2016-09-27 19:02

ドイツの対日観は激変してしまった

 9月24日のエントリー「世界の真の敵はイスラム恐怖症<トッドの話です」でドイツがすっかり変わってしまったことを書いた。

「ドイツは20年前、10年前とは全く変わってしまった、今は中韓と並ぶ反日国だ」と書いたのだが、そんな事情を私の知るところを書いてみたい。

元々ドイツ好きの私、車ならプジョー・シトロエンよりVW・BMW、音楽ならドビッシーよりシューベルトやベートーベン・・・以下略。
またドイツには尊敬する丸山光三さんがお見えになる。
だから一層このテーマは書きにくいが、どうも避けて通れないように感じる。


最初にドイツから見て日本がどう見えるか、それをリオのオリンピックが終わったとき、「次は東京だ」という事がドイツでは如何報道されたか。
ドイツ在住の女性9人のブログに面白い記事があった。
みどりの1kWhさんというブログで、スタンスは反原発だが、まあ現地の情報という事で紹介したい。

<以下みどりの1kWhさんというブログより引用>
http://midori1kwh.de/2016/08/28/8496#more-8496
(引用者注:このブログを書いた「まる」さんが感じたことは黒字で、現地報道を紹介する部分は青太字にしました)

リオが終わって世界の目は東京、日本へ
まる / 2016年8月28日

リオ五輪が閉幕した。2020年大会の開催地東京とホスト国日本について、現段階でドイツのメディアはどう伝えているだろうか。

8月23日、ドイツの公共ラジオ、ドイチュラントフンクは、「東京都知事に選ばれたばかりの小池百合子氏は2020年の五輪はこれまで最高の大会となると約束したものの、すでにスキャンダルが相次いでいる」と伝え、それは既に大会エンブレムの選定から始まったと、これまでに明らかになった問題をいくつか挙げている。

東京の五輪計画は良い星のもとにない。それは安倍晋三首相の大嘘から始まった。3年前のブエノスアイレスで同氏は、事故を起こした福島原発について「福島はアンダーコントロールです」と主張した。

それが今日でも間違っているのは、当時と変わらず、これから多くの年月が経ってもそうであり続けるだろう。

それ以来、スキャンダルが続いている。フランスの捜査当局は、五輪を東京に招致する際に賄賂が払われていたと主張している。大会のエンブレムに選ばれたデザインは、リエージュ市立劇場のエンブレムの盗作だったことが判明し、新たにデザインを選び直さなければならなかった。80年の歴史を持つ東京の魚市場は、五輪のプレスセンターにとって代わられることになり、それに対する抗議は日に日に高まっている。

そして最大の失敗は新国立競技場だ。今は亡くなったスター建築家、ザハ・ハディド氏のデザインは、建設的にも財政的にも全ての限界を越えるものだった。総工費が2520億円に膨らむことがわかり、首相が1年前に緊急ブレーキをかけた。新たに選び直したデザインのスタジアムは、現在の予定だと2020年、開会式の3ヶ月前に完成することになっている。

8月21日のテレビ番組「シュポルトシャウ(Sportschau)」は、東京五輪にかかる費用が当初考えられていた6倍にあたる1兆8000万円に跳ね上がりそうなことを伝え、 東京の道が狭くて、本来なら義務づけられている”オリンピック・レーン”が作れないこと、交通渋滞が予想されること、東京の夏が高温多湿であることなど、問題を挙げている。

同日のドイツプレスエージェンシー(dpa)は、「五輪の聖火台はどこ?」という見出しの記事で、新国立競技場の建築家たちが聖火台を忘れていたことに触れ、「このアクシデントが示すのは、五輪ホスト国にとって7年という準備期間は短いということ。そして招致の際に収賄があった可能性があるとして捜査が行われており、招致が成功した際にあがった最初の歓声は消え去っている」と書いている。さらに東京は深刻なイメージ問題をかかえていると指摘し、その理由はこの聖火台問題だけにあるのではなく、問題が判明した際の日本五輪委員会と政府の反応が遅かったこと、スタジアムのデザイン問題、エンブレム盗作問題もあるとしている。そして、大会招致の際のコンセプトでは各会場間の近さを約束していたのに、今ではいくつかの会場を東京外に移すことが考えられていること、ソフトボールと野球にいたっては、第1次予選を福島で行いたいと言っていることなども挙げている。そして「福島ということは、2011年3月にメルトダウンを起こした原発の近くだ」と驚きを隠せない。

同記事は「小池百合子都知事は、五輪費用を見直すと約束したが、リオで五輪旗を引き渡された東京は、これからさらに厳しい目が注がれるだろう」と締めくくっている。


ほんとうに、これからの4年間は、五輪インフラ整備の進み具合についてだけでなく、ホスト国日本の政治経済文化、国の体質といったいったところまで、世界のメディアが批判的に報道していくことに間違いないだろう。

<引用終り>


よくもまあ、こんな事を書き並べたものではないか・・・、言いたい放題の言い捨て御免・・・。

>東京の五輪計画は良い星のもとにない。それは安倍晋三首相の大嘘から始まった
>フランスの捜査当局は、五輪を東京に招致する際に賄賂が払われていたと主張している。
>80年の歴史を持つ東京の魚市場は、五輪のプレスセンターにとって代わられることになり、それに対する抗議は日に日に高まっている。
>そして最大の失敗は新国立競技場
>東京の道が狭くて、本来なら義務づけられている”オリンピック・レーン”が作れない
挙句の果てに
>、「五輪の聖火台はどこ?」という見出しの記事で、新国立競技場の建築家たちが聖火台を忘れていたことに触れ、「このアクシデントが示すのは、五輪ホスト国にとって7年という準備期間は短いということ

まあ、ここまで書かれれば、オリンピックのホスト国としては発展途上国のブラジル以下、そういう事である。

これがドイツで日本に関して報道されていることだ。

一体どうなってしまったんだろう・・・

そんなことで昨年3月、ドイツのメルケルさんが突如来日した。これも謎の多い来日だった。
以下参照ください。
メルケルさん<YOUは何しに日本へ
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1081.html
メルケルさん<YOUは何しに日本へ、続編
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1082.html

この3月19日のエントリーで、日経新聞ベルリン支局 赤川省吾さんの記事「メルケル独首相が訪日で犯した3つの過ち 」を紹介したのだが、そこに赤川さんの現在の日独関係について、凄い見方が載っている。
曰く
40年近くにわたって日独を行き来しながら両国の関係を追ってきたが、日本への冷たい視線をいまほど肌に感じたことはない。11日、出張先からベルリンに戻る機中でたまたま隣り合わせになったドイツ人の大学講師は初対面だったにもかかわらず、日本を面罵してきた。「男性優先の日本では女性の地位が著しく低く、吐き気がする」。連日のように報じられる日本批判を読んでいれば、そう考えるのも無理はない。

飛行機の中という狭い空間で、初対面のドイツ人大学講師が日本人を面罵する、これが異常でなくて何なのだろう。


丁度このメルケル訪日のすぐ後にこんな報道がある。
これは韓国中央日報の昨年5月21日の報道


<以下引用>
http://japanese.joins.com/article/749/200749.html
シュレーダー元独首相「安倍首相、靖国ではなく未来に足を向けるべき」
2015年05月21日16時16分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment14mixihatena0
2016-9-27シュレーダー元ドイツ首相

シュレーダー元ドイツ首相が21日、「安倍首相は(靖国)神社ではなく未来に足を向けるべきだ」と述べた。

シュレーダー元首相は済州西帰浦(ソギポ)で開催された「平和と繁栄のための済州フォーラム2015」(済州特別自治道・東アジア財団・国際平和財団・中央日報共同主催)に出席するため訪韓し、中央日報のインタビューで、「ドイツが過去の過ちと責任に対する清算作業をしたように、日本も暗い過去の歴史に対して責任を感じることを望む」とし、このように述べた。

旧日本軍慰安婦被害問題については「慰安婦という言葉自体が誤った表現だ。あまりにも婉曲だ」とし「戦争中に韓国の女性に加えられた性的過酷行為に対しても(日本の)歴史清算がなければいけない」と強調した。

元国家首脳の助言はこの日、「世界指導者セッション-信頼と和合の新しいアジアに向かって」でも続いた。洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)中央日報・JTBC会長の司会で行われたセッションには、福田康夫元首相、ユドヨノ元インドネシア大統領、ハワード元豪首相、クラーク元カナダ首相が出席した。

洪会長は「歴史上初めて中国と日本という2大勢力が北東アジア領域内に共存し、安保に影響を及ぼしている」とし「しかしすべての問題を強大国間の合意でのみ解決できるわけではない。中堅国として韓国の役割が域内でよりいっそう重要になるだろう」と診断した。

クラーク元首相は「韓国は歴史的には米国と近く、地理的には中国と近い」とし「したがって恐れる必要なく、常にイニシアチブを取ることが可能だ」と述べた。

ユドヨノ元大統領は「中堅国は強大国の間で懸け橋の役割を立派に遂行できる」と強調した。また「韓国は米国と中国のライバル国ではない。したがって韓国が米・中に接近、説得することで、我々の地域に利益となる方向に寄与できる」と説明した。

<引用終り>


こんなこともあって、今ドイツから見た日本の印象は極めて悪い。それが実はつい最近激変してしまったという調査結果がある。

毎年BBCが世界でいろんな調査をしているが、その中に国の好感度の調査がある。
そこで2012年と2013年の日本に対する世界各国の評価が載っている。

2012年はこれ
http://www.globescan.com/news-and-analysis/press-releases/press-releases-2012/84-press-releases-2012/186-views-of-europe-slide-sharply-in-global-poll-while-views-of-china-improve.html

2013年はこれ
http://www.globescan.com/news-and-analysis/press-releases/press-releases-2013/277-views-of-china-and-india-slide-while-uks-ratings-climb.html

その結果をまとめると
2016-9-25日本への好感度2012⇒2013

これを見るとまさにびっくり仰天!
2012年から2013年にかけて、ドイツ人の対日好感度は無残なまでに下落している。
良い印象は58%から28%へと、悪い印象は29%から46%へと変わっているのだ。

何故わずかな期間にここまで激変してしまったのだろうか。
この2013年版の調査がドイツで行われたのは2013年2月14日〜3月8日の期間となっている。
だから2012年の春以降くらいに報道された出来事の中にドイツ人の日本観に影響を与えたモノがあったと思われる。

考えてみると2012年は中国で全土で反日デモが盛り上がったときだった。
がしかしそれがドイツにどう関係したのだろうか?。

もう一つ考えられるのは2012年12月の総選挙で自民党が圧勝し、安倍政権が発足したことである、
アベノミクスが始まり、超円高が是正され、株価が大きく上昇した。日本企業がやっと息を吹き返した時だったのだが、ドイツから見るとどうだったのだろう。
この総選挙結果は各国では「日本、右傾化」、こんな報道が確かにあった。
そして安倍自民党圧勝の直後、2013年1月のダボス会議で『ドイツ連邦銀行総裁やメルケル首相が
「アベノミクスは為替操作だ」と批判し、麻生財務相が反論』、こんな事があった。

こうしてみると、この安倍政権誕生、アベノミクス開始こそドイツが日本たたきに走るきっかけになったのではないだろうか。
BBCの調査で短期間にあれだけ意識が変わる、これは意図的な日本に対するネガティブ・キャンペーンが毎日のように行われた、そして今も行われていると思わざるを得ない。
丁度これはフランクリン・D・ルーズベルトが日本たたきのネガティブ・キャンペーンを繰り返したことを彷彿とさせるものだ。

さらにドイツにとって大逆風がVWの排気ガス不正問題。これもいまだに解決していない。
余りにも根の深い問題なのだが、これは話が長くなるので別の機会とします。
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2016-09-24 17:12

世界の真の敵はイスラム恐怖症<トッドの話です

 ソ連の崩壊を予言したことで有名になったエマニュエル・トッドが最近「世界の真の敵はイスラム恐怖症である」、こんな事を言い出した。

この件は私もよもぎねこさんのブログで知ったのだが、よもぎねこさんはあまりにも突拍子もない論旨がお気に召さないらしい。
「フランスパヨクへの違和感 エマニュエル・トッド」
http://yomouni.blog.fc2.com/blog-entry-5659.html#comment

よもぎねこさんの言い分は上掲ブログをご覧いただきたいが、私も上掲ブログにコメントしようと思ったのだが、何せよもぎねこさんはケガで入院中。あまり無理な負担をかけるようなことは遠慮すべきかと思い、このブログに書くことにしました。


