もうとしたファンジオは”観客が普段はチャンピオンである自分の方を見ているのに、その時だけコースの先を見ていたので危険を察知し急ブレーキで事故を回避した”、こんな事例だ。
私も何とかこんな事が出来ないかと思っているが、道は遠いです。未だに鳥羽口をウロウロですね。
ファンジオの事故回避に関しては下記Wiki参照ください。
https://admin.blog.fc2.com/control.php?mode=editor&process=new


 天竜川の投網の話からアルゼンチン人の伝説のF1ドライバー、全く関係ない話で恐縮ですが、共通するものが有る。それは他の人には神業のように見える不思議な能力も、その人には普段から心がけている当然のこと。そんな事が何処にでも転がっている。

こんな事が少しでもできればいいなあ・・・、と見果てぬ願望の積りでこの項を終わります。


最後に、参考までに冒頭紹介した田口佳史氏の論稿全文を以下に掲載しておきます。

<以下引用>
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=758&utm_content=play_history
田口 佳史
東洋思想の主張~見えないものを見る(1)暗いところが見える「玄人」

~要旨~

 東洋思想、特に老荘思想研究に造詣の深い田口佳史氏によれば、西洋思想は大切なもの
は自分の外側にあると考える。向かう対象が外側にあるため、誰の目にも明らかであると
いうのが利点だ。一方、東洋思想は大切なものは自分の中にあると考える。内側にある対
象に向かい、思考を繰り返すのが特徴だ。田口氏はこのような西洋東洋双方の知の融合の
重要性にも言及している。それは柔軟な思考を手にすることを意味しているからだ。

 東洋思想の主張は大きく二つ挙げられる。一つは「見えないものを見る」ということ。
二つ目は「全ては自分の中にある」ということだ。

「見えないものを見る」ということを考える際に参考になるのが、「玄人」という言葉で
ある。「玄」は黒く染めた糸の意味を持ち、ほぼ目には見えないような微妙な部分といった
意味をも持つ、老荘思想で非常に重視される言葉だ。また、「黒い」は「暗い」に通じ、玄
人とは暗いところ、つまり肉眼では見えないところ、遠く離れたところを見ることができ
る達人を指す。真の達人は、まだ見えない次の一手を見るために、手前で万全の準備を整
えるプロフェッショナルでもある。

 こうした玄人としてのあり方は、今も昔も変わりはないが、一番見えなければいけない
のは人の心である。このなかなか見えにくい人の心を読むというところに、日本の文化、
伝統が育ってきたのだ、と田口氏は語る。


~講義録~

外側にある対象に向かう西洋的思考

 私が専攻している東洋思想は、主に中国古典思想でありますが、この中国古典思想が、
この21世紀の社会の指針になってくるのではないかと思っています。また、西洋思想と
この東洋思想が合体、融合すると言われていますが、東洋思想のいかなる部分にそのよう
な今日性があるのかということについて、今日はお話を申し上げたいと思っています。

 もう一回念を入れて申し上げておきますと、私の目には、西洋的な思考とは、真理、外
側にあるものに向かって迫っていくというように見えます。つまり、外側にある対象に向
かっていくということです。反対に言えば、大切なものは全部外側から来るいうことで、
特に近代西洋思想はその感が強いように思います。

 ですから、私が、西洋の特にアメリカの方々にお話をするときに、人間の基本的な幸せ
の、その基本はどこにありますか、という問いをすると、多くの人はやはり皆、それは外
側にある。例えば、財産にあるとか社会的ポジションにあるとか、それから、金銭の多寡
にあると、外側のものをお挙げになるのです。西洋はそう考えるのでしょう。


外側の対象性ゆえの目に見える明白さが、西洋的思考の良さ

 この西洋流の良さというのはどこにあるかというと、要するに、対象が外側にあるから、
誰の目にも明らかというところがあります。そうすると、いろいろな人が同時にアプロー
チできます。さらにもっと言えば、全員が注目する中、皆が学問的成果を表明することが
できます。惜しくもその中途で亡くなられた方が出てくれば、それを継ぐ人が出てくる、
継ぐことが出来るという良さが非常にあります。

 ですから、明治5年以降、特に戦後は、われわれはこの西洋的な教育を受けてきたわけ
ですが、これは全て外側にある対象に向かっていく、大切なものは外側にあるということ
で行われてきたように思うのです。


大切なものは自分の中にある-内側にある対象に向かう東洋的思考

しかし、その一方で、東洋では、何と言っても、大切なものは全部自分の中にあり、神
的、あるいは仏的な、非常に崇高なものさえ、自分の中にあると考えます。その中にある
己を確認するということですね。ですから、東洋では要するに、内側にある対象に向かっ
て思考を繰り返すということであります。

 これは、例えば座禅を想起していただくと、良くお分かりになると思います。「あれは何
をやっているのか」と言う人が多いのですが、やはり真なる己というもの、もっと言えば、
己の仏性を見出すということをやっているのです。そういう意味では、大切なものはやは
り自分の中にあるというようになっているのです。


西洋と東洋の知の融合が柔軟な思考につながる

したがって、西洋と東洋、両方の思考をわれわれはマスターすれば、外側の思考もOK、
内側の思考もOK、両方OK、両方使えるという人間になるわけで、私はそういう意味で
は、東洋と西洋の知の融合を、これからぜひ、特に日本人は持つべきではないのかと思い
ます。そうすれば、もっと思考が柔軟になってくると私は思うのです。さらにもっと、真
に人間が望んでいる、例えばビジネスや商品などを生み出すことさえ出来てくるのではな
いかと思います。


東洋思想における重要な主張の第一は「見えないものを見る」ということ

それでは、そういう東洋思想が、一体何を主張しているのか。これは、語ればきりがな
いと言えばそれまでなのですが、今日は二つ例を挙げて、お話を申し上げたいと思います。
その二つとは、「見えないものを見る」という東洋思想の主張、もう一つは、今も申し上げ
た、「全ては自分の中にある」という主張です。

 まず一つ目、「見えないものを見る」ということから始めたいと思います。私が実感して
いることから申し上げると、47年間ひたすら中国古典、あるいは最近では仏教、禅、そ
ういうものを好んで読んでいますが、読むということは、いつも心の中ではその真髄に向
かって問いが発せられているという状態にあります。

 そのように暮らしている人間からすると、もう既に今、見えている世界がありますけれ
ど、その後ろ側に見えない世界があるのだと考えます。むしろ見えない世界の方が巨大で、
さらに言えば、無です。無の世界でありますから、無限であるということです。

 見える世界とは、やはり有限、限りがある。したがって、見えない世界こそがわれわれ
の本当に見るべき世界ではないのかというように、ずっと思えてくるのです。ですから、
私のこれまでは、「見えないものを見よう」と思って生きてきたという日々であったと言っ
ても、過言ではないと思うのです。

 見えない世界と見える世界がまずあり、有と無があるということを承知していると、だ
んだんと、見えない世界が見えてくるということが広がってくるのです。


「見えないところを見る」を端的に表すキーワード-玄人

 ここで、今日的に、このような東洋思想の考え方が、むしろ西洋社会で非常に注目を集
めている第一点目とは何かというと、それは、実は「プロフェッショナル」という言葉に
表れているのです。

 そこで、皆さんにお伺いしたいと思いますが、このプロフェッショナルを、日本語で言
うと何となりますか。いろいろな講義の時に伺うと、「専門家」や「匠」など、さまざまな
答えが出てきますが、非常にいい言葉があるのです。それが「玄人(くろうと)」です。

 では、プロフェッショナルの対比語は何かというと、アマチュアです。それは、素人(し
ろうと)です。ですから、プロフェッショナルは玄人ということになります。

 これらは、そもそもどこから来た言葉かと言いますと、紡ぎたての糸、まだ染められて
ない糸を素(そ)と言いまして、そういう人を素人(そじん、しろうと)と言うわけです。
それに対して、玄人とは、黒く染められた糸のことでありまして、そうやって糸を長持ち
させたり、何にでも使えるようにしていたのです。そういう意味では、黒く染められた糸
のような人のことを玄人と呼んだのです。玄という字はそういうものです。弓へんをつけ
ますと、バイオリンの弦やギターの弦などという弦と同じです。


暗いところ、肉眼では見えない遠いところを見られるのが玄人、プロフェッショナル

 この玄という字は、老荘思想で非常に重視されている言葉です。これは、糸がちょろん
と出ている、非常に見にくいというより、ほぼ見えないようなもの、微妙な部分、むしろ
心で読むべきものを「玄」と言うのです。これは、「黒い」という意味を持つ字だというこ
とを申し上げました。そして、この「黒い」ということが、その後、「暗い」になりました。

 つまり、玄人とは「暗いところが見える人」なのです。ですから、プロとは暗いところ
が見える。暗いところ、つまり普通の人では、肉眼では見られないところが見える人がプ
ロフェッショナルと言い続けられてきたのです。では、暗いところ、肉眼では見えないと
ころとはどういうところかというと、要するに、明日や、遠く離れたところです。



明日を見るために、前夜万全の準備を整える天竜川の達人

 私は、若い頃、「達人」「名人」と言われる人に非常に興味がありまして、そういう人に
会いに行くのを楽しみにしていました。それこそ当時はいろいろな世界、いろいろな業界
に、達人、名人と言われる人がいまして、そういう人を訪ね歩いたものです。

 ある時、投網(トアミ)の名人が天竜川にいるということで、投網の名人性というのは
どこにあるのかを伺おうと思って、お訪ねしました。そうすると、「本当は前の日の夜に来
てくれないと駄目だ」というお話でしたので、それでは、何日後の夜に伺いたいと申しま
した。どういうことを言っておられるのだろうなと思いながら、夜の10時頃に来いとい
うお話だったので、夜伺いました。そうすると、二階に用意ができているからぜひ見ても
らいたいということで、二階に上がりましたら、それこそ非常に整然と重りや疑似餌など、
いろいろなものがだーっと並んでいるのです。

