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2017-09-16 15:11

急加速のEVシフトに潜む5つの課題

 電気自動車について色々書いてきたのだが、最近やっとまともな意見が出てきたので紹介したい。
最初にこれは電池などの破壊試験などを行い会社に勤務されている佐藤 登氏の論稿。さすがに電池の安全問題に明るい方と見えてそんな視点が素晴らしい。
ただ長文なので、最初に論点をまとめてみたい。


急加速のEVシフトに潜む5つの課題
佐藤 登     2017年9月14日(木)

5つの課題とは
①EVを購入する顧客層はどれだけいるか?
②中古車市場で見劣りするEV
③電池メーカー、部材メーカーの投資チャンスとリスク
④安全性・信頼性に関する徹底した取り組みの必要性
⑤中国市場でのビジネスのリスク
まとめ
 今後、世界市場に出現することになる数多くのEVであるが、消費者の需要が同時に比例して拡大するとは思えない。すなわち市場に出てくる各社のEV群が、まんべんなく売れるとは思えないのである。選ばれるEVのみが勝ち組となっていく一方で、選ばれないEV製品も出現するだろう。
・・・中略・・・
 そして中国のような価格重視の市場においては、そこに適合する部材や評価装置などを持ち合わせないと市場開拓にはつながらない。その理由は、価格の安い中国ローカル製品に対して、自動車業界や電池業界は特段の不満はなく適用したり使用したりしている実態があるからだ。
 従来の先進諸国を対象主体に開発してきた製品だけでは立ち行かなくなる状況に陥る。新興国をも攻略できる事業戦略が、日本企業に改めて問われているのではないだろうか。


以上が佐藤 登氏の意見だが、同氏はどちらかと言えばメーカー側、それも部品メーカー側の意見を述べているが、自動車電動化にはもっと重要な視点がある。
自動車電動化が実現していけば当然大量の電力が必要になる。この電力の発電・送電の仕組み全体で急激な需要増、供給不足が起こる。これが大問題
また日本のように車は必ず保管場所が確保されているのならば問題は少ないが、外国では路上駐車が当たり前の所が多い(欧州などは特にそうだ)。こんな所では自宅での充電が難しいので、これが結構大きなネックになると思う。

 この電気については「トータルで勘定が合ってもダメ、ピークが問題」という事だが、こんな事は会社などでデマンドで苦労している方しか知らないだろう。自動車の電動化はこんな所まで考えないといけない問題という事だ。

こんな事なのだが、佐藤 登氏の意見は材料・部品メーカーに偏った所もあるので、以下の話も併せてご覧いただくと分かりやすいかも。

2040年までに"全車を電動化"は絶対無理
アウトバーンの走行には課題がある


それでは、佐藤 登氏の論稿を紹介したい

<以下引用>

急加速のEVシフトに潜む5つの課題
日欧米韓中の鍔迫り合いとビジネスリスク
佐藤 登     2017年9月14日(木)

 9月6日、日産自動車は7年ぶりに全面改良した電気自動車(EV)「リーフ」を発表した。実際の国内販売は10月2日からとのこと。新規開発したリチウムイオン電池(LIB)は、従来の30kWhから40kWhに容量アップしたことで航続距離はJC08燃費モード表示で400kmに達したと言う。急速充電するとLIB容量の80%まで充電が可能。LIBの保証は8年または16万kmとしている。

 一方、EVブームをつくったとも言える立役者のひとつ、米テスラも従来の高級EV「モデルS」に加え、価格を3万5千ドルに抑えた普及型「モデル3」の販売を7月末に開始した。富裕層のみだけではなく、一般顧客を取り込む戦略に出たことで受注は50万台に達したと言われている。

 また、米国ゼロエミッション自動車(ZEV)規制、中国新エネルギー自動車(NEV)規制を受けて、日米欧韓中の自動車各社がEVシフトを鮮明に打ち出している。中でも、2015年にディーゼル自動車の燃費不正事件を起こした独フォルクスワーゲン(VW)は、グループ全体で25年までに30種以上のEVとプラグインハイブリッド車(PHV)を発売することを既に明言した。世界販売の20~25%に相当する200万~300万台規模と言うから、極めて大規模かつチャレンジングな目標である。これはVWのみにとどまらず、独ダイムラーや独BMWも同様な目標を掲げている。

 そのような折、9月12日の日本経済新聞夕刊に、VWが2030年までにEVに200億ユーロ(約2兆6千億円)を投資するとの記事が掲載された。同時に、25年までに30車種としていた上記の計画を、EVで50車種以上、PHVが30車種以上の計80車種以上に上方修正した。車載用電池に対しては2兆6千億円とは別に、約6兆5千億円分を調達するとも報道されている。

 9月12日に開幕した「フランクフルト国際自動車ショー」での主役は電動車、中でもEVのオンパレードと各メディアが報じている。EVに対して腰の重かったホンダも、量産型EV「アーバンEVコンセプト」を世界初公開し、このモデルをベースにしたEVを19年に欧州で発売すると言う。

 米国ZEV規制はカリフォルニア州に端を発しているものだが、他にマサチューセッツ州、ニューヨーク州、コネチカット州、メイン州、ニュージャージー州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州、メリーランド州が追随している。18年から強化されるZEV規制は、トヨタとホンダが主導してきたハイブリッド車(HV)が対象から外れることで、EVやPHVの開発に拍車がかかる。

 同様に、中国NEV規制もZEV規制の基本的な考えを踏襲し、EVやPHVを主体に規制をかける内容である。中国政策はHVを除外した理由を公言している。それは、「内燃機関エンジンでは、いかに立ち向かっても日本には勝てない。EVならばエンジンは不要、部品点数も少なく、参入障壁が低い」という消去法的選択でEVを重点化している。PHVはエンジンを搭載するのでHVと同様に難度が高いが、EV走行ができることでNEV規制枠に取り込んでいる。しかし、中国ローカル自動車メーカーでPHVを販売しているのはBYDのみで、他はすべてEVに集中している。

 これも9月12日の日経新聞の一面に紹介されたが、英仏が宣言した2040年までのガソリン車・ディーゼル車の販売禁止政策に追随し、中国もガソリン車・ディーゼル車の製造・販売禁止に関する導入時期の検討に入ったとのこと。

 このように、グローバルにEV化が急速に進んでいる。こんな中、業界が抱える課題も徐々に明らかになってきたる。以下、5つの観点からまとめる。

①EVを購入する顧客層はどれだけいるか?

 上記のように自動車各社が2025年まで拡大させようとしているEVであるが、NEV規制はともかく、ZEV規制では販売された台数で初めて自動車各社の実績としてカウントされることになる。このためEVを生産しても販売までに至らなければ意味をなさない。それを決定するのは自動車各社ではなく、消費者側である。

 1998年、ZEV規制(日米各ビッグ3が対象で、98年に販売台数の2%をEV化することを求めた)をクリアするために、97年にはトヨタもホンダも400台規模のEVをカリフォルニア州に供給した。しかし、市場の反応は冷めていた。当時の両社が搭載したニッケル水素電池容量は27kWhで、モード走行は215km、充電時間は約8時間。リース販売としたのだが、航続距離の短さ、家庭への充電器の導入と長い充電時間、電池価格と車両価格の高さ(当時は搭載電池が1台分約500万円、車両価格はまともに販売すると約2500万円、そのためリース対応を実施)などがネックとなり、EVはその後、カリフォルニア市場から姿を消した。

 それから20年経過した現在、モード走行が400kmにも及ぶEVが出現している。しかし、夏冬場のエアコンの使用前提で市街地走行した場合には、モード燃費よりは明らかに低下するため、実際での走行はおおよそ300km前後となろう。とすれば、EVの中では高性能商品に入るであろうが、従来のガソリン車やHVに比べれば、まだまだハンディを背負った自動車である。

 急速充電のインフラは徐々に整備されつつあるとしても、充電器の導入と充電時間は20年前と同様な状況だ。LIB(引用者注:リチウム・イオン・バッテリー)価格や他のコンポーネントのコスト低減が進み、車両価格という視点では相当な進化が実現された。車両価格は300万~400万円程度、電池も20年前の約20万円/kWhから2万円/kWh程度まで、すなわち10分の1までのコスト低減が実現されている。今後も、LIBのコストは更に1.5万円/kWhを標榜しつつ、30%程度のコストダウンが期待されている。

 このように20年間の進化は大きいとしても、ガソリン車やHVに比べてはまだ劣勢のEVであることに変わりはない。全世界の自動車各社が、そして新興の中国新規参入組も入って商品を市場に供給することになるが、そこに消費者がどれだけの価値を見出し、そして購買意欲を示すかが大きな関心事項となる。

 言い換えれば、世界のEV消費者層のパイは暫くの間は限られていると考えるべきであろう。世界各国の自動車各社がEVを市場に供給する今後を考えれば、選ばれるEVはどのようなものか?そしてどのEVが消費者から支持されるのか? EVシフトの裏にはこのような過激な競争が待ち構える。それはテスラも例外ではなく、今後は同社の真価が問われることにもなるだろう。

②中古車市場で見劣りするEV

 ガソリン燃料より安く走行できるEVの電気代ランニングコストは、消費者にとっては魅力の1つである。しかし一方では、同一年式、同一車両価格帯のガソリン車やHVに比べれば、中古車市場でのEVは大きな下落を強いられているという面も見過ごせない。年数が経過したEVの価値が低ければ、それだけ新製品に寄せる想いは高まらない。

 ガソリン車やHVの中でも中古車市場価格が高めに維持される商品は、新車市場でも人気車に位置付けられている。筆者自身も、自動車購入に当たっての1つの条件としており、中古車市場での価格は重要な指標と位置付けている。同様な考えをもつ消費者は少なくないはずだ。

 実際に購入して使用した消費者の意見は最も大きな影響を及ぼす1つであろうが、電池の劣化と共に進む航続距離の低下に対する消費者の不満は、これまでの最多のものではなかっただろうか。それだけに、電池劣化を制御する素材や電池マネジメントは今後も大きな課題である。

 ともかく自動車各社は新車EVの新規開発と同様に、いかに中古車市場でも力を持つ魅力あるEVの製品開発を考えるべき段階に突入したのではないだろうか。今後、各社のブランドでEVが市場に出回ることで、中古車市場で相対的に優位な価格を提示できるEVこそが選ばれるEVと言う指標になるはずだ。

