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2019-01-30 16:16

タシュケントのナヴォイ劇場<技術者倫理の絶好の見本


 筑波大学の掛谷 英紀 (かけやひでき)氏がツイッターで大変いいことを言っている。
記録の為引用します。

<以下引用>
https://twitter.com/hkakeya/status/1089538974731784192
Hideki Kakeya
@hkakeya
文系の先生がシベリア抑留を教えないので、我々理系の教員が教えるしかない。私は技術者倫理の授業で必ず取り上げる。タシュケントのナヴォイ劇場は抑留された日本人が作った。1966年の地震で周りの建物は倒壊したがナヴォイ劇場は倒れなかった。最近相次ぐ耐震偽装事件と好対照をなす事例。
7:01 - 2019年1月27日

@hkakeya
 1月27日
戦前の人の職業倫理の高さは学校教育に支えられていた部分も大きいと思う。尋常小学校の国語教科書に出てくるのが青函連絡船の久田佐助船長の話。乗員乗客を全員救命ボートに乗せた後、自分は母船に残って救難信号を打ち続け、船と共に沈んだ。この話に限らず、戦前の国語教科書は読み応えがある。

<引用終り>


ナヴォイ劇場
2019-1-30ナヴォイ劇場 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%82%A4%E5%8A%87%E5%A0%B4

参考ブログ
http://aranishi.hobby-web.net/3web_ara/personal92.htm
ここにこんな事が・・・。
現地のウズベキスタンの人々を感動させたのは、
戦いに敗れても日本人は、誇りを失うことなく骨身惜しまず働いて立派な仕事を残した。」
 ウズベキスタンの母親は「子供に日本人捕虜のようになりなさい」人が見ていなくても手抜きをせずにまじめに仕事をする。すばらしい民族だ。」との言い伝えがあります。

参考図書・・中山先生の著書
ウズベキスタンの桜 単行本 – 2005/11/1  中山 恭子  (著)
2019-1-30中山恭子 


安倍総理大臣のウズベキスタン訪問  平成27年10月26日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/ca_c/uz/page1_000145.html

日本人墓地参拝
2019-1-30安倍首相ウズベクスタン訪問1 

ナヴォイ劇場視察
2019-1-30安倍首相ウズベクスタン訪問2 

こんないい話は折に触れて語り伝えたいですね。
 
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2019-01-29 19:13

マクロンが日産とルノーの経営統合を要求


 日産のゴーン逮捕劇の続報です。ゴーンがフランスのルノートップを解任され新しい段階に入った。そしてかねて懸念されていたこと、フランス政府が日産の併合を強行するようになってきた・・・。
露骨ですねえ・・・。
丁度青山繁晴さんがこんなことを言っている。


日仏首脳が電話会談 、マクロンが日産とルノーの経営統合を要求!【青山繁晴】



虎ノ門ニュースはこれ
https://www.youtube.com/watch?time_continue=182&v=Q_E6DavJYQU

該当部分の文字起こしは ぼやきくっくりさんから拝借
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2258.html#sequel

<以下文字起こし>
(1)日産・ルノー協力に期待 日仏首脳が電話会談

(ざっくり起こし)

【共同通信によりますと、安倍総理大臣は25日、フランスのマクロン大統領と電話会談し、フランスの自動車大手ルノーの新たな経営体制が決まったことを受け、日産自動車とルノーの協力が円滑に進むよう期待するという考えで一致しました。これは日本の外務省が発表したもので、電話会談で安倍総理は日産とルノーの提携に関し、日仏産業協力の象徴だと強調し、安定的な提携の維持や強化に期待を示しました。このほか、安倍総理とマクロン大統領は、今年6月に大阪で開催されるGT20、20の国と地域の首脳会合に向けた緊密な連携も申し合わせました】

 今日は時間がないのに、あえて珍しく全文読んでもらったんですね。
 たったこれだけの短い文。
 カスカスなんですよね。
 それで、ミスリーディングだと思うんです、これ。

 まず、フランスのマクロン大統領が、いわば一企業の問題で…。
 ルノーはフランスのを事実上の国有企業とも言われてます、大株主、筆頭株主ですよね
 でも日産はもちろん大事な企業だけど、日産だからといって、政府間協議やるってことはあり得ないわけですよ
 それなのにフランスのマクロン大統領の方から、どうしても電話で話したいってことで、電話してこられたんですよね。
 そのこともこの記事では全然、うかがい知ることはできなくて。

 しかも、もっと大事なこと、この中身について、要は日産とルノーの協力が円滑に進むよう、という話をしたんだと。
 で、この記事によれば、安倍総理は、日産とルノーの提携は、日仏産業協力の象徴だと強調して、安定的な提携の維持や強化に期待を示しましたと。
 何かもうフランスのおっしゃるとおりでございます、みたいな記事になってるでしょう?
 こういうミスリーディングな記事は困るんですよね。

 あんまりにもカスカスだから、差し替えたのかもしれません。
 ていうか、もし差し替えていたとしても、やっぱりこれが一報で出れば、これだけを使う加盟紙は、共同通信の加盟紙の中に、かなり当然あります。
 北海道新聞から沖縄タイムス、琉球新報まで、全国のブロック紙と地方紙は全部、共同通信の、基本的に加盟紙です。
 影響の大きさを考えると、こういう誤報に近いような記事は本当に困るから、あえて全文読んでいただいたんですが。

 まず実際起きたことはですね、マクロン大統領の言いぶりも、ていうか、この中にマクロンさんが言ったっていう話が一言もないんですよ。

(居島一平:ありませんね)

 記者にも問題あるけど、デスクが…。
 19年の記者生活考えると、この原稿上げると、デスクから馬鹿野郎電話が絶対かかってきます。
 何でマクロンの言葉ないんだよと。
 で、こんな異常な会談で、総理がそうですね、日仏協力の象徴ですねで終わるわけはねーだろ、何なんだこれはって言って突っ返されることが、100.0%間違いないんで。

 古巣だから逆に厳しくなるんですが、あえて甘く言うと、とりあえず一報だから出したのかなって。
 でも、あとで差し替えるから一報を軽く出すっていうのは絶対ダメなんですよ。
 通信社はそれをやっちゃダメなんですよね。
 First Impressionが大事ですからね。

 で、実際起きたことを言いますと、実はマクロン大統領は生やさしく電話してきたんじゃなくて、日産とルノーの経営統合してくれっていうか、しろと
 もっとはっきり言うと、ルノーの一部になれと、日産が完全に
 提携じゃなくて。

 ルノーって日産の半分以下なんですよ、本当は
 時価総額も売上も全部合わせて考えると。
 日産を100とすると、ルノーの実際のマーケットや生産能力とかあるいは持ってる資産、全部合わせると、よく見ても40ぐらいですよ
 比べものにならないんです。
 で、その焦りもあるんですよね。

 ところがマクロン大統領は、異様な電話をしてこられて、ルノーの中に日産を入れてしまえと。
 それが第一。
 それから、要するに、例えば統合した後のトップはルノーから出すと。
 だから、カルロス・ゴーン事件をきっかけにこういう話になってるんですけど、これは実は一般メディアにもちらちら出てるけど、本当はこの事件の背景がですね…。

 カルロス・ゴーンさん、僕のところに、ブログへの書き込みで、良い人だったんじゃないかとか、そういうのも来るんですよ、案外ね。
 というのは、やっぱり日産が一時期ものすごく会社の調子悪かったのみんな知ってるんで、それを立て直した恩人じゃないかっていうね、やっぱり私たち日本人に共通する気持ちがあると思うんですけど、実際は容赦ないリストラ、日本人のトップと違って、それが外国から来るとできるから、もうリストラに次ぐリストラで成し遂げた再建なので。

 ま、それ以外にも電気自動車の取り組みとか工夫はあったけど、電気自動車が本当に日産の立て直しにどれだけプラスだったかと言うと、必ずしもそうは言えない。
 トヨタのようにハイブリッド、電気とエンジンを組み合わせたやり方が実は収益上げてきたわけですからね。
 これからはもちろん違うんだけれども。

 それやこれや考えると、カルロス・ゴーンさんがお姉様とか、ご自分の家族とかあるいはご自身のために、自分の出した損を補おうとしたり、これは裁判でこれから争われることですけれども、しかし全体を眺めるとやっぱり、日産で全く異論、意見を言える人がいない。
 ゴーンさんに対してのチェックが働かなかった。
 これは日産の日本人の役員の企業ガバナンスが働いてなかったってことだから、より厳しく責任は追及されなきゃいけないけど、ゴーンさんに全く問題がないのに起きたとはとても言えないんですよ。

 でも今まではゴーンさんが絶対的ないわば王制のような、普通の企業経営じゃない状態をしいてて、なんでこれがいま覆ったかというと、一般的には、ゴーンさんとフランス政府が一緒になって、日産が良くなったんでルノーにもいただこうと。
 半分以下しか実力がないのに飲み込もうとしてると。
 それで実は日本人の役員やその他の方が、捜査当局に協力をして、いま日本はそういう場合は告発した人の刑事責任を追及しないって新しい制度が出来てるから、それが事件の背景だと言われてるわけです、一般的にはね。

 それもあるんだけど、実はフランス政府もゴーンさんを切りたかったって話があるんですよ。

(一同:ほうー)

 なんでかというと、最終的にはフランス政府がルノーの中に日産全部吸収してしまえというのを、最後に抵抗してたのはむしろカルロス・ゴーンさんであって、日本人の役員はうつむいてて何もできなかったっていうね。
 これは、いちおう元経済記者でもあるんで、ルートがあるから色々調べたんですけれども、ほぼこれで間違いないと思ってるんですよね。

 したがって、カルロス・ゴーン事件でフランス政府が弱って焦ってっていうよりは、一番の障害だったゴーンさんを日本の捜査当局がいわば実質的に取り除いてくれたから、一気にマクロン大統領、しかもマクロン大統領は辞めろ辞めろの大コールで、ヨーロッパの首脳陣は総崩れで…。

(中略。ドイツのメルケル首相、イギリスのメイ首相の話)

 ヨーロッパは総崩れなんですが、ゴーンさんがいま裁判に向かっていくのを利用して、のしかかってきたわけですよ。

 そういう日仏電話首脳会談ですから、安倍さんはもちろん良き提携はあって然るべきだってことはお答えになってるけれども、そうですか、マクロンさんのおっしゃるとおり日産はルノーに吸収させましょうとか、そんなことは当たり前だけど言ったらお終いですから(笑)。
 日本がお終いですから絶対言ってないというか、そこはOKしてないんですよ。