 そして、「これが、要するに自分の達人性なのだ」と言うのです。つまり、明日をどう見
るかというところに達人のゆえんがある。したがって、夜、天竜川へ行って川を見て、水
の色がどうなっているか、水の流れがどうなのか、さらに言えば、どういう風がどのよう
に吹いているかというようなものをちゃんと見ると、明日は川のどの辺の部分、つまり、
深い所か浅い所かその中間か、それから流れが速い所かゆっくりしている所か、どういう
所に獲物が集まるかということが、非常によく見て取れるということなのです。それが見
えるというのが達人の達人たるゆえんで、それに合わせて、重りや疑似餌などをそろえる。
「前日の夜にそこまでやれば、明日はもう終わったようなものだ」と言うので、もうつく
づく、「ああ、達人というのはそういうものか」と思った次第であります。

 今日でも、イチロー選手などの野球に対するアプローチの仕方は、まさに次の一球が見
えるというように言ってもいいようなものですね。ですから、そういう意味では、昔も今
日も、プロフェッショナルには違いがなく、皆に見えないところが見えるということなの
です。


一番見えなければいけないのは人の心

 一番見えなければいけないのが、人の心です。ですから、達人の最たるものと言えば、
人間の心が読めるかどうかということになってきます。ここに日本の文化や、日本の伝統
というものが、ずっと育っていくのです。
<引用終り>
  1. 社会一般
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2019-09-23 21:52

新名神も6車線化が始まる<でも課題も山積


 9月15日のエントリー「猪瀬直樹は保守の顔をした左翼だった」で悪名高い「猪瀬ポール」の引っこ抜きが始まったことを取り上げた。
調べてみると、猪瀬ポールは新東名だけでなく新名神にもある。この新名神の猪瀬ポールも次には引っこ抜きを始める計画のようだ。
良い事である。

更には猪瀬のやらかした悪事である新東名、新名神の6車線⇒4車線への格下げも、元の6車線に直そうという計画が議論されている。


手っ取り早くやれるところから手を付けるようだ。新東名に続き新名神でも来年から始まるようだ。

対象はこんな区間、亀山西から大津まで

2019-9-23新名神の6車線化1
出典:国土交通省道路分科会第18回事業評価部会配布資料(2019年3月14日)による
http://www.mlit.go.jp/common/001279623.pdf
(下の図も同様)


その前後も対象だが、そこは猪瀬のせいでトンネルなどの構造物が4車線対応。
2019-9-23新名神の6車線化2

この図のAの区間は今年3月に開通したばかり。開通したばかりだが時代遅れのもので改造対象だ。
更に現在工事中のB、C区間も同様に4車線対応で改修工事の対象。

完成前から時代遅れ、これが小泉改革の実態です。小泉純一郎、罪は深いですね。


そしてその4車線のものを6車線の改修するのは並大抵ではありませんが、2019年5月30日の国土交通省 社会資本整備審議会 道路分科会 第33回国土幹線道路部会(長ったらしい名前!!)でその工事内容が出ています。

2019-9-23新東名名神の4車線から6車線への拡幅
国土交通省 社会資本整備審議会 道路分科会 第33回国土幹線道路部会(2019.5.30)
【資料3】高速道路会社 提出資料より
https://www.mlit.go.jp/common/001291409.pdf

>暫定4車線での供用後にトンネル、橋梁等を6車線化(拡幅)することについては、コスト、
工期、お客さまサービス面で多大な課題を内在
全くその通り、折角世界的に通用する道路を作ろうとしてきたものを潰された。小泉改革、その手先で踊った猪瀬直樹に対する怨念を感じるのは私だけではありますまい。


9月15日のエントリーにかんぱちさんからコメントで4車線で開通したものもこんな風で改修できるというyoutubeを紹介いただいた
「【高速道路の拡幅方法】暫定4車線のE1A 新東名&新名神の拡幅方法を推測してみた&幻となった東海道物流新幹線とは - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=HniBqVME9uk」

この話は上掲5月30日の会議の話そのもののようです。

さてその物流新幹線、こんな事が始まっているようです。

2019-9-23新東名の輸送効率向上
出典:高速道路における安全・安心に係る施策の取組状況
https://www.mlit.go.jp/common/001278502.pdf


最後にこんな問題の根底はカネ。それがどう推移してきたか、こんな資料が有ります。

2019-9-23公共事業費推移
出所:国土交通省道路局 道路行政を取り巻く最近の情勢について 2019年1月29日
http://www.road.or.jp/event/pdf/20190131_02.pdf

小泉内閣の時にガバっと減らした公共事業費。小泉純一郎のキャッチフレーズは「自民党をぶっ壊す」でしたが、やったことは「日本をぶっ壊す」でした。小泉・ケケ中の組み合わせがどんな事をしてきたのか、今やっと明るみに出てきました。
それにしても民主党時代がいかに日D買ったか、改めて愕然としますね。
  1. 高速道路
  2. TB(0)
  3. CM(2)

2019-09-20 15:50

2030年“LCA規制”の衝撃、トヨタ・日産・ホンダは中核にエンジン


 日経BPに気になる報道がある。自動車技術に関する動向だが、従来の「これからはEVだ電気自動車だトヨタは遅れているマンセー(笑)」、こんな報道とは違っている。
曰く
2030年“LCA規制”の衝撃、トヨタ・日産・ホンダは中核にエンジン』、こんな報道だ。

この話は、現在発売中の日経Automotive10月号に載っている。

話しの趣旨は、ライフサイクルでCO2排出量を評価する「LCA(Life Cycle Assessment)」の議論が欧州で始まった。だからエンジンの重要性が一層高まる。こんな話である。

此処でLCA規制とは、「LCA(Life Cycle Assessment)」のことで、クルマの燃費をただ走っている時だけの評価から燃料の油井(井戸=Well)から走る所(車輪=Wheel)まで、Well To Wheelをさらに進め、クルマや電池の製造や使用、廃棄に至るまでの全部でのエネルギーの管理をしようという考え方。
まっとうな考え方だ。いややっとまともな考え方に至ったのかとEV懐疑派の私はしみじみ思う。


しかし、2015年のVWディーゼル・ゲート事件に端を発した排ガス問題。その解決策として究極の解決策は排ガスゼロのEVだ、電気自動車だ、こんな可笑しな議論がここ何年も続いてきた。
それに輪をかけたのが中国のEVごり押し政策。
(中国はエンジン技術では先進国に勝てないが、EVなら構造は簡単。ごり押しすれば覇権を握れると読んで、無茶苦茶な補助金で国家ぐるみでEVを推進した)
しかしやっと中国もごり押ししてもEVではダメとHVに舵を切った。そんな時やっと欧州も目が覚めたようだ。

漏れ伝わる所では、ディーゼルゲート事件が発覚したとき、VWなどは一斉にこれからはハイブリッドだと取り組もうとした。しかしハイブリッドはトヨタとホンダが20年先行しており、関連技術はトヨタとホンダの特許で雁字搦め。この20年の差は到底埋められないと分かり、それなら一歩進んで電気自動車だ。これなら憎っくきトヨタが遅れていると宣伝できる。こんな作戦だったと漏れ聞いている。

道理で欧州のメディアを中心に「トヨタは遅れているキャンペーン」が有ったわけだ。そしてトヨタもホンダも馬耳東風、柳に風と受け流してきた。
がしかし、本命はエンジンの抜本的な改革だと思う。これが間違いなく王道だ。
そしてVWはじめ欧州勢も、EVをいろいろ手掛けてみてやっと認識した・・・、やっぱりエンジン車が本命なのだと。


さて前置きが長くなりました。ではその『2030年“LCA規制”の衝撃、トヨタ・日産・ホンダは中核にエンジン』についての報道を紹介します。


<以下引用>
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00938/00003/?n_cid=emsl_101646
自動車パワートレーンの未来
2030年“LCA規制”の衝撃、トヨタ・日産・ホンダは中核にエンジン
清水 直茂=日経 xTECH

 2030年にかけて、ガソリンエンジンが急速に進化する。トヨタ自動車や日産自動車、ホンダの日系大手3社が、ハイブリッド車用で熱効率を大幅に高める技術革新に挑み始めた。さらに3社は、「ポスト2030年」を見据えた取り組みも強化する。ライフサイクルでCO2排出量を評価する「LCA(Life Cycle Assessment)」の議論が欧州で始まったからだ。エンジンの重要性が一層高まる。3社のパワートレーン開発トップへの取材を基に、エンジンの将来を5回に分けて見通す。

 トヨタ自動車と日産自動車、ホンダの日系大手3社は、2030年以降を見据えてガソリンエンジンの開発に力を注ぐ。2030年時点で、エンジン車と簡易式を含むハイブリッド車(HEVが世界の主流であるからだ(図1)。世界販売のうち約9割がエンジン搭載車になる。

2019-9-20日経BP1
図1 2030年でも9割近くはエンジン搭載車
2020年以降にEVは急増するものの、2030年の主役はHEVを中心としたエンジン搭載車で、約9割を占める。(出所:IHSマークイット)
(引用者注:これからも2030年まで台数は右肩上がりで伸びる、こんな予測は中国の現状から見て大いに疑わしい。しかし台数の9割がエンジン車になるというのは正しいと思う)

 加えて大きいのが、2030年にかけて二酸化炭素(CO2)排出量の測定方法が自動車のライフサイクルで評価するLCAに変わる可能性があることだ。HEVのCO2排出量は電気自動車(EV)と同等か、技術の進展次第ではEVを下回るかもしれない。2030年以降、HEVとEVが“真”の環境対応車(エコカー)の地位を巡り、互角の技術競争を繰り広げることになる。

 2019年3月、欧州議会と欧州委員会は、自動車の生産やエネルギー生成、走行、廃棄、再利用などのCO2排出量の総和を評価するLCAについて検討することを当局に要請した。2023年までに結論を出す予定である。2025年以降になるだろう「ポストユーロ7」と呼べる環境規制から、LCAでCO2排出量を評価する可能性がある。

 走行中だけのCO2排出量を対象にする現行規制から「大転換」(日系自動車メーカー幹部)と言えて、2030年以降のパワートレーン開発に大きく影響する。特に、現行規制ではCO2排出量をゼロとみなせて圧倒的に優位なEVの位置付けが下がる。EVは、発電時や電池生産時などのCO2排出量が多い。国や地域によるが、現時点でEVのCO2排出量はHEVを上回る場合が多い。

 欧州自動車メーカーは、LCAによる規制強化に備え始めた。例えばEVに注力するドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen)は2019年5月、パワートレーン国際会議「第40回ウィーン・モーター・シンポジウム(40th International Vienna Motor Symposium)」で、発電時や電池生産時に対策し、LCAでEVのCO2排出量を大幅に下げる構想を発表した注1)。

