2016-10-29 14:28

藤井聡先生の『このままでは日本は後進国になる』論を考える

 内閣官房参与の 藤井聡先生が、『このままでは日本は後進国になる。そして経済的植民地へ』、こんな恐ろしいことを言い始めた。私は藤井聡先生のご意見は大変いいことを仰っているのでいつも注意して見ている。

がしかし今回のこの意見は正論と思うものの、もう少し言い方があるのではないかと疑問を感じる。

最初に藤井先生の仰っていること。

<以下Money Voice より引用>
http://www.mag2.com/p/money/25292
「普通に暮らす」という戦い。日本はあと25年で後進国化する=内閣官房参与 藤井聡

2016年10月27日

記事提供:『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2016年10月25日号より
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/10/25/fujii-220/
※本記事のタイトル・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです

このままでは日本は後進国になる。そして経済的植民地へ…
成長率アップに失敗すれば、「今まで通りの暮らし」ができなくなる

今、安倍内閣は「デフレの完全脱却」を目指したアベノミクスを展開しています。

「デフレの完全脱却」とはつまり、GDP成長率が低くなる低成長、あるいはゼロ成長、あるいはゼロ成長、マイナス成長にすらなってしまう「デフレ」を完全に終わらせ、GDP成長率を年率3~4%程度まで上げるということを意味します。

しかし今日本には、「成長率を数%上げることがそんなに必要なのか? 別に成長しなくたって、今まで通りで構わないじゃないか」という風に思っている方も少なくないと思います。

――が、そんな認識は完全に間違っています。

なぜなら、今の日本で「成長率を数%上げる」ことに失敗すれば、「今まで通りの暮らし」ができなくなるからです。

以下、その理由を説明したいと思います。

まずは、こちらのグラフをご覧ください。

2016-10-28藤井先生のグラフ
出典:世界の全ての国・地域の名目GDPの推移図 - Facebook

これはこれまでにも何度かご紹介してきた「世界の全ての国・地域の名目GDPの推移図」。

ご覧のように、1995年ごろまでは、日本は順調に成長していました。結果、1995年には日本のGDPはアメリカの7割、(ロシアも含む全)欧州の5割程度の規模を誇っていました。

しかしそこから日本は「デフレ」になり、「ゼロ」ないしは「マイナス」成長となりました。一方で、世界中の国々のGDPは伸びていきます。結果、日本のGDPは中国の半分、アメリカの四分の一、欧州の五分の一という水準に至ってしまいます。

そして、全世界のGDPに占める日本のGDPシェアは、ピーク時の17.3%(2005年)から5.9%にまで、実に「三分の一以下」にまで激減しました。

つまり、日本経済はこの失われた20年の間に着実に衰退し、今や、決して「経済大国」とは言えないような国に成り下がったわけです。

・・・以下長文のため途中省略、結論部分に飛びます・・・

以上に示した悪夢のような未来を避けることは出来るのでしょうか?

――もちろんそれは可能です。

言うまでも無く、デフレをいち早く完全に終わらせ、諸外国と同様の年率3~4%程度の成長率を確保し続ける状況を創出すれば良いのです。そうすれば、わが国の発展途上国化を食い止めることはもちろん可能です。これこそ、わが国政府はアベノミクスを通した「デフレ完全脱却」が目指している、最大の根拠です。

「日本の後進国化」という悪夢を避けることができるのか否か――この問題は、もう既に単なる「経済」問題の枠を超えた、「国防」問題と言っても差し支え無いでしょう。

こうした真剣なる危機感の下、かねてより主張している「三年限定の財政拡大」によって「デフレからの脱出速度」を確保する取り組みの継続が求められています。さもければ、日本の未来は悪夢に堕することになるでしょう。

安倍内閣の勇気ある、真に本格的な経済対策の継続を、心から祈念したいと思います。

<引用終り>

 正論である。私も同様の危機感を持っているのだが・・・
がしかし、がしかし藤井先生、「このままでは発展途上国になる」などと、ちょっと言い方が過激すぎませんか。
藤井先生のような高名な方がこう仰ると、一般庶民は「ああっ、やっぱり日本はダメなんだなあ。あのグラフのようにこの20年全く成長していない、これでは日本はお先真っ暗だ」。こう考えるのではないですか。

こんな諦念を植え付け、厭世観を助長する
おまけに先生の発言を変に増幅し、厭世観を助長するへっぽこマスゴミのエサになっていませんかねえ。

実は日本のGDPが全く伸びていない、デフレに苦しんでいるとき、日本はステルス成長をしていたという見方もある。先生も当然ご存知と思いますが、それを書いてみます。

確かに先生のお示しになったグラフは事実です。
ですがこの20年、日本人は何もしてこなかった???、 そんなことは絶対にないですよねえ。

実はこの話、当然ながら気が付いた人もいる。なんと中国からだがこんな話がある。

2011-10-06
「誰も知らない1.8個分の日本<レコードチャイナの報道です」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-366.html

言っていることの概要は
震災や日本国債の格下げなどは、日本の「失われた20年」を連想する人も少なくないと思う。(引用者注:この記事は2011年10月のものなので、当時は民主党政権時代)
日本経済は20年間、成長が止まり低迷しているというものだが、実はこれは全くの誤解である。

根本から言えば、日本経済には「失われた20年」は存在しない。
この20年、日本の海外における経済力は国内の1.8倍にも膨れ上がった。
海外資産は40倍、海外純資産は60倍も増加。世界中のすべての市場、業界で日本マネーを見ることができる。
こうした状況の下、日本国内の経済成長も緩慢ではあるが、20年間ほとんどマイナス成長が見られなかった。これだけですでに奇跡だといえる。
<引用ここまで>



この20年は日本にとって「失われた20年」ではなかった。むしろ、「海外で高度成長を遂げた20年」といって良い。
巷では良く、「日本は海外に『1.8個分の日本』を持っている」という例えが用いられる。
海外にそれだけの資産を持っているという意味だ。
こんなことを言っているのだが、こんなことは普段マスゴミは決して報道しないので一般の人は分からない。
出はどうなっているか。

これは日本が海外に持っている資産と負債、その差し引きの純資産の推移グラフ

2016-10-28対外資産負債残高推移グラフ
出典:http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2015_g.htmより作図