尚トッドについて説明すると、1976年に弱冠25歳にしてソ連の崩壊を、乳児死亡率の異常な増加に着目し、歴史人口学の手法を駆使して預言した事で一躍有名になった。この76年当時はソ連の経済発展は素晴らしく、アメリカを追い越すのは確実と見られていた。そんな時に崩壊を予言、その慧眼ぶりは素晴らしいものがある。
尚この件で私もトッドの著書『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』(2015年5月20日刊)を昨日慌てて手に入れたのだが、この著書でもイギリスのEU離脱を断言している(2014年8月の記事にて)。
そんなことで私はトッドの意見は大いに参考になるとみている。


このトッドの論文で取り上げたいことはたくさんあるのだが、最初にこの事を問題にしたい。
トッドは
>“自由・平等・友愛”というフランス革命以来の標語に基づく共和国の在り方は消えつつあるのです
こう言っている。

しかし私はこの“自由・平等・友愛”というフランス革命以来の標語がそもそも食わせ物と見ている。
なにが食わせ物か?
Liberté, Égalité, Fraternité、これは自由、平等、友愛のフランス語だが、中でも『Fraternité』、これは現在日本では「友愛」と訳されているが、この「Liberté, Égalité, Fraternité、」が日本に紹介されたときは「自由、平等、博愛」と訳され、現在もそういわれることがしばしばある。しかし大誤訳だった。
手元の辞書を見ると、「Fraternité」は確かに「友愛・同胞愛」だが、wikiによると
「友愛(ゆうあい、希: φιλία、羅: fraternitas、仏: fraternité、英: fraternity)とは、兄弟(兄弟姉妹)間の愛、友人間の愛、友情などを意味する。倫理道徳の一つであり、哲学思想の主題となることがある。」とある。
つまり「人類みな兄弟、皆で仲良く」、こんな意味ではない。
言葉の通じる、価値観を共にした仲間の間で成り立つもの、それが「 Liberté, Égalité, Fraternité、日本語では自由、平等、友愛」なのだと。

トッドは言葉の通じる、価値観を共にした連中だけが仲間、同胞だと言外に言っている訳だ。

類似の話は昨年初め、某隣国について外務省が基本的価値を共有する国』という表現を外したことが挙げられる
この「基本的価値を共有する」のが「Fraternité」=友愛・同胞愛の基本的条件。イスラムはこの条件から外れた人が多いという事なのだろう。

日本も基本的価値を共有しない御仁を抱えて苦労している。同じではないか・・・


もう一つがドイツ問題である。
トッドは「ドイツ帝国が世界を破滅させる」、こんな著書を出してドイツをたたいている。そう言ってよもぎねこさんも御怒りだ。
しかし実はドイツは20年前、10年前のドイツとは全く変わってしまった。今は中韓と並ぶ反日国である。
ドイツびいきの私としては何とも悲しいが、これが現実だ。

この件、長くなるので次回にエントリーします。


参考までにトッドの論文全文を載せておきます。長いですが興味深いものがあります。

<以下引用>
http://mmtdayon.blog.fc2.com/blog-entry-1760.html?sp
【特別寄稿】 「世界の真の敵はイスラム恐怖症である」――“現代最高の知性”エマニュエル・トッドが読み解くヨーロッパの病理

2016-9-22世界の真の敵はイスラム恐怖症1

昨年、フランスでは社会を揺るがす2回のテロがありました。1月7日の『シャルリーエブド』襲撃事件と、11月13日の『パリ同時多発テロ』です。現在、フランスは“闇の中”に沈没しつつあります。それを齎しているのは、多くの犠牲者を出したテロそのものではありません。非常に力を持っている中産階級(社会全体の上位半分)が、移民や若者といった下位の階級の人々に対して利己的な態度を取ることによって、社会がそういった人々を吸収・統合する能力を失っている現象に他なりません。“自由・平等・友愛”というフランス革命以来の標語に基づく共和国の在り方は消えつつあるのです。フランスを始めとするヨーロッパの中産階級には、ヒステリックなイスラム恐怖症が蔓延しています。しかし、そこで悪魔のように語られるイスラム教徒は、実像を反映したものではなく、人々が極めて観念的に作り上げたフィクションです。失業率が10%を超えているフランスは、経済的な苦境に立たされています。そして、全ての先進国に共通する特徴の1つは、若者たちが社会的にも経済的にも押し潰されようとしていること。中でも厳しい状況に置かれているのが、イスラム圏を出身地とする若者たちです。イスラム恐怖症は、経済的に抑圧された若者を社会から疎外させ、事態をより深刻にしています。フランスの社会的メカニズムの一部となりつつある不平等さ・不寛容さが、フランスの若者をテロリズムに導くことに繋がっているのです。シャルリーエブド事件の直後、パリ市内、そしてフランス各地の街角で「私はシャルリー」(Je suis Charlie)とメッセージを掲げる数百万人の市民が繰り広げたデモ行進は、まさにそうした無自覚な差別主義の発露でした。差別されている弱者グループの宗教の中心人物であるムハンマドを冒涜することは、宗教的・民族的・人種的憎悪の教唆と見做さなければなりません。大いに美化された“表現の自由”を訴える。“シャルリー”たちの主張からは、観念的なイスラム恐怖症が見え隠れし、平等や友愛の精神は置き去りにされていたのです。ヒステリックな反応の嵐が吹き荒れる中、シャルリー現象への僅かな疑いすら述べることが許されない風潮がありました。いつの間にか、「私はシャルリー」という決まり文句は「私はフランス人」と同義になり、ムハンマドへの冒涜はフランス人の“権利”ではなく“義務”となっていたのです。ムハンマドの風刺をフランス社会の真の優先事項と見做さなかった私は、昨年1月の事件の後、演出された挙国一致の世情に嫌気が差して、数ヵ月間に亘ってフランス国内メディアからのインタビュー依頼を全て拒否しました。尤も、「私はシャルリー」と声高に叫ぶ人々は、「自分たちこそがフランス革命の理念の体現者である」と信じて疑わなかった訳ですが。

こういった一連の事象の背景にあるものとして、現代フランスにおける宗教的危機の状況を強調しない訳にはいきません。つまり、集団的信仰としての宗教が消えてしまったということ。嘗て、フランスにおいて中心的だったカトリックは、すっかり社会の本流からは消滅してしまいました。結果として、個人は益々超個人主義的になって孤立しています。こうした精神的な空白から、拠り所を失ったフランスの支配階級は、自己陶酔的な肯定の場を“反イスラム”に求めているのです。都市郊外の若者や一般の労働者は、昨年1月11日にフランス各地で行われた巨大デモには殆ど参加しませんでした。逆に、シャルリー運動に高いパーセンテージで参加していたのは、最近までカトリックだったが今はそうでない諸地域の人々だったことが、各種の調査から明らかになっています。宗教的危機と経済問題で顕著になっている社会の統合能力の低下を前にして、指導者だけではなく、中産階級全体が本来取り組むべき問題を解決しようという気持ちを失っています。寧ろ、危機の本質から逃れる為に、「フランス全体がイスラムに対して戦争状態にある」と信じさせようとしています。「イスラム教をスケープゴートに仕立て上げることで統治をしよう」と政府が(無意識かもしれませんが)動いており、国民もある程度は追随している状態にあります。1年前のテロの際には、宗教的危機に便乗する形で、政府が心理的ショックを利用して一致団結を演出しました。オランド大統領は大規模なデモの実施を決め、全国的な動員へと繋がりました。そして、休刊を余儀なくされたシャルリーエブドは、政府の助成金によって特別号を発刊しました。再びムハンマドを冒涜する表紙と共に――。“自由の国”フランスは、暗い歴史を背負っています。例えば、第2次世界大戦中にナチスドイツに協力したヴィシー政権は、それまでの共和国的な価値観を放棄して全体主義的な政体を築きました。このままの歩みを続ければ、フランスは近い将来、再び同じような変容を迎えることになりかねません。これは誤解してほしくない点ですが、私は決して心楽しく、「祖国が夜の闇にのめり込んでいる」と指摘している訳ではありません。こう発言せざるを得ないことは、自分にとって気持ちの上でとても辛いことです。自分の知っているフランス、そして自分の愛する世界が失われてしまう訳ですから。

2016-9-22世界の真の敵はイスラム恐怖症2

こうした社会崩壊のプロセスを分析し、また危惧の念を表明したのが、昨年5月に発表した『シャルリとは誰か?』です。私の言説は多くのフランス人にショックを与えたようで、ヒステリックな反発も受けました。マニュエル・ヴァルス首相(左写真(引用者注:上掲写真))は書籍の発売当日に、『いや、1月11日のフランスは欺瞞ではない』と題する長い論評を『ル・モンド』(5月7日付)の1面に寄稿して、私を公然と批判しました。政治指導者の本来の役割は、失業率が高止まりしている目の前の経済状況を好転させることにある筈なのですが…。残念ながら、『シャルリとは誰か?』で示した不安は最早、杞憂とは言えなくなりました。現在、オランド政権は、二重国籍のフランス人がテロリストとして有罪となった場合、フランス国籍を剥奪するという条項を憲法に書き込もうとしています。国民の間に2つのカテゴリーを作って、両者に法律的な差を設けようというのです。これは、ヴィシー政権が国内のユダヤ人からフランス国籍を剥奪した過去を彷彿とさせます。若し現代のフランスでもそんなことが起きれば、それはあらゆる市民が平等であるという普遍主義的共和国の終焉に他なりません。フランスで大きな議論を巻き起こしているこの問題からは、私は一種の狂気のようなものを感じます。というのも、実際的なテロ防止には何の効果も発揮しないことが明白だからです。命懸けでテロを企てている若者が、国籍を剥奪されるからといって犯行を思い留まるでしょうか。ところが、政府は恰も憲法改定を反テロの象徴であるかの如く振り翳している。中世の魔法使いが、雨を降らせる為に行っていた儀式と殆ど変わりありません。現在、フランスには約300万人の二重国籍者がいます。多くはモロッコやアルジェリアといったマグレブ諸国出身で、然程熱心でない人も含めて大半はイスラム教徒が占めています。こうした人々を危険なカテゴリーに押し込め、テロリストになる候補者として扱うことは、国民の分断を招くだけで全く馬鹿げた行為であると言えます。或いは、支配階級や為政者たちは、無自覚の内にフランス社会の倒錯的な欲求を示しているのかもしれません。要するに、「イスラムなる“敵”と対決したい」という欲求です。それが顕在化したのが、「私はシャルリー」デモだったのです。しかし、それは当然ながら国民の約1割を占めるイスラム系の市民と対立し、彼らを排除することに繋がります。更には、眠っていた反ユダヤ主義も呼び起こしつつあります。この分断を私は“夜の闇”と呼んでいるのです。

近年、排外主義を掲げる政党『国民戦線』の躍進がフランス内外で話題になっています。確かに、国民戦線は外国人嫌いの傾向が強い政党であることは間違いありません。しかし、フランスの主要政党を見渡すと、どの政党も今や“ライシテ(世俗性)”を強調しています。元々、政教分離と国家の宗教的中立性を意味していたライシテは、今ではイスラム恐怖症のコードネームのようになっています。国民戦線の主張が“主観的外国人恐怖症”であるとすれば、社会党や保守派の共和党は“客観的外国人恐怖症”であるとも言えます。イスラム系の若者は、左派の社会党に投票することが多い訳ですが、社会党が実は移民に好意的ではないことを敏感に感じ取っています。例えば、フランス北部のリールという街で出会った若者は、社会党が客観的外国人恐怖症であるという私の指摘に対して、「実際、そうだと思う」と語ってくれました。社会党の党内組織には、マグレブ系の若者が殆ど受け入れられていないと言うのです。実際に党幹部のメンバー構成を見ても、信仰を失ったカトリック文化出身者の勢力が非常に強いことがわかります。つまり、フランスにおける差別主義は最早、“極右”である国民戦線に限定された病根とは言えないのです。多くの若者たちにとって、現状が耐え難いことは想像に難くありません。若しもフランス共産党が生き延びていれば、社会の統合という点では役に立つ政党であっただろうと思います。フランスではよく言われる冗談ですが、共産主義は1つの普遍主義であって、国民全員を等しく強制収容所に入れるという思想ですから。