注1)VWは、電池工場の電力に再生可能エネルギーを使う取り組みや、電池のリサイクルに力を注ぐ考えを示した。リサイクル電池を利用したEVは、電池生産時のCO2排出量を抑えられる。
 「計算方法によるが、最悪のシナリオでEVのCO2排出量はディーゼルエンジン車を上回りかねない。VWとしては2050年までに全車両で(CO2の排出と吸収を同じにする)カーボンニュートラルに近づけることを目指す」(VW生産担当役員のアンドレアス・トストマン(Andreas Tostmann)氏)。

 HEVの役割が高まると見る日系大手3社は、EVの開発と並行して、HEVのCO2排出量を減らす開発に挑む。とりわけ重視するのが、中核技術であるガソリン機の最高熱効率を50%近くまで高めて、有害な排出ガスをほとんどゼロの水準に下げることである(図2)。ここまですれば、2030年以降の“真”のエコカーとしてHEVが活躍できると考える。

2019-9-20日経BP2
図2 ガソリンエンジンの最高熱効率は一気に高まる
トヨタが主導するHEV用ガソリン機における最高熱効率の向上競争。ホンダがくらいつき、2020年以降には発電専用ガソリン機で日産が猛追する。トヨタ、日産、ホンダへの取材を基に編集部が推測した。(写真:トヨタ、日産、ホンダ)

・・・以下は有料会員専用の為省略・・・
<引用終り>

この記事の有料部分が大変面白いので、その初めの部分を見てみたい。

<以下引用>
エンジン車”排除”規制後にEV”逆風”規制
 欧州はLCAの検討を始めるにに併せて、2030年以降に販売する新車のCO2排出量を2021年比で37.5%と大幅に削減する企業平均燃費(CAFE)規制の導入を決めた。この「2030年CAFE規制」は、従来同様に走行中を対象にする。事実上、走行中に限るとCO2排出量がゼロとなるEVの普及を促す規制になる。
 英調査会社IHSマークイットプリンシパルアナリストの波多野通氏は、2030年規制に対して「エンジンだけで走る車両は達成できない」と分析する。トヨタは2015年時点の新車販売のうち、半分をEVにすることを求める規制」(同社パワートレインカンパニーPresidentの岸宏尚氏)と読み解いた。
 欧州がEVの普及を促す規制の導入を決めた一方で、EVの逆風となり得る”LCA規制”の検討を始めたのは、温案化対策の国際的枠組みである「パリ協定」を重視するからだ。温暖化ガスであるCO2排出量は、LCAで見なければ実質的に減らない。
 欧州は、当面は走行中以外のCO2排出量に目をつむってEVの量産規模を増やし、HEVを中心としたエンジン搭載車とコスト面で競える環境を整える。その後に”LCA規制”を導入して、EVを”真”のエコカーに脱皮させる2段構えの構想が透ける。
・・・以下略・・・
<引用終り>


分かりにくい話ですが、これでこんな規制の謎が解けました。
ディーゼルゲート事件で苦境に立ったVWはじめドイツの自動車産業。EVに活路を求めたのですが、一筋縄でいかないのがEV、特にバッテリー。中国を巻き込んでEV強国を目ざしたが、うまくいかない。
そこで王道であるトータルでCO2削減を目指すよう方向転換。しかしそこで又もや日本勢が出てきた。
上掲図の2枚目、エンジンの熱効率では日本車は既に40%を超える所まで来ている。この競争にVWなどドイツ車も入っていかざるを得ない。その為の時間稼ぎがこんな規制になった。こう見るべきだと思います。

とまあ、ここまで書いて今年5月にエントリーした青森シリーズを思い出しました。青森ではレンタカーとしてプリウスを借りたのですが、それを最後に返却するためガソリンを満タンにして満タン証明をもらわねばいけない。それでレンタカー屋指定のスタンドで給油したのですが、ビックリするほど給油量が少ない。そんな話をスタンドのオジサンに話をしたら、「ガソリン食わないでしょう。これはプリウスだから余計だが、他のクルマでもリッター20キロ位は走りますよ」、こんな話だった。道理で最近ガソリンスタンドがドンドン廃業してゆくなあ、そんなことを改めて感心しました。

  1. 自動車
  2. TB(0)
  3. CM(18)

2019-09-15 10:32

猪瀬直樹は保守の顔をした左翼だった


 猪瀬ポールと言うモノを御存じだろうか。片側3車線でできた日本の大動脈新東名。その3車線をわざわざ「お邪魔ポール」を立てて1車線潰し2車線、合計4車線にしてしまった。
このお邪魔ポールのことを主犯の名前をとって「猪瀬ポール」という。
日本のインフラの歴史に残る百年の愚行である。

2016-2-18猪瀬ポール
この猪瀬ポールについては以下エントリー参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1227.html

尚猪瀬ポールは現在引っこ抜き工事が始まっています。この件は最後に書きます。


所で本題は猪瀬ポールではなく猪瀬直樹のこと。宮崎正弘さんのメルマガの読者の声欄に面白い話が有った。元都知事の猪瀬直樹の必読書が「丸山真男、網野善彦、橋川文三」だとか。
私はこれを読んで、猪瀬直樹がどうにもおかしいやつだと思っていたのが納得できた。猪瀬直樹は保守の顔をしていながら隠れ左翼だったのだ。

何は兎も角、そのHS生、水戸さんの読者の声から見てみたい。

<以下引用>
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 令和元年9月13日(金曜日) 第6193号

(読者の声1)妙に納得したことがあります。雑誌の『PRESIDENT』(10月4日号)に「トップに立つ人、補佐役の必読書」という特集があって、まずは管義偉のそれが吉川英治『宮本武蔵』、堺屋太一『豊臣秀長』。そして、コーリン・パウェル(元国務長官)のリーダーシップ論とか。
問題はその次です。
猪瀬直樹・元都知事が登場し、政治思想で三つ、文学で三つを揚げています。後者は順当ともいえるカズ・イシグロ『日の名残り』とトルーマン・カポーティの『冷血』、そして吉行淳之介の『私の文学放浪』でした。
問題は政治思想で猪瀬があげた三大書物が、丸山真男、網野善彦、橋川文三でした。
日本の戦後思想界の『三莫迦』といわれる人たちが、彼の源流だと知って、なるほど!。
保守の顔しつつ、「革新」的なアイディアだなどと、変なことを言い、西尾幹二氏が「狂人宰相」と名づけた小泉に取り入ったひとですが、彼の謎が、これで解けたと思いました。この話、いかに?
(HS生、水戸)
<引用終り>


この記事を読んで、私は隠れ左翼がどんなことを言っているのか興味が有って、普段は買わないPRESIDENTを買ってきた。

猪瀬直樹、こいつの名前は悪名高い「猪瀬ポール」で知られている。恐らく100年後まで語り継がれる悪行だと思うが、そんな事の一端が分かるかも知れない。こんな奴をどう駆逐するのか、そんな意味もあって買ったPRESIDENT。その内容についてちょっと引用してみます。

2019-9-14猪瀬直樹

本当は菅さんの言っていることがまともで素晴らしいのだが、まあそれはPRESIDENTを買ってみてください(とこれは勝手にコマーシャル)。では悪名高い猪瀬について。
(以下はスキャンし電子化したもの)

<以下引用>
(注:引用文は青色、私のコメントは黒色にしました)

日本近代史の基礎をつくった3賢人の全集を読むべき

五輪招致で痛感、日本人に足りない教養

 自分の殼を破る前に、その殼を形づくるための教養がない日本人が多い。それは、本来教養の基礎を築く大学時代に本を読まなくなっているからです。日本の多くの大学は。いまやただの就職機関に成り果てています。本来教養があるうえでビジネスがあるはずなのに、いまの日本の大学、いや社会は、教養の持つ意味や力について自覚がないのです。

 そもそも教養がなければ正しい現状認識ができない。現状認識がしっかりできていなければ、まともな解決策を打ち出すこともできません。例えば、戦前は天皇主権で戦後は国民主権、戦前は軍国主義で戦後は民主主義という教科書的な捉え方だと、現状を。正しく認識できない。日本はその実、戦前も戦後も官僚主権で、権力の所在がはっきりしないという問題をずっと抱えているのです。

私のコメント:こんな風に「戦前も戦後も官僚主権で、権力の所在がはっきりしない」などと証拠も示さずに断定する。この断定した前提に立って「だからダメなんだと現状否定」、こんな話をするからどんどん話が可笑しくなる。
例えば明治のポリシーは五カ条のご誓文。その第一は
広く会議を興し、万機公論に決すべし
これこそ日本の国体そのもの。そしてこれは敗戦で占領憲法を押し付けられても日本人には連綿と受け継がれている。こんな事は全く考慮していない。これが左翼の特徴だ。

丸山眞男、橋川文三、網野善彦が私の師彦

 こういった国家観、歴史観を捉えるうえでも教養は不町欠です。その礎となる本を、ここに紹介したいと思います。まず、僕の作家としてのテーマである「日本近代史」の基礎をつくった3人の「師」による全集ーー「丸山眞男集」「橋川文三著作集」「網野善彦著作集」。
 
  丸山眞男は戦後民主主義の思想を牽引した政治学者で、いまでも政治思想史の権威。『現代政治の思想と行勲』や『日本の思想』を大学で読んだという人は少なくないでしょう。日本の政治学に「近代」を持ち込んだのは東京大学法学部名誉教授だった彼です。

私のコメント:丸山真男は曲学阿世の徒南原繁と同じ穴の狢(むじな)、1951年のサンフランシスコ講和会議で全面講和を唱えています。この一つとっても彼は「平和を夢見て現実を知らない」ことが分かります。


 その丸山の傍系の弟子にあたるのが、橋川文三。1972年、一度、仕事をしてから僕が25歳のときに明治大学大学院に入学したのは、近代政治思想史を専門とする橋川先生に教えを請うためでした。彼が60年に上梓した『日本浪曼派批判序説』に感銘を受けたのです。同書は[戦前の若い学生たちがなぜ戦争に積極的に参加したのか]を説明した作品ですが、出版当時、戦前は軍国主義で戦後は平和主義という単純な二分法の見方が大勢だったなか、橋川先生は「戦前の学生も戦後の学生と同じようなある種の過激な一体感を求めていた」という共通項を分析した。それがすごく信用できたのです。その延長上で僕は、『昭和16年夏の敗戦』を書くことになります。

