FC2ブログ

カテゴリ:経済 の記事一覧

| | 古い記事一覧へ≫

2019-08-29 21:23

F2後継戦闘機、やっとスタート


 もう旧聞に属するのだが、今月21日の読売新聞報道で、日本の国産戦闘機F2の後継機が日本主導の国産開発となる。こんな事が報じれられた。

2019-8-30読売新聞8月21日朝刊一面
(クリックで拡大します)

良い事だと思う。
理由は第一は抑止力、何せ隣には日本を虎視眈々と狙う国が有るのだから。
もう一つが技術の進歩向上、日本の得意分野だから、ぜひとも開発競争には参加していきたい。

参考までに、抑止力については以下参照ください
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-907.html


何はともあれ、その報道から。

<以下引用>
F2後継戦闘機、「事項要求」で開発費計上へ
2019/08/21 07:01

 政府は、航空自衛隊のF2戦闘機の後継機開発費を2020年度予算案に計上する方向で最終調整に入った。日本主導の開発を目指し、開発費は現時点で総額1兆5000億円以上と見積もられている。F2の退役が始まる30年代半ばの導入を目指す。

90機、30年代に導入
 複数の政府関係者が明らかにした。

 政府内では、海洋進出を強める中国への抑止力を念頭に、後継機は国産初のステルス戦闘機とし、高い空戦能力の実現を目指す案が有力だ。長距離巡航ミサイルを搭載し、高水準の対艦能力を併せて備えさせる案もある。F2と同様の約90機の配備を想定している。

 開発費は概算要求では金額を示さない「事項要求」とする見通しで、年末の予算編成までに機体の概念をまとめ、金額を算定する。

 政府は、コスト高となることや、米軍と情報共有できるシステムが必要なことなどから純国産は難しいとみて、外国の技術も導入する方向だ。

 昨年12月決定の中期防衛力整備計画(中期防)ではF2後継機について、「国際協力を視野に、我が国主導の開発に早期に着手する」と明記していた。ただ、共同開発となる場合でも将来、日本が自由に改修できるよう、機体やシステムの主要部分はあくまでも国産とすることを目指す。

 共同開発を巡っては、米空軍のF22戦闘機を基にF35の電子機器を搭載する米ロッキード・マーチン社の案などが出ていた。ただ、1機200億円を超え、システムの設計図も「完全に開示される保証はない」(防衛省幹部)ことなどから、日本政府内では否定論が多くなった。一方、英政府は、次世代戦闘機「テンペスト」の開発を目指している。F2後継機と開発時期が重なるため、日英国防当局間で共同開発の可能性について意見交換している。

 後継機配備が始まる30年代半ば以降の空自戦闘機の体制について、政府は、対空・対艦・対地攻撃など多様な任務を遂行できる最新鋭ステルス戦闘機「F35」(ロッキード・マーチン社)147機、空対空能力が高いF15(米ボーイング社)の近代化機約100機と後継機という陣容にする構想だ。

 [解説]日本が開発主導 防衛産業を維持
 航空自衛隊のF2戦闘機後継機について、政府が日本主導の開発を目指すのは、国内の防衛産業基盤を維持・強化する狙いがある。

 日本の戦闘機開発は、古くは旧日本海軍の零式艦上戦闘機(零戦)が当時世界最高水準と言われたが、戦後に一時途絶え、米国製への依存を強めた。それでも、日本政府と航空機産業は、1977年に自衛隊初の国産支援戦闘機「F1」を導入するなど、日米共同開発も含めて技術やノウハウを蓄積してきた。

 F2開発に関わった日本の技術者も高齢化が進み、「若手への技術伝承は待ったなし」(自民党国防族議員)だ。開発技術を維持し、後世に伝えることは、日本の将来の安全保障にとっても大きな意義がある。 (政治部 谷川広二郎)

<引用終り>


この件については、今年初めに産経がこんな報道をしている。

見えてきた次期国産戦闘機F-3「ここまで”出来て”いる」 2019-1-8
https://www.sankei.com/premium/news/190108/prm1901080005-n1.html

そして、日本のことなのに、シナちゃんの方が詳しい記事がある。これはレコチャの記事。
日本の「世界レベル」ジェットエンジンに中国メディア「完成度の高さに驚き」
Record china 配信日時:2019年3月26日(火) 0時10分
https://www.recordchina.co.jp/b697575-s0-c10-d0135.html


シナが驚いているこのジェットエンジンだが、これこそハイテクの塊。日本がこれからどんどん伸ばしていきたい分野だ。しかし日本は敗戦後からアメリカの「日本を二度と立ち上がれないようにする」政策の標的だった。その分野が飛行機は作らせない、大型軍艦は作らせない、ましてや空母など以ての外。それが最近やっと解除されて来たのだが、何せこんな分野で何十年もの空白は痛い。その中でもジェットエンジンは日本が大きく遅れた分野だった。
しかしやっと世界に通用するエンジンを作る所までできるようになった。

実は航空機用ジェットエンジンについては確かに日本はジェットエンジンはごく僅かしか作っていない。哨戒機P-1用のF-7エンジンだけだ。がしかし、世界の旅客機用エンジンで日本製部品を使っていないエンジンは無いと言われるように、部品や材料では十分世界で活躍している技術がある。

この件については1年前の記事だが、以下記事が分かりやすい。
ついに日の目見た世界最高水準の国産ジェットエンジン  2018年7月13日 6時12分 JBpress
https://news.livedoor.com/article/detail/15004908/

このエンジンは私はもう随分前から注目しているのだが、どうも出来がいいらしい。
そんな事で今回の報道になったようだ。

所でそのレコチャの報道で気になることがある。
同エンジンについて第5世代単結晶などの新素材を用い、タービン前温度が1800度に達するとしたほか、テストではブーストなしで110kN、ブーストして150kNの目標値を実現しており、2020年1月までに高空性能試験を含めた測定、試験を完了予定であるとした。また、今後の開発目標はブーストなしで130kN、ありで200kNというF-135エンジンに相当する値であることを紹介している。

この「ブーストなし(アフターバーナー無し)で130kN(約13トン)、あり(アフタバーナーあり)で200kN(約20トン)、これは現在配備が進められている戦闘機F35用のエンジン(F135・・紛らわしい・・)並みの出力なんだが、F35は単発エンジンの為大きなエンジンを積んでいる。そのエンジンと同等のエンジンを双発で搭載する。将来の戦闘機の一つの姿と思う。

尚私の知る限りでは、現在は戦闘機は将来像が良く見えない中で、試行錯誤中と聞く。
無人機になるのか、ステルス万能と言われながらステルス機でも見える量子レーダーが開発されるとか、高出力レーザーによるミサイル迎撃システムを搭載するとか、、良く分かりません。

そんな時にはいろんなケースに柔軟に対応できる冗長性を持った機体が必要で、そんな事を考えながらの開発なのでしょう。

将来が楽しみです。
最後に軍事技術が将来民間に転用されるのも当然で、そんな意味でも期待が持てます。
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(6)

2019-08-09 18:01

平成の30年を振り返る<銀行は問題を抱えたまま


 一週間ほどご無沙汰してしまいました。夏バテでは無いのですが、諸事多忙にかまけて無精してしまいました。とは言うものの毎日暑いですね。この暑い中で数日前にパソコンがWindows10のバージョンアップらしく夕方から朝までソフトの更新。終わったらWindows10がまるっきり変わってしまったらしく、設定が殆ど消えてしまって復元に一苦労。無線LANまでおかしくなり、仕方なく有線で使ていましたが、今朝やっと無線LANも復旧しました。何かマイクロソフトの方針とかで、Windows10は本当はバージョンが現在は13位になるものをWindows10で押し通しているようです。
だから初期のWindows10と現在の物は全く別物らしい・・・。
暑い夏に頭の痛くなる話はここまで。


今日の話題です。

8月1日のエントリーでコメント欄でNINJA300さんからこんな話をいただきました。

> 企業の内部留保はおおまかに450兆円、個人金融資産は1000兆円とすると、合計で約1500兆円ですから、GDPの3倍近くの金額です。
> それが、銀行セクターのBSの載っています。
> ところが、銀行はこの資金の投資先を探せない融資する能力はないし資金運用能力もないから、シナ絡みの債券を大量に購入する。したがって、仮にシナ通貨が暴落し、シナでスーパーインフレが起こり、金利が上昇すれば、多くの部分は不良債権と化する
> 要は、黒田バズーカの資金はシナに流れていた構図になる。


このNINJA300さんがコメントで言いたい事。それは日本の一番弱い部分の一つが銀行であること。そして銀行はこの資金の投資先を探せない。融資する能力はない、資金運用能力もないから、シナ絡みの債券を大量に購入している。
折角黒田バズーカで資金を供給し、国内産業の振興しようとしても資金はシナに流れている。
仮にシナ通貨が暴落し、スーパーインフレが起こり、金利が上昇すれば、多くは不良債権となる。

私は以前から、「銀行とは国際枕に昼寝していれば儲かる商売」、こんな事を言ってきた。しかし銀行が昼寝をしていたら困るのは企業。それから若い人が起業しようとするときカネを出すはずの銀行が昼寝中。これでは困る。当たり前ですね。

「平成の30年を振り返る」シリーズのエントリーで、平成の30年とは海外で成長した30年だったことを書いた。そんな見方で銀行を見ると、日本の成長阻害要因の大きなものが銀行だと気が付く。

丁度いいタイミングでWSJから日本の銀行に関する記事が2本掲載された。大変いい話なので全文紹介し、私の考えを書いてみたい。

所でその前に、NINJA300さんが言う邦銀がシナに融資している件、今年5月、日経にこんな報道があった。

<以下日経より引用>
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45417300Z20C19A5MM8000/
三菱UFJ銀、中国で証券投資枠 世界の銀行で最大 
2019/5/29 18:00
三菱UFJ銀行は人民元建てで中国の債券や株式に投資する「人民元適格海外機関投資家(RQFII)」の投資枠を取得した。投資できる金額は60億元(約960億円)で、世界の銀行で最大となった。中国企業の資金調達に直接関与して関係強化を図り、同国で存在感を高める狙いがある。

銀行に与えるRQFIIの認可枠としては、中国工商銀行の欧州法人の40億元がこれまでの最高だった。海外の金融機関による中国債券の売買では香港経由の「債券通(ボンドコネクト)」と呼ぶ手法が主流だが、銀行間の債券市場にしか扱えない。

RQFIIを使えば上場の国債や社債などに加えて株式や私募債にも投資できるようになる。邦銀では三井住友銀行が18年末に30億元の投資認可を得ている。

三菱UFJ銀は地方銀行など、日本の金融機関向けに中国債券の売買を仲介することも検討する。日本からの中国債券の投資額は2018年に1兆1740億円と、3年で2倍に膨らんだ。中国企業の旺盛な資金調達に焦点を当てる金融機関の需要に応える。中国企業への投資には元建て債券が不可欠でRQFIIを使った取引が増えるとみている。現地通貨を使うことで為替差損のリスクも軽減できる。

人民元の国際銀行間決済システム(CIPS)は拡大しており、18年の取引額は前年比8割増の26兆元に上った。三菱UFJ銀は元の預金の増加を見込む。18年に元建ての債券(パンダ債)の発行認可も得ており、手元の元の運用先を広げる必要も出てきている。

日中関係の改善により、日本の金融機関からの投資を呼び込みたい中国政府の意向も今回の認可には反映されている。
<引用終り>

今、米中経済戦争が激しさを増しているこの時期にこんな事をする。三菱UFJは何を考えているのやら。欧米のハイエナ投機家連中が、「日本が出てきたら相場は終わりだ」という訳です。



本題です。WSJが日本の銀行について2本の記事を書いています。一つは「日本上げ」、次は「日本下げ」。先ずはそれを見てください。


<一本目の記事引用>
https://jp.wsj.com/articles/SB10380349954480613357004585464052851238896?mod=WSJ_article_EditorsPicks_4

HEARD ON THE STREET
日本の「一帯一路」、中国の陰でアクセル全開

2019-8-9WSJ1
BISのデータによると、対外融資で円建てが突出した伸びを示した 
(引用者注:対外融資が伸びている事を言うための写真です。新宿副都心と富士山、いい写真です)
By Mike Bird
2019 年 8 月 3 日 01:55 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 東方のある経済大国が、アジア新興国への金融支援で存在感を増している。いや、あの国ではない。

 国際決済銀行(BIS)が今週公表したデータによると、対外融資で「ある通貨」が突出した伸びを示した。日本円だ。2019年1-3月期(第1四半期)に日本国外の円建て借り入れ額は前年同期比12.5%増加し、伸びはドルやユーロを上回った。これにより、総残高は8年半ぶりに50兆円の大台を突破した。

 とりわけ借り入れの伸びが顕著なのが、日本の近隣諸国だ。アジア・太平洋諸国への融資は3月までの1年間に32.8%急増し 、6兆5800億円に達した。これは断トツで過去最高の水準だ。融資の大半は民間向けだが、その多くが政府系の国際協力銀行(JBIC)による支援を受けている。 

2019-8-9WSJ2.jpg

 もちろん、円建て融資の総額は、圧倒的な存在感を示すドルに比べるとまだわずかにとどまる。国境を越えるドル建て融資は20倍以上の規模だ。

 だが、アジアでは増加のペースが重要になってくる。アジア向けの対外融資については、日本か中国が主な貸し手だ。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」はより多くの注目を集めているものの、途上国に対する日本の融資は中国よりも広範囲にわたり、しかも一段と速いペースで伸びている。

 BISのデータは、中国人民元のように、国際的に広く使われていない通貨については内訳を示していない。国際銀行間通信協会(SWIFT)によると、国際決済システムで人民元が使われる割合は2%にも満たない。だがBISの国別データによると、中国の銀行による海外融資は1-3月期に457億5000万ドル(約4兆9000億円)増加した。それに対し、日本の融資は2225億1000万ドル増えている。

 日本が自国通貨建てで対外融資を行えること中国がなかなか模倣できないでいる点だ)が、おそらく最も重要な要因だろう。これにより、日本の借り手は大規模なインフラ案件で、日本企業を請負先に選ぶ可能性が高くなる。中国の銀行が供給できるドルには限界があるが、日本の銀行が供給できる円が同じように制限されるわけではない。

 借り手が円を受け取ることに満足している限り、そして融資が金銭的に実行可能な限り、アジア諸国向けの日本の融資に限界はない

<引用終り>



もう一つの記事、これは日本下げです。

<以下引用>
https://jp.wsj.com/articles/SB12614261370008383898704585472762960357910

日本の銀行、もう逃げられない構造改革圧力
この30年間の金利政策で銀行システムは限界に
日本の金利政策はこの30年間、ゼロ近辺からゼロ、マイナスへと推移し、銀行システムを限界に追いやった 
By Mike Bird
2019 年 8 月 7 日 12:08 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

 ***

 ほぼデフォルト(債務不履行)がない国での銀行経営と聞けば簡単そうだ。だが日本の銀行は全くそうではない。

 日本の金利政策はこの30年間、ゼロ近辺からゼロ、マイナスへと推移し、銀行システムを限界に追いやった。

 特に中小銀行はビジネスモデルに対する外部脅威に直面している高齢化と過疎化が進む地域を拠点にしており大手銀行が得られる手数料関連収入を増やす能力がないのだ。

 日本には銀行が多すぎる。大手銀行に集約すれば時間は稼げるだろう。だが日本が経済刺激策へのアプローチを大きく変えなければ、銀行システムは絶え間ない圧力にさらされたままだ。

2019-8-9wsj3.jpg

 日本がマイナス金利政策を導入した直後の2016年3月以降、大手銀行の純利益は20%減少した。地銀の減少はさらに激しく、3年前の水準を約30%下回っている。

 過去1年は、実質的に全ての地銀の株が下落した。その半分超は、下落率が30%を超えている。地銀株は数十年の間、日本株全体をアンダーパフォームしている。

 日銀が公定歩合を0.5%に引き下げる直前の1995年初め、金利1%未満の商業銀行融資は存在しないも同然だった。融資残高の90%超は金利が3%以上だった。現在、日本の融資の90%は金利が2%未満だ。最も急速に伸びているのは金利がわずか0.25~0.5%の融資で、この1年に約10%増加した。

 しかし、預金者に提供される金利はさらに急速にゼロに近づいた。結果的に銀行はしばらく収益を維持できたが、新規融資と新規預金の金利差は、1990年代に主流だった1.5ポイントからわずか0.5ポイントに縮小している。いくらデフォルト率が低いとはいえ、これでは経営が成り立たない。

2019-8-9wsj4.jpg

 大手銀の一部は対策を見いだしたが、それには深刻なリスクがあるようだ。専門知識と能力のある銀行は海外に進出して資産を買収し、日本ほど金利が低くない通貨での融資を手掛けている。

 農林中央金庫は米欧のローン担保証券(CLO)市場の巨人だ。一方、三菱UFJフィナンシャル・グループは2019年3月末時点の外貨建て資産が111兆1580億円だったと発表した。同資産の増加ペースは過去10年で100%超と、国内資産の3倍だった。

 中小銀行の海外進出はもっと難しく、可能な場合であっても賢明とは言えない。国際決済銀行(BIS)の調査によると、国内事業や国内での資金調達が弱い銀行は、外国で操業した際に衝撃への耐性が低いからだ。

 日本の銀行の不安定な立場は、マイナス金利の失敗ではなく、それが完ぺきに機能していることを示す。中銀当局者は金融政策の転換について、市中銀行が利下げを反映しないなどとこぼすことが多いが、日本の銀行は反映してきたからだ。

2019-8-9wsj5.jpg

 現在の危険な行き詰まりを打破するには再編が必要だ。日本では多すぎる銀行と規則が合併を阻んできた。野村総合研究所によると、過去20年に合併で誕生した地銀11行のうち10行は営業費用を削減し、9行は規模縮小で効率を高めた。

 日本の金融政策を批判する際に、利上げも追い風になると想像するのは間違いだろう。利下げと同様、利上げの影響が行き渡るには数年かかるとみられ、その間にデフォルトが増え、経済成長が停滞すると予想されるからだ。

 現行路線では、日本の銀行の将来は真っ暗に思える。収益力の低下でスルガ銀行のような不正が増えるだろう。同行はかつて地銀の星とうたわれたが、不動産融資に関連した書類偽造で評判を落とした。景気が悪化し、不良債権が増加すれば、最も弱い銀行で資金が逼迫(ひっぱく)するとみられる。近年に不動産市場での融資を拡大してきた銀行は特にそうだ。90年代、銀行システムの破綻で日本は失われた10年に突入した。現在、それが繰り返されるリスクがある。

<引用終り>

この記事の最初のグラフ、融資の金利別内訳、これは衝撃的です。
こんな低金利でしか貸し出せない、これでは抜本的改革をしないと生き残れません。銀行には大変な苦難の時代ですが、頑張ってほしいものです。


最後にもう一つこんなグラフを。
これは日本の国債をどこが保有しているかの推移グラフ。

2019-8-9日本国国債保有者推移
ソース:http://www.garbagenews.net/archives/2126503.html
(元のグラフは四半期(3か月)単位だったが、1年単位にまとめた)

このグラフの一番左、青色の部分が日銀です。国債を市中に流さず日銀が保有しているものが
、この5年で18.7%⇒46.3%と激増しています。

このグラフの言わんとするところ、日銀は市中から国債を吸い上げ、銀行に市中にカネを流せと言っているのです。
国際枕に昼寝など許さん、これが日銀のメッセージという訳。

国債の件はこんなエントリで色い®書きました。参考までに。
① 「銀行では国債が不足している・・・、はてな?」  2017-04-17 

⓶ 「銀行が本来の仕事を始めたらしい」 2018-02-03 

③ 「高利貸が低利貸になったら・・・<揺らぐ銀行ビジネスモデル」 2018-02-22 

特に③でこんな事を書きました。
この国債大増発が「銀行が国際枕に昼寝」する原因になったわけです。何しろ預金金利はタダ同然。このタダ同然のコストのカネで国債を買っていれば何もしなくても儲かるっ仕組みが出来てしまっている訳です。
この仕組みは元はと言えば97年、98年の金融危機(金融ビッグバン)で徹底的に痛めつけられた金融機関の立て直しが目的だった、しかしそんな事が続けば銀行は昼寝が仕事になってしまう訳です

そして今、日銀は国債を吸い上げることで市中にカネを流し、これで経済の活性化を図っている訳ですが、日銀の狙いはものの見事に外れたようです。
(古人曰く、当てとフンドシは前から外れる・・・)
永年昼寝が仕事の銀行に仕事をしろと言ってもできません。それが上掲日経記事にあるようにシナにカネを流す。そんな結果になったようです。

冒頭のNINJA300さんのコメントにあるように、

銀行はこの資金の投資先を探せない。融資する能力はない、資金運用能力もないから、シナ絡みの債券を大量に購入している。
折角黒田バズーカで資金を供給し、国内産業の振興しようとしても資金はシナに流れている。
仮にシナ通貨が暴落し、スーパーインフレが起こり、金利が上昇すれば、多くは不良債権となる。

今シナ通貨は日々値下がりしています。まったく目が離せませんね。

最後にWSJ記事は「日本の銀行は時代遅れのビジネスモデル」と言っている。それが具体的にどんな事なのか、その一端を見てみたい。

例えば銀行の営業時間は「午前9時から午後3時」、これは法律で決まっているけれど、法律は「事情があれば変えてもいい」ことになっている。しかし実際営業時間を延長しているという話を聞いたことが無い。
だが午後3時というのはコンピュータ導入以前のソロバンの時代のやり方。3時で店を閉め、それから事務員がみんなでソロバンをパチパチ。1円でも合わなければダメでっせ・・。夜遅くなってやっと総勘定元帳がピシッと合うと「チョーン」と拍子木を打つ。それで銀行員は一日の仕事が終わる。こんなビジネスモデルにしがみついている訳だ。
(今は総勘定元帳などリアルタイムでピシッとできている)


だが私はタイでこんな事例を見ている。タイの銀行はショッピングセンター内の支店だけだが、年中無休、閉店は夜8時、こんな営業をしている。(アメリカがこの営業方法をやっているので真似をした)

その一例。
平日の午後7時、田舎のあるショッピングセンターでの写真、2011年の事例です。

http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-404.html

ここはショッピングセンターの地下1階、この店舗の右側はミスタードーナッツ。

撮影者の背中側は食料品売り場。

どう見ても店構えは開けっ放し、平日とはいえ午後7時、こんなやり方もあるということだ。


いま銀行は来店客数の激減に苦しんでいる。四国の伊予銀行は10年間で来店客数が40%減だそうだ。

昔ながらにやり方を思い切って変えていかないと銀行が立ち行かないけれど、銀行がダメだと日本の産業がダメになる。そんな所を改革が必要だと思う。


  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(6)

2019-08-01 16:35

平成の30年を振り返る、番外編<八幡和郎の言に異論アリ


 今日は八幡和朗の「平成の日本人は中国人に負けたと認めよう」という一文を取り上げたいと思う。八幡和郎氏は保守の論客で、色んな事に独自の視点で解説を加えているので、面白い人物と思われている。
がしかし、私には八幡和朗の言っていることに大いに異論がある。

前回「平成の30年を振り返る、続編、続々編」、この話の番外編として見ていただけたら幸いです。


最初に八幡和朗の言っていることのどこが問題か、それはこの部分に凝縮されている。
平成の総決算として、1990年と2018年の数字を比較してみると、中国のGDPは33.6倍になった。インドは8.3倍、韓国は5.8倍、米国は3.4倍、ドイツが2.5倍、英国が2.4倍、フランスは2.2倍、そして、日本は1.6倍である。欧米に比べても散々な時代だったのである。
平成の日本は、中国やインドはもちろん、欧米にも韓国にも負けたのである。この大失態をへ理屈でごまかすべきではない
あえていうが、明治時代や戦後の日本人は、世界に冠たる素晴らしい成果を上げた国民だったが、平成の日本人は父祖たちが辛苦して築き上げた蓄積を食い潰しただけであった

平成の日本人は父祖たちが辛苦して築き上げた蓄積を食い潰した・・・
平成の日本人は父祖たちが・・・食い潰した・・
平成の日本人は・・・食い潰した・・・
日本人は・・・食い潰した・・・

私は昭和に生まれ育ち、昭和と平成を生きてきた。平成の日本人と言えばまさにその通り。
それが「食い潰した・・・」、何とも情けない、保守の論客の一人である八幡和郎(お前だって平成の人間だぞ!)、そいつからこのように罵詈雑言を浴びせられるとは、そんな不甲斐ないことをしてきたのだろうか。
この罵詈雑言は日本人ミンナに当てはまる。「お前は父祖の遺産を食い潰した穀潰し(ゴクツブシ)」、こんな事を言われれば誰でも腹を立てる筈だ。

とまあ、あんまり青筋を立てて怒るのも大人気ない。ここはタイ語で「チャイイェンジェン、チャイイェンジェン」、チャイは心、イェンは冷たい、ジェンも冷たい、併せて「冷静に 冷静に」(笑)
・・本題に戻ります・・

前回、平成の30年を振り返ると題して平成の苦闘の歴史を振り返ってみた。結論は海外で活路を見出すために日本人が産業構造を変え、働き方まで変えてきた時代だった。

このエントリーで、私が言いたかったのは平成の30年はデフレに沈み、GDPは伸びず、国の財政も借金まみれ。そんな中で日本は海外に生きる道を見つけてきたことを紹介した。
さてそんな目で八幡和朗の言っていることが如何間違っているかを書いてみます。


最初にその八幡和朗の駄文から

<以下引用>

平成の日本人は中国人に負けたと認めよう
2019年07月06日 11:30
八幡 和郎

 平成が始まった頃に、ジャパン・アズ・ナンバーワンと世界が褒めた日本だったが、いまや凋落の一途。国を国を(原文のまま)没落させた日本と世界史上で驚異の発展をさせた中国と比べれば平成日本の国家と国民は大馬鹿で鄧小平・江沢民・胡錦濤時代のの中国の国家と国民は素晴らしいということに異議などいえないはずだが、日本人には左も右もその自覚がないのが問題だ。

大阪でのG20(20カ国・地域)首脳会合の集合写真で、安倍晋三首相を真ん中にして、左右にトランプ米国大統領と習近平中国主席が並んだものがあった。世界の三大国のトップが勢ぞろいで、そのGDP(国内総生産)を合計すると世界の46%になる。

平成が始まったころの1990(平成2)年には、中国は世界11位で、日本が2位だった(日本の8分の1ほど)。日本が中国に抜かれたのは2010(同22)年の民主党政権の下で、差はどんどん付き、いまや3倍近い。

平成の総決算として、1990年と2018年の数字を比較してみると、中国のGDPは33.6倍になった。インドは8.3倍、韓国は5.8倍、米国は3.4倍、ドイツが2.5倍、英国が2.4倍、フランスは2.2倍、そして、日本は1.6倍である。欧米に比べても散々な時代だったのである。

平成の日本は、中国やインドはもちろん、欧米にも韓国にも負けたのである。この大失態をへ理屈でごまかすべきではない。

あえていうが、明治時代や戦後の日本人は、世界に冠たる素晴らしい成果を上げた国民だったが、平成の日本人は父祖たちが辛苦して築き上げた蓄積を食い潰しただけであった。

「人権」や「自由」という観点では、いまも中国はひどい国だが、趨勢値としては平成の30年間に中国はそういう方面でも、かなり改善したことはまちがいない。習近平の中国は、「中国の特色ある社会主義」をめざし、未来永劫に民主化などしないと言い出したから批判されているだけだ。

一方、日本は世界の民主主義に貢献しているのか?

高度成長期の日本は、民主主義のもとで経済発展が可能であることを立証して世界に良い影響を与えたが、平成の日本は民主主義が衆愚の結果、国を滅ぼすことを体現しているだけだ。「平和主義の念仏」を唱えているだけで、「世界の自由」や「平和」のために貢献などしていない。

令和の日本は心を入れ替えて頑張るべきだ。幸い、安倍首相と習近平国家主席の就任からの短期の変化としては、日本の評判は相対的に改善している。

こうしたなかで、日本が抜群の成果を上げ続けているのが、平均寿命の長さだ。WHO(世界保健機関)が2018年に発表した統計(16年時点)では、日本は1位で84.2歳だった。

主要国では、オーストラリアとフランスが82.9歳、カナダとイタリアが82.8歳、韓国が82.7歳、英国が81.4歳、ドイツが81.0歳、米国が78.5歳、メキシコが76.6歳、中国が76.4歳、 ロシアが71.9歳、インドが68.8歳である。

「老後資金2000万円」問題が話題になっているが、経済が不振で、寿命ばかりどんどん伸びたら、貧乏になるのは当たり前だ。資源配分が偏りすぎている結果である。上げ足取りの議論をするより、真剣に厳粛に考えるべき課題だと思う。

65歳まで働いたとして、そのあと、アメリカ人は13年、日本人は19年生きるのだから3分の2の収入で老後を送るしかないのは長生きに何よりもの価値見出しているのだから、が番するしかないはずだ。

といっても、アメリカ並みにとはいわないが、ヨーロッパ並の平均寿命でいいのでないかと思案してみることは必要だ。世界トップクラスの生活水準を維持したかったら、欧州並みの老後の生活水準はあきらめるしかない。

八幡 和郎
<引用終り>


まず最初にこの文言

国を没落させた日本と世界史上で驚異の発展をさせた中国と比べれば平成日本の国家と国民は大馬鹿で鄧小平・江沢民・胡錦濤時代のの中国の国家と国民は素晴らしいということに異議などいえないはずだが、日本人には左も右もその自覚がないのが問題だ。

先ず八幡和朗は全く分かっていないが、こいつが日本はダメだという証拠がこんなグラフ。

2019-7-11日米中名目GDP推移1

この問題にはいろんな問題が複雑に絡んでいるが、大雑把に言って為替の問題に収斂する。
日本は超円高デフレ。中国は超人民元安、これが20年続いたのである。しかもそれを解決する方法もわかっているが、それをやろうとすると・・・。ある官僚の答えは・・・、(円だけ刷り増さなきや円高デフレになるのは当然だ。円を刷り増したらどうか、と尋ねると)
(注:為替の件は以下ブログ参照ください)
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1665.html


こんな現実を認識しなければ、これからどうしたら良いかの方策など出る訳がない。
一寸見方を変えます。

八幡和郎は全く分かっていないが、日本は中国にODAで多額の援助をしている。
対中ODAは1979年(昭和54年)から始まり、総額3兆6500億円、そして2018年(平成30年)10月の安倍首相訪中時にODA終了が決定した。2018年度でODAの新規採択は終了だが、複数年度継続案件のものが残っており、完全な終了は2021年度となる。
昨年秋の安倍首相の訪中には、何故中国なんぞの行くんだという議論があったが、こんな案件もあった。私もこれを調べてみて分かった次第。(日本のマスゴミは全く報道しませんね)
外務省HP 対中ODA概要

日本の対中国ODAの概要(JICA資料)

八幡和郎は中国のGDPの伸びの凄さをもって日本が中国に負けたという。だがそんな負けた国が勝ったと言われる国に多額の援助をしている現実をどう見ればいいのか。

日本は中国を育てていたのだ。親が育てた子供が親より背が高くなったら負けたというか?、子どもの方が出世したら負けたというか?、そう云う事である。
但し育てた子供が不良や化け物になったら・・・、これが今現実に起こっている訳だ。


さらに次の文言
平成の日本は、中国やインドはもちろん、欧米にも韓国にも負けたのである。この大失態をへ理屈でごまかすべきではない

この件は、日本はアメリカが仕掛けた為替戦争に負けた。これは事実だと認識すべきだが、為替問題を回避するため、日本は平成の30年を通して海外進出を加速してきた。その結果どうなったか。

これは海外にある資産の推移グラフ
2019-7-27対外資産負債残高推移グラフ
平成はじめの1990年に対し、海外にある資産残高は4.1倍となり、1千兆円を超えた。その結果、負債を引いた純資産は7.8倍の341兆円になった。

その純資産から得られる稼ぎはと言えば、これは第一次所得収支の推移。
2019-7-27第一次所得収支推移
1995年以前の数字が確認できないが、1990年に対し約4倍になっていると思われます。
その結果、最近では年間20兆円もの金額が海外から送られてきます。

この所得収支が世界でどんな位置にあるかというと

世界の所得収支ランキング

2019-8-1世界の所得収支ランキング
https://www.globalnote.jp/post-3687.html

このグラフは5位以下が分かりませんが、まあ必要ないですね。海外からの稼ぎは1位のアメリカに次いで堂々の2位。3位と4位のドイツ・フランスを合わせたよりはるかに多いのです。
国内では稼げないので海外で稼ぐ。これが平成の日本がやってきたことなのです。
これだけの成果を出すために、海外に出た日本人が大変な苦労をしました。血の汗を流したと言ってもいいでしょう。しかしこの話はここまでにします。


さてそんな海外での稼ぎ、その結果がどうなったか、総合としての経常収支(国際収支)を見てみます。

国際収支(経常収支)推移

2019-7-27経常収支推移

日本の国債収支(経常収支)は昔は貿易収支が中心だった。しかし2005年に所得収支が貿易収支を上回り、現在では毎年20兆円程度の稼ぎとなっている。
バブル期の1990年に60.1挺円の税収だったが、その後長い事これを超えることができず、苦節28年、やっと2018年度に60.4兆円とバブル期を超えることができた。それを思うと、所得収支が毎年20兆円の黒字。これが平成の頑張りだった。

そして上掲国際収支グラフをよく見て欲しい。あの悪夢の民主党政権下、未曽有の大震災に見舞われた。世界で有史以来4番目という大震災。しかも文明圏を襲った初めての大地震だった。
道路も鉄道も止まり、見たことも無い大津波に襲われ、原発は爆発し、経済は混乱を極めた。
世界はこれで日本は当分立ち上がれないと思った。
しかし、国際収支(経常収支)の数字が発表されると世界はアッと驚いた。あれだけ大被害。経済の大停滞にもかかわらず、日本の国際収支(経常収支)は赤字になっていないのだ。

あのような大震災でも、企業は給料を払い、ボーナスも出すことができた。そんな事で国民は復興に全力を挙げることができた。こんな経済力の下支えが有ることを保守のジャーナリストなら知っているべきなのだ。

八幡和朗は「令和の日本は心を入れ替えて頑張るべきだ」、こんな事を言っていますが、こいつには、では具体的に何をしたらいいのか、そんな考えは有りません。
まあ、当てにもならん奴の言う事を聞いても仕方ないので、令和の日本人として、志を高く掲げて、しかし毎日のやっていくことは地道に一つづつ、こんな事しか言えないですね。

しかし令和に入って、韓国に対する貿易の優遇措置の撤廃が決まりそうです。明らかに新しい流れになりそうですね。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2019-07-27 23:22

平成の30年を振り返る 続々編<海外との共存共栄の時代


 平成の30年を振り返る、今回は日本人は平成の30年、なにを目指してきたのかを見つめたいと思います。
今までエントリーはこちら  
平成の30年を振り返る 2019-07-14 10:40
平成の30年を振り返る 続編<半導体失敗の歴史 2019-07-24 15:01

最初に重複しますが、平成を表す二つのグラフ

これは税収・歳出・公債(借金)のグラフ

2019-7-8一般会計税収、歳出、公債発行額推移改訂版

何とも悲しいグラフではあります。平成の30年かかって、やっと税収が30年前の平成2年のレベルに追いついたんですから。
それだけ日本は長く苦しい戦いだったんです。

そしてもう一つ、GDPの推移を見てみます。

これは名目GDPの日本・アメリカ・中国の比較グラフ

2019-7-11日米中名目GDP推移1

このグラフで1990年(平成2年)に対しどれだけ成長したかを見てみると
日本     ⇒  1.59倍  (注:この成長は1995年までのもの、これ以降まったく横ばい)
          (1995年との比較では0.91倍で、95年レベルに未だ追いついていない)
アメリカ ⇒  3.44倍
中国     ⇒33.63倍

このGDPの数字だけ見れば、日本衰退は明らかである。だから平成の日本人は何をしていたのかということを言う人も出てくる。
その日本はダメだ論者の一人として八幡 和郎氏の名前をあげよう。

「平成の日本人は中国人に負けたと認めよう」 2019年07月06日 11:30 八幡 和郎
http://agora-web.jp/archives/2040136.html

この八幡和郎のいうことに対しての反論は別に書くつもりですが、このGDPが伸びていない、この原因が日本に対するアメリカの包囲作戦の結果と見ないといけないと思っています。

そんな一例がドルと円の為替レート、そしてドルとシナの人民元の為替レートに表れています。

最初にUSドルと円の為替レート

2019-7-27ドル円レート推移
https://ecodb.net/exchange/usd_jpy.html

ドル円為替レートはプラザ合意後120円~110円くらいだったが、大きく円高に振れた時期がある。1995年前後と2010年-2012年の悪夢の民主党政権時代だ。

所でその頃中国はどうだったのか。

2018-7-7ドル元レート推移

この件は以下エントリー参照ください
アメリカの対中融和政策と日本」 2018-07-10 17:25
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1541.html


この為替比較が物語るもの、それはアメリカがありとあらゆる圧力で日本を円高に誘導するとともに、中国に対しては「超人民元安」政策を続けたこと。特に最初の1994年~2005年は米ドルペッグ制で人民元レートを元安で固定してしまった。コレだけ為替相場に差がつけば中国製品の価格競争力が日本を圧倒するにもうなずける。
日本があらゆる分野で中国に圧倒される要因の一つがこの為替政策に有った。

此処まで見てきた結論、それはアメリカのクリントン、ブッシュ、オバマ、3代続いた反日政権下で、日本が追い詰められていったこと。
日本はアメリカが仕掛けた第二の日米戦争に負けた、こう認識しないと、「ではこれからどうするか」の各論が出てこないと思います。

上皇陛下が天皇として最後の誕生日を前にしての会見(平成30年12月20日)で「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに,心から安堵しています」とのお言葉を述べられました。これは事実ですが、日本は平成の時代全てで戦闘の無い戦争に巻き込まれたのも事実です。


さてお先真っ暗な話はここまでにして、見方を変えます。

これは2011年の話ですが、こんな話があります。

「誰も知らない1.8個分の日本<レコードチャイナの報道です」  2011-10-06 22:42
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-366.html

一寸さわりだけ、詳細は上掲エントリー参照ください

日本問題専門家が語る、「誰も知らない1.8個分の日本」―中国紙

 2011年8月28日、中国紙・環球時報(電子版)は、中国商務部研究院の日本問題専門家、唐淳風(タン・チュンフォン)氏の寄稿記事「誰も知らない『1.8個分の日本』」を掲載した。以下はその内容。 
 
・・・前段略・・・
日本経済は20年間、成長が止まり低迷しているというものだが、実はこれは全くの誤解である。  
根本から言えば、日本経済には「失われた20年」は存在しない。
1985年のプラザ合意後、円は2.4倍も切り上がり、大量の資金が株や不動産、土地取引に流れ込んだ。そして、政府の支持と指導の下、これらの資金は国内から海外へと移動していったのである。
日本は1987年末、国内の株や不動産取引への融資を取りやめたが、海外では無利息で融資を続けた。 

その結果、この20年、日本の海外における経済力は国内の1.8倍にも膨れ上がった
海外資産は40倍、海外純資産は60倍も増加。世界中のすべての市場、業界で日本マネーを見ることができる。
こうした状況の下、日本国内の経済成長も緩慢ではあるが、20年間ほとんどマイナス成長が見られなかった。これだけですでに奇跡だといえる。 

この20年は日本にとって「失われた20年」ではなかったのだ。むしろ、「海外で高度成長を遂げた20年」といって良い。
巷では良く、「日本は海外に『1.8個分の日本』を持っている」という例えが用いられる。
海外にそれだけの資産を持っているという意味だ。それに、日本は世界最大の債権国。世界の95パーセントの債権を日本が握っている。 

今回、日本国債が格下げになったが、日本の経済成長に具体的な影響は現れていない。
世界最大の債権国が国債を返済する能力がないなんて、全くのナンセンスである。「1.8個分の日本」と言われるだけあり、日本には長年積み上げてきた財産がある。これは日本のグローバル化戦略にとってかなり有利なこと。決して軽く見てはならない。
・・・以下略・・・


さてでは国内では分からない日本の海外での成長。最初にこんなデータ。
これは日本の海外に持つ資産と負債のグラフ(日銀の資料より)。1996年より前のデータが切れているが、1995年に計算方法を国際基準に合わせたため、データのつながりがないとの理由らしい。
それで1990年データを下欄に追記した。

2019-7-27対外資産負債残高推移グラフ 
http://www.boj.or.jp/statistics/br/bop_06/bop2018a.pdf

いやあ、久しぶりですねえ、こんな右肩上がりのグラフ。それに対外資産残高は平成の30年で約4倍になり、総額は1千兆円を超え、負債を差し引いた対外純資産は約8倍、金額で341兆円だ

冒頭の税収歳出のグラフで平成30年度にやっと税収がバブルのピークを越えて60.4兆円になったと書きましたが、それと比べてもいかにすごい金額かが分かります。


そしてこれは海外の資産からの稼ぎを示す第一次所得収支推移

2019-7-27第一次所得収支推移
ソース:上掲と同じ日銀資料

平成に入って、右肩上がりに良くなるデータなど見た事が無い時代。こんなデータが有ることは誠に喜ばしい。
(注:マスゴミ様にはお気に召さないようで、報道されませんが・・・)

1995年以前のデータが分かりませんが、推測として、2018年は1990年の約4倍程度になっていると思われます。
第一次所得収支は現在年間約20兆円の黒字。海外から毎年これだけの稼ぎが入ってくる。これが日本が産業構造を変え、海外で稼ぐ時代になってことを表しています。
尚、日本の海外進出は進出国を搾取するものではなく、共存共栄です。
神武天皇以来の八紘一宇この精神が生きてます


さてそこで国際収支(経常収支)推移です。

2019-7-27経常収支推移

東日本大震災の時、世界が驚愕したグラフです。
この大地震は日本の有史以来最大、全世界の有史以来4番目ですが、文明圏を襲ったものとしては史上初にして世界最大。そしてテレビでリアルタイムで報道されたものとしても初めてでした。
誰もが感じたのは、これで日本は当分立ち上がれないだろうと言うモノでしたが、しかし国際収支(経常収支)を見てびっくり。日本の国際収支(経常収支)は黒字幅こそ減ったものの赤字にはならなかったのです。日本はどれだけ足腰が強いんだ、これを証明したグラフでした。

日本は昔から貿易立国と言われ、今でもそういうアホジャーナリストが絶えません。しかし日本は元々内需が強い国でした。そして平成になってから気が付かないうちに産業構造を変えてきていたのです。その為海外からの稼ぎが現在では年間20兆円ほど。

中国の学者が1.8個分の日本が海外に有るという訳です。

結論です。
平成の30年、日本は第二の戦争を戦ってきました。アメリカとの戦争は勝つ訳にはいかない。さりとて負けるわけにもいかない厄介な戦争で、一方的の押しまくられた戦争と言えるかもしれません。
そのスキをついてのし上がってきたのが中国でした。韓国も同様でした。

しかしアメリカとの戦争は2015年3月、突如終了します。
中国が提唱するAIIB、アメリカはこれに参加するなと各国に要請していたのだが、2015年3月、イギリスがアメリカの制止を振り切って参加。それを見てドイツ・フランス・イタリア・カナダ・イスラエル・韓国など雪崩を打って参加を表明。アメリカは全く孤立してしまいました。しかし日本だけはAIIB不参加を貫きます。
もし日本も参加すれば、アメリカは全世界でたった一人ボッチ、完全に孤立する所でした。しかし世界第3位の経済大国日本がアメリカの側についたことでアメリカは孤立の危機から救われます。
これで日米の経済戦争も終了することになりました。

その結果の第一がこれです。アメリカ議会、上下両院合同総会での安倍首相の演説です。

米上下両院での演説は2015年4月29日のことでした。

安倍首相米議会演説」 2015-05-01 07:26

2015-5-1安倍首相米議会演説NHK報道

この安倍首相演説の何が凄いか、それは日本としては米上下院合同議会での演説は初めてだということだ。
では他の国はどうか。米上下院合同議会での演説は、1874年ハワイ王以降115回あり、敗戦国ではドイツ歴代首相5回、イタリア6回、敗戦国でないが槿恵韓国大統領を含め、韓国は6回も演説している。それなのに日本は初めてなのだ。この一事をもってしてもアメリカの本音が分かると言うモノである。だからこそ、日本がアメリカとの戦争を終わらせたということができるのだと思う。

もう一つの戦争終結の象徴的な出来事は、2016年5月のオバマ大統領の広島訪問と同年12月の安倍首相の真珠湾訪問。どちらも日本にとってもアメリカにとっても初めて。

以上のことがクリントン、ブッシュ、オバマと3代続いた反日政権の最後になって実現したことが大きいんだと思う。

平成の30年を振り返ってみると、日本は一見第二の敗戦の時代と言えるかもしれないが、実は海外に活路を求めた共存共栄の時代だった、こう言ってよいと思っています。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2019-07-24 15:01

平成の30年を振り返る 続編<半導体失敗の歴史


 平成の30年を振り返るの続編です。
前回はこれ 平成の30年を振り返る2019-07-14 10:40

今回は半導体没落について。
1985年には全世界の80%のシェアーを持っていた日本の半導体。それが今は見る影も有りません。その没落の原因を考えるのも大事なことだと思います。

見えてきたことは、日本国内だけを考えていたのでは問題点も解決策も見えないということ。そして明確なポリシーのない経営がどんな結果を生むか、そんないい事例が有るので紹介したい。

 昨年12月、Newsweekに遠藤誉さんがこんな記事を書いています。
曰く「日本の半導体はなぜ沈んでしまったのか?」、内容を見ると生々しい話が有ります。
特にどのようにして技術が盗まれたか、そんな所、日本人として大いに反省せねばいけない。

また6月のエントリーでウナギ養殖技術がいかに盗まれたかを書きました。
ウナギ完全養殖への一歩<韓国への技術流出を考える 2019-06-14 17:34
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1651.html

日本人一人一人が身近なところで日本衰退に手を貸している実態。よく考えないといけません。

<以下Newsweekより引用>

日本の半導体はなぜ沈んでしまったのか?
2018年12月25日(火)10時19分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
 
日本の半導体を潰したのは誰か? 