③電池メーカー、部材メーカーの投資チャンスとリスク

 ここは上記①と関連する部分であり、選ばれるEVと連結される電池メーカー、そしてそこにつながる部材メーカーにとってビジネスチャンスになるだろう。一方、選ばれないEVにつながる電池メーカーや部材メーカーにとっては、ビジネスリスクと化すことも考慮すべきであろう。

 2009年に発売された三菱自動車のEV「i-MiEV」、そして10年に市販された日産の「リーフ」が市場供給される前段階で、そこに連結する電池メーカーや部材メーカーは大きな投資に打って出た。

 と言うのも、自動車各社のEV販売目標が高かったことで、それをそのまま受けて投資に踏み切ったからだ。例えば、11年に日産自動車が掲げた16年度までの目標は、仏ルノーとの累計販売で150万台と設定された。ところが実際の累計販売は目標の30%程度の42万台にとどまった。目標比で30%という実績は目標自体の設定根拠に誤りがあったか、あるいは非常に過度な期待があったからに他ならない。このような高すぎる目標に対峙するために、電池メーカーや部材メーカーも大きな投資を決断した。しかし、市場と言う蓋を開けてみたら、EVの存在感は非常に小さく、結果として過剰投資をしてしまった過去の事例は記憶に新しい。

 現在、自動車各社は電池メーカーへの投資促進、電池各社は部材メーカーへの投資促進を働きかけている。電池メーカーでは韓国のサムスンSDIとLG化学が中国の西安市と南京市に、いち早く車載用LIB生産工場を建設したものの、中国政府のホワイトリスト(バッテリー模範基準)に登録されないまま当てが外れ、中国でのビジネスに苦慮している。

 その両社は、新たに欧州に拠点を構えることで、欧州自動車メーカーを中心にした顧客開拓を進める。LG化学はポーランドにLIB工場を建設し、今後も増産体制を構築すべく拡大する。サムスンSDIはハンガリーに約400億円規模の投資でLIB工場を建設し、顧客開拓を進める。

 また、韓国で3番目の地位を築こうとするSKイノベーションも潤沢な資金を背景に欧州拠点を構えようとしている。同社のLIB生産キャパは1.1GWhであったが、18年下半期には3.9GWhまで拡大する計画と言う。韓国の瑞山工場を中心にグローバル拠点の設立を着々と進めようとしている。さらには、中国のCATLも同様に欧州拠点の構築に積極的である。

 LIB事業も、現時点では日韓中の競争のまっただ中にあり、投資競争と顧客開拓で熾烈な展開が繰り広げられている。電池各社、部材各社も広い視野と高い視点から自社の事業戦略を描かないと、大きな過ちを犯すリスクにもつながる。

④安全性・信頼性に関する徹底した取り組みの必要性


二次電池のリコール・事故の歴史
2017-9-15二次電池の事故の記録
 さて、EVやPHVに関する安全性についてはまだ解決されていないのが実態である。すべての製品に共通した問題ではないが、EVではいまだに火災事故が発生している。

 三菱自動車の「i-MiEV」と日産自動車の「リーフ」は、火災事故に関しては1件も報道されていない。リーフは市販から7年になり、累積販売は30万台になろうとしている。走行距離では35億kmを超えたとされる。安全性に関しては誇れる根拠であろう。

 一方、テスラの「モデルS」は2013年に米国市場で立て続けに5台の火災事故が起こり、大きく報道された。16年には、フランスでの試乗会での火災事故、他にもノルウェーや中国等でも少なからずの火災事故を起こしていると聞く。

 中国もLIBを搭載したタクシーや乗用車、EVバスで、2010年以降から火災が多発し、現在も大きな課題となっている。それが背景にあり、安全性・信頼性に高いエコカーを実現するためのエコカーライセンスの発行、およびLIBの安全性を担保するためのホワイトリストの政策実施により、危険なLIBを排除しようとする中国政府筋の計らいが見られる。

 車載用電池ではドイツが主導してきた国連規則、ECE R-100.02 Part2が2016年7月に発効した。電池パックまでに及ぶ9項目の評価試験が課せられる認証制度が導入された。試験項目には電池パックの圧壊試験、外部短絡試験、耐火試験などの相当危険な試験法が導入されている。


2015年9月に開設した「バッテリー安全認証センター」内の電池圧壊試験室と装置。左は開設直後の未使用状態、右は多くの試験を実施してきた現在の様子(最大荷重:1000kN、最大速度:1.5mm/s、テストエリア:W2000×H600×D2000mm)
2017-9-15電池破壊試験機
 筆者が在籍するエスペックでは、2013年に宇都宮事業所に「バッテリー受託試験センター」を開設した。そして国連規則導入計画を勘案し、いち早く15年9月には同事業所に「バッテリー安全認証センター」も開設した。 

 上の左の写真は認証センター内の電池圧壊試験室とその装置であるが、開設を祝う開所式の時の写真であり、未使用状態を示したものである。以降、ちょうど2年が経過したが、国内外から多くの電池が持ち込まれる中、試験室内は試験に供されたLIBの爆発や火災等で発生した煤により、常時清掃しているものの、現在は右写真のように相当黒ずんでいる。

 もっとも、そういう過激な結果事象を想定した堅牢な建屋と試験装置設計を具現化した当センターは、国内外からも非常に注目され高い評価を受けており、国内はもとより海外からの委託試験ニーズも日に日に高まっている。

 認証試験を義務教育と例えれば、自動車メーカー個社単位で構築している独自試験項目や限界試験項目は高等教育に値する。筆者がサムスンSDIに在籍していた際には、日米欧韓の自動車各社を訪問し、安全性・信頼性に対する考え方、評価試験法、そして判定基準について多くの議論を交わしてきた。高等教育領域での内容、すなわち各社の独自試験や限界試験、そして判定基準は、他国に比べて日本勢が圧倒的に厳しい評価試験と判定基準を構築している。だからこそ、HV、PHV、EV、そして燃料電池車(FCV)のいずれにおいても火災事故を起こしていないと言う実績につながっているのであろう。

 ここに紹介した後方支援としてのエスペックの役割は、第三者的な客観性をもって安全性確保の担保につなげることはもちろんのこと、認証試験以外でも各社の高度な独自試験に柔軟に対応してLIBに対する不安感を一掃していくこと、自動車業界と電池業界の発展に寄与することにほかならない。

 まだ完全に担保されていない海外勢のLIBについても、エスペックはオープンスタンスでのビジネスを提供している。高度な対応が可能な当社のセンターを国内外関連企業が最大限活用いただくことで、EV等のエコカーの火災事故を市場からなくしていくことを可能にする重要な機能となっている。

 拡大するEVシフトの中で火災事故が多発していくような状況が生じれば、全世界でのEV事業にブレーキがかかり急降下する。その結果、各業界への甚大な影響を招くことになる。それだけに、現時点から着実な評価試験を通じた安全性確保のための開発が重要な意味をもつことになり、後方支援の担う役割は一層拡大する。

⑤中国市場でのビジネスのリスク

 中国政策が国策優先として進めているNEV規制におけるエコカーライセンス制度では、ようやく外資系合弁企業のVW-JACがライセンスを取得するに至った。独中のトップ外交が功を奏した結果と受け止めるが、トヨタ、ホンダ、日産、および韓・現代自動車はライセンス未取得のままである。

 現代自動車に至っては、エコカーどころか既存事業にも大きな影響が出ている。中国市場での自動車販売では、2017年1月から8月までの前年同期比で45%減になったとのこと。また、合弁を組んでいる北京自動車との関係も悪化の一途をたどり、一説では合弁解消のような状況も今後あり得るとのこと。エコカーライセンス取得には程遠く、中国市場でのビジネスチャンスは遠のくばかりのようである。勘案すれば、終末高高度防衛ミサイル(THAAD:Terminal High Altitude Area Defense Missile)を設置した韓国に対する産業分野での報復と見る向きが大きい。

 日本勢の自動車各社も、エコカーライセンスは未取得であるが、ここは時間の問題と映る。日系大手自動車各社は個々のロビー活動を推し進め、一方では来年からのNEV規制に適合するEVやPHVを中国市場に供給する戦略に打って出た。逆に、中国市場が日本勢を排除するようなことになるなら、中国のエコカー技術開発にブレーキがかかることになり、中国の産業界にとっては大きなマイナスになるだろう。

まとめ

 今後、世界市場に出現することになる数多くのEVであるが、消費者の需要が同時に比例して拡大するとは思えない。すなわち市場に出てくる各社のEV群が、まんべんなく売れるとは思えないのである。選ばれるEVのみが勝ち組となっていく一方で、選ばれないEV製品も出現するだろう。

 そのためにも自動車各社、電池各社、および部材各社の世界戦略は、今後の各社の命運を決める。一方で、どちらに主流が動こうとも、後方支援のような普遍的ビジネスにはかなりの追い風である。

 しかし部材業界も試験機器業界も、中国のような価格重視の市場においては、そこに適合する部材や評価装置などを持ち合わせないと市場開拓にはつながらない。その理由は、価格の安い中国ローカル製品に対して、自動車業界や電池業界は特段の不満はなく適用したり使用したりしている実態があるからだ。

 従来の先進諸国を対象主体に開発してきた製品だけでは立ち行かなくなる状況に陥る。新興国をも攻略できる事業戦略が、日本企業に改めて問われているのではないだろうか。

<引用終り>

  1. 自動車
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2017-09-15 17:48

スズキのマニュアルミッションを自動化したAGS

  今週火曜日(9月12日)に私の叔父が天寿を全うし、黄泉の国へ旅立っていった。
その時全く関係ないが最近のクルマについて意外に思ったことが有ったので、その顛末を書いてみたい。

 叔父は95歳、あと2ヶ月で96歳と高齢で介護施設に入所していた。12日(火)夜9時頃、其の介護施設から電話があった。「〇〇さんの呼吸が止まっています。〇〇さん(叔父の長男、つまり私のいとこ)と連絡が取れないので、こちらに連絡しました。すぐ来てください」、こんな電話だった。叔父の長男は一人暮らしなので、万一の時の連絡先に私も登録してあったので、こんな連絡が入ったわけ。
そんな時間なので一杯飲んでいるため仕方なくタクシーで介護施設まで。さほど遠くはないがタクシー代が3千円ほどの距離。