見事に右肩上がりになっています。2008年のところが一寸へこんでいますが、リーマンショックですね。

これは上掲グラフの実際の数字、興味のあるからはサムネイルから拡大してどうぞ

2016-10-28対外資産負債残高推移データ

さてでは諸外国との比較はどうなっているか

2016-10-29主要国の対外純資産

こんな風に主要国の中でも日本は断トツの一位です。
GDPが20年間横ばいで成長していない、そう言いながら海外には339兆円もの純資産を持っている。
私が藤井先生の意見は分かるけれど、「このままでは日本は後進国になる」などという言い方が過激すぎる、これが問題だと思っている訳です。

さてでは339兆円もの純資産、これがどのようになるか、当然利益を生むわけです。

これはデータが2014年までだが、日本の経常収支とその内訳の推移

2016-10-29日本の経常収支推移(内訳付き)
http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2015/2015honbun/i1120000.html

このグラフは経常収支(国際収支ともいう)の内訳とその合計の推移が分かる。
ここで用語の解説を少し。
経常収支=貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の合計

貿易収支 = 財貨(物)の輸出入の収支を示す。

サービス収支 =サービス取引の収支を示す。
  (サービス収支の主な項目)
  輸送:国際貨物、旅客運賃の受取・支払
  旅行:訪日外国人旅行者・日本人海外旅行者の宿泊費、飲食費等の受取・支払
  金融:証券売買等に係る手数料等の受取・支払
  知的財産権等使用料:特許権、著作権等の使用料の受取・支払

第一次所得収支 = 対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。
  (第一次所得収支の主な項目)
  直接投資収益:親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払
  証券投資収益:株式配当金及び債券利子の受取・支払
  その他投資収益:貸付・借入、預金等に係る利子の受取・支払

第二次所得収支 = 居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す。
  (主な内容)  注:2014年以前は経常移転収支と言っていたもの
  官民の無償資金協力、寄付、贈与の受払等を計上する。

なぜこんなことを長々書いたかと言えば、第一次所得収支が海外への投資などから上がってくる収益を現すからなのだ。
そして日本は貿易立国だなどといまだに言うセンセ方がいるが、実態はとっくの昔に貿易収支より所得収支のほうが多くなっている。
だから2011年の東日本大震災ののち、日本は貿易収支が赤字転落。そりゃあ大震災で工場は止まり。おまけに原発も停止、政府はと言えばパヨクチンタラ民主政権、これでは赤字が当たり前なのだが、実は貿易大赤字ながらトータルの経常収支は黒字だった。ひとえに所得収支が大きいことが原因だった。(毎月約1兆円以上だった)

2016-10-29国際収支の主要指標推移
http://www.nippon.com/ja/features/h00135/


これで分かるが、2015年には年間で20兆円を超える第一次所得収支がある。月間で1.5兆円以上になる。

私の友人の元経理責任者は2011年秋、しみじみ私に語ったことがある。
短足さんが海外に出ていく時、私は海外事業に反対だった。しかし今日の状態で、もし海外からの稼ぎが無ければボーナスなど到底払えない。それを思うとあの時海外に出て言って本当に良かった。有難う。
こんなことが日本中で起こっている。それが上掲グラフである。


結論です。
藤井先生の仰ることは何とかしてデフレを止め、成長を確保したい。これはまったく同感でぜひとも加速させてほしいです。

しかしこれは経済の一つの面、もう一つが日本はステルス成長をしているという事。この証拠が2015年には年間で20兆円を超えた所得収支の黒字。
これはこれでもっと進めるべきでしょう。

ここから今の若い人に考えてほしいことが出てきます。
日本は国内の成長が出来なくても海外で成長してきた、そんな実績を持っています。
今までも、そしてこれからも海外で活躍していかないといけない、そんな時代です。
今まで以上に自分を磨き、海外で頑張れるようにしていかないといけない。
そんなことで日々頑張ってほしいと思います。

  1. 経済
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2016-10-25 16:18

治安悪化神話

 10月23日のエントリー「死刑廃止論者にとって命の値段は安い」で日本の他殺者の数が戦後一貫して減少していることを紹介した。
しかし皆さんはこの他殺者数減少に違和感があると思う。最近物騒になったなあ、あるいは最近治安が悪くなったなあ、こう思っている人が多いと思うからだ。

最初に前回も紹介したこのグラフ。

2016-10-21他殺者数推移

このグラフを見ると、平成に入ってからでも他殺による死亡者数は平成元年(1989年)の767人から昨年(2015年)の314人と半分以下になっている。これを見れば日本の治安は良くなってきているなあ、そう思うのが当たり前なのだが現実は全く逆。
最近治安が悪くなったなあ、凶悪な犯罪が増えたなあ、こう思っている人が多いのではないだろうか。

実は私は以前からこの問題にはマスゴミの過剰報道、つまり日本全国の殺人事件などをしつこく、いつまでも繰り返し繰り返し報道していることが大きいと思っている。
そしてこの件は以前から朝日新聞などでは何年か前に比べて殺人事件の報道件数が4~5倍に増えたという事をどこかで見た記憶がある。
今回調べなおしてそのソースが見つかったので早速購入した。
「犯罪不安社会」 浜井浩一、芹沢一也著 2006年12月 光文社刊
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AF%E7%BD%AA%E4%B8%8D%E5%AE%89%E7%A4%BE%E4%BC%9A-%E8%AA%B0%E3%82%82%E3%81%8C%E3%80%8C%E4%B8%8D%E5%AF%A9%E8%80%85%E3%80%8D-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%B5%9C%E4%BA%95-%E6%B5%A9%E4%B8%80/dp/4334033814

もう10年も前の著作だが、こんな研究は他にはあまり無いようで、なかなか良い本である。

そしてここにこんなグラフがある

2016-10-25治安悪化神話1

このグラフが言っていることは、一般の人は自分の周りは治安悪化していない。しかし全国的には非常に治安が悪くなっている。
そういう風に感じ取っていることで、これは10年前のデータだが多分現在でも同じではないか。

そしてこれからが私が最も興味をひかれるデータ。この著者は朝日新聞を例にとって凶悪犯罪の報道件数と実際の他殺者数を比較している。

2016-10-25治安悪化神話2

他殺者数はほぼ横ばいだが、朝日新聞が報道する凶悪犯罪の件数は以前に比べ3倍から5倍と大幅に増えている。
これが犯罪が増えたなあ、そう感じる原因になっていると思われる。