2016-9-22世界の真の敵はイスラム恐怖症3

第2のテロ、即ち11月13日のパリ同時多発テロは、まさに私が危惧した形で発生しました。都市郊外で育ったフランスとベルギー国籍の若者たちによって引き起こされたテロは、130名もの犠牲者を出しました。ジャーナリスト・警察官・ユダヤ教徒といった特定の人々をイデオロギー的な理由で狙ったシャルリーエブド事件とは違って、無差別に行われた犯行は、殺す為に殺している、純粋なニヒリズムを感じるような行為でした。従って、テロの後には、反イスラムやライシテといったイデオロギーの問題に転化するような現象が起こらなかったのです。寧ろ、多くの人々はショックを受け、茫然自失となっていました。テロの現場となったパリ11区は、パリ市内でも最も自由で活発な雰囲気があり、若い世代が集う国際的な街でした。私自身も多くの思い出がある場所です。第2のテロを受けての反応は、「私はシャルリー」の行進ではなく、政府による“戦争”の布告でした。フランスの空母『シャルル・ドゴール』から飛び立った戦闘爆撃機が、『IS(イスラミックステート)』が拠点としているシリアやイラクを攻撃したのです。確かに、ISはフランスを含めた西洋文明を敵視しています。過激派によるテロがパリ市内で起きた。また次なるテロが起きるかもしれない状況において、私たちはどうしても反知性主義的な反応を示すようになる。それが戦争にのめり込んでいく原因となるのです。ここで、私たちは少し理性的に状況を整理しなければならないでしょう。抑々、ISは悪魔のように言われていますが、歴史家・社会学者の観点から見れば、広範な意味において西洋が生み出したものなのです。特にアメリカは、近年の歴史において、中東を破壊する戦争に荷担してきた。勿論、アメリカだけではありませんが、そこに欧米の責任があることを忘れてはなりません。しかも、ISの中のジハード戦士たちは、西洋から現地入りした若者が大きな部分を占めています。アルジェリア人からこんな話を聞いたことがあります。くだけた表現ですが、「何でヨーロッパ諸国は、あなた方の“クソみたいなもの”をこっちへ送ってくるのか」と。ジハード戦士をイスラム社会から出てきたものとは見做していない訳です。シリアを中心とする中東の混乱を巡る問題で、当事者となり得る国は、イラン、トルコ、サウジアラビアです。それに加えて、決定的な軍事力を持っている国がアメリカとロシア。私が思うに、紛争はこの5ヵ国間で解決させるべきです。その上で、今のフランスには、そのオペレーションの場において結果を伴う行動を取るだけの能力は無い。従って、フランスが軍事的にやっていることは無意味なのです。寧ろフランスが行うべきなのは、イスラム恐怖症、或いは反ユダヤ主義に蝕まれている状況にある国内を再建することです。

今の状況でフランスが国外へ介入すると、力を尽くさなければならない国内の状況を寧ろ悪化させてしまう結果になってしまいます。実は、私がこうした意見を表明するのは初めてのことです。恐らく、フランスでは一種の裏切り者・敗北主義者と見做されてしまうでしょう。確かに歴史を振り返ると、フランスには普遍的な価値を掲げて、大きな役割を果たした時代がありました。イスラエルやシリアの情勢についても、フランスが介入して意味のある時期もあった。しかしながら、現在のフランスには国際的な道義や規範に関して発言する資格はありません。友人たちは「その通りだ」と言ってくれると思いますが、私は愛国者です。しかし、自国に十分な能力が無い時には、それを率直に認め、能力が無いことを直言することこそ愛国者の務めだと信じています。今のところ、発表されている世論調査等を見る限 り、フランス国内でISへの爆撃は概ね肯定されているように見受けられます。しかし、一部では風向きが変わりつつある。あるフランスのトーク番組にヴァルス首相が出向いた時、社会批評を行うユーモリスト(漫談師)が「それは“あなたの戦争”であって、“私の戦争”ではない」と言ってのけたのです。こうした意識は広がっていく可能性があるでしょう。「国の為に戦争で死ぬ覚悟があるか」という国際世論調査に対しても、フランスでは決して好戦的な結果は出てこなかった。このことからも、フランスにおける反イスラムの動きが極めて観念的であることが窺えます。因みに、余談になりますが、他国と比べて日本人で突出して多かったのが「わからない」という回答でした。これは以前から気になっていた傾向ですが、日本では自分の意見を留保しておくという態度が非常に多いことは大変興味深いです。日本もまた、ISから名指しで標的にされている先進国の一員です。私は日本外交の専門家ではありませんが、日本が中東の原油に依存していることは理解しています。従って、中東が戦略的に重要な地域であることは間違いない。しかし、日本もフランスと同様に、あの地域に平和や安定を築けるだけの軍事力を保持しているとは思えません。今、中東で進行している事態は、イスラム教スンニ派の盟主であるサウジアラビアの崩壊です。今後、スンニ派地域は国家崩壊のゾーンになるでしょう。若し私が日本人ならば、これから安定の極になるであろうシーア派国家・イランと良好な関係を築きます。

2016-9-22世界の真の敵はイスラム恐怖症4

昨年、テロと共にヨーロッパを大きく揺るがしたのは、大量に流入してきたシリア難民の問題です。イスラム恐怖症が蔓延するフランスを尻目に、ドイツは大々的に難民への門戸を開きました。このニュースに接した時、私は「とても立派ではあるが冒険的で危険な選択だ」と感じました。勿論、私は基本的には移民の受け入れに賛成の立場です。しかしながら、移民の受け入れは、人々の文化的な差異に注意しながら慎重に進めるベき事柄であることも事実なのです。経済的な基盤が他のヨーロッパ諸国よりも強固なドイツは、外から来る者を経済的に受け入れる能力は高い。底辺の労働力を求めているからです。ところが、既にドイツに多数存在する移民を見ると、残念ながら必ずしも統合に成功しているとは言えません。ユーゴスラビア、ロシア、ギリシャからの移民はある程度上手くいっていますが、イスラム系のトルコ移民はあまり社会に溶け込めていないのです。私は集団の社会文化に大きな影響を与える家族形態を長年研究していますが、イスラム社会とヨーロッパでは内婚率(部族内の従兄妹同士の結婚等)に大きな差異があります。“従兄妹婚”がドイツでは皆無であるのに対して、トルコの場合は約10%となっています。それでもドイツとは文化的背景に大きな違いがある訳ですが、シリアの内婚率は約35%と更に高くなっています。従って、アンゲラ・メルケル首相の難民受け入れ政策は、倫理的には立派で、経済的には合理的。しかしながら、人類学者の観点から付言すれば、非現実的で非合理的なのです。フランスとドイツには其々に違う問題がありますが、フランスにとって望みの綱は、フランス人が所謂“生真面目精神”の持ち主ではないことです。その点、ドイツ人は徹底して真面目なので、そこにリスクが伴います。移民や難民が関わった昨年大晦日のケルン駅前広場で起こった集団暴行のような事件に対して、ドイツ人がどのようなリアクションを取るのか見極めが難しい。ドイツ文化を考えると、何らかの“徹底したリアクション”が起こることも考えられます。ドイツでは、難民への敵対行為が事件に発展する可能性が他のどの国よりも高く、歴史における新たな危険の始まりであると言えます。ヨーロッパから外に目を向けると、アメリカの大統領選では、反イスラムの主張を掲げるドナルド・トランプという候補に注目が集まっています。私はトランプ現象を詳しく追っていませんが、アメリカにはイスラム系の移民は比率的に多くありません。

今、世界で一番危なっかしいのは、やはりアメリカではなくヨーロッパなのです。これまでの近代的なデモクラシーを中心とした社会の構造が瓦解していく可能性が高く、既にそのプロセスに入っています。フランスは変化を拒否している状態にあり、経済強国になったドイツは更にその版図を拡大しようと冒険的な姿勢に入ってきている。イギリスも、スコットランドの独立運動を始め、大変な問題を抱え込んでしまっています。東欧諸国が難民の受け入れを拒否しているという状況もある。これからの20年は、統合の歴史を歩んできたヨーロッパが瓦解する可能性が高い期間になるでしょう。日本の場合は、国内にイスラム教徒が少ないこともあって、ヨーロッパのようなイスラム恐怖症は存在しません。ただ、在日韓国人(フランスでは“韓国系日本人”と呼んでいます)との関係、それから国内での外国人問題は日本にとって永遠の課題でしょう。一般的に、日本は外国に対して寛容です。一方、社会に外国人を統合していく、一緒に生きていくという点では、客観的に成功しているとは言い難いことは確かです。しかし、歴史人口学者としての見解を述べさせてもらうと、出生率の低下と人口減少は、日本における最大にして唯一の課題です。そして、少子高齢化が解決できない中で、一定数の移民が必要になる筈です。欧米の知識人はよく、「日本は非常に排外的で差別主義的だ」と言う。しかし、私は少し裏側から物事を見なければいけないのではないかと思います。日本人は、決して異質な人間を憎んでいる訳ではなく、仲間同士で暮らしている状態が非常に幸せなので、その現状を守ろうとしているだけではないのでしょうか。日本の社会はお互いのことを慮り、迷惑をかけないようにする――。そういう意味では、完成されたパーフェクトな世界だからです。フランスの場合は抑々国内が無秩序で、フランス人同士でも互いにいざこざは絶えません。つまり、外国から異質な人が入ってきたところで、抑々失う“パーフェクトな状態”が無いタフな社会です。同じことはアメリカにも言えるでしょう。子供という存在は抑々、無秩序なものです。そして、外国人も移民も社会にある種の無秩序を齎します。日本人は、日本が存続し続ける為に、こうした一定の無秩序・混乱・完璧ではないことを受け入れる必要がある。私たち日本好きの人間にとっては、日本が人口減少で没落していくのは残念なことです。より徹底した少子化対策の実行と移民受け入れは、明治維新にも匹敵する国家的改革になりますが、国として存続できる道を真剣に探ってほしいと考えています。

2016-9-22世界の真の敵はイスラム恐怖症5

私は『シャルリとは誰か?』の中で、主としてフランスの現象を取り上げましたが、これは日本も含めた先進国における普遍的な課題だと考えています。急速なグローバリゼーションを受けて、貿易はどんどん開かれた状態になり、各国間の経済波及効果は未だ嘗てないレベ ルにまで高まっています。それは基本的には良いことだと思いますが、あまりに性急だった感は否めません。所得格差は拡大し、高等教育の発展によって市民集団の同質性は溶解しました。グローバリゼーションによって利益を引き出しているエリート層はどの社会にも存在します。高学歴者と高齢者から成る支配的な中産階級です。彼らこそ、各国で君臨している“シャルリー”に他なりません。時に彼らは、社会の周縁に追いやられている労働者や移民2世に対して自分たちの特権を守ることも厭いません。責任感の無い世界のエリートたちは、開放をヒステリックに実行している。そして、宗教的危機によって精神的空白が生まれ、従来の宗教に代わる価値としてお金や株価を追いかける空虚な文化が蔓延るのです。社会と国際関係の安定を望む民衆は、過剰なまでのグローバリズムの進展に小休止を呼びかける権利を持っているのではないでしょうか。先に述べた通り、経済的格差の拡大こそ、スケープゴートを求めてイスラム恐怖症という妄想のカテゴリーを生み出します。イスラム恐怖症をこれ以上蔓延させない為には、そういった民衆の希望を考慮する必要がある筈です。従って、グローバリゼーションに対する一定のレギュレーション(規制)が求められます。自由貿易問題にしても、移民の受け入れにしても、国境を閉じて鎖国する訳ではないですが、過剰な流動性はコントロールしなければならない。つまり、リーズナブルで実際的な政策態度を取るべきなのです。私は、世間からはイスラム教の擁護者であると見做されているようです。確かに、私の娘の1人はアルジェリア系フランス人と結婚していますし、私はイスラム恐怖症に与する1人ではないでしょう。元を辿れば、私の祖父の1人はブルターニュ系ですし、自分の家系の中心は東欧にあるユダヤ系。更に私の祖母はイギリスからフランスに渡ってきた訳ですから、全て外国系のルーツを持っています。息子の1人はイギリス国籍を取ってイギリスで暮らしています。そして、私はイスラム擁護論者である前に、自分の属する社会の現状に苛立つ、普遍主義的な考え方のフランス人です。宗教的危機によって、バラバラで絶対的なウルトラ個人主義者たちがあらゆる先進国を徘徊する中、考えるべき喫緊の課題はイスラムではなく、瓦解に直面した社会の立て直し方なのです。 (通訳/掘茂樹)