1980年代にアメリカを追い抜き世界一だった日本の半導体はアメリカにより叩き潰され、その間、韓国が追い上げた。土日だけサムスンに通って破格的高給で核心技術を売りまくった東芝社員の吐露を明かす時が来た

日本の半導体産業を徹底して潰したアメリカ:常に「ナンバー1」を求めて

1980年代半ば、日本の半導体は世界を席巻し全盛期にあった。技術力だけでなく、売上高においてもアメリカを抜いてトップに躍り出、世界シェアの50%を超えたこともある。特にDRAM(Dynamic Random Access Memory)(ディーラム)は日本の得意分野で、廉価でもあった。

それに対してアメリカは通商法301条に基づく提訴や反ダンピング訴訟などを起こして、70年代末から日本の半導体産業政策を批判し続けてきた。

「日本半導体のアメリカ進出は、アメリカのハイテク産業あるいは防衛産業の基礎を脅かすという安全保障上の問題がある」というのが、アメリカの対日批判の論拠の一つであった。日米安保条約で結ばれた「同盟国」であるはずの日本に対してさえ、「アメリカにとっての防衛産業の基礎を脅かすという安全保障上の問題がある」として、激しい批判を繰り広げたのである。

こうして1986年7月に結ばれたのが「日米半導体協定」(第一次協定)だ。

「日本政府は日本国内のユーザーに対して外国製(実際上は米国製)半導体の活用を奨励すること」など、アメリカに有利になる内容が盛り込まれ、日本を徹底して監視した。

1987年4月になると、当時のレーガン大統領は「日本の第三国向け輸出のダンピング」および「日本市場でのアメリカ製半導体のシェアが拡大していない」ことを理由として、日本のパソコンやカラーテレビなどのハイテク製品に高関税(100%)をかけて圧力を強めた。

1991年7月に第一次協定が満期になると、アメリカは同年8月に第二次「日米半導体協定」を強要して、日本国内で生産する半導体規格をアメリカの規格に合わせることや日本市場でのアメリカ半導体のシェアを20%まで引き上げることを要求した。1997年7月に第二次協定が満期になる頃には、日本の半導体の勢いが完全に失われたのを確認すると、ようやく日米半導体協定の失効を認めたのである。

時代は既に移り変わっていた

しかし、第二次協定の満期によって、日本がアメリカの圧力から解放されたときには、時代は既に激しく移り変わっていた。

次のページ日の丸半導体の凋落

80年代の全盛期、日本の半導体は総合電機としての自社のエレクトロニクスを高性能化させるサイクルの中で発展してきた。当時筆者は一橋大学にいて日立HITAC(ハイタック)の大型コンピュータを用いて分子間相互作用を分析するコンピュータ・シミュレーションを行っていたが、CPUタイムなどの関係上、シミュレーションが終わる前にタイムアウトしてしまって速度相関関数やそのスペクトルの計算に困難を来していた。そこで理研に通って富士通FACOMを使わせてもらいシミュレーションを完遂させたりしたものだ。それによりアメリカのアルゴン研究所がIBMを使って計算する速度相関関数やそのスペクトルと同等に競争することができた。つまり、日立や富士通などの大型計算機はIBMに近づいており、他のハイテク製品の性能を高めるための半導体の開発は、アメリカを凌いでいたと言っても過言ではない。

ところが1993年にインテルがマイクロプロセッサーPentiumを、 1995年にはマイクロソフトがPC用のOSであるWindows95を発売すると、世の中はワークステーション時代からPC時代に入り、いきなりインターネットの時代へと突入し始めた。

それまでのDRAMは供給過剰となって日本の半導体に打撃を与え(DRAM不況)、二度にわたる日米半導体協定によって圧倒的優位に立ったアメリカ半導体業界が進めるファブレス(半導体の設計は行うが生産ラインを持たない半導体企業)など、研究開発のみに専念する生産方式についていけなかった。時代は既に設計と製造が分業される形態を取り始めていたのである。

当時の通産省が率いる包括的な半導体産業に関する国家プロジェクトは、分業という新しい流れについていくことを、かえって阻害した側面がある。

一方、バブルの崩壊なども手伝って、1991年ごろには日本のエレクトロニクス関係の企業は、半導体部門のリストラを迫られていた。

「土日ソウル通い」:日本の半導体技術を「窃取した」韓国

リストラされた日本の半導体関係の技術者を韓国のサムスン電子が次々とヘッドハンティングしたことは周知の事実だろう。また2014年には、東芝のNAND型フラッシュメモリーの研究データを韓国企業に不正に流出させたとして、東芝と提携している日本の半導体メーカーの元技術者が逮捕されたこともある。

しかし、こんなものは実に「かわいい」レベルで、もっと凄まじい「窃盗まがい」のことが起きていた。

次のページ週末は韓国で......

日本の半導体関係の技術者がリストラをひかえて窓際に追いやられていた頃、技術者の一部は「土日ソウル通い」をしていたのである。

そのころ筆者は留学生の相談業務に従事しており、リストラなどで困っている日本人に対しても無料奉仕で手助けをしてあげていたことから、「とんでもない事実」を知るに至った。実際に筆者に相談をしにきた人物が吐露した事実を記そう。相談業務には守秘義務があるため書くことは出来ないが、これは全くの番外編で、ただ単に親切心から相談に乗ってあげただけなので、今となっては事実を書くこともそろそろ許されるだろう。

その人は元東芝の社員で、非常に高度な半導体技術の持ち主だった。しかし半導体部門が次々に閉鎖され、上級技術者もリストラの対象となって、すでに「もしもし」と声がかかるようになっていた。解雇は時間の問題だった。そういった人たちのリストを韓国は手にしていた。そこで水面下でこっそりと近づき、甘い誘いを始めたのだ。

金曜日の夜になると東京からソウルに飛び、土曜と日曜日の2日間をかけて、たっぷりとその半導体技術者が持っている技術をサムスン電子に授ける。日曜日の最終フライトで東京に戻り、月曜日の朝には何食わぬ顔をして出社する。

土日の2日間だけで、東芝における月収分相当の謝礼を現金で支給してくれた。領収書なしだ。

「行かないはずがないだろう」と、その人は言った。

「長いこと、東芝には滅私奉公をしてきました。終身雇用制が崩れるなどということは想像もしていなかった。だというのに、この私を解雇しようとしているのです。それに対して韓国では、自分が培ってきた技術を評価してくれるだけでも自尊心が保たれ、心を支えることができる。おまけに1ヵ月に4倍ほどの給料が入るのですよ。行かないはずがないでしょう!」

それに「土日のソウル通いは、私一人ではない。何人も、いや、おそらく何十人もいるんですよ!」と、自分の罪の重さを軽減させるかのように顔を歪めた。

彼の吐露によれば、それは「韓国政府がらみ」で、サムスン電子単独の行動ではないというのである。

恐ろしいのは、その次のステップだ。

「彼らはですね。私たち技術者を競わせて、そのときどきに最も必要な技術者を引っ張ってくる。半導体も、どのようなハイテク製品を製造するかによって内容が変わってきます。私ら、やや古株から吸い取れる技術を吸い取り終わると、なんと突然"解雇"されるわけですよ。もっとも、闇雇用ですから、"解雇"という言葉は適切ではないんですがね......。要は、"用無し"になったわけです」

次のページ決断が遅すぎた総合電機

失業者になったので、噂を聞いて、筆者の研究室を訪れたのだという。

この時には、東芝からは、まさに正式に「解雇」されていた。

これら一連の吐露の中で、最もショックを受けたのは「だから、誰もが韓国側から"解雇"されまいと、より核心的で、より機密性の高い東芝技術を韓国側に提供するわけですよ。"土日ソウル通い"者同士が競い合うのです」という件(くだり)だ。韓国側の関連企業同士も謝礼を上乗せして競い合ったという。

「東芝は認識しているのだろうか?通産省はこういった事例を把握しているのだろうか?」

複雑な正義感が頭をよぎったが、筆者を信用して相談に来た失業者を守ってあげなければならないという気持ちが、そのときは優先した。

見るも無残な日本半導体の現状

アメリカの半導体市場調査会社IC Insightsの統計によれば、2017年の世界半導体メーカー売上高トップ10の第一位を飾っているのはサムスン電子で、あのインテルを追い抜いている。2018年ではサムスン電子の前年比成長率は26%であるのに対し、インテルは14%と、インテルとの差を広げている。日本は1社(東芝)が辛うじて滑り込んでいるありさまだ。

ファブレス半導体メーカーに至っては、日本勢は1社もトップ10に入っていない。

(引用者注:ファブレス(fabless)とは、fab(fabrication facility、つまり「工場」)を持たない会社のこと。工場を所有せずに製造業としての活動を行う企業を指す造語およびビジネスモデルを言う。自社で企画、開発した商品の製造を他社の生産工場に委託して、自社ブランドとして販売を行うビジネスモデル。
生産工場を持たないことで、製造設備の初期投資を企画、研究、開発などに集中して投資できるメリットがある。そのため、製品のライフサイクルが短く、製造設備を持つリスクが高い半導体やコンピュータなどのメーカーで多く採用されている。新規参入を図る資本力の弱いベンチャー企業や、コアとなる事業を強化したいメーカー企業が採用するケースも増えている。1980年代にアメリカの半導体分野で誕生したビジネスモデルだが、現在は食品、玩具、家具など幅広い分野で採用されている。この件については最後に私の考えを書きます。

同じくIC Insightsが2018年初頭に発表した統計によると、2017年のファブレス半導体メーカー世界トップ10は、アメリカ6社、中国2社、シンガポールと台湾各1社となっており、日本の半導体メーカーの姿はないのである。消えてしまった。

ファブレス半導体トップ10の第7位はHuaweiのハイシリコン社だが、Huaweiでさえ、ハイテク製品企業の研究開発部門を本社から切り離し、半導体の研究開発だけに特化できる会社としてハイシリコン社を立ち上げている。

日本は、これができなかった

総合電機が半導体事業を抱え込んだまま沈んでいき、分社化する決断と経営の臨機応変さが欠けていた。

そして韓国が虎視眈々と東芝を狙っていた、あの「狡猾さ」というか「窃盗まがいの逞しさ」に気づかず、日本の当時の通産省が主導した半導体先端テクノロジーズ(Selete、セリート)に日本国内の10社以外に、なんとサムスン電子だけを加盟させて11社にし、サムスンの独走を許してしまったのである。

次のページ中国はそう簡単に負けない

中国の半導体の動向に関しては新刊『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』で詳述したが、アメリカは同盟国である日本に対してさえ、アメリカを追い抜くようなことを絶対に許さず、「アメリカにとっての防衛産業の基礎を脅かすという安全保障上の問題がある」として日本半導体を潰してしまった。ましてや最大のライバル国(敵国?)である中国に対してなど、どんな手段でも取り、いかなる容赦もしないだろう。

言論弾圧をする一党支配体制の国を潰すのは歓迎する。

ただ、日本はアメリカの同盟国だったからこそ、抵抗できずに潰されてしまったが、中国の場合はそうはいかない。致命傷でも負わない限り、徹底して抵抗し続け、逆に強大化していく可能性(危険性?)を大いに孕んでいる。それは「中国製造2025」を完遂させるための中国の執念や人材の集め方などをご覧いただければ、ご理解頂けるものと信じる。

今やっかいなのは、日本が、中国のハイテク製品メーカーに日本半導体を使ってもらおうと、政府丸抱えで必死だということだ。特に半導体製造装置に関しては日本はまだ優位に立っており、中国の日本への視線は熱い。

さて、いま日本はいかなる立ち位置で、どこにいるのか――。

東芝の経営体制や韓国側のモラルが問題なのか、日本全体の産業政策が間違っていたのか。

あるいはアメリカには何を言われようとも、何をされようとも、日本は文句が言えない立場にあるのか?

東芝の元半導体技術者のモラルも問われないわけにはいかないだろうが、少なくとも東芝と当時の通産省(のちの経産省)などの脇が甘かったことだけは確かだ。

サムスンとの経緯を踏まえながら、ともかく日本の国益をこれ以上は損なわないよう、日本国民は強い自覚を持たなければならないし、日本政府には熟考をお願いしたいと思う。

[執筆者]遠藤 誉
<引用終り>


読んでいくと愕然としますね.これが平成の没落の実態です。残念ですがこれが現実だと認めることから出発しないと日本の新しい時代は開けません。

最初に韓国が日本の技術をいかにして盗んだかの事例。聞いて愕然としますが、韓国という国、国民は,遠藤誉さんの言う「狡猾さ」、「窃盗まがいの逞しさ」は日本人の比ではありません。
業界は違いますが、韓国のポスコは自社の拡販の為、タイの営業所にはハニートラップ要員の美形事務員(鉄鋼の知識ほぼゼロ)を本国から連れてきていたのを私も目撃しています。
また土日のソウル通いでは、噂では現地に「オ〇ナ」を用意していると言われていましたが当然でしょう。
またサムスンだけが日本の通産省主催の半導体先端テクノロジーズに加盟できたのは、推測ですがハニートラップが有ったと思います。
何せ霞が関界隈は「ノーパンしゃぶしゃぶ」事件とか、ビーチ前川によるラブ・オン・ザ・ビーチでの恋活バー事件とか、下半身がらみの事件が多いですから。

最後にもう一つ大事な話。
遠藤誉さんは「ファブレス半導体メーカートップ10に日本勢がいない。これが問題と指摘しているが、この企画、研究、開発に特化した会社こそ若くやる気のある人がどんどん起業できる分野。それが出来ない原因の大きなものが、日本の銀行がカネを貸さないことにある。
バブル崩壊以来、日本の銀行は多額の不良債権を抱え、リスクのある、しかし有望な融資を全くしなくなってしまった。

私は銀行は「国際枕に昼寝をしていれば儲かる商売」と言っているが、平成の停滞の大きな原因にこの銀行機能の問題が有ることも忘れてはならないと思っている。

この企画・研究・開発がどんどん進むような仕組み、これが急務では無いだろうか。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(14)

2019-07-20 20:48

韓国向け半導体材料問題の全体像


 韓国向け半導体問題はどうやら全体像が見えてきた。
一言でいえば米中ハイテク戦争の最前線の一つ、それが目の前に出てきたと言えると思う。

最初に予備知識
先ず半導体の世界でのシェアーがどうなっているか。
これは2018年の売上ランキング(2018-12-4の記事の為、2018年が予測になっている)

2019-7-20半導体メーカートップ15
https://eetimes.jp/ee/articles/1812/04/news022.html

日本の凋落ぶりに愕然としますね。まあそれはこの際置いといて・・・・。
サムスンが凄い。17年から18年の1年間で、日本の東芝分を超えるような拡大。
全く絶句です。

これは半導体の種類別月額売上額推移
2016年4月からメモリーの売り上げが急拡大。これはビッグデータ対応のためです。
(しかし凄いですね。半導体は巨大な装置産業、凄い工場拡大が有ったわけです)
2019-7-20半導体の種類別売上推移
https://eetimes.jp/ee/articles/1812/07/news026.html

注):SOCとは ⇒ System-on-a-chip(SOC、SoC)とは集積回路の1個のチップ上に、プロセッサコアをはじめ一般的なマイクロコントローラが持つような機能の他、応用目的の機能なども集積し、連携してシステムとして機能するよう設計されている、集積回路製品。



それでは本題に入ります。

最初に日本から韓国に輸出された半導体材料が中国に横流しされていた。こんな事実が日経に出ている。
この記事はよもぎねこさんに紹介されたもので、これはよもぎねこさんのブログ。
フッ化水素の行き先は中国 韓国への輸出管理厳格化  2019-07-20 12:01」
http://yomouni.blog.fc2.com/blog-entry-6680.html

これはソースの日経記事
<以下日経より引用>
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47564600Z10C19A7EA2000/

対韓規制 中国に飛び火も 半導体、減産の可能性 
2019/7/19 22:02日本経済新聞 電子版

日本政府が8月末にも韓国をホワイト国指定から外し、中国工場への先端材料の供給が滞るなら世界の半導体市場にも影響しそうだ

日本政府による対韓国の輸出規制の強化が中国の半導体生産にも影響する懸念がでてきた。日本が韓国に輸出する規制対象3品目のひとつ「フッ化水素」の一部が中国に輸出され、韓国の半導体製造大手サムスン電子やSKハイニックスの中国工場で使われているためだ。両社は半導体の10~20%を中国で生産しているとみられる。日本政府が8月末にも韓国をホワイト国指定から外し中国工場への先端材料の供給が滞るなら世界の半導体市場にも影響しそうだ。

日本の貿易統計では2018年に約3万6800トンのフッ化水素を韓国に輸出した。

韓国のフッ化水素の最大の輸入国は中国だが、半導体ウエハーの洗浄用に使われる超高純度品に限れば、日本のステラケミファと森田化学工業(大阪市)がほぼ9割のシェアを握る。中国からは低純度品とみられ、用途が異なるようだ。

2019-7-20日本から韓国へのフッ化水素輸出量by日経

韓国貿易協会によると韓国は18年に中国に4050トンのフッ化水素を輸出した。韓国産業通商資源省の関係者によると、「日本から輸入したフッ化水素は韓国で加工され、サムスン電子やSKハイニックスが韓国の半導体工場で使っている。その一部は両社の中国工場に輸出されている」と説明する。

この関係者は「フッ化水素を中国に輸出するさいは、政府がベンダーに対して最終ユーザーを明記させ、厳守するよう誓約書を取っている。他に渡ったり虚偽申告が発覚したりすれば法的責任を問う体制になっている」と、厳正な管理が行われていると強調する。

手続きはもちろん必要だが、韓国が緩やかな条件で日本から輸入した材料を中国にスムーズに輸出できるのは、日本政府が韓国を輸出先として信頼する「ホワイト国」に指定しているからだ。もし指定が外れればもっと審査や手続きが厳しくなり、煩雑な手続きが必要になる懸念がある。

中国の税関統計でも、韓国からの高純度フッ化水素の輸入量は2018年に約4000トンとある。その多くは日本製で、韓国を経由して中国へ輸出されている。

仕向け先は約7割が陝西省、約3割が江蘇省だ。陝西省西安市にはサムスン電子のNAND型フラッシュメモリーの工場、江蘇省無錫市にはSKハイニックスのDRAMの工場がある。

サムスンとSKハイニックスは半導体メモリーの世界シェアで合計5~7割を握る。韓国のアナリストによると、サムスンはNAND型フラッシュメモリーの25%を、SKハイニックスはDRAMの40%をそれぞれ中国で生産している。

日本の輸出規制の強化で仮にフッ化水素の対韓輸出が滞れば、韓国から中国への輸出も滞り、両社の半導体生産に支障が出る恐れがある。

半導体に詳しい中国の証券会社アナリストは「華為技術(ファーウェイ)などに特に大きな影響がでそうだ」とし、パソコンやサーバーなどのメーカーなどへの影響も懸念する。

韓国メーカーの半導体生産が減った場合、中国が国産で補うのは難しい。中国の習近平(シー・ジンピン)指導部はハイテク産業育成策「中国製造2025」で半導体を重点分野に指定し20年に自給率40%を目指す。現状では10%強とされる。

ただ、半導体の内製化を進めようにも、先進装置の多くは米国や日本、オランダの企業が市場を寡占している。中国の半導体業界では「高性能な半導体ほど内製化は難しく、何年もかかる」といわれ、輸入に頼らざるを得ないとみられている。

サムスンなどは代替材料を探り始めているが道は険しい。半導体基板の洗浄や回路の溝付けに使うフッ化水素では、昭和電工の製造拠点は川崎事業所(川崎市)のみだ。

国内大手のステラケミファはシンガポールでも生産しているものの「韓国メーカーが中国での半導体生産でも日本製にこだわるのは、純度など品質面で代替しにくい証左ではないか」(国内大手証券のアナリスト)との声もある。日本勢が中国に直接輸出する新しい供給網の形になる可能性が高い。

仮に中国工場への素材供給が中断されれば、世界の半導体市場への影響は必至だ。

2019-7-20日本と韓国への影響by日経

韓国経済研究院は輸出規制強化の影響で、半導体の素材が30%不足すれば韓国の国内総生産(GDP)が2.2%、日本は0.04%押し下げられるとした。韓国が対抗措置を打ち出した場合、韓国が3.1%、日本が1.8%押し下げられるとの見方を示した。(ソウル=鈴木壮太郎、広州=川上尚志、三宅雅之)

<引用ここまで>

この記事についてはよもぎねこさんがうまくまとめて見えるので、それを参照いただくとして、さらにもっと問題が有ります。


これは主に韓国の報道がソースですが、サムスンの半導体が不良品で、お客さんのアマゾンから交換を求められているようです。


これは韓国の経済紙「韓国経済」の報道

サムスン製サーバー用DRAM、200億円規模の不良品問題発生 2019/03/29
https://korea-keizai.com/20190329samsung-ele/

サムスン電子が最近、アマゾンに供給するサーバ用DRAM製品に不良品問題が発生した。不良品自体が多くなく実績に及ぼす影響は大きくないだろうが、昨年上半期と同一製品で不良品が発生しており、信頼度に打撃を与えないか懸念される。
28日、半導体業界関係者によると、最近、サムスン電子がアマゾンに供給するサーバー用DRAMで不良品問題が発生したことが確認された。今回問題が発生した製品は1世代10ナノメートル(1x㎚)DRAMだ。サムスン電子は現在、不良品のDRAMに対し、製品の交換保証サービス(RMA)を進めていることが分かった。これと関連して、サムスン電子は「顧客と関連する事案なので確認することはできない」と話した。
証券業界で推算する不良品の規模は2,000億~3,000億ウォン(200億円〜300億円)程だ。
・・・以下略・・・
<引用終り>


ここから先は私の単なる推測だが、この問題のDRAM、中国工場製では無いだろうか。不良問題の原因がいい加減なフッ化水素を使っていたものが、不良問題を発生させたので、急遽日本製のフッ化水素を横流しして対策したのなら時期的にも辻褄が合う。
大量のフッ化水素を急に発注し、しかも納期を無茶苦茶急いでいたと言われているので、こんな推測が成り立つと思う。


更にもう一つこんな話も

中台勢恐るべし!世界初の7nm モバイルSoCは中国勢が設計し台湾で量産
2018年11月16日 | 服部毅のエンジニア論点

10月11日の日本経済新聞に「華為技術、半導体事業強化 AI向けチップ量産」という見出しで「中国通信機器大手の華為技術(英語名はHuawei)が、人工知能(AI)向けの高性能な半導体チップの量産を始めると発表した。米中貿易戦争の長期化で供給に対する懸念が強まっており、中国企業が自前で半導体を製造する動きは今後も広がりそうだ」という内容の記事が掲載された。いかにもHuaweiが中国国内で先端ロジックICチップを大量に製造し始めるとも取れる内容で、そのように読んだ読者も多かっただろうが、実際はどうなのだろうか?この辺の事情を探ってみることにしよう。

最先端7nmロジックICは台湾TSMCに注文殺到

現在、中国勢は、最先端7nm半導体ロジックICの設計をできるまでに成長してきているが、中国内には、まだ最先端の7nmプロセスでロジックIC を製造(前工程のウェーハ処理)できるインフラが整備されてはいない。7nm製品の受託製造(量産)に関しては、GlobalFoundriesが無期延期(事実上中止・撤退)したし、Samsung Electronicsの7nmシステムLSI量産ライン(韓国華城工場内)稼働は2020年頃になるので、7nm 製品の量産委託は台湾TSMCに集中している。
・・・以下略・・・

この話は、その前にアメリカのインテルが10nmの相当遅れてやっと今年の6月から出荷し始めた、こんな事を合わせて考えると良く分かります。

Intel、10nmの「Ice Lake」プロセッサを6月より量産出荷
~7nmプロセスの“汎用GPU”も2021年に投入
佐藤 岳大2019年5月9日 13:52
詳細はリンク先参照ください

じつはこの10nmプロセッサー、量産開始が遅れに遅れていたのだとか。そんな状況の中でインテルが2021年にも発売開始と言っている7nmのプロセッサーを中台連合軍で作ってしまったというのだから、アメリカの技術の遅れも問題になってきたわけだ。


以上のような状況を踏まえると、この問題は米中の全面経済戦争の中の一部だと見ることができると思う。
根が深いし難しいですね。

いまこそハイテク国日本復活、そう捉えて日本も頑張っていきたい、そう思う次第です。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(14)

2019-07-17 16:57

韓国向け半導体材料の不正は中国がらみとの説


 韓国向け半導体材料の件でいろんな情報があるが、こんな話もある。
アゴラの宇佐美 典也さんが、問題は中国への不正輸出だと言っている。
サムスン、SKハイニックスは中国に工場を作ったが、日本から規制対象の半導体材料を輸出していない、だから日本から韓国への半導体材料の中国への横流しが有ると指摘している。


最初の日本から韓国へのフッ化水素の輸出量についてのデータ。

2019-7-17日本の韓国へのフッ化水素輸出量
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-07-12/PUIT1KT0G1L501

日本から韓国へのフッ化水素の輸出量は2017年から増加しているとのデータ。


こんな事を踏まえ、では宇佐美典也さんの記事を見てみたい。

<以下アゴラより引用>

韓国への輸出規制の背景に見え隠れする中国の国家戦略(特別寄稿)
2019年07月10日 17:00
宇佐美 典也


1. 本稿の趣旨
 前回の寄稿では半導体材料輸出規制の内容について概観したが、これが幸いにして好評を博したようなので、今回は「徴用工問題への対応」に決して止まらない今回の措置の背景事情を説明させていただこうと思う。具体的には、今回の輸出管理の運用の見直しの狙いの整理、韓国の不適切貿易管理の実態、その背後にある中国製造2025をめぐる国際緊張、についてまとめることとする。

2. 制度見直しの狙いについての整理
前回の記事でも述べたように今回の輸出貿易管理体制見直しは、

A 韓国をホワイト国としたままで特定3品目(フッ化水素、EUV用レジスト、フッ化ポリイミド)については即座に包括輸出許可から個別輸出許可に切り替える

B 韓国をホワイト国リストから外す

という二重構成になっている。(なおレジストについては、適用が最先端のEUVプロセス向けのものに限られることからEUVレジストと表記している。)この二つの措置は連動して大きな目的の達成を目指すものではあるが、それぞれの措置が実現する法律効果は当然異なる。経済産業省はパブリックコメントの説明資料において、A、Bの改正目的を一括して

「大韓民国の貿易管理に係る規制(キャッチオール規制)が不十分であることに加え、同国との信頼関係が著しく損なわれた中で、同国の貿易管理制度の適切な運用の確認が困難になったことから実施するものであり、仮に規制改正を実施しない場合、適切な輸出管理体制が維持されない可能性がある。」

と説明しているが、これをあえて切り分けて整理すれば

・大目的は「適切な輸出管理体制の維持」であり、

・前段の「同国との信頼関係が著しく損なわれた」ことに対応する措置がBの「ホワイト国外し」で、

・後段の「同国の貿易管理制度の適切な運用の確認が困難になった」ことに対する短期的な対応がAの特定3品目の個別輸出許可への切り替え

ということになる。つまりは現実の問題として特定3品目(フッ化水素、レジスト、フッ化ポリイミド)についてはすでに適切な貿易管理の確認が困難になっているという問題/事実があり、信頼関係が著しく損なわれた国(=韓国)との間では話し合いでは解決が望めないため、短期的にはこれらについては個別輸出許可に切り替えて管理を強化し、この際信頼できない国である韓国はホワイト国から外す、という構成である。


3.  特定3品目に関する不適切な貿易管理の実態
では特定3品目について不適切な貿易管理が疑われる事案があるかというと、これはすぐに報道ベースで確認できる。

①フッ化水素

まずフッ化水素についてであるが、サムスンは現在中国の西安にフラッシュメモリ工場建設にむけて2兆円規模の投資を進めていることを明らかにしている。ここで当然疑問に思うのが「この工場で使われるフッ化水素はどこから入手するのか」ということだが、韓国に超高純度フッ化水素を作る技術がない以上、日本から輸入されたフッ化水素が韓国から中国に横流しされている可能性が高いと言わざるを得ない。ほぼ100%といってもいいだろう。

他方で日本はホワイト国ではない中国に対していわゆるキャッチオール規制に基づき原則130nm以下の線幅の集積回路の製造技術の輸出を厳しく貿易管理をしている。つまり日本は安全保障上の理由で中国に最先端の半導体プロセス工場ができることを必ずしも歓迎していない。それにも関わらず日本が管理できない形で、韓国が中国に最先端の半導体工場の投資を進め、ましてや日本からのフッ化水素が韓国から中国へ横流しされているという事態は到底受け入れられない。なおこれはサムスンに限った話ではなく、SKハイニックスも江蘇省で新生産工場の建設を進めており、同様の疑問が持たれる。

②EUVレジスト

つづいてEUVレジストに関してだが、こちらはもっと切迫している。

現在中国は「中国製造2025」というビジョンを掲げており、半導体の国産化をめざすことを公言している。これに対してアメリカは激しく反発しており、米商務省は中国政府肝いりのDRAMメーカーであるJHICCを標的に知財訴訟や輸出規制などの施策を続けざまに打っている。つまりアメリカから技術を手に入れる道は絶たれている。では中国はDRAM製造技術をどこから手に入れようとしているかというと当然韓国である。中国の公正取引委員会はDRAM主要三社(サムスン、SKハイニックス、Micron)に対して技術移転を強制すべく圧力をかけている。

この動きに対してアメリカ企業であるMicronはアメリカ政府と歩調を揃えて抗戦しているのが、サムスンやSKハイニックスは前述の通り折衷案として中国へ投資することになった。

前段が長くなったが、半導体の最先端プロセス技術であるEUVリソグラフィーはまずロジック半導体、続いてDRAMに導入されていくと考えられている。他方で日本は中国に対して輸出貿易管理令別表7、貨物省令第6条、第19条等に基づいて最先端半導体プロセスに関する貨物の輸出、技術移転は厳しく管理する方針をとっており、韓国、中国のこうした動きは当然受け入れられない。

なおこうした集積回路に関する貿易管理は2018年末から2019年前半にかけて強化されており、これは「中国製造2025シフト」とでも言えるものである。

③フッ化ポリイミド

最後にフッ化ポリイミドについてだが、これは有機ELの製造プロセスにおいて重要な役割を果たす材料である。他方で2018年11月にサムスンディスプレーから中国パネル企業に大規模な先端技術の流出事案があったことが広く報道されている。この流出事案は製造装置メーカーも絡む組織的な事案との疑いもある。そしてこのフッ化ポリイミドについても当然輸出貿易管理令別表5等に基づいて中国に厳しく貿易管理されている品目である。

4. まとめ
このように報道ベースでも韓国の貿易管理の不適切な実態は十分に確認できるものである。まとめると

・今回の一連の輸出管理見直しの、背後には半導体国産化を目指す中国の国家戦略である「中国製造2025」がある

・アメリカは中国製造2025に対して強烈に反発しており、同盟国である日本もその動きに同調した制度改正をここ数年進めてきた

・こうした事態を受け中国は韓国からの技術入手、最先端品目の迂回入手の動きを強めてきた。そしてサムスン、SKハイニックスはその動きに逆らいきれず中国に先端工場の投資を決断している

・こうした動きは当然日本の貿易管理政策としても受け入れられないもので、従来であれば準同盟国である韓国とは話し合いで問題を解決するところであったが、すでに話し合いできる信頼関係が失われたと政治的な判断がなされた

・そのため特定3品目については即座に貿易管理の強化を行うとともに、韓国の扱いに関しては実態を反映してホワイト国リストから落とす手続きに入った

というところであろう。

以上、今回の措置の背景事情について概観してきたが、最後に一言だけ私見を述べておくと「フッ化水素が韓国から北朝鮮に流れている」などという仮説が一部でささやかれているが、この点については確認できるソースが全くなく、またミサイル製造などの軍事用途で半導体グレードの超高純度のフッ化水素を必要とする事情もないので(それがなくとも中国は大量にミサイルを製造している)、そのような根拠の乏しい陰謀論を唱えるのは、少なくとも政治家やメディア関係者などの責任ある立場の方々は控えるべきかと思う。

<引用終り>


私は半導体の製造技術に関しては全く素人。しかしフッ化水素の輸出量の急増は、現在半導体はモノ余りである現状から見てもあまりにも不自然。やはりこんな所が韓国が横流ししていた証拠なのだろう。そして疑問に思った日本側が何度会談を呼び掛けても応じず、挙句の果ては日本の抜き打ち調査で不適切な事例がばれた。

まだまだ膿が出てくるのではないだろうか。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(12)

2019-07-14 10:40

平成の30年を振り返る


 日本の税収がついに、遂に、つっいに~、バブル期のピークを越えたと報道されている。

国の税収、過去最高=バブル期超え、60.4兆円-18年度
2019年07月02日18時40分

前回、国の税収が60兆円を超えたのは、昔も昔、バブル期の1990年度(60兆1059億円)。それから実に28年もの苦しい時代を経て、今やっと2018年度は1990年度越えの60兆3564億円にたどり着いた。
恐らく一部の心ある人たちは密かに祝杯を挙げていたと思う。余りにも長い閉塞の時代だったからだ。

この間の日本の財政がどうなっていたのか、これは税収、歳出、公債の推移グラフ。

2019-7-8一般会計税収、歳出、公債発行額推移改訂版

この通称ワニの口のグラフ、歳入と歳出が大きく乖離し、ワニがガバっと口を開けているように見える事からそう呼ばれている。

このグラフを見ると分かるのだが、1980年代までは歳入と歳出のグラフはほぼ平行、歳出が伸びれば歳入も伸びる。歳入は約2年遅れで歳出に追いついていた。この状態なら極めて健全と言って良いだろう。しかしバブル景気真っ只中の1990年にピーク(60.1兆円)を打ち、その後、バブル崩壊を受けてワニが口を開けるように歳入と歳出が乖離していく。
更に1998年、金融ビッグバン、消費税増税、アジア通貨危機と重なり、さらにワニが口を開けてきた。このワニの口が一番大きく口を開けたのが、あの悪夢の民主党政権時代。税収が歳出の半分以下、こんな恐ろしい時代が4年も続いたのだった。この為、国の借金である国債の大増発。現在もその借金の後始末が続いている。
勿論当時の民主党連中はまったく反省していない。名前が民主党ではまずいと見て、民進党からナンチャラ党をへて、今では立件民主党だか国民民主党だか、とにかく党名ロンダリング中だ。


その間世界はどうだったのかと言えば、

これは日米中の名目GDPの推移

2019-7-11日米中名目GDP推移1
2019-7-11日米中名目GDP推移2

1990年と言えば平成2年、この年、日本のGDPは中国の8倍アメリカの約半分強(0.53倍)だった。
堂々たる大国である。
がしかし、その後の日本は長い長い停滞に沈み、失われた10年だ、失われた20年だと言われる時代が続いてきた。GDPは2010年に中国に抜かれて世界第3位に、そして2018年には中国は日本の2.7倍である。
この間世界は、1989年(平成元年)のベルリンの壁崩壊、1991年のソ連崩壊で冷戦時代が終わった。この事をとらえて、平成の30年は敗北の時代、日本人が怠けていた為だ等と宣う御仁もいる。

こんな時代を現在の目で振り返ってみると、今後の進路への参考になる部分が多い。そこで私なりに振り返ってみた。

題して「平成の30年を振り返る」。三つに分け、90年代、2000年代、2010年代と見てみたい。

今考えてみると、この時期は日本の第二の敗戦と捉えるのが正しいのではないかと思っている。鉄砲の弾一つ撃ってもいないのに敗戦?、何じゃそりゃ、そう言われる方が多いと思う。しかしまぎれもなく敗戦である。どことどう戦ったのか。


一寸ターニングポイントを考えてみたい。

最初は1985年(昭和60年)のプラザ合意(平成ではないが・・・)

貿易赤字、財政赤字の双子の赤字に苦しむアメリカ。そのアメリカが双子の赤字の原因である為替をドル安・円高に誘導するため開いた会議。アメリカ、日本、西独、イギリス、フランスの財務相・中央銀行総裁を集めて、為替の適正化を宣言したもの。
・・・と言えば聞こえはいいが、日本をターゲットにした円高・ドル安政策を確認したもの。
(G5が姿を現した最初の会議、翌年からイタリア、カナダが入ってG7になった)
(アメリカは何かやるときは必ず仲間を引っ張り込む。その為にG5の枠組みを作った)

このプラザ合意の結果、円の為替レートは1ドル240円が2年後には120円まで円高ドル安。
これだけ円高になれば、当然輸出は大打撃を受ける(事実受けた)のだが、日本は円高不況で苦しみながらもそれを克服してきた。

このプラザ合意での円高とその結果は世界の日本への認識を変えるものだった。

それまでの常識は、『日本製品は品質も良くなったが、安いから売れるんだ』だった。
(だから円高になれば日本製品は高くなり、売れなくなるはずだ。これが円高誘導の狙い)

こんな認識だったのだが、いざ円高にしてみたら話が違っていた。

あれだけ円高になっても売れる。『日本製品は高くても品質が良いから売れるんだ』。こう認識が変わった、そんな出来事だった。

もう一つ言えば、1987年10月、ブラックマンデーで株が暴落した。勿論日本も暴落したのですが、日本は当時すでに始まっていたバブルもあり、ブラックマンデーの暴落分を半年後には回復、さらなる株の値上がりへと向かいます。
このブラックマンデー対策が日本のバブルの原因の一つとなった。


さてこの頃から、日本の状況を苦々しい目で見ていた国が有る。アメリカだ。
そのアメリカの対日感情を極端に悪化させた二つの問題。

日米関係での重要な出来事

① 三菱地所によるニューヨークのロックフェラーセンター買収問題
1989年10月、三菱地所はニューヨークの目抜き通り5番街にある複合施設、ロックフェラーセンターを約2200億円で買収した。
しかしこれは、「ジャパンマネーが米国の魂を買った」、こう言われ、アメリカ世論の猛反発を受けた。(結局、95年には破綻、約1500億円の損失を出す結果に)

 湾岸戦争での日本の不参加問題
 1990年8月のイラクによるクウェート侵攻で始まった湾岸戦争。アメリカは日本に、同盟国として戦費の拠出と共同行動を求めた。しかし日本は国内の反対などで人的貢献は行わず、戦費も90億ドル(当時のレートで1兆2千億円)出したものの小出しに少しずつであった。
結果として、日本はカネは出すものの血も汗も流さない、卑怯者の国というレッテルを貼られてしまった。91年4月に停戦、その後自衛隊はペルシャ湾で掃海活動を行ない人的貢献もしたのだが、一旦悪化したアメリカの国民感情を変えるものにはならなかった。


さてこれからが本題です。

日本はアメリカの仕掛けた対日戦争に否応なく巻き込まれていきます。
しかも日本人は戦争を仕掛けられたことすら意識していない・・・。何とも厄介な状況に追い込まれます。戦争と言っても鉄砲を撃つだけが戦争ではありません。情報戦争も経済戦争も戦争なのです。
そして最近中国が超限戦という概念を打ち出しましたが、これを一番よく実践していたのはアメリカ(とソ連ロシア)でした。
実は私もこの当時、どうしてアメリカはこんなにも日本に敵対するようなことをするのか理解できませんでした。