 総理が何て言ったかっていうのは公表されてないんで、僕の口からは言えませんが、きちんと、いや、そういうことは受け入れられないと。
 そもそも日産というのは自由な民間企業であって、日本ではそういう自由な民間企業に政府といえども勝手なことを言うのはできませんってことはちゃんと答えてるんで
 それ一切ないんですよ、この記事に。
 だからこれはまあトンデモな記事ですよね。

 しかしここは踏ん張りところで、フランスはいわばもうマクロン政権の生存賭けるぐらいになっちゃってるんですよ
 だって他に話ないんですよ、マクロン政権って。
 他にできることないから。

(中略。売れる車を作ってる国は少ない、日独とあとイギリス…という話から、イギリスのモーガンの話など)

 だから自前で日産も含めて、ちゃんと世界に評価される車を自分で開発して売ってるのは、日本とドイツぐらいなんですよ。
 そこに食い込みたいんですよね。

 だからそこに変な妥協ってことが起きないようにしないといけないし、僕は日産の側は、本当は日本政府の後押しを期待してると思うんですよ。
 新聞でそれ書いてるところ、ありました。
 それは間違いなく日産の役員が喋ってるんですよ。
 フランスがこんな政府絡みでやってくるんだから、日本政府に支えてほしい。
 それやっちゃダメです。

 これはフランスの国家資本主義って書いてた新聞があったけど、それちょっと言えるんですよね。
 このような国家資本主義がアドバンテージを、利益を得ないようにしないといけないっていうのは大事なところですね。

<引用終り>


いよいよフランス政府による「日産分捕り作戦」が本格化してきたということだと思う。

フランスの立場としては、フランスの自動車産業は永年下り坂の一途。現在ではルノーとプジョー・シトロエングループの2社だけが健在だが、見通しは芳しくない。そんな時、ルノーの主導で日産と合併させられれば、トヨタ、VW、GMと並ぶ巨大自動車メーカーがフランスのモノになる。
何とナポレオン以来の快挙ではないか!。マクロン大統領の構想(絵に描いた餅のこと)はこんな所だと思う。


もう一つ厄介な事。ドイツのメルケル首相が2月4日~5日訪日する。この狙いは何だろう。
2015年にも「メルケルさん Youは何しに日本へ」、こんな謎の訪日が有ったが、今回も突然の訪日、目的が分からない。
実はこれは私も全くの憶測なのだが、メルケルさんは「安倍!、日産をフランスに譲れ」と言いに来るような気がする。何せメルケルさんは「EU=ドイツ帝国の盟主」である。ここで日産を分捕れば、フランスは元よりドイツにとっても大きな得点だ。

ヨーロッパの自動車メーカーはVWの排ガス不正問題で実はメロメロである。大々的にこれからはEVだとアドバルーンをあげてみたものの「EVは簡単ではない」。
ここは何としても日産の技術を分捕りたい。それが本音だと思う。



ここでちょっと別の面から。
自動車技術をリードしているのはどこだろう。国別、メーカー別にみてみたいと思います。

これは以前のエントリー「排ガス問題をリードしているのは何処か  2017-07-26 」で使ったグラフ。現在の自動車技術のリーダーは何処か、これを特許の面から見るとこうなります。
出所:トムソンロイターのクルマ関係の特許公開件数の5年間(2009年ー2013年)のまとめ
http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2015/automotive-industry-trends/
(リンク切れ)
2017-7-24自動車関連のメーカー別特許件数

メーカー名が見にくいのですが、左からトヨタ、ボッシュ、ヒュンダイ、ホンダ、デンソー、ダイムラーGM、セイコーエプソン、ミツビシ、コンチネンタルです。日本~5社、ドイツ~3社、アメリカ・韓国各1社となっています。
日本が自動車技術でも世界をリードしていることが分かります。尚この表でVWを見ると21位で件数はGMの半分でした。トップのトヨタと比べると1/5程度。
こうして見るとドイツではボッシュの力が圧倒的と言うのが分かります。

日産やルノーが如何なのか知りたいのですが、残念ながらリンク切れで元記事が見られません。
しかし、ヨーロッパのカーメーカーの技術力は、実は巨大部品メーカー「ボッシュ」が中心になっており、VWにしろルノーにしろ、ボッシュの技術に依存しているという構図です。
VWの排ガス不正問題も黒幕はボッシュ、だからこそVW以外のメーカーもみんな問題が露見したという訳です。

古くからの日産ファンの方は、「技術の日産」だろ、どうして日産が出てこないんだと思われるかもしれません。残念ながら技術の日産は昭和30年代~40年代はそうだったのかも知れません。しかし昭和50年代からはそんな事は言えなくなりました。
原因は色々あるでしょうが、最大の問題は三頭政治、川又・塩路・石原、この三人がそれぞれ天皇と言われるような権力を持ち内部抗争をしたことでしょう。こんな事が結局ゴーンの軍門に下る原因で、その体質が完全に抜けないまま今日に至っています。


ゴーンの問題は、ゴーンの会社私物化という面だけがクローズアップされているが、本当は自動車メーカートップとしてゴーンは不適当だった、せいぜい購買部長クラスの実力の人間だったので会社を追われた。こうだと思います。
そう考えると、日産は新車も出ないし、品質も良くない。そんな原因が経営トップに有るということです。

是非とも日産には頑張ってほしいですね。何せ相手はフランス政府。一筋縄ではいきません。


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2019-01-24 09:55

EVバッテリーを巡る大競争時代


 日産のゴーン逮捕事件は、いよいよ今日ゴーンがルノーのCEOを解任され、新しい段階に入るようだ。
しかしフランス政府、マクロン大統領のルノーの日産併合・・・つまり日産をフランスの会社にする動きが一層強まるだろう。むずかしい話である。

この件でネットで日産の電池事業を買い取った中国人の話を見つけた。読んでみるともう十数年前だが、今は無き(亡き?)三洋電機の冷蔵庫部門を買収したハイアールの話を思い出した。
一寸そんな事で、この複雑怪奇な話を電池事業の中国企業による買収という面から見てみたい。なおこの三洋電機のパナソニックによる買収劇は、巷の噂では「三洋の電池部門(太陽電池やリチウムイオン電池・・当時世界トップシェア)技術の海外流出を防ぐ為」と言われていることを念頭に置いてみてみたい。


最初に日産が電池事業を中国に売却するという不可解な話、この事情はこんな風になっている。
1.2017年8月 日産の電池事業を売却を検討開始
2.2018年7月 当初予定の中国ファンドのGSRキャピタルへの売却を資金不足でキャンセル
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-02/PB7QPJ6JIJW901
3.2018年8月 中国の再生可能エネルギー業者エンビジョングループに譲渡決定
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-03/PCVMJC6JTSE801

何を慌てて(以前の所がパーになったら1か月後につぎに決定)売却を急ぐのか。
昔から「慌てる乞・食はモライが少ない」というではないか。
ということだが、この件は後ほど書くことにします。


最初にエンビジョングループが何を言っているか。

<以下Forbes より引用>
https://forbesjapan.com/articles/detail/24242
ビジネス  2018/12/05 06:00
日産のバッテリー部門買収の中国企業「ガソリン車は終わる」

中国の上海に本拠を置くエンビジョングループ(遠景集団、Envision Energy)は、電気自動車(EV)のバッテリーセル(単電池)のコストを、大幅に引き下げようとしている。同社は2020年までに、1キロワット時あたりのコストが100ドルのEV向けバッテリーを製造する計画だ。現状のEVバッテリーのコストは、1キロワット時あたり200ドル弱とされている。

エンビジョンの創業者は先日、スタンフォード大学において、今後の5年で価格が50ドル程度まで下落し、ガソリン車の時代は終了に向かうと発言した。

エンビジョンは今年8月に日産自動車のバッテリー部門を買収したが、その後の研究でバッテリーのコストを劇的に引き下げる方法を突き止めたという。同社CEOのレイ・チャン(Lei Zhang)は、スタンフォード大学で開催されたGlobal Energy Forumでこの件を報告した。

エンビジョンのレイはスタンフォード大学のArun Majumdarと、今後の目標達成の時期について議論した。

「私はArunの発言を、少し補足したい」とレイは話した。

「Arunは我々が1キロワット時あたり100ドルのバッテリーを実現する時期を、2022年と述べたが、私の考えではもっと早期に実現可能だ。当社は2020年までに100ドルのバッテリーを米国市場向けにリリースする。エンビジョンは、日本のバッテリー企業を傘下に収めており、今後のコストのトレンドを極めて詳細に分析している。この調子でいけば、おそらく2025年には1キロワット時あたり50ドルのバッテリーを市場に投入できる」

スタンフォード大学のプレコート研究所(Precourt Institute)で、エネルギー関連の研究を行うMajumdarは、カンファレンスに先立ち、次のような予測を発表していた。

「今後の5年から7年で、バッテリーパックのコストは1キロワット時あたり100ドル程度にまで下落するだろう。100ドルが達成できれば、EVの製造コストはガソリン車とほぼ同等になる。さらに、その後の15年から20年で、EVは世界的に普及していくだろう。EVは大気汚染の問題を解決する。約100年続いたガソリン車の時代が終わりに向かっていく」

エンビジョンは中国で第2位の風力タービンメーカーで、エネルギーの管理ソフトウェアも開発している。レイはEVの普及が進めば、ガソリン車はあっという間に過去のものになると述べた。

EV車の価格はガソリン車よりも20から30%も安くなる。消費者らは一斉にEVに買い換えるだろう

中国での新車販売台数は年間3000万台に近づいている。今後の課題となるのは、急増するEVの充電設備のマネージメントだとレイは話した。

「大量のEVが一度に充電をしようとすると、大変な事態になる。IoTとAIを組み合わせたシステムで、全体を管理する必要が出てくる。電力需要を正確に予測し、適切な給電が行える、非常に洗練された仕組みが必要になる」とレイは続けた。

編集=上田裕資
<引用終り>


エンビジョンは、日本のバッテリー企業を傘下に収めており
実は私はこのたった一言が猛烈に引っかかる。それはタイでの十数年前の経験からなのだ。
どんな経験?、
この当時、日本の電機メーカーはまだ三洋電機があったが経営不振で苦しんでいた。そしてタイにも三洋電機の子会社が冷蔵庫を作っていた。
冷蔵庫には直冷式とファン式が有り、日本ではファン式が主流だがヨーロッパなどでは直冷式が多かった。(ヨーロッパは湿度が低いので冷却器に霜がつきにくく直冷式で間に合うようだ)
そして中国ではファン式の冷蔵庫は当時作る技術が無かった。日本では当たり前のファン式冷蔵庫は実は日本の技術の宝物でもあったということ。
その三洋電機タイ工場を当時の三洋電機のアホ経営者野中ともよ一味が中国のハイアールに売り飛ばしてしまった。
その時のハイアールの言い草が忘れられないのだ。
こんなセリフだった。