<引用終り>

  1. 思想
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2016-09-21 22:12

朝日新聞はルソーがお好き

 朝日新聞に大変面白い記事が載っている(棒)。
曰く、ルソーはこういっているから云々・・・

はて?、ルソーは250年も前の人だが、そんな人の説をホコリ・蜘蛛の巣を払って持ち出すとは??。


6月29日のエントリー「理念が正しければ民主性は問わない」でルソーの一般意思について取り上げた。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1270.html

ここで一般意思というのはもう250年も前のルソーが提唱した概念
(1762年に発表した『社会契約論』において、社会契約と一般意志なる意志による政治社会の理想を論じた)
そしてこの一般意思が読みようによっては、『理念が正しければ民主性は問わない』、こう解釈される。そしてこれが今日に続く問題点である。

何はともあれ、朝日新聞は何が言いたいのか。

<以下引用>

(憲法を考える)主権、この悩ましさ 東京大学准教授・小島慎司さん
朝日新聞デジタル>記事   2016年9月14日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12557463.html?rm=150


 「主権を取り戻す」「主権国家にふさわしい国に」――。国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国で米国の「押しつけ」であることを理由とする改憲論議がある日本で。高らかに叫ばれる「主権」をどう扱うべきか。フランス革命に影響を与えた人民主権論の父、ルソーを手がかりに、気鋭の憲法学者が語った。

――「イギリス人民は、自分たちは自由だと思っているが、それは大間違いである。彼らが自由なのは、議員を選挙するあいだだけのことで、議員が選ばれてしまうと、彼らは奴隷となり、何ものでもなくなる」。18世紀のルソーの言葉ですが、現代に通じるものがある気がします。

 「イギリスに限らず、代議制は元々貴族制的なものでした。たとえ議員を選挙で選んでも、選挙が終われば、人民はその『貴族』の決定に服するだけのいわば奴隷になってしまうということですね」

 「しかも、人民の側にも奴隷でも構わなかった事情がある。当時はグローバルな商業が発達しつつあり、人々は政治より、商売や私生活の充実に関心を向けがちでした。ルソーの言葉は、今風にいえば、議員や官僚に政治をお任せにしてはならないという警鐘だったのですが、お任せにしたくなる事情も踏まえていたのです」

 ――「お任せ」とは対照的に、6月の英国の国民投票でのEU離脱派のキャッチフレーズは「主権を取り戻す」でした。「主権」という言葉が使われる文脈は、どうも熱くなってしまいがちです。

 「主権は、自分たちが決める、しかも決めたことが最終的な決定だと思わせるので、熱を帯びるのでしょう。だからこそ、主権を持ち出す場面やイメージについて、まず共通の土台をつくり、冷静に論じる必要があります」

 「その意味で、ルソーの考えは物差しになります。ルソーは人民が万人を従わせる最高の権力、つまり主権を持つと考えました。主権者としての人民の意志は、人民が自らと結ぶ社会契約によって表明されるもので『一般意志』と呼ばれ、常に正しく、政府や議会はそれに従うべきだとしています」

 「一方、人々が自分たちの利害を追求している意志のことを『個別意志』と呼びました。こちらは利己的であることも、間違うこともある。現代でいえば、皆のことよりも、自分や会社のことを重んじた考えといえるでしょう」

 ――個別意志はイメージしやすいのですが、一般意志とはどういうものでしょうか。

 「一般意志が何かより、何がそうでないかから考えてみましょう。特定のだれかのためだけの利害に関わることであれば、公平な一般意志の対象になりえません。例えば、増税の先送り。それで助かるのは今の世代の大半の人たちですが、将来世代の負担を忘れているとしたら、あくまでも個別意志であって一般意志とはいえません。中長期的な視点に立って国民全体の利益を考えることが、一般意志といえます」

 ――なぜルソーは一般意志の大切さを説いたのでしょうか。

 「ルソーは、代議制の議会であっても主権者の意志、今でいう憲法の骨格に従って行動しなければならないと考えていました。主権者が議会を絶えずウォッチしておかないと、議会が主権者のように振る舞って主権を奪い取るという、『主権の簒奪(さんだつ)』が起きてしまう。だからこそ、ルソーは代議制に懐疑の目を向けていました。人民主権をとる理由の一つは政府や議会の専横の防止にあり、ルソーがそのことを絶えず意識していたことは知っておくべきです」

・・・以下略、詳細は上掲リンク先参照ください。但し徒に長い駄文ですから疲れますが・・・

<引用終り>

何が何だかわからない話だが、実は引用文にはこんな写真がついている。
何やら子供の落書きみたいなのが張ってあるが、これは多分本当の狙いを隠す目くらましのようだ。
この下の説明文に朝日新聞の本音が書いてある。一寸見てみよう。

2016-9-21東大准教授小島慎司

「自分たちの意見や決定が常に正しいわけではないという自覚を、主権者として持つべきです」
つまり
「お前ら愚民どもはバ○だから、たとえ選挙で勝ってもそんなものは意味がない。黙って俺たちのいう事を聞けばいいんだ!!!」、これがアカ新聞様の言いたいことだった。


そして盛んに一般意思と言っているが、冒頭書いたように「理念が正しければ民主性は問わない」、その為にフランス革命後のロベスピエールによる虐殺をルソーの血塗られた手とも言われるように、この一般意思には問題が内在しているのだ。


結論として、アカヒ新聞はこんな事を報道して、憲法改正だと、主権回復だと、そんなものはダメダメ。
こんな風に世論工作をしようとしているのだと思う。


最後にこれはオマケ。
ルソーは教育論でも後世に大きな影響を与えている。「エミール」は小説風教育論だが、近代教育学の古典である。

がしかしそんな教育論をぶっているが、ルソーは5人の子どもを作ったが、そのすべての子どもを生後すぐに孤児院に入れており、終生子供にあっていない。ルソーの言っていることとやっていることは大違い。ウソ・欺瞞と言っていいだろう。

このことはもちろん以前から知られていて、そんな一つの例に、ジーン・ウェブスターの小説『あしながおじさん』(1912年)の一節がある。

<あしながおじさんの記述>
ルソーのように5人子供ができても孤児院の玄関に置き去りにしたりはしない――3月5日の手紙(4) If I Have Five Children, Like Rousseau, I Shan't Leave Them on the Steps of a Foundling Asylum: The Letter of March Fifth (4) [Daddy-Long-Legs]

こんな100年前の大学生でも知っている言行不一致の嘘吐きの話を今頃持ち出すとは、やはりアカヒ新聞も言行不一致の噓付きなのであろう。
そんな事の良くわかる話である。
  1. マスコミ
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2016-09-19 16:40

蓮舫は「主役になれない女優の典型」<武田鉄矢談

 蓮舫の二重国籍問題(二重国賊問題)がやっとメディアを賑わすようになってきたが、武田鉄矢が面白いことを言っている。
曰く
「蓮舫は主役になれない女優の典型」なんだとか。

<以下引用>

武田鉄矢、蓮舫氏を批判「主役になれない女優の典型」- 出演者から納得の声
2016年09月18日 13時50分 マイナビニュース
https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12158-20160918028/

俳優・武田鉄矢(67)が、18日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)で、「二重国籍」問題で世間を騒がせた民進党代表・蓮舫氏(48)を批判した。

日本と台湾の二重国籍について、発言が二転三転しながら最終的には謝罪した蓮舫氏。武田は「この方を見ていると、残念な女優さんを思う。主役とれない人。ドラマで主役をとれない女優さんの典型」と切り出し、「出てきただけで表情が全部セリフになっている」と付け加えた。

さらに、「出てきただけで何を報告するかが分かる。表情でセリフが読める人は主役になれない」と補足しながら、石原慎太郎元都知事が多くの人に支持されていた理由を「かっこいいから」と説明。「(石原元都知事が)何の根拠もなしに、何の自信もなしに、何の計画もなしに『大丈夫!』と言うと、みんな『大丈夫かな』と思う」と世間の受けとめ方を分析した。

つまり、武田が伝えたいのは「『明るい未来を目指そう』と人に呼びかける時に、明るい表情で語れる人がトップをとる」という政治家としての資質。蓮舫氏を「明るい未来を人々に呼びかけておいて、暗い表情しかできない人」とし、「自分の潔癖を訴える時も、表情が暗い」「本当に残念」と鋭く批判した。

「ウソでもいいから明るい顔で明るい未来を語れる人のみが政治を動かせる」という武田の持論に、同じくゲストの石原良純(54)は「面白い」と感心し、「本当に政治家は明るく未来を語らなければいけない」と同意。父・慎太郎氏について、「うちの親父は自分が楽しいことを考える」と語り、「蓮舫さんに欠けているのは、夢を与える部分」と結論付けた。

わざとらしく切迫した表情を作り、「大変です! 島田課長が殺されました!」と"主役になれない女優"を演じてみせ、スタジオの笑いを誘った武田。司会の東野幸治(49)「鉄矢さんの話すごい」、ダウンタウン・松本人志(53)「なるほど」と、出演者をうならせていた。

<引用終り>

この番組の動画を見るとさらに面白い。さすが武田鉄矢、蓮舫の問題点を鋭く突いている。
動画の34:28あたりから蓮舫問題が始まり、40:09あたりから武田鉄矢の話があります。


  1. 社会一般
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2016-09-19 15:52

中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書<続々編

 「狙いは日米分断 中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書」、3回目です。


<以下正論9月号より引用>

狙いは日米分断 中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書より

同盟分断の主要策「沖縄」の中身

 ・・・中略・・・
 「中国は日本を日米同盟から離反させ、中国に譲歩させるための戦術として経済的威圧を試みたが、ほとんど成功しなかった。日本へのレアアースの輸出禁止や中国市場での日本製品ボイコットなどは効果をあげず、日本は尖閣諸島問題でも譲歩をせず、逆に他のアジア諸国との安保協力を強め、アメリカからは尖閣防衛への支援の言明を得た」
 中国はだから沖縄への工作に対日戦術の重点をおくようになったというわけだ。
 「中国軍部はとくに沖縄駐留の米軍が有する遠隔地への兵力投入能力を深刻に懸念しており、その弱体化を多角的な方法で図っている」
 沖縄には周知のように米軍の海兵隊の精鋭が駐留している。第三海兵遠征軍と呼ばれる部隊は海兵空陸機動部隊とも称され、空と海の両方から遠隔地での紛争や危機にも対応して、展開できる。多様な軍事作戦任務や地域の安全保障協力活動が可能であり、有事や緊急事態ヘスピーディーに出動できる。米軍全体でも最も実戦的な遠征即応部隊としての自立作戦能力を備えているともいわれる。
 まさに中国側からすれば大きな脅威というわけだ。だからその戦力、能力をあらゆる手段を使って削ぐことは中国にとっての重要な戦略目標ということになる。
 同報告書は次のようにも述べていた。
 「中国は沖縄米軍の弱体化の一環として特定の機関や投資家を使い、沖縄の米軍基地の近くに不動産を購入している」
 報告書はこの中国側による沖縄の不動産購入について脚注で「中国工作員が米軍基地近くに米軍関係者居住用のビルを買い、管理して、管理者用のカギで米軍関係者世帯宅に侵入して、軍事機密を盗もうとしている」という日本側の一部で報道された情報を引用
していた。
 アメリカの政府や議会の報告書では米側独自の秘密情報を公開することは少ないが、一般のマスコミ情報の引用とか確認という形で同種の情報を出すことがよくある。つまり米側の独自の判断でも事実と認めた場合の「引用」となるわけだ。
 そして報告書はこんどは引用ではなく、同報告作成者側の自主的な記述としてさらに以下の諸点を述べていた。
 「中国は沖縄に米軍の軍事情報を集めるための中国軍の諜報工作員と日本側の米軍基地反対運動をあおるための政治工作員を送りこみ、日米両国の離反を企図している」
 「沖縄での中国の諜報工作員たちは米軍基地を常時ひそかに監視して、米軍の軍事活動の詳細をモニターするほか、米軍の自衛隊との連携の実態をも調べている」
 「中国の政治工作員は沖縄住民の米軍基地に対する不満や怒りを扇動することに努める。そのために中国側関係者が沖縄の米軍基地反対の集会やデモに実際に参加することもよくある。その結果、沖縄住民の反米感情をあおり、日米同盟への懐疑を強め、日米間の安保協力をこじれさせることを企図している」
 同報告書は中国側の沖縄でのこうした動きをはっきりと「スパイ活動(Espionage)」とか(Agitation)」と呼び、そうした行動が将来も続けられるという見通しを明言していた。このへんはこの記述以上に詳細で具体的な情報こそ示されないものの、明らかにアメリカ当局独自の事実関係把握に基づく報告であり、警告だといえる。