叔父の長男・三男と合流し、介護施設で医師の診察確認、遺体搬送車の手配等などを済ませ、遺体を送り出したのが午後11時頃。そして帰ろうとしてタクシーを呼んだのだが・・・、タクシーも車が出払っていて来てくれない。(夜11時です。仕方ないですね)
そんな事で叔父の三男に遠回りして送ってもらったのだが、そんな時ふと思ったことがあった。

三男はこんな車に乗っている。
スズキ・エブリィ・ワゴン
2017-9-15スズキエブリィワゴン 

深夜だし、短時間乗せてもらっただけなのでどんな車かも気にしなかったのだが・・・。
走り出して最初の印象。
「あれっ、マニュアルミッションなのに結構運転上手いなあ」、エンジン音を聞いてそう思ったのだが、よく見るとオートマ車であった。マニュアルミッションのクラッチ操作とギヤチェンジを自動化した「AGS(オート・ギヤ・シフト)と言うクルマだった。
そうこうしている内に家についてしまったので、この時はそれ以上何も聞かなかったのだが、家に帰ってつくづく思う事が有る。

最近のヨーロッパのクルマには「素晴らしい技術」と喧伝されるものの大きな欠点を内包しているものが有る。VWで大騒ぎになった似非クリーン・ディーゼルがその代表だが、トランスミッションにもそんな技術がある。デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT、vwではDSG)である。
簡単に言えば、普通のマニュアルミッションにクラッチを二つ付け、常時二組のギアがかみ合っている構造にしてオートマにしたミッション。ギヤシフトが早く高速走行には向いているが、発進がスムーズでなく、半クラッチ状態が長いので故障が多い。そしてクラッチが二組あるのでその分重量が重くなる。
そんな技術である。この技術も欧州では普及しているが、日本やアメリカではほとんど普及していない。似非クリーン・ディーゼルと並んで、自動車技術が欧州と日米で大きく乖離した事例だ。


そんな技術の趨勢を見ていてこんな事を考えた。
スズキのAGSも色々難点もあるようだが、世界一厳しい日本のユーザーの意見をしっかり取り入れて発展させてほしい。多少ショックなどはあるかも知れないが、安価で故障が少なければ、ローコストミッションとして結構使えるのではないだろうかと。

叔父の通夜・葬儀でドタバタしながら、ふとこんな事を考えてみました。
  1. 自動車
  2. TB(0)
  3. CM(6)

2017-09-13 15:43

EVマンセー報道への疑問

 最近自動車のトレンドとして電気自動車(EV)を取り上げることが多い。しかも大抵は電気自動車はすんばらしい~、こんな報道である。しかもお決まりは「日本は遅れている、ヨーロッパや中国を見習え」と結んでいる。しかしこれは日本の駄マスゴミ(騙すゴミ)特有のマヤカシ報道だ。
そんな事を裏の桜さんのブログにコメントとして書いた。
http://sakuraura.blog.fc2.com/blog-entry-4366.html
http://sakuraura.blog.fc2.com/blog-entry-4369.html

詳細は上掲ブログを見ていただきたいが、ここで今電気自動車の中古車価格が暴落していることをWSJが取り上げていると書いた。それでその記事を紹介したいと思います。
尚この記事は少々古く2年前のものですが、参考になります。

<以下WSJより引用>

米で電気自動車の中古価格が暴落-日産リーフなど
By Christina Rogers
2015 年 2 月 27 日 19:32 JST 更新

 米ジョージア州アトランタの自動車販売業者パット・ホーバン氏の店舗では過去3年間、日産の電気自動車(EV)「リーフ」が人気商品だった。月額のリース料金が安いことが寄与した。しかし、ガソリン価格が安くなる中で、リース契約が満了を迎えるリーフは悩みの種になりつつある。

 ホーバン氏はリース契約の満了に伴い、向こう2年間にわたり月に100―150台のリーフが自身の経営する「キャピトル・シティ・ニッサン」に返却されると見込んでいる。だが中古のリーフへの需要はあまりない。

 ガソリン価格が1年前から33%下がり、購入者のEV熱が冷めるなか、一部の自動車メーカーはEVやプラグインハイブリッド車(PHV)について、大幅な値引きをしたり、魅力的なリース条件を提示したりしている。

 日産は2013年にリーフの新車価格を6400ドル(約76万円)引き下げたが、今では、新車のリーフを月額199ドルでリースすることも可能なほか、3500ドルのキャッシュバックに加え72カ月間のローン金利免除といった販売奨励策を講じている。

 購入者はまた、リーフの新車1台の購入につき、連邦政府から7500ドルの価格控除を受けられる。このため、中古車を求める理由がほとんどないほか、高価なバッテリーを交換しなければならないかもしれないことを懸念する向きもある。ホーバン氏は「中古のリーフはあまり売れていない」と述べ、「消費者は新車をより安くリースできるだけに、中古を買おうという気に全くならない」と話し た。

2012年型の電気自動車の価格推移
2017-9-13電気自動車の中古車価格暴落 
 この結果、リーフやゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー・ボルト」などプラグインEVの中古車価格は低下している。これは代替燃料車の販売を増やそうとしている自動車メーカーにとって新たな障害になっている。

 全米自動車販売業協会(NADA)の「中古車ガイド」によると、他のEV(フォード・モーターの「フォーカス」やトヨタの「プリウス」といったPHVを含む)の中古車価格もリーフと同じようなペースで下がっており、14年の平均下取り価格は車種によって22〜35%下がった。これによると、プラグインEVの下落率は比較可能なガソリン車のそれの2倍近くに達している。

 中古車ガイドによると、例えば昨年12月と今年1月の2012年型リーフの競売における平均販売価格は約1万ドルと、当初の定価の約4分の1で、前年からは4700ドル下がった。1月の3年前の型のボルトの競売における平均販売価格は1万3000ドルと、連邦政府の税控除分を差し引いた4万ドルから下がっている。

 インターネット中古車購入サイトCarlypsoの共同創設者のクリス・コールマン氏は、「これらの車の転売価格は崩壊している」と述べ、「中古車の価値を考えると、絶対にお得だ」と話した。

 このトレンドはハンス・サベリオさんのような人にとっては朗報だ。サベリオさんは最近、2台目の車を探しに行った。1台目としてジャガー・ランドローバーのSUV(多目的スポーツ車)「レンジローバー」を所有するサベリオさんは、1万5000ドルという価格が付いた走行距離1万1000マイルの2013年型リーフを見つけた。価格は新車時の定価の半額にも満たない。

 サベリオさんは「かなりの車を見て回ったが、リーフが飛び抜けて安かった。2万1000ドルから2万2000ドルはすると思っていた」と話した。
<引用終り>

新車を買ったら、わずか三年で中古車価格が三分の一!、これではユーザーから見放されるのは間違いない。
勿論これはアメリカだけの問題ではなく、日本でも同様だ。そして中古車市場には売れないリーフが在庫として積みあがっているそうだが、なぜか駄マスゴミ(騙すゴミ)は触れるのを避けているようだ。

これは一般ユーザーのブログ記事
http://www.sekkachi.com/entry/nissan_LEAF_demerit

そしてこれは評論家国沢光宏の記事
電池寿命に不安。電気自動車の中古価格が暴落中!
(尚私はこの国沢光宏なる評論家、言っていることが軽薄で、どうにも信用しがたい人物とみているのだが、この記事はまともと思い紹介しました)


幸いニッサンリーフは今まで販売台数は多くない。だから未だ問題が大きくなっていないが、此れから販売台数が増え、廃車になる台数が増えるとき、廃棄バッテリーの処理問題が大きくなると思う。ニッサンのことだからよもや何も考えていないとは思えないが、これから大丈夫なんだろうか、気になるところです。

最後に一つこれだけは強調したいこと。日本はハイブリッドで欧州より20年先行しています。
欧州が「ハイブリッドなんか駄目だ、ディーゼルがクリーンですんばらしい」と言っていた頃、その環境問題を分かって、ハイブリッドをトヨタとホンダで推進してきました。
ハイブリッド(の内でも「ストロング・ハイブリッド」)はエンジンを止めればそのまま電気自動車になります。だから電気自動車の必要な要素は全てハイブリッドで研究している訳で、日本が欧州に後れを取っている訳ではありません。

もう一つ、今月日産はリーフのモデルチェンジを発表しました。この内容は私も良く分からないので論評しませんが、日産は売りっぱなしではなく、お客さんから最後廃車になるまで愛用されるよう、しっかり面倒を見て欲しいともいます。ゴーン流の金儲けにはつながりませんが、これがビジネスの王道だと思います。
江戸時代の近江商人は「三方よし」をモットーにしていまして、松下イズムになりました。
三方よしとは
買い手よし
売り手よし
世間よし  です。
この世間よしを忘れた事例がVWの排ガス不正問題でした。

もう一つ付け足し、ニッサンのことを大分批判的に書きましたが、ゴーンの功績は大変大きいと思っています。その最大のモノは「川又克二元社長、現日産労連の塩路一郎元会長」が作り上げた悪しき伝統を打ち破ったこと。これからゴーン流から脱却し、新しい未来を開いてほしいと思います。

  1. 自動車
  2. TB(0)
  3. CM(2)

2017-08-27 15:58

不祥事まみれのドイツ自動車業界、背を向ける政治家たち

 変わり身の早いメルケルおばさん、来月の選挙を前に自動車業界を攻撃し始めたと報じられている。しかしこの話には裏が有るようだ。
最初にWSJの報道から


<以下引用>
不祥事まみれのドイツ自動車業界、背を向ける政治家たち
By William Boston
2017 年 8 月 25 日 15:21 JST
http://jp.wsj.com/articles/SB11851690739907494688204583351650692780648

 【ベルリン】ドイツの政治家たちは長年にわたり、国内の自動車業界にすり寄ってきた。だがここにきて、不祥事まみれの自動車業界が国の誇りではなく恥だと多くの有権者から見なされようになったことを受け、政治家は同業界に背を向けている。

 アンゲラ・メルケル首相は今月、来月の連邦議会選挙での4期目の政権獲得に向けた選挙運動の初の演説で、2年に及ぶディーゼル車の排ガス不正問題を巡る国内自動車大手とその経営陣の対応を厳しく批判した。

 その前日、メルケル氏の対抗馬である社会民主党(SPD)のマルティン・シュルツ党首は、自分が勝利すれば、販売する新車のうち一定割合を電気自動車(EV)とすることを義務づける制度の導入を約束した。