ハイアールは今年4月、三洋電機から同社のタイ工場である三洋ユニバーサル電機(SUE)の株式9割を取得、傘下に収めた。8月中旬には同工場を東南アジア、アフリカ、中東向けの輸出拠点に位置付けたという。前出の梁氏は、「タイ工場の買収で、当社は世界で最も進んだファン式冷蔵庫の製造技術を獲得した。タイ工場からアフリカへ輸出されるのは同冷蔵庫で、中国工場からアフリカへ輸出されるのは水冷冷蔵庫となる・・・以下略・・・

この製造技術を”獲得”、この言葉、私は最初英文記事で読んだのだが「Acquire」と書いてあった。手に入れるという言葉にはGet、Gain、Obtainなど色々あるが「Acquire」は余り見かけない言葉。企業買収などという時に使う言葉なのだが、私には非常に傲慢な響きに聞こえた。
つまり「やった~、日本の会社を分捕ったぞ」、こんな感じだったと思う。
そんな事でこんなたった一言をいまだに覚えている。
尚この三洋電機タイ工場、同じ工業団地に知り合いの会社もあったので聞いてみるとあまりいい評判の無い会社のようだった。

この後ハイアールは冷蔵庫事業をどんどん拡大し、日本にも入ってきている。特にアパートやビジネスホテルなどにはハイアール製の冷蔵庫が普及している。一般の人には目につかない所で日本でもシェアを伸ばしているようだ。
このハイアールの冷蔵庫、知り合いの電気屋のオヤジに聞くと、「安いのでビジネスホテルなどにどんどん入ってるよ、私も何件か工事をしたことがある。不良品が多いので少し余分に手配し、悪かったらその場で取り換えていたね」、こんな事のようです。
先の見えないアホ経営者の失敗がこんな所にも影響している・・・、情けないですね。


余談が長くなりました。
本題の
>エンビジョンは、日本のバッテリー企業を傘下に収めており今後のコストのトレンドを極めて詳細に分析している

この文言も「よ~し、日本の会社を分捕ったぞ」、こんな匂いがプンプンすると思う。
オマケに会社を買収したと言っても未だ買収が完了したわけではない。そんな時に、今までクルマ用電池など製造したこともない会社が、EV用電池という極めて難しい代物のコストダウンを滔々と喋る。シナ人は本当に傲慢なんですねえ。

オマケに
EV車の価格はガソリン車よりも20から30%も安くなる。消費者らは一斉にEVに買い換えるだろう
・・・メ・クラ 蛇に怖じずですね・・・、、アホの戯言です。



所でこんな相手に対し、ゴーンがどうしてこんなに売り急いだのか。日産が特別資金不足という訳でもないのにどうしてだろうか。

ここで世界の電気自動車(EV、PHEV、HEV)用バッテリー出荷量を見るとこうなっている。

2019-1-23電気自動車用バッテリーメーカーTOP10 
(尚ホンダのハイブリッド用電池はGSユアサ系のブルーエナジーだが、このリストに入っていない。)


ここで気になること、VWのディーゼル不正事件以来、ヨーロッパのカーメーカーは一斉にEVに舵を切った。そして欧州のマスゴミからは「これからはEVの時代だ~~!、なのにトヨタは遅れている~~~」、こんなプロパガンダが散々流されてきた。

しかし現実は「EVで出遅れているのはVWはじめ欧州カーメーカー」である。
上掲リストで電気自動車用電池メーカーのTOP10は日本3社、中国5社、韓国2社である。欧州勢は入っていない。これが現実だ。

そしてVWは18年4月の報道では大規模電池工場をドイツ国内に建設すると言っているが、その内実は電池セルは外部調達(中国との事)、一番難しい部分は中国様任せらしい。

また18年11月の報道ではVWの電池供給体制はサプライヤー4社体制で、中国CATLは中国向け、韓国のサムスン、LG科学、SKI、この3社で欧州向け、北米向けを分担すると報道されている。

またGMに関してはこんな報道も
「GM、中国でのEV生産に遅れ バッテリーが基準満たせず」

このように、欧州も中国も日産の電池技術はどうしても欲しいもののようだ。

こんな所を見ると、今回の日産の電池部門売却にはルノーの都合よりもフランス政府、あるいはVW、ドイツ政府、そして中国政府も絡んだ厄介な話が裏に有りそうです。
だからこそ心ある日産の「ホイッスルブロアー」が立ち上がった。

う~~ん、絶句ですね。
益々日産頑張れと応援したくなりました。

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2019-01-22 15:15

フランスの衰退


 最近のフランスの変質は凄いものが有るようだ。日産のゴーン逮捕事件に関して色々見ていくと、どうもフランスの衰退が酷いことになっていることに気が付く。
そんな見方で見てみると、全く別の所から同じような記事が見つかった。

フランスは今どうなっているのか、そんな記事を2件紹介したい。

最初は田中英道氏の新著「日本が世界で輝く時代」2019年1月8日刊のまえがきから。
まえがきの日付けは2018年11月30日になっている。

もう1件は 筑波大学システム情報系准教授の掛谷 英紀 (かけやひでき)氏のツィートである。




では最初に田中英道氏の新著のまえがきから。

<「日本が世界で輝く時代」 田中英道著 2019年1月8日 育鵬社刊 より抜粋引用>
2019-1-22日本が世界に輝く時代 

まえがき
 昨目、パリから帰ってきたところです。のっけからこういうと、自慢話か、と思われるでしょう。目本人には、”よきパリ”という固定観念があるからです。セーヌ河を歌うシャンソンのイメージです。
 しかし今回は、全くそういう気分ではないのです。つまりパリの変わりように驚いたのです。
 五十年前の若い頃、私はフランスに留学し、その文化を吸収すべく懸命になっていました。
・・・中略・・・
 今回、私がパリを訪れた理由は、日仏修好百六十周年を記念する「ジャポニスム2018」という企画の一つに招かれたからです。私の講演は、セーヌ河畔の日本文化会館の講堂で、「北斎とセザンヌ」という題でした。その講演会場は幸い皆熱心な観客でいっぱいでした。しかし外では、シャンゼリゼ通りを中心に、マクロン政治反対の大デモが行われているところでした。
・・・中略・・・
 その荒廃は、その翌日、パリの中のデモでも見ることができました。
 パリの中心では、地下鉄駅を封鎖するほどの激しいデモがシャンゼリゼ通りでありました今回は交通関係の労働者が燃料税の値上げに抗議したデモでしたが、しかしその騒乱はこれまでと違うものがありました。それは、移民問題のテロなどとは違って、フランス人自身が、フランス自身に大きな転換を迫っていたのです。自動車にも火がつけられ、店舗の破壊や略奪行為もありました。

 左翼連合による支援で当選したマクロン大統領は、右翼のルペン候補に対抗する切り札的存在で、ヨーロッパ連合(EU)の代表的存在でもありました。
 しかしその考え方自体、もう受け付けられない、と人々は考えているのです。戦後営々として積み上げてきたEUは、その中心地でさえ揺らいでいるのです
・・・中略・・・
この変わり様は、彼らに染み込んだ「フランス中心主義」をよく知っている者にとっては驚くべきことです。
 パリでいつも夏休みを過ごすという、リトアニアの美学者が私に言いました。「今や、世界の文化の中心は、フランスではなくて、日本だ」と。私はその言葉で意を強くしました。
・・・以下略・・・
平成三十年十一月三十日
田中英道  ゛
<引用ここまで>
(尚このまえがき全文は長いので、本文末尾に掲載しました。)


最初に少々脱線するが、田中氏が講演した「ジャポニズム2018」について
「ジャポニズム2018:響きあう魂」  2018年5月~2019年3月
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%9D%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%83%A02018

内容は展覧会だけでも19件開催されるなど実に盛り沢山…
その一例
2019-1-22ジャポニズム2018の一例

岡本太郎が「縄文は爆発だ!」と言った火焔型土器、これも出品されている。
それより驚いたのが昨年8月に亡くなった津川雅彦氏の最後の仕事がこれだったらしい。
津川雅彦さん、惜しい方を亡くしたものです。 合掌。 

しかしこんな凄いイベントが如何して日本では殆ど報道されないのだろうか。
日本の新聞テレビは日本を貶すことしか報道しないのだろうか・・。


本題に戻ります。

次は
筑波大学システム情報系准教授の掛谷 英紀 (かけやひでき)氏のツィート

2019-1-22掛谷英紀 
https://twitter.com/hkakeya/status/1086611981111517185

Hideki Kakeya
今週の国際学会での話。参加者20人ぐらいで食事に行った。同じテーブルの一人がモントリオールの人で、フランス語圏の話になる。彼はフランスに行ったとき、自分の故郷だとは感じなかったという。むしろ、その後行ったイギリスを故郷に感じたそうだ。人がちゃんと整列して並んでいたからだとか。
 2019年1月19日

(引用者注:モントリオールはカナダ・ケベック州最大の都市。ケベック州は公用語はフランス語のみ、州の面積は日本の約4倍、モントリオールの人口はフランス語圏ではパリ・キンシャサ(コンゴ)につぎ3番目)

<引用ここまで>

フランスがここまで落ちぶれたのかと思うと愕然とするものが有る。
がしかしこれが現実なのであろう。

フランクフルト学派が仕掛けた文化マルクス主義がここまで来たかという事例かと思います。




最後に田中英道氏の「日本が世界で輝く時代 まえがき」全文を参考までに掲載します。

日本が世界で輝く時代」 田中英道著 2019年1月8日 育鵬社刊

まえがき
 昨目、パリから帰ってきたところです。のっけからこういうと、自慢話か、と思われるでしょう。目本人には、”よきパリ”という固定観念があるからです。セーヌ河を歌うシャンソンのイメージです。
 しかし今回は、全くそういう気分ではないのです。つまりパリの変わりように驚いたのです。
 五十年前の若い頃、私はフランスに留学し、その文化を吸収すべく懸命になっていました。いわゆる「五月革命」のあった一九六八年より前のことでしたから、そこにサルトル、ボーヴォワール、カミュなど、綺羅星のごとき作家たち、思想家たちが議論しているように見えました。ソルボンヌの近くのカフェで話をし、小説を書き、映画を楽しみ、政治論議に熱を上げるようなパリがあると思ったのです。
 もっと遡れば、「近代」と言われる時代の、世界の文化の中心としてのパリです。無論アメリカのように若く、力の政治、金銭、物質一辺倒の国ではなく、欧州文化の粋(すい)としてのフランスでした。セーヌ河も、カルチェラタンも、ヴェルサイユ宮建築様式を市民化したパリの街並みも、フランス文化の、いや世界の「近代文化」の発祥の地のように考えられたのです。