沖縄独立運動への驚くべき言及

 同報告書はさらに中国側の沖縄領有権の主張や沖縄内部での独立運動についても衝撃的な指摘をしていた。要するに中国は自国の主権は尖閣諸島だけでなく、沖縄全体に及ぶと主張し、その領土拡張の野望は沖縄にも向けられている、というのだ。
 報告書の記述をみよう。
 「中国はまた沖縄の独立運動をも地元の親中国勢力をあおって支援するだけでなく、中国側工作員自身が運動に参加し、推進している」
 「中国の学者や軍人たちは『日本は沖縄の主権を有していない』という主張を各種論文などで表明してきた。同時に中国は日本側の沖縄県の尖閣諸島の施政権をも実際の侵入行動で否定し続けてきた。この動きも日本側の懸念や不安を増し、沖縄独立運動が勢いを増す効果を発揮する」
 確かに中国政府は日本の沖縄に対する主権を公式に認めたことがない。中国が沖縄の領有権を有すると政府が公式に言明することもないが、中国政府の代表である学者や軍人が対外的に「沖縄中国領」論を発信している事実はあまりに歴然としているのだ。
 同報告書はこうした点での中国側のトリックの実例として以下のようなことも述べていた。
 「中国の官営ニュースメディアは『琉球での二〇〇六年の住民投票では住民の七五%が日本からの独立を望むという結果が出た』という報道を流した。しかし現実にはその種の住民投票は実施されてはいない。沖縄住民の多数派は日本領に留まることを欲している」
 中国側の官営メディアがこの種の虚報を流すことは年来の中国のプロパガンダエ作ではよくある事例である。この虚報の背後にすけてみえるのは、中国がやがては沖縄も自国領土だと宣言するようになる展望だといえる。

<引用終り>

かねてから日本はスパイ天国などと言われてきたが、この報告を読むとまさに「やりたい放題」
これで日本は独立国と言えるのだろうか。

曰く
>「中国は沖縄米軍の弱体化の一環として特定の機関や投資家を使い、沖縄の米軍基地の近くに不動産を購入している
 報告書はこの中国側による沖縄の不動産購入について脚注で「中国工作員が米軍基地近くに米軍関係者居住用のビルを買い、管理して、管理者用のカギで米軍関係者世帯宅に侵入して、軍事機密を盗もうとしている」という日本側の一部で報道された情報を引用していた。

>「中国は沖縄に米軍の軍事情報を集めるための中国軍の諜報工作員と日本側の米軍基地反対運動をあおるための政治工作員を送りこみ、日米両国の離反を企図している」

>「中国は沖縄に米軍の軍事情報を集めるための中国軍の諜報工作員と日本側の米軍基地反対運動をあおるための政治工作員を送りこみ、日米両国の離反を企図している」

「中国の政治工作員は沖縄住民の米軍基地に対する不満や怒りを扇動することに努める。そのために中国側関係者が沖縄の米軍基地反対の集会やデモに実際に参加することもよくある。その結果、沖縄住民の反米感情をあおり、日米同盟への懐疑を強め、日米間の安保協力をこじれさせることを企図している」

中国側の沖縄でのこうした動きをはっきりと「スパイ活動(Espionage)」とか(Agitation)」と呼び、そうした行動が将来も続けられるという見通しを明言していた

こんなものを読むと、民進党(旧民主党)代表に蓮舫が選ばれたことを中国が大喜びしているのも無理からぬ話。
http://www.sankei.com/world/news/160915/wor1609150065-n1.html

沖縄だけではない、日本は国会にまで中国のスパイが入り込んでいる、これが現実だ。


さらに
中国政府の代表である学者や軍人が対外的に「沖縄中国領」論を発信している事実

「中国の官営ニュースメディアは『琉球での二〇〇六年の住民投票では住民の七五%が日本からの独立を望むという結果が出た』という報道を流した。しかし現実にはその種の住民投票は実施されてはいない。沖縄住民の多数派は日本領に留まることを欲している」

中国がやがては沖縄も自国領土だと宣言するようになる展望だといえる



こんな事が現実にはどんな形で表れているか、その一つの例。

2016-9-19沖縄は中国になる


2016-9-19沖縄は中国になる2

http://www.orefolder.net/blog/2016/09/okinawa-is-chaina-on-quickpic/


いよいよ中国がその本性を現してきたところです。
これは絶対負けられない、心してかからねばいけないと思います。

尚この件は昨年12月2日の以下エントリーも参照ください。
『「100年マラソン」を読んでみた<その6 最終回は日本について』
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1194.html


この件は今回でおしまいとします。エントリーはおしまいですが、戦いは今始まったばかりですね。
  1. 中国
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2016-09-18 17:44

中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書<続編

 中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書、続編です。

<以下正論9月号から引用>

同盟分断の主要策「沖縄」の中身

 同報告書はそのうえで三戦術の最後の【同盟分断】に触れて、そのなかの主要項目として「沖縄」をあげていた。
 注目されるのは、同じ「同盟分断」の章ではアメリカの同盟諸国の国名をあげて、国別の実態を報告しているのに対し、日本の場合は、日本という国名ではなく「沖縄」だけを特記している点だった。中国の日本に対する同盟分断戦術はいまのところ沖縄に集中しているという認識の反映のようなのである。
 その記述は以下のような趣旨だった。
 「中国は日本を日米同盟から離反させ、中国に譲歩させるための戦術として経済的威圧を試みたが、ほとんど成功しなかった。日本へのレアアースの輸出禁止や中国市場での日本製品ボイコットなどは効果をあげず、日本は尖閣諸島問題でも譲歩をせず、逆に他のアジア諸国との安保協力を強め、アメリカからは尖閣防衛への支援の言明を得た」
 中国はだから沖縄への工作に対日戦術の重点をおくようになったというわけだ。
 「中国軍部はとくに沖縄駐留の米軍が有する遠隔地への兵力投入能力を深刻に懸念しており、その弱体化を多角的な方法で図っている」

<引用ここまで>


なるほどねえ。
レアアースの輸出禁止や中国市場での日本製品ボイコットなどは効果をあげず

だから逆に中国が自分の首を絞めてしまったわけだ。
それで手を変えて、沖縄で暴れることに徹しようとしているのか。

2016-9-18沖縄高江も道路封鎖状況

こんな事をすりゃあ地元民は困るわけだ。
しかしこんな事をするのは地元住民ではない。他所からやってきたプロ市民だ。
そしてそのプロ市民を引き寄せるのはカネ。

その日当は1日2万円だという。
ソースはいろいろあるが、例えば
http://blog.goo.ne.jp/sakurasakuya7/e/87a67b3151fc27a091394e8266e2907a

http://blog.livedoor.jp/zzcj/archives/51897659.html


実はこんな日当が出ているのは、私のタイでの経験でも納得できる。
タイでも中国共産党がバックのタクシン派はやはり法外な日当を出していた。
以下エントリー参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-154.html

タイのタクシン派のやり方は、(上掲エントリーには書いてないが)デモなどは軍隊などと同じ組織になっていた。
一般のデモ参加者5人~10人に一人のリーダーをつけ、日当はそのリーダーが自分の配下のデモ参加者に渡す。
当然ながらリーダーにはデモ参加者一人について何がしかの手当がつく。そんな風だった。
だから金を渡すところなど絶対見つからないようになっていたし、リーダークラスになれば、デモが長引けばひと財産出来る。

こんな経験から、沖縄もまったく同じだと思う。

そしてこんな高額の日当を払うので、それを目当てに外国人が群がってくる。
タイの場合は・・・、オーストラリアから白人グループがデモに参加するためやってきていた。勿論目当ては金。
テレビでも映っていた・・・、二言目には「FUCK!」という。下品な連中だった。

沖縄ではコリアンが押し掛けているようだ。困ったことである。


それともう一つ
遠隔地への兵力投入能力

これはオスプレイのことである。
だから何が何でもオスプレイ反対という訳だ。

2016-9-18沖縄の反基地への中国共産党参加の証拠

沖縄の現実は殆ど報道されないが、中国が必死になって沖縄取りを画策していることは間違いない。
・・・続きます。
  1. 中国
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2016-09-17 10:26

中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書

 沖縄では中国が米軍基地反対運動をあおり、米軍へのスパイ活動を展開している。

こんなショッキングな語り口で始まる論考が正論9月号(2016年8月1日発売)に掲載されている。
著者は産経の古森義久氏、アメリカ政府系の報告書をもとにまとめたものだ。

非常に興味深い内容である。しかし非常に長文(正論で8ページ)なので、全文は文末に一括して引用文として載せますが、本文では要点だけを引用し、また3回くらいに分割し考えてみたいと思います。


<以下正論9月号より引用>

2016-9-16正論の古森さん論文

狙いは日米分断
中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書
  沖縄の反米軍・独立運動、韓国を巻き込んでの対日歴史糾弾はやはり中国が裏で煽っていた! 衝撃報告

「正論」平成28年9月号  古森義久


 沖縄では中国が米軍基地反対運動をあおり、米軍へのスパイ活動を展開しているーーーこんなショッキングな警告がアメリカ議会の政策諮問の有力機関から発せられた。中国は長期戦略として日米同盟を骨抜きにすることを図り、その具体策として沖縄での米軍基地反対運動へのひそかな支援や米軍の活動への秘密裡の軍事諜報工作を展開しているのだという。
・・・中略・・・

提起された「中国」の沖縄工作

 日米同盟はこのところ全体として一段と堅固になりながらも、なお沖縄での在日米軍基地への反対運動は複雑な振動を広げている。まるで強壮な人間のノドに刺さったトゲのように、全身の機能こそ低下させないまでも、中枢部につながる神経を悩ませ、痛みをさらに拡大させかねない危険な兆候をみせているといえよう。
・・・中略・・・

米国の軍事能力を削ぐことに主眼

 合計十六ぺージのこの報告書が警告する沖縄での中国の動きをアメリカの戦略全体の中で位置づけるために、まずこの報告書の主眼についての記述を紹介しよう。
 「中国は東アジア、西太平洋地域でもし軍事衝突が起きた場合の中国人民解放軍の米軍に対する脆弱性を減らすために、その種の衝突へのアメリカ側の軍事対応を抑える、あるいは遅らせるための『接近阻止』または『領域否定』(引用者注:一般にAnti-Access/Area Denial, A2/ADと言われている)の能力を構築することを継続している。中国側は同時に軍事衝突が起きる前の非軍事的選択肢を含むその他の措置も推進している。それらの措置とはアメリカ側の戦略的な地位、行動の自由、作戦の余地を侵食することを意図する試みである」
 要するに中国はアジアでの米軍の軍事能力を削ぐことに最大の努力を傾けているというのだ。その米軍能力の削減のための工作とは必ずしも軍事手段には限らない。一連の非軍事的な措置もあるというのである。同報告書がその非軍事的措置としてあげるのが以下の三種類の動きだった。

 ・関与
 ・威圧
 ・同盟分断

 以上、三種の中国側の戦術はみなアジアでの米軍の弱体化、同時に中国軍の相対的な強化を狙いとしている。その戦術の標的はアメリカと同時に日本などその同盟諸国により鋭く照準が絞られている。本稿の主題である沖縄に対する中国の工作はその中の「同盟分断」の戦術に含まれていた。
 では中国はなぜアジアでの米軍の能力の弱体化にこれほど必死になるのか。その点については同報告書は以下の骨子の理由をあげていた。
 「中国人民解放軍幹部が軍科学院の刊行物などに発表した論文類は中国がアジア、西太平洋で『歴史上の正当な傑出した立場』に戻るためには、アメリカがアジアの同盟諸国とともに、有事に中国の軍事能力を抑えこもうとする態勢を崩す必要がある、と主張している」
 以上の記述での中国にとっての「歴史上の正当な傑出した立場」というのは明らかに「屈辱の世紀」前の清朝以前の中華帝国王朝時代のグローバルな威勢、ということだろう。
 その過去の栄光の復活というわけだ。この概念は習近平国家主席が唱える「中国の夢」とか「中華民族の偉大な復興」というような政治標語とも一致している。「平和的台頭」という表面は穏やかなスローガンの背後にはいまの中華人民共和国を過去の王朝時代のような世界帝國ふうに復活させようというギラギラした野望が存在している、とアメリカ側の専門家集団による同報告書はみているのである。
 この「野望」は最近、南シナ海での中国の海洋覇権追求に関して国際仲裁裁判所が「根拠なし」と裁定した「九段線」にもあらわとなっていた。「南シナ海は古代から九段線の区画により歴史的に中国の領海だった」という時代錯誤の中国政府の主張は、「歴史上の正当な傑出した立場」の反映なのだ。ただし現代の世界ではその正当性はないのである。