 こうした自動車メーカーに対する批判は、長年、その恩恵に浴してきたドイツの政治家にとって、過去との決別と言える。ドイツの有名メーカーの製品は、卓越した技術力や優雅なデザイン、強い経済力を象徴するものだった。

 しかし、 フォルクスワーゲン (VW)が2015年にディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していたことを認め、排ガス不正問題が発覚すると、高い評価を得ていたドイツの自動車業界は政治家にとって重荷に転じた。

2017-8-27WSJ1

左のグラフは、ドイツの有権者を対象とした世論調査で「同国の自動車業界が信用できなくなった」と答えた人の割合。上から、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題発覚後の2015年10月、ドイツの自動車メーカーがディーゼルエンジンの排ガス処理装置などでカルテルを結んでいた疑いが浮上した17年7月、9月の連邦議会選挙の選挙戦が始まった17年8月。右のグラフは、キリスト教民主同盟党首のメルケル首相の支持率(黒)と社会民主党のシュルツ党首の支持率(赤)


 ドイツ公共放送連盟(ARD)が発表した最新の世論調査によると、ドイツの有権者の3分の2が、政府は自動車メーカーに甘すぎると感じていることが明らかになった。また、自動車業界が信用できなくなったと答えた人の割合は60%近くに上り、2年前から大幅に上昇した

 メルケル氏の支持率は1カ月で10ポイント低下したが、それでも8月時点で59%と、高水準を維持している。

 今月、欧州連合(EU)はディーゼルエンジンの排ガス処理装置などでカルテルを結んでいた疑いでドイツの自動車メーカーの予備調査を行っていることを認めた。

 排ガス不正問題に関する執拗(しつよう)なバッシング報道と、メルケル氏の支持率低下に関係があるかどうかは不明だが、同氏は危ない橋を渡ろうとはしない。

 メルケル氏は選挙戦の皮切りとなるドルトムントでの集会で「自動車業界は信じられないほど多くの国民の信頼を失った。それを取り戻せるのは彼らしかない。私が自動車業界と言うのは主にその経営陣のことだと述べた。

 また、シュルツ氏のEV割当制度案を退けるとともに、演説時間の半分近くを割いて自動車業界の状況について論じ、業界幹部にもっと責任を負うよう求め、国内80万人の自動車工場労働者を擁護した。

 ドイツ政府が今月主催した「ディーゼル・サミット」で自動車メーカーは、汚染物質の排出量を削減するために、数百万台のディーゼル車に搭載されているソフトウエアを更新することと、古いディーゼル車を下取りに出して新車を購入する場合、最大1万ユーロ(約130万円)割引することに同意した。

 メルケル氏は、これらの措置は自動車業界ができる「最小限のこと」とし、9月の連邦議会選挙で勝ったら、秋に2回目のディーゼル・サミットを開催し、さらなる対策について話し合うと述べた。

 アナリストらは、メルケル氏の勝利が確実視されている今回の選挙で、排ガス不正問題が大きな争点になる可能性は低いとみている。マインツ大学のユルゲン・ファルター教授(政治学)は、メルケル氏は自動車メーカーを激しく非難することで、「自身と対抗馬の差異をなくすために早い段階でこの問題を取り上げ、争点にならないようにしている」と指摘した。

 だが、選挙後もドイツ政府と自動車業界にかかる圧力は変わりそうにない。欧州委員会は、ドイツの都市部がEUの定めた大気汚染物質排出量の上限を常に超え、条約に違反しているとして、欧州司法裁判所への提訴をちらつかせている。

 これを受けて、一部の市長は市内でのディーゼル車の走行を全面的に禁止することを検討している。政府の統計によると、ドイツの新車販売に占めるディーゼル車の割合は7月に40.5%と、前年同月の47.1%から低下した。

2017-8-27WSJ2 
今月ドイツのザンクト・ペーター・オーディングで行われたメルケル首相の選挙集会で「ディーゼルマフィアは辞めさせろ」と書かれた旗を掲げる活動家

 メルケル氏による自動車業界批判は、同氏にとって大きな方向転換だ。メルケル氏は10年に米カリフォルニア州のアーノルド・シュワルツェネッガー知事(当時)らと会談した際、カリフォルニア州はディーゼルエンジンの窒素酸化物の排出量を厳しく制限することで「ドイツの自動車メーカーに打撃を与えている」として、同州大気資源局のメアリー・ニコルズ局長を非難した。

 英国のノーマン・ベーカー運輸相(当時)によると、その3年後、EUが温室効果ガス排出削減で合意した後、メルケル氏はドイツの高級車メーカーが過度に不当に扱われることになると考え、英国のデービッド・キャメロン首相(当時)に合意への支持を撤回するよう説得した。

 さらに数カ月後、 BMW の支配株主が、メルケル氏率いるキリスト教民主同盟(CDU)に69万ユーロ寄付したことを明らかにした。CDUは寄付と政策の関係を否定している。
<引用終り>


とうとうディーゼル・マフィアなどと言う言葉までできてしまいました。これで排ガスがきれいになるのならいいのですが、メルケルさんはこの問題でライバルと同じ主張をすることで争点から外すことを考えているようです。選挙が終わったら又元の黙阿弥かも知れません。

そして自動車メーカーは無償修理を打ち出しましたが、多分ユーザーは簡単には修理に応じないでしょう。だって排ガスがきれいになるように修理すれば、大幅パワーダウン、燃費悪化、耐久性悪化など、ユーザーには良いことは何もありません。
だから無償修理は単なる目先のごまかし、そう思います。

EVへの切り替え云々の話も具体性が全くありません。だからこれも目先のごまかしでしょう。

そしてこんな時の常套手段は外部に敵を作ること。標的はもちろん日本車。こんな事が起こります。
そんな時、日本ではモリそば、カケそば問題ばかり。目を外にも向けないといけないと思います。元寇(シナとコリアの連合軍でした)は今目の前なんですから。



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2017-08-24 17:22

EVは所詮ファーストカーには成れない

 電気自動車(EV)が盛んに取りざたされている。報道姿勢に問題があるとされるマスコミではEVマンセー報道が盛んだ(注:最近のマスゴミの口調を真似してみた・・)。でも本当にそうなのだろうか。
一寸ここでEVについての私の知る所を纏めてみたい。

最初にEVに関してこんな記事が日経にある。
花盛りのEV デンソーが慌てない理由 
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO19994180V10C17A8I00000/

要するに最大手の部品メーカーデンソーは、世間がEVマンセーと騒いでいても慌てていないのだという。
この記事全文は本文末尾に添付しましたが、ヨーロッパ・アメリカでEV騒ぎが起こっているが実態はどうなのか。以下は私の私見です。


最初にEVの歴史から

そもそも自動車の歴史は、最初は蒸気自動車、次が電気自動車、最後がガソリン自動車(内燃機関)でした。
これは1899年に世界で初めて時速100キロオーバーを記録した車。電気自動車(EV)です。
名前は「ジャメ・コンタント号」
2017-8-23ジャメ・コンタント号 
名前のジャメ・コンタント(La Jamais Contente)はフランス語で「決して満足しない」と言う意味、当時の自動車の最先端はEVでした。
しかし名前の通りEVは100年以上たっても「満足できないレベルのクルマ」で今に至っています。


こんな事で自動車黎明期からある電気自動車が結局ガソリン自動車に負けた原因は今も同じ、バッテリーでした。
要するに
・航続距離が短い ・・・ 遠出できない
・バッテリー容量が気温・使用条件で変化し、また劣化が早い ・・・ 冬場とか雨の夜などは使用困難、特に寒冷地では危険と言って良いと思う。
・充電に時間がかかる ・・・ 急速充電器でも30分で80%位(車種で異なる)、自宅で充電すると8時間から14時間位、但しこれは最近国策で充電できるところが非常に増えた。良い事である。また航続距離を延ばすためバッテリー容量を上げると、さらに充電に時間がかかる。

所でそんなEVなのだが、マスゴミの論調は「構造が簡単だから中国などでどんどんできる。日本の仕事が無くなるぞ」、こんな調子だ。


そんな事で電動車とガソリン車が並行使用されているケース、前回は工場のフォークリフトを紹介したが、こんなものも電動車とガソリン車が並行して使われている。
ゴルフ場のカート(ゴルフカー)である
2017-8-23ゴルフカート 

この写真はヤマハのHPより引用。ヤマハによればこのゴルフカーは世界で年間17万台の需要があり、ヤマハではそのうち6万台を生産しているとか。こんな車なら中国でもどこでも生産できます。

外観を見ただけではガソリン車と電動車は分かりませんね。これはゴルフコースの条件で平坦なコースなら扱いやすい電動車、山坂の多いコースとか長い距離を移動するコースはガソリン車、こんな使い分けをしている為でしょう
そしてこれがEVの使いやすい条件を現しています。

限定された範囲内で
山坂の無い所で
エアコンやライト、ワイパーを使わないところで(つまり夏・冬、夜、雨の日でないところで)
毎日充電しメンテできる環境で、できれば使用人が車庫入れ、充電をやってくれればベスト。
こんな所がEVの扱いやすい環境、こんな所で使うべきなのがEVです。

それからもう一つ、EVは思い付きで、気ままに使わない、自由はEVには敵だという事です。何処でどのように充電するか、当日・翌日の天候・気温などをキチンと計算したうえで行動する。こんな使い方が必要と思います。

こうなると昔からEVは有閑マダムのチョイ乗り用でしたが、今も変わりませんね。

こんな所を見ると、成功したEVであるニッサン・リーフ、その中古車価格が大暴落中なのも分かります。
(日本だけでなく、アメリカでも中古車価格が暴落しているとの事)
参考:「電気自動車オーナーのブログ」より引用
日産リーフの中古価格暴落の記事について「●●●●●」
https://ameblo.jp/nissan-ev/entry-12290662727.html


さらにもう一つ厄介な問題があります。それはアメリカで航続距離を伸ばしたEV、テスラの登場です。大量の電力を消費するEV、充電だけでなく発電・送電も含めた電力システム全体の見直しが必要になってくるからです。
(ガソリン・ディーゼル全廃を打ち出したイギリスでは、新たに原発が10基必要との話が出てきているらしい・・・)