 アメリカと戦争をしても勝てるわけがないのに、なぜ無謀な戦争へと突入したのか。戦前戦後で人間が変わるわけがないのだから、冷静にシミュレーションしていたはずだと考えました。調べてみたら、41年に内閣直下の総力戦研究所という機関でシミュレーションが行われ、実際の戦争通りの結果が導かれていたことがわかった。当時、陸軍大臣であった東條英機もこの報告を聞いています。その後、東條内閣が発足するけれど、確固とした意思決定がないまま、戦争に突入していくことになる。決断して始めた戦争ではなく、「不決断」により始まってしまった戦争だったのです。『昭和16年夏の敗戦』はその意思決定のプロセスを解き明かした作品です。先に述べた官僚主権につながる話ですが、日本には国家の意思決定の中枢というものがない。天皇は「空虚な中心」で、明治維新のときから中枢が不在になる可能性があるという制度的な不備がありました。それを元老たちが人治でカバーしていましたが、元老が死んでしまうと、縦割りの官僚機構だけが残った、というわけです。

私のコメント:この対米戦争史観は間違いなく戦勝国史観です。日本が国力で大差のあるアメリカと無謀にも戦争を仕掛けたのではありません。何とか戦争を回避すべく、必死の努力をしていた。しかし全てのことをアメリカに拒否され、最後はハルノートを突き付けられた。
猪瀬直樹は石原慎太郎に仕えていました。その石原慎太郎はこの史実を正確に知っていました。それなのにこんな事を言う。猪瀬にとって石原慎太郎は過去の人なのでしょう。
マッカーサーが米国上院で1951年に証言し、この中で日本が開戦に踏み切ったのは安全保障上の理由だと言っています。
その証言の該当部分、原文と対訳
「Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security.」
「したがって、彼らが戦争を始めた目的は、主として安全保障上の必要に迫られてのことだったのです。」
以下参照ください



 3人目の師である網野善彦は、僕の歴史観という殼を最初に破ってくれた存在です。彼は、日本が江戸時代まで農業社会だったというこれまでの歴史観をがらりと変えた人。江戸時代における日本の人口の8、9割は百姓であると考えられていましたが、「百姓」という言葉には農民以外の生業(製造業や流通業など)に従事する人も含まれていて、そういった人たちが、当時の社会の最上層にいる天皇皇族や神社仏閣ともモノを通じて結びついていたことを紐解いたのです。この歴史観は、天皇という日本独自のシステムに切り込んだ僕の処女作『天皇の影法師』(83年)をはじめとする後の作品につながっていて、網野さんには同書の文庫の解説も書いてもらっています。


『冷血』は僕にとって「新製品」だった

 さて、こういった教養を身に付けたうえで何を読むべきか。まずは作家としての僕の殼を破ってくれたと言える、トルーマン・カポーティの『冷血』です。いまでこそノンフィクションの時代と言われますが、当時の日本はそんな言葉も存在しない、私小説全盛の時代でした。ただ、私小説の題材である結核も貧乏も社会から消えてしまい、新しい方法論への期待も高まっていた。そこに登場したのが『冷血』でした。カポーティは米カンザス州の寒村で生した残虐な殺人事件に興味を抱き、加害者にインタビューしながらその心情へと深く入り込み、ひたすら事件のディテールを再現した。作家の想像力を超える世界がそこにあったからです。『冷血』は、軽くなった「私」へ衝撃をもたらすものでした。僕にとってまさに「新製品」でした。
 
 次に挙げるのは、カズオ・イシグロの代表作である『日の名残り』。20~30年代のイギリス貴族社会とそこで働く庶民の日常が舞台となっている本作は、ある貴族の館の執事長と女中頭の切ない恋の物語です。しかしその時代背景として、第2次大戦へと向かう描写が丹念に書き込まれている。館には、後にイギリス首相となるチャーチルやナチスの高官も訪れ、そこで繰り広げられる秘密会議はヨーロッパの正史そのものです。

 つまりこの作品には、歴史という「公の時間」のなかに「私の営み」が叙情的に描かれている。本作はノーベル文学賞を受賞した作品ですが、一方でなぜ、日本の村上春樹はノーベル賞を取れないのか。それは、この「公の時間」がないから。70年に三島由紀夫が自決して以降、日本の文学は戦後民主主義のなかで「公」を避けるように「私」に向かい、「私だけの空間」になっているのです。

 僕は「公」を取り入れることでしか、日本の文学の閉塞感を脱することはできないと考えていました。その「公」への眼差しが日本の官僚主権的な構造を告発した『日本国の研究』につながり、それを評価してくれた時の総理、小泉純一郎さんによって僕が行政改革・道路公団民営化の道へと歩を進めることになりました。教養をもとに現状を認識したら、自ずと解決策を提示することになっていたわけです。

私のコメント:「日本の官僚主権的な構造を告発した『日本国の研究』」、この多分「官僚悪し論」で小泉純一郎に売り込んだのでしょう。その結果、道路関係四公団民営化推進委員会(平成13年12月~平成17年9月 小泉内閣時代)に委員として猪瀬直樹が潜り込んでいた。この委員会は後の民主党時代の事業仕分けの前身と言ってもいいでしょう。何も知らない、国家観も無いど素人を委員にして何でもいいからカネを削ってしまう。
官僚悪しというなら、ど素人の国家観も無いやつにやらせるのは最悪の結果を招くいい例と認識すべきです。その実例が猪瀬ポール。しかし本人は反省の色が有りません。


日本にはもっと変人が必要だ

 このとき小泉さんという「変人」でなければ、僕を採用しなかったでしょう。変人とは僕のなかで、「自分の固有の価値観で忖度なく意見が言える人」のこと。固有の価値観を育むには、教養が不可欠です。日本には秀才はいっぱいいますが、変人がいない。それは非常に深刻な問題です。東條英機も秀才でした。あの場に一人でも変人がいれば、戦争は避けられたかもしれない。

 2020年オリンピック≒パラリンピックの招致も、秀才だけではできないことでした。I0C委員に東京の摩天楼を見せても懐には入れない。まだオリンピックを開催したことがない都市が立候補しているなかで、東京で2度目をやることの意味、物語が必要だったんです。そこで、僕は自身の代表作である、世界史の中で天皇制を捉えることに挑戦した『ミカドの肖像』の抜き刷り(英語版)を見せた。I0C委員にはロイヤルファミリーに対する畏敬の念があると知っていたからです。

 「わたしの語ろうとしている都市(東京)は、次のような貴重な逆説、〈いかにもこの都市は中心をもっている。だが、その中心は空虚である〉という逆説を示してくれる。禁域であって、しかも同時にどうでもいい場所、緑に蔽われ、お濠によって防禦されていて、文字通り誰からも見られることのない皇帝の住む御所、そのまわりをこの都市の全体がめぐっている」

 これは同書の冒頭にある一節で、口ラン・バルトの『表徴の帝周』より引用したものです。モダン(ビル群)の中に無(皇居)があり、それが禅なのだ、と。つまり、日本の近代とは何かというところを東京の魅力と結びつけてプレゼンし、招致に至りました。時に世界をも動かす。教養にはそれだけの力があるのです。

私のコメント:この天皇の居られるところ(皇居)を無と表現する。これが猪瀬の本質なのでしょう。

 最後にもう一つおすすめの本を挙げます。『私の文学放浪』(吉行淳之介)。吉行さんは男と女がいかに違うかという当たり前のことを上手に説明しています。女の子を口説いて、すぐ振られる男性がいますが、それは男が、女は自分と同じと思っているから。若いとき、とても参考になりました。

<引用終り>


こんな風です。
これを読んで、左翼の本質を考えてみた。彼らは現在の価値観を否定し、家族観を否定し、では対案はと言えば「バラ色の夢物語で実現不可能なこと」。こんな事が本質なのでしょう。但し、自分に対しては大甘。そして多分カネの亡者なのでしょう。


最後に冒頭紹介した猪瀬ポール。丁度現在猪瀬ポールを引っこ抜く作業が始まっています。

2019-9-15新東名の6車線化

丁度今月工事をやっています。これができると6車線化の一部区間では最高速度が120キロになります。長いことかかりました。これでやっと道路も世界に近づくことができます。
但し、上掲地図の左側、新東名の愛知県区間は4車線で完成してしまっており、6車線化は不可能です。猪瀬のせいです。
更に現在工事中の御殿場・海老名艦間(色々工事が難航しているようです)も猪瀬のせいで4車線で工事が進んでいると思います。折角苦労して作っているのに、本当に悔しいですね。

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2019-09-13 19:42

曇り空の中秋節


 今日は旧暦の8月15日、中秋の明月の日だが当地ではあいにくベタ曇り。
まあせめて中秋の名月の気分でもと云う事で。




でもやっぱり中秋の名月と言えばこんなものを思い出す。

これは韓国が中秋節は韓国起源だとパクリ主張した話。

元はよもぎねこさんの2009年の記事から
http://yomouni.blog.fc2.com/blog-entry-2516.html
その記事は
【中韓】 中秋(秋夕)は中国の文化?~新羅の僧が唐に伝えたのが起源★2[09/08]

この記事は二重にパクっている。新羅の僧侶というのは円仁だが、これはれっきとした日本人。
そしてそこを可笑しな風に解釈して中秋節は韓国起源と捏造している。
まあ詳細は元記事参照ください。

この話をいただいて、私もエントリーしたんだが、それがこのエントリー
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-790.html

そして中国人がこのパクリを揶揄して書いたのがこんな絵


此処に書いてある中文(現代中国語)に意味は、ドイツ在住の丸山光三さんが解説されている。

Commented by 丸山光三 さん
TBのリクエストに答えて、訳を、
[中秋节是我们的]>>中秋節は我々のものだ。
[爸爸,月饼要怎么吃呀?]>>パパ、ゲッペイはどうやって食べるの?
[傻孩子,月饼当然是炸了吃]>>馬鹿だねこの子は、ゲッペイは他人のものをせしめて食べるんだよ。

「炸」は、声調によって意味が変わります。二声なら「油で揚げる」です。普通に使用するのは「油で揚げる」ほうです。例、「炸油条」(ヨウテイアオを揚げる)、「炸醤麺」(ジャージャン麺)。