バブル崩壊後の日本は猛烈な不況の真っ只中。そんな中、日本に見切りをつけ、海外に活路を求めていったわけです。

そんな事でアメリカが日本にどんな戦争を仕掛けてきたか、そんな実例を示したいと思います。


最初は、日本はアメリカの潜在的敵性国に認定、日本に対し封じ込め政策を実施する

この件は伊藤貫氏の以下の著作に詳しい。

自滅するアメリカ帝国 日本よ、独立せよ 2012年3月刊 文春新書 伊藤貫著
2017-3-18-0.jpg
以下エントリー参照ください。
日本は潜在的な敵性国 2017-03-18 22:15

以下要点をかいつまんで・・・。

第2章 驕れる一極覇権戦略   ■一九九〇年「日本封じ込め」

 一九八九年末にベルリンの壁が崩れて東西陣営の対立が終わると、米政府は即座に、「世界を一極構造にして、アメリカだけが世界を支配する。他の諸国が独立したりリーダーシップを発揮したり、独自の勢力圏を作ろうとすることを許さない」というグランド・ストラテジーを作成した。ブッシュ(父)政権のホワイトハウス国家安全保障会議が、「冷戦後の日本を、国際政治におけるアメリカの潜在的な敵性国と定義し、今後、日本に対して封じ込め政策を実施する」という反日的な同盟政策を決定したのも、一九九〇年のことであった。
・・・中略・・・
 公式の席では日本に対して、「日米同盟は、価値観を共有する世界で最も重要な二国間同盟だ」とリップ・サービスしておきながら、実際には日本を”潜在的な敵性国”とみなして強制的な貿易政策を押し付けてきた一九九〇年代のアメリカーーブッシュ(父)政権とクリントン政権ーーのやり方は、ウォルツが指摘したように「権力の濫用と腐敗」を体現したものであった。
・・・以下略・・・

もう一つ、今度はジャパン・ハンドラーのジョセフ・ナイがさいきんこんな事を言っています。
いまだからこそ言えるアメリカの本音です。


以下読売新聞2018年11月4日朝刊1面のジョセフ・ナイの寄稿文から抜萃

タイトル
[地球を読む]東アジアの将来 「トランプ流」 日米同盟に影…ジョセフ・ナイ 国際政治学者
2018年11月4日5時0分
・・・前段略・・・
 日中間の力の均衡はここ数十年で著しく変化した。中国の国内総生産(GDP)は2010年にドル換算で日本を追い越した。。。。中略・・・
 つい20年ほど前、多くの米国民が恐れたのは中国ではなく、日本に追い越されることだった。米国を抜きにした日本主導の太平洋ブロックの出現はもとより、日本と米国の戦争さえ予測する本がいくつも出版されたものだ。
・・・中略・・・

 1990年代初頭、多くの識者が日米同盟は冷戦の遺物として捨て去られると信じていた。貿易摩擦が高まる中、92年大統領選に名乗りを上げたポール・ソンガス元上院議員のスローガンは「冷戦が終わり、日本が勝利した」であった。

 この選挙で勝利したクリントン大統領の政権は「ジャパン・バッシング(日本たたき)」で始動した。
・・・以下略・・・

詳細は以下エントリー参照ください
「ジャパン・ハンドラーの言いたい事 2018-11-05 15:35」


では例えば具体的にどんなことがあるか、

アメリカと日本の間で、日米貿易不均衡の是正を目的として1989年から1990年までの間、計5次開催された2国間協議である。1993年に「日米包括経済協議」と名を変え、1994年からはじまる「年次改革要望書」「日米経済調和対話」への流れを形成した。
尚、「Structural Impediments Initiative」は、正確には「構造障壁イニシアティブ(主導権)」と訳すべきであり、政府による「イニシアティブ(主導権)」を「協議」との誤訳。
尚、この会議で駐日アメリカ大使アマコストは、その強硬な主張から「ミスター外圧」と呼ばれた。

② 年次改革要望書 ・・・内政干渉。
1993年(平成5年)7月の宮澤喜一首相とビル・クリントン米大統領との会談で決まったもので、最初の要望書は1994年(平成6年)。(2009年(平成21年)に廃止)
一応日米双方が要望を出し合う形をとっており、内政干渉ではないという体裁だが実際は内政干渉。
だから日本からアメリカへの要望が実現したことは無い。


そして産業界の対応の例として、トヨタはアメリカGM製のクルマを「トヨタ キャバリエ」として国内販売に踏み切る。

トヨタキャバリエ 4ドアセダンと2ドアクーペ
2019-7-14トヨタキャバリエ

右ハンドル化やウインカーレバーの移設などをした米国GMのシボレー・キャバリエ。1996年に発売された。輸入車としては異例の低価格戦略、万全のサービス体制のもとで販売されたが、トヨタの販売力をもってしても成績は低迷。2000年には輸入が打ち切られた。

但し、キャバリエの名誉のために補足すると、アメ車らしいゆったりした走りは一部のアメ車ファンには販売打ち切り後も結構人気が有った。曰く、アメ車らしい走りで、メンテはトヨタディーラーなので万全。部品だって確保されているから心配ない。こんないいアメ車は無いのだそうだ。

この当時のアメリカの対日感情がいかに悪かったか、そのいい例が有ります。
1999年、アメリカのジャーナリスト対象に20世紀のもっとも大きなニュースは何かを調べた調査結果。20世紀と言えば、飛行機も発明や人類の月への到達、共産主義ソ連の誕生と崩壊、相対性理論など色々あるが、この結果は、1位~広島長崎への原爆投下、2位~人類の月への到達、3位~真珠湾だった。
以下エントリー参照ください


長くなりました。
こんな事情で日本が長い長いデフレと停滞に入って行くわけですが、最後にその原因を証明する証言が有ります。

これは2017年の月刊Hanada4月号に載っていた話。
「蒟蒻問答」という対談のページで、堤 堯(つつみ ぎょう)氏(元文藝春秋編集長、常務など歴任)が言っているのだが、日本がデフレ脱却をやる方法は分かっていたのにやらなかった理由が分かります。
詳細は下記エントリー参照ください。
「お役人様の本心を垣間見る 2017-03-12 13:43」

要点は
 円高デフレが十年ほど続いた頃、俺はいずれ財務省のトップになると目される官僚にこう言ったことがある。アメリカをはじめ他の国は通貨を刷り増している。ドルは三倍、ユーロは二倍、ポンドは四倍、スウェーデンのクローネに至っては七倍に刷り増している。なのに、円だけ刷り増さなきや円高デフレになるのは当然だ。円を刷り増したらどうか、とね。彼はこう返した。
 「そんなことをしたら、アメリカが機嫌を悪くしますよ」
 通貨発行権は国の主権だ。主権を行使するのに、他国の顔色を窺う必要なんかない。何を言っているんだと、しばし呆れて彼の顔を見詰めた
 世界で通貨を発行している国は百八十九力国。ここ十年間の通貨発行量の伸び率を比べると、なんと日本は最下位の百八十九位だという。つまり、日本はそれだけ通貨発行量を抑えに抑えてきたんだね
 アメリカにすれば、日本が円高デフレの状態にあるのが望ましい。日本のカネがアメリカに流れるからだ。下手に金融緩和を言えば、アメリカに睨まれて出世に障る。それが財務官僚の本音だ。
<引用ここまで>


こんな事で日本は長い長い停滞に入って行きます。
しかしここまでで、日本がアメリカとの第二の戦争に敗れたのが良く分かると思います。

(続く)

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2019-07-07 17:06

韓国向けの輸出規制、第二弾の内容


 韓国向け半導体材料の輸出規制で韓国が騒いでいる。がしかし、今回の3品目は序の口で、さらにホワイト国指定から削除することが公表されている。
このホワイト国指定とはどういうものか、丁度経済産業省からそれを説明する資料が公表されているので紹介したい。
これを見ながら、私も海外進出するにあたって、機械や部品、材料など輸出とはなんと面倒な事かと痛感したことを思い出した。
それではその内容は

これか「安全保障貿易管理について」と題する経産省の説明資料。

https://www.meti.go.jp/policy/anpo/seminer/shiryo/setsumei_anpokanri.pdf
2019-7-7安全保障貿易管理について1

日本のような先進国の持つ貨物や技術が武器など軍事転用され、我が国・国際社会の安全を脅かすおそれのある国家やテロリスト等に渡ることを防ぐための輸出管理である。

以下その内容の一部。

問題は日常ありふれたものと思っているものでも、核兵器など大量破壊兵器に転用可能ということ。
例えばこれはその事例
2019-7-7安全保障貿易管理について2 
さてその全体像はというと

2019-7-7安全保障貿易管理について3


7月4日のエントリー「半導体材料の韓国向け輸出管理を厳格化、信頼関係毀損で-経産省 」でも書いたホワイト国という聞きなれない言葉はこんな内容。

2019-7-7安全保障貿易管理について3-1

これが規制品目のリスト。膨大な量です。
この一点一点に細かいスペックが付いていて、どれがいい、どれがダメとなる訳です。

私が海外進出を準備していたのはもう20年以上前ですが、色んな機械や物品が規制対象かどうか調べて、メーカーから規制外証明書を取り寄せたり、大変だった記憶が有ります。

今回の規制品目3点(フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素)には赤四角印をつけました。

2019-7-7安全保障貿易管理について4


2019-7-7安全保障貿易管理について5

こんな事でホワイト国から除外されると、こんな規制をまともに喰らう事になります。
この新しい規制は2019年8月中には施行される予定です(現在パブリックコメント募集中)。

7月6日のエントリー「半導体材料の韓国向け輸出管理を厳格化<核心は安全保障問題 」で、こんな朝鮮日報の記事を取り上げました。
【朝鮮日報】 大量破壊兵器に転用可能な戦略物資、韓国からの違法輸出が急増 第三国経由で北朝鮮・イランに運ばれた可能性も [05/17]
 2019/05/17(金) 10:02
3年でおよそ3倍…生物・化学兵器系列が70件で最多』 

韓国というのはこんな「ダダ洩れ」状態の国なんですね。ザルで水をすくう、そんな言葉がぴったりでしょう。
尚、この記事については裏の桜さんも以下記事で取り上げています。
http://sakuraura.blog.fc2.com/blog-entry-5072.html

韓国が先進国からテロ支援国家、悪の枢軸国家になる日が近いということだと思います。


所でここでもう一つ、韓国がホワイト国になれた理由に私は不審なものを感じます。
韓国がホワイト国指定を受けたのは2004年のこと。

日本は小泉純一郎の時代(2001年4月-2006年9月)、アメリカはブッシュジュニアの時代(2001年1月-2009年1月)、そしてブッシュ政権で国防長官をしていたのはラムズフェルド(2001年-2006年)でした。

このラムズフェルドはブッシュ政権に入る前、スイスにあるグローバル企業ABB社の取締役会に唯一のアメリカ人として入っていました。そしてABB社は北朝鮮の軽水炉事業(KEDO)の軽水炉2基を受注した企業です。KEDOは1994年にクリントン大統領との枠組み合意で始まった核開発凍結の代わりの事業で、建設費用は日本30%、韓国70%を負担。しかしその後北朝鮮は核開発を継続、KEDOは2003年1月には破綻、2005年には解散。

そんな事情ですが、このラムズフェルドに関して疑問を呈した記事が有ります。
フォーチュン誌2003年5月12日号掲載記事ですが、以下で訳文を見ることができます。
「極東アジアの真実」ブログ
「北朝鮮、核開発は本当に独自開発か?」
2016-01-21 15:43:49 
https://blog.goo.ne.jp/xenaj/e/69bea5b0a124e7b19f689cbc887eb1a2

フォーチュン誌2003年5月12日号掲載記事の英文の概訳ですが、以下冒頭部分を引用。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
北朝鮮コネクション・・・ラムズフェルド国防長官は、北朝鮮核施設建設のためのABBの取引について何を知っていましたか・・・何故、それについて話さないですか?
(リチャード・ベアール執筆、研究協力・ブレンダ・チェリー 2003年5月12日)

ラムズフェルド国防長官は自分の主張を留めておくようなことをしない人で、勿論妥協もしません。北朝鮮政権については明確に軽蔑しています。アメリカ政府が北朝鮮に対し、核兵器開発計画の断念引き換えに、2基の軽水炉建設計画同意に対し論議を呼びました。
1994年の取り決め、ラムズフェルド国防長官見解に関する公的記録が存在しない事実、非常に驚かされます。

驚くのは、北朝鮮の軽水炉建設設計と基本部位を提供する2億ドル事業受注企業の役員に就いていました事実について、ラムズフェルド国防長官が黙っていることです。
スイス・チューリッヒを本拠とする巨大企業ABB社(電力関連、重電、重工業を主たる業とする、スイスに本社を置く典型 的多国籍企業で、100カ国以上に進出)、北朝鮮との契約は2000年締結、ラムズフェルド国防長官が役員職を辞任してブッシュ政権に入るより前のことです。
・・・以下略、詳細は上掲リンク先参照ください・・・
<引用終り>

以下略の部分には疑惑が縷々書いてあるが、疑惑でとどまっている。
しかし2004年に日本が韓国をホワイト国に認定した理由がどうにも納得できないが、そんな疑惑の匂いがする記事ではある。
この件はこれ以上は分からないので、この辺りにします。

韓国向け規制第二弾は大正が幅広く、大変だと思います。
しかし、これでやっと日本が普通の国になれそうです。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(17)

2019-07-06 18:42

半導体材料の韓国向け輸出管理を厳格化<核心は安全保障問題


 7月4日のエントリー『半導体材料の韓国向け輸出管理を厳格化、信頼関係毀損で-経産省』 に皆さんからコメント欄でいろいろ有意義な情報をいただいたので調べてみた。

特に wannabers  さんから遠路はるばるいただいたコメントと(ネットに距離は関係ないかも(笑))と Kamosukeさんにそのソースを調べていただいたので、最初にそれを紹介します。
 wannabersさん 、 Kamosukeさん どうも有難う御座いました。

これが wannabers さんのコメント
掲示板の情報ですが
本件についてやたら詳しい人の書き込みを見つけました。
韓国が管理対象製品の横流しを急増させたのは2017年から。
2017年はこれまでの4倍、2018年は前年の3倍、2019年はここまで2018年の4倍のペースとのことです。これは韓国内で確認されていてニュースにもなっているとのこと。
私自身は一次資料で確認していませんので恐縮ですが、ご参考になればと思います。
2019-07-05 20:00   wannabers 


これが Kamosukeさんのコメント
wannabersさんの情報
これですよね。確かに非常におもしろかった。

こちらの人の、後半の書き込みも興味深いです。
2019-07-05 21:40   Kamosuke 


この話ですが、ソースは確認できませんが、この報道が近いかもしれません。

【朝鮮日報】 大量破壊兵器に転用可能な戦略物資、韓国からの違法輸出が急増 第三国経由で北朝鮮・イランに運ばれた可能性も [05/17]
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/05/17/2019051780021.html

残念ながらこの記事は(朝鮮日報の記事は1週間しか読めないので)現在は読めませんが、以下で読むことができます。

また元記事も日本語記事は読めませんが、韓国語記事は読むことができます。
(カイカイchで自動翻訳を読むことができます)

ではその朝鮮日報の記事。
<以下5Chより引用>

【朝鮮日報】 大量破壊兵器に転用可能な戦略物資、韓国からの違法輸出が急増 第三国経由で北朝鮮・イランに運ばれた可能性も [05/17]
 2019/05/17(金) 10:02

3年でおよそ3倍…生物・化学兵器系列が70件で最多 

ミサイルの弾頭加工やウラン濃縮装置などに転用できる韓国産の戦略物資が、このところ大量に違法輸出されていることが16日に判明した。大量破壊兵器(WMD)製造にも使える韓国の戦略物資が、第三国を経由して北朝鮮やイランなどに持ち込まれた可能性もある。 

保守系野党「大韓愛国党」の趙源震(チョ・ウォンジン)議員が産業通商資源部(省に相当)から提出を受けた「戦略物資無許可輸出摘発現況」によると、2015年から今年3月までに政府の承認なく韓国の国内業者が生産・違法輸出した戦略物資は156件に上った。 

2015年は14件だった摘発件数は、昨年は41件と3倍近くに増えた。さらに今年は、3月までの摘発件数だけでも31件に上り、急増する様子を見せている。 

戦略物資とは、WMDやその運搬手段に転用できる物品や技術のこと。昨年5月には、ウラン濃縮などに使える韓国産の遠心分離器がロシア、インドネシアなどに違法輸出された。 

17年10月には原子炉の炉心に使われるジルコニウムが中国へ、また生物・化学兵器(BC兵器)の原料となる「ジイソプロピルアミン」がマレーシアなどへ輸出された。 

「ジイソプロピルアミン」は、北朝鮮当局がマレーシアのクアラルンプール国際空港で金正男(キム・ジョンナム)氏を暗殺する際に使った神経作用剤「VX」の材料物質でもある。15年9月と昨年3月には、北朝鮮と武器取引を行っているといわれるシリアに、BC兵器製造関連の物資などが違法に輸出された。 

戦略物資の違法輸出は、BC兵器系列が70件で最も多かった。通常兵器は53件、核兵器関連は29件、ミサイル兵器が2件、化学兵器が1件だった。韓国では、戦略物資を輸出する際、対外貿易法に基づいて政府の承認を受けるよう定めている。 

国防安保フォーラムのヤン・ウク首席研究委員は「北朝鮮の友好国に向けた違法輸出が増え続けており、第三国を経由して北朝鮮に渡った可能性を排除できない」と語った。 

2019/05/17 10:02 
<引用終り>


これはとんでもない話で、国連決議に国家ぐるみで違反していると言うモノ。
今回日本が規制しているのは3品目だが、他にも沢山あるということだ。
その結果は恐ろしいことになるのだが、韓国は何もわかっていない。

所で、日本政府の規制発表に関して、大韓民国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が有ったと公表されているが、その不適切な事案とは何か、これが韓国内でも問題になっているようだ。以下中央日報の記事

<以下引用>
日本「韓国、不適切な事案あるが、内容は秘密」…切り札か
2019年07月05日16時43分 
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] 

  日本経済産業省は1日、輸出規制強化を発表し「大韓民国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生した」と述べた。しかし、「不適切な事案」が何なのかについては一言も言及していない。4日後の5日にも経済産業省幹部は中央日報の問い合わせに対し「不適切な事案が何か、また韓国に同事案について伝達がなされたかを含め何も明らかにすることはできない」と口を閉ざした。輸出規制とホワイト国排除の決定的な理由でありながら、それが何かは輪郭も露出しないという回答だ。 
・・・中略・・・

  「不適切な事案」が何なのかについては様々な可能性が議論されている。まず、韓国に渡った部品や物資が本来の趣旨と異なるところに使われたと日本政府が主張する場合だ。戦略物資に関する「包括輸出許可制度」は輸出業者が輸出先を含めエンドユーザーまで細かく申告することになっている。ところが、実際にエンドユーザーが申告した内容と異なる場合、これを問題視し「不適切な事案」とみなす可能性がある。 
・・・中略・・・

  一方、日本政府は輸出管理を協議する当局間対話チャンネルが最近3年間途絶えていると主張した。朝日新聞などによると経済産業省幹部は「輸出管理の日韓当局者がここ3年間で1度しか会議を開けずに意思疎通ができない中、最近になって半導体材料の輸出に絡んで不適切な事案が続いた」と述べた。 

  戦略物資輸出入と関連して物資の開発と国際情勢の変化を議論するため、2年に1度協議をする必要があるが、2016年を最後に文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、一度も協議が行われていないのだ。これについて韓国側は「二国間会議以外にも多国間協議を通じて十分なコミュニケーションをしてきている」という立場だ。

<引用終り>


もう一つ カイカイchにこんなスレッドが立っている。
<以下引用>
カイカイch
韓国に輸出されたフッ化水素が北朝鮮とイランに送られ、ウラン濃縮の為に使用された可能性がある
2019/07/05(Fri) 13:30:02

此処にこんな書き込みが

今回規制をかけた3種目
本来ならあるはずの蓄積量の半分しか確認出来ていないということです。

韓国は、2011年頃からホワイト国に必要な品目を横流ししはじめたとされていますが、
その外部への横流しが2017年文在寅が大統領就任した直後から急増し、

2017年はこれまでの4倍 

2018年は2017年の3倍 

2019年である今年は2018年の4倍ペースで増加 

文在寅政権になってから50倍もの量を横流しし韓国内部の組織が確認し、ニュースにもなっているが、なんの対策も講じてこず日本との協議にも出てこないので、ホワイト国の指定解除は当然で、核不拡散条約違反も視野に入っているのが判っているので、協議に出てこないのです。

今回の問題を韓国政府はきわめて甘く考えているので、日本を歴史問題と通称を一緒に考えていると言ったり、WTOルールに違反していると言ったりと、いつもの調子で日本だけの問題でやっていますが、実際は、国際社会の平和を破壊する行為ですので、世界中が韓国の言動を注目しているのです。

韓国の立場は、この件で、先進国から一気にテロ支援国家まで落ちます。当然ですが、日本との合意や条約、協定を反故にしている事も国際社会は認識するので、今まで通りの経済活動は不可能になり、国家存亡の危機と言えます。
<引用終り>


 この韓国をどう扱えばいいか、その参考になる記事がある。昨年暮れ、自衛隊の哨戒機へのレーダーロックオン事件に関しての記事で、韓国に明るい元日経新聞編集委員の鈴置高史氏の話である。鈴置氏はアメリカ政府関係者の話として、「われわれが離れるとき韓国は焦土化する」と言ったとか。
これは理解できる。アメリカが最も嫌うのが「裏切り」。韓国のやっていることはその裏切りそのもの。しかも朝鮮戦争で北に攻め込まれ、あわや国家が無くなる寸前を助けてもらったのにだ。
さてその焦土化、どんなものになるかだが、先ずは鈴置氏の話を見てみよう。
これは少々古いが昨年12月29日の記事。

<以下引用>
レーダー映像公開…日米、韓国に金融制裁の可能性も? 米政府関係者「われわれが離れるとき韓国は焦土化する」 (1/2ページ)
2018.12.29

 韓国海軍の駆逐艦が、海上自衛隊のP1哨戒機に、攻撃寸前の火器管制用レーダーを照射した問題は、米トランプ政権が水面下で進める「米韓同盟消滅」の決定打となるのか。北朝鮮への制裁緩和を訴える文在寅(ムン・ジェイン)政権に対し、日米共同の金融制裁という報復措置がありうると専門家は指摘。米政府関係者は「われわれが離れるとき、韓国は焦土化する」と不気味な予告をしている。
・・・中略・・・

 ハリス駐韓米大使は11月、韓国誌『月刊朝鮮』で「米韓同盟は確固として維持されているが、当然視してはいけない」と異例の警告を発した。レーダー照射問題は、米政権側に募った韓国に対する不信感を一段と際立たせることになる。
・・・中略・・・

 「特に米国を怒らせたのは、欧州に制裁緩和を持ちかけ、米国を孤立させようとしたことだ。当然、欧州各国も応じるわけはなく、『韓国は何を考えているのか』と驚いた。世界中の専門家が韓国をけげんな目で見るようになっている」

 鈴置氏以外の日本人の専門家と情報交換した米政府関係者から、「われわれが韓国を離れるときは、このままでは離れない。焦土化する」といった発言があったという。

 「経済面でボロボロにするということだろう。韓国が北朝鮮の別動隊だということを世界中の人が見抜いており、韓国も北に連座する形で制裁対象になってもおかしくないという見方が強まっている」という鈴置氏。文大統領は南北統一という野心を隠しておらず、「南北共同の核保有は、米国以上に日本に脅威となる。日米共同の制裁もあり得る」というのだ。
・・・以下略・・・
<引用終り>


こう見てくると、安倍首相がイランに行ったこと。行ったが成果らしきものが見えない事。安倍さんがイランから帰ったら、イランがタンカーを攻撃という不思議な行動に出たこと。
こんな事が一連の流れとして見えてくるのではないか。

更に安倍さんがやれば勝てると見られていた衆参同時選挙を見送った、こんな事の裏にもこの辺りの切羽詰まった事情があるのではないか。これは私の妄想ですが、案外有り得る話かも。

いずれにしてもこの問題は、単なる報復と捉えてはいけない。国際社会にとって安全保障上の大問題だという風にとらえるべきでは無いでしょうか。

アメリカが去る時、韓国は焦土化する。今そのいい事例が有ります。20年前は南米随一の裕福な国だったベネズエラです。焦土化とはこんなものなのでしょう。

そして日本は大量の難民が押し寄せることへの対策が急務となっています。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(0)

2019-07-04 18:50

半導体材料の韓国向け輸出管理を厳格化、信頼関係毀損で-経産省


 「半導体材料の韓国向け輸出管理を厳格化、信頼関係毀損で」という経産省の発表が話題になっている。今まで散々煮え湯を飲まされてきたバ韓国、やっとこれからまともな関係になろうという話だが、韓国にとっては今まで散々甘い汁を吸ってきたツケ。大騒ぎしているようだ。

やっと日本が普通の国になれる。その第一歩でめでたい話だが、このニュース、どう解釈したものか考えてみた。
  
 最初にこれが経産省の7/1付 発表内容

<以下引用>
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190701006/20190701006.html
(経済産業省ニュースリリースより)

大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて
2019年7月1日

経済産業省は、外国為替及び外国貿易法(以下、「外為法」)に基づく輸出管理を適切に実施する観点から、大韓民国向けの輸出について厳格な制度の運用を行います。

輸出管理制度は、国際的な信頼関係を土台として構築されていますが、関係省庁で検討を行った結果、日韓間の信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない状況です。こうした中で、大韓民国との信頼関係の下に輸出管理に取り組むことが困難になっていることに加え、大韓民国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したこともあり、輸出管理を適切に実施する観点から、下記のとおり、厳格な制度の運用を行うこととします。

1.大韓民国に関する輸出管理上のカテゴリーの見直し
本日(7月1日)より、大韓民国に関する輸出管理上のカテゴリーを見直すため、外為法輸出貿易管理令別表第3の国(いわゆる「ホワイト国」)から大韓民国を削除するための政令改正について意見募集手続きを開始します。

(参考)https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public
(引用者注:これはパブリックコメントについてのページ)

2.特定品目の包括輸出許可から個別輸出許可への切り替え
7月4日より、フッ化ポリイミドレジストフッ化水素の大韓民国向け輸出及びこれらに関連する製造技術の移転(製造設備の輸出に伴うものも含む)について、包括輸出許可制度の対象から外し、個別に輸出許可申請を求め、輸出審査を行うこととします。

<引用終り>


この発表に対し、淡々と事実を述べているのがBloombergの報道なので、最初にそれを引用

<以下Bloombergより引用>
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-07-01/PTXYP66KLVRG01

半導体材料の韓国向け輸出管理を厳格化、信頼関係毀損で-経産省

占部絵美
2019年7月1日 12:13 JST

フッ化ポリイミドなど3品目対象、韓国の「ホワイト国」指定も撤回
徴用工で具体的回答えられず、「不適切事案も発生」と経産省は説明

政府は1日、韓国への半導体材料3品目の輸出管理を4日から厳格化すると発表した。徴用工問題への解決策が韓国から示されない中で、両国間の「信頼関係が著しく損なわれた」結果、これら製品の適切な輸出管理が行うことができないと判断した。

  厳格化の対象となるのは、日本の供給比率が高いフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3製品で、関連する製造技術の移転も含む。政府は運用手続きを簡素化できる包括輸出許可制度から韓国を除外し、個別に輸出許可申請を求めて審査する。

  さらに、武器の転用や開発につながる恐れのある輸出貨物を規制する外為法輸出貿易管理令で、武器管理の徹底を条件に輸出規制を緩和する「ホワイト国」から韓国を除外するための政令改正手続きを開始する。

  経産省は今回の輸出管理厳格化について、徴用工問題の対抗措置ではないとした上で、20カ国・地域(G20)首脳会議(大阪サミット)までに徴用工問題の解決を政府は韓国側に求めていたが、韓国側から具体的な回答が得られなかったことを、一つの要因に挙げた。韓国に関連する輸出管理を巡り、「不適切な事案が発生した」ことも理由に挙げている。事案の具体的内容については説明していない。

<引用終り>


さてでは国内の報道はどうか。
最初にこれは読売新聞の報道。踏み込んだ報道である。
がしかし、私には読売新聞の報道は先ず事実を的確に述べるという意味で問題があると思う。
例えば、政府発表で「ホワイト国」なる言葉が出てくる。こんな重要な事項が抜けている。
また政府発表では「日韓間の信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない状況」とあり、これがまず大問題なのだが、記事では最後にちょっと述べているだけ。さらに「大韓民国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生した」とも言っているが、これについても言及していない。
調べてもこの不適切な事案というのが何なのか分からないが、読売新聞位の取材力なら調べて報道すべきだろう。
そんな疑問点を含めて読売記事を見ていただきたい。


<以下読売より引用>
読売新聞7月1日朝刊一面(記事が電子版で読めない為記事をスキャンしOCR変換しました)
2019-7-3読売新聞7月1日朝刊1面

半導体材料 対韓禁輸へ
徴用工問題に「対抗措置」

 日本政府は韓国に対し、半導体製造などに必要な化学製品の輸出管理を強化する。実質的には禁輸措置となり、半導体を主要産業とする韓国経済に大きな打撃となるとみられる。韓国人元徴用工訴訟を巡る問題で解決に向けた対応を見せない韓国への事実上の対抗措置となる。

 政府は1日に管理強化の方針を発表する。対象はスマートフォンのディスプレーなどに使われるフッ化ポリイミド、半導体の基板に塗る感光剤のレジスト、半導体の洗浄(引用者注:エッチング)に使うフツ化水素の3品目。韓国には、輸出手続きを簡略化する優遇措置を取っていたが、4日以降、対象から外す。いずれも日本が世界で高いシェア(市場占有率)を占め、軍用品に使われる可能性があるため、政府が輸出量などを管理している。

 優遇対象でなくなると、輸出ごとに政府への申請が必要になり、審査には90日程度かかる。さらに、日本政府は基本的に輸出を許可しない方針で、事実上の禁輸措置となる。

 フツ化ポリイミドとレジストの世界生産量は日本がほぼ100%、フツ化水素も約70%を占める。韓国半導体大手のサムスン電子やSKハイニックスなどの3品目の調達先は、いずれもほぼ日本とみられる。

 また、これら3品目以外に、通信機器などについても規制を強化する。安全保障を理由とした輸出管理制度で、米国など27か国に与えていた優遇措置の対象から韓国を除外する政令改正の手続きに入る。除外されれば、集積回路など安全保障にかかわる製品の輸出について、個別申請が必要になる。意見公募を経て8月中に改正する。

 日本政府は元徴用工訴訟について、日韓請求権・経済協力協定に違反する状態の是正を求めているが、韓国政府は応じていない。さらに、韓国海軍による自衛隊機へのレーダー照射問題など関係を悪化させる事案が相次ぎ、日本政府は「信頼関係に基づく輸出管理の継続は困難」と判断した。
<引用終り>

一寸ここで予備知識。
記事に出てくる「ホワイト国」とはどんな国か、以下がそのリスト(アイウエオ順)
・アイルランド
★アメリカ合衆国
★アルゼンチン
・イタリア
・英国
■オーストラリア
・オーストリア
・オランダ
★カナダ
・ギリシャ
・スイス
・スウェーデン
・スペイン
✖大韓民国・・・2019年8月削除予定
・チェコ
・デンマーク
・ドイツ
■ニュージーランド
・ノルウェー
・ハンガリー
・フィンランド
・フランス
・ブルガリア(2012年7月に追加)
・ベルギー
・ポーランド
・ポルトガル
・ルクセンブルク
全27カ国の地域別内訳
・:ヨーロッパ(21)、★:南北アメリカ(3)、■:オセアニア(2)、✖:アジア(1)
(注:EUは全部で28ヵ国だが、ホワイト国でない国もある。特に2004年~2007年の第五次拡大12ヵ国のうち8ヵ国はホワイト国ではない)
(個人的感想だが、ホワイト国とは白人国。唯一の例外は日本で、韓国はそのお情けで仲間に入れただけということ。だからEUは輸出管理のうえで特別優遇しているのは日本を含めて8カ国だけ。これには韓国は入っていない。また日本が韓国をホワイト国に認定したのは2004年のこと。だからホワイト国認定から外れても2003年以前に戻るだけのこと)
参考記事:誤解だらけの「韓国に対する輸出規制発動」2019,7,3 細川昌彦中部大学特任教授
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00013/

もう一つこれもオマケ
 安全保障の友好国が「ホワイト国」であると解説している報道もあるが、そうではない。例えば、インド太平洋戦略を共有するインドや海上共同訓練をするインドネシアなどもホワイト国ではなく、個別許可が必要。


さてここで、最近ますます「日本の敵」の本性を隠さなくなった朝日新聞の社説を見てみたい。

<以下引用>
https://www.asahi.com/articles/DA3S14079670.html

2019-7-4朝日新聞社説7月3日
社説
(社説)対韓輸出規制 「報復」を即時撤回せよ
2019年7月3日05時00分

 政治的な目的に貿易を使う。近年の米国と中国が振りかざす愚行に、日本も加わるのか。自由貿易の原則をねじ曲げる措置は即時撤回すべきである。

 安倍政権が、韓国への輸出の規制を強めると発表した。半導体をつくる材料の輸出をむずかしくするほか、安全保障面で問題のない国としての優遇をやめるという。

 日韓には、戦時中に朝鮮半島から労務動員された元徴用工への補償問題がくすぶっている。韓国政府が納得のいく対応をとらないことに、日本側が事実上の対抗措置にでた格好だ。

 大阪でのG20会議で議長だった日本は「自由で公平かつ無差別な貿易」を宣言にまとめた。それから2日後の発表は、多国間合意を軽んじる身勝手な姿をさらしてしまった。

 かつて中国は尖閣問題をめぐり、レアアースの対日輸出を止めた。米トランプ政権は安全保障を理由に鉄鋼などの関税を上げた。国際社会はこうした貿易ルールの恣意(しい)的な運用の広がりを強く案じているさなかだ。

 日本政府は徴用工問題を背景に認めつつ、「韓国への対抗措置ではない」などとしている。全く説得力に欠ける。なぜいま規制なのか、なぜ安全保障に関わるのか、具体的な理由を国内外に堂々と表明すべきだ。

 日本は今後の貿易をめぐる国際論議で信用を落としかねないうえ、日韓双方の経済活動に悪影響をおよぼす。そんな規制に矛盾した説明で踏み切るのは、無責任というほかない。

 今のところ、半導体の材料輸出そのものを禁じてはいない。だが審査期間が長引けば、供給や生産に響く。規制の運用によっては、韓国のかなりの生産が止まるとの見方も出ている。

 韓国と取引する日本企業にも被害が跳ね返る公算が大きい。将来的には韓国企業が供給元を変える可能性もある。

 政治の対立を経済の交流にまで持ち込むことが、日韓関係に与える傷は計り知れない。

 確かに徴用工問題での韓国政府の対応には問題がある。先月に示した解決への提案は、日本企業の資金が前提で、日本側には受け入れがたいものだ。

 しかし、今回の性急な動きは事態を一層こじらせている。機を合わせるように、韓国の司法当局は日本企業の株式を現金化する手続きを一歩進めた。韓国は世界貿易機関(WTO)への提訴も検討するといい、報復の応酬に陥りかねない。

 日韓両政府は頭を冷やす時だ。外交当局の高官協議で打開の模索を急ぐべきである。国交正常化から半世紀以上、隣国間で積み上げた信頼と交流の蓄積を破壊してはならない。

<引用終り>

もうこの社説、突っ込みどころ満載で、恐らく将来、朝日新聞が過去にカンボジアのポルポトを「アジア的優しさを持つ」と言って「170万人とも220万人とも言われる大虐殺を報道しなかった事例並みの評価を受けると思う。


この社説に関して、反論するより世耕大臣がツイッターで説明しているので、それを引用したい。

<以下世耕大臣のツイッターより引用>
https://twitter.com/SekoHiroshige/status/1146392569737121792

韓国への輸出管理上の措置について、なぜこの時期に?等の疑問がまだ寄せられているし、マスコミもまだ完全に理解できていないようなので、今回の措置に至る経緯を改めて説明します。
5:17 - 2019年7月3日

経緯①
従来から韓国側の輸出管理(キャッチオール規制)に不十分な点があり、不適切事案も複数発生していたが、日韓の意見交換を通して韓国が制度の改善に取り組み制度を適切に運用していくとの信頼があったが、近年は日本からの申し入れにもかかわらず、十分な意見交換の機会がなくなっていた。

経緯②
また近時、今回輸出許可を求めることにした製品分野で韓国に関連する輸出管理を巡り不適切な事案が発生している。

経緯③
さらに今年に入ってこれまで両国間で積み重ねてきた友好協力関係に反する韓国側の否定的な動きが相次ぎ、その上で、旧朝鮮半島出身労働者問題については、G20までに満足する解決策が示されず、関係省庁で相談した結果、信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない。

経緯④
輸出管理制度は、国際的な信頼関係を土台として構築されているものであり、経緯①〜③を勘案した結果、韓国との信頼関係の下に輸出管理に取り組むことが困難になっていると判断し、厳格な制度の運用を行い、万全を期すこととした。
<引用終り>

SNSとは凄いもので、マスゴミのフィルターを通さなくても政府の考えが分かります
朝日新聞のような韓国・朝鮮の走狗で日本の敵である存在に騙されなくても良くなりました。

例えば
アサヒの主張           世耕大臣の発言
報復を即時撤回せよ        マスコミもまだ完全に理解できていない(注:理解しない)
                 韓国との信頼関係のが無くなったことが原因だ

何故安全保障なのか説明しろ    今回輸出許可を求めることにした製品分野で韓国に関連する
                 輸出管理を巡り不適切な事案が発生
(引用者注:今回の対象品目の内フッ化水素(フッ酸)は核開発に必要な物質、これの横流しのことを言っているのではないかと推測される。続報を待ちたい。尚フッ化水素はウラン鉱石を精製し、6フッ化ウラン(ウラン濃縮に使う)を作る過程で必須の物質)

徴用工問題           旧朝鮮半島出身労働者問題だ。元々徴用で来た人ではない
                朝鮮人の徴用は昭和19年から、しかも高給だった

ほかにも色々ありますが、ここまでにします。



こんな問題について、では私はどうするかを考える良い事例が有ります。勝俣壽良さんのブログにそんな話が載っているので紹介します。
http://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/18632229.html

『中央日報』(7月1日付)は、「東京を去りながら」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のイ・ジョンミン論説委員である。
・・・中略・・・
 (3)「ある韓国人経営者の体験談だ。東京で複数の韓国料理店を持つこの経営者は最近、いくつかの店を整理しなければいけない危機を迎えている。大企業の団体会食が入ってこないからだ。「法人カードで会食をすれば総務課から『韓国料理店で会食をする必要があるのか』という電話を受けるため最初から来ない」ということだ。
以下略
<引用終り>

この事例で私はハタと膝を打ちました。一人一人がその持ち場立場でどんどん意見を言っていけばいいのです。しかも具体的に、その都度その都度です。
そのいい例が韓国料理店で会食をする必要があるのかこんな事ですね。

私の場合でいえば・・・。
朝日新聞を見たら。
⇒韓国は散々日本を侮辱してきた。おまけに天皇陛下(現上皇陛下)まで侮辱する。その韓国を朝日新聞はヨイショばかりしている。
こんな汚い新聞は見るのを辞めましょう。この新聞は日本、日本人の敵です。

私もこれから友人たちにこんな事をその都度言っていこうと思います。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(20)

2019-04-28 16:15

平成の30年で何が変わったか


 あと2日で平成も終わる。新しい令和を前にして、平成とは何だったのか、私なりの解釈を纏めてみたい。

一言でいえば、東西冷戦終結とともに始まった平成時代は、アメリカとの経済戦争の時代。そしてその経済戦争の勝者は中国だった。この第二の敗戦で日本国内はデフレに沈み、雇用は就職氷河期。そして企業は海外で稼ぐ時代へと経済構造を転換した。そしてやっとアベノミクスでその停滞から抜け出そうともがいている。そんな所と見ています。

私個人でいえば、日本国内ではもうこれ以上成長できない。だから海外に打って出よう。落下傘部隊で敵地深くに降りていき、そこでひと暴れしてこよう。あるのはやる気と知恵だけ。武器は敵の武器を分捕って使うんだ。こんな心意気でタイに行きました。

この事は海外に進出した多くの日本人が共通して心に持っていた想いでした。
その心意気は兎も角、家族がノイローゼになったりといった涙ながらの話も沢山聞きました。今もそんな思いの方が沢山みえると思います。

そんな事で日本がこの30年何で苦しんできたか、このグラフが一番良く分かります。名目GDPの推移です。

2019-4-28名目GDP推移日本アメリカ中国 
https://ecodb.net/exec/trans_country.php?d=NGDPD&c1=JP&c2=US&c3=CN

平成の初めには中国のGDPは日本の七分の一でした。それが2010年には日本を追い越し、現在は日本の2倍を超え3倍に迫ろうかと言う勢い。

その大発展の原動力がこれ、為替です。人民元レートを安く誘導し、中国を育て日本を叩きつぶす戦略。これが1993年のクリントン政権から始まりました。

2018-7-7ドル元レート推移

以下参照ください
アメリカの対中融和政策と日本 2018-07-10 17:25
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1541.html

このグラフを見ると、アメリカが無茶苦茶をやってきたことが良く分かります。
それに対し、日本の政治は余りにも無力でした…


そんな中で日本の産業構造がどうなったか。

これは日本の経常収支(国際収支)の推移

2017-10-1日本の経常収支推移グラフ1
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1453.html

これを見るとターニングポイントは2005年。ここからは国際収支の黒字は貿易収支を上回っている。
つまり海外への投資の「アガリ」が大きくなったわけだ。この事は2011年、未曽有の大震災と大津波、そして原発事故と言う大災害にも拘わらず「日本の経常収支(国際収支)が赤字にならない」という奇跡を起こしたことでわかる。

今でも新聞テレビでは日本は貿易立国だなどと戯言を言う羽織ゴロ、電波芸者が後を絶たないが、こんな実態をよく理解したいものだ。

もう一つ、製造業が収益構造を変えてきた証拠がこれ

2019-4-28製造業の収益構造の変化 
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201806/201806e.pdf

従来は、第一次所得収支の大半を証券投資収益が占めていたが、最近では、M&Aをはじめ活発な対外直接投資を背景に、直接投資収益の割合が高くなってきており、その海外資産からの収益が日本に還流することで我が国経常収支の収入源の様相が変わってきているように見える。

このような貿易収支の縮小と、所得収支、特に直接投資収益の拡大は、必ずしも独立の事象ではなく、一部産業の構造変化も反映していると考えられる。例えば、製造業では、海外展開の進展に伴い、これまで収益を支えてきた貿易による稼ぎ」から「投資による稼ぎ」へシフトし、収益が反映される項目が「貿易収支」から「所得収支」へ振り替わっていることが見て取れる。