・・・中略・・・
 「関与」と「威圧」の具体的中身

 同報告書は中国側のそのアジアでの米軍の能力を弱めるための対米、反米そして対アメリカ同盟諸国への非軍事的手段の基本的な特徴について以下のように解説していた。
 「中国人民解放軍の最高幹部たちは各種の論文で『戦争は単に軍事力の競合ではなく、政治、経済、外交、文化などを含めての総合的な競い合いだ』と繰り返し主張している。つまり政治、経済、外交、文化などの非軍事的要因が軍事作戦を直接、間接に支えなければ勝利は得られないという考え方なのだ。だから米軍のアジアでの中国のかかわる紛争への介入を阻むためには単に軍事力だけでなく、アメリカの政治システムや同盟相手の諸国の対米依存や対米信頼を弱めるための外交、情報、経済などのテコが必要となる。その種のテコには貿易協定や友好外交などから賄賂的な経済利権の付与も含まれてくる」

・・・今回は引用ここまで、以降は次回に取り上げます。


私が最初に興味を引かれたのがこの言葉。
『歴史上の正当な傑出した立場』


この言葉の意味するものは、例えばこんなもの

2014-5-13鄭和の宝船大きさ比較

現代では信じられない大きさの巨大船。明代にはこんな巨大船で大艦隊を作り、南シナ海からマラッカ海峡ベンガル湾・インド洋を遊弋し、大明国の威光を見せつけて回った。

今問題になっている南シナ海の問題の根っこにはこんな問題が隠れている。
「南シナ海は古代から九段線の区画により歴史的に中国の領海だった」、この意識の根底にはこういった歴史が潜んでいる。こんな意識を持っていたら、何を言われようとも、「国際仲裁裁判所の判決だと!、そんなものタダの紙っきれだ!」となるわけだ。、

参考までにその宝船の造船所遺跡が発見されている。南京市にある。

2014-5-16鄭和の宝船の造船所跡

そして今、空母の2番艦を建造中

2016-9-17中国の建造中の空母


以下は笑い話。中国は巨大な宝船も復元し、2014年には完成させようとしたらしい。
しかし今日ではそんな巨大木造船を作るギジュチュは最早なく、噂ではこの復元船は失敗したらしい。
2016-9-16宝船復元写真2012年



さて、こんなことを背景に現在は中国夢と称して、大キャンペーンを行っている。

中国梦(夢)  (注:梦は夢の簡体字)
2016-9-16中国夢
以下エントリー参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1193.html

この中国夢とは
『「中国の夢」とは、世界で唯一の超大国、つまり経済的、軍事的、文化的に無敵になることだ。』
だそうだ。
なるほどねえ・・・、だから何が何でも一意にならねばいけないのか・・・

オッと、それで思い出したことがある。「どうして一番なんですか、二番じゃダメなんですか」、こんなことを言った奴がいる。
スパコン開発に関しての事業仕分けの時だ。
そうです、今話題の蓮舫です。

そのスパコンランキングはこうなっている。
2016-9-17スパコン歴代一位リスト

蓮舫は私は生まれたときからの日本人です等と口から出まかせを喋っている。しかし台湾は国家ではないから私は二重国籍ではない、こんなことも言っている。二重国賊との声もある。
しかし私は蓮舫がバリバリの左翼・高野 孟(たかの はじめ)の紹介で妊娠中なのに北京大学に留学した経緯から、蓮舫は中共の意向を受けた北京代理人と呼ぶのが正しいとみている。
こう見ると、事業仕分けでスパコンを引きずり降ろそうとしたのも無理からぬ話ではないだろうか。

中国の狙いが、「政治、経済、外交、文化などを含めての総合的な競い合い」、ここには陰謀・策略・賄賂・スパイ活動など、ありとあらゆる活動があると思わねばいけない。
アメリカ議会報告書はそんなことを警告している訳だ。

以下は次回に





<以下は正論9月後の全文です。参考までに>

狙いは日米分断
中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書
  沖縄の反米軍・独立運動、韓国を巻き込んでの対日歴史糾弾はやはり中国が裏で煽っていた! 衝撃報告

「正論」平成28年9月号  古森義久


 沖縄では中国が米軍基地反対運動をあおり、米軍へのスパイ活動を展開しているーーーこんなショッキングな警告がアメリカ議会の政策諮問の有力機関から発せられた。中国は長期戦略として日米同盟を骨抜きにすることを図り、その具体策として沖縄での米軍基地反対運動へのひそかな支援や米軍の活動への秘密裡の軍事諜報工作を展開しているのだという。

 アメリカ側の政府や議会機関が日米同盟の光や影、虚や実について論じ、内外への注意を喚起するという作業は長年、続いてきた。だが沖縄での米軍基地問題に関して中国の干渉を正面から指摘したという実例はきわめて珍しい。アメリカ側としてはそれだけ沖縄での中国の動きを危険視するにいたったということだろう。日本側としては日米同盟の堅固な保持を望む限り、その警告を真剣に受けとめざるを得ないであろう。

提起された「中国」の沖縄工作

 日米同盟はこのところ全体として一段と堅固になりながらも、なお沖縄での在日米軍基地への反対運動は複雑な振動を広げている。まるで強壮な人間のノドに刺さったトゲのように、全身の機能こそ低下させないまでも、中枢部につながる神経を悩ませ、痛みをさらに拡大させかねない危険な兆候をみせているといえよう。
 沖縄の米軍基地の基盤が揺らげば揺らぐほど、日米同盟の平時有事の効用が減る。日本への侵略や攻撃を未然に抑えるための抑止力が減ることになるからだ。また朝鮮半島や台湾海峡という東アジアの不安定地域への米軍の出動能力を落とし、中国に対する力の均衡を崩すことにもつながるわけである。
 沖縄あるいは日本全体を拠点とするアメリカの軍事力が弱くなることを最も歓迎するのは誰か。いまや東アジア、西太平洋の全域でアメリカの軍事的な存在を後退させようとする中国が米軍弱体化の最大の受益者であることは明白である。
 中国がそのためにソフト、ハード両面での多様な措置をとっていることはすでに歴然としているが、これまで沖縄での反米軍基地運動への中国の関与は提起されることはまずなかった。しかも中国の対沖縄工作の最終目的は日米同盟分断だというのだ。
 「沖縄と中国」というこの重大な結びつきを新たに提起したのはアメリカ議会に設置された「米中経済安保調査委員会」という機関である。この委員会は二〇〇〇年に新たな法律により、「米中両国間の経済と貿易の関係がアメリカの国家安全保障にどう影響するかを調査して、議会と政府に政策上の勧告をする」ことを目的に常設された。議会の上下両院の有力議員たちが選ぶ十二人の委員(コミッショナー)が主体となり、米中関係を背景に中国側の軍事や外交の実態を調査するわけだ。
 各委員は中国の軍事、経済、外交などに詳しい専門家のほか、諜報活動や安保政策の研究者、実務家が主になる。最近まで政府や軍の枢要部に就いていた前官僚や前軍人、さらには上下両院で長年、活躍してきた前議員たちも委員を務める。そしてそのときそのときの実際の中国の動き、米中関係の変動に合わせて、テーマをしぼり、さらなる専門家を証人として招いて、公聴会を開くのである。
 同委員会は毎年、その活動成果をまとめて、年次報告書を発表する。その内容は詳細かつ膨大となる。最終的にはアメリカの政府と議会に対中政策に関する提言をするわけだ。
 同委員会の事務局も中国や軍事、諜報に関する知識の豊富なスタッフで固められ、特定テーマについての報告書を委員たちとの共同作業で定期的に発表している。
 アメリカの中国研究はこのように国政レベルできわめて広範かつ具体的なアプローチが多いのである。中国の多様な動向のなかでもアメリカ側か最も真剣な注意を向けるのはやはり軍事動向だといえる。この米中経済安保委員会はまさに中国の軍事動向と経済動向の関連を継続的に調べているのである。
 そんな委員会が沖縄と中国のからみに関しての調査結果をこのほど明らかにしたのは「アジア太平洋での米軍の前方展開を抑える中国の試み」と題する報告書の中だった。

米国の軍事能力を削ぐことに主眼

 合計十六ぺージのこの報告書が警告する沖縄での中国の動きをアメリカの戦略全体の中で位置づけるために、まずこの報告書の主眼についての記述を紹介しよう。
 「中国は東アジア、西太平洋地域でもし軍事衝突が起きた場合の中国人民解放軍の米軍に対する脆弱性を減らすために、その種の衝突へのアメリカ側の軍事対応を抑える、あるいは遅らせるための『接近阻止』または『領域否定』の能力を構築することを継続している。中国側は同時に軍事衝突が起きる前の非軍事的選択肢を含むその他の措置も推進している。それらの措置とはアメリカ側の戦略的な地位、行動の自由、作戦の余地を侵食することを意図する試みである」
 要するに中国はアジアでの米軍の軍事能力を削ぐことに最大の努力を傾けているというのだ。その米軍能力の削減のための工作とは必ずしも軍事手段には限らない。一連の非軍事的な措置もあるというのである。同報告書がその非軍事的措置としてあげるのが以下の三種類の動きだった。

 ・関与
 ・威圧
 ・同盟分断

 以上、三種の中国側の戦術はみなアジアでの米軍の弱体化、同時に中国軍の相対的な強化を狙いとしている。その戦術の標的はアメリカと同時に日本などその同盟諸国により鋭く照準が絞られている。本稿の主題である沖縄に対する中国の工作はその中の「同盟分断」の戦術に含まれていた。
 では中国はなぜアジアでの米軍の能力の弱体化にこれほど必死になるのか。その点については同報告書は以下の骨子の理由をあげていた。
 「中国人民解放軍幹部が軍科学院の刊行物などに発表した論文類は中国がアジア、西太平洋で『歴史上の正当な傑出した立場』に戻るためには、アメリカがアジアの同盟諸国とともに、有事に中国の軍事能力を抑えこもうとする態勢を崩す必要がある、と主張している」
 以上の記述での中国にとっての「歴史上の正当な傑出した立場」というのは明らかに「屈辱の世紀」前の清朝以前の中華帝国王朝時代のグローバルな威勢、ということだろう。
 その過去の栄光の復活というわけだ。この概念は習近平国家主席が唱える「中国の夢」とか「中華民族の偉大な復興」というような政治標語とも一致している。「平和的台頭」という表面は穏やかなスローガンの背後にはいまの中華人民共和国を過去の王朝時代のような世界帝國ふうに復活させようというギラギラした野望が存在している、とアメリカ側の専門家集団による同報告書はみているのである。
 この「野望」は最近、南シナ海での中国の海洋覇権追求に関して国際仲裁裁判所が「根拠なし」と裁定した「九段線」にもあらわとなっていた。「南シナ海は古代から九段線の区画により歴史的に中国の領海だった」という時代錯誤の中国政府の主張は、「歴史上の正当な傑出した立場」の反映なのだ。ただし現代の世界ではその正当性はないのである。
 しかし中国側からすれば、その「正当な傑出した立場」の構築や達成にはアメリカ、とくにアジア駐留の前方展開の米軍の存在が最大の障害となる。この点の中国側の軍事的な認識を米中経済安保調査委員会の同報告書は以下のように総括していた。
 「中国軍幹部たちは、アメリカが中国の正当な進出を阻もうとして、その中国封じ込めのためにアジアの北地域では日本と韓国、南地域ではオーストラリアとフィリピンを拠点とする軍事基地システムを築き、グアム島をその中核とし、中国深部を長距離の戦略兵器で攻撃ができるようにしている、とみている」
 だからこそ中国にとってはアメリカがアジアで構築してきた一連の同盟関係とその軍事態勢は有事平時を問わず、敵視や反発の主対象となわけである。

 「関与」と「威圧」の具体的中身

 同報告書は中国側のそのアジアでの米軍の能力を弱めるための対米、反米そして対アメリカ同盟諸国への非軍事的手段の基本的な特徴について以下のように解説していた。
 「中国人民解放軍の最高幹部たちは各種の論文で『戦争は単に軍事力の競合ではなく、政治、経済、外交、文化などを含めての総合的な競い合いだ』と繰り返し主張している。つまり政治、経済、外交、文化などの非軍事的要因が軍事作戦を直接、間接に支えなければ勝利は得られないという考え方なのだ。だから米軍のアジアでの中国のかかわる紛争への介入を阻むためには単に軍事力だけでなく、アメリカの政治システムや同盟相手の諸国の対米依存や対米信頼を弱めるための外交、情報、経済などのテコが必要となる。その種のテコには貿易協定や友好外交などから賄賂的な経済利権の付与も含まれてくる」
 つまりは非常に広範で多様な手段による米軍の能力削減、そして同盟の骨抜きという意図なのである。中国側のその種の意図による具体的な活動が前述の三戦術「関与」「威圧」「同盟分断」だというわけなのだ。
 その三戦術のうち対沖縄工作が含まれた「同盟分断」を詳述する前に「関与」と「威圧」について報告書の概略を紹介しておこう。

