2016-02-18 10:32

新東名の愛知区間は2車線に格下げされていた

 新東名の愛知区間が開通した事をエントリーした。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1226.html

此処にnackさんからコメントを頂き、早速走ってきたが新東名の他の部分と違い「2車線」だった。新東名の静岡県内は基本的に3車線だが「猪瀬ポール」で2車線になっているが、この猪瀬ポールを引っこ抜けば3車線になる。だが愛知県部分は2車線の設計でトンネルも橋も2車線だった。こんな情報を頂いた。

俄かには信じられな話だった。
新東名や新名神は日本の大幹線。だから3車線で建設されている。この二つをつなぐ伊勢湾岸道も3車線になっている。
それが2車線???
・・・・・だが事実だった。


最初にこれは開通式の写真。

2016-2-18新東名愛知区間開通式
確かに2車線だ。


新東名は現在の東名より山側を通っている。だから難工事だった。
構造物比率 : 橋梁 32.4 %、トンネル 29.4 % となっている。大雑把にいって1/3が橋、1/3がトンネル、残り1/3が平地だ。
(現在の東名高速道路(参考値) : 橋梁 14.9 %、トンネル 3.0 %)
特にこの愛知県内は工事で重金属を含む土砂が出てきて処理に苦労し、開通が1年遅れたといった経緯がある。
そんな苦労をして建設したのだが、3車線から2車線に格下げ、一体どうしたんだろう。


これは岡崎市の山間部を通る青木川橋

2016-2-18新東名青木川橋
・ 橋 長  622m ・ 最大橋脚高 78.8m、凄い橋である。
橋脚が20階建てのビルより高い、凄いものだ。


これは開通前の昨年11月に自転車に解放された時の写真、トンネル部分が良く分かる。

2016-2-18新東名のトンネル2015-11
確かに2車線分のトンネルだ。こんなモノを拡幅する事など不可能で、将来他の部分と同じように3車線にしたかったらもう一本別のトンネルを掘る必要がある。


所で最初に「猪瀬ポール」というものを紹介したが、聴いた事のない人が多いと思う。こんなモノである。

猪瀬ポール

2016-2-18猪瀬ポール

猪瀬ポールはこんな所を見てください。
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E7%8C%AA%E7%80%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB

http://togetter.com/li/289876

上掲猪瀬ポールの説明では「猪瀬はバ・カか」となっているが、
2016-2-18猪瀬直樹

その理由は実はこんな事情がある。

 道路関係四公団民営化推進委員会と言うものがあった(平成13年12月~平成17年9月)。小泉内閣時代である。
此処に委員として猪瀬直樹が力をふるっていた。

そしてここで幹線高速道路の6車線から4車線へのグレードダウンが決定された。
例えばこんな所にその議事録が
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/road/dai26/26gijiroku.html


新名神や新東名の静岡県内などは既に工事が始まっていたので、猪瀬ポールで無理やり2車線。
そして工事の順番が後になっていた愛知県部分は「最初から2車線」になってしまった。
2車線だと設計速度は100キロらしい。同じ新東名でも3車線部分は設計速度120キロ、だから大変走りやすい。
設計速度100キロでは走り難いのは何ら変わりないではないか。

全く残念である。

猪瀬直樹とその後ろにいる小泉純一郎の罪は重い、そう言う事だと思う。

尚、今工事中の御殿場・海老名間も当然同じ規格だと思う。
東京の方は2020年にやっとこの新東名の最後の部分が出来た時どう思うだろうか。

その時愕然としてももう手遅れです。
将来のビジョンの無い人間が考える事はこんな結果を残すと言ういい例である。
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2016-02-13 21:19

新東名高速道、西側部分が全通

 新東名高速道の西側部分が全通した。これで新東名は御殿場から西へは全通したことになる。
新東名は豊田東までだが、その先は伊勢湾岸道に接続し、更に新名神経由で関西方面に繋がっている。(新名神は一部未開通部分有り)