冒頭紹介した「アメリカの対中融和政策と日本 2018-07-10 17:25」でトランプ大統領が戦っているのは過去3代の大統領(クリントン・ブッシュ(子)・オバマ)の失政と書きましたが、まさにその通りだと思います。

そしてアメリカの反日の大転換点は2015年3月、中国主導のAIIBにイギリス・ドイツ・フランスはじめ主要国が雪崩を打って参加する中、日本は不参加を貫きました。この結果対中国政策でのアメリカの孤立が回避されたこと。これが大転換点になりました。
そして現在は、トランプ大統領と安倍首相が4月5月6月と毎月のように有って会談する。恐らくペリー以来の日米交渉の歴史の中で前代未聞の緊密な関係。大変いいことだと思います。


以上が大きな平成の日本を取り巻く環境の変化ですが、そんな中で特に若い人に言いたい事。それはこれからの日本は世界に投資をして稼いでいかねばなりません。そのためには言葉はもちろんですが、世界に誇りうる日本を語れるような知識経験を身に着けて欲しいと思います。
特に発展途上国に対してはそんな感覚が必要ですが、アメリカなど先進国に対しても同じだと思います。

最後に現在の日米関係は大変良好と言えますが、アメリカのエリート層の本音はまた別です。
これは20世紀末にアメリカのメディア・エリート層対象に調査したもの。20世紀の最大のイベントは何かというアンケート結果。アメリカのメディア・指導層の考えている本音が分かります。
そのTOP10はこうなっている。
THE TOP 100 NEWS STORIES OF THE 20TH CENTURY 
1 1945 アメリカが広島・長崎に原爆投下 日本降伏し第二次世界大戦終了 
2 1969 アメリカ人宇宙飛行士ニール・アームストロングが人類初の月面歩行
3 1941 日本が真珠湾攻撃 アメリカが第二次世界大戦参戦
4 1903 ライト兄弟 飛行機発明
5 1920 (アメリカの)婦人参政権
6 1963 ケネディ大統領 ダラスにて暗殺さる
7 1945 ナチのホロコーストの恐怖 強制収容所公開される
8 1914 第一次世界大戦 ヨーロッパで始まる
9 1954 ブラウン教育委員会 学校の人種隔離撤廃
10 1929 アメリカの株式市場暴落 (世界大不況始まる)

参考エントリー
アメリカのメディア、指導層の歴史観 2017-06-14 18:43
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1402.html
国連の日本叩きは文明の衝突 2017-06-10 18:34

20世紀最大のイベントが人類が初めて月に行ったことでもなければ飛行機の発明でもない、「日本に原爆を落としてやった」です。そして3番目が「日本の真珠湾攻撃」です。
これだけは決して忘れてはいけません。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(2)

2018-03-27 15:13

難航する日本再生への道


 国会はいつまでたってもモリ・カケのソバ屋騒動が続いているが、今日3月27日は焦点の人佐川前国税庁長官の国会証人喚問が行われている。
その公文書改竄問題に関して産経の田村秀男さんが面白いことを言っている。曰く「財務省の決裁文書の改竄(かいざん)問題の背景には、安倍晋三首相と財務官僚の確執がある」のだとか。

尚この話の前に、田村さんが話題にしている財務省の緊縮財政とか、日銀の新規発行国債のほぼ全額相当額を金融機関から買い上げ、こんな政策について実態を見てから田村さんの論稿を見ることにしたいと思います。

最初にこのグラフ、これは1年前のエントリーで使ったグラフなのだが、傾向は分かると思います。

これは国の税収・歳出総額・公債発行額のグラフ、通称ワニの口グラフです。

2017-4-16税収歳出グラフ

これを見ると、バブル崩壊以前の日本の歳出総額と税収の関係は順調な右肩上がりで、歳出額が年々伸びていっても税収が2年遅れくらいでそれについていっています。この頃までは財政は健全でした。
しかしバブル崩壊で税収ががっくり落ちます。そして歳出と税収のグラフは丁度ワニが口を開けたように大きく乖離してしまった。
問題は97年4月の消費税増税、これで景気はさらに落ち込み、公債の大増発が始まります。

そして致命傷がリーマンショックとそれに続く民主党政権によるバラマキ政治と公債大増発
民主党政権時代は税収が歳出総額の半分以下、こんな事では国家破産という事は誰が見てもわかります。分からないのは旧民主党連中ですね。

アベノミクスはこんな悲惨な財政状態を引き継いで船出した訳です。そして歳出総額は民主党政権時代よりアベノミクスで少しずつ減っています。田村秀男さんの言う緊縮財政とはこのことです。
一方税収の方はアベノミクス効果で少しずつ増えてきているのが分かります。景気は良くなってきている訳ですね。
この為公債発行額も減ってきています。

財務省の肩を持つわけではありませんし、忖度などする必要もないのですが(笑)、このグラフで2010年~2012年頃の民主党政権時代を見れば、財務省の危機感が分かろうというものです。どう見てもこれでは日本破滅間違いなしでしたから。

それからこのグラフ。これは日銀保有国債の推移グラフです。
これが田村秀男さんの言う「日銀による異次元の金融緩和政策で新規発行国債のほぼ全額相当額を金融機関から買い上げ、国内総生産(GDP)のおよそ15%分ものカネを市場に流し込んできた」というものですね。

2017-4-17日銀保有国債 



さて此処までが前段で、こんな現実を踏まえ、田村秀男さんの論稿を見てみます。

<以下引用>
http://www.sankei.com/affairs/news/180325/afr1803250001-n1.html

2018.3.25 08:00
【田村秀男の日曜経済講座】
文書改竄の背景に財務官僚との確執 潰される「日本の再生」

 学校法人「森友学園」(大阪市)との国有地取引をめぐる財務省の決裁文書の改竄(かいざん)問題の背景には、安倍晋三首相と財務官僚の確執がある。

 財務省は長年にわたり、消費税増税と緊縮財政で政治を動かし、経済を萎縮させた。脱「20年デフレ」を急ぐ安倍首相は財務官僚を遠ざけたが、財務官僚は決裁文書からの昭恵夫人の名前削除で応じた。喜々として「官邸圧力」疑惑を世論に印象づけたのは、財政均衡主義で財務省に唱和する一部の全国紙だ。

 首相の求心力は大きく損なわれ、中国からは先の全国人民代表大会(全人代=国会)で独裁権力を手にした習近平国家主席の高笑いが聞こえる。

 決済文書書き換えが明らかになる少し前、安倍首相は若手国会議員らとの会合で「先の消費税率8%への引き上げを後悔している」と吐露したという。来年10月の10%への再引き上げ方針は変えないが、大掛かりな財政出動に意欲を見せた。「首相は緊縮財政から決別しようとしている」とは、居合わせた議員。

 アベノミクスには、財務省の財政均衡主義がねっとりとまとわりついてきた。消費税増税で税収を増やし、歳出削減と合わせて財政赤字を解消するという財務省伝統の論理は、2%以上の物価上昇率が続く正常な経済が前提だ。

 物価の下げ圧力が強くて企業の売り上げや賃金が上がらないデフレ経済では、デフレを助長するという経済学の国際常識が、財務官僚の視野に入らない。財務官僚に弱い東大などの有力学者や与野党議員の多くが、財務省論理に同調するのだからなおさらだ。

 財務官僚の世論工作はあっけないほど単純だが、財務省の記者クラブの面々は作り話をうのみにする。財務省のホームページには「我(わ)が国財政を家計にたとえたら」という漫画入りのコラムがある。財政赤字は月収30万円の家計に置き換えるとローン残高が5397万円に上ると言い、若手記者をぞっとさせる。

 3カ月に1回の割合で、財務省は「国の借金」なるものをブリーフィング。担当官は記者クラブの面々に、ご丁寧にも総務省推計の人口を基に、国民1人当たりの借金はいくら、と説明する。平成29年12月末時点では、「国民1人当たり約858万円の借金を抱えている計算になる」と各紙が書くという具合だ。

 見え見えのフェイク情報であり、同じ記者としては情けない。国民は金融機関経由で政府債務の国債という資産を持ち、運用している。それを国民の借金だと言い張るのは、詐欺論法である。

 家計が資産を増やす、つまり豊かになるためには、借り手がいなければならない。デフレ日本の企業は借金ではなく貯蓄に励んでいる。家計は企業に貸せない。となると、残る相手は政府しかない。その政府が借金を減らすなら、家計は富を増やせない。さらに、政府が借金を減らし、財政支出をカットし、増税で家計から富を巻き上げるなら、経済は停滞し、国民が疲弊する。「20年デフレ」は財務省論理の帰結なのだ。

 増税・緊縮財政に包囲されたアベノミクスはもっぱら日銀による異次元の金融緩和政策に頼ってきた。新規発行国債のほぼ全額相当額を金融機関から買い上げ、国内総生産(GDP)のおよそ15%分ものカネを市場に流し込むが銀行貸し出しはさほど増えず、経済成長率は低水準のままだが、円の量的拡大効果で円安になり企業収益を押し上げる。株も上がるが、恩恵は一部の富裕層にとどまり、家計消費は盛り上がりに欠ける。

2018-3-26田村秀夫 

 グラフはアベノミクス開始以降の財政資金収支の名目GDP比と家計の実質消費動向だ。この収支は財務省がこだわる基礎的財政資金収支(国債関連を除く)の先行指標で、アベノミクスで大きく改善したが昨秋以降は足踏み家計消費は25年度まで飛躍的に拡大したが、翌年度の消費税増税とともに激減した

 最近はなだらかな回復を続けるが、水準は25年度を下回る。GDPの6割を占める家計消費が打撃を受けると内需は停滞し、所得税や消費税収は伸びない。その結果が財政資金収支に反映するわけだ。

 安倍首相が財務官僚の路線を排そうとするのは脱デフレのためで、日本再生には不可欠だ。金融緩和と財政出動の両輪を連動させよと説く、若田部昌澄早大教授を日銀副総裁に据えた意図でもある。ところが舞台は一転、財務官僚の文書改竄で足元が揺らぐ。

 世界を見渡すと、習氏や米国のトランプ大統領、ロシアのプーチン大統領と強権で鳴る首脳がせめぎ合う。日本がこのままで良いはずはない。
(編集委員)
<引用終り>


こうやってみると事は簡単では無いのがお分かりいただけよう。特に民主党時代に「コンクリートから人柱へ(だったかな)」と言った政策でカネをばらまいた。今この付けを払い続けていることを国民が知らない。しかしそこをはっきり認識しないと日本再生のための道は開けない。そうでは無いでしょうか。

最後に私がどうしても心配な事。それは日本がデフレだったため物価も収入も下がってしまった。この結果どうなるかが心配なのです。

例えば物価の指標としてビッグマック指数というものが有ります。
http://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html

此処でG7の国を見ると
順位  国名   金額(日本円換算)  USドル換算  現地通貨
5位  アメリカ   585円        5.28ドル
6位  カナダ    582円        5.26ドル
7位  イタリア   569円        5.14ドル   4.2ユーロ
7位  フランス   569円        5.14ドル   4.2ユーロ
16位 ドイツ    529円        4.77ドル   3.9ユーロ
20位 イギリス   489円        4.41ドル   3.19ポンド
35位 日本     380円        3.43ドル   
日本がずば抜けて安いのが良く分かると思います。

(参考:日本より上位の国、中国)
24位 韓国     456円        4.12ドル
25位 ギリシャ   454円        4.10ドル   3.35ユーロ
34位 タイ     412円        3.72ドル   119タイバーツ
・・・此処までが日本より上位、韓国もギリシャもそしてタイまでも・・・
42位 中国     351円        3.17ドル   20.4人民元
(中国は地域で物価レベルに差が大きい、上海・北京では日本より物価が高い)


こんなものを見て、日本は物価が安くて暮らしやすいと見てはいけないと思います。
この価格の違いは人件費の違いでもある訳で、日本は給料が安いのです。
そしてこの先には優秀な労働人口の海外流出の危険がある、特に日本の家電メーカーが失敗した「人材の流出」、これを真剣に心配しないといけない事態では無いでしょうか。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(11)

2018-02-22 17:16

高利貸が低利貸になったら・・・<揺らぐ銀行ビジネスモデル


 銀行のビジネスモデルが揺らいでいる、こんな記事が日経にあった。
「利ざやで稼ぐ伝統的な銀行のビジネスモデル」が成り立たなくなっているというのだ。
でも待てよ、高い金利で貸し付けて利ザヤを稼ぐ、おいおいそれは銀行の仕事では無く「高利貸」の仕事だろ。銀行が高利貸のやり方をビジネスモデルにしていたら・・・、今の低金利時代には時代遅れではないですかねえ。
銀行の仕事は「仕事をしたい人にどんどん金を貸して仕事をさせる。その結果として利益を上げる」、此れじゃなかったんですかねえ。


先ずはその日経の記事から。

<以下引用>
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26953920V10C18A2MM8000/?n_cid=NMAIL007

金利ゼロ%台融資、6割超 揺らぐ銀行ビジネスモデル 
2018/2/15 18:00

 日銀がマイナス金利政策を導入して2年、銀行を起点にした金融システムのひずみが目立っている。銀行の貸出金利は下がり続け、2017年末の貸出金残高のうち金利0%台の融資は全体の62%に拡大。金融緩和が景気を下支えする効果は大きいものの、企業の資金需要を引き出すには至らず、銀行業績を下押しする面が目立つ。利ざやで稼ぐ伝統的な銀行のビジネスモデルは抜本見直しを迫られている。

 国内銀行の貸出金残高は17年末時点で471兆円(外貨貸し出しなど含まず)。このうち約290兆円が金利1%未満の貸出金だった。比較的利ざやの厚い金利2%超の貸出金は10%で5ポイント下がった。企業や個人の借り換えが進んだ影響が大きい。

 貸出金はマイナス金利の導入で15年末から6%増えたものの、企業への融資よりも不動産融資への傾斜が目に付く。上場企業の過半は実質無借金で「資金需要は強くない」(メガバンク首脳)のが実情だ。足元では大都市圏の地価高騰に伴う不動産融資が減速しており、月次でみた貸出金の伸びは前年同月比2%台にまで下がってきた。

 日銀が16年2月16日に適用を始めたマイナス金利政策は、世の中に出回るお金を大幅に増やした。だが、この間、預金は増える一方。金利はゼロ%に近いにもかかわらず、預金残高は760兆円と2年前に比べ12%増えた。少子高齢化で社会保障への将来不安が強く、貯蓄志向に変わりはない

 こうした実態からうかがえるのは、大量のマネーが経済の活力を高める方向で使われていないという現実だ銀行もリスクをとってお金を貸しておらず、貸出金利の低下に歯止めをかけられない。本業の収益減は鮮明で、上場地銀82行・グループの17年4~12月期決算を見ると、本業のもうけを示す単体の実質業務純益は全体の7割が減益になった。

 銀行はマイナス金利を回避する目的で、信用力の高い独立行政法人などへの「ゼロ金利貸出」を急激に増やしている。金利0.25%未満の貸出金は75兆円で2年で7割増えた。コスト削減も急務。みずほフィナンシャルグループは今後10年で従業員全体の4分の1に当たる1万9000人を減らす構造改革に着手する。

 全国銀行協会の平野信行会長(三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)は15日の記者会見で「インフラとしての金融システムに障害が出てくることもあり得る」と指摘。マイナス金利政策に伴う副作用に言及した。

 黒田東彦氏が日銀総裁に着任した13年以降の金融緩和政策で、為替相場は円安・ドル高になった。輸出企業の業績が改善し、国内景気を下支えする効果を発揮した。黒田総裁の続投が正式に決まれば、次の任期では銀行による金融仲介機能の再構築が問われる。

<引用終り>


銀行の仕事がおかしくなっていることは何度か取り上げた。

① 「銀行では国債が不足している・・・、はてな?」  2017-04-17 

⓶ 「銀行が本来の仕事を始めたらしい」 2018-02-03 


この①のエントリーでこんなグラフを紹介した。
一般会計税収、歳出総額、公社債発行額推移のグラフ。

2017-4-16税収歳出グラフ

このグラフは通称「ワニの口」、歳入と歳出が大きく乖離し、ワニがパックリ口を開けているように見える所からそう言われる。
特に見て欲しいのは、過去の自社さ連立政権時代、そして民主党に国を盗まれた土鳩・空き缶・野豚政権時代の発狂状態と言ってよい歳出の爆発的増加と国債の暴発的増発。
今の財務省の頑ななまでの緊縮財政政策はこの時の苦い経験から来ている

そしてこの国債大増発が「銀行が国際枕に昼寝」する原因になったわけです。何しろ預金金利はタダ同然。このタダ同然のコストのカネで国債を買っていれば何もしなくても儲かるっ仕組みが出来てしまっている訳です。
この仕組みは元はと言えば97年、98年の金融危機(金融ビッグバン)で徹底的に痛めつけられた金融機関の立て直しが目的だった、しかしそんな事が続けば銀行は昼寝が仕事になってしまう訳です。

トレロ カモミロ とてもねぼすけ 戦いよりも ひるねが好き



しかし第二次安倍内閣になってから全く変わりました。これは日銀の保有国債推移グラフ。

2017-4-17日銀保有国債 

こんな風に日銀が市中から国債を吸い上げて金を市中に流している。これでデフレ脱却を目指している訳ですが、①エントリーでは銀行が「国債が足りない」と悲鳴。

そして⓶のエントリーでは国債が買えないのでやっと銀行が一般のお客様にカネを借りてもらおうという本来の姿に戻った。こんな事を書きました。

そして現在はと言えば、本文で紹介した日経記事「金利ゼロ%台融資、6割超 揺らぐ銀行ビジネスモデル 」となったわけです。

しかし銀行は根本的に考え方が間違っています。
銀行の仕事は「利ざやで稼ぐ伝統的な銀行のビジネスモデル」ではありません。
銀行本来の仕事は「お客様の仕事・商売を資金面でサポートし、世の中に貢献すること。その行為の対価として、それなりの収益は当然だ」。こうでなければなりません。

この事は日本では江戸時代の近江商人が「三方よし」を合言葉に商売した、こんな実例が有ります。
「買い手よし、売り手よし、世間よし」の三方よし

   2018-2-22三方よしイラスト

この近江商人の「三方よし」の理念には10の教訓が有ります。
その一番は
①商売は世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり

こんな風に昔から先ず世の中に貢献すること、収益はそこから当然ついてくる。こんな考えですが銀行屋さんにはそんな考えはないようです。若い人の起業をサポートする。そんな行動など薬にしたくも無いでしょう。
そんな事で上掲日経記事のような愚痴が出るんだと思います。もっと苦労すべきでしょうね。

尚この10に教訓については大変面白いので本文末に記載しました。







<参考>
近江商人の商売十訓

近江商人は、「買い手よし、売り手よし、世間よし」の三方よしの理念のもと、天秤棒一本の行商から始め、いつしか大きな財をなし、全国はもとより海外まで飛躍していきました。

近江商人には、この「三方よし」以外にもいくつかの教訓を掲げていました。
全部で10あるこれらの教訓について、以下で見ていきます。

①商売は世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり
本当に人のためにならないようなことをやってお金を儲けるというのはこの教訓に反していますが、「利益を得る」こと自体は悪いことではありません。

それに見合う、もしくはそれ以上の奉仕や貢献をしているのであれば、利益を得ることができて当然なのです。

まずは、「与える」ことが重要です。

②店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何
大切なのは、店の外観や立地など、外から見えるイメージ重視しすぎてはいけないということです。

いくら見た目が良かったとしても、品物が悪ければその店は長続きしませんし、逆に言えば、いくら見た目が悪くてもいい物を置いていれば、長続きするものです。

③売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる
これは、今でいう「アフターサービス」に相当します。

お世辞が上手で、売るのが得意な人や会社もあるでしょうが、結局その後につながっていくのは「買った後の奉仕」なのです。

アフターサービスが充実していなければ「うまいお世辞で買わされた」という悪い印象だけが残ってしまうかもしれませんし、なにより「三方よし」の精神に反しています。

④資金の少なきを憂うなかれ、信用の足らざるを憂うべし
信用は一朝一夕で得られるものではありません。ひたすらコツコツと真摯に取り組んでいくことで、信頼が蓄積されていきます。

もちろん資金がなければ何もできませんので大切なことにかわりはないのですが、極端な話をいえば、資金が尽きそうになった時にも重要になってくるのは「信用」なのです。信用がなければお金を借りることさえできません。

いくら大金を持っていたとしても、信用がなければその状況はすぐにひっくり返ってしまうこともあります。

大切にすべきなのは「信用」なのです。

⑤無理に売るな、客の好むものも売るな、客の為になるものを売れ
お客さんが好きで、欲しいと思っているものを作って売ることの何が悪いのでしょうか?

考え方を変えれば、お客さんの要望に全て答えてしまうと、「なんでも屋さん」のようになってしまう恐れが出てきます。

すでにニーズが顕在化しているので、それをつくれば売上は上がると考えられるでしょうが、プロとしての知識やスキルを活かして、本当にお客さんのためになるものを考えていかなければならないのです。

そもそも、お客さん自身が気づいていなかった潜在ニーズを刺激するような商品をつくる方が、爆発的ヒットが生まれる可能性も高くなります。


⑥良きものを売るは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり
「三方よし」の精神があれば、「多くの買い手に対して、為になる商品を売りたい。そのためには安く提供する必要がある」という風に考えられるでしょう。

近年では、良いものを少し高値で買う消費者が増えているようですが、「良い商品を安く買える」のが本来ならば買い手の幸せであり、また、売り手の幸せでなければならないということです。

⑦紙一枚でも景品はお客を喜ばせる、つけてあげるもののないとき笑顔を景品にせよ
「商品だけではなく、付加価値を」ということを言っています。

例えば、マクドナルドで有名な「スマイル0円」もこの言葉に当てはまるかもしれません。

⑧正札を守れ、値引きは却って気持ちを悪くするくらいが落ちだ
元の値段をがそれで適切なのかを、世に出す前にしっかりと考えなければいけません。

あなたが買い手の場合、バーゲンばかりしているお店を信用できますか?

値下げをしなければ売れないような商品では、価格設定の段階から間違っているといえるでしょう。

⑨今日の損益を常に考えよ、今日の損益を明らかにしないでは、寝につかぬ習慣にせよ
お客さんの満足度をはかるには、会計を見るのが一番確実です。

また、①にあったように、お客さんのために奉仕をしてはじめて利益を得られるのですから、損失が出ている場合は「本当にお客さんのために動くことができているか」「手を抜いていないか」を振り返り、改善に努めなければなりません。

⑩商売には好況、不況はない、いずれにしても儲けねばならぬ
「好況不況は言い訳に過ぎない」 ということです。

商売を続けていくためには常に儲け続けなければならず、お客さんのためになるものを売っているのであれば、それを多くの人に届けるためにも儲けて商売を続けていく必要があります。

終り
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2018-02-03 18:10

銀行が本来の仕事を始めたらしい


 しばらく更新が途絶えていた友遊さんが年初から別宅で活動を開始している。
そして今日、大変嬉しい記事をエントリーされている。銀行がやっと本来の仕事を始めたというのだ。
銀行本来の仕事?。企業や事業をやりたい人にカネを貸す。これが銀行本来の仕事。そんなこと当たり前でしょ。やらなきゃあ、どうしてメシ食っていけるの?
でもこれが永年当たり前で無くなっていた、銀行とは国債枕に昼寝をしていれば儲かる。そんな存在だったんです。だから日本には起業家がいないとか、新規投資をしないなどと言われていたのはそんな事情。
昼寝している会社に人は要らないので、最近人員削減云々と騒いでるでしょ、当たり前です。

でもやっと潮目が変わりました。
銀行マンが足を棒にして「金借りてくんろ」と歩き回っているらしい。素晴らしいことだ。

先ずはそんな話をここで見てください。

新・実業の世界  別館でんがな。
2018/02/03
借金
http://yuyuu2018.blog.fc2.com/blog-entry-10.html


私が日本の銀行に批判的なのは、海外で仕事をしていると、日本と外国の銀行の仕事に対する姿勢の違いを痛感するからだ。

例えばこれは2011年に記事だが、タイの銀行に窓口風景。

タイの田舎のショッピングセンター地下1階、食料品売り場の一角にある銀行窓口
2018-2-3タイの銀行窓口・平日の午後7時 
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-404.html

平日の午後7時だというのに繁盛してるでしょ。銀行だが年中無休で朝11時から夜8時まで開店。
このお客さんは預金の出し入れに来ているのではない。そんな事はATMでできる。公共料金なんかだったらコンビニで支払いできる(日本と同じ)。
このお客さんは遠方への送金だとか融資の関係のことで来ている訳。

これが銀行の仕事です。だから若い人が「知恵とやる気が有れば商売ができる」、そんな事になっている訳です。


尚銀行がこんな風に年中無休で営業しているのは、こんなショッピングセンターにある支店だけで、普通の支店は時間・営業日とも違う。ショッピングセンターだけこうなっているのは、ショッピングセンターが営業している以上、銀行も営業する、こんな理屈らしい。そしてこれはアメリカも同じなのでそれの影響だと思います。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(18)

2018-01-25 16:28

AIをマスターした者が誰であれ、世界の支配者になるbyプーチン


 宮崎正弘さんのメルマガに興味深い記事が載っている。
題して
AIをマスターした者が誰であれ、世界の支配者になるbyプーチン
こんな書き出しなのだが、もちろん内容は中国の話。最初にそんな内容を紹介。

<以下引用>
http://melma.com/backnumber_45206_6637368/

「AIをマスターした者が誰であれ、世界の支配者になる」(プーチン)
  中国共産党御用達、「中国のグーグル」と言われる「百度」のロビン・リー

 ロビン・リーはクリスチャンネーム。なぜ中華世界の若者が、こういう英語名が好きなのか、ともかくリーは世界的な著名人である。本名は李彦宏。49歳。
 アリババのジャック・馬(馬雲)。テンセントのポニー馬(馬化騰)と並んで中国IT業界の三羽烏。中国人の若者があこがれる大金持ち。三人のいずれもが貧困の零細企業を立ち上げネット革命の波に乗って瞬く間にチャイナドリームを実現した。

 なかでも注目がロビン・リーこと李彦宏である。山西省陽泉出身で北京大学へ首席合格。ニューヨーク州立大学へ留学し、むろん英語は流暢だが、米国ではウォールストリードジャーナルのソフトエンジニアとして働いた。 
 アメリカ人の同僚は「ところで中国にはコンピュータはあるのかい?」と聞いた。

 2000年、北京へ帰国して創業。グーグルの中国版を創設し、あたりに当たって、「百度」は2017年度経常利益が170億ドル。李個人の資産は130億ドルとも言われる。株価を時価総額で換算しているから、毎年中国の長者番付は入れ替わるが、ジャック馬、ポニー馬と並んで、ロビン李の三傑はつねにトップファイヴにいる。

 さて問題はかれらの狙いである。
 中国共産党が狙うのはビッグデータで国民を監視し、ネットによる支配だ。つまり中国共産党がビッグブラザー、そのためにIT革命の成功者をくわえ込み、共産党に協力させ、つぎにAI革命を先行させて、世界の覇権を握る野心を燃やす。
  
 まさにプーチンが言ったように「AIをマスターした者が誰である、世界の支配者になる」のである。

 すでにソフトの暗号公開を義務づけられ、データの提供が求められ、グーグルなどは中国市場を去った。中国の強引な遣り方に欧米勢はいきり立ったのだ。

 百度は経常利益の2・3%をR&D(研究開発)に注ぎ込んで次世代のAI開発に余念がない。すでに自動運転自動車の試作品は公開している。

 ▼買い物の記録も、検索履歴もすべてがビッグブラザーという支配者に握られた

 アリババで買い物をすれば、忽ちにして個人情報は管理される。ビットコインもすべて記録される。百度の検索エンジンを利用すれば、その検索の傾向、系列など個人データは記録され、権力に掌握される。
顔面記憶データは、中国全土どこにでも張り巡らされた監視カメラによって、手配された被疑者は、およそ六、七分で拘束されるシステムがすでに完成した(これはBBCの貴社が実際に試して分かった)。

 失敗したと見られたバイクシェア、自転車シェアという「ウーバー」類型のビジネスも競合段階をすぎて淘汰が進んだ。

数社が倒産した段階で、「いまさら何を?」と業界が首を傾げるのだが、ひょっこりと新参社が現れた。つまり中国共産党系の企業がデータを蓄積するために、倒産企業買収などで一気に市場を制圧しようと目論んでいるのである。

 こうした観点から中国のAI開発、ビッグデータの開発をみておく必要があり、日本の財界や経済界のようなAI未来楽観論は、平和ぼけの最たるものということである

<引用ここまで>



この話を引用したのはAIに関して、今すごい勢いで世の中が変化している。そんな危機感がある。
プーチンがAIについてそこまで言っていることに大いに興味が有るのだ。

そこでプーチンがどんなことを言ったのか。昨年9月のCNNにそんな記事が有った。
(今は便利ですね。こんな事が検索すればすぐ分かる)

<以下引用>

AIを制する国が「世界を支配」、プーチン大統領が持論展開
2017.09.04 Mon posted at 13:20 JST

(CNN) ロシアのプーチン大統領が新学期を迎えた児童や生徒向けにこのほど行った「公開授業」で、人工知能(AI)の分野を主導する国が世界の支配者になるという持論を展開した。

公開授業はモスクワ北東部のヤロスラブリで行われ、100万人を超す児童や生徒の視聴を想定して全土でテレビ放映された。

この中でプーチン大統領は、「人工知能はロシアのみならず全人類の未来だ」「そこには絶大なチャンスがある半面、現代では予測しにくい脅威もある」と指摘した。

さらに、「誰であれ、この分野でリーダーになる者が、世界の支配者になるだろう」と述べ、この分野が一部の者のみに独占される事態は防ぐ必要があると力説。

もしロシアが人工知能開発のリーダーになった場合は「我々の技術を世界と共有する。今現在、原子力や核技術でそうしているように」と言い添えた。

番組の中では、新世代の原子力砕氷船や大規模な宇宙船打ち上げ施設といった革新的な大型プロジェクトも紹介された。

国営メディアによると、ロシアではドローン(無人機)や車両の開発が軍用と民間利用の両面で進められている。

ロシア軍はまた、ロボットや対ドローンシステム、さらにはレーダーを解析して高度や速度や方角を決定できる巡航ミサイルも開発しているという。

ヤロスラブリ滞在中のプーチン大統領は、新設校を訪れてホッケーチームの練習に参加。子どもたちと交流しながら自らの腕前を披露した。

<引用終り>


 中国にせよロシアにせよ、独裁国家はトップの決断で国の方向がガラリと変わる。
それが良いほうに向かった時のパワーは凄いものが有る。
中ロの脅威は軍事面や経済面だけでなく、こんな所も中ロの脅威があることが良く分かる話だ。



  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2017-08-28 17:33

ニコンの物作りの原点

 カメラのニコンが今年7月に創業100年を祝った。カメラのニコンが世界で認められる切っ掛けは朝鮮戦争で当時のアメリカ写真誌ライフのカメラマンに認められたことが出発点だが、そのカメラマン、デイヴィッド・ダグラス・ダンカン氏が、ニコン(ニッコール)との出会いを語ったインタビュー動画がある。ダンカン氏とニコン(ニッコール)の出会いは日本の光学産業の歴史を変え、日本の“ものづくり”が世界的に認められる大きなきっかけともなったもの。

この話はニコン神話として、まだソニーもホンダも産声を上げたばかりに時代に日本製は素晴らしい、こんな事を世界に知らしめたと言う意味で戦後日本の発展の原点の一つだ。

このニコン神話、まあ神話と言うだけあって色んなバージョンがあるが、概略こんな点。
1.ニコンレンズは大変シャープで、報道写真用の大判4X5カメラと匹敵する写真が撮れる。
2.他のカメラが故障して動かなくなる極寒の環境でも支障なく使える
3.大変堅牢で戦場などでの酷使でも使用可能
この3点が中心だと思う。

このニコン神話については特に2の寒冷地で動作可能と言う面について、2013年1月25日にエントリーしています。
1月25日に起こった事

今回ダンカン氏は主に1について語っています。ではそのダンカン氏のインタビュー。

デイヴィッド・ダグラス・ダンカンとの出会い : インタビュー動画 



そのダンカン氏が撮った写真が掲載されたライフ誌

2017-8-28ライフ1950年9月4日号 

このダンカン氏の詳しい経緯などは2000年に来日した際、詳しく語っているのでそれも本文末尾に掲載しましたが、一寸この当時の写真事情を理解しないと分からないのでそこから。

 この当時の報道写真がどんな事情かと言うと、カメラは主にこんなもの
スピグラ(スピード・グラフィック)4X5版のカメラ
2017-8-27スピグラ 

そしてこれはダンカンと一緒に仕事をしていたカール・マイダンスの朝鮮戦争での写真。
日付けを見ると1950年10月1日、この日は仁川上陸作戦(9月15日)成功後、38度線を越えて北へ反撃するころ(10月1日)のもの。撮影場所は38度線周辺と推測。

2017-8-27カール・マイダンス@朝鮮戦争 

この頃の報道カメラマンの常識はこのような大きなカメラが当たり前でした。
カメラマンが大きな4X5版のカメラ(スピグラ)を持っているのが分かります。この写真で後列右側がダンカンと同じライフのカメラマン、カール・マイダンスです。この写真を撮った約2か月後、北朝鮮北部、鴨緑江辺りまで行くのですが、そこで極寒の中でカメラが次々に故障。マイダンスの持っていたニコンだけだ使用可能でしたが、これはちょっと紹介のみで先を急ぎます。

一寸もう一つ余談ながら、この当時の報道写真用4x5版がどんなものか
上が一般的な35ミリフィルム、フィルムの幅が35ミリ、画面サイズは24ミリX36ミリ
下が報道写真家愛用の4x5版、画面サイズは4インチ(=約100ミリ)X5インチ(約125ミリ)
2017-8-27フィルムのサイズ比較 

これだけサイズが違うのに画質が遜色ない、ライフ社で大騒ぎした訳です。今はデジタル時代ですから、もっと凄いのですが何せ今から67年前のことです。


一寸わき道にそれました。これからが肝心な事。
最初に紹介した動画でダンカン氏が興味深いことを言っている。動画の4分9秒あたりから・・(以下該当部分文字起こし)

プロ写真家へのニコンの対応、以下ダンカン氏談。

そうだ 大事な話が合った

私たち(報道写真家)の多くは、東京の「プレスクラブセンター」に滞在していた。

韓国から東京に戻ってからのことだよ。

2,3日間、シャワーを浴びたり、キチンと食事をとっていたりして、休息を取っていた。

そこへ毎晩、トラックがやって来るんだ。ニコンの工場からね。

どんなカメラでも持って行ってくれる。

ローライフレックスだろうと、ライカだろうと、スピードグラフィックだろうと、

ツァイスだろうと、分け隔てなく。

誰のカメラであろうと、工場に持ち帰り、一晩かけてクリーニングしてくれる。

そして翌朝には、プレスクラブに戻してくれるんだ。無償でね。

まったくもって無償だ。ニコンを宣伝したいとかではなく、純粋な友情だ。
<引用終り>

この話を見て私は納得した。単に日本でたまたま見つけたレンズが素晴らしかったからと言って、そう簡単にアメリカのプレス写真家が一斉にニコンを使い始めるだろうか。そんな疑問を以前から持っていた。しかしこんなメンテナンスサービスをしてくれれば見方は変わる。
そんな事でこの当時の在日アメリカ人カメラマンがニコンを一斉に使い始めたのだと思う。

所でこの話を見て、私はもう一つ大事なことに気づかされた。
これはメンテナンスした日本光学の技術陣から見た場合。
アメリカ人カメラマンの持っていたカメラはローライ、ライカ、スピグラ、ツアイスイコンなど色んなメーカーのモノだった。これをメンテナンスしていくことで、各カメラの良い点、悪い点などがしっかり見えてきたのではないだろうか。
ローライは二眼レフ、スピグラは4x5の大型カメラ、ライカ・ツアイスイコンは35ミリカメラながらレンズマウントはスクリュー(ライカ)とバヨネット(ツアイスイコン)、そしてシャッターも千差万別。次のカメラを考える上でまたとない研究材料になったと思う。

朝鮮戦争が1950年~1953年、そしてこの6年後の1959年には名機ニコンFが発売されている。このニコンF開発には従軍カメラマンのカメラメンテナンスの経験が大きく生きていたとみて間違いないと思う。
そう考えるとニコンFにはクイックリターンミラーとか自動絞りとか、当時の最先端技術が一杯入っている。そんな事を思い出して、一人納得している短足がここにおります(笑)


物作りでは顧客第一と言いながら、実際には技術屋の独りよがりのモノが出来たり、コストと品質のバランスを欠いたものが出来たりする。
過酷な現場で使い倒したモノをメンテナンスすることで、今何が必要なのか、そんな事がニコンの技術陣の中にしっかり刻み込まれたのではないだろうか。

今ニコンは創業100年目にして、大赤字に苦しんでいる。単純に言えば時代の流れと製品開発の方向が合ってなかった。写真はスマホでとるもの、こんな時代に対応できなかったという事である。
物作りの原点に立ち返って考える、そんないい事例がこのダンカン氏の言葉の中にもあるのではないだろうか。



最後に屋上屋を重ねる話だが、ダンカン氏が2000年に来日した際、この時の事情を語っているので、ニコン神話の参考用に引用しておきます。

<以下引用>

ニコン神話についてはいろいろのひとが語っており、いくつかの伝説が入り組み分かりにくいところが多い。「ニコンS3 2000年記念モデル」が復刻された際にダンカン氏が日本を訪れ、神話について真実を語った。当時、ダンカン氏は84歳であったが、ヨーロッパでの仕事の途中で東京に立ち寄ったという。わずかな時間で多くを語った。

ダンカンは初めて日本に来た。1945 年8月28日、ミズリー号に乗り、海兵隊のカメラマンとして初来日した。ミズリー号が到着した横須賀から鉄道で東京駅に着いた。爆撃で列車の窓ガラスも破れ、帝国ホテルも半分は倒壊し、銀座でも瓦礫の下で人々が住んでいる状況であったという。2〜3日、ぶらぶら歩いたが日本人の刺すような視線を感じたらしい。コルト45を腰につけた昨日の敵に向けられる視線は相当なものであったろう。さすがのダンカンもカメラを向けれなかったといっている。

ニコンとの出会いは、1950年、タイム・ライフ社の一階の廊下で三木淳氏が「ハーイ、デヴィットさん」と呼びかけてパシャッとシャッターを切ったらしい。これまでは何のこともない出来事であった。
翌日、三木氏はその写真を六つ切りぐらいに引き延ばして持ってきた。それをみたダンカンの顔色が変わった。「何だ!このシャープな絵は?昨日のカメラか?ニコン?ニッコール?」矢継ぎ早の問いかけであった。もういても立ってもおられず、「おい、淳。すぐに行こう!ニコンへ」。ただちにジープに乗って日本光学へ走った。三木の他に、フォーチュン誌のホーレス ブリストル氏も同行した。それからは、まるで何かに取り付かれたように2週間も毎日通い続けたという。50mm、85mm、135mmのレンズがあったらしい。ニコンのマウントではなく、スクリューマウント(キャノンのカメラ用に供給)のものであろう。
ニコンで3人を出迎えたのは当時の社長の長岡正男氏であった。社長はレンズを磨いている最中で、作業服のままで現れ、腰の手ぬぐいで手を拭き、握手をした。その自然な姿をダンカン氏はいたく気に入ったらしい。

6月24日に友人のハル松方さん(後のライシャワー駐日大使夫人)に誘われ、三崎の別荘に誘われて渡辺という名の漁師が持ち込んだ大きなエビを口に詰め込んだところで、異変が起こった。北朝鮮が韓国を攻撃したとのラジオニュースが入ったのである。ダンカンは直ちに東京に向かった。第一ホテルにはマッカーサーがいる。このままでは済まないであろうとの判断に基づいて。

次の月曜日、空軍の飛行機に乗り、韓国の金浦空港に向かった。そこは既に北朝鮮に占拠されていて着陸できなかった。翌日、再度の出航、金浦空港より南の空港に着陸した。持参したのは、ライカIIIfとIIIgに取り付けたニッコールレンズ 50mm f1.4(f1.5)と135mm f3.5であった。初めて戦争に行ったニコンとはこの二本のニッッコールであった。それから5日間、「ライフ」のための写真が撮影された。ミグやヤーク戦闘機が襲いくる最前線の映像が10本のフィルムに収められた。その間、韓国軍の李将軍が(後の李承晩大統領)ハイパーカブから降り立った。そこは豆畑であったが、続いてDCー4が着陸しマッカーサー司令官が到着した。世紀の瞬間、豆畑中のマッカーサーと李将軍の会議が始まった。この5日間、ニッコール50mm f:1.5がすべてのシーンを切り取った。これが真実のニコン伝説である。

東京に到着したダンカンは、カール マイダンス(有名な写真家)と二人でマッカーサーに掛け合った。このフィルムを一日も早くニューヨークに持ち帰り、届けてほしいと。マッカーサーは専用機に乗って良いので自分で届けよと、答えたという。事実、彼らが羽田空港に着くと、パンアメリカンのダグラスDC-6がマッカーサーの命令で待機していた。そしてニッコールが撮影した映像はニューヨークに届き、ライフやザ ニューヨーク タイムズで騒ぎが起こっていた。当時の報道カメラ スピードグラフィック(4x5)のクオリティに匹敵する画質であった。かくして、ニコンが報道カメラとしてスピードブラフィックに取って代わった。東京オリンピックはニコンの砲列が席巻したのである。

ニッコールに心底惚れ込んだダンカンは、当時の社長永岡正男氏や更田正彦さんと意気投合していたという。二人は、毎日午後になるとプレスクラブに現れ、スピグラ、コンタックスなどのカメラを無償で掃除してくれた。おそらくライカもキャノンもあったかもしれない。ニコンでなくてもカメラが好きだったらしい。これにはダンカンも大感激であったと言っている。これこそニコン精神であったのであろう。「更田さんとは最初の出会いで意気投合した。戦争中何してた?と聞いたら、とても忙しかったと答えた。じゃあ、俺も一緒だ!と大笑いした」とダンカンは話し、不二家でアイスクリームをよく食べていた話を楽しそうに語ったという。ニコン神話には、このようなエピソードが加わった。信頼関係が如何に大切か、信頼関係とは・・・・。こういうことを感じさせる、良き時代の伝説である。
<引用終り>

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2017-06-25 15:35

IT企業が恐れるラジアルタイヤの教訓

 WSJの社説で「IT企業が恐れるラジアルタイヤの教訓」という記事があった。
ラジアルタイヤの教訓と言っても、もう四十年以上も前の話。おそらく皆さんは初耳の話だと思う。私は個人的に車に乗り始めた当初からラジアルタイヤを使っており、多分私の住む愛知県では最初のユーザーの一人。そんな事でこのラジアルタイヤの教訓は良く分かるので、取り上げてみました。物作りに携わる者として、もっと良いものを作ろうとするとこんな矛盾にぶつかる。そんないい例かと思います。

本題に入る前にそのラジアルタイヤとバイアスタイヤの違いをこんな図で説明
2017-6-25ラジアルタイヤとバイアスタイヤ
https://www.goodyear.co.jp/knowledge/radial_bias.html


それではそのWSJの社説を。

<以下引用>
http://jp.wsj.com/articles/SB10372492675706814214504583188400241193718
オピニオン
【寄稿】IT企業が恐れる「ラジアルタイヤ」の教訓
買い替えサイクルが延びたスマホやPC、メーカーは適応できるか

By Andy Kessler
2017 年 6 月 5 日 18:02 JST

――筆者のアンディ・ケスラー氏は元ヘッジファンドマネジャーでWSJの寄稿者

***

 情報技術(IT)企業のトップたちが恐れていることを知りたいだろうか? それは中国の競合企業ではなく、「ワナクライ」といった「ランサム(身代金)ウエア」でもなく、第2、第3のマーク・ザッカーバーグ氏によって自分たちの存在が消されてしまうことでもない。彼らが恐れているのは、「ラジアルタイヤ」だ。

 1970年頃までほぼすべての自動車やトラックは、ラバー製トレッドの内側にナイロン製のベルトが30度から45度の角度で斜めにクロス配列された「バイアスタイヤ」を装着していた。この作りによってバイアスタイヤは側面が強化されただけでなく、製造価格も低く抑えられていた。ただし1万2000マイル(約1万9000キロ)の走行ごとにタイヤ交換が必要なのが難点だった。

 そこに登場したのが、 ミシュラン が1949年に発表したラジアルタイヤだ。スチール製のベルトが90度の角度で編み込まれたラジアルタイヤは、より幅が広く、放熱性が高く、安全性も優れている。製造価格はバイアスタイヤよりも少し高めだが、少なくとも4万マイルの走行が可能だ。

 ラジアルタイヤを装着した形で初めて米国内で売られたのは、1970年製のリンカーンコンチネンタルだった。その4年後には、米タイヤ製造大手 グッドイヤー・タイヤ ・アンド・ラバーはラジアルタイヤのみの製造に切り替えた。その他の企業は波に乗り遅れ、手痛い失態を演じた。1970年代の終盤には、ラジアルが車用タイヤ市場の100%を実質的に占有するまでになった。

買い換え周期の変化

 ここで話をシリコンバレーに移してみたい。1980年代から1990年代にかけての技術革新はめざましく、パソコンは数年ごとに買い換えられ、まるで消耗品のように扱われていた。だが進歩のスピードが遅くなるにつれ、パソコンの寿命は延び、結果的にパソコンを新たに購入する消費者の数も減っていった

 ビル・ゲイツ氏は1991年にこのことを危惧していた。同氏は当時のインタビューで「ラジアルタイヤが発明された際も、(中略)消費者が車をより多く運転するようなことにならなかったため、生産能力を向上させる必要性は極端に減り、すべてがめちゃくちゃになった。タイヤ業界は今も混乱が続いている」と述べている。

 ゲイツ氏はITバブルの頃にも、「光ファイバーやワイヤレス技術について読むたびに、『これがラジアルタイヤになるような気がする』と自分に言い聞かせている」と発言。「ラジアルタイヤの寿命が長いからといって、消費者はそれまでの4倍の距離を走行するようになったか? 答えはノーだ。産業が縮小しただけだ」と指摘した。

 読者のみなさんが最後にパソコンを買い換えたのはいつだろうか? まさに今、恐れていた事態が到来したと言えるだろう。パソコンは延々と「走り」続けているのだ。パソコンの出荷台数は2011年に3億6500万台まで伸びてピークを迎えたが、その5年後には約30%減の2億6000万台まで落ち込んだ。IT企業は今も製品のパフォーマンス向上やコスト面の削減に取り組むものの、それはパソコンではなくクラウド技術や人工知能(AI)、そして音声認識技術の向上を目的としたものだ。

スマホがいらなくなる未来も?

