2015-10-25 13:41

GEが面白い事を言っている

 昨日GEが製造業に回帰すると言う報道についてエントリーした。今回はその続編、GEのHPにGEリポートと言うものがあり、大変面白い内容が載っている。
GEほどの大会社が製造業への回帰を決めると言う大変革、その一端と思われ大変興味深い。


何はともあれ、どんな事を言っているかを紹介しよう。

最初にGEリポート(正確にはREPORTSだが、分かりやすくリポートと表記)のこんなページ

http://gereports.jp/post/124649266664/inventing-the-next-industrial-era

このGEReportsで「日本のこれからを考える」を見るとこんな画面。
今年7月にGEが日本で開催したフォーラムのパネルディスカッションの様子。

(画像を貼り忘れました、追加します・・・深謝!)
2015-10-25GEリポートジャパン

大変興味深いので、以下その内容。

<以下引用>

名経営者たちが語る、製造業の未来とこれからの指針
Jul 21, 2015


GE REPORTS JAPAN今号では、
日本GEが7月9日に開催したフォーラム「Inventing the Next Industrial Era with Japan」より、
“日本と創造する未来の産業 “と題したパネルディスカッションの模様をお届けします


製造業に押し寄せる、大変革の波
パネリストとして登壇したのは、IHI代表取締役社長 斎藤保氏、コマツ社長(兼)CEO 大橋徹二氏、富士フイルムホールディングス代表取締役会長・CEO 古森重隆氏の三氏とGE会長兼CEO ジェフ・イメルト。一橋大学の米倉誠一郎教授の進行のもと、さまざまな角度から意見が交わされ 「これからの製造業の指針」ともいうべき下の企業姿勢が、パネリストの支持を集めました。

【これからの製造業の指針:パネルディスカッションから】
1. 自らを破壊するほどの覚悟で変革しなくては、生き残ることはできない。
2. ビッグデータは、顧客自身さえ気づいていないニーズを掘り起こし、顧客のビジネスを革新することができる。
3. 顧客起点で考え、ビジネスプロセスを遡って変革することが必要。すべては顧客の利益のためである。
4. 時間をかけて100%を目指すよりも、いち早く上市し修正を重ねる方が、結果的に顧客の利益にかなう。
5. 自前主義に陥らずオープン・イノベーションで社外の力を活用し、スピードを追求することが必要。


指針-1:自らを破壊するほどの覚悟で変革しなくては、生き残ることはできない。
 パネリスト全員が頷いた、今まさに製造業の大変革が巻き起こっている事実。しかし、企業の変革は簡単なことではありません。ましてそれが、成功体験を誇るコア事業であればなおのこと。売上の7割を占めていた銀塩フイルム市場がわずか4、5年のうちに消滅してしまう、という荒波を乗り越えた経験を持つ富士フイルムは、そのとき経営資源を徹底して棚卸し、その実力を客観的に見極め、既存市場/隣接市場における可能性を一から検証したといいます。「銀を使うケミカルプロセスと製薬のプロセスは、化学によって機能を再現するという点で、近いところにありました。化粧品もそうです。こうして医薬品と化粧品という新しい事業領域に取り組むことを決めました」(富士フイルム 古森氏)。

 「成功した要因は、市場選択が正しかったこと。それに社員の力、そして技術・財務力・チャレンジする精神など、会社にアセットがあったことです」(同氏)。



 自分たちの強みを冷静にとらえ、大胆に決断する。金融事業からインダストリアル事業へと事業ポートフォリオの大幅な転換を決意したGEとも共通します。「じつは金融危機の前から“製造業の時代が来る“と考えていました。製造業の中心にはテクノロジーがあります。グローバル化や顧客との関係とも切り離せません。GEはそれらをすべて備えているにも関わらず、金融分野ではこうした強みを生かし切れていないと感じていたのです」(GE イメルト)。