<以下引用>

新東名高速道 浜松いなさ-豊田東が開通
http://www.sankei.com/west/news/160213/wst1602130050-n1.html


2016-2-14新東名開通


 新東名高速道路の浜松いなさ(浜松市)-豊田東(愛知県豊田市)両ジャンクション(JCT)間が13日、開通した。中日本高速道路(名古屋市)は開通を前に、愛知県岡崎市で記念式典を開いた。並行する東名高速道路と共に日本の大動脈として、首都圏と中部圏を結ぶことに期待が高まっている。
・・・中略・・・
 新区間は約55キロ。御殿場(静岡県御殿場市)-豊田東両JCT間の約200キロが直結し、首都圏と中部圏が結ばれる。物流や観光面に経済効果があるほか、地震や津波など緊急時の移動手段として使える利点もある。

 新東名は平成24年、御殿場-三ケ日(浜松市)両JCT間の約162キロ(東名との連絡路を含む)が先行開通した。32年度までに海老名南(神奈川県海老名市)-御殿場両JCT間の約53キロが開通する予定だ。

<引用終り>

記事には書いてないが、これで御殿場から西は名古屋・大阪方面への高速道路は東名・名神、そして新東名・伊勢湾岸道・新名神と二つ出来たことになる。
特に静岡県内は東海道線、新幹線、国道一号線(旧東海道)、東名高速道、これらがほとんど同じところを通る為、日本の交通上の最大の弱点だった。
だから新東名は現在の東名高速より山側を通るようになっている。
但しその為に新東名は橋とトンネルだらけ。
wikiによれば、構造物比率 : 橋梁 32.4 %、トンネル 29.4 % となっている。
(現在の東名高速道路(参考値) : 橋梁 14.9 %、トンネル 3.0 %)

またこの新東名は東日本大震災の時、まだ工事中だったが通行可能な所は全部緊急車両用として開放され、大いに役立った。
国土強靭化とはこう言うものと言う事だと思う。

そんな問題点の良く分かる写真

薩埵峠(さったとうげ)から由比方面、そして富士山
2016-2-14さった峠からの富士

美しい写真です。富士山が一番きれいに見えるビューポイントの一つ。

薩埵峠(さったとうげ)から下を見ると、左から東海道線、国道1号線、東名高速道路が通っている。
此処しか平地が無い、日本の隘路である。
新幹線は左の山をトンネルで抜けているが、そのすぐ先由比の町辺りで顔を出している。

由比の天険断崖
2016-2-14由比の天嶮断崖


此処は明治時代から日本の国防上の弱点と言われ、ここを回避することがいろいろ検討されてきた。
これで高速道路が全部ダブルになった。更にリニア新幹線の工事が始まったので、新幹線もダブルになれば災害時などでも効果があるだろう。


これは広重の描いた東海道53次 「由比」

2016-2-14広重の由井



これはオマケ
新東名を出ると伊勢湾岸道で名古屋港を通って四日市、関西方面に。
名古屋港を名港東・中央・西大橋と三つの巨大な斜張橋で跨いで行く。美しい橋である。

2016-2-14伊勢湾岸道

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2014-02-15 17:48

国土強靭化とは

 最初にいつもテンプレートを変えたりしているのですが、今回もテンプレートは同じながらフォントを変えてみました。
多分これで以前よりかなり読みやすくなったと自画自賛しております(笑)。


所で今日のエントリーですが、記録的な大雪だそうです。そこで東名で大渋滞が発生しました。

<以下引用>

東名大渋滞、きっかけは「下り坂が怖くて運転できない」

2014-2-15東名大渋滞


15日未明から発生した降雪による東名高速の渋滞が、同日午後になりようやく解消された。渋滞がなかなか解消されなかった理由は何か。最長70kmを超える大渋滞はなぜ起きたのか。

中日本高速などの発表によると、14日から降り始めた雪は、御殿場ICで22cm、横浜町田ICで16cmを記録。その積雪量が交通に影響を与えたことはまちがいないが、そのほかにも降雪に驚いた運転者の挙動が、渋滞の発生の要因となっていた。

今回の渋滞の中心は、東名高速上り線、静岡県の御殿場IC付近だった。発生は15日午前1時から2時にかけて。60から70kmポストにある都夫良野トンネルから大井松田ICにかけて、その長い下り勾配に連続カーブが続く区間で起きた。

「下り坂に危険を感じた大型車両が、交通の流れを止めてしまった」と、関係者は語る。

その後、車両の排除などで第一次の渋滞は解消されていったが、その間に後続の車両が後ろで第二次の渋滞を作り、交通の流れを止めてしまう。そこに積雪による通行止めなどの規制が重なったのだ。