 【関与】
 「中国はタイやパキスタンとの経済協力を深め、軍事協力へと発展させ、中国海軍の現地での港湾使用などで、米軍に対する軍事能力を高めている。オーストラリアやタイとの合同軍事演習を実施して、両国のアメリカとの安全保障協力を複雑にする。韓国との経済のきずなを強めて、安保面でも韓国のアメリカとの密着を緩める」

 【威圧】
 「中国はフィリピンとのスカボロー環礁での衝突の際、フィリピン産バナナの輸入を規制した。日本との尖閣諸島近海での衝突の際はレアアース(希土類)の対日輸出を規制した。いずれも経済的懲罰という威圧行動だった。尖閣付近では海警の艦艇の背後に海軍艦艇を配備し、軍事力行使の威圧をかける。中国はベトナムの排他的経済水域(EEZ)での一方的な石油掘削作業でも軍事的な威圧をした。この種の威圧はいずれも米軍の抑止力を減らす意図を持つ」

同盟分断の主要策「沖縄」の中身

 同報告書はそのうえで三戦術の最後の【同盟分断】に触れて、そのなかの主要項目として「沖縄」をあげていた。
 注目されるのは、同じ「同盟分断」の章ではアメリカの同盟諸国の国名をあげて、国別の実態を報告しているのに対し、日本の場合は、日本という国名ではなく「沖縄」だけを特記している点だった。中国の日本に対する同盟分断戦術はいまのところ沖縄に集中しているという認識の反映のようなのである。
 その記述は以下のような趣旨だった。
 「中国は日本を日米同盟から離反させ、中国に譲歩させるための戦術として経済的威圧を試みたが、ほとんど成功しなかった。日本へのレアアースの輸出禁止や中国市場での日本製品ボイコットなどは効果をあげず、日本は尖閣諸島問題でも譲歩をせず、逆に他のアジア諸国との安保協力を強め、アメリカからは尖閣防衛への支援の言明を得た」
 中国はだから沖縄への工作に対日戦術の重点をおくようになったというわけだ。
 「中国軍部はとくに沖縄駐留の米軍が有する遠隔地への兵力投入能力を深刻に懸念しており、その弱体化を多角的な方法で図っている」
 沖縄には周知のように米軍の海兵隊の精鋭が駐留している。第三海兵遠征軍と呼ばれる部隊は海兵空陸機動部隊とも称され、空と海の両方から遠隔地での紛争や危機にも対応して、展開できる。多様な軍事作戦任務や地域の安全保障協力活動が可能であり、有事や緊急事態ヘスピーディーに出動できる。米軍全体でも最も実戦的な遠征即応部隊としての自立作戦能力を備えているともいわれる。
 まさに中国側からすれば大きな脅威というわけだ。だからその戦力、能力をあらゆる手段を使って削ぐことは中国にとっての重要な戦略目標ということになる。
 同報告書は次のようにも述べていた。
 「中国は沖縄米軍の弱体化の一環として特定の機関や投資家を使い、沖縄の米軍基地の近くに不動産を購入している」
 報告書はこの中国側による沖縄の不動産購入について脚注で「中国工作員が米軍基地近くに米軍関係者居住用のビルを買い、管理して、管理者用のカギで米軍関係者世帯宅に侵入して、軍事機密を盗もうとしている」という日本側の一部で報道された情報を引用していた。
 アメリカの政府や議会の報告書では米側独自の秘密情報を公開することは少ないが、一般のマスコミ情報の引用とか確認という形で同種の情報を出すことがよくある。つまり米側の独自の判断でも事実と認めた場合の「引用」となるわけだ。
 そして報告書はこんどは引用ではなく、同報告作成者側の自主的な記述としてさらに以下の諸点を述べていた。
 「中国は沖縄に米軍の軍事情報を集めるための中国軍の諜報工作員と日本側の米軍基地反対運動をあおるための政治工作員を送りこみ、日米両国の離反を企図している」
 「沖縄での中国の諜報工作員たちは米軍基地を常時ひそかに監視して、米軍の軍事活動の詳細をモニターするほか、米軍の自衛隊との連携の実態をも調べている」
 「中国の政治工作員は沖縄住民の米軍基地に対する不満や怒りを扇動することに努める。そのために中国側関係者が沖縄の米軍基地反対の集会やデモに実際に参加することもよくある。その結果、沖縄住民の反米感情をあおり、日米同盟への懐疑を強め、日米間の安保協力をこじれさせることを企図している」
 同報告書は中国側の沖縄でのこうした動きをはっきりと「スパイ活動(Espionage)」とか(Agitation)」と呼び、そうした行動が将来も続けられるという見通しを明言していた。このへんはこの記述以上に詳細で具体的な情報こそ示されないものの、明らかにアメリカ当局独自の事実関係把握に基づく報告であり、警告だといえる。

沖縄独立運動への驚くべき言及

 同報告書はさらに中国側の沖縄領有権の主張や沖縄内部での独立運動についても衝撃的な指摘をしていた。要するに中国は自国の主権は尖閣諸島だけでなく、沖縄全体に及ぶと主張し、その領土拡張の野望は沖縄にも向けられている、というのだ。
 報告書の記述をみよう。
 「中国はまた沖縄の独立運動をも地元の親中国勢力をあおって支援するだけでなく、中国側工作員自身が運動に参加し、推進している」
 「中国の学者や軍人たちは『日本は沖縄の主権を有していない』という主張を各種論文などで表明してきた。同時に中国は日本側の沖縄県の尖閣諸島の施政権をも実際の侵入行動で否定し続けてきた。この動きも日本側の懸念や不安を増し、沖縄独立運動が勢いを増す効果を発揮する」
 確かに中国政府は日本の沖縄に対する主権を公式に認めたことがない。中国が沖縄の領有権を有すると政府が公式に言明することもないが、中国政府の代表である学者や軍人が対外的に「沖縄中国領」論を発信している事実はあまりに歴然としているのだ。
 同報告書はこうした点での中国側のトリックの実例として以下のようなことも述べていた。
 「中国の官営ニュースメディアは『琉球での二〇〇六年の住民投票では住民の七五%が日本からの独立を望むという結果が出た』という報道を流した。しかし現実にはその種の住民投票は実施されてはいない。沖縄住民の多数派は日本領に留まることを欲している」
 中国側の官営メディアがこの種の虚報を流すことは年来の中国のプロパガンダエ作ではよくある事例である。この虚報の背後にすけてみえるのは、中国がやがては沖縄も自国領土だと宣言するようになる展望だといえる。

日本も硬軟織り交ぜた反撃を

 米中経済安保調査委員会の「アジア太平洋での米軍の前方展開を抑える中国の試み」という題の同報告書は中国の沖縄に対する活動について以上のように述べて、中国側のその目的はすべて日米同盟にくさびを打ちこみ、日米の離反を図って、米軍の沖縄などでの軍事能力を骨抜きにすることだと分析していた。
 とくに中国側の領土拡張の狙いが単に尖閣諸島だけでなく沖縄本島などにも及んでいるという指摘、さらには中国側がすでに沖縄の内部に工作員を送りこんで、軍事、政治の両面で日米の連携をかき乱しているという警告は日本側としても重大に受けとめねばならないだろう。
 中国による日米同盟への揺さぶり工作では同報告書が日韓関係についても警鐘を鳴らしている点をも最後に付記しておこう。中国がアジアでのアメリカの存在を後退させる戦術の一環として日本と韓国との対立をもあおっている、というのだ。
 日本も韓国もいうまでもなく、ともにアメリカの同盟国である。アメリカを中心に日韓両国が安保面で緊密な連携を保てば、米軍の抑止力は効果を発揮する。日韓両国が逆に対立し、距離をおいていれば、米軍の効用も減ってしまう。
 中国にとっては東アジアでの米軍の能力の減殺という目的の下に、日本と韓国との間の摩擦や対立を広げる戦略をも進めてきたというのはごく自然だろう。
 同報告書は以下の諸点を指摘していた。
 「中国は日韓両国間の対立の原因となっている竹島問題に関して同島を軍事占領する韓国の立場を支持して、日本側の領有権主張を『日本の危険なナショナリズムの高揚』などとして非難してきた」
 「中国は日韓両国間の慰安婦問題のような第二次大戦にかかわる歴史認識問題に対して韓国側の主張を支持し、日本側の態度を非難する形の言動を示して、日韓間の歴史問題解決を遅らせてきた」
 「中国は日本の自衛隊の能力向上や役割拡大への韓国側の懸念に同調を示して、韓国側の対日不信をあおり、アメリカが期待するような米韓両国間の安全保障協力の推進を阻もうとしてきた」
 アメリカの議会機関が指摘する中国の日韓離反工作も中国の沖縄への介入と目的を一致させる反日、反米のしたたかな謀略活動だともいえるだろう。日本側としても硬軟両面でのそれ以上にしたたかな反撃が欠かせないであろう。

中国の沖縄・歴史戦工作を暴いた米議会報告書
<引用終り>
  1. 中国
  2. TB(0)
  3. CM(6)

2016-09-14 17:39

秋ですね

 しばらくブログ更新ができませんでした。先週後半に叔父が急逝、病院への見舞やら通夜葬儀でドタバタしておりました。
今日になってやっと一段落という所です。


所でいつの間にか季節は秋、もう田んぼでは稲が穂を垂れています。
向こう側は川の堤防、女の人が傘をさして歩いていますが・・・

2016-9-14岩滑の田んぼ1


でも稲穂の色が黒いのやら黄色いのやら、いろんな色がありますが、はてな?

一寸堤防の上に上がってみます。

2016-9-14岩滑の田んぼ2

堤防の上から見ると、こんな『田んぼアート』ができていました。

ここは小学校の教科書に載っている童話「ごんぎつね」の舞台になった所。
下の写真の右奥の赤い旗には「ごんの秋まつり」と書いてあります。
田んぼアートの顔は『ごんぎつね』でした。
  1. 社会一般
  2. TB(0)
  3. CM(14)

2016-09-06 17:23

自らが改革していきましょう<小池知事の言葉

 東京の小池知事が良いことを言っている。
私の持論とも合致するのでちょっと紹介したい。

尚引用する記事は小池知事と天ドンだか牛ドンだか内田ドンだかの喧嘩を囃し立てるような記事なので、小池知事の発言だけを取り上げます。


<以下引用>
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160903/plt1609031530001-n1.htm
小池知事、ドン「孤立化」作戦 「自律改革」訴え、都幹部を切り崩し
2016.09.03

 東京都の小池百合子知事が、都庁職員の人心掌握に乗り出した。小池氏は都政改革本部の初会合で、幹部職員らを前に「自律改革」を訴え、職員の自発的行動に期待を寄せたのだ。
・・・中略・・・

 「外から改革を強いられるのではなくて、自らが改革していきましょう。だって、仕事の中身をご存じなのはみなさんですから。単なる押しつけの改革では、士気も上がらない。ぜひ、積極的にご発言をいただいて、チームとしてオール都庁で変えていきたい」

 小池氏は1日、「都政の闇」に切り込む都政改革本部の初会合で、こう語りかけた。居並ぶ局長らの多くが、8月24日に都内の有名ホテルで開かれた内田氏の政治資金パーティーに駆けつけ、ドン・内田氏への「忠誠心」を示したばかりだ
 しかし、小池氏はそれをあえて「不問」にし、職員を全面的に信頼する姿勢を鮮明にしたといえる。
・・・以下略・・・

<引用終り、詳細は上掲リンク先参照ください>


私は永年モノ作りに携わってきた。そして最後のたどり着いた結論、
それは
『自らが改革していきましょう。だって、仕事の中身をご存じなのはみなさんですから』、此れである。
自ら、自分たちのやっていることの問題点を取り出し、改革する。
痛みもある。しかしこれ無くして世界で勝負など出来ない、そう思っている。