指針-2:ビッグデータは、顧客自身さえ気づいていないニーズを掘り起こし、顧客のビジネスを革新することができる。
 データによってビジネスを革新した企業といえば、多くの人が日本ではコマツの名前をあげるでしょう。モデレーターの米倉教授の 「“いまのブルドーザーは3Dプリンター。自動で土地を造成し、道路を作る。”そう言った人がいます。コマツはまさにそのように、ソフトとハードを結びつけてきましたね」との問いかけに対しコマツの大橋社長は次のように語りました。 「建設機械・鉱山機械の分野では、こういうものがお客様に受け入れられるだろうという仮説に基づいて商品開発をします。しかし、それが本当に機能しているかどうかは、なかなか判りません。建設機械の情報を遠隔で確認するためのシステム“KOMTRAX”を開発し、実際の機械の使われ方を“見える化”することで、自分たちの仮説を検証できるようになりました。その後導入した“スマートコンストラクション”では、さらに踏み込んで、お客さま自身さえ気づいていない、本当のバリューも“見える化”することができたんです」。



指針-3:顧客起点で考え、ビジネスプロセスを遡って変革することが必要。すべては顧客の利益のためである。
 「データを活用する目的は、顧客企業の生産性向上に貢献すること」GE のイメルトはこう言います。「テクノロジーはそれを達成するための手段であり、最終的な目的はお客さまの成果を高めることにあります」(同)。顧客起点で考えて製造開発など初期プロセスから正しく修正していく、そういう姿勢が、これからのメーカーのあり方だと言えそうです。「設計図面の不備に起因する工事のやり直しが、工事費を3割押し上げているという現実があります。ドローンを飛ばして精密測量をすれば、元の設計図が間違っていることがわかる。バックワードで考えなくてはだめなんです」(大橋氏)。

指針-4:時間をかけて100%を目指すよりも、いち早く上市し修正を重ねる方が、結果的に顧客の利益にかなう。
 「シーズもニーズも多様化しているし、変化も激しい。こうだと決めつけて商品化すると往々にして間違います。製品が市場に導入される頃には、もうニーズとずれている」(富士フイルム 古森氏)。こういった状況は、製造業に携わる多くの人々の実感でしょう。

 GEではFastWorksという考え方を導入、“シリコンバレーのスタートアップ企業流”のやり方を重工業のGEに当てはめようとしています。これは、まずMVPs: Minimum Viable Products(実現可能な最小限の製品)をつくり、顧客の声を反映しながら修正を行うことで、開発スピードを高め、より顧客のニーズに合った製品づくりを行おうというもの。「大事なことは、可能な限り素早く上市し、失敗するならなるべく早く失敗し、機敏に方向転換することです」(GE イメルト)。

指針-5:自前主義に陥らずオープン・イノベーションで社外の力を活用し、スピードを追求することが必要
 インダストリアル・インターネットの時代には、すべての製造業は、ソフトウェアとアナリティクス(分析)の機能を備える必要があります。商品ライフサイクルの短期化と顧客ニーズの多様化にも対応しなくてはなりません。これらをすべて自分たちのリソースだけで行うのは、ますます困難になっていきます。そこで、外部の力を活かしたオープン・イノベーションに取り組む企業が増えてきました。
 「オープン・イノベーションは、自分たちを変えていくツールだと考えています」というのはIHIの斎藤社長。IHIは昨年10月に「IHIつなぐラボ」を横浜に開設。「IHIとパートナー、顧客が共創する場をつくりました。『Realize your dreams』をキャッチフレーズに、顧客自身も気がついていないものを実現しようと取り組んでいます」(同氏)。
 「誰かと一緒にやらないと、自分たちだけではスピードに追いついていけません。技術がもれるという心配はあっても、オープン・イノベーションに取り組むべきです」(コマツ 大橋氏)。


製造業の未来を、日本と創造する
イメルトは、製造業の大転換期を迎えている今こそ、世界における日本の重要度は増しており 共に未来を切り開くパートナーだと考えています。「GEにとっても世界にとっても、日本は大切な国。優れた人材、企業がある。才能あふれる人、技術の素晴らしさ、これらを持つ日本は、インダストリアル・インターネットの時代においても、素晴らしい仕事ができるでしょう」としたうえで「我々企業は、企業文化もビジネスも、刷新していかなければなりません」と語り、リーン生産方式(引用者注:」トヨタ生産方式を研究して体系化した方式の事)やQCなどを生んだ日本にはそれが十分可能だ、とパネルディスカッションを締めくくりました。

>>イメルトによる基調講演のレポートはこちら
GE CEOジェフ・イメルト来日講演 「日本には新時代のリーダーとなる技術的な素養がある」
Jul 17, 2015
http://gereports.jp/post/124314635269/jeff-immelt