 タブレット端末がパソコン販売台数の減少を招いたのも事実だが、そのタブレット端末の出荷台数もピークを過ぎている。スティーブ・ジョブズ氏が「iPad(アイパッド)」を発表したのは2010年で、2014年には6800万台のiPadが出荷された。昨年はそれが3割減の4500万台にまで落ち込み、今年はさらに出荷台数が減ることになりそうだ。これらタブレット端末は摩耗する商品ではない上、新たに発表されるタブレット製品は買い換えを促すほどの新たな機能やアプリを搭載していない。まさにラジアルタイヤなのだ。

 スマートフォンについても同じことが言えるだろう。「iPhone(アイフォーン)」が2007年に発表された際は高い注目を集めた。ガラス面の裏にはコンピューターが搭載され、利用者はタップやフリップ、ピンチで操作できる。まさに「Think Different(シンク・ディファレント)」を体現する製品だったと言える。その後アップルは大きなスクリーンのiPhoneを加え、グラフィックを向上させ、ポリカーボネート製の外枠に変更し、指紋認識センサーを加え、圧力センサーも加えたディスプレーや前面カメラ、そして音声認識機能「Siri(シリ)」も付け加えた。昨年7月までの累計で10億台のiPhoneが売れ、その多くは早い周期で端末を買い換える消費者の手に渡っていった。

 だがiPhoneの販売台数は2015年以降、おおむね横ばいの状況が続く。スマホの機能が充実し、2年ではなく3年から4年はもつようになったのだろうか? 利用者に買い換えを促すには、何が必要なのだろうか? iPhoneの発売から10周年という節目を迎えた今年の秋に「iPhone8」が発表されることは、すでに耳にしたかもしれない。誰に聞いても、素晴らしい製品になりそうだ。業界の事情通によれば、iPhone8には サムスン電子 の「ギャラクシーS8」に搭載されているような端から端までの大型のディスプレーなど、クールな機能が搭載される。だがそのS8は最初の1カ月で500万台しか売れなかった。2014年に発表された「ギャラクシーS4」は、最初の1カ月で1000万台が売れている。

「マックルーマーズ」によると、ワイヤレス充電機能が加わる可能性があるほか、位置や深度の測定ができる赤外線の3Dセンサーを備えたカメラを組み込むことで、顔認識や虹彩スキャン、そして拡張現実(AR)に対応するようになるかもしれない。だが高まる期待に応えるにはこれで十分だろうか? 新iPhoneの価格は1000ドル(約11万円)に達するとも言われている。多くの人の目には、iPhone7が少し使われただけのラジアルタイヤのように映るのではないだろうか。

 パソコンと同じように、業界の技術面での進歩は別の場に現れている。アマゾン・ドット・コムの「エコー」やグーグルの「ホーム」に続き、間もなくアップルが単独で動作する「シリ」を搭載した機器を市場に投入するとみられている。音声認識技術が向上するペースを考えれば、スマホを必要としない時代がくるかもしれない。そもそもディスプレーを利用することが時代遅れで、モトローラが作っていたような折りたたみ式の携帯電話が復活することも考えられる。つまるところ、空飛ぶ車が実現すれば、たとえラジアルであろうとタイヤそのものが不必要になるのだ。

<引用終り>

読んでみるとなるほどですね。私も携帯電話などはもう随分長く買い替えていません。またパソコンもそうですね。

所で最初のライアルタイヤの話ですが、私は車に乗り始めた当初からラジアルタイヤを使っていました。

最初はこんな車から
2017-6-24KE10 
初代カローラの最初期モデル。当時は2ドアセダンだけでした。

タイヤはもちろん普通のタイヤ(バイアスタイヤ)が付いていましたので、それを外して当時唯一のラジアルタイヤ、ミシュランXに取り換えました。この当時はラジアルタイヤという名前も知られておらず、ラジアルタイヤの特性でサイドウォールが膨らむため、信号待ちなどでパンクしてますよとよく注意されたものです。そして寿命は10万キロまで使えました。バイアスタイヤで運転のうまい人で3万キロくらい、荒い運転の人だと7,8千キロで交換せねばいけないので、寿命の長さを実感したものです。(その後今日までずっとタイヤだけはミシュラン一筋・・・)

そして引用文にあるように70年代に入り、タイヤがラジアルに大転換の時代が来ました。実はタイヤの変更にはクルマ側でもそれなりに変更が必要で(例えばトーインが違う)、整備工場の教育も含め、結構変更は大変だったようです、
そしてラジアル化が一段落したころ、巷のタイヤ屋さんから悲鳴が上がりました。ラジアル化でタイヤの寿命が延び、タイヤ屋で交換する補修用タイヤの売り上げが激減したのです。このことはタイヤメーカーの経営も直撃しました。タイヤメーカーは新車組付け用のタイヤはぎりぎりのコストで納入しシェアー確保。補修用のタイヤで利益を上げて全体のバランスをとるという価格戦略だったのです。上掲引用文でビル・ゲイツが「すべてがめちゃくちゃになった」と言っているのはこの価格戦略の話も関連していると思います。


結論です。
こんな矛盾は「もっと良いものを作ろう」とすると必ず、大なり小なり出てきます。これを避けていては競争には勝てない。次のステップはコストダウンです。
口で言うのは簡単ですが、私も永年これで苦労してきました。しかしこの苦労は永遠に続く。そんな覚悟が必要です。
WSJの記事を見て、こんな事を考えた次第です。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2017-06-16 15:47

日本は孤立国では無かった

 前回「アメリカのメディア、指導層の歴史観」について書いたのだが、そこで問題になるのが「日本は孤立国」だという事がある。
日本は一国一文明と言われているが、これはイギリスの歴史家トインビーが言い出したものらしい。そしてこれを有名にしたのがハンチントンの「文明の衝突」(1993年にフォーリン・アフェアーズ誌で発表、1996年書籍刊行)。その文明の衝突では日本の事を以下のように書いている。

<以下ハンチントンの「文明の衝突」邦訳版(1998年刊)より引用>
孤立国としてエチオピアとハイチの例を取り上げたうえで日本について以下のように記述
(引用者注:エチオピアとハイチ!、そんな国と比較などしてくれるなよなあ、半珍トンめ)

 最も重要な孤立国は、日本である。日本の独特な文化を共有する国はなく、他国に移民した日本人はその国で重要な意味をもつほどの人口に達することもなく、また移民先の国の文化にも同化してしまう(たとえば日系アメリカ人がそうだ)。日本の孤立の度がさらに高まるのは、日本文化は高度に排他的で、広く支持される可能性のある宗教(キリスト教やイスラム教)やイデオロギー(自由主義や共産主義)をともなわないという事実からであり、そのような宗教やイデオロギーをもたないために、他の社会にそれを伝えてその社会の人びとと文化的な関係を築くことができないのである。
<引用ここまで>


確かにこんな文化を共有する国はない・・・それは事実だ・・・。
(参考例:2017/6/5 国内組み立てのF35引渡し式、神事が行われている)
2017-6-14F35初号機2017年6月5日 


ハンチントンは「日本の文化を共有する国はない」「宗教・イデオロギーも共有する国はない」「だから他の社会にそれを伝えてその社会の人びとと文化的な関係を築くことができない」と言っている。
がしかし、本当にそうなのだろうか。今回はその反論。


例えばこんな動画を見て欲しい


全31回のうち「学校の掃除」編

これはアラビア語の動画だが、2009年8月~9月のラマダン(断食月)期間中に、エジプト・サウジアラビアなどでテレビ放送された番組。題して「パワーテル 改善」と言う番組。
日本が第二次大戦の焦土から立ち上がって今日を作ったその理由を紹介するもの。
現地ではラマダン期間は昼間は断食なので夕食をみんなで楽しく食べるように、テレビもラマダン特別番組を放映する。この番組も全31回を毎日放映したようだ。
そして大変評判がよく、その後も何度も再放送されており、この学校での掃除に感動したサウジアラビアの教育大臣が自国でも掃除を教育に取り入れるよう指導。サウジアラビアでも学校で子どもが掃除を始めているようです。
また上掲動画とは違いますが、シンガポールでも学校教育に掃除が取り入れられたと報道されています。(上掲動画がキッカケになったかもしれません)
海外「日本の教育に学べ」 日本に倣いシンガポールの全学校で掃除の時間を導入
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-1847.html

尚動画に出てくるキャスターはサウジアラビアのシェイク(イスラム指導者)です。


学校教育に掃除を取り入れろと日本が強要したことはありません。しかしアラブ諸国などではこの番組がきっかけで「日本を見習おう」、こんな動きが出ているという事です。
タイ在住のレヌカーさんは「文明はその光で周縁を照らし」と仰っていますが、まさに今それが起こっているのではないでしょうか。

ハンチントンの言う「だから他の社会にそれを伝えてその社会の人びとと文化的な関係を築くことができない」、この指摘に対し、こんな日本を見習おうという動きがあるという事実、これを指摘したいと思います。
この「パワーテル 改善」についてはyoutubeに載っていますので興味のある方はどうぞ。


さらにもう一つ、これは上掲「パワーテル 改善」の別の事例 

これは全31回中の「トヨタの創作」編


 ここでは最初に「トヨタ産業技術記念館」を訪問しています。名古屋駅から徒歩10分の所にあるトヨタの物作りに特化した博物館。トヨタのルーツである自動織機とクルマの初期のころからが分かるところです。尚機織り(はたおり)についての難しい言葉が色々出てきます。以下エントリーが参考になるかと思います。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-926.html

最初は布を織る織機を自動織機にするための飛び杼(とびひ:シャトル)自動交換の話、その次に経糸(たていと)が切れた時に織機が自動的に止まる仕組み(経糸切れ検知装置、経糸が切れた時落下する部品をドロッパーという)の話をしている。横糸が切れたり無くなったら、それ以上布が織れない、しかし経糸(たていと)が切れてもそのまま織り続けられる。しかし出来たものは傷のある布つまり不良品。その為の経糸(たていと)切れ検知装置異常を検知して機械を止め、それ以上不良品を作らない。これがトヨタ生産方式の基本の一つ、そのルーツがこんな所にあった。そんな事を説明している。


以上でアラビア語の話は終わりにして、今度は英語の話。登場人物はエジソン以来の超大企業GEのCEOイメルト氏。
アメリカの巨大企業GEのイメルトCEOは、我々のリーン生産方式は日本(トヨタ生産方式)から学んだと言っています。

これはイメルトCEOが2015年に来日した際の講演


2017-6-15リーン生産方式1 

2017-6-15リーン生産方式2 

参考エントリー
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1178.html

リーン生産方式
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%96%B9%E5%BC%8F


ハンチントンの指摘、「だから他の社会にそれを伝えてその社会の人びとと文化的な関係を築くことができない」、この事に対してアメリカの大企業GEでさえこんなことを言っています。
日本は孤立国ではなかった、日本の文化が世界で受け入れられ始めてきた。そんな事例でしょう。
この流れは安倍首相の米議会での「希望の同盟演説」「オバマ大統領の広島訪問」、「安倍首相の真珠湾訪問」、こういった事で大きく変わろうとしている。
今は歴史の転換点なんだと思っています。




  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(23)

2017-04-21 18:32

国債の話<続編

 4月17日のエントリー「銀行では国債が不足している・・・、はてな?」でこんな図を紹介した。
日本の歳出と税収、そして国債発行のグラフ、通称「ワニの口」グラフだ。
ここに貴重なコメントをいただいたのだが、コメント欄に眠らせるにはもったいないので、もう少し考察を加えて皆さんのコメントを紹介したいと思います。

最初にこんなグラフ

2017-4-16税収歳出グラフ

そしてこのグラフで特に民主党政権時代(2009年9月~2012年12月)の税収大幅ダウンの中でのバラマキによる歳出増加、国債の多発ぶりを紹介した。何せ税収が歳出の半分以下しかない異常事態だった。
さてこんな事に対し皆さんのコメントはというと



始めにこれは「かんぱちさん」のコメント

 良い国債と悪い国債
民主党政権はインフラ整備などを「事業仕分け」で削った一方で、「こども手当て」などの現金給付をやりまくったんですよね。 
サヨクは公共事業を「ハコモノ」「土建国家」と呼んで攻撃し、インフラ整備のための公共事業まで「バラマキ」と呼びますが、現金給付を無節操に行う事こそ、本当の「バラマキ」でしょう。 

民進党は次の選挙公約に「大学授業料の無償化」を掲げてますね。「所得制限は設けない」そうなので、とにかく民進党は「無差別・無制限に現金を給付する」のが大好きなようです。 

「教育費を無償化」民進党が選挙公約の原案|日テレNEWS24 
http://www.news24.jp/articles/2016/12/01/04348002.html 

必要な財源は5兆円で「教育国債」か消費税増税で賄うそうです。インフラ整備なら新たな雇用と需要が生まれ、完成後には地域の競争力や生産性も向上するので、そのために国が「建設国債」を発行するのは必要な事だと思いますが、Fランク大学の延命やサヨク教授の雇用を守るために「教育国債」を発行する事が必要だとは思えません。 

しかし、自民党も同様の検討を始めているようです。批判する記事がありました。 

大学無償化へ「教育国債」とは無責任 – 中村 仁|アゴラ 
http://agora-web.jp/archives/2024514.html 
>国が本気で取り組むべき教育政策な何でしょうか。いくらでもあります。例えば、歴史の遺物となったマルクス経済学の講座の廃止です。いまだに全国の多くの大学に開設されています。担当教授がいれば講座が続き、それも世襲制のように弟子に引き継がられています。 
>教育、研究におカネをつぎ込むとしたら、科学研究費補助金(科研費、年間2300億円)の充実を最優先すべきです。
2017-04-17 22:05 URL かんぱち 


そしてこれは「 NINJA300 さん」のコメント

民主党時代(ネームロンダリングして現在は民進党)は、日本にとって必須である技術開発投資の政府支援まで削りました。いま、日本は技術開発投資の内で政府支援の割合が先進国で突出して低いそうです。なんとか、民間企業の投資でしのいでいる状態です。 
民進党の連中は「アキメクラ」で何もみえていません。もしくは、日本を弱体化させようとしているかのようです。「国籍不明」のレンポーや「元犯罪者」で「童話同和」利権の辻本ならその線もあっても驚きません。 

>>民進党は次の選挙公約に「大学授業料の無償化」を掲げてますね。「所得制限は設けない」そうなので、とにかく民進党は「無差別・無制限に現金を給付する」のが大好きなようです。 

無償化はいいが、それが必要ない層にまで補助金を出すのは合点がいきません。「格差」がますます広がるだけです。なぜもっと頭を使わないのでしょうか? 

>>Fランク大学の延命やサヨク教授の雇用を守るために「教育国債」を発行する事が必要だとは思えません。 

全く同感!要は日本は戦後の「公職追放」と、その後の「敗戦利得者」にやられたんです。東大をはじめとする大学教授は敗戦利得者の弟子の弟子の世代でしょうか。地方の女子大とかになれば、共産主義者ばかりで「やくみつる」のような「シナの奴隷になりたい」というマゾヒストばかりです。 

>>教育、研究におカネをつぎ込むとしたら、科学研究費補助金(科研費、年間2300億円)の充実を最優先すべきです。 

同意します。特に民間企業では手が回らない利潤に結びつかない研究を政府が補助するべきです。それでなくても、「ゆとり」で日本人の科学知識のレベルが落ちているんですから。今は、大学院で原発を研究していたのに、原発関連の職は無理という状態です。これではいけません。 
2017-04-18 16:56 URL NINJA300 


お二方のコメントは正論である。そこで私の考えを前回エントリー時のコメントを加筆訂正し、書いてみたい。

最初に大学の無償化について。
これはアメちゃんの方からの圧力も大きいと思う。教育の充実に名を借りた愚民化政策です。
大学進学率が異常に高い韓国の学力がどうなったか、これを見てみると良く分かりますが、まさに目を覆うものが有ります。 三流大学増設と格外教授の延命、増員、なにも良いことはありません。
 
本当に必要なのはやる気のある人がどんどん研究できる環境づくり、ここに金を注ぎ込むべきです。
そして大きな問題なのが、 今の大学には自浄能力が無い。だから今の大学の延長線上で人を増やしてもまったく逆効果でしょう。 
この件は、 NINJA300 さんが指摘される「東大をはじめとする大学教授は敗戦利得者の弟子の弟子の世代」、ここが問題なんです。

実はこれについてまさにぴったりの事例を紹介します。
西尾幹二先生が「GHQの焚書図書開封」に長年取り組んでおられます。以下参照ください。
ここでGHQの焚書とは、戦前、戦中に日本で刊行された7769点(数百万冊)もの図書を廃棄処分にさせた、まさに非文明的な行為なのだ。そしてこの膨大な焚書をやるについて、日本人の協力者がいる。その当時の東大の教授・助教授たち。そしてその中の一人は、なんと西尾先生の恩師筋の金子武蔵、西尾先生が東大文学部を卒業するときはこの金子が文学部長だった。西尾先生は多分自分の卒業証書はこの金子の名前で出されている筈と言っていた。そしてこの当時の東大の総長が南原繁、吉田茂から曲学阿世の徒と罵倒された奴だった。
大学の敗戦利得者の系譜は現代にも脈々とつながっているという事です。

それと技術立国というのなら、学問と同じかそれ以上の割合で技能系、職人技、こんなものをもっと強化する方向が必要です。 
本当の職人技には中卒、高卒位で徹底的に教え込まないと技術技能が身に付きません。 
技術立国には頭の良い技術者とそれを形にする優秀な技能者が絶対必要です。 

これについても良い事例があります。トヨタ自動車では2015年の人事異動で技能系(つまりブルーカラー)のトップである技監から専務役員への抜擢人事を発表しました。優秀な技能者は役員にまで抜擢される。優秀な技能者重視の表れと思います。

教育もこんな時代背景を考えて、これからの人材を育てることを考えてほしいと思います。

最後に話があちこち飛んでしまいましたが、冒頭紹介した歳出と税収のグラフで、日本がようやく立ち直りかけていることが見て取れると思います。
多分そんな空気を読んだのか、麻生太郎副総理兼財務大臣がアメリカの大学で19日講演したとき、こんな事を言ったと報道されています。
日本は「失われた20年ではなく、改革の期間だった」、そして「アメリカに提供できる多くのモノを持っている」と。
この件は次回エントリーします。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(2)

2017-04-17 11:48

銀行では国債が不足している・・・、はてな?

 藤井 聡先生がご自身のFBにこんな投稿をしている。曰く、「銀行では国債が不足している」のだとか・・・。
今まで散々日本は国債が多すぎて破綻するなどと言われてきたが、どうもこんな事も眉唾らしい
最初に藤井先生のFBから

<以下引用>
https://www.facebook.com/Prof.Satoshi.FUJII/posts/10277915106

藤井 聡
(4月15日投稿)
今、マーケットでは深刻な
 「国債不足」
が問題になっている、との記事。これつまり、
 「(銀行等を含めた)投資家・投機家達は皆、今、
   超絶に、政府にカネを貸したがっているのに、
   貸すチャンスがない.......」
ということ。つまり、マーケットが、政府に
 「すんません、マジ、国債もっと発行してください!」
と懇願しているのが、今の状況なのです。
なのに、「国債を発行すると、破綻するかもしれない!」と煽って、国債発行額を抑制するなぞ......そういう方の「知性」ないしは「見識」を疑います。
下らない空理空論を振り回す前に、今、現場(=マーケット)で実際に起こっている事に注視し、経済財政政策を運営されんことを、心から祈念します。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51394
2007.04.09  金融・投資・マーケット
金融市場に国債が足りない!日銀が「異例の一手」をとった理由
本来、政府がやるべきことだ
ドクターZ

(引用者注:このドクターZさんの記事は本文末尾に全文掲載しました)
<引用終り>


さてそこで国債の話だが、今現実はどうなっているかというと

これは歳入と税収、そして国債の発行額の表、通称ワニの口と言われるグラフ。数年前まではこのワニが不気味に口を開けているようなグラフで大変だと大騒ぎしていたのだが、安倍政権になってから少しワニの口が閉じる方向になってきた。

2017-4-16税収歳出グラフ
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/003.htm

今回改めてこのグラフを見て思ったのだが、旧民主党は実に罪深い連中だったとしみじみ思う。
民主党政権時代に税収がドンガバチョと減っているのに、歳出はというと空前の大盤振る舞い。当然カネが無いから国債も空前の大発行。税収が歳出の50%以下などという異常事態。これをレンホーや革マル枝野一味はまったく反省の色もない。

しかもひとつ前のワニの口がガバッと開いた時、これは97年~98年の橋龍政権時代で自民党政権時代じゃないかと思うと大間違い。この時は自社さ連立政権で、その後の民主党連中は殆どこの中にいる。今安倍政権はこの時代の尻ぬぐい中だという事を改めて思い知った次第。

所で本題に戻ります。
国債が少しづつだが発行量を減らしてきている、これは上の図でも読み取れますが、もう一つのファクターがあります。日銀による国際買取です。

これは日銀の国債保有額の推移

2017-4-17日銀保有国債 

黒田日銀が猛烈な勢いで国債を買い上げ、市中にカネを流しているのが分かります。
国債残高が約千兆円もあるといろいろ言われますが、そのうち400兆円は日銀が持っている。残りの600兆円分が市中にある。そんな事になっている訳で、「国債国債とうるさいこと言うな、日本は大丈夫だ」という人がいるのも納得できます。

こんな事で冒頭の藤井先生の主張、もっと国際を発行して公共事業・インフラ投資をすべき、こんな事が納得できるわけです。

藤井先生頑張ってください。これしか日本を元気にする方法はないですから。



さて、冒頭揚げた国債が市中で足らないと言う件、ドクターZさんの記事全文を参考までに引用します。

<以下ドクターZさんの記事を全文引用>

2017.04.09   金融・投資・マーケット
金融市場に国債が足りない!日銀が「異例の一手」をとった理由
本来、政府がやるべきことだ
ドクターZ

    
日銀「異例の一手」の意味

3月24日、日本銀行が「異例」といえる一手を繰り出した。

市場に流れるお金の量を調節するオペレーション(公開市場操作)で、約8年ぶりに「国債売り現先オペ」という手法で、約1兆円もの国債を市場に供給したのだ。

これは、日銀が保有する国債を一定期間後に再び買い戻す条件付きで売却する資金吸収手段のひとつで、最後に実施したのは'08年11月28日である。

国債を買い続けて金融緩和を進めてきた日銀だが、3月の決算期末を控え、金融市場で国債の「品不足」が起こりはじめたことが「異例の一手」の背景にあるが、これはなにを意味するのか。

前回の本コラムで、コロンビア大学教授のスティグリッツ氏の理論に触れた(「1000兆円の国債って実はウソ!? スティグリッツ教授の重大提言」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51314)。

日本は国債を大量に発行して借金まみれであるといわれるが、その残高は日銀が保有している国債を「相殺」すれば、それほどの金額ではないというのが彼の主張だ。

これは、市場に出回っている国債は、日銀保有分を差し引いて考えるとそれほど多くないことを意味している。金融緩和で日銀が国債を大量に購入しているため、市場に出回っている国債は平常時よりもさらに少ない。

結局、政府の努力が足りない

市場で国債を不可欠としているのは、銀行や証券会社などの金融機関である。

銀行は預金を集め、それを貸し出すことで利ざやを稼ぐが、預金すべてを貸し出しに回すことはできない。預金の引き出しに備えて、いつでも換金できる「流動資産」を持つ必要があるからだ。

一般的な金融機関であれば、預金に対する貸出比率は6~7割であり、残りの3~4割はこの流動資産として保有している。

この資産で最も流動的なのは現金だが、もちろん現金で保有していても利子は生まれない。そこで、収益性を高めるために国債を持つことが多いのだ。また、国債は金融取引の担保として使えるので、大量の国債を保有しなければならないのだ。

証券会社にとっても、国債は必要不可欠だ。

資本市場では株式や社債が取引されるが、株式と社債を交換することは比較的少ない。それよりも、現金に準ずる流動性を持っている国債と株式、国債と社債を交換するほうがはるかに多いのだ。

証券の市場では、言うなれば国債を「媒介」にして、各種の資本市場商品が取引されている。このため、健全な資本市場の発展のためには、大量の国債残高があったほうがいい。

つまり、もし市場に一定量の国債がなくなってしまえば、銀行、証券会社ともに、まともな金融取引が行えなくなる。

3月の年度末は決算を控え、余分な現金を持っておくよりも国債に替えたほうがいいと「決算対策」の需要も相まって、今回の「品不足」が起こった。これを放置しておくとまずいと考えた日銀が動いたのだ。

この日銀の対応はやむを得なかったが、本来であれば市場からどんどん国債を買ってデフレ脱却を目指す必要がある。

では誰が市場に国債を供給するべきかといえば、ほかならぬ政府である。国債が「品不足」になっているなら、先行投資の意味を込めて、政府が国債を発行すればよかったのだ。

要するに、今回の異例の対応は、政府が本来やるべき国債発行をサボったツケが、日銀に回ってきたということだ。

『週刊現代』2017年4月15日号より



  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2017-03-12 13:43

お役人様の本心を垣間見る

 財務省や外務省のお役人様のやることが日本の国益重点ではない、こんな事がしばしば批判されている。そんなお役人様の考えていることが良く分かる話を見かけたので書いてみたい。
日本再生のためにはこんな所をどう改革するか、これからの課題なのだが、それを考える一つの事例になるのではないか。

最初は現在発売中の雑誌「Hanada」4月号に載っていた話。
ここに「蒟蒻問答」という対談のページがある。ここで堤 堯(つつみ ぎょう)氏がこんな事を言っている。関連部分を引用すると。

<以下引用、Hanada4月号 p97)

 前にも言った記憶があるけど、円高デフレが十年ほど続いた頃、俺はいずれ財務省のトップになると目される官僚にこう言ったことがある。
 アメリカをはじめ他の国は通貨を刷り増している。ドルは三倍、ユーロは二倍、ポンドは四倍、スウェーデンのクローネに至っては七倍に刷り増している。なのに、円だけ刷り増さなきや円高デフレになるのは当然だ。円を刷り増したらどうか、とね。彼はこう返した。
 「そんなことをしたら、アメリカが機嫌を悪くしますよ」
 通貨発行権は国の主権だ。主権を行使するのに、他国の顔色を窺う必要なんかない。何を言っているんだと、しばし呆れて彼の顔を見詰めた

 世界で通貨を発行している国は百八十九力国。ここ十年間の通貨発行量の伸び率を比べると、なんと日本は最下位の百八十九位だという。つまり、日本はそれだけ通貨発行量を抑えに抑えてきたんだね。
 アメリカにすれば、日本が円高デフレの状態にあるのが望ましい。日本のカネがアメリカに流れるからだ。下手に金融緩和を言えば、アメリカに睨まれて出世に障る。それが財務官僚の本音だ。
 ところが安倍は敢然として、この通貨発行権という主権を行使した。異次元の金融緩和を黒田バズーカというが、あれは前日銀総裁・白川方明のクビを切った安倍が黒田を後釜に据えて、その尻を叩いてやらせている。いうなら安倍バズーカだ。
 ためにメルケルには「為替操作を疑う。世界経済の懸念材料だ」と批判され、英米の新聞からは「本来、デフレ対策は構造改革でやるべきだ。安倍は間違っている」と批判され、IMFでも「為替操作だ」と非難された。
 ところが安倍は怯まない。この一事をもってしても、俺は安倍を支持しているんだ。国の経済指標は株価、GDP、失業率の三つで計られる。三つとも、四年前に比べて好転している。なのに、アペノミクスをアホノミクス呼ばわりする手合いがいるが、どっちがアホかと言いたい。

<引用ここまで>

なるほどねえ、アメリカが冷戦に勝利しソ連崩壊(1991年12月)、それを受けて登場したクリントンに「次なる敵は日本だ」と経済戦争を仕掛けられ、失われた20年で苦しんだのだが、その経済戦争がどんな形だったのか、良く分かる話である。
財務省は日本の国益を考えていないのだ。


もう一つ、こんな話がある。
「中国はなぜ尖閣を取りに来るのか」 藤岡信勝・加瀬英明編 自由社h22刊という本に載っている話。この本は私も読んでいないのだが、読書家の方が読後感をアップされているブログに記事があった。
「人差し指のブログ」というブログにその話が載っている
http://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12252937374.html
該当部分は加瀬英明氏と石平氏の対談になっている。

<以下同ブログより引用>

<加瀬英明>    1992年10月に、宮澤内閣のときですが、有識者14人が首相官邸に招かれ、天皇皇后両陛下のご訪中について、個別に意見を聴取するということがありました。
 
これは、もちろん出来レースで、はじめから結論はわかっていたわけですが・・・・・・・。
  
私はそのうち1人として、反対の意見を述べました。
  
<石平>    どのようなご意見を?
 
<加瀬>    まず一つは、天皇が外国へ行幸(ぎょうこう)されるのは、国民を代表してその国を祝福されるためです。「中華人民共和国のような国民の人権を蹂躙(じゅうりん)している全体主義国に、天皇がおいでになられるのは、なじまない」 といいました。
 
もう一つ、その年の2月、中国の全人代行務委員会が中華人民共和国領海及び隣接区法というのを制定して、この中で、尖閣諸島・南沙諸島などを、「中国固有の領土である」 という法律を制定していました。
  
私は、「中国が尖閣諸島を自分の領土だということを立法までした直後に、陛下がおいでになるのはふさわしくない」 と考えました。
  
それに、北京政府は3年前には、天安門広場で、多くの学生と市民を虐殺していました。
  
<石平>    もっともな話です。でも、結局、天皇皇后両陛下はご訪中されたわけですね。
 
<加瀬>    私は 「それでも、どうしても天皇陛下が中国をお訪ねになられるのでしたら、お言葉のなかで、人権を尊重するようにといわれるべきだ」 と、述べました。
  
首相官邸に赴く前の月に、外務省の樽井中国課長(当時)が私の事務所にやってきて 、「お願いがあります。私は外務省に入省してから、北京に留学しました。私は生涯を日中友好に捧げる決意をそのとき固めて、今日に至っています。どうか天皇ご訪中に反対なさらないでください」 と懇願されました。
 
私は、「樽井さん、それはあなたの個人的な考えで、日本の国益のためには、天皇がおいでにならない方がよいと確信しています」 といったら、悄然として帰っていきました。
  
<石平>    本当にあきれた話ですね。
 
日本の国民の税金から給料をもらっている、日本の外交官ですよ。彼らが生涯をささげるべきものは、日本の国益です!日本の国益こそが、彼らがささげるべきものであって、日中友好でもなんでもないんですよ!
  
彼らは日中友好を目的にしていますが、「友好」 が外交の目的ではないんですよね。

<引用終り>

ここで樽井中国課長というのはコイツ
樽井澄夫
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%BD%E4%BA%95%E6%BE%84%E5%A4%AB


この天皇陛下のご訪問というのは実に厄介な政治的意味を持っている。日本のエンペラーが中国に行った、これは天安門事件で世界的に孤立していた中国に免罪符を与え、その後の中国の発展の基礎を作ったという意味で国際的に重要なのだ。

六四天安門事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E5%9B%9B%E5%A4%A9%E5%AE%89%E9%96%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6

上掲wikiによれば西側諸国の対応として
日本、アメリカ、台湾、フランス、西ドイツを含む各国は、譴責あるいは抗議を発表し、G7 による対中首脳会議の停止、武器輸出の禁止、世界銀行による中国への融資の停止、日本からの対中借款停止などの外交制裁を実施した。
・・中略・・
その後、「譴責」や「抗議」を行った国を含めて、ほとんどの国が1992年日本の宮沢内閣が行った天皇の中国訪問と制裁解除を契機に時期をおいて中国との外交関係の回復を行った。・・以下略・・


もう一つ鄧小平の南巡講話
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E5%B7%A1%E8%AC%9B%E8%A9%B1
この南巡講話が1992年1月~2月、これで中国は改革開放路線に大転換した。
聞こえはいいが「共産党一党独裁強欲資本主義」である。
但しこの鄧小平の路線大転換が有っても、西側諸国は六四天安門事件のため中国を制裁していた。そこへ風穴を開けたのが日本の天皇陛下御訪問であった。


それで誰が儲かったのか?、実はアメリカである。アメリカは中国に進出するのに「中国は天安門事件のようなことをする非民主主義国」というレッテルがどうしても邪魔、そこに助け舟を出したのが日本だった。天皇陛下のご訪問にはこんな重要な意味があることをよく認識する必要があると思う。

例えば2005年のみずほリサーチのデータで、かなり古いがこんなデータがある。
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/research/r050301china.pdf

2017-3-12アメリカの対中投資推移 

アメリカの対中投資が1992年を境に激増していることが分かると思う。

またこんなデータも
2017-3-12中国の外資系企業上位10社 

トップ10には日系企業は入っていない、アメリカ~5社、ドイツ~2社、台湾~2社、香港~1社だ。

日本は失われた20年で永らくデフレ不況に苦しんできた。その間アメリカは外見上安定成長。中国は大躍進だった。
しかしその外見上成長しているはずのアメリカが国内では産業が空洞化し、白人の貧困は自殺率が上昇するほどの異常事態。そしてトランプが新大統領になった。

そこに至る過程を今振り返るのもまた意義あるものではないだろうか。」


  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(20)

2017-03-07 18:58

米国の資本主義にまつわる不穏な新事実(WSJ記事です)

 WSJに興味深い記事があった。曰く「米国の資本主義にまつわる不穏な新事実」
こんな不穏なタイトルの記事なのだが、内容を読んでビックリ。アメリカがそこまで来ていたのかと再認識させられた。

要点は強者が総取りする社会が出来てしまった。総取りした結果はとんでもない高利を貪っている。こんな話であった。
例えば
スーパーマーケット業界では、1997年当時の株式公開企業は36社で、上位4社が売上高全体の半分強を占めていた。2014年の時点まで残ったのはたった11社で、上位4社の売上高は全体の89%にも上った。
20年前には米国に7000社を超える株式公開企業があったが、今や4000社を割り込んでいる

このように少数の強者が需要を総取りしている実態がある。

さらに利益率でみると・・・
 1996年末の時点で、S&P500種株価指数の構成企業のうち純利益率で上位25位に入った企業は、売上高1ドル当たりの利益は中央値で21セント弱だった。これに対して、2016末の上位25社の利益は同39セントだった。
 S&P500種指数の全構成企業で見ると、純利益率は20年前には中央値で6.7%だったが、2016年末には9.7%に上昇した。
 というわけで、この20年で企業全体の収益性は増した。しかし勝者の収益性はそれをはるかに上回る勢いで上昇しており、売上高1ドル当たりの純利益はほぼ2倍になった。

ここまで利益率が高いと株主はホクホクだと思う。がしかし物には限度がある。
特にこの記事はあえて平均値と言わず中央値で書いているところを注目している。トップ企業の数値が高すぎて平均値では高すぎて実態があらわせないのだと思う。
特にS&P500種株価指数の構成企業のうち純利益率で2016末の上位25位に入った企業は、売上高1ドル当たりの利益は39セント、これには正直びっくりでした。
(上位25社の中央値ですから、上から13番目の会社の利益率が1ドル当たり39セントという事です)
裏山鹿~裏山鹿~~。

これが冷戦終了(1991年)後のアメリカ一人勝ち時代の結果なのでしょう。

そしてこのような高利益率が長続きする筈がない、これは歴史が示しています。
アメリカにとっては奴隷貿易だとかアヘン密貿易時代の暴利に近いのかもしれません。ですが今回はこれ以上解析しようがないので、記録するにとどめたいと思います。


参考までにWSJ記事全文を添付します。詳細はリンク先参照ください。

<以下WSJより引用>
http://jp.wsj.com/articles/SB10681214028215414391304583005101384346858

MONEYBEAT
米国の資本主義にまつわる不穏な新事実
勝者が総取りしやすくなった理由は何なのか

もしかすると創造的破壊の法則はとうとう通用しなくなってしまったのかもしれない
By JASON ZWEIG
2017 年 3 月 6 日 08:54 JST

――筆者の筆者(原文のまま)のジェイソン・ツヴァイクはWSJパーソナル・ファイナンス担当コラムニスト

***

 「勝者は走らせておけ」は投資にまつわる最も古い格言のひとつだ。一方、最近は「勝者は総取りするかもしれない」という考えがある。

 企業は規模が拡大するにつれて現状に満足するようになり、その結果、規模が小さい意欲ある企業との競争にさらされる。そうした競争相手は大企業より安い価格を打ち出して、大企業を追い抜く可能性がある。現代の資本主義はこうした考え方に基づいている。株式市場の上昇が止まる気配を見せていない理由は、この「創造的破壊」のサイクルが変化していることにあるのかもしれない。

 経済学者のグスタボ・グルロン氏(米ライス大学)、エレーナ・ラーキン氏(カナダ・ヨーク大学)、ロニ・ミシェリー氏(米コーネル大学)の新たな研究によると、米国の企業は「巨大企業は規模が拡大するにつれて弱くなるどころかさらに強くなる」という勝者総取りシステムに向かっているという。

 他の経済学者が最近行った研究でも同じような結論が出ている。数少ない「スーパースター企業」が業界で優位に立ち、競争相手を締め出して、ここ何十年もみられなかった規模で市場を支配しているのだ。

 アップルや、グーグルの親会社であるアルファベットといった明らかに勝者が独り勝ちしている事例以外を見てみよう。

 まずは不動産サービス業界。グルロン氏らによると、1997年には株式を公開している不動産サービス会社は42社あり、上位4社が全体の売上高の49%を占めていた。しかし2014年の段階で残っていたのは20社のみで、上位4社――CBREグループ、ジョーンズ・ラング・ラサール、リアロジー・ホールディングス、ウィンダム・ワールドワイド――が全体の売上高に占める割合は78%に達した。

 スーパーマーケット業界はどうか。1997年当時の株式公開企業は36社で、上位4社が売上高全体の半分強を占めていた。2014年の時点まで残ったのはたった11社で、上位4社――クローガー、スーパーバリュー、 ホールフーズ・マーケット、ラウンディーズ(クローガーに買収されて以降)――の売上高は全体の89%にも上った。

 グルロン氏らによると、20年前には米国に7000社を超える株式公開企業があったが、今や4000社を割り込んでいる。

 投資調査・資産運用会社のルーソルド・グループ(ミネアポリス)によると、利益のほとんどを手にしているのも勝者だ。

 1996年末の時点で、S&P500種株価指数の構成企業のうち純利益率で上位25位に入った企業は、売上高1ドル当たりの利益は中央値で21セント弱だった。これに対して、2016末の上位25社の利益は同39セントだった。

 S&P500種指数の全構成企業で見ると、純利益率は20年前には中央値で6.7%だったが、2016年末には9.7%に上昇した。

 というわけで、この20年で企業全体の収益性は増した。しかし勝者の収益性はそれをはるかに上回る勢いで上昇しており、売上高1ドル当たりの純利益はほぼ2倍になった。

 昨年、純利益率で上位25社に入った企業には イーベイ、 アルトリア・グループ、バクスター・インターナショナル、 ギリアド・サイエンシズ、 コーニング、ビザ、 マスターカード、 フェイスブック、アムジェン、バイオジェンなどがある。

 「資本主義に失望している」と冗談めかして言うのはルーソルドのダグ・ラムジー最高投資責任者(CIO)。「大企業が徐々に競争相手との距離を広げているだけのように見える」

 勝者が総取りしやすくなったとすればその理由は何なのか。ミシェリー教授によると2つの説がある。1つは反トラスト法の適用が抑制された結果、大規模な企業合併が行われるようになり、競争が緩和され、利益が増えたという説。もう1つはテクノロジー原因説だ。「グーグルやアマゾンと競争したければ数十億ではなく数百億ドル規模の投資をしなければならない」(ミシェリー教授)。

 ミシェリー氏らの研究によると、2001年から2014年にかけては上位企業の優位度が高くなった業界の株を買い、上位企業の優位度が下がった業界の株を売っていれば、年間で株式市場全体を平均約9ポイント上回るリターンを上げられたという。

 こうした成績を達成するには、毎年、それぞれの業界の株式公開企業数を数え、企業の年次報告書に掲載されている売上高を使って「ハーフィンダール・ハーシュマン指数」(HHI)を計算すればいい。

 企業数が減少傾向にあってHHIが上昇していれば、勝者総取りの状態になりつつある。そうなれば「買い」だ。

 統計に基づいてというより直感でそうしているのかもしれないが、おそらく多くの株式投資家はこのところ、こうした株の買い方をしているのではないか。勝者が弱い企業を駆逐した結果、あまりに大量の資金がごくわずかな銘柄を追いかけている。

 とはいえ、歴史を見れば分かることだが、勝者総取りの事例は過去に何度もあったものの、長続きすることはめったにない。

 もしかすると創造的破壊の法則はとうとう通用しなくなってしまったのかもしれない。しかし遅い早いはあったにせよ、資本主義は勢いに乗った勝者を敗者に変える力をずっと持ち続けてきた。

 なんなら調べてくれてもいい。できればブラックベリーを使って調べてもらいたいものだ。もしまだ使っている人を見つけられれば、の話だが。

<引用終り>
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2017-02-19 22:08

公益資本主義、何でしょう?