また「炸」には、四声なら「割れる」、「爆破する」、「激怒する」、「騒動が起こる」、などの派生的な意味がありますが、そこに引っ掛けるニュアンスもあるのかもしれません。

しかし、「炸」には口語的に「他人のものを強奪する」という使用法もありますから、このシーンでは、これが実にぴったりですね。


さてここでもう一つの疑問。このイラストに描いてある野球のバットみたいなものは何だろう。

これは警棒、韓国朝鮮人のことを戦前から「高麗棒子(こうらいぼうし、ガオリーバンズ、中: 高麗棒子、拼音: Gāolì bàngzi)」と言っていた。理由は諸説あるが、私が聞いているのはこんなもの。時代は朝鮮半島併合時代に遡る。満州国では警察官に朝鮮人も採用していた。朝鮮人警察官は、主に朝鮮で洗濯に使う棒を武器として警備をし、事実上の支配国であった日本の威を借りて横暴な態度を取っていたため、現地の中国人達は警官の携帯する武器の棒より「高麗棒子」と蔑称した。
この件はWiki参照。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%BA%97%E6%A3%92%E5%AD%90

尚Wikiには書いて無いが、日本人警察官は拳銃を持っていたが朝鮮人には持たせていなかった。理由は朝鮮人に持たせると危険、こうだったと聞いている。

そして・・・。
上掲Wikiにはこんなポスターが紹介されている。
2019-9-13高麗棒子ポスター
Wikiの説明では
「万宝山事件後の朝鮮人報復事件に際して中国で発行された排日ポスター。旭日旗を持った朝鮮人が中国人を虐殺している様子を描いており、当時の中国人の朝鮮人観が表現されている。」

なるほどねえ、この時代は朝鮮人は「日本の威を借りて横暴な態度を取っていた、その象徴が旭日旗だった」、こんな歴史がある訳だ。

これが有るので韓国人が旭日旗を見ると火病を起こすわけだ。
ベタ曇りの中秋の名月、そんな雲を見てこんな事を思い出しました。

  1. 社会一般
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2019-09-11 21:19

日本人が知らない北米左翼の恐ろしさ<9.11の事例


 昨日、アメリカの大学の左傾化についてエントリーした。
アメリカの大学の左傾化が猖獗を極めている  2019-09-10 21:30」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1677.html

所で今日は9.11、この9.11について、筑波大学の掛谷英紀氏が大紀元に興味深い事例を紹介している。
その該当部分を紹介したい。

紹介するのは掛谷英紀氏の8月26日付 大紀元のコラム。「日本人が知らない北米左翼の恐ろしさ  2019年08月26日 」

ではいきます。

<以下引用>
掛谷英紀コラム
日本人が知らない北米左翼の恐ろしさ
2019年08月26日 17時43分

 ソ連などを例示して共産主義の間違いを指摘すると、未だ本当の共産主義は実現されていないと反論する人がいる。しかし、これまで共産主義を目指した国は数多くあり、その企ては全て失敗した。再度挑戦するなら、過去の失敗の原因を究明して、それを修正する必要がある。ところが、そういう真摯な姿勢の左翼はいない。ソ連や東欧が失敗したら、次はベネズエラを称賛する。ベネズエラが失敗したら、それに触れないようにする。だから失敗を繰り返す。

こんな書き出しで始まる
・・・中略・・・

日本では文系の大学教授の左傾化が顕著だが、これは世界共通の現象である。北米も例外ではない。そうした左翼教授たちの思想の本質を垣間見ることができるエピソードを一つ紹介しよう。

ルービン・リポート(Rubin Report)という米国のインターネット番組がある。番組ホストのデイブ・ルービン(Dave Rubin)はゲイ男性で同性婚もしている。このプロフィールからすると、彼は左翼ではないかと思われるだろう。実際、この番組は開始当初、ザ・ヤング・タークス(The Young Turks)という左翼系のインターネットテレビ局で放送されていた。しかし、ルービンは左翼の欺瞞と暴力性に気づき、そこから離れて左翼を批判するようになった。彼は自らをクラシカル・リベラルと称しているが、今ではリベラルを自称する左翼たちから激しいバッシングを受けている。

昨年10月、そのルービン・リポートのゲストにオタワ大学の教授ジャニス・フィアメンゴ(Janice Fiamengo)が登場した。そこで彼女は左翼教授たちの恐ろしさを示す貴重な証言を行った。彼女はもともとフェミニストとして左翼活動に従事していた。左翼からの転向組という点で、ルービンと共通している。

番組でルービンはフィアメンゴ教授に転向のきっかけを尋ねた。彼女は2001年の9.11同時多発テロだと答えた。そのエピソードが強烈である。当時、彼女はサスカチュワン大学の教員だった。テロのニュースを見て彼女は動転していたが、周りの教授たちはいかにも嬉しそうでbarely contained sort of vaunting pleasure)、満足気だったcertainly a kind of satisfaction)というのである。実際、テロが起きてから1時間も経っていないとき、出くわした同僚は彼女の前でこう言ったそうである。「ざまあみろThey’ve got what they deserved.)」と。

つい最近も、ザ・ヤング・タークスのコメンテータであるハサン・パイカー(Hasan Piker)が「アメリカにとって9.11は当然の報いだAmerica deserved 9/11.)」と自らのネット配信動画で語ったことが話題になった。左翼中核層のこうした本音を直に聞けば、浮動層は左翼運動と訣別することができるだろう。

米国にはアンティファ(Antifa)と呼ばれる集団がある。C.R.A.C.(元レイシストしばき隊)の米国版というと分かりやすいかもしれない(アンティファの方が歴史は古く、本家である)。実際、C.R.A.C.にはアンティファを真似ている部分が多く見られる。

アンティファは保守系の人間が大学で講演会をすると聞くと、その大学のキャンパスに押しかけて妨害するなどの活動を繰り返している。最近は、活動が過激化しており、人に向かって暴力を振るうこともしばしばである。
・・・以下略、詳細はリンク先参照ください・・・
<引用終り>


この9.11は私もテレビで映像を生で見ていたのだが、とんでもない衝撃だった。

2019-9-11悲劇の写真9-11

このような大事件の報道に接し、「ざまあみろ(They’ve got what they deserved.)」とか「アメリカにとって9.11は当然の報いだ(America deserved 9/11.)」、こんな事が言える。これの異常さはアメリカ人でなくてもわかると思う。
これが左翼の本音であること。こんなことを我々も良く知っていくべきでは無いだろうか。


以下はオマケ。
掛谷英紀氏のコラムは大変面白いので、以下参考までに全文引用します。

<以下全文引用>
https://www.epochtimes.jp/p/2019/08/46354.html
掛谷英紀コラム
日本人が知らない北米左翼の恐ろしさ
2019年08月26日 17時43分

 ソ連などを例示して共産主義の間違いを指摘すると、未だ本当の共産主義は実現されていないと反論する人がいる。しかし、これまで共産主義を目指した国は数多くあり、その企ては全て失敗した。再度挑戦するなら、過去の失敗の原因を究明して、それを修正する必要がある。ところが、そういう真摯な姿勢の左翼はいない。ソ連や東欧が失敗したら、次はベネズエラを称賛する。ベネズエラが失敗したら、それに触れないようにする。だから失敗を繰り返す。

理工系の分野で研究開発に携わる人間は、失敗すればその原因を徹底的に洗い出し、それらを修正してから次の実験を試みる。でなければ、いつまで経っても目的を達する技術は完成しない。そういう習性もつ我々からすると、同じ失敗を何度も繰り返そうとする行動原理は全く理解できない。理工系で左翼思想に嵌る人が稀有なのはそのためだろう。

もちろん、もともと社会の破壊と自らの独裁を目指す人にとっては、過去の共産主義国の試みは成功であって失敗ではない。だから、左翼中核層は同じことを繰り返そうとする。一方、左翼浮動層は「理想の社会」を目指しているが、単に考えが足りないので、同じ失敗を繰り返す。

昔の共産主義と今の左翼は違うと反論する人もいる。しかし、特に北米の左翼運動を見ていると、人を物扱いし、人命を著しく軽視するという点で、今の左翼も過去の共産主義国指導者と本質的に同じ思想を持っていると考えざるをえない。

今年5月、米国のジョージア州で6週を過ぎた胎児の中絶を禁止する法案が、そしてアラバマ州では一切の中絶を禁止する法案が通ったことは、日本でも広く報道された。米国の保守派が極端な主張に走っているという印象を受けた人も多いだろう。しかし、その前にブルー・ステイト(Blue State, 民主党が強い州)で、逆の極端な動きがあったことを日本の大手メディアは伝えていない。それを知っていれば、このニュースは全く違ったものに見える。

妊娠中絶をどの時点まで認めるかは、国や州によって異なるが、一定の限度を設けているのが普通である。ところが、この制限の撤廃を求める左翼運動が勢いを増している。その結果、今年1月、バージニア州とニューヨーク州で出産直前までの中絶(late-term abortion)のハードルを下げる法案が通った。そこで議論になったのが、中絶手術に失敗して生きたまま出てきた場合はどうするかということである。左翼運動家たちは、その場合は殺していいということまで言い出しているのである。

こうした主張を見ると、人間を物扱いにする共産主義の唯物論的思想を今の左翼も受け継いでいると考えるのが妥当だろう。アラバマ州やジョージア州の動きは、こうしたブルー・ステイトの極端な動きへの反動として出てきたものなのである。

日本では文系の大学教授の左傾化が顕著だが、これは世界共通の現象である。北米も例外ではない。そうした左翼教授たちの思想の本質を垣間見ることができるエピソードを一つ紹介しよう。

ルービン・リポート(Rubin Report)という米国のインターネット番組がある。番組ホストのデイブ・ルービン(Dave Rubin)はゲイ男性で同性婚もしている。このプロフィールからすると、彼は左翼ではないかと思われるだろう。実際、この番組は開始当初、ザ・ヤング・タークス(The Young Turks)という左翼系のインターネットテレビ局で放送されていた。しかし、ルービンは左翼の欺瞞と暴力性に気づき、そこから離れて左翼を批判するようになった。彼は自らをクラシカル・リベラルと称しているが、今ではリベラルを自称する左翼たちから激しいバッシングを受けている。