この講演の動画はコレ


<引用此処まで>


これを読んだときの第一印象。それは「日本と我々が目指すものは同じだ、一緒にやろう」、こんな事をGEが言っている事の驚きである。
そうか、遂にあのGEがこんな事を言っているのか・・・

そしてこの話は今年4月30日、アメリカ上下両院にて安倍首相が演説をした。締めくくりの言葉は「希望の同盟、一緒でならきっとできます」でした。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1103.html

其れと同じことをアメリカ産業界の雄、GEが日本に対して言ってきているのです。一緒にやろうと。
これこそ安倍外交の成果ではないか、そう思った次第。   ・・・嬉しい話ですね。

アメリカの巨大企業が金融部門を切り捨て、製造業に回帰してきた。そして日本と一緒にやろうと言っている。
こんな事はあのミンス政権時代には夢のまた夢だった・・・
感無量である。
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2015-10-24 21:22

米GE、ものづくりに回帰 金融は撤退、新技術に活路

 BBCのテレビを見ていると何となく気になるコマーシャルがある。
GE(ゼネラル・エレクトリック)のコマーシャルだ。
ファンジェットエンジンのファンの形をした風車を持って遊ぶ女の子と大人になってその風車を持っている働く女性の物語・・。
何となく清々しいものがあるので、家でそんな話をしていたら長男が「GEは金融部門を売却し、モノづくり回帰」、そんな報道があるよと言う。


これはそんな報道の一つ。アカヒ新聞のモノだが・・、まっ、いいか。

<以下引用>

朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASH7C10GLH7BUHBI048.html
米GE、ものづくりに回帰 金融は撤退、新技術に活路
グリーンビル〈米サウスカロライナ州〉=畑中徹2015年7月19日15時09分

2015-10-24GE1

2015-10-24GE2


 米ゼネラル・エレクトリック(GE)が経営戦略を大転換している。もうけは大きいが振れも大きい金融事業からは事実上撤退し、原点の「ものづくり」への回帰を加速する。注力し始めたのは、もともと得意な製造業に、新たなデジタル技術を融合したビジネスだ。

 「すばらしい経営判断だ」。GEに対し、最近は辛口が目立ったウォール街のアナリストたちがそろって称賛した。

 GEは今春、大胆な「脱金融」のプランを示した。世界中に保有する総額2千億ドル(約25兆円)の金融関連資産を、今後2年間で一気に売却。2014年に全体の営業利益で金融事業の比率は4割以上だったが、18年までに1割以下に減らすと数値目標も公表した。

 かわりに航空機エンジンやタービンに注力し、製造業回帰を鮮明にした。ジェフ・イメルト最高経営責任者(CEO)は「競争優位性がある領域に力を集結する。もっとシンプルな製造業をめざす」と語る。

 金融事業は03年に全社の営業利益の56%に達した。好景気の時期はよかったが、08年のリーマン・ショック後に状況は一変。一時は資金繰りにも困り、09年に70年ぶりの減配に追い込まれ、最上級の格付けも失い、足かせになってきた。

 「脱金融」の背景には、世界的な金融規制の強化もある。金融子会社GEキャピタルは、資産規模でみると米国7位の巨大金融機関だ。金融危機の再発を防ぎたい金融監督当局からは13年に「金融システムを安定させる上で重要な金融機関(SIFI)」に認定され、国際基準よりも高い自己資本比率の確保が求められることが予想された。規制に対応するコストもかさみ、株主の不満も増えた。

 金融事業の売却を着実に進めれば当局のSIFI認定が外れ、「経営資源を本業につぎ込める」(イメルトCEO)とみている。

 日本では年内にも金融事業を売りそうだ。法人向けリース事業などが対象とされ、国内の大手銀行グループやリース大手が関心を寄せている。売却規模は約6千億円ともされる。

・・・以下略、全文は上掲リンク先参照ください・・・

<引用終り>


アメリカはGMがサブプライムローンで儲けたのだが、そのため本業のクルマ造りが駄目になった。そしてリーマンショックで倒産、政府の支援でヤット救済された。ついこの間の事だ。

しかしGEは逆に金融から手を引くと言う。大変良い事だと思う。

情報化時代に入ってモノ造りも進歩のペースが極めて早くなった。片手間のモノづくりでは競争に打ち勝てないのだろう。

しかしこうなった時のアメリカ企業は強い。強力なライバルが出てきたものである。
  1. 産業技術
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2014-03-15 16:19