だが小池知事の言葉には本当は大事な一点が欠けている。小池知事が言わなかったのか、それともこの記事を書いた記者さんがそこまでの知識がなかったのか・・・
その大事な一点は
「ビジョン」である。「ポリシー」でもいいだろう。
「志(こころざし)」、あるいは「夢(ゆめ)」でもいいと思う


このビジョン・志(こころざし)があって、各論として改革が始まるのだと思っている。


このビジョンについてはノーベル賞の山中伸弥教授が良いことを言っている。

曰く
『「V&W」が大切だと。「Vision」のVと「Work hard」のW、このどちらが欠けてもダメだと』

2016-9-6山中教授の言葉

山中さんはいろんなところでこれを言っていますが、例えばコレ。
http://logmi.jp/37307


この同じことは例えば某自動車メーカーが苦しいとき、
「創業の精神に立ち返ろう、合言葉は『志(こころざし)を高く掲げて』」
こんなことをやってた会社もある。

小池知事の改革、この考え方をほかの自治体にもぜひ見習てほしいと思う。
日本再生のための良い手本が出来そうな予感がする今日この頃である。
  1. 政治
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2016-09-04 17:08

タイに見る華僑の恐ろしさ

 元民主党、今民進党の蓮舫が二重国籍者という疑いが出てきた。
恐らく二重国籍者なのであろう。

また蓮舫は『私は華僑』と公言しているが、華僑がどんな連中でどんな害毒を流すのか、華僑で超大富豪で共産主義者、こんな凄い政治家がいる。
タイの元首相、タクシン・チナワットがその名前。

華僑:出身はタイ北部だが、親は華僑1世、出自は客家(はっか)。だから華僑2世になる。
本人はタイ生まれだが、タイ人に言わせると「しゃべるタイ語がおかしい」そうです。

大富豪:以前は資産数千億円と言われていたのだが、約2兆円の資産があるらしい。
参照エントリー:http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-964.html

共産主義者:これはタクシンが政権を取ったときにはじめて明るみに出た。第一次タクシン内閣の閣僚の中にタイ共産党の残党がゴロゴロ。

タクシンの本質については以下参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-31.html

さてそんなタクシンだが、未だにタイに害毒を流し続けている。そんな事が「マスコミに載らない海外記事」ブログで紹介されている。
少々長いが今どんなことになっているのかがよく分かる。
それとタクシンの問題については、私もいろいろ取り上げてきた。
そんなことで、引用文中に関連エントリーを紹介しながら、この「マスコミに載らない海外記事」を見てみたい。

なお華僑であるタクシンの流した害毒は簡単に言うと。
1) 国庫に莫大な損害を与えたこと
2) タイの社会を賄賂の横行する金の亡者社会に変えてしまったこと
3) 地方へのバラマキで人心の荒廃を招いたこと
等がある。



では最初に「マスコミに載らない海外記事」から
<以下引用>
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/--5715.html
2016年8月17日 (水)

リビア-シリアと同じ仕打ちを受けているタイ

2016年8月14日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

いわゆる“アラブの春”の初期段階に、リビアやシリア国内で展開された暴力行為の本質を、欧米マスコミが隠そうとしたのと同様に、連中は今、東南アジアの国タイで、同じことをしようとしている。

8月11-12日、わずか24時間のうちに、数発の爆弾が、タイ国内の別々の四カ所、トラン、リゾート地のフワヒン、プーケット、スラートターニーで爆発した。数人が死亡し、破片が体内を貫通して、何十人もが負傷したと報じられている。

欧米マスコミは、すぐさま、事件を南部の分離主義者の仕業としたが、ここ数十年にわたる低強度紛争で、これらの地域のいずれも、最近攻撃されていない。そのような劇的エスカレーションの動機は存在しないのだ。

しかしながら、欧米マスコミが意図的に無視している、あるいはそれぞれの報道記事で何十段落も曖昧に書いているが、主な容疑者は、打倒された元首相タクシン・チナワットと、彼のタイ貢献党(PTP)と、彼の超暴力的フロント組織“赤シャツ”としても知られる反独裁民主戦線(UDD)が率いる、アメリカが支援する反政府派だというのが事実だ。

彼らには手段も、動機もあり、標的と時期も、彼らを示唆している。

攻撃された地域は、2014年に、妹のインラック・シナワトラチナワットを権力の座から追い出すのを促進した指導部がある地域を含め、全て反チナワット志向の拠点だ。フワヒンには、タイで大いに敬われている国家元首、王の別邸もある。

時期は、タイの母の日(引用者注:タイの王妃の誕生日を母の日という)と重なったが、この日はタイ国民が王室を祝う日でもある。チナワットと彼の支持者は、この体制を弱体化させ、打倒し、チナワット家が率いる政治王朝と置き換えようと企んできた。

攻撃は、チナワットが権力の座に復帰するいかなる見込みもなくす新憲法草案が、民主的国民投票で、過半数で承認されたわずか数日後におきた。

最後に、不安定なタイ南部地域でおきるものより遥かに大きな規模で、チナワットの熱烈な支持者連中が、暴力行為やテロを政治的手段として利用するという問題もある。

欧米マスコミが報じようとしないこと

権力の座について以来、チナワットと彼の支持者が、暴力行為やテロを、政治手段として利用してきたことを、欧米マスコミが読者に伝えようとしない事実がある。

2003年: タクシン・チナワット政権は“麻薬戦争”を推進し、約3,000人の無辜の人々が死亡したが、その大半は、麻薬取り引きとは無関係で、犠牲者の誰一人、令状も、裁判も、逮捕すらされていなかった。街頭で射殺されたのだ。
2004年: チナワット政権は、タイのディープ・サウスでの抗議行動を残虐に弾圧し、一日に80人以上が死亡した。
2001年-2005年: アムネスティー・インターナショナルによると、チナワット首相一期目の時期に、18人の人権擁護活動家が、暗殺されたか、行方不明になった。
2006年: チナワット政権は、街頭で、彼の退任を要求する抗議行動参加者のレジスタンスと直面し始めた。ウィキリークスが、この時期に、アメリカ大使館自身が複数の爆破を、チナワットと彼の支持者と結びつけていたことを暴露している。アメリカ大使館は、バンコク中で画策された攻撃である、2006年大晦日爆破の被疑者の中に、チナワットも含めていた。
2009年: 権力の座から追い出され、彼の傀儡閣僚連中の何人かも、一連の有罪判決や、裁判所の裁定で、権力の座から追われると、チナワットは、彼のUDDが率いる暴徒をバンコク街頭に繰り出した。“赤シャツ”抗議行動は間もなく略奪と放火へと転換し、居合わせた無辜の二人が死亡した。

2010年: チナワットは再度暴徒を街頭に繰り出し、今度は300人の重武装テロリストが、M-16(M203 40mm 擲弾発射筒)、AK-47、M-79 40mm 擲弾発射筒、携行式ロケット弾(RPG)、手投げ手榴弾、拳銃や狙撃銃を使った。戦闘で、約100人が死亡し、数百人が負傷し、チナワット支持者が行った全市内中での放火で終わった。暴力行為の間、チナワットのUDD指導部は、バンコクでの紛争を、全国規模にエスカレートさせようとして、支持者に、武力“内戦”という考え方を提案しようとした。
(引用者注:この時、タクシンがどれだけの金を注ぎ込んだのかわかっている。9ヶ月間で報道されているだけで237億バーツ(日本円で約675億円)、国家予算の1,3%に相当する。以下ブログ参照ください。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-154.html
尚この時日本人カメラマン村本さんが殺されている事を忘れてはならない。合掌!

2013年-2014年: 2011年、チナワットの妹、インラック・シナワトラチナワットが首相となった。彼女は、すぐさまその立場を利用して、2年の刑を逃れるために自ら亡命生活をしている、有罪判決を受けた犯罪人である兄の責任を免除する“恩赦法”を推進しようとした。この動きは広範な大規模抗議行動を引き起こし、抗議行動は、2013年から2014年まで続いた。チナワットは、またもや重武装した過激派を配備し、戦争用の兵器を使って、夜襲のようなもので、抗議行動参加者を鎮圧した。女性と子どもを含め約30人が死亡した。暴力行為は、クーデターをひき起こした。既に裁判所の裁定で弾劾されているのに、首相の座を降りることを拒否した、チナワットの妹を権力の座から追い出した。この期間中、チナワット支持者は、最近の爆破に見られるように、バンコクのみならず、タイ全国各地で、暴力行為を実行したことにも留意すべきだ。
2015年: 8月にバンコク繁華街で爆弾が爆破し 20人が死亡し、更に何十人も負傷した。戦闘員は、NATOとつながるトルコ人テロ集団と結びつけられており、政治的に強制をするための、タイ政府に対する暴力行使に、チナワットの欧米支援者が直接関与している可能性を暴露している。
こうしたことを考えれば、チナワットと彼の支持者が、外国のスポンサーとともに、少なくとも、そのような暴力行為をする能力と意志を持っているのが実証済みであるのは疑いようもない。動機も揃っているのに、欧米マスコミは無視し、被疑者として、チナワットと彼の支持者に触れようとさえしないことが協調した隠蔽であることを示している。

タイに、リビア-シリアと同じ仕打ちをしつつある欧米

十分情報に通じた読者なら、今や一体誰が暴力行為の背後にいるのか、更なる暴力行為が行われる可能性があり、その理由が一体何か、実に明瞭にわかるはずだ。そうした読者ならこのタイ国民に対する脅威を無効化し、タイの政治風景から、影響に根絶するために、現政府が、論理的かつ、正当な措置をとるべきであることも理解されよう。

これこそが、欧米マスコミが、読者に十分情報を伝えない理由だ。

欧米マスコミが、リビアやシリアで、テロリストが“自由の戦士”として報じ、テロを“レジスタンス”として報じ、暴力行為を実行する戦闘員を - 政府が反撃した場合 - “犠牲者”として報じたのと同様に、マスコミはそれをタイでしようとしているのだ。

タイの爆破の背後に、一体誰がいそうなのかについての空々しい曖昧さが、2013年-2014年、2010年、2009年、更に、2006年の昔、チナワットによる暴力行為隠蔽を目にし、隠蔽を企んだ欧米の編集者連中によって、広められつつある。

また他の人々も述べているように、チナワットが、2006年-2007年における一連の爆撃の背後にいた可能性があるとアメリカ大使館は認めたものの、彼らは依然、絶えず、彼や彼の仲間を権力の座に据えようとしてきた。

リビアとシリアでの欧米作戦の手法 - テロリストに武器を与え、支援し、“抗議行動”を、危機を暴力の急増へとエスカレートさせる隠れ蓑として利用し、傭兵やテロリストが、外国の支援を得て、主権国家をばらばらにするのを“内戦”として描く - というのが、今、タイで序盤戦にあるようだ。

代替メディアさえもが、情報を、BBCや、ロイター、AP、AFP、CNNやアル・ジャジーラから得ているので、この陰謀は、不当にも先手を打って有利なスタートができるのだ。

とは言え、リビアやシリアの惨事を、後から振り返って良く吟味すれば、この有利なスタートを無効にし、逆に、次にタイを、そして、タイ以降の他の国々を焼き尽くす前に、この世界的な地政学的不安定化作戦の敗北へと変えることができるかも知れない。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。
記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/08/14/thailand-gets-the-libya-syria-treatment/

<引用終り>


華僑に国を乗っ取られたタイが賄賂社会になってしまった証拠はこんなエントリー。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-528.html

2016-9-4タイの賄賂の相場

こんな無茶苦茶な賄賂を取らなければ、一代で2兆円もの蓄財など出来る筈がない。これがタクシンの、華僑のやることである。


それから同じく華僑に国を乗っ取られて社会に不正が蔓延するようになってしまったのはこんなエントリー。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-975.html

コメに関してはありとあらゆる不正がある。その一例として
2016-8-14タイのコメ保管状況
30/06/2014
軍は6月27日、「コメが盗まれている」との通報に伴い、パトゥムタニ県ムアン郡の民間会社の倉庫を検査し、コメ約9万1000袋、6900万バーツ相当がなくなっているのを確認した。軍の担当者によれば、袋詰めのコメは倉庫内にうずたかく積み上げられて保管されていたが、積み上げられた巨大な固まりの内側は足場が組まれていて空の状態だった。固まりすべてが袋詰めのコメと見せかけるための偽装と考えられるとのことだ。
(引用者注:写真は参考用で本文記事の物かどうかは未確認)


華僑に国を乗っ取られるという事はこんな事が起こること、タイのタクシン・チナワットのいろんな悪事を知るものとして、こんな思いを強くしている。
  1. タイ
  2. TB(1)
  3. CM(18)