昨年10月、そのルービン・リポートのゲストにオタワ大学の教授ジャニス・フィアメンゴ(Janice Fiamengo)が登場した。そこで彼女は左翼教授たちの恐ろしさを示す貴重な証言を行った。彼女はもともとフェミニストとして左翼活動に従事していた。左翼からの転向組という点で、ルービンと共通している。

番組でルービンはフィアメンゴ教授に転向のきっかけを尋ねた。彼女は2001年の9.11同時多発テロだと答えた。そのエピソードが強烈である。当時、彼女はサスカチュワン大学の教員だった。テロのニュースを見て彼女は動転していたが、周りの教授たちはいかにも嬉しそうで(barely contained sort of vaunting pleasure)、満足気だった(certainly a kind of satisfaction)というのである。実際、テロが起きてから1時間も経っていないとき、出くわした同僚は彼女の前でこう言ったそうである。「ざまあみろ(They’ve got what they deserved.)」と。

つい最近も、ザ・ヤング・タークスのコメンテータであるハサン・パイカー(Hasan Piker)が「アメリカにとって9.11は当然の報いだ(America deserved 9/11.)」と自らのネット配信動画で語ったことが話題になった。左翼中核層のこうした本音を直に聞けば、浮動層は左翼運動と訣別することができるだろう。

米国にはアンティファ(Antifa)と呼ばれる集団がある。C.R.A.C.(元レイシストしばき隊)の米国版というと分かりやすいかもしれない(アンティファの方が歴史は古く、本家である)。実際、C.R.A.C.にはアンティファを真似ている部分が多く見られる。

アンティファは保守系の人間が大学で講演会をすると聞くと、その大学のキャンパスに押しかけて妨害するなどの活動を繰り返している。最近は、活動が過激化しており、人に向かって暴力を振るうこともしばしばである。

実際、今年6月には、オレゴン州ポートランドでアンティファを取材していたフリージャーナリストのアンディ・ノー(Andy Ngo)が激しい暴力を受け、集中治療室に運ばれるほどの大けがを負う事件が起きた。ポートランドはアンティファの主要拠点の一つであり、警察も手を出せないほどの状況になっている。

左翼は、社会的弱者やマイノリティの味方であると自称する。しかし、それが欺瞞であることは昔も今も変わりない。現実には、彼らは自分の政治イデオロギーに都合のいい弱者やマイノリティしか保護しない。自分に都合の悪い弱者は容赦なく潰す。実際、自分の邪魔になる新生児は殺していいと平気で言う。9.11同時多発テロを喜ぶ。被害者のことなど全く顧みない。性的マイノリティ(ゲイのデイブ・ルービン)や人種マイノリティ(ベトナム系2世のアンディ・ノー)であっても、左翼イデオロギーに従わないものには容赦しない。

左翼運動に騙されないために必要なことは、彼らが何を言っているかではなく、何をやっているかに注目することである。弱者の味方を騙るが、現実には自分に従わない弱者には敵対する。多様性が大事だと言うが、左翼イデオロギーに従わない人間の言論は弾圧する。そうした行動に着目すれば、左翼中核層が目指すものは全てが自分の思い通りに動く独裁的な社会であることに気づくはずである。

執筆者:掛谷英紀

筑波大学システム情報系准教授。1993年東京大学理学部生物化学科卒業。1998年東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了。博士(工学)。通信総合研究所(現・情報通信研究機構)研究員を経て、現職。専門はメディア工学。特定非営利活動法人言論責任保証協会代表理事。著書に『学問とは何か』(大学教育出版)、『学者のウソ』(ソフトバンク新書)、『「先見力」の授業』(かんき出版)など。

<引用終り>

  1. 社会主義・共産主義
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2019-09-10 21:30

アメリカの大学の左傾化が猖獗を極めている


 アメリカの大学が無茶苦茶左傾化していることは聞いていた。
最近もこんな本が出版され、その左傾化の事例には正直ビックリを通り越したモノがある。

2019-9-10アメリカのバカデミズム
Jason Morgan (原著), ジェイソン モーガン (著)

この本は今月1日に出版されたばかりなのだが、数日前に所用で名古屋に行った折、駅前の三省堂へ立ち寄ったら見かけたので買ってきた。
まあ本の題名は過激なものだし、どうかと思えるような感じなのだが、内容は著者本人が体験した事例がたくさん紹介されており、アメリカの現状を理解するうえでたいへん面白い。

アメリカの大学の左傾化は、今まさに猖獗を極めている、そんな状況なのだ。


そんな事が良く分かる記事がネットに有った。

アメリカ で共和党を支持する大学生の73%は、成績に影響するとの恐れから学校で自分の政治的意見を隠している、ことが判った。
保守層に対して敵意を剥き出しにする大学教員が大勢いる。そんな事でこんな事が起こっている。
これでは大統領選挙で隠れトランプ支持者がいたことと繋がる話ではある。

こんな記事。

2019-9-10アメリカの事例

(英文です)

尚「Grades」という言葉が出てきます。普通の意味は等級とか学年ですが、ここでは「成績の評点」でしょう。
英文を読んでみると、この調査は保守支持の学生1000人を対象に行われており、その学生の73%が政治的見解を隠している。こういう結果だということです。

尚その質問がどんな風化というと
成績の評点で苦しむのを恐れて、クラスでの政治的見解の表明を控えたことが有りますか

こんな質問なので、答えが偏るのも無理はない。そう理解したうえでこの数字を見るべきかと思います。それだとしても、保守的思想の人の7割以上が、自分の思想を隠している。これが異常でなくて何なのでしょう。
アメリカの未来は暗澹たるものが有ります。

日本も大学の左傾化が問題で、しかもお役人様の中に面従腹背がモットーの左翼人間が官僚のトップにまで上り詰める。

日本もアメリカの赤狩りが必要です。

  1. 教育
  2. TB(0)
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2019-09-07 15:50

ラオスのダム事故、その後


 韓国の文在寅大統領が国賓としてラオスを訪問している。
一寸待てよ、去年7月にはラオスで深刻なダム崩壊事故があり、たくさんの死者・行方不明者を出したはず。おまけに工事をやった韓国のSK建設は事故の責任を認めず、あれは不可抗力だから知らんと言っていた筈。この一件どうなったのだろう。

ちょっと気になったので調べてみた。

尚あちこちの記事を引用しているため、引用文は青色、これに対する私のコメントは黒色にしてあります。

では最初に今人気絶賛暴落中の寅さんについて、韓国の報道から
<以下引用>
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190905-00000058-yonh-kr
韓国・メコンの共同繁栄へビジョン発表 文大統領
9/5(木) 20:59配信 聯合ニュース
2019-9-6分際寅
韓・メコンビジョンを発表する文大統領=5日、ビエンチャン(聯合ニュース)
【ビエンチャン聯合ニュース】ラオスを国賓として訪問している文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領は5日、首都ビエンチャンでメコン川整備事業の現場を訪問し、ラオスなどメコン川流域国と韓国の共同繁栄に向けた3大構想「韓・メコンビジョン」を発表した。

 同ビジョンでは、韓国の農村発展や第4次産業革命への対応といった「開発経験の共有」、メコン川の豊富な資源をバイオ、医療などのグリーン成長に生かす「持続可能な繁栄」のほか、「東アジアの平和と共生繁栄」の三つを掲げた。
・・・以下略、詳細はリンク先参照ください・・・
<引用終り>

しかし1年前の事ながら、あんな大惨事を引き起こして、よくもまあ平然と言えるものだ。
昔こんな人を称して、こんな事を言う人(某さん)がいたなあ。
某さん「こんな奴のことを、カエルのションベン(小便)て言うんだ」
私「カエルのションベン??、何それ」
某さん「カエルのションベンはなあ、”いけしゃあしゃあ”て言うんだ。池シャアシャア、な、カエルのションベンだろ」
一席のお粗末はこれまで(笑)。

本題に戻ります。

韓国はラオスに対し、事故原因を曖昧にしたままで決着を図るべく、援助金を支払うことにしたようです。

<以下引用>
http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&Seq_Code=73023

ラオスのダム決壊地復旧に1150万ドル支援 韓国政府
Write: 2019-08-14 14:02:09 /

 ラオスのダム決壊地復旧に1150万ドル支援 韓国政府
Photo : YONHAP News

東南アジアのラオス南東部で去年7月、韓国企業などの合弁会社が建設していた水力発電所のダムが決壊し、被災した地域の復旧事業に、韓国政府が1150万ドルを支援することになりました。
韓国政府の対外無償協力事業を担当するKOICA=韓国国際協力団のラオス事務所が14日、発表したところによりますと、被災地のアッタプー県の復旧事業に、ことしから2023年にかけて合計1150万ドルを無償で支援します。
このため、来月末からラオス政府の関係者や専門家らを交えて事前調査を始める予定です。
復旧事業は、保健、教育、職業訓練、児童保護、災害危機管理の5つの分野に分けて、ユニセフ=国連児童基金など国際機関と協力して進められます。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、去年11月のシンガポールでの東アジア首脳会議に合わせて行ったラオスのトンルン首相との会談で、「事故原因の調査結果がどうであれ、韓国は再建、復旧支援のために最善を尽くす」という方針を伝えています。
ラオスでは去年7月23日、韓国のSK建設などの合弁会社が建設していた水力発電所のダムが決壊し、5億トンもの水が一気に流れ出たため、アッタプー県の多くの村が洪水に見舞われ、数十人が死亡または行方不明となりました。
韓国政府は事故直後、緊急救援隊を派遣するなど復旧支援を続けてきました。
<引用終り>


この件の裏には、ラオス政府が国際大ダム会議に委託した専門家による調査が終わり、この事故は人災であるという結論、つまり事故は杜撰な工事によるものという報告が出たことがあるようです。
所がその「国際大ダム会議」の調査報告は、ラオス政府に提出されたものの公表されていません。韓国側が反発してることもあるのでしょうが、さすがこれがラオスです。

ラオスは皆さん忘れていますが、パテト・ラオの国です(古いなあ、ベトナム戦争頃からですね)。共産党一党独裁支配の社会主義国。これを忘れてはいけません。

そしてこの国際大ダム会議の報告書、プレスリリースは有りますが、犠牲者への哀悼の意を表したもののみ。事故原因の報告は公表されていません。
よくよく都合が悪いようですね。
ラオスは水力発電を国家の基幹産業にしています(東南アジアのバッテリー政策)が、この事故が他のダムプロジェクトに波及するのを恐れたと見られます。