さらに明け方には第三次の渋滞原因が発生した。サービスエリアやパーキングエリアに待避していた車両が、一斉に本線上に出てきて交通量が増えた。それなのに交通が止まってしまった本線上で夜を明かした運転者は、なかなか動き出さなかった。何時間も止まったために、簡単には目覚めなかったのだ。これには警察の誘導が必要だった。

天候が回復した明け方からは通行止めや速度規制など天候を要因とする規制はほとんど残っていなかった。「除雪に手間取ったというわけではない」(中日本高速広報担当)とも話す。それでも渋滞の渦中にあった車両が、なかなか動くことができなかった。そこには実はこうした原因がいくつも折り重なって、その時間を長引かせていたのだった。

http://response.jp/article/2011/02/15/151898.html

<引用終り>

東名高速道路が東京と名古屋・大阪を結ぶ大動脈なのだが残念ながらこの一本しかない。
この事は戦前から日本の交通の最大の不安項目と言われてきた歴史が有る。
幸い道路行政でもその事は良く分かっていて新東名を御殿場以西には開通済み。
しかしそこから東京方面には2020年にならないと開通しないようだ。

国土強靭化などと言うがこんな時でも物流を確保するためには重要な幹線は複数のルートにすべきで、そんな事をもっとやって欲しいものだ。
今回の大雪など、天の神様が平和ボケ日本人に早く目を覚ませと言っている証拠ではないかと思う。
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2010-08-16 22:31

盆休みの高速道路が渋滞しないのは何故か?

盆休みで川崎にいる長男が帰ってきた。

この息子、運転免許をとっても今までクルマには余り興味を示さない。

永年クルマ産業に携わってきた、そして元中年暴走族の父親としては一抹の寂しさを感じていた。

 

 

所が何を思ったのか急に二輪車免許を取ると言い出して自動車学校に通い始め、とうとう大型二輪車免許を取ってきた。

そして家に帰ってくるのに買ったばかりの大型バイクに乗ってやってきた。

大型バイク・・・ 1000CCのバイクである。本人は300キロ出ると言って自慢そうだが親にしてみれば心配の種、困った物である。

 

 

所でその息子、15日(日)に川崎に戻っていった。

私の家は愛知県なので、伊勢湾岸道から豊田ジャンクション経由で東名に入り川崎へのルート。

 

私が今日は渋滞するぞ、早く出発しろ! と口うるさく言ったせいも有り、朝7時過ぎには出発していった。

8時過ぎに長女のところにメールで、「今浜名湖サービスエリア、渋滞なんか無かったよ」 こんな事を言ってきた。

そして2時頃には「もう川崎に着いたよ、渋滞は無かったよ」 だそうだ。

(勿論親には電話などしてこない、自分の姉の所だけに連絡してくる)

 

 

私が驚いたのは例年盆休みの終り、明日から仕事と言う日の東名はじめ高速道路の上り線・東京方面行きの大渋滞振りをいやというほど知っているためだ。

30キロ・40キロの渋滞は当たり前、朝5時頃から渋滞が始まる事も珍しくない。

 

 

これはNEXCO中日本の盆休みの渋滞予測

15日は大渋滞の予測

 

 

中でも酷い渋滞の発生が予測されるところ

この様に神奈川県内でも大渋滞が発生する見通しだったのだが・・・

フタを開けてみたら・・・

 

渋滞の筈がスイスイ

調べてみると東名だけでは無い、あちこちの高速道路でこの異変が起こっているようだ。

 

 

そしてこの話、何か今年は異変が起こったと言った報道が始まったようだが、どうも根が深そうだ。

 

 

リーマンショックで世界経済がガタガタになり、麻生内閣時代に高速土日千円とかエコカー減税とか色んな手を打ってきた。

そのおかげでガタガタになりそうだった日本の景気が下支えされ、その効果が民主党政権になった今まで続いてきた。

しかし高速千円の代わりに高速無料化を打ち出した民主政権は実は高速値上げ。

9月末でエコカー減税も終り、カーメーカーでは大幅減産が始まろうとしている。

 

いよいよ深刻な景気後退、民主党不況の始まりなのではないか。

 