 十八、十九世紀では、ロシアに行っても、ドイツを訪れても、豪華な宮殿はみなフランスの  。ヴェルサイユ宮殿の模倣であり、そこに貴族のサロンがつくられて、王妃であれ、公妃であれ、文化や歴史の話が話題になっていました。啓蒙主義の時代です。イタリアで始まった貴族文化は、フランスという洗練された文化の中に花開いたのです。名高いフランス料理も、貴族の舌に合うように競い合ったおかげでできました。
 しかし二十一世紀の今、その理想のパリのイメージはもはやないのです。留学以後、学会や展覧会がある都度、訪れ、そのたびに悪くなっていくと感じていましたが、漸次的だったので、今回ほどの強い印象はありませんでした。

 今回、私がパリを訪れた理由は、日仏修好百六十周年を記念する「ジャポニスム2018」という企画の一つに招かれたからです。私の講演は、セーヌ河畔の日本文化会館の講堂で、「北斎とセザンヌ」という題でした。その講演会場は幸い皆熱心な観客でいっぱいでした。しかし外では、シャンゼリゼ通りを中心に、マクロン政治反対の大デモが行われているところでした。
 ジャポニスムは、決してエキゾチスム(異国趣味)ではありません。今から約百五十年前、日本の浮世絵がどっとパリに入ったおかげで、フランスの画家たちが今まで見たことのない美術に熱狂したことから始まっています。これまでのヨーロッパ絵画の歴史的主題、キリスト教、ギリシャ神話などとは、全く違う、日本の風景、生活ぶりが、色彩版画の形で、見事に描かれていたからです。新しい東洋の世界が彼らの前に現れたのです。
 その現世を肯定する「浮世」の「絵」は、まさに「近代」の「絵」として、彼らの目には映ったのです。まるで自分の新たな姿を見る思いだったのでしょう。彼らの思想もそれに衝撃を受けたのです。
 しかし、私に言わせれば、それはフランス画家の浮世絵に対する誤解の上に成り立っていたのです。
 実を言うと、北斎の浮世絵はすべて、日本の伝統的な主題をもっています。特に彼らに最も影響を与えた『富嶽三十六景』は、富士信仰という、神道における自然信仰を主題に描かれていたのです。フランスの画家たちが発見した純粋な形、色の世界ではなかったのです。彼らは、浮世絵に添えられた小さな詞書を無視したために、それが単純な、版画の色面で組み合わされた、純粋な形の世界だと思ったのです。私は講演で、セザンヌは北斎の富士山の絵を、富士信仰抜きで、形の世界として「変貌」させたのだ、と述べました。 それ以後、この日本の浮世絵を基礎に「印象派」が誕生し、これまでの西洋絵画を一変させました。そしてマネ、モネ、セザンヌ、ゴッホなどによって、北斎は、世界最高の画家の一人として認知されました。
 二十世紀の二次元的なピカソの落書きのような絵、マルセル・デュシャンのレディ・メイドの作品(代表作の『泉』は実は小便器を置いただけのもの)など、美術の破壊そのものが、作品となったのも、浮世絵に意味や信仰がない、という誤解の上に成り立ったものなのです。一見、日本の絵画には、宗教性がないように見えますが、そこには敬虔な自然信仰、御霊信仰が  。。隠されているのです。
 今回の「ジャポニスム2018」では「アール・ブリュット」という、一般には聞きなれないアートの展覧会がモンマルトルで開かれていました。はっきり言ってそれは絵画の終焉の、さらにその後の祭りのようなもので、まともなアーティストの作品ではなく、主として知的障害者、精神障害者の「生のままの芸術(アール・ブリュット)」展でした。これを批判すると、差別だとか、偏見だと言われますが、正直に言えば、見るに値する作品はほとんどありませんでした。これをかつでの芸術家の溜まり場、パリのモンマルトルで行ったこと自体が、フランスの、また現代の恐ろしい「荒廃」を表しているのです。
 その荒廃は、その翌日、パリの中のデモでも見ることができました。
 パリの中心では、地下鉄駅を封鎖するほどの激しいデモがシャンゼリゼ通りでありました今回は交通関係の労働者が燃料税の値上げに抗議したデモでしたが、しかしその騒乱はこれまでと違うものがありました。それは、移民問題のテロなどとは違って、フランス人自身が、フランス自身に大きな転換を迫っていたのです。自動車にも火がつけられ、店舗の破壊や略奪行為もありました。

 左翼連合による支援で当選したマクロン大統領は、右翼のルペン候補に対抗する切り札的存在で、ヨーロッパ連合(EU)の代表的存在でもありました。
 しかしその考え方自体、もう受け付けられない、と人々は考えているのです。戦後営々として積み上げてきたEUは、その中心地でさえ揺らいでいるのです。

 そんな中で私は、「ジャポニスム2018」の五つの会場を見て回りましたが、そのどこでも、多くの熱心な観客がいました。フランス人に、日本文化を愛好する人が多いことは知られています。柔道熱も盛んで、オリンピックでも活躍しています。柔道の他にも空手や合気道も盛んです。日本人以上に、日本を愛している人が多いのです。もともと美に敏感な人も多く、ここ数年の日本熱は異国趣味をはるかに超えるようになっています。この変わり様は、彼らに染み込んだ「フランス中心主義」をよく知っている者にとっては驚くべきことです。

 パリでいつも夏休みを過ごすという、リトアニアの美学者が私に言いました。「今や、世界の文化の中心は、フランスではなくて、日本だ」と。私はその言葉で意を強くしました。
 この書には、現在の日本の宗教、日本の伝統、日本人のあり方が、語られています。そしてすぐれた思想、豊かな歴史と伝統が強く残っている日本を、世界に伝えていくべきだ、ということを述べています。いわばこの書は、日本が世界に発信すべき内容は何かを述べたもの、と言ってよいでしょう。混迷を深める世界は今、日本に注目しているのです。

平成三十年十一月三十日
田中英道  ゛

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2019-01-16 17:31

池上彰『解説』から左翼脳を考える


 正月にある方からこんな質問をいただいた。
「ねえ短足さん、どうしてインテリとか頭のいい人とかに左翼的な人が多いの?、そんな時どうしたらいいの?」。こんな質問だった。

難問である。

その時は、左翼的な人は理想論を言うけれど実践が伴わないからねえ。やはりそんな人に対抗するには一にもニにも「実践」。これしか無いだろう。
そんな例として、人生二度なしを信条とした実践人にして哲学者、教育者の「森信三(1896-1992)」を例に挙げた。
≪ 日々の生活を真実に生きる人を ”実践人” という≫
一般社団法人 実践人の家 HPより


所でこの話、簡単に済む話ではないし、日本再生のためには避けて通れない話だと思う。そこで左翼脳の持ち主にしてメディアへの登場頻度の高い池上彰、この御仁の言っていることから考えてみたい。


最初にたたき台の紹介から。
シンクタンク日本政策研究センターの情報誌「明日への選択」18年11月号に丁度いい記事が有った。
題して「池上彰『解説』に騙されるな

2019-1-13池上彰-01 

全文は長いので末尾に掲載しました。
この中から「一方的な憲法入門」「日本赤軍派正義の味方?」を取り上げます。


最初に「一方的な「憲法入門」」

・・前段略・・
例えば、『池上彰の憲法入門』(筑摩書房)。この本は憲法の「ギモン点を徹底解説」というのが売り文句だが、その冒頭で池上氏はこう「解説」している。

 「憲法とは、そもそもどういうものなのか。ちょっと考えて見ましょう。(中略)憲法は単に『法律の親分』ではないのです。法律は国民ひとりひとりが守るべきものですが、憲法はその国の権力者が守るべきものだからです」「国家権力を制限する憲法にもとづいて政治を行うことを『立憲主義』といいます」と断言し、また、紙面では太字で「憲法は、権力者が勝手なことをしないように、国民がその力をしばるもの」とも強調している。
・・・以下略・・・


私はこれを読んで仰天した。確かにそんな議論もあるだろうが、「国民は法律さえ守っておればいい。憲法は、権力者が勝手なことをしないように、国民がその力をしばるもの」、こんな議論は始めっから間違っている。憲法とは国の在り方を定めたもの。国民皆がそれによって日本という国土に暮らしていけるものだ。
道理でNHKや朝日新聞などで不祥事が頻発する訳だ。法律の意味が一般人と違っているのだろう。

こんなもの一つを見ても、池上彰は「権力とはどこかからやってきて日本人を隷属させている悪の存在」、こんな日本に対する憎しみが有ると思って間違いないだろう。

なおこの池上彰の憲法論を読んで、エダノンの「立憲民主党」の名前の意味が分かった。立憲というのは「権力が勝手なことをしないように縛るもの」という意味なら、立憲民主党の意味も分かろうというものだ。


さてもう一つの問題

日本赤軍は正義の味方?