ではその報告書が出た時(今年の5月末)の日経記事

<以下日経より引用>
ラオス、ダム決壊事故「不可抗力とは見なせない」 独立専門家委 
2019/5/29 19:06

【バンコク=岸本まりみ】ラオス南部で2018年7月に発生した建設中のダムの決壊事故で、国際大ダム会議(ICOLD)の代表者らで構成する独立専門家委員会は「不可抗力と見なすことはできない」と結論づけたと明らかにした。29日、ラオスの地元紙が報じた。「降り続いた大雨が原因」としていたSK建設など韓国企業側の主張を退けた。

 ラオスのダム決壊事故で避難する住民
2019-9-6ラオスのダム事故

ラオスの国営通信によると、専門家委は「決壊前の数日の雨量がかなり多かったとしても貯水量は上限を下回っていた」と報告した。根本的な原因は水漏れによる基礎の浸食と軟化だとして、不可抗力とは見なせないとした。

韓国メディアによると、SK建設は「科学的な根拠を欠いた調査結果で同意できない」と反論した。「漏水がダム崩壊の原因ならば、事故前にダムの下部で大量の土砂流出が目撃されるはずだが、そうした事実は無い」と主張した。

決壊したラオス南東部のアッタプー県のセピアンセナムノイダムは韓国大手財閥SKグループのSK建設と韓国西部発電、タイ政府系の発電大手ラチャブリ電力、ラオスの国営企業が合弁で建設していた。少なくとも住民ら40人以上が死亡、7000人以上が避難したとされる。

ラオス政府は事故直後、スイスやモロッコ、カナダからICOLDの有識者を招き、原因究明を急いでいた。専門家委は3度にわたる現地視察などを通じ、結論をまとめた。

<引用終り>


どうも何か胡散臭いことが裏に有りそうな話が続きましたが、死者数などが政府発表とは違う何かがありそうです。
日経では
>住民ら40人以上が死亡、7000人以上が避難した
こうなっています。これが公式発表なのだが、普通はこんな時「死者・行方不明者何名」と書くのだが、行方不明者数が書いて無い。
例えば下で引用している「Collapsed Lao dam ‘was built on a sinkhole’」では「少なくとも800人が殺された」と言っているし、日本語版wikiでは「行方不明者は少なくとも1100名」になっている。
膨大な行方不明者がいるようなのだが、そこはラオスが共産党の独裁国家。死者が増えれば、他の発電プロジェクトにも悪影響が出ることを懸念してこうなっているらしい。これが共産主義・社会主義国家である。



さてそこで韓国の報道だが、韓国人の常として、自分に都合の悪いものは絶対受け入れない。どんな詭弁を使っても否定する。そんな報道がある。
この件は以下参照(韓国報道です。当然ながら韓国の言い分しか書いていません

<以下引用>
「ラオス補助ダム崩壊、防げた」という発表に韓国建設会社「同意できない」
2019年05月29日09時09分 
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] 

  昨年7月、ラオス南部で大規模な人命被害を引き起こした水力発電所補助ダム崩壊事故が不可抗力的なものではなかったという調査結果が出た。施工者であるSK建設は科学的根拠が欠如した結果だとし、同意できないと反発した。 

  28日、国営パテト・ラオ通信(KPL)によると、ラオス国家調査委員会はこの日、セピアン-セナムノイ水力発電所補助ダム崩壊事故に対する独立専門家委員会(IEP)の調査の結果、不可抗力的な事故とみることはできないという結論が出たと明らかにした。 

  IEPは、昨年7月23日に発生した崩壊事故前の数日間、集中豪雨に見舞われたが、崩壊が始まった時にダムの水位が最高稼働水位にも達していなかったとしながらこのような結果を出した。それと共に、ラテライトで築いた補助ダムに微細な水の通り道が存在し、漏水による内部侵食が発生して基礎地盤が弱まったことが根本原因だと指摘した。 

  IEPは「適切な措置で防げた崩壊事故ということで疑いの余地がない」と明らかにした。死者40人、行方不明者66人、罹災民6000人余りが発生した当時の事故が人災という意味に解釈される。 

  これについてSK建設はこの日、安宰ヒョン(アン・ジェヒョン)代表理事の名義でコメントを出し、「IEPの調査結果は事故前後に実施した精密地盤調査結果と一致しないなど科学的・工学的根拠が欠如している」としながら「経験的推論に過ぎない調査結果に同意することはできない」と反論した。 

  続いて「今回の調査にオブザーバーとして参加した韓国政府調査団と世界有数のエンジニアリング専門企業なども、IEPが明らかにした事故原因と異なる意見を持っている」とし「今後、明確な事故原因究明のためにラオス政府の原因調査および検証が客観的で公正な手続きで進められるよう求める」と明らかにした。 

  SK建設は「深層的かつ追加的な検証を通じて、すべての専門家が同意できる結果が導き出されるように最善の努力を尽くす」とし「当社は今回の結果発表とは関係なく、過去10カ月間行ってきたように、被害の復旧と補償のために最大限の努力を尽くす」と付け加えた。
<引用終り>

この件はバカバカしいのでコメントを差し控えます(と菅官房長官風に)。次の団藤保晴さんの記事とそのコメントで大体わかると思います。


さてここからが事故原因の分かるもの。団藤保晴さんの記事。

<以下引用>
ダム崩壊の原因究明、韓国がズサンで被災者放置
団藤保晴  | ネットジャーナリスト、元新聞記者
6/1(土) 7:00

 昨年7月、ラオスで起きたダム崩壊の原因を調べた政府調査委は「不可抗力と言えず、ダムの建設地盤が不適切」と結論。これを拒否する施工の韓国SK建設はズサンな対応を続け、被災者が救済されない惨状が続きます。日本語で読めるニュースは中央日報の29日付《「ラオス補助ダム崩壊、防げた」という発表に韓国建設会社「同意できない」(注:上掲記事)》ですが、読んでも意味不明の内容です。3月20日にラオスのバウントンチットマン副首相が地盤不良と言明したrfa.orgの記事を見ると、米スタンフォード大研究者の分析に依拠しているので、分析を詳報したASIA TIMESの《Collapsed Lao dam ‘was built on a sinkhole’》から見ましょう。

2019-9-6ラオスのダム事故1

 スタンフォード大のリチャード・ミーハン氏はラオスの隣国タイでダムを設計・施工した経験があり、今回のダム崩壊について解析を発表しています。上の模式図はミーハン氏が描いた図で、もとの図は断面図と平面図(?)の境目が無かったので見やすいように水面上部の補助線を入れました。

 崩壊したダムはダム湖の貯水面積を稼ぐための補助ダムであり、メインダムにほど近い谷間に700メートルにわたって架けられました。ダムの西端部が設けられた場所が沈み込む穴のような地形であるとミーハン氏は主張します。この場所には古い盆地があり、雨期になると深さ1-4メートルの水を湛えていたと言います。ダムは現地の赤土を盛って表面をアスファルトで覆っただけのアースフィルダムであり、盛土は吸水性に富んでいます。ダムの貯水が進むとダム湖の底は20メートルもの水圧に晒され旧盆地の底から水が漏れる経路が出来て大量洩れにつながり、やがてダムの基盤部も浸食して崩壊に至ったとの主張です。

 ラオス副首相は「この地質が事前に分かっていればダムの建設を許可しなかっただろう」と言っています。

2019-9-6ラオスのダム事故2

 決壊した補助ダムの代わりに「1キロ離れた谷に長さ400メートルのコンクリートダムを建設中」と伝えられていますから、上の地図のグリーンの線あたりになるでしょう。

 しかし、施工業者のSK建設は《「調査結果は事故前後に実施した精密地盤調査結果と一致しないなど科学的・工学的根拠が欠如している」としながら「経験的推論に過ぎない調査結果に同意することはできない」》と反発し、受け入れようとしません。調査委の認定では「ダムの水位は最大貯水レベルよりも十分低かったのに崩壊した」点も論拠とされ、これは下の、崩壊直前に満水になっている現場写真と明らかに矛盾します。

2019-9-6ラオスのダム事故3

 どうやら調査委はメインダムでの水位を基準に議論しているようです。第594回「決壊ダム高さ、コスト削減で6.4メートルもカット」で伝えたように、基本設計を大幅に変更して低い補助ダムを建設した事実をSK建設はきちんと説明しなかったのでしょうか。6.4メートルも低いダムだったのでSK建設が言うように大雨で氾濫、越流が起きた可能性もあるのですが、地域の降雨特性なども勘案して考えられた基本設計に手を付けたのが後ろめたいのでしょうか。この件に限らず韓国が関わると事件事故の細部を詰め切っていないズサンがよく発生して困ります。

 《SK建設は「深層的かつ追加的な検証を通じて、すべての専門家が同意できる結果が導き出されるように最善の努力を尽くす」とし「当社は今回の結果発表とは関係なく、過去10カ月間行ってきたように、被害の復旧と補償のために最大限の努力を尽くす」と付け加えた》そうですが、いつまでも責任が確定しないズサンさのために被災者への補償や日常ケアは良好とは言えません。

 ◇被災者救済の現状は落第点

 ASEAN Todayの3月4日付《Are recovery efforts for the Lao dam collapse failing local communities?》は人的被害を政府による数字として「死者40人、行方不明31人、7000人以上が立ち退き」としていますが、死者行方不明は800人に上るとする民間団体もあります。

 《先月、ラオス政府の特別任務全国救済委員会は、ダム開発事業者に、当局が正式に死亡または行方不明を宣言した71人のそれぞれの家族に1万ドルを支払うように命じました。金額は昨年8月に最初に提供された 176米ドルよりはるかに優れていますが、これでもまだ不十分です》

 この他に事業者側から提供されたのは仮設住宅用に80万ドル、救援活動の資金として1000万ドル、これと別にSK建設から1000万ドルの寄付があったと言います。こうした資金から洪水で立ち退いた避難民には月に20キロのコメと11.66米ドル、さらに1日当たり0.58米ドル相当の食料が与えられるのですが、食料供給は足りていません。

 復興に向けて大きな問題があります。安全上の懸念から生存者は元の低地から乾燥した丘の中腹に移動することになり、これまでのように稲作で生きていけません。タピオカの原料であるキャッサバ芋を作ることになり、換金性は良いのですが市況の変動に踊らされて地域社会の生活が様変わりしてしまいそうです。何より食料自給が出来ません。