 

 

内閣府がこんな発表をしている。

 

 

 <以下引用>

 

伸びが大幅に鈍化 4~6月実質GDPは年0・4%増

2010/08/16 08:59更新

 

 

  内閣府が16日発表した4~6月期の国内総生産GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質が前期比0・1%増、年率換算で0・4%増となった。プラス成長は3四半期連続。輸出は堅調に推移したものの、個人消費の減速が響き、成長率は大幅に鈍化した。内閣府の津村啓介政務官は16日の記者会見で、「景気は既に踊り場入りしているといえるかもしれない」と述べた

・・・以下略・・・

 

だがこの話、政務官が此処まで危機意識が有るのに菅空癇以下閣僚連中には危機意識は無い。

全くの経済無策である。

 

 

高速道路が予測に反して渋滞しない、これは一般消費者、国民が将来に対する不安から行動を手控えているように見えるのだが・・・

これでは経済の回復など夢のまた夢。

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2009-11-04 11:48

今頃言い出した高速道路無料化の問題点

読売新聞の11月4日の社説が高速道路無料化について書いている。

だがマスゴミ連中に騙され続けた国民を馬鹿にした論調ではないだろうか。

 

 

<以下引用>

高速道路無料化 地方の足が奪われかねない(11月4日付・読売社説)

 高速道路を原則無料化する鳩山内閣の方針に、鉄道、海運、バス業界などが、「利用者が奪われる」と反発している。

 自公政権が始めた高速料金の割引でさえ影響は大きく、無料になればさらに客離れが進み、地方交通網が維持できなくなる、という主張だ。

 地方公共交通が衰退すれば、車を利用できない「交通弱者」は暮らしの足を失う。政府は「他の交通機関への影響には十分配慮する」としているが、その具体策は示されていない。

 ・・・中略・・・

 

 欧米では、高速道路を有料にしたり、高速鉄道の整備を進めたりして車の利用を減らし、二酸化炭素(CO2)の排出を抑える政策を取りつつある。

 無料だったドイツのアウトバーンも、大型車の一部は有料になった。米国には、日本の新幹線をモデルにした高速鉄道計画もある。高速無料化はこうした世界の流れに逆行する政策であることを、政府は認識すべきである。

   2009年11月4日00時53分

 <引用終り>

 

詳細は以下を参照ください

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091103-OYT1T01074.htm

 

 

この論調では今はじめて出てきた議論で、そんなことを言ってもこんな問題が有りますよ、こんな調子で書かれている。

だがその前にこんな事は今分かったことか?

君たちマスゴミ諸君が「それ高速道路も無料化されるぞ、めでたし、めでたし」と提灯記事を書きまくったことを忘れたのか。

 

私は「高速道路無料化の愚」としてその問題点をエントリーした。

素人でも分かることなのにマスゴミ諸氏は今分かったことのように言っている。

マスゴミお得意のアンケート調査でも、国民は圧倒的に疑問視していたではないか。

 

 

社説の最後はこう締めくくっている

高速無料化はこうした世界の流れに逆行する政策であることを、政府は認識すべきである。」

 

これはこう書くべきではないのか

高速無料化はこうした世界の流れに逆行する政策であることを、政府は認識すべきであるそしてこの様な重大な問題を指摘もせず包み隠した我々マスゴミは、頭を丸め土下座して読者にお詫びするものである。」

 

 

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2009-08-17 18:27

高速道路無料化の愚 <番外編>

大阪と名古屋を結ぶ高速道路に名阪自動車道と言うのがある。大阪(松原)天理間は西名阪自動車道、亀山名古屋間は東名阪自動車道と言う名称でいずれも高速道路だ、しかし天理亀山間は名阪国道という名称で自動車専用道路だが無料、そして一般国道扱いの為制限速度は60キロとなっている。

この名阪国道、日本で最初の本格的高速道路である名神高速道路が全通した1965年の暮、暫定2車線で開通した歴史の古い道路。

 

今回この道路を取り上げたのは無料の自動車専用道路(高速道路)がどんなものになるか、その極めてよい事例ではないかと思うためだ。

 

最初に奈良県警のホームページから

 

名阪国道は日本一安全運転が必要な道路です!