 3月20日発売のWedge3月号に「公益資本主義」なる記事が載っている。
一見普通の記事のような体裁だが、実はこれはこの「公益資本主義」に関しての宣伝だった。
どんなモノかというと

2017-2-18ウェッジ3月号-01 

2017-2-18ウェッジ3月号-02 

いま世界はアメリカ・ウォール街主導の強欲資本主義で貧富の格差が極限まで大きくなっている。
先月には
世界人口の半分と同じ富が62人の富豪に集中
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2016/01/62.php

こんな話が有った。そして上掲記事にはこんな指摘が
労働者階級と貧困層は成長の果実を得ていない。ということは、経済のどこかが決定的にくるっている。ルールに則って一生懸命働けば報われる、という社会契約説が破綻している』

この「一生懸命働けば報われる」、これは言うは易く、実現するのは難しい。しかしタイ時代にタイ人には常にこんな事を言ってきた。難しいがこんな思いが無ければ発展しない。
何時の時代でも決して変わらないターゲットだ。

そしてこの公益資本主義という考え方は、ウォール街主導の強欲資本主義に対するアンチテーゼ、新しい考え方だと思う。
Wedgeの記事は画像でも読めないことは無いが、参考までに1頁目を文字情報にしたので以下掲載する。

<以下Wedge3型烏合記事より>

「GDP600兆円」実現の決め手。具体化する日本初の新・経済システム
動き出した公益資本主義

「GDP600兆円」の達成は安倍政権が目指す悲願の計画。ところがアベノミクスはここに来て停滞感が否めない。この壁を突き破り日本経済を活性化させるのが『公益資本王義』だという意見が頻出している。2016年の「ワールド・アライアンス・フォーラム東京円卓会議」では、その実現に向けて熱のこもった議論が交わされた。

日本が牽引する新経済システム
公益資本主義における三原則

 安倍内閣が経済活性化のために断行した企業減税で生まれたキャッシュは、社員などの社中(社員、顧客、仕入先、地域社会、地球といった会社を支える仲間を指す)への分配や中長期投資に必要な内部留保に充当されず、ほぼ全部を株主に還元する企業も現れだした。
 メディアもROE(Return On Equity=自己資本利益率)の大きさを競わせるような空気を醸成。昨年1月~9月だけで4兆円を超える自社株買いが実施されROE数値も上がったが、恩恵を受けたのは投資家、投機家、富裕層などだけだった。
 さら四半期決算開示義務も企業を短期志向に走らせ、開示のためのコスト面で大きな負担を強いている。そんな中、「欧米の経営手法に追随するのを止め、日本が率先して余業経営の指針と世界にインパクトを与える資本主義のあり方を示すべき」と、アライアンス・フォーラム財団代表の原丈人氏は力説する。そしてそのために実現すべき「公益資本主義の三原則を挙げた。
 それは第一に、「中長期の経営」の重要性、持続的な会社発展に必要なイノベーションを可能にするためだ。イノベーションは、一朝一夕には生まれない。第ニに、リスクを取り新事業に果敢に挑戦し常に改良改善に努める「企業家精神による改良改善」。そして第三に、利益を社中各員に分配する「社中分配」--ーこの三原則を実行すれば、企業と共に社員は豊かになり消費が活性化され、持続的な絲済成長が可能となり、GDP600兆円は達成できるという。
 こうした原代表の基調講演を基に、2016ワールド・アライアンス・フォーラムで熱心な意見交換が行われた。

<引用終り>


なるほどねえ、公益資本主義、効きなれない言葉だが、考え方なら昔からあるぞ。

売り手よし、買い手よし、世間よし
こんな言葉を聞いたことは無いだろうか。江戸時代の近江商人の商売とはかくあるべしという教え。
近江商人・・・。今の滋賀県近江八幡市から日本全国へ飛び出した商人たちのことだ。
出身地の近江八幡市

2017-2-19近江八幡市街 

今でも昔の栄えた面影を残しています。美しい街ですね。

こんな近江商人たちが江戸時代から心がけてきたこと。この経営理念が松下幸之助の松下イズムに受け継がれていることは良く知られている。

ホンの一握りの富裕層が全世界の人口の半分の持つ富と同じだけの富を持っている。こんな世界がいつまでも持続する筈がない。そんな時、モデルになるモノが日本にある。これからもっと色んな人が話題にし、こんな目標で仕事をしていかねばならない。そんな思いです。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2016-11-06 14:47

飛燕から現代へ<続編

 神戸へ三式戦闘機飛燕を見に行ってきたのだが、その悲劇の戦闘機飛燕、それが現代に繋がっているという話を書いてみたいと思います。
最初に先回紹介した縄文人さんのコメントにこんな記述が
「アメリカの戦闘機は機体が滑らかに作ってありましたが、日本の戦闘機はどうしても凹凸が出ました」。
これは先日見た飛燕の別角度から
2016-11-6飛燕主翼 

確かにパネルに凹凸があります。特に主翼の先端などハッキリ見えますね。
これはこのパネルが「手叩き」で成形しているためです。
私が若いころ、金属のプレス加工の勉強をしましたが、その時のプレス加工の本に今でも覚えているこんな記述がありました。
「戦時中、空襲が激しさを増す中、工場ではトンカラトンカラとハンマーの音を響かせ、手叩きでパネルの成形をしていた。しかしその頃アメリカでは大型のプレス機と金型でパネルをプレス成型していた。だからパネル一つとっても日本製は精度もよくないし、ばらつきも多かった。これが日米の差だった。だからしっかりしたプレス加工で・・・」、こんな話でした。

縄文人さんの言われた日本とアメリカの飛行機の機体の滑らかさの差、これがこんな基礎技術の差が出たものだったのです。

またNINJA300さんのコメントの中にこんな話。
「渡部昇一先生の本で昔読んだ記憶があるのですが、戦前の日本はマザーマシン(機械を作る機械)の生産を海外に100%依存していた。だから、戦争がはじまって時がたつにつれ、機械が老朽化して不利になっていった」
この件も昔、国内大手工作機械メーカーの方に同じ話を聞きました。その方は
「だから我々はどうしても国内で開発・生産している。あの敗戦の悔しさを忘れてはならない」。

こんな事で日本が戦後の復興から発展過程では、多くの方が色んなところで敗戦の要因をかみしめて、そこから脱却を目指していた。
中でも日米の差の大きかったのが品質の違い。これは日科技連(日本科学技術連盟)が中心となって啓蒙活動を進めてきた。
この活動には経団連が積極的に関与し、品質改善は日本の産業界の大きなテーマだった。
この当時、日本では品質管理に関する関心が一気に高まり、QC、TQC、TQMと言われ、1970年代はまさに一世を風靡した。日本の品質が世界に認められ始めたのもこの頃から。
私もその頃品質管理を一生懸命勉強した一人、そして先生方も、あの敗戦の悔しさを決して忘れず、品質で世界一を目指そうと教えていた。

こんな経過から生まれたのが「デミング賞」である。
デミング賞は品質に関して功績のあった個人に与えられるもの(デミング賞本賞)だが、その実践を行った企業に与えられるのがデミング賞実施賞(現デミング賞)であり、大変な名誉とされた。
デミング賞委員会は委員長が経団連会長、事務局が日科技連となっており、現在も存続している。
デミング賞は1951年から毎年何社かが受賞しているのだが、有名になったのは1960年に日産自動車が受賞した時、コマーシャルなどにも使われ大評判となった。
所が1980年代に入ると、デミング賞を受賞した会社で不祥事が続出、また業績も不振になり、デミング賞を受賞すると会社が左前になると言われるようになった。品質の作り込みは毎日の企業活動の積み重ねであるが、デミング賞はそれを受賞するのがゴールになってしまって、以後の活動に結びつかない欠点があった。
この結果、デミング賞は1997年を最後に受賞会社無し、デミング賞の後に出来た日本品質管理賞(現デミング賞大賞)も2000年以降はインド・タイなど外国企業の受賞だけになってしまった。

私は1998年からタイで仕事をしてきたが、タイでISO9000(品質規格)/QS9000(アメリカのビッグスリー向けの品質規格、ISO9000に独自部分を追加したもの)品質規格を導入することにし、ISO9000/QS9000を徹底的に読み込んでみた。
その結果、ISO9000は日本のTQC、TQMを徹底的に研究し、その良いとこ取りしていることが分かった。このことはQS9000で一層顕著で、何を言っているかわからない部分を日本のTQCの直訳だと読むと理解できる部分まであった。(参考:ISO9000の制定~1987年、QS9000の制定~1994年、なおQS9000は現在はISO16949となっています)
特に1S0/QSで一番良いと思ったことは以下の3点
① 経営者の責任
② 品質システム
③ 内部品質監査  だった。

以上のようなことをやってきての経験からこんな事に気が付いた。
日本のTQC、TQMが育たなかった原因、デミング賞が立ち消えになってしまった原因、此れこそ日本がモノ作りでアメリカに負けた原因と同じではないかと。

前回の「飛燕から現代へ」エントリーで、kazkさんが『日本の技術とマネージメントの問題点』と指摘されてますが、まさしくTQC、TQMの問題点、デミング賞の問題点が、この「マネージメントの問題点」なのだと。

そしてせっかく日本が素晴らしい品質システムを考え出したのに、いつの間にか欧米にいいとこ取りされてしまった。これでは第二第三の敗戦と言えるのではないかと、こんな風に痛感してきました。

飛燕に関する話は以上です。なにやらまとまりのない話になりましたが、長い話にお付き合いいただきありがとうございました。


  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2016-10-29 14:28

藤井聡先生の『このままでは日本は後進国になる』論を考える

 内閣官房参与の 藤井聡先生が、『このままでは日本は後進国になる。そして経済的植民地へ』、こんな恐ろしいことを言い始めた。私は藤井聡先生のご意見は大変いいことを仰っているのでいつも注意して見ている。

がしかし今回のこの意見は正論と思うものの、もう少し言い方があるのではないかと疑問を感じる。

最初に藤井先生の仰っていること。

<以下Money Voice より引用>
http://www.mag2.com/p/money/25292
「普通に暮らす」という戦い。日本はあと25年で後進国化する=内閣官房参与 藤井聡

2016年10月27日

記事提供:『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2016年10月25日号より
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/10/25/fujii-220/
※本記事のタイトル・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです

このままでは日本は後進国になる。そして経済的植民地へ…
成長率アップに失敗すれば、「今まで通りの暮らし」ができなくなる

今、安倍内閣は「デフレの完全脱却」を目指したアベノミクスを展開しています。

「デフレの完全脱却」とはつまり、GDP成長率が低くなる低成長、あるいはゼロ成長、あるいはゼロ成長、マイナス成長にすらなってしまう「デフレ」を完全に終わらせ、GDP成長率を年率3~4%程度まで上げるということを意味します。

しかし今日本には、「成長率を数%上げることがそんなに必要なのか? 別に成長しなくたって、今まで通りで構わないじゃないか」という風に思っている方も少なくないと思います。

――が、そんな認識は完全に間違っています。

なぜなら、今の日本で「成長率を数%上げる」ことに失敗すれば、「今まで通りの暮らし」ができなくなるからです。

以下、その理由を説明したいと思います。

まずは、こちらのグラフをご覧ください。

2016-10-28藤井先生のグラフ
出典:世界の全ての国・地域の名目GDPの推移図 - Facebook

これはこれまでにも何度かご紹介してきた「世界の全ての国・地域の名目GDPの推移図」。

ご覧のように、1995年ごろまでは、日本は順調に成長していました。結果、1995年には日本のGDPはアメリカの7割、(ロシアも含む全)欧州の5割程度の規模を誇っていました。

しかしそこから日本は「デフレ」になり、「ゼロ」ないしは「マイナス」成長となりました。一方で、世界中の国々のGDPは伸びていきます。結果、日本のGDPは中国の半分、アメリカの四分の一、欧州の五分の一という水準に至ってしまいます。

そして、全世界のGDPに占める日本のGDPシェアは、ピーク時の17.3%(2005年)から5.9%にまで、実に「三分の一以下」にまで激減しました。

つまり、日本経済はこの失われた20年の間に着実に衰退し、今や、決して「経済大国」とは言えないような国に成り下がったわけです。

・・・以下長文のため途中省略、結論部分に飛びます・・・

以上に示した悪夢のような未来を避けることは出来るのでしょうか?

――もちろんそれは可能です。

言うまでも無く、デフレをいち早く完全に終わらせ、諸外国と同様の年率3~4%程度の成長率を確保し続ける状況を創出すれば良いのです。そうすれば、わが国の発展途上国化を食い止めることはもちろん可能です。これこそ、わが国政府はアベノミクスを通した「デフレ完全脱却」が目指している、最大の根拠です。

「日本の後進国化」という悪夢を避けることができるのか否か――この問題は、もう既に単なる「経済」問題の枠を超えた、「国防」問題と言っても差し支え無いでしょう。

こうした真剣なる危機感の下、かねてより主張している「三年限定の財政拡大」によって「デフレからの脱出速度」を確保する取り組みの継続が求められています。さもければ、日本の未来は悪夢に堕することになるでしょう。

安倍内閣の勇気ある、真に本格的な経済対策の継続を、心から祈念したいと思います。

<引用終り>

 正論である。私も同様の危機感を持っているのだが・・・
がしかし、がしかし藤井先生、「このままでは発展途上国になる」などと、ちょっと言い方が過激すぎませんか。
藤井先生のような高名な方がこう仰ると、一般庶民は「ああっ、やっぱり日本はダメなんだなあ。あのグラフのようにこの20年全く成長していない、これでは日本はお先真っ暗だ」。こう考えるのではないですか。

こんな諦念を植え付け、厭世観を助長する
おまけに先生の発言を変に増幅し、厭世観を助長するへっぽこマスゴミのエサになっていませんかねえ。

実は日本のGDPが全く伸びていない、デフレに苦しんでいるとき、日本はステルス成長をしていたという見方もある。先生も当然ご存知と思いますが、それを書いてみます。

確かに先生のお示しになったグラフは事実です。
ですがこの20年、日本人は何もしてこなかった???、 そんなことは絶対にないですよねえ。

実はこの話、当然ながら気が付いた人もいる。なんと中国からだがこんな話がある。

2011-10-06
「誰も知らない1.8個分の日本<レコードチャイナの報道です」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-366.html

言っていることの概要は
震災や日本国債の格下げなどは、日本の「失われた20年」を連想する人も少なくないと思う。(引用者注:この記事は2011年10月のものなので、当時は民主党政権時代)
日本経済は20年間、成長が止まり低迷しているというものだが、実はこれは全くの誤解である。

根本から言えば、日本経済には「失われた20年」は存在しない。
この20年、日本の海外における経済力は国内の1.8倍にも膨れ上がった。
海外資産は40倍、海外純資産は60倍も増加。世界中のすべての市場、業界で日本マネーを見ることができる。
こうした状況の下、日本国内の経済成長も緩慢ではあるが、20年間ほとんどマイナス成長が見られなかった。これだけですでに奇跡だといえる。
<引用ここまで>



この20年は日本にとって「失われた20年」ではなかった。むしろ、「海外で高度成長を遂げた20年」といって良い。
巷では良く、「日本は海外に『1.8個分の日本』を持っている」という例えが用いられる。
海外にそれだけの資産を持っているという意味だ。
こんなことを言っているのだが、こんなことは普段マスゴミは決して報道しないので一般の人は分からない。
出はどうなっているか。

これは日本が海外に持っている資産と負債、その差し引きの純資産の推移グラフ

2016-10-28対外資産負債残高推移グラフ
出典:http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/2015_g.htmより作図

見事に右肩上がりになっています。2008年のところが一寸へこんでいますが、リーマンショックですね。

これは上掲グラフの実際の数字、興味のあるからはサムネイルから拡大してどうぞ

2016-10-28対外資産負債残高推移データ

さてでは諸外国との比較はどうなっているか

2016-10-29主要国の対外純資産

こんな風に主要国の中でも日本は断トツの一位です。
GDPが20年間横ばいで成長していない、そう言いながら海外には339兆円もの純資産を持っている。
私が藤井先生の意見は分かるけれど、「このままでは日本は後進国になる」などという言い方が過激すぎる、これが問題だと思っている訳です。

さてでは339兆円もの純資産、これがどのようになるか、当然利益を生むわけです。

これはデータが2014年までだが、日本の経常収支とその内訳の推移

2016-10-29日本の経常収支推移(内訳付き)
http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2015/2015honbun/i1120000.html

このグラフは経常収支(国際収支ともいう)の内訳とその合計の推移が分かる。
ここで用語の解説を少し。
経常収支=貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の合計

貿易収支 = 財貨(物)の輸出入の収支を示す。

サービス収支 =サービス取引の収支を示す。
  (サービス収支の主な項目)
  輸送:国際貨物、旅客運賃の受取・支払
  旅行:訪日外国人旅行者・日本人海外旅行者の宿泊費、飲食費等の受取・支払
  金融:証券売買等に係る手数料等の受取・支払
  知的財産権等使用料:特許権、著作権等の使用料の受取・支払

第一次所得収支 = 対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。
  (第一次所得収支の主な項目)
  直接投資収益:親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払
  証券投資収益:株式配当金及び債券利子の受取・支払
  その他投資収益:貸付・借入、預金等に係る利子の受取・支払

第二次所得収支 = 居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す。
  (主な内容)  注:2014年以前は経常移転収支と言っていたもの
  官民の無償資金協力、寄付、贈与の受払等を計上する。

なぜこんなことを長々書いたかと言えば、第一次所得収支が海外への投資などから上がってくる収益を現すからなのだ。
そして日本は貿易立国だなどといまだに言うセンセ方がいるが、実態はとっくの昔に貿易収支より所得収支のほうが多くなっている。
だから2011年の東日本大震災ののち、日本は貿易収支が赤字転落。そりゃあ大震災で工場は止まり。おまけに原発も停止、政府はと言えばパヨクチンタラ民主政権、これでは赤字が当たり前なのだが、実は貿易大赤字ながらトータルの経常収支は黒字だった。ひとえに所得収支が大きいことが原因だった。(毎月約1兆円以上だった)

2016-10-29国際収支の主要指標推移
http://www.nippon.com/ja/features/h00135/


これで分かるが、2015年には年間で20兆円を超える第一次所得収支がある。月間で1.5兆円以上になる。

私の友人の元経理責任者は2011年秋、しみじみ私に語ったことがある。
短足さんが海外に出ていく時、私は海外事業に反対だった。しかし今日の状態で、もし海外からの稼ぎが無ければボーナスなど到底払えない。それを思うとあの時海外に出て言って本当に良かった。有難う。
こんなことが日本中で起こっている。それが上掲グラフである。


結論です。
藤井先生の仰ることは何とかしてデフレを止め、成長を確保したい。これはまったく同感でぜひとも加速させてほしいです。

しかしこれは経済の一つの面、もう一つが日本はステルス成長をしているという事。この証拠が2015年には年間で20兆円を超えた所得収支の黒字。
これはこれでもっと進めるべきでしょう。

ここから今の若い人に考えてほしいことが出てきます。
日本は国内の成長が出来なくても海外で成長してきた、そんな実績を持っています。
今までも、そしてこれからも海外で活躍していかないといけない、そんな時代です。
今まで以上に自分を磨き、海外で頑張れるようにしていかないといけない。
そんなことで日々頑張ってほしいと思います。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(26)

2016-04-28 11:56

受注できなかったが失敗ではない

 オーストラリアから良いニュースが聞こえてきた。
オーストラリア海軍の潜水艦更新計画で日本の潜水艦が受注に失敗したのだと言う。

総額何兆円ものビッグビジネス、それで良い話とは何ぞやだが・・・
不謹慎のようだがその訳を書いてみたい。

最初にフランスが受注したと報じられたニュースから。

<以下引用>
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20160426-118-OYT1T50027/list_%2523IMPTNT

豪の次期潜水艦開発、日本は落選…仏を共同相手
2016年4月26日11時32分

 【ジャカルタ=池田慶太】日独仏3か国が参画を目指したオーストラリアの次期潜水艦計画で、ターンブル豪首相は26日、フランスの造船大手DCNSを共同開発相手に決めたと発表した。

 日本は落選した。

 この計画は、豪州が老朽化したコリンズ級潜水艦6隻を2030年代から最新の12隻に切り替えるもので、総事業費は約500億豪ドル(4兆3000億円)。豪政府は日独仏の3か国からの提案を受け、共同開発相手の選考を進めていた。今月19、20両日には国家安全保障会議(NSC)が最終的な検討を実施。日本は「海外建造実績がなく相当なリスクがあると判断された」(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)とみられている。
・・・以下略・・・

<引用終り>


総額4兆3千億円ものビッグプロジェクト、これで受注失敗で良かったなどとはおかしな話だが、私は次の2点で良かったと思っている。

第一の理由 ・・・ これは皆さんご存知と思うが・・・

通常動力として世界最高の性能を持つそうりゅう型潜水艦。この技術がこの話で間違いなく外部に流出する。
特に中国に筒抜けになる事は間違いない。

でっかいビジネスに目が眩んで、国家の安全保障の根幹を揺るがす機密漏えいの可能性が高かった。
それが未然に防止できたのだ。ヨカッタヨカッタ・・・


新幹線の技術情報を盗まれたJR東日本と川崎重工の失敗を繰り返さなかったと言う意味でも良かったと思う。
しかしこの話は皆さんご存じなので、ここでオシマイ。
次に進みたいと思います。


第二の理由 ・・・ オーストラリアの現地企業との技術提携による輸出話だが、

・ 現地会社は今までの実績から技術的に極めて問題の大きな会社であること。
だから上手くいく訳がない、スタート前から失敗が目に見えている。
更に現地との軋轢が日本人にも極めて大きな悪影響がある。


 現地会社はASCと言われています。
ASCとは: 国営の防衛産業企業、オーストラリア潜水艦公社(ASC:Australian Submarine Corporation)

しかしこのASCの製造する軍艦は無茶苦茶なもので、2014年にはこの問題で時のオーストラリア国防大臣から『軍艦ではなくカヌーを作っても信じられない』、こんな衝撃的な事を言われるような所なのです。

軍人は命がけで戦うので、武器の信頼性や安全性は大問題だ。
例えば敵と交戦中に大砲を打とうとしても大砲が不良品で打てない、或いは砲身の中で砲弾が爆発してしまう。此れでは話になりません。 だからこそ国防大臣から「カヌーを作っても信じられない」、こんな事を言われるのは如何にその会社工場が出鱈目かと言う事です。
この件は後程このカヌー騒動についての報道を紹介します。

もう一つの問題はオーストラリアは昔は物価も安く、人件費も安かったのですが、今は様変わりしています。
人件費が無茶苦茶高いのです。
労働者の給料は日本より相当高い。確か半年ほど前NHKテレビの番組でトラックの運転手の給料が年収2千万円程度との報道が有り、絶句したことを覚えています。
そんな所に技術供与する訳です。深刻な文明・文化の衝突が起こることは目に見えている
例えば生徒の方が先生より給料が高い、こんな異常な状況では先生が教えようとしても生徒が聞くわけが有りません
誰でもそうですが、給料が高い方が偉い、これは世界の常識です。特に欧米は拝金主義者の国、当然給料が高い人が偉いのです。当たり前ですね。
そこへ日本人が来て仕事をさせようとする。当然問題が発生します。
そんないい例が有ります。中国です。
昔、中国は貧しく何もかも遅れていました。だから日本企業が行くと大歓迎し、日本人の言う事も一生懸命聞いていました。
しかしそれがだんだん豊かになってカネを持った時豹変。
『もう日本より俺たちの方が偉いんだ、何故なら日本人より俺たちの方がカネを持っているから。
だから日本なんか潰してしまえ・・・。』
これが今の日本と中国の関係ですね。

しかもこんな状況になると『何か品質や納期で問題が起これば、それは日本が悪い』、こうなるに決まっています。
何か何処かのコリアに似ていますね。だからオーストコリアか、なるほどなるほど・・・・。



それでは現地会社ASC(国営の防衛産業企業、オーストラリア潜水艦公社)の問題点についての報道を。

最初に注意事項。
この報道は「カヌーを作っても信じられない」騒動の件で2014年のモノ。
そして適当な報道が見つからなかったので、韓国が伝えた報道を引用しました。韓国の報道なので独特のキムチ臭が有りますが実態は分かると思います。抱腹絶倒ですが・・・

<以下ホル韓ニュース速報「改」より引用>
http://horukan.com/blog-entry-1946.html

2014/12/07 (Sun) 16:00:00
潜水艦を日本に頼めば2兆円、国内で建造すれば8兆円 ⇒ カヌーすら作れない豪州ASC造船所の伝説 by 韓国の反応

最近、米国と歩調を合わせ、中国牽制のための海軍力増強に拍車をかけているオーストラリアで軍艦の導入と関連した国防長官の失言で世論はもちろん、政界まで荒波に巻き込まれている。



カヌーさえも信じて任せることもできないオーストラリア造船所の伝説
引用:ネイバーニュース/ソウル新聞

>>>記事の翻訳
最近、米国と歩調を合わせ、中国牽制のための海軍力増強に拍車をかけているオーストラリアで軍艦の導入と関連した国防長官の失言で世論はもちろん、政界まで荒波に巻き込まれている。

問題の発端は約200億ドルを投入して10隻余りの中型潜水艦を導入する次世代潜水艦事業から始まった。

当初、オーストラリアは次世代潜水艦を国内開発して建造する案を推進したが、最近は国内建造の代わりに日本の「そうりゅう」級潜水艦を導入する案が有力な代案として浮上し始めた。

オーストラリア政府が自国企業を排除し、潜水艦という戦略兵器を海外から、それも太平洋戦争当時、オーストラリア人捕虜虐殺問題によって悪い感情が残っている日本から購入を推進しようとするのは、自国の雇用創出や費用、反日感情問題を超えた「何か」があったからだ。


軍艦ではなくカヌーを作っても信じられない

先月25日、オーストラリア連邦上院の対政府質疑に出席したデイビッド・ジョンストン国防長官は、最近話題となっている潜水艦の導入事業と関連した発言で、国営の防衛産業企業、オーストラリア潜水艦公社(ASC:Australian Submarine Corporation)に対する不満を現わした。

ジョンストン長官は「皆さんは私がどうしてASCについてこんなに憂慮しているのか、またASCという企業が納税者らに引き渡すものが何なのか知りたいだろう」とし、「ASCは80億豪州ドルもの予算を投じた防空駆逐艦(AWD:Air Warfare Destroyer)事業を進めながら、6億豪州ドルの予算を超過執行しながらも、納期さえ合わせられなかった」と指摘し、「私はASCが潜水艦はおろかカヌーを作ると言っても信頼しない」と強く非難した。

このような発言が報道された後、オーストラリア世論は大騒ぎになった。

野党はもちろん労組が強く反発したのだ。スティーブン・コンロイ上院議員は「ジョンストン長官の恥かしい非難は彼がASCの労働者たちをいかに無視しているかを見せてくれる」と猛非難しており、ASC造船所が所在するサウスオーストラリア州政府のマーティン・ヘミントゥン防衛産業大臣も「ジョンストン長官の発言はアデレードで12隻の潜水艦を建造するというトニー・アボット首相の約束を破棄することだ」と声を高めた。

当事者であるASC労働組合も怒っていた。ASC労働者たちは「ジョンストン長官の発言は南オーストラリアと西オーストラリアで勤務する3,000人余りに達するASC労働者たちを役立たず扱いしたもので吐き気がする」と議会の抗議訪問に乗り出したこともある。

野党と労働組合の反発で世論が急激に悪化すると、ジョンストン長官は「私はASCの潜水艦の建造能力が世界最高水準だと思う」「昨日の発言はミスだったし、ASCの労働者たちに心からおわびしたい」と鎮火に乗り出したが、すでに悪化した世論は簡単に落ち着く兆しを見せていない。


「災難」に近い軍艦建造能力

事実、ジョンストン国防長官の「カヌー発言」はこれまでASCが見せた実績を考えてみると十分に理解できる発言でもある。公営企業であるASCは「神の職場」かつ非効率の極致を見せた企業だからだ。

豪州の海軍は2010年、ASCに次世代防空駆逐艦(AWD)3隻を発注した。ホバート級と命名されたこの駆逐艦は、イージス艦だが、予算の削減のため米国のアーレイ・バーク級と同じ7,000トン級以上の船体の代わりに、5,000トン級の船体であるスペインのF100護衛艦を選定して、これを基盤に駆逐艦建造を開始した。

本来の計画どおりなら、1番艦のHMASホバートはすでに進水し、12月末にはオーストラリア海軍に引き渡し就役しなければならなかったが、建造過程で問題が発生した。この駆逐艦はオーストラリア国内の様々な造船所に仕事を与えるため、各部分をブロックで制作して、ASC造船所で組み立てる方式で建造されていたが、実際に組み立てを開始してみると、それぞれのブロックの「穴」が合わなかったのだ。

各ブロックの接合部位がバラバラで、軍艦の脊椎ともいえるキールが、いきなり飛び出すなど到底組み立てが不可能なレベルであり、結局、製作されたブロックを廃棄して一から製作して組み立て直す問題が起きた。おかげで「予算削減」のために「ミニイージス艦」を選択したかいもなく、ホバートはアーレイ・バーク級を基盤に建造された韓国の世宗大王級のイージス駆逐艦より4,000トン近く小さな排水量にも関わらず、値段は2倍近く高い軍艦になってしまった。
(引用者注:7千㌧ー5千㌧=4千㌧、これがウリナラ品質です)

ASCが軍艦建造過程で問題を起こしたのは防空駆逐艦事業にだけがなかった。今回にオーストラリア政府が、次期潜水艦で、国内企業を排除して外国潜水艦の導入に心を決めたのはASCが納入した潜水艦のためだった。

ASCは1987年、スウェーデンのコクムス社と手を結んで、およそ30億ドル規模の次世代潜水艦事業を受注した。1隻当たりの建造費は8億豪州ドルで同じ時期に、我が国がドイツから購入した209級潜水艦の4倍に達する水準だったが、ASCが建造した潜水艦コリンズ級は文字通り「災難」だった。

潜水艦の生命である静粛性などは期待できないほどの騒音が大きく、スクリュー自体が不良品で進水後、再び製作して取り付けなければならなかった。推進機関は随時作動が止まっており、航海のためスクリューを回すとその間から漏水した。進水当時、戦闘体系と武装は無く、潜水状態で潜望鏡を引き上げれば、ひどい振動が発生し、浮上しなければならなかった。

潜水艦は100回潜水したら、100回浮上しなければならないが、ASCは一度潜水したら二度として浮上しない可能性もある潜水艦を作ってしまった。当然戦闘はおろか、航海自体が不可能な物だったが、ASCは、この潜水艦の建造費で1隻当たり8億オーストラリアドルを要求した。

このために就役が先送りされ、1隻当たり約1億4000万オーストラリアドルが投入され、改造が行われるなど6隻獲得に計60億豪州ドル、韓国ウォンで1隻当たり9300億ウォン近い費用が必要になった。2011年オーストラリアの安保シンクタンクの戦略政策研究院(ASPI:Australian Strategic Policy Institute)は「コリンズ級潜水艦は10年間で、100億豪州ドルが投入されたが、納税者たちが彼に相応の対価を返してもらったと見るには難しい」と、この事業が完全に失敗した事業だと非難した。

コリンズ級の事業失敗の原因は、オーストラリア国家予算監査局(Australian National Audit Office)が指摘した通り、ASCにあった。よく知られているようにオーストラリアは「強い労組の天国」だ。最低賃金はOECD1位を誇り、労働生産性は中下位圏を沈む「高コスト低効率」の国だ。このような環境を耐えられず、最近フォードとGM、トヨタがオーストラリアの生産工場を2018年まで閉鎖して事業を撤収することに決定した経緯がある。
(引用者注:フォードは年内、トヨタは2017年中に撤退完了予定・・・もはやニュースにもならない・・・)

しかし、公企業のASCは工場閉鎖や事業撤退を心配する理由がない。ASCは公企業で、労働者らに高い賃金と緩やかな勤務環境を提供して、放漫な経営で発生する損失を政府の補填で解決してきた。ASCが今までオーストラリア海軍に納入してきた駆逐艦と護衛艦、潜水艦などほとんどの戦闘艦の価格は外国の同クラスの船舶に比べて少なくとも2倍近く高い。

このような前例のため、豪州国防部は「12隻の中型潜水艦を導入する次世代潜水艦事業をASCに発注すれば、180~240億豪州ドル水準の価格に合わせることができるだろう」というスチュアート・ワイリーASC社長の提案について「あなたたちが関われば800億豪州ドル以上がかかる」と一蹴して外国潜水艦導入を推進するようになった。

しかし、潜水艦海外導入推進の動きと関連して、野党や労働界が強く反発しており、最近オーストラリア連邦政府予算監査委員会がASCの民営化をトニー・アボット首相に要請しながら、オーストラリア海軍の次世代潜水艦事業が政府と野党、労組間の社会的葛藤に飛び火するのではないかという懸念も次第に広がっている。

<引用終り>


徒にだらだらと長く、おまけにアチコチキムチ臭がプンプン。しかし南コリアに此処までコケにされるほど酷いのがオーストラリアの産業の実態。
だから引用文に有るようにオーストラリアからすべての自動車メーカーが車両・エンジン生産から撤退する。そんな環境なのだ。

それにしても
>「災難」に近い軍艦建造能力
>潜水艦の生命である静粛性などは期待できないほどの騒音が大きく、(中略)スクリューを回すとその間から漏水

>オーストラリアは「強い労組の天国」だ。最低賃金はOECD1位を誇り、労働生産性は中下位圏を沈む「高コスト低効率」の国だ

こんな所を見ると、オーストラリアの現地会社には
・ 経営者にはやる気があるのかな
・ 技術者はそもそも図面が読めるんだろうか
・ 作業員にはどんな技能が必要かすら分かっていないのではないだろうか・・等々
およそ軍艦建造以前の問題が山積しているように感じる。


特に専門的な話だが、潜水艦は極めて高い強度が必要なので、特殊な高張力鋼板が使われる。
この高張力鋼板は溶接も極めて難しく、また欠陥も発生しやすく、高度な職人技が必要とされる。

こんな事で若しこの仕事が日本が受注した場合、問題山積となる事は容易に想像できる。



更にもう一つ、オーストラリアは日本より人件費が高い国なのだ。
冒頭トラックの運転手が年収2千万円などというビックリするk話をは書いたが、人件費のデータはこうなっている。


第 23 回 アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較
     2013 年 5 月  日本貿易振興機構(ジェトロ) 海外調査部
2016-4-28アジア諸国の人件費比較ワーカー

https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001392/07001392e.pdf

このグラフの右端、横浜とシドニーの人件費を見てください。いかにオーストラリアが高いか分かると思います。
これでは仕事をする以前の問題でしょう。

尚この資料は少々古く、今は2015年版まで発行されているが、最新のものは日本の各都市のデータが入っていないので少し前の2013年版を使用しました。
2015年版は以下です。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/20150045.pdf



そしてもう一つ恐ろしいこと。
ASCは公企業で、労働者らに高い賃金と緩やかな勤務環境を提供して、放漫な経営で発生する損失を政府の補填で解決してきた

これではモノづくりの心が経営者から末端の労働者まで全くないと言っても良いだろう。
この状態だといくら教えようとしても相手が『聞く耳を持たない』状態。此れでは駄目だろう。

結論として、この壮大なババ抜き、幸いおフランスがババをひいてくれた。フランスに感謝、感謝である。

さあ、すっきりした所で日本は熊本地震の復興と国土強靭化、そして防衛力強化、それから忘れてならない東日本大震災の復興の加速。やる事は沢山ある。
今日から頑張りましょう。
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(24)

2015-11-07 15:05

ビッグデータが喧しい

 最近ビッグデータがどうたら、こんな話をよく聞く。難しい話だがどうやらこれからの日本人には避けて通れない道らしい。
そんな時、興味深い話が報道されている。

<以下ロイターより引用>

トヨタ、人工知能研究開発の新会社を米に設立 5年で10億ドル投資
2015年 11月 6日 16:27 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/11/06/toyota-ai-us-idJPKCN0SV0CM20151106

[東京 11月6日 ロイター]
  トヨタ自動車は6日、人工知能技術の研究開発を手掛ける新会社を米カリフォルニア州シリコンバレーに設立すると発表した。5年間に約10億ドル(約1200億円)を投資する計画。人工知能技術は自動運転技術やロボット、生産管理システムなど幅広い分野で応用ができる。人工知能の開発を通じて、新分野での事業機会を探る。

社名は「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」。マサチューセッツ工科大(MIT)やスタンフォード大と連携する。人工知能技術を通じてビッグデータを活用し、社会が直面する課題を解決していくことが狙い。

TRIの最高経営責任者(CEO)には著名なロボット・人工知能研究者のギル・プラット氏が就任する。同氏は米国防総省が主催する災害対応ロボット競技の運営に携わった。社員数は数年かけて段階的に増やし、200人規模を予定する。

トヨタの豊田章男社長は同日、都内で会見し、トヨタグループは「織機から自動車へと生産品目を変更してきた歴史を持つ。自動車以外の産業基盤にも、人工知能、ロボティックス、ビッグデータを要素技術として活用できるのではないか」と語った。

<引用終り>

このギル・プラット氏についてはどんな人か私も知識が無い。調べてみたら今年の9月にこんな記事があった。
この記事、会員専用なので少々長いが全文引用する。

<以下日経より引用>

トヨタ、ロボット界の「至宝」を生かせるか
2015/9/12 6:30日本経済新聞 電子版

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO91589880Q5A910C1000000/

 トヨタ自動車が人工知能(AI)の開発で力強い援軍を得た。この分野で世界有数の成果を誇る米マサチューセッツ工科大学(MIT)出身で、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)で災害対策ロボットのコンテストを運営したギル・プラット氏だ。同氏は日本と不思議なつながりがあり、今回は3度目の“奇縁”となる。

■シャフトの「借り」を返す

 「毎年、世界で100万人以上が交通事故で亡くなっている。運転の楽しさを損なわず、交通事故を減らすことを目指したい」。プラット氏はトヨタが4日に米シリコンバレーで開いた記者会見で強調した。トヨタはMIT、米スタンフォード大学とAIの共同研究に取り組むことに加え、同氏を技術アドバイザーとして迎え入れたことを明らかにした。

記者会見するギル・プラット氏(4日、米カリフォルニア州パロアルト市)
2015-11-7記者会見するギル・ブラット氏

 プラット氏はMITで電気工学とコンピューター科学の博士号を取得し、日本でもDARPAの災害対策ロボットのコンテストの主催者として知る人ぞ知る存在となった。DARPAは2013年12月に最初の予選を開催。プラット氏はこの分野に着目した理由を「福島原発の事故がきっかけ」と語っている。

 日本との縁はこれだけではない。予選で首位に立ったのは東京大学発ベンチャーのSCHAFT(シャフト)。このチームを見いだしたのもプラット氏だ。米グーグルは大会におけるSCHAFTの開発したロボットの活躍に注目し、最終的に同社を買収する。日本の関係者は有望なベンチャーがグーグル傘下に入ったことを悔しがった。

 今回、トヨタが米ロボット業界の「至宝」とも言えるプラット氏と組んだことで、SCHAFTの借りを返したともみれる。もっとも同氏の手腕を生かせるかはトヨタ次第だ。これまでAIや自動運転の分野で控えめだったトヨタ。第一人者とのタッグで、どんな化学変化が起きるだろうか。

<引用終り>


どうしてビッグデータに関心があるのか。実は先日GEが製造業に回帰という事でこんなエントリーをした。
「GEが面白い事を言っている」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1178.html

ここで日本GEが7月9日に開催したフォーラム「Inventing the Next Industrial Era with Japanより、
“日本と創造する未来の産業 “と題したパネルディスカッションの内容を紹介した。

全容は上掲エントリーを見ていただきたいのだが、その中にビッグデータの話が出て来るのだ。

「製造業に押し寄せる、大変革の波」というテーマで話し合われたパネルディスカッションで纏められた話。

これからの製造業の指針:パネルディスカッションから】
1. 自らを破壊するほどの覚悟で変革しなくては、生き残ることはできない。
2. ビッグデータは、顧客自身さえ気づいていないニーズを掘り起こし、顧客のビジネスを革新することができる。
3. 顧客起点で考え、ビジネスプロセスを遡って変革することが必要。すべては顧客の利益のためである。
4. 時間をかけて100%を目指すよりも、いち早く上市し修正を重ねる方が、結果的に顧客の利益にかなう。
5. 自前主義に陥らずオープン・イノベーションで社外の力を活用し、スピードを追求することが必要。

この中の指針2にビッグデータがある。
指針-2:ビッグデータは、顧客自身さえ気づいていないニーズを掘り起こし、顧客のビジネスを革新することができる。
 データによってビジネスを革新した企業といえば、多くの人が日本ではコマツの名前をあげるでしょう。モデレーターの米倉教授の 「“いまのブルドーザーは3Dプリンター。自動で土地を造成し、道路を作る。”そう言った人がいます。コマツはまさにそのように、ソフトとハードを結びつけてきましたね」との問いかけに対しコマツの大橋社長は次のように語りました。 「建設機械・鉱山機械の分野では、こういうものがお客様に受け入れられるだろうという仮説に基づいて商品開発をします。しかし、それが本当に機能しているかどうかは、なかなか判りません。建設機械の情報を遠隔で確認するためのシステム“KOMTRAX”を開発し、実際の機械の使われ方を“見える化”することで、自分たちの仮説を検証できるようになりました。その後導入した“スマートコンストラクション”では、さらに踏み込んで、お客さま自身さえ気づいていない、本当のバリューも“見える化”することができたんです」。




GEの話は以上です。

トヨタがどんな事を考えているかは報道された範囲しか分かりませんが、トヨタ、GE、どちらも世界の製造業の巨人。
そこがこんな事を言っていることを我々も考えねばいけないと思っている。

特に最近の様に製造の自動化が進んでくると世界中何処で造ってもコストは同じ、こんな時代になろうとしている。
そんな中で我々の周囲では10年前、20年前の知識や技術が役に立たない時代になってしまったと言う事だと思う。
日本も若い人だけでなく、中高年になっても新しい知識や技術を勉強、吸収していかねばいけない時代になってしまったんだなあ。

(老骨にムチ打って走るのか・・・ブツブツ)

難しい時代になったものです。
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(6)

2015-04-25 10:55

日本の国際収支が赤字にならない理由

 裏の桜さんが興味深い記事をエントリーされている。それが・・
食虫植物を彷彿させる記事
http://sakuraura.blog.fc2.com/blog-entry-3385.html

犬HKの「ここに注目! 続くのか? 日本の貿易黒字 4月23日」と言う記事が食虫植物を彷彿とさせるのだとか。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/215096.html

この記事は今井純子とか言う反アベノミクスおばチャンが書いたものらしい。どこが食虫植物かと言うと

Q)貿易で稼ぐことができないとすると、どうしたらいいのでしょうか?