この電力問題に関しての問題。
前回のエントリー「自動車の電動化に思う事」にkazkさんから貴重な体験談をコメントいただきました。貴重な話なのでそのまま引用させていただきます。

某高速道路の急速充電設備に関してです
<以下引用>
こちらには電気自動車用の急速充電設備があります。結構ごついケーブルとコネクタからなるものですが、これ基本が三相交流220V120Aという相当な要領です。これがリーフやアウトランダー、テスラの一昨年のモデルまでなら余裕で給電が可能でした。ところがテスラが去年出したモデルSモデル3というのがあるのですが、これがとんでもない化物でした。 

モデルにもよるようですが小生が相手したのはどうやら電池強化タイプであったらしく容量が65Kwh(注:現在のカタログでは最低が75kwh、最大は100kwh)もあるものでした。もちろんそんなことは知らずこちらも7月末の暑い昼休みに当たり前の充電の対応をしたのですが、とんでもないことになりました。ほとんど容量いっぱいで充電し続けるのです。細かい計算は省きますがこれが直流400V100Aで一時間に渡って充電し続けるのです。65%くらいの充電で40Kwhに達しました。細かいことは言えませんが夏の暑い時期なので完全にデマンドオーバーしました。普通はわからないでしょうがこれは契約違反の罰金の対象になり電気代が月ウン十万円上がることになります。正直こんな電池のおばけとは知りませんでした。 

この施設の急速充電器、現在は国の政策で電気代自体はタダなのです。いやあ面食らいました。不要な換気や照明を消して対応しましたがとても間に合いません。こんな事初めての体験でした。どうやら前のモデルから電池の能力を7割強化したらしい。こちらは文句をいうことも出来ませんのでオーナーの方に、家庭での充電どうしてますか、と聞いた所とても家じゃやりきれないからほとんど昼間の急速充電器だと言ってました。 

そりゃそうでしょう。家庭用の充電器は単相交流200V20A程度しかありません。満充にするのに16時間以上かかる計算です。電気自動車の信奉者は安い夜間電力を使うからいいんだとか言ってますが、そんなもの嘘です。相当数が昼間充電しなくてはなりません。しかも現在政策のためにタダです。こんな物一般に普及させたら発電所の増設は急務でしょう。 

こんなもの普及させた日にはとんでもない電力が必要になるはずです。もの知ったふうな人はそんなことはない、優遇政策が終われば落ち着くとこに落ち着くと言ってますがどうでしょうが。車自体を作ることは難しくありません。しかし現行のままなら必ず反動が来ます。将来の電池はリチウム空気ではなくコストから見てナトリウム空気だと踏んでますが電池を改良すればするほど状況はおかしくなります。とにかくSF小説さながらの路上連続給電でも出来なければどうしようもないでしょう。 

そして社会インフラ全体まで見て効率を考えると電気自動車というものは総合効率で果たしてこれから改良が加えられるエンジン技術と対抗できるでしょうか。HCCI(注:予混合圧縮着火)とVRC(注:可変圧縮比エンジン)を組み合わせるならばおそらくは熱効率50%なんてエンジンが可能になるはずです。これは現行のディーゼルを大きく上回りますから、これで持ってシリーズタイプのPHVにでもすれば効率でかなわないでしょう。一方はこれからインフラ整備が必要なのです。 

そんなに明るいものとは思えないというのが現在の思いです。   2017-08-07   kazk 
<引用終り>

そのkazkさんが手こずったテスラは多分これ(現在のモデルです)
(私は8万5千ドル(約930万円)と聞いただけで・・・縁がないですね)
2017-8-24テスラモデルS 

そしてこのテスラのシャシーはこうなっている
円筒型のパナソニックのPC用小型バッテリーをモデルSでは7,000個のモジュールを集合させてケースに収め、床下に搭載。これで航続距離500キロ程度を確保したようです。

2017-8-24テスラモデルSシャシー 
ここに搭載されているバッテリーの重量は550キロ程度らしい。
kazkさんが電池のオバケと言っているが、まさにその通り。このオバケ電池にはバッテリークーラーとバッテリーヒーターを搭載し、温度管理を徹底しているようで、これがバッテリーの劣化を防いでいるとの事。

さて、ここでkazkさんが重要なことを言っている。こんな電池のオバケ車に充電したら、間違いなくデマンドオーバーになる。これは電気代が上がるということだけでなく、あちこちでオバケ車への充電が始まれば、電圧変動が激しくなり、最悪大停電が起こることも有りうる。
(実際に1987年7月、電圧安定性が原因で、東京で大規模停電が発生した事例あり)


ここで冒頭の話に戻ります。こんなEVなのですが、デンソーは全く慌てていない。
当然です。チョイ乗り用のクルマなんですから。ファーストカーが別にあれば良いモノだと思います。


ではデンソーが慌てていない件、そんな目で見てください。


以下、冒頭引用した日経記事全文を紹介します。
<以下引用>
花盛りのEV デンソーが慌てない理由 
2017/8/15 15:00

 電気自動車(EV)をめぐる議論が盛り上がっている。欧州を中心に「エンジン車」を締め出す動きが強まり、地元の完成車メーカーもEV強化の方針を相次いで示しているためだ。構造が簡単なEVの普及は部品メーカーへの逆風ともなりかねないが、国内最大手のデンソーは意外にも落ち着いている。

■欧州の電動化加速は「想定の範囲内」

構造が簡単なEVの普及は部品メーカーへの逆風になりかねないが……

 デンソーが7月末に開いた4~6月期の決算説明会ではEVに対する質問が相次いだ。欧州の規制強化を念頭に置いた問いかけに対して同社幹部は「昨今の報道から電動化の動きが早期化した印象を受けるかもしれないが、想定内の範囲だ」と答えた。

 EVが話題の中心となっているのは欧州だ。昨年10月、ドイツの連邦参議院(上院)が2030年までにエンジン車の販売を禁止する方向で検討を進めていることが明らかになったのに続き、今年7月に入るとフランスと英国が相次いで40年までにエンジン車をEVなどに置き換える方針を示した。

 従来、欧州メーカーはディーゼル車を環境対応車の柱と位置付けてきたが、独フォルクスワーゲン(VW)などは排ガス不正問題に揺れている。ディーゼル車の将来が不透明になるなか、「一連の問題から関心をそらすためにも、EVに傾注せざるを得なくなっている」(国内自動車大手幹部)との見方が出ている。

 これまでもEVメーカーの育成を目指す中国や、世界的な環境規制の先駆けとなることが多い米カリフォルニア州などが普及を後押ししてきたこともあり、16年の世界のEV販売は前年比43%増の46万6000台に増えた。だが、世界の新車販売に占める割合は1%未満にとどまる。

■普及の条件は「1回の充電で500キロ走行」

 普及の前提となるのは、電池の性能向上だ。EVが普及する条件として「1回の充電で500キロメートルの走行が可能なこと」が指摘されている。だが、安全性を確保しつつエネルギー密度を高めて小型化し、充電時間の短縮やコスト削減を同時に実現する――という連立方程式を解くには時間がかかるという見方は少なくない。

 EV推進派の間には「問題解決のスピードは加速度的に高まる」との期待もあるが、英フィナンシャル・タイムズ(FT)は7月、「電池は原爆、集積回路、ペニシリンとは異なる」と題した記事を載せて「化学に依存する電池は半導体と異なり、年5%程度の性能向上が現実的」とする専門家の意見を紹介した。

 消費者立場に立つと電池の劣化も課題だ。ゴーゴーラボ(神奈川県鎌倉市)によると、量産型のEVとしてもっとも成功した日産自動車「リーフ」の直近の中古車価格は平均130万円前後となり、3カ月前より10万円近く下がった。EVの中古車が値崩れを起こしやすい背景には原価に占める割合が大きい電池の劣化があり、改善が要る分野だ。

 電池の材料の供給にも目を向ける必要がある。現在、EVに使われることが多いリチウムイオン電池の原料であるリチウムやコバルトの供給に限りがあるからだ。供給を増やすと同時に、代替素材の開発や使用量の削減が急務だ。コバルトの約6割を産出するコンゴ民主共和国には児童労働などの問題もあり、これも直視しなければならない課題だ。

創業当時に手掛けた電気自動車の製造風景(愛知県刈谷市のデンソー本社)=同社提供

 EVは燃料電池車(FCV)と並び、走行時に排ガスを一切出さない「究極の環境車」と呼ばれるが、電気の源までさかのぼると別の側面も見えてくる。米テスラを率いるイーロン・マスク氏のように家庭に太陽光パネルを据え付けるといった取り組みまで進めれば話は別だが、特に新興国では環境負荷の高い旧式の火力発電所を使っている事例もある。

 EVにまつわるどちらかというと後ろ向きな話を挙げたが、それでもEVが究極の環境車の有力候補であることは間違いない。ただ100年にわたって自動車を動かしてきたガソリンエンジンを上回る利便性を持つ技術はまだ見つかっていない。1950年にEV「デンソー号」を発売したデンソーの反応にも、こうした思いがにじむ。

■独ボッシュもハイブリッド車に対応

 現在、求められているのは、いかにEVの短所を減らし、長所を伸ばすかだろう。こうした観点でみると、日産が2016年11月に発売して人気を集めている小型車「ノートeパワー」は参考となる事例だ。

日産自動車のハイブリッド車「ノートeパワー」

 ノートeパワーは巧みなマーケティングの成果もあり「新たな環境車」としてのブランディングに成功したが、技術的にはエンジンとモーターを搭載したハイブリッド車(HV)のひとつの流派だ。

 エンジンを効率よく動かしてつくった電気を電池にためる仕組みで、EVの航続距離や充電の手間といった短所を補う。トヨタ自動車のHVも累計販売台数が1000万台に達するなど実績を積んでいる。EVやFCVに完全移行するまでの「つなぎ」との見方もあるが、環境問題の現実的な解決策として活用の場面はあるはずだ。

 実際、19年に「脱内燃機関」を実現すると表明したスウェーデンのボルボ・カーは、エンジンを併用するHVやPHVを作り続ける。デンソーのライバルである独ボッシュも今年2月、電動化に対応した事業部門の再編を発表した際、「25年に年間2000万台近いHVとEVが生産される」との見方を示した。

 デンソーのようなゼロエミッション車への段階的な移行論は株式市場を含む外部の評価がいまひとつだが、様々な前提条件を無視した楽観的なEV推進論は過剰な期待を生み、それが失望に転じるおそれもある。目の前にある課題を直視して現実的な解決策を探ることこそ、様々な利害関係者を抱える自動車業界に必要なアプローチだ。
(編集委員 奥平和行)
<引用終り>
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2017-08-18 19:24

脱ディーゼル「正しい」 メルケル首相<今までの政策は???