 
 全国の主要道路等との比較
路  線  名死亡事故件数共用距離1kmあたりの発生件数
名阪国道(福住IC~天理東IC)59.90.505
名阪国道(奈良県内のみ)731.60.222
名阪国道(全線)973.30.123
名神高速道路18192.30.094
近畿道(西名阪道路)455.60.072
東 関 東 道8113.50.070
東名高速道路23346.70.066
阪神高速道路14233.90.060
首都高速道路16281.00.057

 
名阪国道(奈良県三重県)は、全国の高速道路・自動車専用道路中、1kmあたりの死亡事故発生件数が日本一

 

詳細はこちらを参照ください

 

東名などに比べ事故率は約倍だ。 

これは三重県警でも事情は同じ、 だから両県警にとっては事故防止の為取締りの最重点路線だ、この名阪国道73キロの間に自動速度取締装置(オービス)が上下線併せて6箇所(!)、しょっちゅうネズミ捕りをしている、覆面パトがいつも走っている・・・

 

だからここを走るドライバーにとっては「大型車がゴーゴー走る、大事故が多い、取締りはキツイ」で怖い道路の筆頭としてよく知られている。

最近新名神が開通したので大分通行量が減り、多少よくなったと言われているがそれでも怖い道路の筆頭に変わりない。

 

では何故こんなことになってしまったのか?

詳しくはここを参照ください

つまり高速道路黎明期に高速道路になり損ねた道、それがこの国道なのだ。

四十数年前、当初一般道路として計画した国道25号線のバイパスを名古屋大阪間の高速道路に計画変更、然しその経緯上無料の準高速道路としてしまった、このため高速道路としては規格を満足できなくなった。

結局「無料だから一般道路だ、だから制限速度は60キロ、それなら高速道路の規格など関係ない!」こういう理屈で建設されてしまった。

 

現地は急峻な山間部である、そこにこんな理屈で建設された道路がどんなものができたかと言うと

1) 急勾配・急カーブが連続している。

  特にΩカーブなどは最小半径150M、奈良県警のデータでもきわめて危険なところ。

  又アップダウンと急カーブできわめて見通しが悪い。

 

2) インターチェンジやサービスエリアからの流入路の用地が確保されていないので加速車線が足りない。

  場所によっては加速車線が殆ど無い。

 

3) 前後が西名阪・東名阪と高速道路なのでこの道路が高速道路で無いといくら県警が叫んでもドライバーは高速で走る。

 

4) インターからの流入車などの低速車と通過する高速車の速度差が大きい、また最低制限速度も無い。

  

5) 大阪名古屋間の最短ルートであり、大型トラックの利用が多く、実質産業道路である。

 

こんな道路になった結果が自動車専用道路事故率ダントツ日本一になってしまった。

奈良県警・三重県警はじめ関係者は何とか汚名返上を目指し道路改良を進めている、然し残念ながら生れの悪いものは小手先の改良では抜本的な改善には繋がらない。

そして完成以来40数年の間に多くの事故が発生し、多数の尊い命が失われたことは間違いない。

 

個々の事故は「制限速度を超えた無理な運転」とか「降雨時の下り坂で急ブレーキ」とかドライバーに責任があるとして処理されている。だが根本的に道路構造が悪いことは殆ど無視されている

 

お役人の感覚で安易に建設した高速道路、四十数年後の今日でもこの様な弊害を残している。

大阪名古屋間などは第二東名並みの高速道路が(最近新名神が出来たが・・)更に必要なのだ。

 

高速道路の無料化などと現実を見ない政策が実行されたら、我々は数十年後の世代にまでその失敗のつけを回すことになる。

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2009-08-15 11:31

高速道路無料化の愚 <続々>

大型コンテナトレーラーと言うのをご存知だろうか。

最近国際的な貨物輸送はコンテナ化が進み、長さ20フィート(6.1メーター)、40フィート(12.2メーター)のコンテナを使うことが当たり前になってきた。

特にその中でも40フィートコンテナが主流になっている。

そのコンテナを運搬するのがこのコンテナトレーラーだ。

 

これが40フィートコンテナーとそれを牽引するトレーラー

 

 

 