A)別の形で稼いでいかないといけません。例えば、企業は、海外の事業にどんどん力を入れて、その利益を国内に戻して、次の成長のための投資を増やすまた、外国人観光客を、さらに増やして、国内での消費を増やしてもらう。こうしたエンジンを強化して、日本全体で稼ぐ力=浮上する力を本格的につけていけるのか。それが今後の注目点です。


こんな事を言っている。そして裏の桜さんは「甘い言葉に騙されたらダメでっせ、食虫植物に食べられまっせ」と警告されている。
私も全く同感で、こんな食虫植物おばチャンの甘い言葉に騙されてはいけない。

おばチャンの言っている事は二つ、貿易黒字は続かない、だから貿易以外で稼がないといけない。
具体的には海外の事業にどんどん力を入れて稼ぎを日本に持ってこい。それから外国人観光客をもっと誘致してカネを落としてもらえ。こう言っている。

一見マトモそうである。

がしかし、外国で稼ぐと言って外国人を奴隷の如くこき使って、そこで稼いだ金を全部日本に持ってくるのかね。
それならしっかり稼げそうだが、それじゃあ昔の欧米の植民地支配と一緒じゃないかね?
今井純子おばチャンよぉ、そんな事をしろとでも言っているのかね。
こんな空論をのたまうおばチャンには、こんな事を言ってからんでみたくなる。
此処には海外で苦労した多くの日本人の血と汗が有るのだが、そんな所を少し説明したい。


最初に貿易収支と貿易外収支を合わせたトータルの経常収支(国際収支)から説明したい。

2015-4-24日本の経常収支推移

昔から日本の国際収支(経常収支)は黒字である。そして1980年代までは確かに日本の国際収支の黒字は貿易収支の黒字が大きかった。しかし90年代になると状況は変わってくる。特に1995年辺りを見ると貿易収支が大きく減っている。
この頃から日本が貿易だけで黒字を確保するのが難しくなった。そして98年の第二の敗戦と呼ばれる金融ビッグバンへとつながってゆく。そんな事から企業の海外生産が加速していった。
その状況がハッキリしたのは2005年。そこで初めて海外からの稼ぎの所得収支が貿易収支を上回った。

これは2005年に海外からの稼ぎである所得収支が貿易収支を超えたことの良く分かる図
2015-4-24日本の貿易収支と所得収支推移

これは最近の貿易収支の赤字状況、やっと3月に水面から顔を出したと言ったところ
2015-4-24日本の貿易収支がやっと黒字

そして日本を襲った二つの災難、民主党政権による出鱈目政治と2011年の大震災である。
だから2011年以降は貿易は大赤字。しかしそれでもトータルの経常収支(国際収支)は赤字にならない。
世界があっと驚いたのはこの点だった。
あんな未曾有の大災害、それにも拘らず日本の国際収支は赤字にならない、日本はどれだけ足腰が強いんだと

犬HKで経済を担当する解説委員の今井純子さんとやら。背中の看板が泣きますぜ。
日本の経済の一番の基礎構造を知らなくてどうするの。

そんな事の傍証にこんな話が有る。

「誰も知らない1.8個分の日本<レコードチャイナの報道です」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-366.html

この記事は2011年のモノだが、この当時でさえ「日本は国外に1.8個分の日本を持っている」、こう評価されていたのだ。だから少々何か有っても平気でいられる、こんな経済構造を作り上げたのである。

私も1998年からタイでの仕事をやってきた。
周りにいる日本人も皆似たようなもの。
中には働きすぎで体調を壊して帰国した人とか、家族がノイローゼになっただとか、そんな事がざらにあるのが海外勤務組。
そんな苦労を皆さんしてきた結果が所得収支の数字になっていると思っています。
最近の日本の所得収支は1ヶ月に1.5兆円位。こんなカネが入って来るので原発反対とか言って原発を止めても何とか経済が回ってるわけです。


もう一つ、今井純子おばチャンに言いたい事。
それは日本企業の海外進出は基本的に「共存共栄」が狙いだという事です。
同じように見えますが「収奪狙いの植民地的支配」ではありません。「現地人に奴隷労働させるのではなく、仕事を通じて現地人のレベルアップをはかる」、コレを目標にしています。

こんな事を是非こんな機会に声を大にして言ってほしい。
今アメリカ、そして中韓と歴史戦争をやっています。彼らが言いたいのは日本人は残虐で奴隷支配していた。
こう言っています。
そこに現在はアメリカや中国・韓国企業と違ってこんな奴隷支配的な事はしない、あくまで共存共栄、これが日本人だと言ってほしい。そう思っています。
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(16)

2015-01-13 15:10

日本に必要なのは「数字」ではなく「成長の物語」

 産経の田村秀男さんが自身のブログで大変興味深い事を書いている。
私も全く同感なのだが、先ずは田村さんの記事から


<以下引用>

日本に必要なのは「数字」ではなく「成長の物語」

2015/1/10(土) 午後 4:42

【お金は知っている】新自由主義に決別を 必要なのは「数字」ではなく「成長の物語」

 今年はエネルギー価格の下落で円安に伴うコスト増を相殺できる。1ドル=120円の水準で輸出もかなり増えてゆくだろう。好環境のもとで企業側としてはいかに需要を引き出し、抱える人材に生きがいをもって働いてもらうか、前向き思考に転じる時機だ。

 企業に今必要なのは目先の収益率などの「数字」ではなく、「成長の物語」ではないだろうか。金利は実質マイナスなのに、民間がカネを使わないこと自体が不合理だ。デフレに慣れ切ってしまって、カネ、ヒト、モノを動かす物語がなさ過ぎる。

 東京・日比谷公園や箱根・彫刻の森美術館には直径1・5メートルほどの円形の石が横たわっている。石は、南太平洋ヤップ島(現ミクロネシア連邦)で戦前まで貨幣として使われていた。ヤップの石貨の値打ちはその所有者が口伝えで先祖から受け継いできた物語の内容で決まったという。大海原の彼方(かなた)の島からどうやって切り出して、カヌーで運び込んだか、彫刻したかという具合である。嵐に遭って海底に沈んでも口伝の物語さえあれば、実物の石貨と同じ価値が認められた。

 この実話を、かのマネタリストの元祖、ミルトン・フリードマン教授が自身の論文で紹介したのが面白い。教授はマネー量を重視する一方で、経済価値というのは人々が共有する物語から生まれるという真理を見抜いていた。

 企業の成功ケースには必ず物語がある。逆になくなると、凋落が始まる。かのアップルはスティーブ・ジョブズ氏亡きあと、新しい物語をどうつくるか苦闘中だ。ソニーは井深大氏、盛田昭夫氏の後、物語が消えた。トヨタはその点、創業者以来、経営首脳が交代しても、新たな物語を紡ぎ続けている。

 韓国では、李秉●(=吉を2つヨコに並べる)(イ・ビョンチョル)氏が創業したサムスン・グループを引き継いで、新たな物語を創造してきた李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長が病床にある。三代目になっても物語はまだ続くだろうか。


2015-1-13田村秀男氏ブログの添付写真
 地方創生物語といえば、壮大でなくていい。東京・秋葉原の「日本百貨店しょくひんかん」(写真、坂本慎平撮影)は大手の問屋が扱わないまま埋もれていた全国各地の名産品を発掘し、「昔ながら」のデザインで販売する。生産者は老いも若きも売り場に立って、訥々(とつとつ)とお客さんに商品の由来や特徴を物語ってみる。


 超円高期に廃業が相次いだ愛媛県の「今治タオル」の場合、2007年の商標登録を契機に、「タオル・ソムリエ」資格制度を設け、ソムリエたちがタオルをつくる自然、歴史など文化的背景を語って全国の消費者を引き寄せている。中国に生産を移した業者は地元に回帰し始めた。

 投資ファンドという絶対的な株主の顔色をうかがい、目先の収益率にばかり眼を向ける米英型金融資本主義に、日本は過去20年も傾斜してきた。結果はゼロ成長と格差拡大である。

 新自由主義に決別し、民間が物語を創造する経済モデルでデフレを克服し、成長を取り戻そうではないか。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

http://blogs.yahoo.co.jp/sktam_1124/40703245.html

<引用終り>

この物語が必要と言う話しは以前も聞いた事がある。
藤井聡氏は「「物語」がないと物事を「理解」できない」と言う表現でそれを述べていた。
この件は以下ブログ参照ください。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1043.html

この企業のポリシーとしての物語もそうだが、個人としても働きながらそれなりの物語を持つことも重要だろう。
上掲写真の地方の名産品の様に、一つ一つは小さなモノ。その一つ一つに込められた作り手の物語が重要なのだと思う。

なお田村秀男さんはトヨタが未だに物語を紡ぎ続けていると言っている。
その物語は
「日本中に安くて良い自動車を提供しよう、これが創業以来のポリシーだ。そして今はそれが日本中から世界中に発展しただけ。創業の精神は同じだ」
こんな物語だと思う。
そして豊田章男現社長はそれを
「もっと いいクルマをつくろうよ」と言っている。精神は全く同じだと思う。


所で田村秀男さんだが、去年12月いっぱいはイザブログで健筆をふるっていたが、不思議な事に今年からは別のブログに移転してしまった。
現在の田村秀男さんブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/sktam_1124

私らもイザ追放組で目下難民生活を送っているが田村さんも追放組。
でもこんな正論、特にグローバル資本主義(強欲資本主義、新自由主義)には都合が悪いので難民生活も無理ないのかなあ??。
いやこれは下衆の勘繰りだったかも・・・

オッともう一つ追加。
これは丸山光三さんのブログで知ったのだが、
「ローマ法王がグローバル資本主義と戦えと言っていた」、こんな話がある。
詳細は以下エントリー参照ください。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-940.html

http://marcooichan2.blog129.fc2.com/blog-entry-4570.html
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(2)

2014-11-11 22:40

中国の今は

 今週の週刊東洋経済に面白い記事が有った。
中国の今がどんななのか、それが良く分かる記事だ。
最初にどんな記事か、先ずは全文を紹介しよう。

2014-11-11週刊東洋経済

<以下引用>
http://toyokeizai.net/articles/-/52884
中国が直面する高成長モデルの終わり
日系企業のビジネスも転換点に
杉本 りうこ :週刊東洋経済編集部 記者 2014年11月09日

北京、上海を取材で回った今回の中国出張は、これまでにない苦痛に満ちていた。

20メートル先さえ霞む深刻な大気汚染のせいか、ずっと咳が止まらない。だが「苦痛」の理由はそれだけではない。記者をもっとも苦しめたのは、「何もかもがやたらに高い」ことだった。

たとえば取材の合間に立ち寄ったスターバックス。注文したラテのトールサイズは27元だった。1元=18円換算なら486円で、日本の価格(370円)に比べて3割増しだ。しかも実際に現地で使ったレートは為替手数料を含むため、1元=19.6円。つまり、この1杯のラテは529円に相当したのだ。ちびりちびりと、いつもよりも大切に飲んだ。

ユニクロのシャツが日本の1.8倍

中国で急速に増えているユニクロでも、日中の価格差に驚かされた。女性向けのフランネルシャツは199元で、18円換算なら3582円だ。同じ商品の日本国内での価格は1990円だから、1.8倍の価格ということになる。日本よりもやや高価格帯を狙って戦略的に価格を設定しているということもあるだろうが、日本での価格に慣れた身には衝撃だ。もとより買う予定のない「冷やかし入店」だったが、呆然としながら店を後にした。

上海出張時に常宿にしていた、地下鉄駅や繁華街に近いホテルもかつてない宿泊料の高さで予算オーバー。町外れのチェーンのビジネスホテルを選んだが、駅から遠いわ、壁が薄くて隣の話し声がうるさいわで、部屋に帰っても疲労感が増した。

とにかく一時が万事こんな調子で、予算の限られた出張者としては移動するにも食べるにもいちいち財布の中身を確認せざるを得なかった。中国には一時在住していたし、これまでにも何度となく公私で訪れてきたが、こんなことは初めてだ。

日本から見て中国の価格が高くなったひとつの理由は、足元で急激に進む元高・円安にある。昨年の今ごろ1元は16円程度だったから、この1年だけで13%程度、元が強くなっていることになる。

それだけではない。現地の所得や消費の水準も急速に上昇している。この上昇を背景に、中国人のさまざまな意識も急速に変化しており、それが日系企業の中国ビジネスを苦しめる状況になっているようだ。

在上海の経営コンサルタントが、ある日系メーカーの話を教えてくれた。そのメーカーは中国の工場で生産した製品をもっぱら日本に輸出してきたのだが、社長が高齢になったことから、中国人幹部に会社をまるごと譲渡しようと考えた。現地採用の従業員としては、昇進どころではない大抜擢だ。ところが中国人幹部の答えは「ノー」。その理由は、日本向けのビジネスは工賃も単価も安く、うまみがないからだという。同じ製造業をやるにしても、中国企業向けの仕事の方がもうかる、というのだ。

また上海近郊に工場を構えるある日系メーカー駐在員からは、地方都市に住む両親から仕送りを受けている若い工場従業員の話を聞いた。中国の出稼ぎ労働者といえば、一所懸命に働いて地方の家族に仕送りをするのが定石だったがこの従業員は工場の給与では生活できず、仕送りを親にねだっている。

「この従業員を厳しくしかると、親が『そんな会社で働かなくていい。帰ってこい』となるんですよ」と駐在員はため息をついた。この工場はかつて600人の従業員を抱えていたが、採用難で現在は半分程度の規模で操業しているという。工場勤務であっても日系企業で働ければ豊かになれるというイメージは、もう中国人からは消えつつある。

「チープ・チャイナ」はもはや過去

ホワイトカラーからブルーカラーまで、安い給与で豊富に人が雇える「チープ・チャイナ」はもはや過去のものだ。コスト増に耐えかねた日系企業の中には、中国から撤退する例もじわじわと増え、中国ビジネスは明らかに転換点を迎えている。そしてこの局面は、中国経済そのものにとっても大きな転換点だ。安価な労働力と引き替えに世界中から投資を呼びこむ高成長モデルは終わり、内需主導の安定的・持続的な経済成長を目指そうとしている。

一方で、記者が体験したような「エクスペンシブ・チャイナ」に耐えうる豊かさを、すべての中国人が得ているわけではない。北京大学中国社会科学調査センターによると、中国の上位1%の富裕家庭が全個人資産の3分の1を握る一方で、下位25%の家庭は資産のたった1%しか所有していないという。過去30年の高成長が残した格差やひずみを、中国はこれから解消していかなくてはならない。

<引用終り>


此処で中国の異常な物価高について述べている。
私は2008年1997年のアジア通貨危機をその危機の最中に経験したのだが、そんな時危機直前というのはモノの値段が異常な高値になっている。
そして通貨危機で通貨が暴落してみると、なるほどこの価格なら納得という事に落ち着く。そんな経験をした。


こんな目で見ると週刊東洋経済の記事にある中国の異常な物価高は経済崩壊直前の様子を示しているとしか思えない。
そこで中国の経済の実態について、産業のコメ、鉄鋼についてみてみたい。

3月15日に最近の鉄鋼事情についてエントリーした。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-928.html

此処にこんなグラフ、国別の粗鋼生産量グラフである。

2014-3-15世界の粗鋼生産推移

此処で注目してほしい事。
他の国に比べて中国だけがムチャクチャな右肩上がり。グラフが突き抜けるのでスケールを変えざるを得ないほどだ。

そしてその鉄鋼の材料の鉄鉱石の価格推移。これがこんな風。

2014-11-11鉄鉱石価格推移

昨年12月に鉄鉱石はトン当たり135.79ドルだった。それが10月には80.09ドルになった。
10ヶ月で40%強も価格が下落しているのだ。
だがこの価格はさらに下落するとみられている。
SteelFirstの報道では、2015年の年平均は65ドル、第三四半期には50ドルになると言う

今は鉄鉱石の価格下落である。こんな価格の崩壊が経済の崩壊につながらない訳が無い。
こんな所に中国の経済崩壊の芽が潜んでいると見ているのだが、さてどうなるだろうか。


尚最近オーストラリアがいやに日本にすり寄ってきているのだが、オーストラリアの主要な産業が鉄鉱石と石炭。
その価格の下落がそんなオーストラリアの行動の陰にあるのではないだろうか。


  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(14)

2014-04-06 14:50

ローマ法王がグローバル資本主義と戦えと言っていた

丸山光三さんのブログ「変容する世界」に興味深い記事が有った。

【討論!】アメリカはいったいどうなっているのか?[桜H26/4/5]
http://marcooichan2.blog129.fc2.com/blog-entry-4570.html

この記事はチャンネル桜の番組を紹介しているのだが実に面白い。
但し全部の動画を見るのに3時間近くかかる。面白いのだが大変ではある。

その動画の中である方が「ローマ法王がグローバル資本主義と戦えと言っていた」、こんな事を話していた。
私も初耳だったのだが調べてみると2013年11月27日のWSJにその記事が有った。
こんな内容だった。

<以下引用>

2013年 11月 27日 12:42 JST

教会は弱者救済を―ローマ法王、経済的不平等を批判

 【ローマ】フランシスコ・ローマ法王は26日、8カ月前の就任以来初めての「ミッション・マニフェスト」を発表し、カトリック教会が改めて貧者に的を絞って活動するとともに、グローバル資本主義への攻撃に着手するよう呼び掛けた

 「Evangelii Gaudium(喜びの福音)」と名付けられたこの文書は、フランシスコ法王がバチカン(ローマ法王庁)の選挙会議「コンクラーベ」で新法王に選出されて以降強調してきた多くのテーマをまとめたものだ。不平等と社会的不公正を糾弾しつつ、カトリック教会に対し聖職者としての使命をさらに深く追求するよう求めている。

2014-4-6アルゼンチン労組代表に謁見するローマ法王
ローマ法王に謁見するアルゼンチンの労組メンバー


 同法王はApostolic Exhortation(使徒的勧告)」として知られる224ページの文書で、異例に露骨な言葉を使いながら市場経済を強く批判した。同法王は「『汝(なんじ)殺すなかれ』という戒律が人間生活の価値を守るための明確な制限を設定しているのとまさに同じように、われわれは今日、排除と不平等の経済に『汝向かうなかれ』と言わなければならない」と述べた。

 そして「このような経済は殺すことになる」とし、現在の経済システムは「その根本において不公正」であると糾弾し、「市場と金融上の投機の絶対的な自立を守る」ものだとした。同法王は、この種のシステムは新しい「専制」を生む可能性があり、それは「自らの法と規則を一方的に容赦なく押しつける」と警告している。

 26日発表の「使徒的勧告」は、フランシスコ法王が全て執筆した最初の主要文書だ。同法王は前任者のベネディクト16世と共同で今年7月の回勅「信仰の光」に署名しているが、これはベネディクト16世が2月に法王を辞任する前におおむね執筆したものだった。

 ワシントンのアメリカ・カトリック大学の神学者チャッド・ペクノルド助教は「ベネディクト16世は国家と市場とを同じように批判していたようにみえるが、フランシスコ法王は、市場には国家よりもはるかに大きな権力があり、人間に対して善と同様に悪をもたらすとの考え方に向かって主導しているようだ」と評した。

 フランシスコ法王は、社会の最も弱い人々、とりわけホームレス、麻薬常習者、難民、移民、そして高齢者に対するケアを促している。

 同法王は文書で、この種の弱者集団に手を差し伸べるにあたって、教会は傷つき、汚れると覚悟しなければならないとし、なぜならそうした教会のメンバーは保護された壁に囲まれた安全な場所(教会)にとどまるのではなく、貧者を支援するために街頭に出るからだと述べた。そして、現代世界の大きな難題として、途方もない所得不平等を生み出している経済システムを挙げ、それは抑圧され疎外された人々を「落伍者」として放置していると批判した。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303735804579222932978206104.html

<引用終り>


フランシスコ・ローマ法王は昨年就任したのだが、南米で初めての法王であること、前任のベネディクト16世の突然の辞任など色々話題が多い。
しかし全世界に隠然たる影響力を持つ方だけにその発言は注目されるものが有る。

そして今回「グローバル資本主義への攻撃に着手するよう呼び掛けた」、これは非常に重く受け止めねばいけない事ではないだろうか。

先日「日本の敵 グローバリズムの正体」と言う本を紹介した。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-937.html

このグローバリズムとはグローバル資本主義=強欲資本主義のことで、これが多くの不平等や貧困を生んでいる。
フランシスコ・ローマ法王はこれに対しカトリック教会全体として対抗することを呼びかけたのである。

グローバル資本主義は強大な力である。
>市場には国家よりもはるかに大きな権力があり、人間に対して善と同様に悪をもたらす
こんな考え方を呼びかけている。
金融も市場経済も現代社会には重要なものである。しかしそれが国境を越えて広がり、力をつけていくことで新たな貧困や疎外を生む。
難しい話だが今の我々には避けて通れない問題。
ではそれに対し如何するか、それは我々が行動を通じて答えを出してゆかねばいけない事だと思う。
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(16)

2014-02-11 16:02

13年経常黒字、3・3兆円…85年以降最少<続編

 昨日日本の経常収支(国際収支)が3.3兆円と最小になった事をエントリーした。
そこへkogumaさんから大変有意義なコメントを頂いた。
そこでこの経常収支(国際収支)に関して少し追加し、併せてkogumaさんからのコメントも紹介したいと思う。

最初にもう一度日本の経常収支(国際収支)のグラフを

2014-2-10日本の経常収支推移

こんなグラフである。まだ辛うじて黒字だが赤字へ向かってまっしぐら、こう言う事だ。
赤字になるとどうなるか。
外国から物を買うのに支払うカネが足りない状態という事。日本は永年の黒字(外貨準備)を持っているので直ぐ金が無くなるわけではないが、それが無くなれば外国から借金することになる。

そこで昨日のエントリーへのkogumaさんのコメントを紹介したい。

<以下引用>

あちらの方々に現実を見ていただきたい
こんばんは。
家計も企業も国も借金なんてしない方がいいと思います。
戦中戦後に10~20代の20年強ずっと貧乏だった母親に、常々借金をするものではないと言われてきました。なので、自分は奨学金、家と4台乗った車のうち1台の車以外の結構な額の物でも、貯金した現金か支払い分を財布に入れておいて翌月一括払いのカードで(短期借金です)買っています。
ローンで家を買うとか、税金対策とか、設備投資とか、掛け売り掛け払いのつなぎ資金などのようにきちんと収入から返す当てがある場合は別です。社会生活のために必要な借金だと思います。

グラフのベースでは2014年はもしかしたら経常収支は赤字です。貿易赤字が足を引っ張っています。円安と発電燃料増が主原因でしょう。もっとひどくなったら燃料節約のために尚一層の省エネ(今よりさらに10%、定着分とあわせて2010年より約20%減でおおよそ原発発電分弱)と、それでも足らないと電力制限令と計画停電が必要になります。この後ろ二つを同時に被るとえらいことです。
発電燃料代は最後は消費者が負担しますが、消費者が頑張って働いて家計でも企業でも黒字にしないとなりません。こっちも大変なことです。

反対の方が廃炉行程と核廃棄物行程及びこれらの概算、再エネの普及速度と特にソーラーについての夜間と天気が悪い日の発電力代替と電力システムへの影響(今は全部電力会社にお任せ)についてそれなりの案を出せば、皆さんもう少し聞く耳を持つと思いますが、口から出るのは核は危険だから反対だとか、ソーラー発電夢いっぱい程度しか無く。

原発反対の方々は、こんな一般人でも考えつくことを考えないのでしょうか。

また、国の借金増と防衛費増はけしからんから減らせ、アベノミクスと消費増税は暴走だ(増税はもう少し待っても良かったと思います)、社会保障カットは弱い物いじめだ、公共工事は絶対悪だ、でも防災は対策は大切だ、あれやれこれやれetc、とほとんどの野党とその支援団体、市民団体は声高に主張します。
社会保障や防災や教育などが必要なことはよく分かります。でも税収とほぼ同額の国債を出さないと国家予算を組めないのですから、収入を上げて支出を減らし無駄を減らして重点配分をしなければなりません。
となれば増税と税負担の公平推進、必要だが過剰な支出減など収支それぞれの見直しは必要です。家計も企業も同じです。

家計と企業と国を同列に考えて述べましたが、必要な借金は必要ですが、出来れば借金せず収入増の策と支出の見直しは、どんな場合でも必要だと思います。

あちらの方々に、もう少し現実的なお話を伺うのは無理なんでしょうかねぇ。
2014-02-10 23:01 URL koguma

<引用終り>

kogumaさんは心配しています。
>グラフのベースでは2014年はもしかしたら経常収支は赤字です。貿易赤字が足を引っ張っています。円安と発電燃料増が主原因でしょう。

全く同感です。そして詐欺師小泉はじめ反原発の面々はその先の事など全く考えていません。
そして悪い事に日本が経常収支で赤字にでもなれば世界中から狙われます。何せ政府の借金が凄いからなのです。
真っ先にもっと消費税を上げろ、こんな圧力が来るに決まっています。日本破壊工作ですね。


そこで問題の元凶、鰐の口グラフを紹介します。
通称鰐の口、正式には「一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移」と言う。
財務省が公表しているもの
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/003.htm

政府の借金(公債)と税収、歳出のグラフです。不気味なワニがガバッと口を開けたグラフ。
これに歴代首相の名前を追加して見てみました。
2014-2-11税収・歳出・公債発行額グラフ(鰐の口)

これを見るとワニが口をあけるきっかけを作ったのが宮沢喜一、更に大きく口を開けたのが橋本龍太郎、この橋龍時代の98年から日本の年間自殺者数が3万人を超えました。次の犯人が詐欺師小泉、あれだけの人気が有って何でもやれる環境にありながら只々成り行き任せで放置しました。最後の仕上げが土鳩・空き缶・野豚の3バカトリオ、大きく開いた口を更にガバッと開けてしまいました。
今やっとこの長い停滞から脱出出来そうなところまで来たところ、そう言う事です。

しかし此処まで経済が病みながらも日本が経常収支(国際収支)で赤字にならない秘密、それが最初のグラフから読み取れます。
貿易が大赤字ながらそれを上回る所得収支が有る。此れです。
所得収支と言ってもピンときませんが海外に投資した儲け、或いは海外工場からの技術料収入や配当などです。
これが毎月1兆円以上入ってきます。この為国内が苦しんでいても何とかなっている。
そんな理由です。

少し古いですが中国からこんな話が有りました。
「誰も知らない1.8個分の日本<レコードチャイナの報道です」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-date-201110-2.html

日本が海外に持っている経済力は1.8個分の日本に相当する、こんな話です。
日本はこんなモノが有るから今まで持ちこたえてきた、そう言う事です。

詐欺師小泉の頭は叩きました。
これから日本は立ち上がるべき時、そうだと思っています。
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2014-02-10 11:58

13年経常黒字、3・3兆円…85年以降最少

 今日昨年の日本の国際収支(経常収支)が発表された。
昨年1年間で3.3兆円の黒字で終わったとの事。

それを報道する読売の記事
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20140210-118-OYT1T00200/list_%2523IMPTNT

新聞記事では良く分からないがその推移グラフはこんなモノ。

2014-2-10日本の経常収支推移

経常収支には貿易収支、所得収支、サービス収支、経常移転収支の4つが有り、所得収支以下の3つを貿易外収支ともいう。
グラフを見れば一目で分かるが東日本大震災以来経常収支は減り続けている。
2011年は大震災の影響が大きいが、12年以降は原発停止による燃料輸入金額が大きくなったことが最大の要因だ。
昨年12月まででみると辛うじて黒字だったという事が良く分かる。
これが赤字になるとどうなるか、外国へ支払うカネが足らなくなるのである。
直ぐではないが外国から借金することになるのだ。

こんな事を知ってか知らずか、詐欺師小泉が原発要らねえなどと叫んでいたが、このグラフを見てもそんなこと言えるんですかねえ。

<ここより下がboldです>
所で話は変わりますが、このブログのテンプレートを再三再四変えてきましたが、今回は何とか問題が潰せたようです。
今迄太字(Bold)に出来ない事が有ったのですが解決策が分かりました。
それでこの部分をBOLDに変えてエントリーします。
パソコン環境によってはboldにならないかもしれません。
若しおかしかったらご連絡いただけるとありがたいです。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(6)

2014-01-22 17:20

これは対岸の火事ではない

大紀元日本に興味深い記事が有った。

<以下引用>

米国企業が直面する中国産業スパイ問題 「組織内スパイの脅威が大きい」
【大紀元日本1月22日】米国企業の秘密情報や知的財産が中国の産業スパイによって異常なペースで盗まれている。コンピュータのハッキングや、内部人員による盗聴盗撮装置の仕掛け、改造されたコピー機による情報の自動送信等様々な手段が用いられている。

 米国企業はビジネスのためには、重装備した国家からのサイバースパイ活動に備える必要がある。大紀元(英語版)の取材に、米シスコ・システムズ社の上級セキュリティ戦略主任のマイケル・オバーラエンダ―氏はこのように指摘し、「これは戦力の偏った不公平な戦いだ」と語った。実際、企業の対抗戦略は「完全防備」から「軽減」へシフトするしかないという。

 企業にできることは「侵入のハードルを高くするしかない」と同氏は言う。攻撃者はターゲット企業にかける時間と労力を天秤にかけ、攻撃の価値があるかを決める。標的から外されれば、企業にとって防衛成功になるという。

 しかし、これには莫大な費用がかかる。2012年に172の重要なインフラ組織を対象とした調査によると、企業は84%の攻撃を食い止めるためには、セキュリティ費用を倍に上げなければならない。

 オバーラエンダ―氏によると、ほとんどのサイバー攻撃は中国、ロシア、東ヨーロッパのIPアドレスに辿りついている。昨年2月、米国のセキュリティ会社マンディアント社は「上海を拠点とする中国人民解放軍所属の部隊が、過去数年間にわたって、主に米国を中心に、世界中の組織に対しサイバースパイ活動を行っていた」この事実を指摘するレポートを発表して、世界中のメディアに取り上げられ、大きな話題となった。

 このレポートは、米国企業が、組織されたハッカーグル―プではなく、外国軍隊との戦いに直面している現実を示した。

 組織内スパイのほうが脅威は大きい

 元ドイツテレコムのチーフセキュリティ関係者でもあるオバーラエンダ―氏は、こういったサイバー攻撃と同時に存在するのは、組織内部にスパイを潜入させる手口だと指摘する。

 米ブラックオプス社のCEOのキャシー・フレミング氏もオバーラエンダ―氏と同じ見方を示した。「サイバー攻撃やデジタルスパイ行為より、伝統的な内部スパイの方はずっと脅威が大きい」と指摘。同氏が率いるチームは、全米上位500社にランクインした企業から秘密保護と防諜の依頼を受けている。

 「様々なことを見てきた」。フレミング氏は電話取材に応じた。ハッカーが侵入するためのバックドアや、社内決定を行う会議室の照明スイッチや音響装置の中に隠された盗聴装置、コピー機に仕込まれ自動的にデータを中国に転送する機能を有するパーツなどだ。

 映像と音声を盗み取る装置を火災警報器に取りつける現場を取り押さえたこともあるという。中国人スパイは、天井パネルの裏にあるネットコネクションに接続していた。「誰にも知られずに、知るよしもない」とフレミング氏は語った。

 元CIA幹部でブラックオプス社役員のエリック・クアルケンブッシュ氏も「サイバーは派手なだけ。直接人間を潜入させる方が効果が大きい」という見解を示した。ハッカーは侵入が成功したコンピュータにしかアクセスできず、得られる情報も限定的。内部スパイは常時内部の各所に出入りが可能なため、コンピュータやネットワークをウイルスで感染させたり、情報を記録・複製したり、直接、他の人員に働きかけたりすることができる。

 中国スパイに関しては、本物のスパイよりリクルートされた一般人が実際のスパイ活動を行うのが一般的。「中間人」として訓練されたスパイは、自身の犯罪証拠をほとんど残さず、標的の人をリクルートしたり、ゆすりで協力を強要したりする活動に集中する。

 洗練された多くのスパイ術が開発されたにもかかわらず、古典的な賄賂とゆすりは今でも有効。人をスパイ行為に走らせる典型的な動機は4つあると言われている。金(money)、信念(ideology)、抑圧(coercion)、エゴ(ego)、略してMICE(ねずみ)となる。中国の諜報員はこの4つの動機に沿って、そして人間の4つの弱点、名声・利益・色欲・怒りを利用して巧みにスパイ候補に近づいていく。

 自分が正当に評価されていないと不満を持っている人に、仕事ぶりを褒めたり、スキルを感嘆したりして、その自尊心に働きかける。利益を重視する人に、中国とのビジネスチャンスを提案したり、割引料金を提示したりする。色欲に弱い人に、ハニートラップを施してスキャンダル暴露の脅迫をする。学識者や政治家のような影響力ある人によく用いる方法は、中国に招待して、教養のある中国人の友好的な接待を受けさせ、温かく打ちとけた雰囲気の中で、婉曲的にアメリカを中傷したり、共産主義を弁護したりする。

 フレミング氏の所に、FBIが提供した中国スパイに対処するための研修ビデオがある。タイトルは「ゲームの駒:ある海外旅行に行った学生の実話」で、ミシガン州立大学の米人学生グレン・ダフィー・シュライバーの実体験に基づいた内容である。

 シュライバーさんは上海に留学していた2004年に中国政府のスパイとして強要された。まず、最初は彼に文書を書かせ、その仕事を称賛して報酬を支払い、徐々に中国政府側へ誘導していった。中国人の管理者が彼をCIAに潜入させようとしたが、シュライバーさんは嘘発見器のテストに失敗してスパイであることが露見した。中国へ逃亡しようとした時に逮捕され、4年の懲役刑が下された。

 フレミング氏自身も長年の仕事で、リクルートされたり脅かされたりして中国のスパイとなった中国国籍やアメリカ国籍の学生をたくさん見てきたという。

 フレミング氏は、ほとんどのアメリカ人が産業スパイの脅威を十分に認識せず、自分達の仕事が、海外の邪な関心を引き寄せていることに気付かないことを、最も憂慮すべき問題だと警告した。「アメリカ人はオープンな社会で生活しているから、新しい革新を成し遂げたとき自慢したがる傾向がある。この民族性がまさに彼らを大きな標的にさせている」

 発達したデジタル世界において、産業スパイに対して受け身的な事後対応だけではビジネスは成り立たない、とフレミング氏。「企業は事前対策を講じた戦略、少なくとも両者を合わせたハイブリッド戦略を取るべきだ」

(翻訳・単馨、編集・張凛音)
http://www.epochtimes.jp/jp/2014/01/html/d65092.html

<引用終り>

今日では身の回りに外国人はいくらでも居る。中国人なんか自分で中国人を名乗らない連中も沢山。
そして彼らが善意の人だけではない。
こんな事例のような人がいくらでも居る事を理解すべきである。

最初に気を付けるのは甘い言葉だろう。

少なくとも外国人に対しては日本人とは違う、そう思って付き合う必要が有るだろう。
但し外国人でも良い人も沢山いる。それは忘れてはならないが・・・

(14/01/22 15:42)
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2013-12-02 17:16

クルーグマンの不思議な著書

 今こんな本を読んでいる。
「そして日本経済が世界の希望になる」 ポール・クルーグマン著
山形浩生監修・解説/大野和基

2013-11-18クルーグマン著書日本経済が世界の希望


クルーグマンの事を詳しく知っている訳ではないが、最初からこの本胡散臭いと思っていた。

内容を読んでみると決して不真面目な内容ではない。
しかし胡散臭い理由が分かった、この本はクルーグマンが書いたものではないのである。

その証拠がこの本の最後のページにこう書いてある。

「本書は大野和基氏によるクルーグマン氏へのロングインタビュー、その後のEメールなどでの質疑応答を通じ、日本のみの発売を企画して製作されたものである。」

要するにインタビューでクルーグマンが話したことを適当に纏め、日本向け専用という事でリップサービスで丸め上げたのがこの本だったのだ。

一体この本、何が狙いで日本で発行されたのか???
何か大きな企みが有りそうです。
  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2013-11-20 07:46

2015年の日本は1%成長に減速 消費増税で独り負け OECD見通し

  遂にハイエナの日本殲滅作戦が本性を現した。

今まで消費税増税を叫んでいた連中の手のひら返しが始まったのだ。
ついこの間まで「消費税増税しろ!」、「消費税増税景気には影響を与えない」、そんな声が欧米からガンガン聞こえてきた。
挙句の果てには中韓が消費税増税マンセーを言いだす始末。
 
yuyuuさんが「日本経済は本気で自殺するつもりらしい」と言う今の日本の真実の姿をアップしている。
http://yuyuu.iza.ne.jp/blog/entry/3221601/
 
 
yuyuuさんの危惧は正にその通りだと思う。そして遂にその真の黒幕が顔を出してきた。衣の下から鎧が出てきたのである。こんな報道。
 
<以下引用>
 
2015年の日本は1%成長に減速 消費増税で独り負け OECD見通し
2013.11.19 19:00 [消費税率引き上げ
 
 経済協力開発機構OECD)は19日、最新版の世界経済見通しを発表し、新興国の景気減速や消費税引き上げなどの財政再建の影響で、日本の実質国内総生産GDP)成長率が2013年の1・8%から14年に1・5%、15年に1・0%に減速するとの予想を示した。
 
 米国やユーロ圏は景気回復の加速を予想。ことし前半は円安などで高成長を達成した日本だが、15年には独り負けが見込まれる。
 
 OECDが15年までの見通しを示すのは初めて。OECDのパドアン・チーフエコノミストは、消費税引き上げを評価しつつ「成長を強化するための大胆な構造改革が日本にとって最も重要だ」と指摘している。一方、輸出や消費の増加から、13年の成長率は0・2ポイント、14年は0・1ポイント上方修正した。
 
 15年に米国は3・4%、ユーロ圏は1・6%の成長率を見込んだ。(共同)
 
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131119/fnc13111919000016-n1.htm
 
<引用終り>
 
 
君たちはついこの間まで消費増税マンセーだったろ。あれは何だったんだ?。
此れこそ騙された方が悪い。その一言である。
 
消費増税の黒幕は財務省だと言われている。本当か?
 