 VWのディーゼル車排ガス不正問題が明るみに出て間もなく2年。さっぱり分からなかった道筋がようやく見えてきた。メルケルさんがやっと自国企業の排ガス不正問題でディーゼルの問題点を認めた格好だ。

まあそれはそうだろう。ドイツ、EU政府当局が手を打たないので裁判所がディーゼル車の都市流入規制をOKするような事態が起こってきた。しかもそれがベンツやポルシェの本拠地の有るシュツットガルトだったりするから、最早お笑いレベル。

さて、そのメルケルさんがどんなことを言っているか。

<以下日経より引用>
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ16HBS_W7A810C1000000/?n_cid=NMAIL002

脱ディーゼル「正しい」 独首相、英仏の販売禁止に理解 
2017/8/16 15:25日本経済新聞 電子版
 
 「方法は正しい」。ドイツのメルケル首相が欧州で広がるディーゼル車・ガソリン車の販売禁止方針を理解する考えを示し、自動車業界で話題を呼んでいる。ただ、併せて自国の雇用や産業競争力への配慮にも言及、「正確な目標年はまだ明示できない」として、英仏のような時期までは踏み込んでいない。9月に選挙を控えた自動車大国ドイツの置かれた難しい状況が浮かび上がる。

メーカー批判の裏でにじむ配慮

2017-8-18メルケル首相 
メルケル首相(左から2人目)とVWのミュラー社長(中央)ら=2015年9月、フランクフルト国際自動車ショー

 メルケル氏は14日付の独誌ズーパー・イルー(電子版)の単独インタビューで、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正に端を発したディーゼル車の問題に言及した。「ディーゼルエンジンの排ガスに関し、何が不正だったのかを明確にしなくてはならない」消費者はメーカーに欺かれていたと指摘した。

 同時にディーゼル車はガソリン車に比べ二酸化炭素(CO2)排出量が少ない点を強調し、「我々は窒素酸化物(NOX)の基準を満たした、最新のディーゼルエンジンが必要だ」と訴えた。今月2日に政府と国内の自動車メーカー首脳がベルリンに集まった「ディーゼルサミット」の方針に沿い、急進的な脱ディーゼル車の方針からは距離を置く考えを示した。

 電気自動車(EV)普及との両輪もにらむ。充電インフラの整備が最重要課題だと言及し、EVシフト支援の考えも示した。もっとも英仏が7月に打ち出した2040年までの内燃機関で走る車の国内販売禁止に関しては、意味があるとしながら具体的な工程表は示したくないとしている。

 英仏ほど踏み込めない背景には、日本以上ともいえる官民の蜜月関係を築いてきた独自動車産業の特徴がある。仏自動車業界の関係者は「欧州連合(EU)の規制はベルリン(=独政府)がナイン(ノー)と言えば何も決まらない」とやゆする。欧州委員会が、VW本社のある地元州がVWの第2位株主として買収拒否権を持つのはEUが定める「資本の移動の自由」に反すると訴えても、独政府は馬耳東風。VWを守ってきた

 今月2日のサミットでは、メーカーがディーゼル車530万台を無償修理することで官民が合意。ミュンヘンなど一部自治体が打ち出していた中心部の乗り入れ禁止を回避し、南ドイツ新聞は「自動車グループがサミットの勝者だ」と評した。

選挙前の「アドバルーン」

 これには9月に控えた連邦議会(下院)選挙も影響している。自動車の直接雇用だけで80万人。選挙を控え、雇用減にもつながりそうな「40年にディーゼル車を販売禁止」は打ち出しにくい。逆にいえば、雇用確保を盾にしたメーカー主導で議論は進めやすかった。メルケル氏はインタビューで、雇用確保と産業競争力の確保も重要と訴えている。

 もっともドイツではこの官民合意に対し、消費者や一部自治体の不満は根強い。メルケル氏に弱腰批判が及べば、選挙に不利になりかねない。メルケル氏は1990年代には環境相として京都議定書の合意にも携わり、保守政党キリスト教民主同盟(CDU)内では環境リベラル派とされる。英仏の方針について「正しい」としながら、禁止時期の明示を避けた今回の発言は、自らの思いもにじませながらアドバルーンを上げたとみることもできる。

 脱内燃機関方針で先んじたフランスでは、経済紙レゼコーがメルケル発言を受け、「メルケルにとってディーゼルの終わりは避けられない」と報じた。ドイツの流儀を知る隣国は、いずれドイツが官民挙げてEV競争に本格参入してくることは覚悟済みだ。

 独産業界でも準備は進む。3日には自動車部品大手コンチネンタルのウォルフガング・シェーファー最高財務責任者(CFO)がロイター通信に対し、「次世代内燃機関の開発は続くだろうが、23年ごろには経済的に正当化できなくなる」と指摘。完成車メーカーの開発はEVなど電動技術に一気にシフトすると見通した。完成車メーカーと全方位で取引があるコンチネンタル幹部の発言は重い。

 旧東独の科学者であるメルケル氏は慎重に発言を選ぶことで知られる。だが11年の脱原発回帰、15年の難民受け入れ表明のように時に大胆に決断し、主にリベラル派の喝采を受けてきた。EV政策は同国の脱石炭と再生可能エネルギー推進などとあわせた総力戦になりそう。産業やエネルギー・環境問題というより政治が前面に出てくるテーマだ。

 英仏が脱内燃機関方針を発表したのは総選挙の後だった。世界最大の自動車市場、中国とも親密な関係を築いてきたメルケル氏は首相4選が濃厚。9月の選挙結果を受け、「正しい方法」の具体論にどこまで踏み込むか。その発言は自動車産業の帰趨(きすう)を決めるかもしれない。(加藤貴行)

<引用終り>


そしてこの話の裏がどうなっているか、同じく日経にこんな記事がある。

<以下日経より引用>
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ08H2S_Y7A800C1EA5000/

独、ディーゼル車の呪縛 膨らむ負担にメーカー苦悩 
無償修理/カルテル疑惑/EV移行
2017/8/13付日本経済新聞 朝刊
 
 ドイツの自動車産業が危機に直面している。排ガス規制対策の無償修理に加え、中期的には巨額の罰金もありうるカルテル疑惑、長期では電気自動車(EV)への移行と問題が山積みだ。いずれも環境対応の主役と持ち上げてきたディーゼル車がかかわる。独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正が発覚して以来、「ディーゼルの呪縛」が業界を覆っている。

 2017-8-18ドイツのディーゼル車シェアー低下
 
 VWの2017年1~6月の純利益は前年同期比87%増の64億7400万ユーロ(約8300億円)と不正発覚前の15年1~6月を上回った。ダイムラーは36%増、BMWは21%増と軒並み好調だ。それでも首脳の表情は晴れない。「ディーゼルの議論は不確か。技術的にも法的にも非常に複雑だ」。7月末、電話記者会見でダイムラーのディーター・ツェッチェ社長はいらだちをあらわにした。

 8月2日、独自動車大手はディーゼル車530万台を無償修理することで政府や自治体と合意した。環境対応車に買い替えを促す奨励金や総額5億ユーロのファンド設立も決まった。一方、複数の都市が検討していたディーゼル車の市街地走行禁止は退け、実質的に自動車業界の勝利となった。

 しかし直後から合意内容に批判が噴出する。ロイター通信によるとミュンヘン市長は「市民の健康を守るには不十分」と述べ、シュツットガルト市長は「さらなる手立てが必要になる」と不満を隠さない。

 次のヤマは「独産業史上最大」(シュピーゲル誌)とも言われるカルテル疑惑だ。VWグループ3社とダイムラー、BMWがディーゼル車の排ガス浄化装置の浄化剤タンクを小さくする目的など広い範囲で談合したと報じられた。「クロ」と認められた場合、EUからの罰金は16年のトラック談合の29億ユーロを上回る可能性が指摘されている。

 そして最大の難題が、世界的なEVシフトだ。英仏は40年までのガソリン・ディーゼル車の禁止を表明した。消費者に「ディーゼルはなくならない」とメッセージを発した2日の政府との合意は、開発方針の大胆な変更を難しくした。

 ディーゼル改良とEVだけでなく自動運転対応も必要で、開発負担は重くなるばかりだ。費用を捻出するためにVWはイタリアの高級二輪車メーカー、ドゥカティの売却を模索。ダイムラーも組織の再編を検討している。

 米テスラに対する開発の後れはVW幹部も認めるほど。高品質の代名詞だったドイツ車は、スマートフォン(スマホ)時代に対応できなかったノキア(フィンランド)の二の舞いになってしまうのか。 (フランクフルト=深尾幸生)

<引用終り>

こんな話なのだが、十数年にわたって嘘を吐いて世界を、特に自国民を騙してきた付けは重い。さてこの重い付け、メルケルさんはどう解決するのだろうか。

技術的な話をすれば、VW排ガス不正が明るみに出た時、VWもどうすればいいか社内では大論争をしたと思う。その結論としてとりあえずハイブリッドと言う選択肢があったと思うが、ハイブリッドでは日本車(トヨタ・ホンダ)と10年~20年の差があることが判明したのではないか。
それで一足飛びにEV(電気自動車)となったわけだが、政府からの相当の援助がないと大変だと思う。

最後のこの件で誰も語らない問題。それは排ガス対策前のタイプの車のほうが性能・燃費・耐久性、いずれをとっても良い事をユーザーが知ってしまっている。この為ディーゼルの売れ行きが悪くなったと言ってもいまだによく売れている。買っているのはそんな事情を知ったお客さん、こんな駆け込み需要ではないだろうか。
排ガス不正のクルマがサラブレッドなら排ガスの綺麗な車は『鈍牛』という事になる。

思い出せば日本でも類似の問題があった。もう古い話だが51年排ガス規制車はまさに鈍牛。余りの酷さに新車の51年排ガス規制車を買った人がそれを売り飛ばし、旧型の排ガス対策前の中古車に買い替えた(!)、こんなひどい話があったからだ。
日本の場合(上掲51年規制車の場合)は奇跡の3元触媒の採用で切り抜けられたが、ディーゼルにはそんな奇跡はなさそうだ。
ドイツのクルマは何処に行くのだろうか。