これは東京あたりの人なら「環七をよく走っているデッカイやつね、知ってるよ」と言うか、それとも「首都高速を毎日走っているが見たことは無いよ」、どちらかではないか。

実はこの大型トレーラー道路交通法の限度の大きさ(長さ12M、重量20トン)を大きく超え、重量などはコンテナだけで約30トンも有る、従って道路管理者の許可を得て運送している。

 

許可を得て運送している為当然走るルートは限定される。特に首都高速などは湾岸線など一部の路線以外は通行できない。

これは首都高速を建設した時点でこの様な大型で重量のある車両を想定していなかった為道路が耐えられないのだ。

従って東京港辺りで陸揚げされたこのコンテナを北関東方面などに運ぶには主に環七などが利用される。

 

一言で言えば日本の高速道路は現代の物流の基本である大型コンテナなどに対応できていない、時代遅れなのだ。

その時代遅れの証拠がこんなデータ。

 

 

コンテナ取扱量を見るとアジア諸国の主要港の中では、27年前は日本が断然トップ、

然し2007年のデータではシンガポール、上海、香港に抜かれ、日本の主要5港合計が釜山・高雄に迫られている・・・ これが現状なのだ。

無論この最大の原因は日本の港の問題だが、それを取り巻く交通インフラも大きな障害となっている。こんな現実、どうしてマスコミ連中は報道しないのだろうか?

 

前々回エントリーで発展途上国でも高速道路などのインフラが整備されている実態の片鱗を紹介した。

タイなど発展途上国でも高速道路などのインフラ整備は最重点なのだ。

 

世界の趨勢は高速道路は無料、或いは安い料金で通行できる、そのことは重々承知の上で、然し日本ではその国土条件などから有料でも止むを得ないから、一刻も早く世界と競合できる様な道路網の再整備が急務、そう考えている。

 

次回は無料でお手軽に作った高速道路がどんな結果をもたらしたか紹介する。

 

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2009-08-13 22:54

高速道路無料化の愚 <続>

前回のエントリーで日本と言う国土が欧米とは全く異なる、道路には不向きな土地だと言うことを書いた。

しかし無料化を叫ぶ連中はどうも日本の道路がもうこれで十分だと考えているらしい。

これ以上道路は要らない、だから今ある道路を無料化し、使い続ければいいと思っているようだ。

 

 

日本の道路は世界の中で十分なレベルなのか?

東名高速がお粗末なのは誰でもうすうす感じていると思う、それがどんなものか、はからずも明るみに出てきた。

8月11日午前5時7分発生した静岡沖地震、牧の原サービスエリア近くの東名高速が損傷を受けたが復旧に手間取り、13日現在まだ上り線が不通のままだ。

東名が通れないと東京名古屋間は中央道ひとつしかない、幸い盆休み中で企業の生産活動には大きな影響は無さそうだ、だが考えて欲しい、

あの程度の被害で日本の大動脈が麻痺する、あまりにも脆弱なシステムではないか。

 

これは実は昨日や今日分かったことではない、戦前の日本軍は国防上の大問題としてこれをとらえていた。

もしこの一番弱いところを攻撃されたら日本壊滅。

だから鉄道や道路は必ずバイパスを作ろうとしていたと聞いたことがある。

 

例えば東京~名古屋~大阪間でもこんなところは何箇所も有る。一番分かりやすい所の一つが今回の事故現場に近い由比蒲原地区(静岡市と富士市の中間)、新幹線で名古屋から東京に向かうとき富士山の見える場所と言った方が分かりやすいか。

 

ここは特に由比地区は海と山の間わずか幅数百メーターの所を新幹線・JR東海道線・国道一号線・東名高速道路が走っている。特に東名などは陸地にはもはや土地が無いので海上に橋を架けてそこを通している。

 

さった峠から由比方面を望む

左からJR東海道線・国道一号線・東名高速道路

新幹線は左の山の中をトンネルで通っている、間もなく外に出る。

 

 

普段は景色の良い所で、ここを通るとき富士山が見えると何だかとても得をしたように思うのは誰でも同じ。だがそこは災害など非常時にはとても弱い所だということを今回の静岡沖地震が警告している。

 

日本の高速道路はこのように災害などに弱く、又慢性的な渋滞が有る。つまり本当はとても不足していて抜本的な整備が必要なのだ。無料化などといって浮かれているヒマは無い。

 

次回もう少し日本の高速道路が本当は不足していることを紹介しよう   <続>

 

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2009-08-11 17:21

高速道路無料化の愚

高速道路を無料化せよと叫ぶ人たちがいる。まさにばら撒き政策の典型だがこんなことで良いのだろうか?