この調査は朝日新聞を例にとったが、多分他の新聞でも大同小異ではないだろうか。
私は朝日新聞は殺人事件大好き、そう思っていたのだが、他のメディアがどうなっているかは調査したわけではないようだ。

つまり治安悪化というのは都市伝説、神話のたぐいだが、これを悪徳マスゴミが拡散し、さらにそれに乗っかる連中がいる。

こんなことが日本はダメだという諦念を助長し、厭世観を広めているのではないだろうか。
冒頭の他殺者数グラフには自殺者数も記入してあるが、1998年から突如ポンと跳ね上がっている。
原因はデフレにより給料が下がり始めたことが大きいが、こんなマスゴミのネガティブキャンペーンも厭世観を蔓延らせ、自殺者増の遠因になっていないだろうか。


上掲「犯罪不安社会」には、この治安悪化神話を解決する提言が載っている。
大変いいことを言っているので紹介したい。(犯罪不安社会 p73-p74)

<以下引用>

治安悪化神話の解消を

 しかしながら、治安悪化神話に対して、われわれは何をなすべきなのであろうか。
 イギリス内務省では、犯罪の低減とは独立したものとして、犯罪不安の低減を内務省の取り組むべき重点課題としている。つまり、客観的な治安レベルが回復したからといって、人々の不安が解消するわけではないということを国の機関が認め、それに対する対策を講じようとしているのだ
 目本においても、おそらく治安悪化神話の解消のためには、まず治安悪化の根拠となっている犯罪増加について正確な情報提供を行うこと、警察に対する信頼感を回復することなどが重要だと思われるが、同時に治安悪化神話の生成および確立に大きな役割を果たしているマスコミ、市民活動家、行政・政治家、専門家の「鉄の四重奏」の絡みを一つ一つほどいていく必要がある。もちろん犯罪被害者に対する支援は強化した上でである。
 本章では統計の分析を中心として、治安悪化というのが神話でしがないこと、そしてそのような神話を支え、日々再生産している構造を明らかにした。

<引用終り>


「客観的な治安レベルが回復したからといって、人々の不安が解消するわけではない」、この考え方は私にとっても目から鱗の話だった。
客観的事実があっても、それをどう人々の安心につなげてゆくか、難しいがみんなで取り組まねばいけないテーマだと思う。

その為のキーポイントが
「犯罪増加について正確な情報提供を行うこと、警察に対する信頼感を回復すること」
そして
「治安悪化神話の生成および確立に大きな役割を果たしているマスコミ、市民活動家、行政・政治家、専門家の「鉄の四重奏」の絡みを一つ一つほどいていく必要がある」
こんなことのようである。

そんな意味で
淫乱尼僧こと瀬戸内寂聴の発言「殺したがるばかどもと戦って」、こんなことが治安悪化神話に繋がり、日本を覆う厭世観へと繋がっていく、そんな風に感じる次第。
  1. 社会一般
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2016-10-23 17:57

死刑廃止論者にとって命の値段は安い

 10月12日のエントリー「不快な発言をする尼僧」で淫乱尼僧こと瀬戸内寂聴の発言を取り上げた。
日弁連シンポで死刑制度を批判した発言(ビデオメッセージ)だ。
「殺したがるばかどもと戦って」

私はこんなろくでもない言葉を聞くたびにタイでの悲しい経験を思いだす。

もう十数年前だが、秘書の子を殺されました。レイプ殺人の被害者でした。
余りにも惨たらしく悲しい話なので、家族にも殆ど詳しいことは話していません。
この事件を報道する現地の新聞も持っていますが、惨たらしい遺体の写真がデカデカ載っている・・・、
これは家族にも誰にも見せていません。死んだら棺桶に入れてもらい、あの世までもっていくつもりです。



さてそんな経験があるのですが、この為どうしてタイにはそんなに殺人事件が多いのか、色々調べました。
多分ここまで調べた日本人はほとんどいないでしょう。
その経験を書いてみます。

実はこの話、どうにも書く気にならなかったのですが、淫乱尼僧瀬戸内寂聴の発言で、これはどうしても反論したくなりました。


最初にタイの殺人事件が日本の十数倍あるということについて、2012年2月20日にこんなエントリーをしました。
「殺人事件の日本・タイ比較」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-445.html

それからこれはno-risuさんのブログだが大変興味深いことを言っている。
「死刑を廃止すると殺人事件が増える?」
http://norisu415.blog.fc2.com/blog-entry-1066.html

なおこのno-risuさんのブログで法務省の死刑廃止に関する勉強会資料が紹介されていますがリンク切れ。
これは法務省のHPに資料が載っています。
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00055.html
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00056.html

民主党政権時代に死刑廃止を叫んで勉強会をやったお○カ議員センセ。やってみたら法務省から、死刑廃止すると殺人事件が増えるというデータを突き付けられて目を白黒、そんな話です。



さてでは本論だが、最初に現状理解のため少しデータを

これは戦後から現在までの日本の殺人の被害者数(棒グラフ)
(参考までに自殺者数と失業率を折れ線グラフで表示)

2016-10-21他殺者数推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2776.html

日本は長期的には殺人事件の被害者数は減少し続けている。
終戦直後を除いても、1955年(昭和30年)は他殺者数のピークで年間2千人を超えている。それが半分の年間1千人を下回ったのが1987年(昭和62年)、さらにその半分の500人を下回ったのが2009年(平成21年)、そして現在はと言えば昨年(2015年)は314人である。
昭和の終わりころから比べても殺人事件の被害者数は三分の一になっているのだが、多分このデータを見ても皆さんは信じられないのではないか。こんなことはまったく報道されないからだが、この件は別途エントリーすることにし、先に急ぎます。


では次にタイの事情、諸外国の事情を見てみます。

その他殺者数の国際比較はというと、こんなページにデータがあります。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2776a.html

国別であまりにも差が大きいため、高レベル国、中レベル国、低レベル国に分けてありまして、そこから関係分を抽出。
(高レベル国は省略した、また下記グラフは取り上げた国が多すぎて分かりにくいので、主要国だけにした。詳細は上掲元資料参照ください)