 金額面だけ見ても十分な補償とはとても言えないと思いますし、本格的に治水工事をしてでも稲作を続ける基盤は整備すべきでしょう。

<引用終り>

この記事の要点は《Collapsed Lao dam ‘was built on a sinkhole’》を見ないと分かりにくいのですが、このダムはsinkhole=陥没穴の上に建設されたと書いてあります。しかし団藤保晴さんの記事では陥没穴と書いてあったり、盆地と書いてあったりします。
多分こんな地形なので、自然にできた窪地が色々あって、大きいものは池になり、小さいものは雨季には池、乾季には干上がって窪地、こんなものでしょう。

こんな地盤を何ら改良もせず、そのまま土を盛って作ったのが今回の決壊ダムだった。
こう言って良いかと思います。
この記事の一枚目の図は、こんな風に土を盛ったので、その境界の所から水が漏れるということを説明しています。

尚2枚目の地図で決壊個所と新たに作っているコンクリートのダム(緑色の線)を説明していますが、決壊ダムの左上に伸びるダム湖は工事以前から池でした。この一帯は起伏があるので、へこみ部分は池になったり、窪地になったりしていることが分かります。
この件は以下エントリー参照ください


そして3枚目の写真、ダムの上部(天端(テンパ)という)が陥没しています。これはダムの下の部分から水が漏れだして土を流したので、だるま落としのようにドスンと堤体が下がったということのようです。
この写真は以前から報道されており、意味が良く分からなかったのですが、今回の池の上に底部を作ったという話で私も納得しました。


結論です。今回のダム事故はSK建設が陥没穴とも池とも言えるところに何ら対策もせず、ずさんな工事をしたため起こった事故だった。勿論ダムの高さを設計より6.4mも下げて作ってしまったことも問題ですが、そこへ行く前にダムが崩壊してしまったということでした。

しかし韓国はラオス側の弱み(他のプロジェクトに波及したら大変な事になる)もあり、いい加減な事で幕引きを図ったと思われます。
そんな事が、冒頭のムンムンの「いけシャアシャア」演説になったと思います。


ラオスのダム決壊事故については以上ですが、堤防を池の跡に作ってしまい、そこがそっくりガバっと崩壊した、こんな結論を読んで日本でも昔こんな事例があったことを思い出しました。



昭和51年(1976年)9月12日、岐阜県の長良川堤防が豪雨の影響で破堤。大惨事となった。
間もなくそのメモリアルデー。もう43年にもなるんですね。早いものです。

堤防決壊の様子
2019-9-7長良川水害1

航空写真
2019-9-7長良川水害2

写真の上の方に斜め上に伸びる線が東海道新幹線です。堤防決壊は新幹線長良川鉄橋の下流300mで起こりました。
写真下には名神高速道路が写っています。
新幹線からでも名神高速道路からでも被災地が見えました。ご記憶の方も多いと思います。

この事例を紹介したのは、この破堤の原因調査で浮かび上がってきた古い池の存在。この破堤した箇所にはこの堤防ができる前は丸池という幅約60m、深さ約4mの池があったが、堤防改修でこの池の上に堤防が出来てしまった。そして破堤はこの古い池の底部に沿って堤体がドサッと流されていた。
そんなことが明らかになったからです。以下報告書参照ください。

このレポートでは言及していませんが、この池自体が古い河道の跡だったようです。

こんな歴史は土木関係者なら知っていると思うのですが、まあ韓国には歴史は有りませんから、どうしようも無いでしょう。
でもこうしてみると、事故の原因は案外共通するところがあると痛感します。

丁度台風シーズンになります。こんな機会の身の回りを見渡して、安全を考えるのもいい機会かもしれません。
ラオスのダム災害から別の所に飛んでしまいました。ダムの話はここまでに致します。

  1. ラオス
  2. TB(0)
  3. CM(6)

2019-09-04 15:22

与太話の裏を読むと見えてくるもの


 8月31日にこんなエントリーをした。
東京新聞記者の罵詈雑言 2019-08-31 15:28
此処に裏の桜さんから「伏線(与太話)があったんですよ」というコメントをいただいた。
そこでその与太話について考えてみたい。

最初にその罵詈雑言から

2019-8-31東京新聞佐藤圭1

2019-8-31東京新聞佐藤圭2


さてその「伏線(与太話)があったんですよ」という与太話とは

山崎 雅弘
近いうちにNHKニュース9の冒頭で唐突に「こうすれば飼料用トウモロコシでも美味しく食べられます」というレシピ紹介の企画が「ニュースという体裁」で流れても驚かない。いま首相官邸は必死に「飼料用トウモロコシを国内で大量消費する方法」を官僚に捜させているだろう。
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1165869693543936000


山崎 雅弘
先の戦争で戦局が悪化した後、大日本帝国政府が自国民にどんなものを喰わせていたかを考えれば、その精神を継承する政権とメディアがこの程度のことをしてもおかしくないという話です。除染した土壌を農地造成で再利用する、なんてことを平気でやってしまうのが今の政権です。
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1166213889521905664


このツイッターの山崎 雅弘なる人物をプロフィールで見てみると、「戦史/紛争史研究家。政治問題の論考も新聞・雑誌に寄稿」となっている。『歴史群像』(隔月刊行)誌に毎号寄稿しているとの事。
著書の内容を調べてみると、相当左がかった御仁のようだ。

まあ、右でも左でも、キチンと事実関係を把握していればまだましなのだが、本人は自分の思いこんだことが真実と信じ込んでいると見える。
しかし如何妄想したら『飼料用トウモロコシを食用にする』、こんな発想が出てくるのだろうか。

本人は「先の戦争で戦局が悪化した後、大日本帝国政府が自国民にどんなものを喰わせていたかを考えれば・・・」
この御仁の頭の中は、「大日本帝国=侵略者=悪、日本国=平和主義=善」、こんな事で凝り固まっている。例えば食糧難で食べるものに事欠く、これは戦中もそうだが、酷かったのは戦後。こんな事は山崎雅弘は当然体験していないが、父母・祖父母に聞けばわかる話。
この御仁が頭の中の妄想で書いていることが良く分かる。

尚、敗戦国が食糧難・飢饉になるのは、今はやりの言葉でいえばサプライチェーンがズタズタに壊れてしまうから。
その典型が日本もだが、ドイツなどはもっと悲惨だった。
ドイツでは戦争が終わってから300万人が死んだ(Nigel Jones著「ライヒが崩壊してから」による)とか、東側からのドイツ人追放で210万人以上が死んだ(Wiki「ドイツ人追放」による)とか色々ある。
特に問題なのは、戦後処理を方向づけた「モーゲンソープラン」である。
この計画で、ドイツは工業国から農業国にすることになり、戦後も残っていた工業力を壊滅させられた。また石炭の産出量も極端に制限され、ドイツでは暖房用の燃料にも事欠くようになった。


そしてそのモーゲンソー・プランのWikiにはこんな記述もある。
敗戦前のドイツは、工業製品を周辺諸国に販売し不足する農作物輸入に充てていたが、機械を奪われてそれができなくなり、敗戦後のドイツは飢饉に襲われた。カナダ人研究家ジェイムズ・バックの『Crimes and Mercies』によれば、戦後5年間で、ドイツ国内の民間人570万人、東部ヨーロッパから排除されドイツ本土に戻ったドイツ系250万人、戦争捕虜110万人、合計およそ900万人が死んだとされており、実際の死者数はこの数字をかなり上回るはずである。


この記述、まさにアッと驚く数字ではある。ホロコーストと言ってもいいかもしれない。
これが有るから、英米のメディアがホロコーストを糾弾し、かといって詳細な研究を妨害する。そんな歴史が納得できる。

この窮状の解決の為に1951年、西ドイツは翌年に欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)に加入することを合意した。このECSCが発展し、今日のEUになった。
余談だが、こんなEUの歴史があるので、イギリスのEU離脱問題がこじれるのも、そしてイギリスとドイツの感情的な問題があるのも分かろうと言うモノ。
EUとはドイツの飢餓の歴史が出発点。そう理解すべきだと思う。


しかし上掲wikiのモーゲンソー・プランの記述、本当だろうか?、調べてみた。
ドイツ国内の民間人死者数570万人については・・・
ドイツでは戦争が終わってから300万人が死んだ、こんな報告もある。

この数字は Nigel Jones著『ライヒが崩壊してから』によれば、「対独戦勝利の日以降、何と300万人のドイツ人が死亡した」なのだという。
(注:ライヒ=Reich:ドイツ語で大きな領域を持つ「国」を現す語)
この惨状については以下参照ください。

次に「東部ヨーロッパから排除されドイツ本土に戻ったドイツ系250万人」について、Wiki「ドイツ人追放」によれば、
1,240万人(あるいは1,650万人とも言われる)の民族ドイツ人が移住を強制された。移住途上で命を落とした人々の数については見解が分かれている。ドイツ連邦統計局の1958年の発表では、210万人以上の民族ドイツ人が強制移住によって死亡したとされる。
こうなっている。

注:ちょっと比較の為、日独の第二次大戦での死者数を見てみると、
日本: 軍人~212万人 、   民間人50万 ~100万、 合計262万~312万人
ドイツ:軍人~430万~550万人、民間人150万~350万、 合計700万~900万人
こう見ると、ドイツの戦後の死者数がいかにすごいかが分かります。

これが有るから、英米のメディアがナチスドイツのホロコーストを糾弾し、かといって詳細な研究を妨害する。そんな歴史が納得できる。

アメリカには三つの原罪があるという。黒人の奴隷化、原住民(インディアン)虐殺、そして原爆投下による非戦闘員殺戮、しかしこれに戦後ドイツの人為的飢饉による殺戮も隠れた原罪ではないか。
これが有るから、アメリカのメディア・大学・政治家が原罪隠しの反日になる。こう理解すべきでは無いだろうか。

そんなメディアなどの指導層に洗脳されたのが日本のジャーナリスト。某山崎 雅弘なんかも、こんな洗脳を受けた連中では無いだろうか。
やれやれ、〇カは四ななきゃ治らない・・・。道は遠いですね。
  1. マスコミ
  2. TB(0)
  3. CM(10)