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2017-08-05 17:46

自動車の電動化に思う事

 最近自動車の電動化が喧しい。一つはアメリカでのテスラをはじめとする電気自動車の動き。そしてもう一つは欧州の自動車電動化加速である。

そして今月、トヨタとマツダが資本提携に踏み切った。

<以下ロイターより引用>
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170804-00000075-reut-bus_all
「海図なき戦い」へ協業強化 トヨタ・マツダ両社長が提携会見
8/4(金) 20:53配信 ロイター

[東京 4日 ロイター] - トヨタ自動車の豊田章男社長とマツダの小飼雅道社長は4日、米合弁工場建設や電気自動車(EV)共同開発などを柱とする資本業務提携について会見した。豊田社長は自動車業界では異業種からの参入で「前例のない海図なき戦いが始まっている」とし、今回の提携を勝ち残りのための戦略であると強調。小飼社長も「新たなプレーヤーと協調、競争しながら独自ブランドを築き上げる」と語った。
・・・以下略、詳細はリンク先参照ください・・・
<引用終り>


 実は電気自動車の歴史は古い。20世紀初頭の自動車黎明期にはガソリンエンジン車より持て囃された時代もあった。その頃も現在も同じで電気自動車は運転は簡単、排ガスもなく音も静か。だからアメリカでは有閑マダムのチョイ乗り用に人気があった。しかしその後ガソリン自動車が普及し、消えていった。

電気自動車のいい点は昔と同じ、運転は簡単、排ガスは綺麗、音も静か、ここまではいい。
欠点は航続距離である。問題はバッテリーの性能が自動車の要求する性能に満たない事。

まあ、こんな事なのだが同じ車でもフォークリフトは電動化が進んでいる。
これは4年ほど前のデータだが

2017-8-5フォークリフトの電動化率1 
この図を見ると、フォークリフトは国内販売台数の約55%が電動フォークリフト。
しかしその内訳をみると、その使い方が良く分かる。

この図はフォークリフトのトン数別の動力の状況

2017-8-5フォークリフトの電動化率2 

1トン未満の小さなフォークリフト、これは小さな倉庫や工場で使われているが、95%が電動式だ。
しかし大きくなると電動式の比率が激減してくる。3トン以上では電動式は10%程度、中でも5トン以上に限れば殆どディーゼル式が主流だ。
これは大きなフォークリフトは戸外で使う事が多いので、融通の利くガソリンやディーゼル式が増えてくるのだろう。


実は私はタイ時代に工場内のフォークリフトの電動化を推進してきた経験があり、電動車の利点も欠点もしっかり体験した。
一寸そんな思い出を書いてみたい。

先ず電動車のいい点。
勿論運転が簡単、音も静か、排ガスもない、これに尽きるが、音が静かすぎて工場内では危ないこともあった。だから「キンコン、キンコン」と音がするようにもしたが、まあこれはご愛敬。

欠点はバッテリーの充電に時間がかかること。
ガソリン車なら携行缶にガソリンを入れておけば、ガス欠したら補給すればいい。ガソリンが無くなっても運転手が買いに走ればいい。
しかしバッテリーは充電に時間がかかる。
工場の操業当初は仕事も少なく、フォークリフトは昼間使って夜充電、こんなサイクルで仕事をしていたので何の支障もなかった。しかし仕事が増えてきて夜遅くまで残業するようになると充電が間に合わなくなる。夜勤をしようとするとまったく充電時間がないのでフォークリフトが足らなくなる。

当たり前のことだがフォークリフトが電欠すると悲惨である。重いものを持ち上げるのが仕事なので当然乍ら重い。そんなものがどこかで止まると一人や二人で押して動くものではない。ほかのフォークリフトを持ってきて押すしか手がない。
そしてフォークリフトが使えないと、重いものを何人かで人海戦術で運ぶしかない。

こんなことでどんどんフォークリフトの台数を増やしていったが、それでも足らなくなった。そこで全部のフォークリフトにバッテリーをもう1個ずつつけ、一つが充電中に別のバッテリーで作業をさせるようにした。
そうすると何台ものバッテリーを置く充電スタンドが必要になり、バッテリー積み替え用のクレーンが必要になり、おまけに充電中に少量の水素が発生するのだが、そのツンツンする臭いが有害ではないかとの噂が出始めたり・・・。

冒頭のフォークリフトの動力別のグラフで小さなものは殆ど電動化しているのに大きいものは全く電動化が進んでいない。これこそ電気自動車にも共通する課題である。

電気自動車はごく狭い範囲を走らせるなら、大変使いやすく便利。逆に遠くに出かけるには全く不向き。高速道路を走るなどと言うのは全く苦手という事である。

もう一つ、バッテリーは化学変化を電気に変えるものなので、温度とか使い方で容量が変わる。携帯電話のバッテリーで以前よく問題になったのと同じだ。
だから、昼間なら全く問題ない距離を雨の夜(つまりライトをつけ、ワイパーを回し)運転すると電欠になったりする。
尚フォークリフトの所でも書いたが、電気自動車は重く大きなバッテリーを積んでいるので重い。電欠したらレッカー車で引っ張っていくしかない。これが昔も今も電気自動車の普及を妨げている最大の問題だ。

大変いい事例がある。アメリカの電気自動車「テスラ」だ。

これは「テスラ・ロードスター」
2017-8-5テスラロードスター 

テスラが最初に作ったクルマがこれ、ロードスター、つまりオープンカーだ。
こんな車なら冬の雨や雪の夜に遠出をしようとする人はいない。ヒーターやワイパー、ライトをつけて走るような環境なら、別の普通の車に乗ればいいという事である。
つまり、電気自動車の一番の弱点を車そのもので避けてしまっている、これも一つの手だろう。


トヨタとマツダの資本提携での記者会見で、豊田社長が「前例のない海図なき戦いが始まっている」と言っていたのは、こんな使い方に合わせたクルマ造りのことも含まれているのではないだろうか。

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2017-07-28 15:10

ドイツ自動車5社の談合疑惑<ドイツ人気質を考える

 ドイツ自動車5社の談合疑惑が報道されている。VWの排ガス不正問題から始まって、とうとう此処まで疑惑が広がったという事。こんな報道を見るとどうしてもドイツ人気質を考えない訳にはいかなくなってくる。
最初にその疑惑の報道から。

<以下日経より引用>
VWなど独5社、90年代からカルテルか 独誌報道 
2017/7/21 
 
 【フランクフルト=深尾幸生】独誌「シュピーゲル」(電子版)は21日、フォルクスワーゲン(VW)など独自動車大手5社が1990年代からカルテルを結んでいたと報じた。対象は技術や部品調達など広範囲に及び、ディーゼル車の排ガス関連も含まれている。カルテル行為がVWに続き、独ダイムラーなどでも疑われる排ガス不正の背景となった可能性がある

 ドイツ史上最大のカルテル事件に発展する可能性もある。報道によると、VWがドイツ連邦カルテル庁に、処罰の軽減を求めて資料を提出した。カルテルに加わったとされるのはVWやBMW、ダイムラー、アウディ、ポルシェの計5社。ドイツの自動車メーカーの大半を占める。90年代から200人以上の従業員が60回以上会合を重ねているという。

 カルテルが疑われている対象は部品メーカーの選定や購入価格の決定、技術の仕様など多岐にわたる。ディーゼル車の排ガスを浄化するための尿素タンク(注:尿素水タンクのこと)の価格を抑えるために容量の小さいものを採用することで合意。後に排ガス不正につながったとしている。

 当局は2016年夏に鋼板価格について談合した疑いでVWを調査していた。調査の2週間後にVWはカルテル庁に自己申告し、ダイムラーも同様の書類を提出したという。

 ディーゼル車の排ガス不正では15年夏にVWが1100万台で違法ソフトを使っていたことが発覚した。検察はダイムラーやアウディ、ポルシェも不正の疑いで捜査している。

<引用終り>

この件はブルームバーグはこんな報道
ドイツ自動車3社、談合疑惑で株価急落-従業員は事実解明を要求
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-07-24/OTLSEV6TTDSG01

 こんなことで、VWの排ガス不正問題はドイツでは90年代から談合の対象になっていたようだ。まあ、そんな事をしなければ「汚い排ガスをまき散らす車をクリーンディーゼルなどと詐称」、こんなことはできない訳だと思う。


 実はその90年代後半にトヨタはVWと技術提携している。
提携内容は、トヨタが開発したガソリン直噴エンジン「D4」に関する約200の特許技術をVW社に供与する。 一方、トヨタはVW社のドイツ国内で生産される排気量2500ccのディーゼル直噴エンジンを供給してもらい、ヨーロッパで発売する高級乗用車「レクサス」に搭載。
こんな内容だった。しかしうまくいかなかった。トヨタに人に言わせれば人間としては根本的に違うんです」なのだとか・・・。

トヨタとVWの「苦い過去」

この苦い過去というのはこんなもの。
「トヨタはこれまでに2度フォルクスワーゲン社(以下VW)と業務提携を結びました。その間、VWのドイツ人とは技術面から営業面まで様々に協力をしてきたのですが……。最後まで分かり合えることはありませんでした。よくドイツ人も日本人に似て、勤勉で真面目だっていうじゃないですか。確かに仕事に対してはそうだったのですが、人間としては根本的に違うんです」(トヨタ自動車幹部社員)

「特に技術職の社員は相当辛い目にあったようです。トヨタ側は自社で培った技術を惜しみなく教えるのですが、VW側は一切教えてくれませんでした。『自分たちが世界一の自動車メーカーだ。トヨタから学ぶことなどないし、教える必要もない』と考えていたのでしょう。

でも、仕事中は無駄な会話は全くしないし、緊張感があるから作業効率は圧倒的に高い。決まった時間になるとすぐに仕事を切り上げて帰るし、日本とは何から何まで正反対でした」

原文は「週刊現代」2015年7月4日号より
<引用終り>

この話はスズキとVWの提携の話ともよく似ている。スズキはクリーンディーゼルが欲しかった。だから提携したのだが、そのクリーンディーゼルはどうしても提供してもらえなかった。そこで高い授業料を払って離婚したわけだ。(スズキの爺様の英断に敬服!)