これは他殺者数が中レベルの国、アメリカ、タイ

2016-10-23他殺率推移中レベル国米国とタイ


これは他殺者数が低レベルの国、イギリス、フランス、ドイツ、そして日本。日本の低さが際立っています。

2016-10-23他殺率推移低レベル国英国日本他

このように日本の他殺者数は人口10万人当たりで見て他の国とは全く違う、非常に少ないレベル。
最近の数字は日本は10万人当たり0.3人くらい、それに対しアメリカやタイは10万人当たり5人から6人くらい。
日本はアメリカとかタイの十分の一以下ですね。
(注:日本はこの少ない他殺者数の半分くらいは家庭内(親が子を、又は子が親をというケース)になっているようです)

こんな現実を踏まえ、冒頭書いたタイでの悲しい経験からどうしてタイがそんなに殺人事件が多いのか調べてみた結果。

タイで人殺しが多い理由。(いろんなタイ人の話を聞きましたが、特に日本に滞在経験のあるタイ人の意見が参考になりました)

1) 刑罰が軽い・・・宗教的な問題で、死んだ人は生き返らない。それより今生きている人を重視する考え方が有る。
但し麻薬・覚せい剤は別、厳罰である。一寸量が多ければ死刑だ。そして特赦・恩赦の対象にはならない。

2) 刑務所に入っても2,3年で出てこられる・・・日本で言う保釈、また何か有ると恩赦がある。
これにも宗教的な背景が有る。

刑務所に入っている人を恩赦などで救い出すと、仏教で言う「タンブン」で功徳を積んだことになり、来世に良いことが有る。

タイに行った事のある人ならわかると思うが、タイで寺院などでスズメなどを籠にギュウギュウ詰めにして売っている。
食べるため?
いや違う、これは功徳を積むため:
囚われているスズメを逃がすと善行を積んだことになるため功徳になり、来世に良いことがあると信じられている。
だから人を殺してもスズメを逃がしてやればその罪はチャラになる・・・・ う~~ん、絶句ですね。

これが寺院の門前で功徳を積む為、ネエチャンがスズメを逃がしている。

2016-10-23タイのタンブンでスズメを逃がす
この赤い籠の中に数羽のスズメが入っていて、何かタンブンをしたいお姉さんがスズメを逃がしている。

しかしよく考えてみれば日本でも死刑廃止を叫んでいる連中も程度の違いはあれ、似たようなものかもしれません。
人を殺してもスズメを逃がしてやればチャラ!・・・・、悪徳弁護士連中の考えそうなことではある。
いえいえ、これはそこの弁護士センセのことではありません。タイでの話です。ハイ。

3) 刑務所が一杯・・・ 早く出所させないと次が収容できない。
例えば刑務所不足のため、船を改造した刑務所まである始末。

これが船の刑務所、2000年ころタイのシラチャ沖シーチャン島に停泊していた。今はどこへ行った事やら・・・
2016-10-23船の刑務所
詳細は下記エントリー参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-446.html


こんな理由で簡単に出所できるので、人殺しなど平気でやってしまう。

この一つの例として殺し屋がある。日本では殺し屋はTVドラマのネタではあるものの現実には(多分)ごく少ない。
しかしタイではごく普通に殺し屋がいる。
しかもごく安く殺しを請け負うことが一般的だ。
殺し屋の請け負う金額は数年前までは一人2万バーツ(約6万円くらい)だった。多分最近でもあまり変わっていないだろう。
そんな安く請け負う理由は、多分捕まっても簡単に出てこられるから。



結論です。タイで殺人事件が多いのは人の値段が安いから、殺しても厳罰に処せられないからです。
これが麻薬になると死刑を含む厳罰が待っているので、タイ人は非常に怖がりますから分かります
特に人間の値段が安い、これは加害者サイドから見た一方的な価値観である事が問題です。

冒頭あげた淫乱尼僧瀬戸内寂聴の「殺したがるばかどもと戦って」、この発言がいい例です。
寂聴にとっては殺された人の人権など何の意味もない無価値なものなのでしょう。現に寂聴は自分の産んだ子供でさえ3歳の時に捨ててまったく顧みていません。
自分にとって関係のない連中は何の価値もない、そう思っているのでしょう。

この考え方が『パヨク』に共通する考え方だと思っています。
  1. 社会一般
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2016-10-18 11:50

跪く(ひざまずく)とは

 13日に「タイのプミポン国王ご逝去」をエントリーしたのだが、このとき引用した読売新聞記事に関して、裏の桜さんが興味深いエントリーをしている。
裏の桜さんのエントリー
『跪く(ひざまずく)・畏る(かしこまる)』
http://sakuraura.blog.fc2.com/blog-entry-3998.html

裏の桜さんが言いたいのはこんな事

>国王は70年代以降、政治危機の際にたびたび仲裁の役割を果たしてきた。92年に軍が市民デモに発砲した「暗黒の5月」事件の際、対立する首相とデモ隊指導者を自らの前にひざまずかせて和解を諭し、その影響力を内外に強く印象づけた。


「自らの前にひざまずかせて」って・・・・対立する首相もデモ隊指導者も「タイ国王に最大限の敬意を表したから跪いた」「畏まった」ということじゃないの?

私は「タイ」という国に関して詳しいことを知っているわけじゃありませんが、このような「安易?」な報道というか、記事が、マスゴミがよく言うところの「無理解」につながっているんじゃないの?