・・・前段略・・・

 池上氏はNHK記者の頃、出演者(お父さん役)としてだけではなく、企画にも関わったという「週刊こどもニュース」で有名になった。池上氏のいわば原点とも言うべき番組なのだが、その「週刊こどもニュース」を政治的偏向だと指摘していたのが中村 粲(あきら)濁協大学教授(名誉教授)だった。むろん、今から放映された内容を掘り起こすことは無理だが、有り難いことに中村教授は「NHKウオッチング」(『正論』で長期連載)で、いくつかその実例をビデオテープから起こして紹介してくれている。
(注:中村 粲(あきら)獨協濁協大学名誉教授)

 例えば、「日本赤軍ってナーニ」という質問のあった回「平成十二年十二月二十三日)で、池上氏はロシア革命を起こしたソ連は「赤軍の力でそれまでの政治をひっくり返して国を作った。日本でもその赤軍のように政治のやり方をひっくり返そうとするグループが生まれた」、それが日本赤軍だと「解説」し、そのうえで彼らが「ひっくり返そう」と考えた理由を池上氏はこう「解説」している。

 「その頃の日本には貧しい人達がいたから、その人たちを何とかしなければいけない、今の世の中を変えなければならないという人たちが沢山いて、その中には武器を使っても変えてしまおうという人たちが出てきて、その中の一つのグループが赤軍って名乗ったんですよ」と。

 さらに「国内では活動がうまくいかないので海外へ出て行こうと、赤軍は中東に行ってパレスチナの味方をしようとしたが、赤軍というグループが沢山いたので『日本赤軍』と名乗ってレバノンで活動を始めた。各地で飛行機を乗っ取ったり、大使館を襲ったり、さまざまなことをしたんですね」と言って「質問カイケツ」で終わる(『正論』平成十三年四月号から引用。仮名遣いは引用者が変更)。

 日本赤軍は腐敗社会を立て直そうとして正義の戦士のように美化する一方、日本赤車の凶悪犯罪については国内で起こしたリンチ殺人事件は「国内では活動がうまくいかない」とごまかされ、テルアビブ空港での銃乱射事件は「さまざまなこと」で片付けられてしまう。これがNHKという公共放送で子供向けに放送されていたというのだから、その偏向ぶりには驚く他ない。

 こんな「解説」が池上氏の原点だとすれば、今はただ巧妙になっただけで、やはり考え方には左翼的尻尾が残っていると言わざるをえないだろう。

<引用ここまで>



その頃の日本には貧しい人達がいたから、その人たちを何とかしなければいけない、今の世の中を変えなければならないという人たちが沢山いて


こんな一言でさらりと片づけていますが、この池上彰の話の前提条件こそ大嘘!。このウソを前提に話を進めるから、話の結論もとんでもない結論。
このいい加減な前提で話を進めるのが左翼脳の特徴と言える。

具体的に言えば、その頃というのが日本赤軍(1971年結成)などが暴れまわった1970年前後だとすると、その実態はどうでしょうか。
池上彰は1950年生まれです、この当時は20歳前後。世の中がどうなっていたのか知らないとは言わせませんぜ。

1970年当時の状況です。
日本赤軍などの過激派が活動していた1970年頃がどんな時代だったか。その頃貧しい人が多かったのか?

先ずはこれを見てください。1970年は大阪万博の年。



懐かしいですね。「お客様は神様です」の三波春夫。
この頃の日本は高度成長の真っ只中。日本が戦後の復興から立ち上がった、ピカピカに輝いていた時代でした。東京オリンピックは成功した(1964年)。世界初の高速鉄道である東海道新幹線が開通した(1964年)。そして「ひかりは西へ」のキャッチフレーズで山陽新幹線が1972年に岡山まで伸びた。

そのピカピカに輝いていた時代ということはデータでも分かります。

いまとは全く違う経済成長率
2018-7-5経済成長率推移

年率15%を超える成長率。今では夢のような成長率です。


更に物価と給料がどうだったか。
物価も上がったけれど、それより給料が上がったほうが多かった時代
2018-7-5賃金物価上昇率推移
参考ブログ
年代別内閣支持率に思う事  2018-07-05 16:30

給与が年率で18.7%も上がっています。
今年より来年、来年より再来年・・・、夢が有りましたねえ。すごい時代でした。


では失業率はどうだったか。このグラフでは1980年からしか分かりませんが、経済の好調さから失業率も見当がつくでしょう。そして日本はこの当時も現在も先進国中もっともも失業の少ない国です。

2019-1-15失業率推移(日本と主要国)


時代背景はここまでにして、本題に戻ります。

こんな今から見れば夢のような時代を池上彰は何と言ったか。

その頃の日本には貧しい人達がいたから、その人たちを何とかしなければいけない、今の世の中を変えなければならないという人たちが沢山いて
こう言っている。

貧しい人たちがいた、それはいつの時代にも「相対的に貧しい人たち」は居る。当たり前だ。

こんな所に池上彰の根本的な問題点がある。
池上彰の頭の中にはこんな日本像が刻み込まれている筈だ。
曰く
日本は貧しく弱く悪い国だ。嘘でも何でもいいから徹底的に糾弾すべきだ。」と。
その為には「見せかけの理想論を持っているが、その具体的な方法論は持っていない、あるいはそもそも空理空論に具体策など無い」、こんな事などだと思う。
その上で「徹底的な批判」を行う批判理論である。誰でもそうだが、「批判は簡単、実行は難しい」。


池上彰が「正義の味方」と言わんばかりの取り上げ方をする日本赤軍がどんなものか?

日本赤軍 1971年から2001年まで存在した新左翼系団体。世界同時革命を目指した武装集団
    テルアビブ空港乱射事件(乗降客を中心に26名を殺害73名が重軽傷)を起こした
⇒ 池上彰解説の「さまざまなこと」で片付けられたことはこんな虐殺事件のこと

共産主義者同盟赤軍派  1969年に結成された新左翼系団体。後の日本赤軍や連合赤軍の母体、よど号ハイジャック事件などを起こしている。

連合赤軍  日本共産党の武装路線を継承する過激派が、日本の学生運動が下火になっていく中で過激派各派を統合して1971年に誕生。山岳ベース事件(内ゲバで死者12名)、あさま山荘事件(死者3名(内機動隊員2名、民間人1名)、重軽傷者27名(内機動隊員26名、報道関係1名))などを起こしている。
⇒ 池上彰解説の「国内では活動がうまくいかない」はこんなリンチ殺人事件や人質占拠差殺人事件のこと
(注:この日本の学生運動が下火になっていく中での過激な活動こそ問題の根っこである)



結論です。左翼脳の人たちは「理想(妄想)」を掲げるものの具体的な実践は有りません
そんな人たち、実は身の回りにいくらでもいるわけですが、どう対処したらいいか。これは今回の例のように話の前提が「左翼脳の思い込み」「都合の悪いことは無視(故意落球ですね)」からスタートしているので、そんな事を事実で証明していけばいい訳です。
幸いなことに現代はスマホやパソコンで情報はいくらでも手に入ります。そんな色んな情報から取捨選択して何が正しいのか見ていけばいい。
ネットの情報は玉石混淆ですが、正しい情報はいくらでも見つかります。



そして今の若い人たちにはオールドメディア(新聞テレビ)の情報操作は通用しません。
だから年代別の内閣支持率はこんな風

2018-7-4年代別内閣支持率1
参考ブログ:年代別内閣支持率に思う事  2018-07-05 16:30
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1540.html

そしてこんな記事も

2018-9-7朝日新聞東京編集局(コブクロウ)

参考ブログ:今の政権でいいんですか?「いいでーす」<朝日の泣き喋り記事  2018-09-07 14:35
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1563.html

大変長いエントリーになりました。やはり結論は実践しかありません。そんな事でこの話を終わりたいと思います。



最後に、情報誌「明日への選択」にある記事、題して「池上彰『解説』に騙されるな」全文を添付しておきます。


<以下「明日への選択」よりスキャンOCR変換し引用>

池上彰「解説」に瑶されるな

独立国の「固有の自衛権」を語らずに自衛隊と憲法の関係を語り、伝統や歴史を踏
まえることなく「天皇」「世襲」を語る。こんな「解説」に騏されてはいけない。
岡田邦宏(日本政策研究センター所長)


 池上彰氏と言っても、本誌読者には関心のない方も多いと思うが、毎週どこかのテレビ局でニュース解説番組に登場し、週刊誌や新聞に連載をもち、著書は一年間で十数冊も出すなど、ジャーナリストとして広く知られている。取り扱う分野も国内の社会問題から政治課題、さらには中東情勢などの国際情勢に至るまで幅広い。また分かりやすい「解説」ぶりが特徴とされ、テレビ番糾でも出版物でも「池上彰の○○」とタイトルが付けられるほど。今や「池上彰」はブランド化していると言えよう。この九月、その池上氏に「パクリ疑惑」が浮上してネット上で大騒動となった。

 その疑惑というのは、後に紹介するように、他人の取材や見識をその出所を明らかにすることなく、あたかも自分の取材や見識として語っているのではないかというもの。池上氏本人は否定しているらしいが、実は数年前からその手法が批判され、抗議もされてきたというのだから、やはり実態はあったと考えざるを得ないだろう。むろん、「池上彰」を冠した番組や連繊を持つ大手メディアがブランド価値を低下させる疑惑を取り上げるはずはなく、騒動はネット上に留まっている。

 今、問題視されているのは池上氏のいわば取材(と言えるかどうかも疑問だが)の手法だが、では池上氏の「解説」の内容には問題はないのだろうか。記者はたまたま見たテレビ番組や雑誌記事の「池上解説」の偏りを感じることがあったが、その都皮記録したわけではない。そこで、今となっては活字になった池上氏の「解説」を対象とする他ないのだが、改めてのその偏りの正体を考えてみた。


池上「パクリ疑惑」

 先ずは、ネット上のパクリ疑惑騒動をご存じない方のために、簡単にその経緯を紹介しよう。

 発端となったのは、九月七目に放送されたフジテレビの『池上彰スペシャル 池上彰×子供×ニュース』という、政治に対する子供の疑問に答えるという内容の番組。出演した子供が「日本はアメリカのご機嫌取りばかりに見えるのはなぜ?」「トランプ大統領が校長先生で、安倍総理は担任の先生みたいに見える」と発言したことに対してネット上でヤラセではないのかという声があがった。数日のうちに出演した子供のうち約二十人が子役タレントだったことが探し出され、台本のある印象操作ではないのかとの指摘がなされた。このヤラセ疑惑に対して評論家の八幡和郎氏が感想を述べたツイッターのなかで、次のように記したことから問題がパクリ疑惑へと広がっていった。

 「池上彰の番組から取材があつてさんざん時間をとらされたあと、「池上の番組の方針で、番組では八幡さんの意見ではなく池上の意見として紹介しますがご了解いただけるでしょうか」といわれたので、断固、『私が言ったことをいっさい使ったりよく似たことを池上に言わせないように』といって電話を切ったことがある。こんなのがジャーナリストのような顔をしているのがおかしい」

 自分の意見を池上氏の意見として放送したいと言われたら断るのは当然だが、この投稿が契機となって、実は自分も似たような経験をしたとの発言が相次いだ。ジャーナリストの有本香氏、財務省OBの高橋洋一氏、元通訳捜査官の板東忠信氏など、言われた言葉は違うが、取材された本人の名前を出すことなく、池上氏の意見として使いたいと言われた、もしくは使われたという点は共通している。

 池上氏は「あってはならないし、あり得ない」と否定しているらしいが(JーCASTニュース)、その後、既に三年前にイスラム学者の池内恵氏(東大准教授)がオリジナルの知見を引用元の明記なしに自説のように使用したと批判していたことや、別のジャーナリストから「他のジャーナリストや記者が取材した内容をそのまま話していることも少なくない。/かつて私か取材して著作した内容について、池上氏から使用の許諾を求められたことがある。/しかし、その場合でも池上氏が情報のクレジット(参照元)を示すことは一度もなかった」(上杉隆『ニュースをネットで読むとバカになる』)と抗議を受けていたことも明らかとなった。