昔シャーロックホームズはこんな名言を言っている。
「事件の真の犯人を捜すには、それで誰が得をするか考えればいい。そいつが犯人だ。」
上掲の報道はその誰が得をするか、そこが良く分かる話ではないか。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2013-08-11 17:16

日本の自動車市場「依然閉鎖的」 米通商代表が強調

  またまたアメリカがTPPがらみで日本にイチャモンをつけようとしているようだ。

こんな報道が有る。

 

<以下引用>

 

日本の自動車市場「依然閉鎖的」 米通商代表が強調

産経新聞2013/08/10 11:54

 

 米通商代表部(USTR)のフロマン代表は9日、一部メディアと会見、日本の自動車市場について「開放されたといえるまでには長い道のりがある」と述べ、依然閉鎖的だとの見方を強調した。AP通信などが報じた。

 

 フロマン氏は、米国は長年にわたって日本市場を開放しようと努力してきたとした上で「日本は極めて有効な手法で(外国勢を)市場から締め出している」と批判。日本では輸入車の割合が「6%にすぎない」と具体的に言及し、米自動車の販売拡大に努めるとした。

 

 今月下旬にブルネイで開かれる環太平洋連携協定(TPP)交渉会合の協議進展に自信を示した上で、年内妥結の目標については「野心的だが可能だ」と訴えた。(共同)

 

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/675795/

 

<引用終り>

 

 

最近街を走っていて外車が多い事に気が付かないだろうか。

昔は外車と言えば滅多に見ない車、たまに見ればベンツがBMW、それともVW位。しかし最近は様変わりしてきた。

フィアットだのプジョーだのといった今まで滅多に見ない車が結構走っている。

反面滅多に見ないのがアメ車。

それなのに上掲記事の様なイチャモンをつけてきている。

 

所でこんな車をご存じだろうか

 

 

トヨタ・キャバリエと言う。

知らないのも無理はない。1996年~2000年までトヨタが市販していたクルマだが中身はシボレーキャバリエ、れっきとしたアメ車である。

トヨタが日米貿易摩擦解消のためにネジリ鉢巻き、大サービス価格で売ったのだが全く売れない。

それで2000年をもって販売終了。

 

残念ながらトヨタがゴリ押ししても売れないのがアメ車、

しかしアメリカさんは自分たちの努力不足は置いといて、アメ車が売れないのは日本が悪いと言う。

 

心配なのはアメリカの通商代表部辺りがこんな批判的な物言いをする時はいろんなイチャモンが付いてくる。

新たなジャパンバッシングが始まらねばいいが・・・。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2013-06-12 22:13

株価は知っていた

  株が乱高下している。

今まで一本調子で上げてきたので調整局面、こう解説されており、まあそうだなあと納得。

しかし昔から株価は世の中の動きを実によく知っていると言われている。

そんな事の良く分かるグラフを見かけたので紹介したい。

 

 

 

過去15年の主要株価指数

こんなタイトルのグラフである。

日本のTOPIX、アメリカのS&P500指数、ドイツのDAX指数を1998年4月を100として推移を比較したもの。

2009年9月以前はこの指数は見事に世界経済の動きと連動している。

しかし2009年9月以降は・・・・・

 

https://twitter.com/Polaris_sky/status/344362750274859008/photo/1

 

 

TOPIX(日本)、S&P500(アメリカ)、DAX(ドイツ)、この三つの指数は2009年9月までは見事に連動している。

しかし2009年9月以降、S&P500、DAXは上昇しているのにTOPIXだけは見事な低空飛行。これが民主党の実態だったのだ

 

 

私も株の話が出た時はこれをもとに説明しようと思う。

アベノミクスは何か特別の事をしている訳では無い、世界の当り前のことをしようとしている、その過程である程度の調整=乱高下もある、これが世の中の当り前。

如何に今までのミンス政権が異常だったかという事だと。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(0)

2013-05-25 17:02

株の乱高下の原因<WSJの冷静な分析

  株が乱高下している。

テレビでの解説も超高速取引がナンタラ・・・さっぱり要領を得ない。

まあ私は貧乏人故、株には全く縁が無いのでいいのだが・・・

 

その乱高下、流石WSJ、実に的確な解説が載っていたので紹介したい。

 

<以下WSJより引用>

 

MARKETBEAT2013年 5月 24日 15:46 JST

ニュースの当事者ではない日本市場が襲われた理由

 

 日本の投資家は、すでに大きく上げていた相場に飛び込むことのリスクをあらためて教えてくれた。

 

 問題は、そうした市場が過大評価されているというわけではなく、そこが投資家が不安を募らせたときに利益を確定する場所になっているということである。

 

 この24時間で、世界の投資家は市場を動かす2つの大きなイベントを伝えるニュースに対処しなければならなかった。1つ目は米連邦準備制度理事会FRB)のバーナンキ議長の予期せぬコメントだった。FRBが「今後数回の連邦公開市場委員会(FOMC))」の1つで量的緩和策を抑制し始める可能性を示唆したのである。その次に、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の悪化が伝えられ、世界の経済成長をけん引するメーンエンジンの1つが減速しているという不安を再燃させた。

 

 ところが、こうした新たな展開の影響を一番大きく受けたのは米国でも中国でもなく、日本だったのだ。

 

 5月23日の東京株式市場の取引が終了したとき、日経平均株価は7.3%も暴落していた。これは1日の下落率としてはこの2年間で最大であり、日本国債の利回りも記録的な乱高下を示した。おまけに、トレーダーたちが円のショートポジションを巻き戻したため、失われていたかに思えた「安全資産」という地位を取り戻した円は対ドルで2.7%も上昇した。

 

 これとは対照的に、バーナンキFRB議長が米議会の上下両院経済合同委員会で米東部夏時間22日午前10時に証言し始めてからのダウ工業株30種平均の下落はわずか1.0%ほどにとどまり、上海総合指数の下落も1.2%で済んだ。また、アジアでの取引で円が急騰していたころ、中国の経済データが弱含むと通常は対ドルで大きく価値を落とすオーストラリアドルの取引時間中高値から安値の下落幅はわずか0.8%で、その後は盛り返し、終値では上昇となった。

 

 そうしたニュースの傍観者であるはずの日本の市場がこれほどの影響を受けたのはなぜか。中国の需要鈍化に対して日本の輸出業者が脆弱(ぜいじゃく)であることは、株式市場暴落の一因でしかなく、円の急騰の説明にはならない日本銀行がより積極的に金融緩和に取り組んできたことで、日本の株式市場は昨年10月の初めから実に81%も上昇し、円の価値は対ドルで25%も下落した。つまり、そうした市場には確定すべき利益があったという説明の方が納得がいくだろう。

 

 別の市場でポジションを失った多くの投資家がマージンコールを受け、ブローカーに対して追加証拠金を入れざるを得なかったという可能性も十分に考えられる。その場合、現金の入手先は長期間好調だった日本への投資ということになるのだ。

 

 日本の金融政策の再調整が世界中の市場――例えばユーロ圏のソブリン債の高騰や新興国市場の通貨などに――に多大な影響を与えていたので、今回の急激な利益確定の動きにも世界的な波及効果があり、世界各地で相対的なバリュエーションが調整された。

 

 ソシエテジェネラルの通貨ストラテジスト、キット・ジュークス氏によると、23日の市場の動揺は、FRB国債購入を「いつ減らすのかという問題」ではなく、「ボートの片側のポジションが多くなり過ぎて、転覆しそうになったこと」が原因で起きたという。

 

 現在のリスクは自己永続的な効果が定着することにある。ある市場で損失を出した投資家が別の市場で利食い売りをし、それが他の市場での売りのきっかけになる。そうなったときに利益を確定したい投資家の標的になるのは、それまで最も好調だった市場である。最高値を更新した米国株にリスクが生じるのはもちろんだが、長期的には、近年に通貨の価値が大幅に上昇した新興国市場に目を向ける人もいるだろう。

 

 ドイツ銀行のアラン・ラスキン氏は、新興国市場について「複数年にわたって継続した投資の巻き戻しに特に脆弱だ」と指摘する。メキシコのペソ、トルコのリラ、フィリピンのペソ、南米、中央・東欧州、アジアにおけるその他の「最近の勝ち組」が23日の「大暴落に完全に加わっていても」おかしくはなかったと同氏は述べた。

 

 大暴落が続くかどうかは、悪いニュースが続くかどうか、現金を調達するために投資家がさらなる利益確定売りをする必要があるかどうか、にかかっている。

 

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324474704578502371614368686.html?mod=WSJJP_hpp_MIDDLENexttoWhatsNewsThird

 

<引用終り>

 

 

流石ウォール街のハイエナ相手の修羅場に生きているWSJ、全く目の付け所が違う。

門外漢の私でもこの説明なら納得がいく。

 

金に困ったハイエナが取りあえず利益を確保し、現金を手に入れるために手じまい。それが売りが売りを呼ぶ展開になった。こんな事の様である。

 

という事であれば実体経済への問題ではなくマネーゲームの一局面。だからこれからも乱高下は有るだろうが、単なる調整局面。

こう理解すればいいのだろう。

 

アベノミクスの限界などとホルホルしている連中には気の毒だが、これからも日本は大きく羽ばたく。

そう言う事の様だ。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(17)

2013-05-14 22:06

夢も希望もない韓国経済<正論なのだが、結論は?

 伊勢 雅臣さんの話は面白い。

私のいつも共感しているのだが、伊勢さんの言う結論にはどうにも納得しかねる。

何故か?

先ずはその内容を。

 

<以下、伊勢雅臣さんのブログより引用>

面白い内容なので全文は以下参照ください。

http://chomon-ryojiro.iza.ne.jp/blog/entry/3068444/

 

 

 

夢も希望もない韓国経済:伊勢 雅臣

2013/05/05 12:19

               

■1.「夢も希望もないウリ(我らが)社会」

 

「大学新卒者が5人集まれば正規雇用は1人だけ。3人は非正規、1人は

無職」とは、韓国の大学卒業者の就職状況である。その就活(就職活動)

の苦しさは、日本以上だ。

全企業数に対してサムスン電子やLGエレクトロニクスといった財閥系企業

が占める割合は、わずか1%に過ぎない。しかし、主要財閥の総売り上げ

GDPの約75 %を占める。その入社試験の倍率は少なくとも数百倍で、トッ

プのサムスン電子に至っては700 倍とも報じられている。[1]

財閥系企業では(会社側は否定しているが)、TOEIC990 点満点中、800 

点以上でないと履歴書すら見て貰えないという。

就職支援会社の調査では、サムスン電子の新入社員の年俸は約4千万ウォ

ン(約345 万円、日本流にボーナス5ヶ月と考えると、月給換算20 万円

ほど)で、これは中小企業の40 代前半の大卒男性の平均年俸に相当する。

一方、全企業の新人社員の6割は、18 百万~220 万ウォン(約155

万円~190 万円、月給換算9万~11 万円)。年俸制を採用する韓国では

1年単位の契約なので、正規雇用と言っても、1年後に契約が更新されな

かったら、クビである。

 

・・・中略、長文なので以下各章の見出しだけ紹介

 

■2.同世代の6人に1人が国を捨てる

 

■3.世界一となった自殺率

 

■4.韓国企業の躍進と韓国国民の窮乏化

 

■5.国内を犠牲にして海外進出している韓国経済

 

■6.外国人株主が半分近く

 

■7.「経済成長しても国民が豊かになれない、歪んだ経済モデル」

 

■8.韓国経済はグローバル化時代の反面教師

 

・・・中略、最後のまとめ部分だけ紹介。

 

韓国経済の悲惨な現状は、グローバル化の時代の反面教師である。我が国においては、手間暇かけて自前の技術を育成し、国民を雇用し、国民に優れた商品を提供し、収益を国内株主に、税金を日本政府に納める企業をこそ、大切にしなければならない。

 

<引用終り>

 

全く正論である。何が文句が有るんだ、そんな文章だ。

だが良く考えてほしい。

 

我が国においては、手間暇かけて自前の技術を育成し(その通り)、国民を雇用し(そうだ、そうだ)、国民に優れた商品を提供し(当然だ)、収益を国内株主に(うん、うん)、税金を日本政府に納める(日本人の義務だ)企業をこそ、大切にしなければならない。

 

 

この全く当たり前のことが実は評論家のセンセ方の陥る誤謬、そして何も知らない一般大衆を騙す毒薬である。

日本人はミンス処方のこの毒薬に中り、あわや棺桶入りの重病にかかってしまった。

 

 

 

何がおかしいのか。

 

第一の問題は今の社会は絶えず国際競争をしている事。

例えばある会社が、

自前の技術で、国民を雇用し、優れた商品を提供しても外国企業が同じものが半値で製造し、それが輸入されたら・・・ アッと言う間に倒産である。

つまり競争と言う視点が欠けているのだ。

 

例えばこんな会社の事例、養命酒と言う会社が有る。

400年も前からの技術を連綿と受け継ぎ、今日でも優良会社だ。

しかしこの商品、余りにも市場が小さく特殊なので他社が割り込む魅力が無い。

従って独占企業である。

「鳥なき島の蝙蝠 {無鳥島(むちょうとう)の蝙蝠(へんぷく)}状態と言って良いだろう。

これなら全く問題ない。

 

 

第二の問題は量に対する考え方が全くない。

例えば代表的産業である自動車を考えよう。

自動車は開発するのにベラボーな費用が掛かる。

最近の代表的なクルマなどは、車一台のコストを見ると、①設計・研究・試作・評価に三分の一、②工場や生産設備に三分の一、③直接クルマを作る材料・加工・組立費用に三分の一、こんな風になっている。

だからクルマが今までの倍売れるようになれば、①+②の費用の一台当たり分は半分になる。

この理屈で国内だけでは足りないので外国に商品を販売しようとする。

言葉は悪いが、ビジネスの世界は「殴り込みの世界」

こんな事が全く考えられていない。

 

結論、伊勢雅臣さんの議論は「正論である。だがそれは実現できない絵空事」、こう言える。

 

日本人はこういう絵空事に騙されて三年半過ぎた・・・長かったなあ・・・。

もっと地に足をつけた議論がどうしても必要、今はその時なのだと思う。

 

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(7)

2013-04-16 10:30

ロサンゼルス市、日本製の耐震水道管を試験的に敷設

 WSJに興味深い記事が有った。アメリカ・ロサンゼルス市が日本製の耐震水道管を試験的に採用するのだと言う。

耐震水道管? 殆どの人が初耳の名前ではないかと思う。

私も殆んど知識は無いが二年ほど前、友人宅を訪問したとき初めて知った。

 

丁度友人宅前の道路で水道管の工事をしていて、工事している人に水道管工事だが何をしているのかと聞くと「耐震管に取り換える工事です。」と言い、ここがこうなっているでしょう、これで伸縮し、地震などでの破損を防ぐんですと聞きもしないのに説明してくれた。そんな事で耐震水道管の存在を知ったのだった。

きっと業者の人も耐震管への取り換え工事が誇らしい仕事」と思っていたのだろう

 

 

最初にWSJの記事

 

<以下引用>

 

ロサンゼルス市、日本製の耐震水道管を試験的に敷設

2013年 4月 15日 16:41 JST

 

 米カリフォルニア州ロサンゼルス市は、大地震に備え、ある戦略を思い付いた。日本でのみ製造されている耐震水道管の導入だ。

 

 ロサンゼルス市水道電気局は先日、サンフェルナンドバレーに約2000フィート(約610メートル)の特殊な鉄を用いた水道管を試験敷設する工事を終えた。

 

 水道管は日本のクボタが開発したもので、地盤の変形に耐えうる設計になっている。クボタの水道管は日本で40年の実績を持ち、その耐震性はマグニチュード(M)9.0の地震が津波を引き起こし、東北地方を中心に甚大な被害をもたらした2011年の東日本大震災でも実証済みだ

 

 それら「ダクタイル鋳鉄管」と呼ばれる水道管は、従来のものとは異なり、地震に耐えるよう圧力がかかっても折れずに曲がったり、収縮する構造になっている。鎖のように動くよう設計されているため、さまざまな部品が動いてもバラバラに壊れることはない。

 

 ロス市水道電気局の土木監督者クレイグ・デービス氏がこの水道管について知ったのは03年で、11年の大震災直後にクボタと交渉し、ロスの試験プロジェクト用に一部輸入することを決めた。同氏によると、サンフランシスコやポートランド、シアトルの水道当局からも問い合わせがあり、同様のプロジェクトへの関心を示しているという。「これ(耐震管)については、われわれはまだ学び始めたばかりだ。この配管システムが耐震型だと特定できたのは本当につい最近のことだ」とデービス氏は話す。同氏は、昨年作業員のトレーニング担当主任を日本に派遣したほか、日本人スタッフ2人にロスの現場で工事を監督してもらっている

 

 まずは全長7000マイルの水道管のうち約2マイルのみを耐震管に付け替え、断層線に近い最もぜい弱な部分への敷設に限定する計画だ。耐震管は高額で、ロスで使用されている標準の水道管の約2.5倍する

 

 最初の試験敷設の費用は10万6000ドル(約1035万円)で、今秋開始予定の6500フィートにおよぶ2回目の敷設工事の費用は90万ドル。ロス市当局はコスト軽減に向け、クボタ特許出願中の米国で製造パートナーを見つけられるよう、支援している。

 

・・・以下略、詳細は下記リンク先参照ください・・・

 

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323846104578423991376083724.html?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecond

 

<引用終り>

 

 

大変良い話である。水道管などと言う地味なものが実は日本の安全を文字通り縁の下で支えている良い例だと思う。

 

所でこんな話、日本では全く報道されていないのはどうしてかと思い調べてみた。

報道されていない訳では無い、有るには有った。昨年10月の日経新聞である。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD180FF_Z11C12A0TJ1000/

 

 

但し上記日経新聞の記事は有料で詳しく読めないので昨年12月の日経産業新聞記事を紹介したい。

 

 

<以下引用>

 

ものづくり進化論(日経産業新聞)

地震国が挑む世界市場 クボタ耐震水道管、米で初受注 

 

(1/2ページ)2012/12/25 7:00

 

 地震に強く寿命の長い日本発の水道管が海を渡る。クボタが開発した耐震型水道管だ。耐震管の本格的な輸出は初。2013年1月に米ロサンゼルスで施工される。耐震性能は阪神大震災や東日本大震災でも被害がなく実証済み。特殊なコーティングを施し、100年使っても腐食しないという寿命の長さも武器だ。地震国・日本で培われた高いインフラ技術が海外でも根付くか。

 

 水道用鉄管国内最大手のクボタが耐震管の開発に乗り出したのは約40年前に遡る。1968年に起きた十勝沖地震で大きな被害を受けた青森県八戸市から要望を受け、水道管というライフラインが地震で被害を受けるのを防ぐ耐震管の開発に着手した。

 

 第1世代といわれる「S形」を開発したのが74年。パイプ同士をつなぐ継ぎ手部分が伸縮・屈曲し、抜け出さず、水を漏らさないようにした。地盤の沈下や亀裂が生じても管路は地中の中で鎖のように動いて地盤の変動を吸収するようになっている。93年にはより施工しやすくした第2世代の耐震管「NS形」を開発。これらの耐震管の性能はいみじくも95年の阪神大震災や2011年の東日本大震災で実証された。各地で継ぎ手の離脱や破損がみられたが、耐震管ではゼロだった。

 

 第3世代でGX形とも呼ばれる新型の鋳鉄製耐震管「GENEX(ジェネックス)」の本格販売に乗り出したのが11年春。亜鉛合金のコーティングを施すことでNS形管よりも寿命を長くした。水道用鋳鉄管の法定耐用年数は40年だが、GENEXは日本の国土の95%で100年埋めても腐食しないという。

 

 長寿命化と合わせて工夫したのが施工のしやすさだ。管同士の差し込み口を改良し、従来よりも少ない力で接合できるようにした。大型の工具がいらなくなり敷設のためのスペースは小さくなる。管そのものの材料費は高くなるが工事費が減り、総工費は従来と同程度に抑えられる。

 

 40年の歴史と2つの震災を乗り切った実績で、米国市場に乗り込んだのが今年1月。ロサンゼルス市水道電気局にプレゼンテーションを実施し、同局の職員に実際に耐震管を接合してもらった。「米国では管の埋設条件が日本とは異なり、日本と同じような耐震性能が発揮できることを実験などでも示した」(戸島敏雄パイプシステム事業ユニット長補佐)という。

 

 その成果がロス市水道電気局から受注した550メートル分の試験案件。場所は郊外の丘陵地で、地滑りの危険地帯だ。13年秋施工予定の1800メートル分の案件についても同局と商談中。場所は救急病院を含む地域で、1994年に起きたノースリッジ地震の被災地だという。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD2103P_R21C12A2000000/

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD2103P_R21C12A2000000/?df=2

 

<引用終り>

 

 

 今新聞・テレビなどのマスゴミでは日本の悪い面が「有る事無い事ごちゃ混ぜにして」繰り返し報道されている。

毎日こんな報道に接していれば日本はもう駄目だ、元気なコリアを見習わなければ、そんな風潮が生まれるのも無理はない。

 

 

しかし世界は良く見ている。

日本のような先進工業国を襲った未曾有の大震災、それにも拘らずそこから立ち上がろうとしている秘密が何処にあるのか、この事例などは正にそのいい例だろう。

 

ロサンゼルスの水道関係者は「なるほど、ここまで考えて作った水道管だったのか。それでM9などと言う信じられない大地震でもあれだけの被害で済んだのか

そう思ったのであろう。

 

世界は水資源の確保に必死である。

そんな中にはサウジアラビアの様に2800万人(2011年)の人口の大部分に供給する水を海水淡水化で供給している国もある。

しかもその国の水道インフラはぜい弱で供給した水の三分の一は漏水で消えるのだとか。

 

大きな可能性を持った話である。

是非こんな話を若い、未来の有る若い人に知ってほしいものだ。

 

最後に

耐震管は高額で、ロスで使用されている標準の水道管の約2.5倍する

こんな事であるが、やっと為替も民死党の日本破壊工作から解放され、ミンス以前の水準に戻ってきた。

恐らくこの価格も円の為替レベルが変われば相当下がると期待していいだろう。

やっとまともな時代が戻ってきたようだ。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2013-04-12 18:14

ガソリンスタンドの廃業

  ガソリンスタンドの廃業が続いている。

先日「低原油価格の時代は終わった」をエントリーし、そこに最近のガソリンスタンド廃業が続いている事を書いたのだが、そこにudumeさんからガソリンスタンドの廃業は法律の改正(防爆基準)とガソリン供給メーカーの戦略ではないかとのコメントを頂いた。

コメント欄に一応回答したのだが、長すぎて書ききれないので改めてガソリンスタンドの廃業問題について書いてみたい。

 

最初にガソリンスタンド廃業についての少し古いが今年1月の朝日新聞の記事から。

 

<以下引用>

 

ガソリンスタンド廃業相次ぐ 地下タンク改修義務が負担

 

 【鈴木逸弘】ガソリンスタンドが淘汰(とうた)の波にさらされている。古くなった地下タンクを1月末までに改修するよう義務づけられたことで、改修費用を負担できずに廃業する業者が相次ぐ。最大で2千店が廃業に追い込まれるとの見方もあり、生活に欠かせない燃料供給網が寸断しかねない事態だ。

 

■供給網、寸断の恐れも

 

 ガソリンスタンド事業者らでつくる全国石油商業組合連合会の担当者は「3月の年度末までの店じまいは最大2千店になりそうだ」とため息をつく。

 

 

・・・以下略、これ以上は有料で読めないので・・・

 

http://www.asahi.com/business/update/0131/TKY201301300585.html

 

<引用終り>

 

此処で朝日新聞が指摘しているように、ガソリンスタンドの数は長期漸減傾向。

そこにこの法律の改正が有ったわけだ。

 

しかしガソリンの需要そのものがどうなっているかと言うと

 

http://www.garbagenews.net/archives/1678478.html

 

用語が分かり難いが、上から順に乗用車、トラック(ディーゼル=主に大型)、トラック・ライトバン(ガソリン=主に小型)、バス、タクシーである。

 

このうち注目すべきこと、トラック、バスは96年~97年をピークに漸減傾向、この理由は長期デフレによる経済の停滞であろう。

乗用車は2001年頃をピークに漸減傾向、これはデフレもあるが車の低燃費化と小型化による燃料消費量の低減だと思う。

 

私の行きつけのガソリンスタンドも二つあった支店を両方とも閉鎖してしまった。

スタンドのオヤジの話。

「ねえ短足さん、最近プリウス増えたでしょ。一回満タンにすれば軽く800キロ位走っちゃうんだからね。今まで満タンで300キロとか400キロ走って給油してくれたお客さんが来なくなるのも無理ないでしょ。商売やってられないです。」

 

だが燃費競争はハイブリッド車だけではない。最近軽乗用車がどんどん性能が良くなり、軽に乗り換える人が増えた。普通車でもモデルチェンジのたびに燃費が良くなってきている。

その背景にはメーカーの石油資源枯渇への危機感が有るのだ。

ピークオイルの話は以下エントリー参照ください。

 

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2850238/

 

更に石油資源枯渇対策としてアメリカは厳しい燃費規制を打ち出している。

現行の車のガソリン消費量を2025年までに半分にしようと言うのだ。

 

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2851781/

 

日本のマスゴミはこんな重要な話は全く報道しない。

目の前にガソリンスタンド廃業が迫った時、「さあ大変だ、地域のスタンドが無くなってしまう。」と騒ぐだけである。

 

しかし世界の趨勢は石油資源枯渇に備えて走り出している。日本だけが後ろ向きなのだ。

 

上掲の自動車燃費規制の所で紹介したグラフだが、燃料と電力が今後どうなるかの予測。

 

 

2050年と言えば37年先、随分先と思うのだが今大学生の方が定年になる前です。

そう言って分かり難ければ、今住宅を30年とか35年のローンで買おうとしている人がローンを払い終わる頃。

その頃には燃料が圧倒的に不足する、こんな事が予測されている訳です。

アメリカがまず自分の所の燃料消費を減らそう、こう考えて躍起になるのも無理はない話です。

 

ガソリンスタンドのオヤジさんだけでなく、日本人一人一人が考えねばならない問題でしょう。

 

更にこの問題を厄介にしているのが気候変動

何度もこのブログでも取り上げていますが、太陽の異変がいよいよハッキリしてきて、地球は江戸時代のマウンダー極小期並みの寒冷化することはほぼ間違いない事が分かってきました。

難しい時代になったものだと思います。

 

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(14)

2013-04-05 22:09

低原油価格の時期は終わった=IEA事務局長

  何気なく読み飛ばしてしまうような記事だが、WSJにこんな記事が有った。

良く見ると恐ろしい事が書いてある。

 

 

<以下引用>

 

低原油価格の時期は終わった=IEA事務局長

 

2013年 4月 05日 15:14 JST

 

 【パリ】国際エネルギー機関(IEA)のマリア・ファン・デル・フーフェン事務局長は4日、1バレル当たり50ドル台を割り込む低原油価格の時期は終わり可採資源は技術的、政治的により厳しい場所へと移ったと述べた。

 

 「50ドル以下は(中略)に戻ることはかなり難しい」とするファン・デル・フーフェン氏は、非在来型石油の追加供給は中期的により安定した市場を意味すると付け加えた。

 

 「これはここ数年にわたり特にタイトだった石油市場にとって良いニュース」と同氏は語った。

 

 一方、こうした構図は非OPEC石油輸出国機構)国の供給が頭打ちになる2020年には再び変化するとファン・デル・フーフェン氏は付け加えた。

 

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323462004578403752624530538.html

 

<引用終り>

 

 

どんな所が興味を引いたか、原油価格のグラフを見れば分かる。

 

 

IEA事務局長の言う原油価格50ドルのレベルとは「2005年のオイルピーク頃の価格」という事だった

相場は良く知っている。

オイルピークは以前から「いつか来る」と言われ続けてきた。そして数年前になって2005年がそのピークだった、そんな事が分かってきた。

 

可採資源は技術的、政治的により厳しい場所へと移った 

つまりもう今迄みたいにどんどん掘り出せる時代は終わった。ピークオイルが遂に現実のものになってきたのである。

エッ、シェールオイルシェール・ガスが有るだろうですか。そいつが実はとんだ食わせ物であることがだんだんわかってきた、それでこんな発言になっている訳ですが・・・

 

 

オイルピークについては以下のエントリー参照ください。

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2850238/

 

そしてこの問題でyuyuuさんが興味深い事をエントリーしている。

http://yuyuu.iza.ne.jp/blog/entry/3002860/

 

yuyuuさんは言う。

 

 北海油田は完全に終わりのようですだ。

目の前で油田が涸れたら欧州の人達は驚くだよ。

 

その欧州の人が驚く北海油田の枯渇とはこんなモノ

このグラフはyuyuuさんの上掲エントリーから拝借。

 

 

十四五年前までは希望の星だった北海油田、それがあれよあれよと言う間に涸れてゆく。目の前にこんなのを見せつけられて危機感を持たない国は無い。

日本だけが異常なのだ。

 

日本は未だに原発コワいキャンペーンの真っ最中。

しかし世界は石油資源の枯渇に備えて走り出している。

日本だけ取り残され、「未だ覚めず、池塘春草の夢」である。

 

そろそろ目を覚まして明日を見ようではありませんか。

空き缶の呪いから脱出の時が来たようです。

 

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2012-10-18 18:58

世界のお金は日本を目指す<岩本沙弓著

  今こんな本を読んでいる。

「世界のお金は日本を目指す」 岩本沙弓著 徳間書店刊

 

経済の特にカネについての本なのだが大変面白い。

 

 

 

序章  世界が評価する日本

第1章 日本人が誤解している「最強の債権国家」の実力

第2章 封印されてきた通貨高のメリット

第3章 末期を迎えつつあるアメリカ

第4章 見えた! ユーロの着地点

第5章 中国バブルが長引いているのはなぜか

第6章 日本経済が最強と言い切れるこれだけの理由

終章  日本の正しい選択

 

 

最初にこんなエピソードを紹介するところから。

ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン教授の話として

[「日本のように我々もなってしまうのか?」と尋ねられたら、「なれるものなら、日本のようになりたいものだ」と私は答えているんだ]

こんな所から話が始まっている。

 

 

詳しい事は大変面白い本なので興味のある方は是非どうぞ。

 

私が特に印象に残ったのは第6章でこんな事を言っている。

 

小見出し「日本人であることを誇らしく思える教育と政治を取り戻す

 

中身は戦後の教育と政治は良くなかった、

特に教育に関して、フーバー研究所の西教授の言を引いて、「日本の戦後教育とはアメリカの敵対国であり敗戦国となった日本を無力化し、二度と立ち上がれなくするためにマッカーサーが敷いた政策。それをいまだに引き摺っているのはおかしい」。こう言っている。

 

今こんな事を反省すべき時に来ていると思う。

 

大変面白い本です。

 

 

 

 

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2012-10-08 16:06

原子力技術者、海外への流出懸念 希望者、震災前の1.5倍

 

 民主党政権が原発ゼロなのか、建設中の原発は建設するのか迷走中だ。

しかし時は待ってくれない。

こんな気になるニュースが有る。

 

 

<以下引用>

 

原子力技術者、海外への流出懸念 希望者、震災前の1.5倍

2012.10.7 21:27 [エネルギー]

 

 政府が「2030年代の原発稼働ゼロ」を柱としたエネルギー政策を打ち出すなか、技術者の転職などを支援する団体に登録し、海外での勤務を希望する原子力関連技術者が、東日本大震災以前と比べ1・5倍に増えていることが7日、分かった。中国企業からの引き合いが増加しており、脱原発の動きが、日本の原発技術の海外流出を進める実態が浮き彫りになった。

 

 日本技術者連盟の下部組織で、平成22年に設立された国際原子力発電技術移転機構によると、海外勤務を希望する登録者が現在約300人。東日本大震災による東京電力福島第1原発事故以前の昨年2月時点の約200人から急増した。

 

 登録しているのは、日立製作所や東芝などのOBの原発技術者が中心だが、電力会社の現役世代なども目立つようになった。一方で同連盟には、今後、250基以上の原発建設計画がある中国の原発事業者からの募集が急増しているという。

 

 中国の原発事情に詳しい民間シンクタンク、テピア総合研究所の窪田秀雄副所長は「日本で使えなくなりつつある技術が、海外に活躍の場を求めるのは自然な流れだ」と警戒を呼びかけている。

 

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121007/biz12100721280005-n1.htm

 

<引用終り>

 

 

こんな事は実は氷山の一角、中国だけでなく韓国も日本の技術者を高給で採用しようとしている。

そんな事が結果として日本の弱体化を加速している。

 

民主党政権とは何と罪深い事をしてくれたものである。

 

だが日本に見切りをつけ、海外に出てゆく人を止めるわけにはいかない。

人それぞれに生活が有り、人生の目標がある。

自己実現の欲求もある。

日本が日本人のそんな欲求に応えられないだけなのだ。

 

一人、また一人、国を去って新天地を目指してゆく。

だがこれが加速すると国家の衰退に結びつく。

 

私はそんな事例としてカンボジアアンコール王朝の衰退の歴史を見てきた。

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2590891/

 

 

詳細は上掲リンク先を見ていただくとして、こんな文化面でも衰退が分かる事例がある。それはカンボジアとタイの伝統芸能だ。

 

 

 

これは西暦967年(日本の平安時代中ごろ)に建設された「バンテアイ・スレイ」寺院の彫刻

東洋のモナリザと言われる女神の像。デバターとかアプサラと呼ばれている。

 

 

 

このアプサラはその後も連綿とカンボジア王室に受け継がれ、ポルポトの大虐殺で壊滅寸前だったが何とか復活した。

こんなのがアプサラ(アプサラ・ダンス)

 

 

 

所でこんな素晴らしい踊りはタイにもそっくりなのが有る。

 

タイダンス(ラコーン)という

 

 

今日ではタイダンスの方が遥かにメジャー。

しかし踊りのテーマだとか色んな所がそっくりである。

 

 

 

そしてカンボジアのアプサラは1000年以上前から有った事がこの彫刻でも証明されている。

 

タイの踊りは1257年頃、タイの初代王朝であるスコータイ王朝時代の碑文に踊りが有るらしい事が書かれているが詳細は全く分かっていない。

 

ようやくタイダンスがはっきりしてきたのはアユタヤ朝中期、1500年代、日本で言えば戦国時代頃だ。

 

アンコール王朝の衰退は上掲リンク先を見ていただくとして、アンコール朝が王様が変わるたびに前政権のやった事を全否定。

その為こんな踊りの踊り子や関係者も一人、また一人とカンボジアを去って行った。

行った先は当時文化的には全くの後進国タイであった。

 

そしていつの間にかこんな人たちが集まって国力を蓄え、カンボジアを圧倒してしまった。

 

タイダンスを見ながら、こんな歴史を思い出しました。

 

 

 

日本もミンス基地外政権で技術者などが居場所を失っていく。

このままでは国の衰退は間違いないところだ・・・

 

 

えっ! お堅い話は置いといて、踊り子さんの衣装は1000年前の方がいいんですか?

そんな衣装をぜひ復活させたいと言うんですか・・・(う~ん・・・)

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2012-09-21 08:52

自然エネルギーの弱点

  Yuyuuさんが太陽光発電も風力発電も環境を破壊するとして、こんな表をエントリーしている。

 

http://yuyuu.iza.ne.jp/blog/entry/2867242/

 

 

 

これだけでもビックリするデータなのだが、ちょっと補足させていただきたい。

これはチャンネル桜で元三井物産の小野章昌氏が説明しているもの

http://www.youtube.com/watch?v=bSjp4zF6IdY&list=UU_39VhpzPZyOVrXUeWv04Zg&index=7&feature=plcp

 

風力発電の主力変動を表にしたもの

 

 

小野氏が言いたいこと、この表のように風力発電は変動が激しいのでそのままでは使用できない。

この為風力発電と全く同じ出力の火力発電がセットでないと使えない。

風が吹けば火力を止め、風が無ければ火力を運転する。

これは太陽光発電も全く同じ。

こんな事なので風力・太陽光発電が成り立つためには全く同じ出力の火力発電が必須なのだと言う。

 

詳細は上掲リンク先からチャンネル桜の動画参照ください。

 

 

 

さて風力発電先進国のドイツがどうなっているかと言うと、

 

ドイツの自然エネルギー発電の不安定さに隣国チェコが迷惑しているのだと言う

http://chinshi.blog102.fc2.com/blog-entry-113.html

 

 

 

 

 

 電力の不安定さがどんな問題を引き起こすか、その事例が日本にもある。

2010年12月8日、中部電力でわずか0.07秒の瞬間電圧低下事故が発生した。

 

 これは新聞報道の一例、朝日新聞である。

 

「中部電力で0.07秒の電圧降下発生、四日市工業地帯に大きな影響」

 

12月8日朝、三重、愛知、岐阜で電圧が約0.07秒間、最大で半分程度に下がった。中部電力の四日市火力発電所の設備不具合が原因。これにより、半導体工場や製油所、自動車工場などが操業に影響を受けたという(朝日新聞の記事)。

 

 

私も新聞などを見ている限り、こんな程度しか情報はない。しかしこれがこの事故をまとめたもの。

http://www.nksj-rm.co.jp/news/images/101229_report.pdf

 

此処にこんな図がある。

 

たった0.07秒でさえこれだけの被害が出る。

安定した電力がいかに重要かの良い事例ではないだろうか。

 

自然エネルギーは環境にも悪影響がある。

そして産業にも極めて悪い影響が有る。

そしてそのコストは・・・

考えるだに頭が痛くなる話だ。

 

しかし脱原発マンセーで発狂中のマスゴミにはこの話は理解不能・・・

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(12)

2012-09-19 16:23

9月18日のタイトロープ

  昨日この夏の電力需給について書いてみた。

計画停電もなかったので良かった良かったなのだが、原発は本当に要らなかったのだろうか。

その時は関西電力と中部電力について取り上げたのだが、そこへのkazkさんのコメントから東京電力は18日も東北電力に電力を融通していることが分かった。

 

今日東北電力の状況を調べてみたらこんな状況になっていた。

 

以下東北電力のHPより

 

http://setsuden.tohoku-epco.co.jp/graph.html

http://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1184041_1049.html

 

元々需給がタイトなところに午前9時32分、火力発電所が故障した。

多分当日はそれでなくても状況はタイトなので、他社の応援を受けることになっていたのであろう、その応援を受けても供給予備率は3.9%であったという。

予備率が5%を切ると極めて危険な状況になると言われているが、東北電力は9月18日は正にその綱渡り状態。

若しもう一か所火力発電所がダウンすれば停電もあり得たであろう状況だった。

 

電力の綱渡りはまだまだ続くようだ。

 

 

 

所でそのエネルギー問題について、こんな話が

 

SANKEIBIZに「計画停電回避は簡単ではなかった」と言うコラムがある。

http://www.sankeibiz.jp/business/news/120917/bsc1209170501001-n1.htm

 

 

全文は上記リンク先参照いただきたいが、その中に以下のような一節が有る。

 

 だが、今夏の節電で関西企業がどれほど大きな困難を強いられたか。大手企業でさえ節電目標達成に四苦八苦しており、節電の余地がほとんどない中小企業では“死活問題”だったところも少なくなかったはずだ。大阪商工会議所が実施した会員アンケートでは、今後もこのような節電が続けば約2割の企業が「関電管外へ移転する」と回答している。

 

 

 

電力の問題はこの夏さえ乗り切れば後は万々歳、そんな生易しい話ではない。

2割の企業がどこかに行ってしまえば、影響はその関連企業だけではない。

人口が減るのだから、メシ屋とかガソリンスタンドとかいろんなところに全部影響が出る。

関係ないのはお役人様、新聞テレビ様だと思ったら大間違い、こんな連中はずっと後になって仕事が無くなるのだが、その時その原因が自分たちが蒔いた種とは気が付かない。

しかし日本のマスゴミにはこのまっとうな話が理解できる頭はないようだ。

 

 

エネルギー問題についてはyuyuuさんのこのエントリーが大変参考になる。

世界中の国が電力不足で悩んでいるのに、日本は長閑

http://yuyuu.iza.ne.jp/blog/entry/2864481/

 

 

しかしこのタイトロープ、何とか無事に乗り切りたいものである。

 

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2012-09-18 11:56

残暑続きで思う事

  もうすぐお彼岸が来ると言うのに連日猛暑が続いている。

こんな時大阪地区はまたぞろ今年の夏は原発なしでも乗り切れたとの議論が復活している。

ホントかなあ・・・

 

 

関西電力の今日(9月18日)の電力供給予報

 

 

関電は原発2基を稼働させているが、それより他社からの電力融通分の方がはるかに大きいのだ。

関電が他社からの受電分と言っているのはあちこちの民間会社の持っている発電機を総動員して得たものだろう。

それに中部電力からの融通分もある筈だが、関電の資料からは読み取れない。

 

 

それではという事で、これは本日(9月18日)の中部電力の供給予報。

 

 

関電に融通する分は116万kw、これは大騒ぎして稼働させた大飯原発2基と比較するとこの原発1基分に相当する量だ。

 

 

 

中部電力は今年の初めにはこの夏の電力不足が分かっていたので、この様に関西電力・九州電力に電力融通することを決めていた。

この件は以下参照ください。

 

「関電の電力危機」

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2669260/

 

さて中部電力は東京都から頭を下げられても「それより大ピンチの関西電力が優先」、こういって関電に電力融通してきた。

その量は116万kw、原発1基分である。

 

そのほかにも民間会社からの融通分が他社受電として記載されているが、詳細は分からない。

しかし中部電力のデータには他社からの受電がほんのわずか、

多分中電管内の民間企業の電力も全部関電に回したのであろう。

 

 

関西電力はこんな事であちこちからの電力融通でどうやらこの夏は乗り切れたようだ。(否まだ油断禁物だが)

 

でもこんな話は大阪からは全く聞こえてこない。

少なくとも原発イランと大騒ぎした大阪市長や滋賀県知事辺りから何かコメントがあっても良さそうなのだが・・・ 如何だろう。

 

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2012-09-14 15:38

これでは日本自殺

 政府が温室効果ガス25%削減を事実上撤廃と報道されている。

おいおい、まだこんな寝言言っていたのかと思うとどうも大違い、

日本を自殺させる方針らしい。 

 

どんな報道かと言うと

 

<以下引用>

 

 

「25%削減」事実上の撤回=温室ガス排出、新目標設定へ―政府

時事通信 9月13日(木)12時14分配信

 政府が14日にもまとめる革新的エネルギー・環境戦略で、2030年の温室効果ガス排出量について、1990年比でおおむね20%削減を目指すと明記する方向で最終調整していることが13日、分かった。20年の削減率は5~9%にとどまる見込みで、国際公約として掲げた90年比で25%削減の目標は事実上の撤回となる。
政府は今後、森林吸収対策や海外からの排出枠購入による削減分も含めた新たな目標の検討を本格化させ、年末までに13年以降の地球温暖化対策の計画を策定する。ただ、目標値の大幅な引き下げは必至だ。 

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120913-00000065-jij-pol

 

<引用終り>

 

最初に25%削減などと言い出したのはこのアホ。

 

2009年9月22日に国連で演説したのが出来もしない25%削減。

その為には原発が不可欠で、その後福島第一を急遽使用期間延長したのだ。

 

しかし今年の7月20日には

 

 

何も言う事はない。

こんなアホを総理大臣に頂いた日本人の不明を只々恥じるのみである。

 

 

しかしこの報道で25%削減などと言うバカな話が消えたわけではない。

引用文にあるように25%削減は止めたけれど、「1990年比でおおむね20%削減を目指すと明記する方向で最終調整」

こんな話なのである。

これだけでも十分嘘八百なのだが、問題は1990年比と言う部分、これは取り下げていないのだ。

 

 

そもそも温室効果ガス削減などと言う壮大な詐欺話、世界中どの国も全く信用していないのである。

それを未だに信用して政策を論ずる。

こんなのは詐欺・ペテンの類、世界的にはどこの国でも相手にされていないのだ。

 

 

 

所でその温室効果ガス削減がどうなっているかと言うと

 

 

 

 ソース:http://www.jccca.org/chart/chart04_03.html

 

二酸化炭素排出量のピークは2007年、その後景気の減速による産業界の停滞と省エネの進化、特に自動車などの燃料消費量低減などで大きく減少したが、それでも基準年の1990年よりは多い。

そして2012年は原発稼働停止でまた急拡大するはずである。

 

 

 

それから自動車の燃費向上の指標としてガソリンスタンド数を見てみたい。

 

 ソース:http://www.garbagenews.net/archives/1972324.html

 

ガソリンスタンドの数は全国でピークは60421軒、それが現在は37743軒、ピーク時の62.5%である。

 

ガソリン使用量はガソリンスタンドの数がピーク時の三分の二以下となるほど減っているのである。

廃業した業者も沢山ある。沢山の人が失業しているはずだ。

こんな痛みの伴う事になっているが、それでも基準年より二酸化炭素排出量は多い、これが現実だ。

 

そして最後に政府は原発ゼロを目指すと言う。

2009年に国連でカッコいい事を喋ったときは原発推進。

いまは原発ゼロ

どういう理屈でこんな事が言えるのか、正気の沙汰ではない。

エネルギーが無いのに脳内妄想だけで政策を論ずる。

自殺行為以外の何物でもないのは一目瞭然だ。

 

日本は自殺に向かってまっしぐらに突っ走っている。

今これを止めないと100年先まで後悔するはずだ。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(10)