この暗黒の5月事件というのはこんなもの
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%97%E9%BB%92%E3%81%AE5%E6%9C%88%E4%BA%8B%E4%BB%B6

1991年2月にタイは軍事クーデターで軍事政権となったが、軍事政権と民主化を求める勢力が対立、1992年5月、大規模な衝突となった。
指導者は軍事政権がスチンダー陸軍司令官、民主勢力側がチャムロン元バンコク知事だった。

2016-10-18暗黒の5月事件


この時、軍事政権側は武力で鎮圧しようとしたため、300人以上とも400人以上とも言われる死者を出した。
そして今なお正確な死者数は分かっていない(だから暗黒といわれている)。軍が死体をどこかに隠した、あるいは投棄したためと言われている。
10年くらいたったころでも、タイ湾のパタヤ沖などで不審な死体が見つかると、この時の死者ではないかと囁かれていた。


そしてプミポン国王による調停

『いい加減にせよ』
2016-10-14プミポン国王デモを調停
この写真の奥側がスチンダー首相(陸軍司令官)、手前側がチャムロン元バンコク知事

国王ラーマ9世(プミポン国王)は武力衝突を憂慮し、スチンダー首相(陸軍司令官)と民主化運動の指導者チャムロン元バンコク知事を王宮へ呼び、玉座の前に両者を座らせた。

「そんな事で国民のためになると思うか、双方ともいい加減にせよ」と説く。
一夜にして事態は収束した。


これを受けスチンダーは首相を辞任し、アナンが首相に復帰し、文民政権の樹立へとつながった。
これにより、『人間性が高く慈悲深い人物』という印象が強くタイ国民の心の中に根付くこととなった

この当時、世界は湾岸戦争直後であったため、日本での報道はあまり大きくなかったと思う。


さてここからが本論。
こんな事なのだが、世界を驚かせたのが上掲写真のように時の首相と民主化運動指導者を玉座の前に座らせたこと。
そんなことが私の13日のエントリーでも読売新聞が「対立する首相とデモ隊指導者を自らの前にひざまずかせて和解を諭し、その影響力を内外に強く印象づけた」と書くわけだが・・・。

そこで裏の桜さんの指摘。
>「自らの前にひざまずかせて」って・・・・対立する首相もデモ隊指導者も「タイ国王に最大限の敬意を表したから跪いた」「畏まった」ということじゃないの?

>私は「タイ」という国に関して詳しいことを知っているわけじゃありませんが、このような「安易?」な報道というか、記事が、マスゴミがよく言うところの「無理解」につながっているんじゃないの?


これは慧眼である。
こんな無責任な報道が事実を捻じ曲げ、真実から遠ざかるよう事例だと思う。

実はこの国王の前に跪いているように見える姿、これがタイの一般的な高貴な方に対する姿勢なのだ。

例えばこれはプミポン国王の長女であるウボンラット王女がプミポン国王に挨拶しているところ

2016-10-15プミポン国王のあいさつする長女写真

さらに言えばこの姿勢、パプピアップ(phap-phiap)といって寺院で僧侶の話を聞いたり、読経したりするときの一般的な姿勢でタイ人ならだれでも出来る。(日本の正座に相当するもの)

例えばこんな風

2016-10-15タイの正座パプピアップ(phap-phiap)

私もタイでの会社のセレモニーなどで僧侶に来てもらったことが何度もある。そのときはこんな姿勢で座るのだが、日本人の男性にはこの横座り、何とも座りにくく往生しました(笑)。

まあこんな風なのだが、この姿勢がタイの一般的な習慣だからと言って、これでプミポン国王の権威に多少なりとも影響があるわけではない。
玉座の前で「いい加減にせよ」と諭し、一夜にして内戦の危機とまで言われた事件を収束させたことは事実だからだ。


しかしこのような安易な報道が事実を捻じ曲げ、厭世観を煽るのにつかわれる。ここが今現在の問題なのだと思う。
  1. タイ
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2016-10-13 22:26

タイのプミポン国王ご逝去

 タイのプミポン国王がご逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたします。

しかし、一言、残念です。
タイに神仏のご加護有らんことを。

尚現地の報道によれば、タイ軍事政権は13日、プミポン国王のご逝去を受け、
▼政府機関、国営企業、教育機関は14日から30日間半旗を掲げる。
▼公務員、国営企業職員は14日から1年間服喪する。
国民に対しては、相応しい行動をとるよう求めた。

<以下読売新聞より引用>

http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161013-118-OYT1T50097/list_%2523IMPTNT

タイのプミポン国王が死去…在位70年、88歳
2016年10月13日21時55分

2016-10-13プミポン国王

 【バンコク=西島太郎】タイ王室庁は13日、プミポン・アドゥンヤデート国王(ラマ9世)が死去したと発表した。

 88歳だった。1946年6月に即位し、在位期間は70年と、存命する世界の君主の中で最長だった。国王は、首都バンコクのシリラート病院で治療を受けていた。王室庁の声明によると、国王は13日午後3時52分(日本時間同日午後5時52分)、穏やかに息を引き取ったという。

 特別の事情がなければ、長男のワチラロンコン皇太子(64)が王位を継承する見通し。

 タイ国民が絶大な敬愛を寄せる国王の死によって、タイ国内では政治的・社会的混乱が懸念される。また、服喪により、社会の様々な分野で自粛が予想される。東南アジア諸国連合(ASEAN)の中核国家であるタイには多くの日系企業が進出しており、経済活動にも一定の影響が出そうだ。

 プミポン国王は、兄ラマ8世の急死を受け、チャクリ王朝第9代国王に即位。50年にシリキット王妃と結婚し、1男3女をもうけた。

 国王は70年代以降、政治危機の際にたびたび仲裁の役割を果たしてきた。92年に軍が市民デモに発砲した「暗黒の5月」事件の際、対立する首相とデモ隊指導者を自らの前にひざまずかせて和解を諭し、その影響力を内外に強く印象づけた。

 タイでは2014年5月のクーデターで文民政権が倒れ、軍主導のプラユット暫定政権がプミポン国王の承認を得て統治を続けている。
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  1. タイ
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2016-10-12 19:02

不快な発言をする尼僧

 今日10月12日の読売新聞1面のコラム欄は淫乱尼僧こと瀬戸内寂聴の話が載っている。
どんなことを言っているか・・・。


その前に瀬戸内寂聴が何を言ったのか、こんな報道がある。

「殺したがるばかどもと戦って」 瀬戸内寂聴さんの発言に犯罪被害者ら反発「気持ち踏みにじる言葉だ」 日弁連シンポで死刑制度批判
http://www.sankei.com/west/news/161007/wst1610070012-n1.html

とまあ、こんなことを喋っている。


さてでは、読売のコラムでは如何言っているか。

<以下引用>
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161012-118-OYTPT50119/search_list_%25E7%25B7%25A8%25E9%259B%2586%25E6%2589%258B%25E5%25B8%25B3__