 要するに、「○○さんによれば」「○○という本にはこう書いている」と言えば済む話にもかかわらず、池上氏は他人の取材内容や知見を出所を明示せずに自分の取材や知見のように語ったり書いたりしていたと批判されているわけで、これではジャーナリストとして失格と言わざるを得ないだろう。



一方的な「憲法入門」

 とは言え、問題はそうした池上氏の手法にとどまるものではない。手法はそのまま「内容」の問題ともなる。他人の意見を出所を明らかにせず借用するのであれば、取捨選択のしようによっては、出所が偏った主張であっても、何か客観的な内容として「解説」されてしまう危険があるからである。

 池上氏のテレビ番組を逐一録画・検証する暇はないので、著書を見てみよう。例えば、『池上彰の憲法入門』(筑摩書房)。この本は憲法の「ギモン点を徹底解説」というのが売り文句だが、その冒頭で池上氏はこう「解説」している。

 「憲法とは、そもそもどういうものなのか。ちょっと考えて見ましょう。(中略)憲法は単に『法律の親分』ではないのです。法律は国民ひとりひとりが守るべきものですが、憲法はその国の権力者が守るべきものだからです」「国家権力を制限する憲法にもとづいて政治を行うことを『立憲主義』といいます」と断言し、また、紙面では太字で「憲法は、権力者が勝手なことをしないように、国民がその力をしばるもの」とも強調している。

 憲法のあり方をこう強調するのだから、自民党が平成二十四年にまとめた改正草案のなかで、国民は「憲法を改重しなければならない」とされたのに対して、池上氏は「憲法は、国民が権力者に対して守るように命令するものであるというのが、立憲主義の精神ですから、国民に憲法を守らせるのは本末転倒なのです」と太字で批判している。

 立憲主義についてそうした主張をする論者がいないわけではないが、ごく一部の限られた解釈と言える。憲法は権力を制限する「制限規範」であるとともに、同時に国会に立法権を、内閣に行政権を授けるといった、国家権力が正当に行使されるための「授権規範」でもあるというのが一般的な立憲主義理解と言えるからである。そもそも権力を制限するにしても、その前提として権力が授権されなければ制限しようがないという話でもある。池上氏は、「授権規範」にはまったく触れることなく、一方的に「制限規範」だけを強調し、「憲法入門」の「解説」を始めているわけで、これは偏向解説とI河わざるを得ない。

 ちなみに、自民党案にある国民の憲法尊重義務は、国民主権のもとでは国民が憲法を尊重するのは「理の当然」(『注解日本国憲法』)というのが多数説であり、国民が定めた憲法を権力だけが遵守すべきで国民が守らなくてよいなどいうのはごく少数の主張でしかない。


その「解説」の出所はどこか?


 では、こうした池上氏の偏向はどこから生まれて来たのだろうか。むろん、池上氏がその「解説」の根拠とした出典が明記されているわけではない。ただ、この『憲法入門』には(珍しいことに)巻末に参考文献が三十数冊掲げられている。そのなかには櫻井よしこ氏や百地章氏の著作も含まれており、掲げられた文献からは偏りがあるとまでは言えないが、問題は、こうした参考文献のなかで池上氏が何を取捨選択しているのかにある。

 いま引用した立憲圭義に関して言えば、明示されてはいないが、参考文献にあげられているなかで言えば、池上氏は弁護士の伊藤真氏の主張を採っていることは明白と言える。憲法は「あくまでも国家を制限するために作られたもの」、憲法は権力に守らせるものであり、国民は法律を守ればよい、というのが伊藤真氏の主張だからである。

 一方、参考文献としてあげられている百地章氏の『憲法の常識 常識の憲法』 では「授権規範」と「制限規範」のバランスが重要だとされている。池上氏が「大学生の基本の教科書」と推奨している芦部信喜氏の『憲法』は、「(憲法は)国家権力を制限する基礎法」だとする一方、国家が「国家による社会生活への積極的な介人」を必要とする「社会国家」(福祉国家)に変わりつつある現代においては、「行政権の役割が飛躍的に増大した」と指摘している。つまり今では授権規範としての憲法の役割も重視されねばならないというのである。

 こう見てくると、池上「解説」が一部の論者の主張に基づいていることは明らかと言えるが、パクリ疑惑問題で明らかとなったようにその出所が明らかにされることはないために、池上氏の見解であるかのように、「池上ブランド」として語られていると言える。


語られない「固有の権利」

 こう見てくると、池上氏が様々な見解を踏まえたうえで「解説」しているのではなく、様々な見解のなかから意識的に取捨選択していることは明らかと言えよう。そうだとすれば、池上氏の「解説」なるものが表面的で浅薄というだけでなく、特定の方向へ誘導する、その危険性を感じざるをえない。

 例えば、『憲法入門』 では、九条問題について一章を使って大きく取り上げている。結論としては「憲法第九条と自衛隊の関係は、どうあるべきなのか。/もし変えるのなら、変えるのはどちらでしょうか。憲法九条か、自衛隊か。それとも変えないでいくという選択をするのでしょうか」と改正について中立的な物言いになっているが、内容は明らかに一つの方向を示唆している。

 詳細を紹介する紙数はないので小見出しのなかからキーワードを拾ってみると(括弧内は引用者の補足)、「(「新しい憲法の話」では)「兵隊も軍艦も持たない」と言ったはず」、「当初の政府は『自衛権も放棄』と説明していた』「軍隊ではない「警察予備隊」を作らせた?」「(予備隊は)法律を作らずこっそりと発足した」「(自衛隊は)米軍を補佐する組織」「『戦力』?それとも『実力』?」「防衛費を抑える基準もなくなった」という具合で、憲法解釈が変わって自衛隊が拡大していくことが強調され、一貫して「第九条があるのに、どうして自衛隊」が存在しているのか」という視点で語られていることが分かる。

 その一方、わが国が主権国家である以上、自衛権を「固有の権利」として持っているという点については何も触れていない。例えば、自衛隊についての政府の憲法解釈はただ「自術のための必要最小限度の実力」とだけ紹介され、その前提となっている「わが国が独立国である以上、この規定(九条二項)は、主権国家としての固有の自衛権を否定するものではない」との解釈はネグレクトされてしまっている。

 こんな「解説」をそのまま受け止めれば、「憲法第九条と自衛隊の関係は、どうあるべきなのか」などという池上氏の問題設定の結論は、九条は変えないという結論に行き着くことは目に見えているのではあるまいか。


「天皇」には歴史も伝統もない?

 また、今年八月に出版した『池上彰の「天皇とはなんですか」』では、皇位継承問題について、池上氏はこう書いている。

 「現在の皇室典範は法律ですから、議会で変えることが出来ます。憲法では、皇位は世襲であるという大原則だけが示されていて、具体的な世襲のあり方は、議会が決めた皇室典範に基づくと定めています。皇室典範第一条には……天皇は男性しかなれないと定められている。でも、これは法律ですから、国会で皇室典範を改正すれば、女性天皇も可能になります」

 「第一条には、天皇の地位は『主権の存する日本国民の総意に基く』とあり、第二条には『皇位は、世襲のもの』とあります。/この二点に着目すれば、私たち国民の総意に基づくのであれば、皇室典範を改正して、女性天皇や女系天皇を認めることは、憲法上何ら問題はありません」

 何とも浅薄な「解説」と言える。確かに皇室典範は国会の議決によって改正することは可能と言えるが、しかし、それは憲法が規定する「天皇」や「世襲」が、この憲法によって新たに創設されたかのようにしか理解できないのが池上解説だということでもある。

 「天皇」は歴史と伝統に基づいた名称であり、憲法の規定としても明治憲法から引き継がれたものである。「世襲」も「皇位の世襲」という特殊な性格が踏まえられるべきであり、一般の商家などでいう世襲と同次元であり得ない。むろん、例外的に女性天皇が即位されたことはあっても男系男子による世襲が大原則であり、女系天皇など一例もないというのが「皇位の世襲」の歴史的事実である。しかし、そうした点に池上氏が触れることはない。

 池上氏は、歴史や伝統を抜きにして法律の文字面だけで「天皇」[世襲]を「解説」しているわけで、浅薄極まりない内容というだけでなく、そこには伝統も歴史もない国としてしか日本を捉えていない池上氏の国家観が透けて見えてくる。


日本赤軍は正義の味方?

 池上氏は自身はただ判断材料を提供するだけで「材料を与えたら、国民や視聴者や読者に判断してもらえるだろう」と述べている(ダイヤモンド・オンライン)が、しかし、ここまで見てきたように池上氏が提供する「材料」は一方的であり、欠くべからざる重要事項が抜け落ちているわけで、池上「解説」には、明示されているわけではないけれども、左翼的偏向があると言わざるをえない。

 池上氏はNHK記者の頃、出演者(お父さん役)としてだけではなく、企画にも関わったという「週刊こどもニュース」で有名になった。池上氏のいわば原点とも言うべき番組なのだが、その「週刊こどもニュース」を政治的偏向だと指摘していたのが中村 粲(あきら)濁協大学教授(名誉教授)だった。むろん、今から放映された内容を掘り起こすことは無理だが、有り難いことに中村教授は「NHKウオッチング」(『正論』で長期連載)で、いくつかその実例をビデオテープから起こして紹介してくれている。

 例えば、「日本赤軍ってナーニ」という質問のあった回「平成十二年十二月二十三日)で、池上氏はロシア革命を起こしたソ連は「赤軍の力でそれまでの政治をひっくり返して国を作った。日本でもその赤軍のように政治のやり方をひっくり返そうとするグループが生まれた」、それが日本赤軍だと「解説」し、そのうえで彼らが「ひっくり返そう」と考えた理由を池上氏はこう「解説」している。

 「その頃の日本には貧しい人達がいたから、その人たちを何とかしなければいけない、今の世の中を変えなければならないという人たちが沢山いて、その中には武器を使っても変えてしまおうという人たちが出てきて、その中の一つのグループが赤軍って名乗ったんですよ」と。

 さらに「国内では活動がうまくいかないので海外へ出て行こうと、赤軍は中東に行ってパレスチナの味方をしようとしたが、赤軍というグループが沢山いたので『日本赤軍』と名乗ってレバノンで活動を始めた。各地で飛行機を乗っ取ったり、大使館を襲ったり、さまざまなことをしたんですね」と言って「質問カイケツ」で終わる(『正論』平成十三年四月号から引用。仮名遣いは引用者が変更)。