無料化の根拠は欧米諸国が殆ど無料だと言うこと、それと東名や名神は元々償還が終われば無料化するということで建設した筈ではないかということ。

そして現在の高速道路の借金・・・旧道路公団が残した40兆円近い借金・・・は国債で肩代わりし60年(!)かけて返済する等ととんでもないことを言っている。

 

我々が使ってしまったものを孫か曾孫の世代に先送りする・・

こんな事をしたら我々の孫や曾孫は「ご先祖様はとんでもないことをしてくれた、おかげで私らは食うや食わずだ」と恨むだろう、我々の位牌は神社の松の木に五寸釘で打ちつけられ、我々の霊は盆になっても帰るところも無く地獄をさまよう事になる。

 

 

さて欧米諸国で出来て日本では出来なかった高速道路の無料化、その原因を考えて見たい。

 

なんと言っても第一番の理由、それは日本と言う国土である。

少々古いがこんなデータを見て欲しい。

 

○ 世界各国における可住地面積の比較
 人    口
(1994年)
国土面積
(万ha)
可住地面積
(万ha)
可住地/国土面積
(%)
可住地1万 ha当たり人口
(千人)
日本1億2,491万3,77880921.4150
アメリカ2億6,085万91,66046,17050.45
イギリス5,809万2,4482,19089.526
フランス5,775万5,4703,38962.016
注1:日本の国土面積等は昭和62年「国土利用白書」、外国は外務省調べで1979年~1985年の数値を使用
注2:「可住地」は、日本は農用地、道路、宅地を合計した数値、外国は国土面積から内水面、森林、荒れ地等を除いた数値を使用





 






 

 

 

 

 

MiaikoroさんのHPより借用)

 

日本の場合、昔学生時代に日本の平地面積は16%くらいと聞いた記憶がある。このデータで可住地としてみると21%となっているが、平地が増えたとは思えず、主に傾斜地や山なども可住地にしてしまったのだろうか。

アメリカが国土が広いのは誰でも知っている、しかし日本より人口がはるかに少ないイギリスフランスでも可住地としてみると日本よりはるかに多い。

その結果がどうなるかと言えば

 

これはアメリカのインターステート・・無料の高速道路 (Wikiより)

 

 

これはユーロスターの車窓から見たフランスの農村。ひたすら平地。 (MiaikoroさんのHpより)

こんな土地では高速道路など簡単にできる。

 

 

さて、では日本はどうか。

 

今第二東名高速道路が建設されている、その道路はと言うと

第二東名の構造物比率:橋梁:32.4%、トンネル:29.4%
 (参考:東名の現状:橋梁:14.9%、トンネル:3.0%です)
つまり東名を通すようなところにはもはや平地が残っていない!
欧米並みの道路をつくろうとしたら橋とトンネルでつなぐ以外に方法が無いのです。

 

これが日本の現状で、だから建設コストはべらぼうに高い。

では発展途上国はどうかというと

 

 

これはタイで最近開港したスワンナプーム国際空港近くの自動車道路(モーターウェイ)

タイでは高速道路も原則無料だが、バンコク周辺だけに例外的に有る有料の高速道路、従来片側2車線だったが開港にあわせ片側4車線に拡幅。制限速度120キロ。

このようにアメリカなどと同じで平原にまっすぐな道路を作っている。これでは安いのが当たり前。

これは日本人の間で言われていることだが、タイは日本の1.4倍の国土があるが自動車用のトンネルはどうもひとつも無いらしい(否ひとつだけあるという人も・・)

道路をつくるのはこの国ではいとも簡単なのだ。

 

 

 

このように日本と言う国土に住むと言うことはこんなハンディキャップを背負わねばならないもの。そして我々の世代でつくり利用しているものは我々が責任を持つのが当たり前ではないか。

 

高速道路の無料化の第一の愚は自分たちの住んでいる国がどんな所か?それを無視した考え方だと言うことだ。

 

第二・第三の愚は次回に。

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