10月12日 編集手帳
2016年10月12日5時0分

 菊池寛の句を思い出す。〈故人老いず生者老いゆく恨(うらみ)かな〉。青春を知らず、恋を知らず、遺影のなかで子供たちはいまもあどけない表情のままだろう。大阪教育大付属池田小学校で8人の児童が凶刃の犠牲になった事件から15年がすぎた。
◆犯人の男に死刑判決が言い渡されたとき、遺族は「“8人の天使たち”の親の想おもい」と題する共同談話を発表している。一日も早い死刑執行を願う、と。その人にいわせれば、これも“ばかども”の談話になるらしい。
◆「殺したがるばかどもと戦ってください」。死刑制度に関するシンポジウムに瀬戸内寂聴さんがビデオメッセージを寄せ、死刑廃止論者を激励したという
殺したがるばかならば、殺人狂だろう。肉親を理不尽にも殺された遺族が加害者に命で償ってもらいたいと願ったとして、どうして殺人狂呼ばわりされねばならないのか。死刑廃止に傾ける熱情には敬意を表するが、心ない発言といわざるを得ない
「あなたのお父さんやお母さんは、ばかです。死刑でひとを殺したがるばかどもです」。心が痛まぬのなら、遺影の目をみつめて語りかけてほしいと思う。

<引用終り>


新聞1面のコラムは社説と並んで新聞の主張を書くところ。そこでこんなことを書かねばいけない。
瀬戸内寂聴とはなんと罪深いオナゴなのだろう。

若いころから3歳の幼子と夫を捨てて他の男のもとに走ったり、男遍歴の数々を繰り広げ、それを書いて売ったり、ろくでもない「すべた」。
それが今は坊主の格好をして左巻き発言の数々。

こんな事で日本人の間に厭世観を煽り、諦念を助長する。
寂聴のやっている事は正しく愚民化工作そのもの
だという事だ。

読売新聞・産経新聞がこんな発言をとらえ、厳しく糾弾している。良いことだ。
もっとこんな事を日本中に広めてほしい。こんな所から日本再生が始まるのだと思う。
  1. 社会一般
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2016-10-08 11:29

アメリカ白人の死亡率上昇

 今こんな本を読み始めた。
『問題は英国ではない、EUなのだ  21世紀の新・国家論 』
エマニュエル トッド 著
文春新書  2016年9月20日刊

2016-10-7トッドの新刊

大変面白い本なのだが何せ難しい。ぼちぼち読んでいます。
しかし冒頭から気になる記述が・・・

「日本の読者へーー新たな歴史的転換をどう見るか?」
ここに
「アメリカでは、不平等の拡大、支配的な白人グループにおける死亡率の上昇、社会不安の一般化などの結果、ナショナルな方向への揺り戻しが始まっており、それを象徴しているのが、ドナルド・トランプやバーニー・サンダースのような大統領候補の登場です。」
こんなことが書いてある。

他の部分は私も大体知っていたのだが、「支配的な白人グループにおける死亡率の上昇」、これについては実は知らなかった。
そこでどんな事なのか調べてみた。


この死亡率上昇の研究論文が発表されたのが2015年11月2日、それを報道する11月4日のWSJ記事

米国で白人中年の死亡率上昇、依存症など要因
http://jp.wsj.com/articles/SB12055383950015144394104581334663298544334

実はこんな事例は日本でも起こっている。1998年に突如自殺者が年間3万人を超えた。それも劇的で1998年3月に突如自殺者数がポンと跳ね上がり、大騒ぎになったことがある。
この年間自殺者数が3万人以下になったのは2012年で現在も少しずつ減ってきている。
以下参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-642.html


こんなことを踏まえ、このアメリカの深刻な状況について考えてみたい。

いろいろ調べると、今年6月のNewsweekの記事が実態がよくわかるので、これを紹介したい。

<以下Newsweekより引用>
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/06/post-5278_1.php

トランプ現象の背後に白人の絶望──死亡率上昇の深い闇
2016年6月8日(水)17時35分
安井明彦(みずほ総合研究所欧米調査部長)

 米国の大統領選挙でドナルド・トランプの得票率が高い地域は、白人の死亡率(人口に対する死亡者の割合)が高い地域と一致しているという。その米国では、薬物・アルコール中毒や自殺など、白人を中心とした「絶望による死(プリンストン大学のアン・ケース教授による表現)」の増加が問題視されている。トランプ現象の背後には、死を招くほどの絶望が潜んでいるようだ。

「絶望による死」で死亡率が上昇

 2016年6月1日、米疾病予防管理センター(CDC)が、衝撃的な統計を発表した。米国の死亡率が、10年ぶりに上昇したというのだ(図1)。大きな理由は、白人による薬物・アルコール中毒や自殺の増加である。「絶望による死」の増加が、米国全体の死亡率を上昇させた。

2016-10-8アメリカの死亡率推移

「絶望による死」は、白人に集中している。CDCによれば、2000年~2014年のあいだに、米国民の平均寿命は2.0歳上昇した。しかし、白人に限れば、平均寿命は1.4歳の上昇にとどまっており、黒人(3.6歳)、ヒスパニック(2.6歳)に後れをとっている。白人に関しては、心臓病や癌による病死の減少が平均寿命を上昇させた一方で、薬物・アルコール中毒や自殺、さらには、薬物・アルコール中毒との関係が深い慢性的な肝臓病などが増加。平均寿命を押し下げたという。

トランプを選ぶ絶望

 死を招くような白人の絶望は、トランプ現象と重ねあわせて論じられている。

「トランプに投票するかどうかは、死が教えてくれる」
 
 2016年3月に米ワシントン・ポスト紙は、こんなタイトルの記事を掲載している。予備選挙の投票結果を分析すると、40~64歳の白人による死亡率が高い地域と、トランプ氏の得票率が高い地域が一致したという。同紙が分析した9州のうち、例外はマサチューセッツ州だけであり、テネシー州やバージニア州などでは、死亡率が上昇するほど、トランプの得票率も高かった。

【参考記事】「トランプ現象」を掘り下げると、根深い「むき出しのアメリカ」に突き当たる
http://www.newsweekjapan.jp/morley/2016/03/post-2.php

 この記事が注目されたのは、トランプ現象の背景にあると考えられてきた白人労働者の不満が、死と背中合わせの関係で浮かび上がってきたからだ。製造業などに従事する白人労働者は、グローバリゼーションや技術革新による雇用不安に加え、ヒスパニックなどの増加によって、社会的にもマイノリティ化していくことへの不安に苛まれている。その絶望が、選挙ではトランプ旋風を巻き起こす一方で、白人を薬物・アルコール中毒などの「絶望による死」に追い込んでいる、というわけだ。