 日本赤軍は腐敗社会を立て直そうとして正義の戦士のように美化する一方、日本赤車の凶悪犯罪については国内で起こしたリンチ殺人事件は「国内では活動がうまくいかない」とごまかされ、テルアビブ空港での銃乱射事件は「さまざまなこと」で片付けられてしまう。これがNHKという公共放送で子供向けに放送されていたというのだから、その偏向ぶりには驚く他ない。

 こんな「解説」が池上氏の原点だとすれば、今はただ巧妙になっただけで、やはり考え方には左翼的尻尾が残っていると言わざるをえないだろう。

    *     *
 独立国の「固有の自衛権」を語らずに自衛隊と憲法の関係を語り、伝統や歴史を踏まえることなく「天皇」「世襲」を語る「解説」。それを有り難かってブランド化しているメディア。池上「解説」はまさに今日の言論状況の実に残念な姿を写していると言える。

<引用終り>


  1. 思想
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2019-01-07 17:36

ヨーロッパの移民問題を考える


 前回のエントリー「日本社会の歪みの淵源を議論すべき時」で青山繁晴さんの移民国家阻止 わたしは諦めない」という一文を取り上げた。但し前回は移民問題よりも「日本社会の歪みの淵源」について書いたので、今回は移民問題を取り上げます。

今回のテーマはヨーロッパで大問題になっている移民問題、これをイギリス人ジャーナリスト、ダグラス・マレーのYOUTUBE動画でで紹介します。


最初にダグラス・マレーと言ってもわからないが近著はこんな本のようです(実は私もまだ読んでない)。

ダグラス・マレー 著  町田敦夫 訳
内容紹介
著者は、シリア難民や移民問題をめぐって、ベルリンからパリ、ギリシャなど欧州を横断し、難民、歓迎側、拒否側など、様々な立場の人々を取材しながら、独自の視点で、今日の欧州が自らを追い詰めていく人口的・政治的現実を分析。


こんな風ですが、そのダグラス・マレーが動画でエッセンスを話しています。



ヨーロッパの自殺
2018/05/14 に公開

 欧州は自殺しようとしています。なぜでしょうか。このビデオでは、『西洋の自死』の著者であるダグラス・マレーが、迫り来る欧州の崩壊の2つの主要な原因について説明します。

スクリプト:
 ユダヤ教・キリスト教の価値から生まれた文明、古代ギリシャの哲学、啓蒙時代の発見は、自らの手に導かれて深い穴の縁に立ち、その奥底を見つめています。寒々しい言い方をすれば、欧州は自殺しようとしているのです。なぜこんなことになったのでしょうか。複雑な問題ですが、大きな原因は2つです。

第1は、欧州への人々の大量流入です。これは第二次世界大戦後から着実に進行していましたが、中東、北アフリカ、東アジアから100万人を超える移民が欧州になだれこんだ2015年の難民危機以降、大きく加速しました。

同じくらい重要な第2の原因は、欧州がそれ自体、その信念、その伝統、そしてその正統性への信頼を失くしてしまったということです。2つの原因を詳しく見ていきましょう。

欧州は何十年もの間、主に中東や北アフリカから一時的労働者を積極的に招きました。誰も彼らが留まるとは考えませんでしたが、彼らは留まりました。不法移民も含め、誰も彼らに帰国を求めませんでした。1999年、英国の移民担当大臣はこう言います。「移民を返すには時間がかかる。感情的な問題もある」

そして、もちろん、彼らには去る理由もありません。欧州には出身国よりもはるかに多くの経済的機会があります。仕事がなくなれば、気前の良い社会保障が用意されています。欧州の「多文化主義」への取り組みにより、移民は彼らの望む文化を維持することが許されたどころか奨励された時期もありました。

しかし、これはうまくいきませんでした。①英国、フランス、ドイツの指導者は2011年になってこれを認めました。キャメロン、サルコジ、メルケルは、多文化主義は失敗したと衝撃的に認めたのです。こうして、移民は同化し、西洋の価値を受け入れるように求められるようになりました。

欧州各国は、これがうまくいけば、財政的負担や稀に起きるテロも大きな問題にならないと説明しました。しかし、思い通りにいかないどころか、移民は増え続けます。2015年だけで、ドイツとスウェーデンは人口の2%にあたる移民を受け入れました。2017年に英国で最も多く命名された男子名はムハマドムハンマド(Muhammed)です。

それでは、なぜ欧州の指導者たちは、欧州の価値とまったく異なる価値を持つ人や、それに反対する人も含め、戦争から逃げてきた人でも、単純により良い生活を求めている人でも、世界中からあらゆる人を受け入れることができると決めたのでしょうか。

この質問に一言で答えるとすれば、それは「罪悪感」です。これらの難民は、欧州の帝国主義に起因する状況から逃げようとしているのではないか、と考えているのです。彼らの国の不運な人々を無慈悲に搾取したのは私たちではないのか。彼らの悲惨な状況の原因は私たちにあるのではないか、と。

②欧州に彼らを受け入れることで、この罪悪感を消すことができます。特にこれはドイツにあてはまります。アンゲラ・メルケルは、2015年に150万人の移民を受け入れることで、20世紀の強大な侵略国でホロコーストの設計者であるドイツが、21世紀の人道的超大国になったと実質的に宣言したのです。

高貴な感情かもしれません。しかしその代償を払うのは誰でしょうか。幾何級数的に増加する犯罪やテロを体験しなければならなかった欧州の一般市民です。彼らの恐怖や不満はほぼ無視されましたが、それだけに留まりません。

2015年10月、ドイツ政府は800人の新たな移民をカッセル市に割り当てます。不安な住民は、行政側に質問するため会合を開きます。動画によれば、住民は冷静に振舞っています。会合の途中、行政区長がこう告げます。「住民が反対しようが難民は来る」。同意しない人は「自由にドイツを去ってよい」。

「問題があるなら、それは移民ではなく市民の問題だ」という行政の姿勢は、エリート層に漂う「徒労感」を反映していると私は考えます。欧州の物語は語り尽くされた。宗教や考えうる全ての政策も試した。どれも失敗だ。何もうまくいかない。ならば、私達がいなくなれば世界はうまく回るんじゃないか。

もちろん、こうした見方を取ることができるのは、自分がどれほど幸運なのかを理解していない人々のみです。皮肉なことに、真の意味で同化し、西洋の価値を守ろうとする難民以上にこれを理解している人はいません。

たとえば、啓蒙時代の原則をオランダ人以上に信じたためオランダを去ったソマリア生まれのヤーン・ヒルシ・アリや、欧州の価値を擁護したために同じ移民から命を脅かされているドイツ在住のハメド・アブデル・サマドなどの非凡な人々です。

これは本質的に文化の自殺、自己破滅です。
一般的な欧州人が指導者との心中に加わる可能性はあります。しかし、最近の世論調査によれば、彼らにその意思は見てとれません。この意思に基づき彼らがどう行動するかは、これから数年の重要な物語となるでしょう。

私たちが目撃するのは、欧州の終焉でしょうか。それともその再生でしょうか。

<動画の字幕は此処まで>


①英国、フランス、ドイツの指導者は2011年になってこれを認めました。キャメロン、サルコジ、メルケルは、多文化主義は失敗したと衝撃的に認めたのです

この件は2010年10月に第一報が出ています。
Merkel says German multicultural society has failed
17 October 2010


この問題の根の深い所は、2010年~2011年、移民を入れての多文化共生がうまくいかないと分かっていたのです。なのに何故2015年にあのように多数の移民を受け入れたのか。その結果として国内が無茶苦茶になってしまったのだが、なぜそんな決断をしたのだろう。


②欧州に彼らを受け入れることで、この罪悪感を消すことができます。特にこれはドイツにあてはまります。アンゲラ・メルケルは、2015年に150万人の移民を受け入れることで、20世紀の強大な侵略国でホロコーストの設計者であるドイツが、21世紀の人道的超大国になったと実質的に宣言したのです。

こんな高尚な事を考えているようだが、実はこれは善良な、罪悪感を持った一般市民を騙す表の顔。裏に見える本心はもっと別の所にあった。


この件は私もこんなエントリーをしました。

「ドイツの移民受け入れに思う事」  2015-09-12 21:01

ここにこんな記事を紹介しました。

<以下ロイターより引用>
焦点:難民は「未来の熟練工」、ドイツ高齢化の救世主か
International | 2015年 09月 11日 15:54 JST 
 
[ドルトムント/ベルリン 10日 ロイター] - 欧州諸国の多くが難民・移民の大規模な受け入れは自国経済に損失をもたらし得ると考える一方で、ドイツは記録的な難民流入に頼ることで自国を救おうとしている。

死亡数が出生数を上回るなか、ドイツの労働人口は2030年までに600万人減少する見通しで、持続的な経済成長を危うくしている。

「われわれのところにやって来る人々を早急に訓練し、仕事に就かせることができれば、熟練労働者の不足という、わが国経済の未来にとって最大の課題の1つが解決するだろう」とガブリエル副首相兼経済・エネルギー相は10日、議会で語った。

ドイツは年内に約80万人の移民を受け入れる予定だ。移民で不足を埋めつつ、人口を維持するのはドイツ政府にとって簡単なことではないだろう。だが、多くの企業はすでに彼らに期待のまなざしを向けている。
・・・以下略・・・
<引用終り>

この記事で難民受け入れ側の本音が分かると思います。
要は人手が足りない。だから手っ取り早く移民を入れればいいだろう。特にシリアの中間層などは訓練すればいい熟練工になる筈だ。こんなことが背景にあると思う。
特にドイツの自動車産業は猛烈な拡大を続けていた。こんな時は人手が足りないのは当たり前。シリアから質のいい人材が入ってくれば、大歓迎だ。こんな思惑があった筈だ。
そしてこんな理由で難民受け入れを強力に押したのが日本でいえば経団連に相当する経営者団体。この経営者団体は自動車産業の圧力がとりわけ強い所で知られています。

それにしても、難民を未来の熟練工???、現場を知らない連中、とんでもないことを考えるものです。

おっと、それで難民はすぐに仕事をするようになったんでしょうか。
実はこれが大外れ。まさに「当てとフ〇ドシは前から外れる」、これを地でいった話で、難民は仕事には全く使い物にならない。
ここにヨーロッパの自殺と言われる状況がある訳です。