最近の鉄鋼事情

 ポスコ・インドネシアの高炉事故の続報を書こうとしたのだが、その背景の鉄鋼事情を調べてみてビックリ。
私の認識は時代遅れだったのだ。(涙)
そこで世界の鉄鋼事情についてちょっと書いてみたい。多分日本では殆ど報道されない話なのでびっくりされる方も多いのではないか。

最初にこれが世界の粗鋼生産量の推移

2014-3-15世界の粗鋼生産推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5500.html

このグラフ、実にいろいろ面白い所が有る。
まず最初に目に付くところ。何と中国だけが超うなぎのぼり。
まともには枠からはみ出すので2004年分からはスケールが変えてあります。
中国の粗鋼生産が年間1億トンを超えたのが1996年頃。それが今では年間8億㌧です。
僅か17年で生産量が8倍! 小さなモノではない、鉄である。それがこんな風。
それがどんなにすごい事か、日本の粗鋼生産量を見てください、1億㌧強です。新日鉄住金・JFEなど日本の巨大な製鉄会社、これと同じものが1年半くらいの間に1セットずつ出来ている
千葉県の君津に新日鉄住金の巨大な製鉄所が有ります。1年半たったら同じものがもう一つ出来る。また1年半たったらまた一つ出来るんです。信じられますか?

次に興味深いのが日本とアメリカの比較。
1970年頃まではアメリカが世界一、それを日本が追い越した。
しかしその頃もっとすごかったのがソ連。しかしソ連の世界一は15年ほど。
その後は正に奈落の底に沈んでしまった。ロシアになっても昔の栄光には程遠い。


そんな中で、では原材料の鉄鉱石の生産はと言うとこんなモノ

2014-3-15世界の鉄鉱石生産量推移
http://www.nocs.cc/study/ind/iron_ore.htm

このグラフが2010年までだが物凄い伸びであることが分かると思います。
棒グラフの中の数字はその年度の中での比率ですので横並び比較がしにくい。
それで下の数字を見てください。(赤のアンダーライン)
オーストラリアの場合2000年の1億6千8百万㌧が2010年には4億2千万㌧と2.5倍

だが驚くのはまだ早い。
これが鉄鉱石の価格推移、最近どうなっているかと言うと・・・

2014-3-15鉄鉱石価格推移

http://ecodb.net/pcp/imf_usd_piorecr.html

鉄鉱石の価格は2004年までは永年安定していた。しかし2005年から上昇を始め、ピークは2011年。
ピークの価格は2004年の価格の10倍、何と7年で10倍になったという事だ。

これが有るためにオーストラリアの景気は正に鉄鉱石景気。しかもほとんどが中国への輸出なので最近のオーストラリアの親中国ぶり、これなら納得できる。貴重な金づるなのだ。


所でこんな金が何処から出てきているのか。

こんな金の出所が最近問題になっている中国の大借金。シャドウバンキングなどと騒がれてるやつだ。
その元は地方の農地をタダ同然で買い上げ、そこに大アパート群などを作る。住民など入らなくても良い。
要するに作ればいいわけだ。
しかしとは言うもののそんな金が何処から湧いてくるか? アメリカである。
アメリカが金融緩和で無茶苦茶カネを刷っている。そのカネが回ってきているのだ。
鉄鉱石の価格暴騰の時期をよく見てほしい。
アメリカが金融緩和を始めたのは(QE1)2008年11月ですが、ヘリコプター・ベンと言われ、「ヘリコプターでカネをばら蒔けばいい」が持論のベン・バーナンキがFRBの親分になったのが2006年2月。
丁度鉄鉱石バブルの時期とピッタリではないか。
オーストラリアの鉄鉱石の黄金時代は終わったとの話が有るそうだが、なるほどと言う話しだと思う。
アメリカが金融緩和を止めようとしたら中国が大反対したそうだが、こんな裏事情が有ったのだと思う。

さてそんな粗鋼の大増産バブルの渦中にインドネシアのポスコ・インドネシアが立ち上がろうとしている。
そんな所の今分かっている事(実は殆ど何もわかっていない)を次回書いてみます。

しかし調べてみてこのバブル、恐ろしいなんてモノじゃないですね。クワバラ、クワバラ。
  1. 産業技術
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  3. CM(12)