【参考記事】「トランプ大統領」の悪夢を有権者は本気で恐れろ
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/05/post-5176.php

次のページ 絶望のシワ寄せは女性に

 白人労働者の絶望を示唆する調査結果も発表されていた。2015年9月にプリンストン大学のケース教授とアンガス・ディートン教授は、薬物・アルコール中毒などの「絶望による死」の増加を主因に、中年(45~54歳)の白人による死亡率が上昇していることを明らかにした。黒人やヒスパニックの死亡率は低下しており、白人でも中年における死亡率の上昇は学歴の低い層に限られる(図2)。まさに製造業などに従事する割合が高い人々である。

2016-10-7アメリカ白人死亡率
(引用者注:高卒未満と大卒以上??、では高卒はどうなるの??、と言いたいところだが、どうもこの文章を書いた人は日本語が苦手らしい。未満を以下に読み替えてください)

表面からは見えない絶望の広がり

 こうした調査結果からは、トランプ支持の中核をなす白人労働者が、死と背中合わせの絶望の淵にある構図が連想される。しかし、白人による死亡率上昇の現実は、トランプ旋風が示唆するより深刻である。絶望を感じている白人は、必ずしもトランプ支持者に限らないからだ。

 トランプの支持者は白人男性に偏っているが、実は死亡率が上昇しているのは白人の女性である。1990年と2014年を比較すると、むしろ男性の死亡率は低下している(図3)。都市部に住む女性の死亡率に大きな変化はなく、地方居住の女性における上昇が著しい。

2016-10-8アメリカ白人死亡率の変化


 年齢の面でも、中年に限らない広がりが出てきている。地方在住の女性では、25~44歳の年齢層において、1990年以降の死亡率が30%以上も上昇している。また、2000年代に入ってからは、男性を中心とした若い世代の白人において、薬物中毒の増加が目立つ。先のCDCによる調査を年齢別に分析した結果でも、25~34歳の死亡率の上昇が、もっとも白人の平均寿命を押し下げている。

 薬物中毒は、先に犠牲となった歌手のプリンスのように、医師に処方された鎮痛剤がからむケースが多い。白人の場合には、黒人などと比べて容易に鎮痛剤が処方される傾向があり、犠牲者を増やしているとも指摘されている。

 トランプを支持しているのは白人男性だが、絶望は彼らの周りに広がっている。トランプの派手な言動や、選挙集会での衝突など、荒っぽさが目立つ今回の大統領選挙だが、表面には出てこない絶望も、かなり深刻であるようだ。

<引用終り>



私がこれを読んで最も驚いたのが「白人女性の死亡率上昇」だ。
こんな状況では男性のほうが弱いのが一般的な考え方、それが女性の死亡率が上昇している。如何にこの問題の根が深いかがわかる。


日本でも自殺件数が3万人を超えたとき、官民挙げていろんな対策をやってきた。しかし全く効果無し。
こんな事の真の原因・・・、
日本の場合は真の要因はデフレ、具体的には平均給料が前年より減り始めたことが引き金を引いた。
そして真犯人はどうも1998年当時政権与党だった新党さきがけの連中、その後の民主党の連中だった。
・・・鳩山由紀夫・管直人・前原誠司・玄葉光一郎・枝野幸男・・・、名前を聞くだけでもうんざりしますね。


さてアメリカがこれからどうなってゆくか。
日本の場合は東日本大震災が国民が覚醒するインパクトとなり、政権交代、アベノミクスへと繋がった。

アメリカの場合はどうなるであろうか。
歴史を紐解けば、アメリカという国は経済立て直しのためには常に戦争をやってきた国なのだが・・・・。
今後の推移を見守りたい。
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2016-10-06 10:12

タイの田舎

 この所ちょっと重い話題が続いたので少々息抜き。
私の好きなタイの田舎の風景など。


タイの観光地パタヤからさらに南に行ったところ、パタヤの喧騒がウソのような漁村がある。
私がタイで仕事を始めたころ、地域の地図を見ていたら「Worth to visit」と紹介されていた田舎の漁村。
「バン・アンプー」という所です。


浜辺からは遠くにパタヤのホテル群が見えています。

2016-10-5パタヤ遠望


上空からはこんな風、赤丸内がバン・アンプー(アンプー村)の中心あたり

2016-10-6バンアンプー上空より赤丸付き

静かな漁村風景

2016-10-4photo-04.jpg


運河に面して水上の住宅

2016-10-4photo-03.jpg

ヤシの殻を植木鉢にして白いランの花、下の運河は水は綺麗ではありませんが、まあタイならこんなもの。

2016-10-4photo-011.jpg


この小さな田舎の村を気に入ったのは鄙びた風景ともう一つ、おいしいタイ料理のレストランがあること。
こんなのがタイのシーフードレストラン、

2016-10-5バンアンプーのタイレストラン

シーフードのとてもおいしいレストランなのだが、住んでいたシラチャの町からは遠すぎてめったに行く機会が無かった。

尚Ninja300さんの情報によれば、最近はバンコク辺りから客が大勢来るため値段が高くなりすぎたとのこと。
値段はともかく、また行きたいところですが、多分もう行く機会はないだろう・・・。
  1. タイ
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2016-10-03 17:25

トヨタとVWの「苦い過去」

 ドイツの話をいろいろ書いてきたのだが、もう一度VWについて考えてみたい。
VWによる排ガス規制逃れ問題、大きな問題なのだが最近あまり報道がない。しかしVWはどうも日本のメーカーとはかなり違う考え方で車づくりをしているのではないだろうか。
ちょうどいい事例がある。トヨタが過去に2度VWと提携したことがある。その苦い経験などを踏まえて考えてみたい。

最初に現在のクルマのビッグ・スリーはトヨタ・VW・GM。
その世界販売台数はこんな風になっている。

2016-10-3世界の自動車メーカー別販売台数ランキング

世界全体で見るとトヨタ・VW・GMはほぼドングリの背比べ状態、この図は2015年だが、2016年1月~8月を見るとVWがトップだが、その差はごくわずか。

さて世界全体はそうだが、特にトヨタとVWの国別販売状況は大きく異なる。
ざっくり言ってトヨタは日本25%、アメリカ25%、中国10%、その他40%と言ったところ。
一方にVWは欧州40%、中国40%、その他20%、こんな風でVWはアメリカでまったく売れていない。