難民問題では、上掲「ドイツの移民受け入れに思う事」エントリーのコメント欄で、ドイツ在住の丸山光三さんが「独逸で発生しているのは移民問題ではなく戦争であるという件」という指摘をされています。
さすが慧眼だと思います。その後の展開を見ると丸山さんの言っていることが其の儘起こっています。但しこの件は私も良く分からないので、今回は指摘のみにとどめます。


結論です。
欧州がそれ自体、その信念、その伝統、そしてその正統性への信頼を失くしてしまった
この事が多分一番大きな問題なのでしょう。

翻って日本を見てみます。
日本では若い人の間で意識の大変化が起こっています。
例えば靖国神社への若い人の参拝がどんどん増えています。
最近のトップニュースは、あのエダノンが今まで言ってきたことをかなぐり捨てて伊勢神宮に参拝。これには大神様も驚いたかもしれませんが、まあいいでしょう。

矢張り日本人が、その信念、その伝統、そしてその正統性への信頼を確立する、こんな事が必要だと思います。

  1. 海外
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2019-01-05 17:40

日本社会の歪みの淵源を議論すべき時


 今年は正月早々、日本にとっての大問題、入管法の改定が決定し、日本も移民受け入れに舵を切る年になった。私はこの法案は成立したとはいえ悪法であり、反対である。
丁度現在発売中の正論2月号に青山繁晴さんが「移民国家阻止 わたしは諦めない」という一文を載せている。ここで移民問題とは関係ないが、非常にいい話が載っているのでそれを紹介。
尚今回は移民問題ではないのだが、移民問題については次回取り上げます。

 
それでは最初に青山さんの記事から。

<以下雑誌正論2月号より引用>

移民国家阻止
わたしは諦めない     衆議院議員・作家  青山繁晴
2019-1-5青山さんby正論2月号 

 不肖わたしは、本誌に寄稿するのはこれが初めてである。正直、もはや寄稿を増やしたりする時間はどうにも作れないので「正論」とはご縁がないままに終わると思っていた。
 それがなぜ今、書いているか。
 先日に「日米の保守派が激論」とうたうフォーラムに招かれた。素晴らしい試みだと思う ただし、わたし自身は保守派という言葉をあまり使わない。
 その席で米側に「日本社会の歪みの多くは米軍による占領政策に淵源がある。そこに踏み込んで議論すべき時だ」と申しあげた。米側の代表は「心臓がドキドキする」と仰った、これまで双方が避けてきた議論の始まりとしては、悪くない。これは名司会のおかげである。
 司会者は有元降志さん。有元さんは産経新聞政治部の記者時代に、共同通信の政治部記者だったわたしと一緒に総理官邸に詰めていた。
 その有元さんが今は、正論の発行人だとこのフォーラムを機に知ったのだった。
・・・以下略・・・
<引用ここまで>


ここで先ず「心臓がドキドキする」と言うたった一言に私が何故注意をひかれるか、それは「米軍の占領政策に淵源がある」、この事なのである。

米軍の占領政策、これは当時のGHQが行ったのだが、その政策に関与していたのはGHQ内に多数いたアメリカの社会主義者、共産主義者、中でもフランクフルト派の共産主義者だった。
この事は以前から言われていたのだが、1995年にヴェノナ文書が公開され、その噂が真実であることがハッキリしてきた。

ではその占領政策がどんなものだったのか、そのごく一端を見てみたい。


最初にGHQによる焚書である。皆さん誰でも秦の始皇帝が「焚書坑儒」を行ったが、この焚書(不都合な事の書いてある書物を焼く)こそは最も文明を破壊する非道な行為。そう学校で習った筈だ。
しかしその焚書が戦後の日本で、しかも文明国であることを自認するアメリカにより行われた。
これが事実である。
その焚書により失われた書物は、全部で7769点数百万冊に上る。こんな大量の本を焚書にしたため、日本の明治から大東亜戦争に至る歴史の研究に大きな空白が出来てしまった。

GHQによる焚書は以下エントリー参照ください。
「GHQが作った歴史の空白、焚書の話」  2016-11-19 17:02
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1319.html
「焚書の事例から現代へ」  2016-11-20 09:41
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1320.html



もう一つ、日本の報道を歪め、未だにその影響が無くならないこと。
プレスコードである。
「現代に生きるプレスコード」  2018-06-06 15:30
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1533.html

プレスコードの全30項目は以下の通りです。
 1、SCAP(連合国軍最高司令官もしくは総司令部)に対する批判
 2、極東国際軍事裁判批判
 3、GHQが日本国憲法を起草したことの言及と成立での役割の批判《修正:2018年4月26日、
   江藤氏原訳「GHQが日本国憲法を起草したことに対する批判」を英文原文に従い修正。
   修正根拠は記載のアメリカ国立公文書館の典拠文書の記述に拠る。(細谷清)》
 4、検閲制度への言及
 5、アメリカ合衆国への批判
 6、ロシア(ソ連邦)への批判
 7、英国への批判
 8、朝鮮人への批判
 9、中国への批判
 10、その他の連合国への批判
 11、連合国一般への批判(国を特定しなくとも)
 12、満州における日本人取り扱いについての批判
 13、連合国の戦前の政策に対する批判
 14、第三次世界大戦への言及
 15、冷戦に関する言及
 16、戦争擁護の宣伝
 17、神国日本の宣伝
 18、軍国主義の宣伝
 19、ナショナリズムの宣伝
 20、大東亜共栄圏の宣伝
 21、その他の宣伝
 22、戦争犯罪人の正当化および擁護
 23、占領軍兵士と日本女性との交渉
 24、闇市の状況
 25、占領軍軍隊に対する批判
 26、飢餓の誇張
 27、暴力と不穏の行動の煽動
 28、虚偽の報道
 29、GHQまたは地方軍政部に対する不適切な言及
 30、解禁されていない報道の公表

このプレスコードに未だに忠誠を誓っているのが朝日新聞です。困ったことです。



もう一つが日本国憲法をアメリカが起草したこと。
「日本の憲法はアメリカが書いた」とバイデン副大統領が言った  2016-08-18 16:13
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1289.html




このように日本の問題を見てみると、確かに青山繁晴さんが言うように「淵源は米軍による統治にある」事は間違いありません。



しかし潮目は変わりました。

アメリカ側での最大の変化はフーバー元大統領の大著「裏切られた自由」が刊行されたこと。
これは2011年に出版されたのですが、フーバー元大統領が脱稿してから実に48年後のことでした。
この大著でフーバー大統領は第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症 を明らかにしています。

もう一つの変化は安倍首相の米議会演説です。

安倍首相米議会演説  2015-05-01 07:26
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1103.html
日米はともに戦勝国だ  2015-05-02 18:28
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1104.html

この米議会演説の伏線として、日本だけがAIIB不参加でアメリカの側に立ったこと
AIIB(2015-3-31が創立メンバーの締め切り)は2015年3月11日にイギリスが参加を表明、以後ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、オーストラリアなどのアメリカの同盟国も全て参加してしまった。中でもアメリカの諜報機関が作っている 「Five Eyes」と呼ばれるUKUSA協定の五カ国(米英加豪新(ニュージーランド))よりも日本のほうが誠実であることをアメリカに知らしめたことが大きい。

フーバーの裏切られた自由については以下参照ください。
FDRは真珠湾を挑発しましたか? 2018-02-01 11:05
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1494.html


結局どうなったか?

『ルーズベルトが近衛文麿首相との首脳会談を拒否した結果、多くの米兵が無駄死にし、広島・長崎の原爆投下に至り、中国は共産化し、朝鮮戦争、ベトナム戦争を戦う羽目になり、現在の傲慢で尊大な中国を作った。』
こんな事が起こりました。
トランプ政権が中国とはっきり戦う姿勢を示しているのは、トランプのせいでは有りません。こんな現状認識がアメリカの支配層の共通認識になった、これが大きいと思います。


最初に戻ります。青山繁晴さんが米側に「日本社会の歪みの多くは米軍による占領政策に淵源がある。そこに踏み込んで議論すべき時だ」と言った。それに対し米側の代表は「心臓がドキドキする」と言った、この事は、アメリカにとっては『問題点は分かっている、アメリカの犯した致命的な過ちだ。その結果として現在の日本の問題点がある』、こんな事で、そこをズバリと言われたので「心臓がドキドキする」となったのだと思う。
(若しこんな現状認識が無ければ、「古い話でゴタゴタするな」で終りの筈)

しかしこれは避けて通ることのできない話。何年、何十年かかろうとも解決せねばいけない。今その端緒についたという事ではないだろうか。

  1. 政治
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2019-01-02 16:41

初詣


 初詣に行ってきました。例年は元旦早朝に岡崎市の岩津天満宮に行くのですが、今年は本日にしました。

これが本日の岩津天満宮(天神さん)、綺麗に晴れ上がっています。

2019-1-2岩津天満宮1月2日朝 

天満宮は学問の神様なので、受験生が沢山やってきていました。
他にも受験生を抱える学校の先生方も子供たちの志望校合格を祈願していました。
絵馬に教え子の志望校合格を祈願している。そんな先生に教えてもらう子どもたちも幸せだと思います。


所で6年前の2013年。
丁度前年(2012年)12月の総選挙で自民党が大勝し、第二次安倍内閣が発足した直後。
その頃は本殿前の願掛け牛(願いと込めて願掛け牛に水をかける)はこんな風に氷漬け。


これは013年1月1日の岩津天満宮の願掛け牛



牛クンも寒そう・・・
牛クン曰く、
”あんたら、勝手に水をかけてお願いお願いと言うが、それを聞いて水をかけられる身にもなってみなはれ! おいらも寒いのを我慢しているんだ。あんたも頑張りなはれ!”

2013年は悪夢の民主党の3年半からやっと政権を取り戻した年。今でもあの時の苦労を思い出します。本当にアベノミクスのおかげです。

私も個人的にこの頃は葬式だらけでたいへんでした。
今年こそ良い年にしたいですね。

  1. 社会一般
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2019-01-01 12:25

明けましておめでとう御座います


 明けまして おめでとう ございます.

本日、平成31年1月1日の日の出。平成最後の元旦の日の出です。

2019-1-1平成31年の初日の出@羽豆岬 
愛知県知多半島先端、羽豆岬からの日の出

日本は長い長い閉塞のトンネルからいよいよ飛び立とうとしています。

そんな元日早朝、日の出の15分ほど前にはもう1機が飛んでいきます。
何処へ行くのか、それとも来たのか・・・。
2019-1-1元日のフライト6時47分 

本年もよろしくお願いします。



  1. 社会一般
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