Yuyuuさんが以下ブログで指摘されているが、VWのアメリカでのシェアーは僅か2%ほど。
米独・冷凍チキン戦争と日本車の進出
http://yuyuu2013.blog.fc2.com/blog-entry-4415.html


しかし歴史を紐解けば、第二次大戦後真っ先に対米輸出を始めたのはVWだった。その当時のクルマは初代VWビートル(通称カブトムシ)だった。
そしてこの輸出は大成功で、アメリカからは実に好意的に迎え入れられ、ドイツ本国で1978年に生産終了しているのに今なお人気がある。

2016-10-2アメリカに愛されたビートル

そんなVWがいち早くアメリカでの現地生産に乗り出したのが1976年、生産した車は空冷リアエンジンのビートルの後継車ゴルフ(水冷・フロントエンジン・フロントドライブ)のアメリカ版「ラビット」だった。生産したのはペンシルベニア工場。

2016-10-2初代米国生産VWラビット

しかしこのアメリカ進出は失敗だった。生産した車はVWの初代ゴルフを一部変えたものなので決して悪い車ではないはず。
しかし品質は劣悪で不人気者になってしまい販売不振。85年には2代目ゴルフ・ジェッダを生産開始したが人気は回復せず。
結局VWは進出10年でアメリカから撤退した。

こんな事情が現在に続くVWのアメリカでの販売不振のルーツである。

その後20数年たって、2011年にVWは新しい工場を建設した。テネシー州チャタヌーガにこの工場はある。
以下参照ください。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-304.html

このエントリーを見ていただくと分かるが、VWのアメリカ工場の人件費は当時のトヨタやホンダの工場の約半分。
これが私にはとけない疑問点なのだが、この件はちょっと置いておきます。


さて本論です。
トヨタとVWは過去に2回業務提携しています。
一つはVW車の販売をトヨタ系列で行うけんでトヨタDUO店、2010年に販売終了しています。
もう一つがガソリンエンジンの直噴技術(筒内噴射技術)でトヨタのD-4エンジンの技術をVWに供与するものでした。
この件は以下参照ください。
http://d-wise.org/b9910/car.pdf


散々前置きが長くなりましたが、そんな経緯に関してこんな記事があります。

2016-10-3トヨタとVWの苦い過去
http://news.livedoor.com/article/detail/10307753/


しかし幸いなことにこの記事がアーカイブで見ることが出来た。そこでこれを紹介したい。
元記事は「週刊現代」2015年7月4日号より。


<以下引用>
https://web.archive.org/web/20150707010154/http://news.livedoor.com/article/detail/10307753

トヨタとフォルクスワーゲン社の「苦い過去」 国民性の違い浮き彫りに

2015年7月4日 6時0分

ざっくり言うと

これまでに2度フォルクスワーゲン社と業務提携を結んだことのあるトヨタ
トヨタ側の社員が技術を教えても、VW側が教えることは一切なかったという
時間になるとすぐに仕事を切り上げて帰るなど、日本とは正反対の姿勢だった

【戦後70年特別企画】 ドイツ人と日本人。同じ敗戦国なのに、なぜ世界の評価がこんなに違うのか

2015年7月4日 6時0分 現代ビジネス

70年前、戦争に敗れた時点では、まだ同じスタートラインにいたはずだった。合理的に突き進んだドイツと、似ているようで「和」を尊んできた日本。辿り着いた先にはまるで違う評価が待っていた。

トヨタを悩ませた「壁」
「トヨタはこれまでに2度フォルクスワーゲン社(以下VW)と業務提携を結びました。その間、VWのドイツ人とは技術面から営業面まで様々に協力をしてきたのですが……。最後まで分かり合えることはありませんでした。よくドイツ人も日本人に似て、勤勉で真面目だっていうじゃないですか。確かに仕事に対してはそうだったのですが、人間としては根本的に違うんです」(トヨタ自動車幹部社員)

日本とドイツ-。2つの国は国際社会の中で、しばしば「似ている」と言われる。共に第二次世界大戦の敗戦国ながら、戦後、焼け野原となった自国を科学技術によって立て直し、先進国・経済大国として世界を引っ張ってきた。両国とも世界的に有名な自動車メーカーが多数存在する。

だが、その頂点に君臨する「トヨタ」と「VW」が提携した時、そこで互いが感じたのは、越えようもない「高い壁」の存在だったという。

前出のトヨタ社員が続ける。

「特に技術職の社員は相当辛い目にあったようです。トヨタ側は自社で培った技術を惜しみなく教えるのですが、VW側は一切教えてくれませんでした。『自分たちが世界一の自動車メーカーだ。トヨタから学ぶことなどないし、教える必要もない』と考えていたのでしょう。

でも、仕事中は無駄な会話は全くしないし、緊張感があるから作業効率は圧倒的に高い。決まった時間になるとすぐに仕事を切り上げて帰るし、日本とは何から何まで正反対でした」


いまやドイツは「EUの事実上のリーダー国」であり、経済的にも政治的にも世界に存在感を示している。一方で、日本は「アジア一の経済大国」という肩書を中国に奪われてしまい、かつての輝きは取り戻せないままでいる。

なぜ、両国間の評価には、ここまで差がついてしまったのだろうか。

その理由は先ほどの国民性の違いにあるのかもしれない。「したたかなドイツ人」と、「優しすぎた日本人」。それが両者を語る上でのキーワードだ。
・・・以下略・・・
(詳細は上掲リンク先参照ください、徒に長い駄文ですが・・・)

「週刊現代」2015年7月4日号より

<引用終り>


この記事は昨年9月のVW排ガス不正問題が明るみに出る前の物ですので、そんなつもりで見てください。
そしてこんな所が今回のVW排ガス不正問題につながっているのですが、まったく別の分野でドイツ銀行の問題も根は同じではないかと思うのです。

VWは車の販売で大変頑張っていますが、これが裏目に出なければいいのですが、どうでしょうか。
  1. 海外
  2. TB(0)
  3. CM(16)