所で日本人は昔からドイツ好きである。かく言う私もそのドイツ好きの一人。音楽ならベートーベン、車ならBMW(ベーエムヴェー)やポルシェ・メルセデス等。酒ならワインよりビール・・・。

私のコレクション:メルセデスベンツ300SLとポルシェ901(911では無い)
2017-7-28ベンツ300SLとポルシェ901 

がしかし、仕事でドイツ人と関係した人に聞くと決して評判は良くない。いろんな人が異口同音に言うのが、「他人には超厳しいのに自分には超甘い」とか、「ドイツ人はウソを吐くから気をつけろ」等など。

また2015年10月にはこんなエントリーも
「ドイツ問題とVW不正」
ここでフォーリンアフェアーズの記事を引用している。曰く
 20世紀の多くの時期を通じて、「ドイツ問題」がヨーロッパのエリートたちを苦しめてきた。他のヨーロッパ諸国と比べて、ドイツが余りに強靱で、その経済パワーが大きすぎたからだ。

同じく2015年10月にこんなエントリーも
「ドイツ問題の現地からの声」

この中でフランスの人口学者エマニュエル・トッド氏の発言として、こんな事を言っている。
以下抜粋引用
「ドイツの指導者たちが支配的立場に立つとき、彼らに固有の精神的不安定性を生み出す。
歴史的に確認できるとおり、支配的状況にあるとき、彼らは非常にしばしば、みんなにとって平和でリーズナブルな未来を構想することができなくなる」
「自動車業界の世界トップという「支配的立場」に立った彼らが、「精神的不安」に陥ったとき、不正に手を染めてしまった。
それは、諸問題を単にテクニカル(技術的)なものとして扱い、モラル(道徳)の面を忘れてしまうという古くからのドイツの傾向です。フォルクスワーゲンのスキャンダルが起きて、世界中の人々はそんなドイツの特質を思い出したでしょう。知っての通り、この種の『中身のない合理性』は、それ自体が危険なのです」
<引用終り>


しかしこんな話は両方の話を聞かないと分からないので、ドイツ在住の丸山光三さんのこんな話。
『忘れてはならない移民輸出国だったドイツ』

それから「ウソを吐く」という話は、いつも興味深いコメントを下さるKamosukeさんのコメントにこんなご体験が。
『父の口癖』
私の父は、ソ連の捕虜になって、タンボフの捕虜収容所にいました。そのとき、大勢のドイツ人も一緒に捕虜収容所にいたそうですが、口癖のように言っていたのが「ドイツ人は嘘をつく」。 

父は一応将校だったので、ロシア人と折衝に当たることもあったらしいのですが、一緒に折衝にあたったドイツ人の嘘に閉口したらしい。 

父だけではなく、この印象はドイツ人捕虜と交わらざるを得なかった日本人捕虜全般、同じ印象を持っていたらしく、捕虜となってしばらくすると、多くの日本人捕虜が「ドイツ人は嘘をつくから気をつけろ」と言い合うようになったそうです。最初はみんな、同盟国の人間だったので信用して付き合おうとしていたらしいんですけどね。「日本人をバカにしていたんだろう」と父は言っていました。
<引用終り>

ここでタンボフの捕虜収容所と言うのはこんな所。
「タンボフはモスクワから約460キロ南に位置し、ヨーロッパ・ロシアに属する地域であるが、ここにも収容所があり、日本人捕虜はケーブル線埋没用の壕を掘らされていた。」
此処にも最近慰霊碑が建立され、以下の記事に写真があります。また大変感動的な話もありますので、ご参考までにどうぞ。
タンボフにも慰霊碑:現代によみがえる日本兵とロシア少女の物語


最後に戦前の名外交官だった「石井菊次郎」の言葉。日独伊三国同盟の批准審議が枢密院にかけられた時に、石井菊次郎が言ったとされています。

「フレデリック大王以来、ドイツと組んで幸せになった国はない!」

フレデリック大王=フリードリッヒ大王、ドイツの英雄です。
以下参照

ドイツと言うこの難しい国とうまくやってゆかねばならない。外交とはなんと難しいものでしょうか。

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2017-07-26 15:36

排ガス問題をリードしているのは何処か

 ベンツの排ガス問題が良く分からない状態。そんな中で7月22日にこんなエントリーをした。
「排ガス問題は日本でも調べている」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1417.html

ここに日本の国土交通省が調査したこんなデータがある。

2017-7-22排ガス問題報告書3

このグラフで左側2車種がマツダのスカイアクティブシリーズのクルマ。台上試験と実際の路上のデータがピッタリそろっている。実に見事なものだ。

所で問題のヨーロッパはどうなっているか。実はこれが曲者でメーカーやEU当局からの発表はない、有るのは環境問題を取り上げているNGOからのモノ。例えばこんなデータ。

2015-10-3欧州の乗用車排ガス実測データby八重樫さん  左側青色のグラフはガソリン車、規制が強化されていくのに合わせて実路でも良くなってきているのが分かる。一方右側赤色のグラフがディーゼル車。こちらは規制なんぞはどこ吹く風。全く改善されていない。どうしてこんな風になるか。一寸日本での経験の思い出話を。

もう昔ばなしだが1970年にアメリカで自動車の排ガス中のCO、HC、NOxを十分の一にするマスキー法が決定された。日本でも各カーメーカーが対策に取り組んだが、これが当初実現不可能と言われる難問だった。
何が問題だったのか、COとHCは燃料を綺麗に燃やせば減ってゆく。しかしN0xは燃料を綺麗に燃やして高温になると急激に増えてゆく。こんな相反する代物だった。結局日本のメーカー各社が最後に行き着いた結論は「燃焼と言うものが燃焼室内でどうなっているか、これを分子レベル、原子レベルまで追求して観測・研究する基礎研究から始めるべき」、こんな事で莫大な費用と人員を基礎研究に投入していった。

こんな日本メーカーが七転八倒している時、アメリカはマスキー法は実現不可能としてうやむやにしてしまったし、ドイツなど欧州勢はお手並み拝見と「洞ヶ峠(日和見)」を決め込んでいた。そしてその規制車が世に出たが、最初の50年規制(1975年)51年規制(1976年)のクルマは惨憺たる出来栄えだった。何せ当時の2000㏄のスポーツカーを買って峠道を走ってみたら、なんと軽四にスイっと追い越されてしまった、こんな話がゴロゴロ出てきた。
しかし丁度その頃、奇跡ともいえる三元触媒の完成と空燃比の高精度管理が可能になり、この懸案は一気に解決してしまった。(但しガソリン車のみ)
この間の事情は以下ブログ参照ください。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1168.html

一寸ここで如何してそんなに苦労しているのか、それは綺麗に燃やせば燃やすほど出てくるNOxの存在なのだが、こんなグラフを見てください。

燃焼温度とNOx生成関係図
2017-7-24窒素酸化物生成グラフ 

大変見にくいグラフで恐縮ですが、燃焼温度(K=ケルビンで表示、摂氏より273°高い)と経過時間(千分の一秒単位)、そしてZ軸がNOxの量です。
この図を見ると燃焼温度を下げるとNOxが減るという事が分かる。2000K(ケルビン、1727℃)ではほとんど発生しないNOxが2200K辺りから徐々に発生し始め、2600K(2327℃)ではあっという間に大量のNOxが発生することが分かる。
この燃焼温度を下げるために、EGRで大量の排気ガスを再度吸入させるため(つまり酸欠ガスを食らって)エンジンは全くパワーが出なくなる。これが1970年代から今日まで続いている排ガス問題の根っこの部分という事。


当初76年には実施予定の日本版マスキー法は、全メーカーが七転八倒しても対策が間に合わず、実施が2年先送りされ、その間有望と思われた三元触媒の研究開発、常時理論空燃比運転を可能にする電子制御燃料噴射の開発などが進んで、数年前には不可能と言われていた53年排ガス規制が達成できてしまった訳です。更にこの間、触媒にはガソリン中の鉛が触媒表面を汚染することが分かり、ガソリンの無鉛化も段階的に進んでいった。
そしてここからが重要な事、事の発端となったアメリカのマスキー法は結局実施が見送られ、世界で日本メーカーだけが排ガス対策のノウハウとその過程で得た燃焼理論の蓄積という武器を得た。塗炭の苦しみを味わった末に得た成果は、同時期に勃発した石油ショックを契機とする省燃費にも有効なことが分かり、これ以後国産エンジンは飛躍的な発展を遂げる


さてこんな事で、以前は考えられなかった「日本(トヨタ)がドイツ(VW)にエンジン技術を教える」、こんな事が始まったわけですが、結果は・・・。

トヨタとVWの「苦い過去」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1303.html

その苦い過去と言うのはこれです:トヨタとVW技術提携、1999年にトヨタD-4エンジン技術がNOx処理技術も含め技術供与
(この資料はfcq821 さんに紹介いただきました)


さてそこで、現在の自動車技術のリーダーは何処か、これを特許の面から見てみます。
これはトムソンロイターのクルマ関係の特許公開件数の5年間(2009年ー2013年)のまとめ

2017-7-24自動車関連のメーカー別特許件数 
http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2015/automotive-industry-trends/

メーカー名が見にくいのですが、左からトヨタ、ボッシュ、ヒュンダイ、ホンダ、デンソー、ダイムラー、GM、セイコーエプソン、ミツビシ、コンチネンタルです。日本~5社、ドイツ~3社、アメリカ・韓国各1社となっています。
日本が自動車技術でも世界をリードしていることが分かります。尚この表でVWを見ると21位で件数はGMの半分でした。トップのトヨタと比べると1/5程度。
こうして見るとドイツではボッシュの力が圧倒的と言うのが分かります。

それから韓国の特許に関しては、「中国と韓国の特許は「下手な鉄砲も数打ちゃ・・・」でやってるから、実際役に立つのは半値八掛け五割引き(!)」と言う人がいますが、どうでしょうか。

参考までに国単位での比較はこんなもの

これは国別の特許出願件数比較
2017-7-23世界の特許出願件数 
http://www.globalnote.jp/post-5380.html

これで見ると、日米の強さが突出していますね。ヨーロッパ勢はドイツ・フランス・イタリアなどEU全部足して日本とほぼ同じくらい。
国力と言えば先ずGDPですが、特許の面で見ても日本の国力は分かりますね。

<続きます>

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2017-07-22 17:47

排ガス問題は日本でも調べている

 先回、ダイムラーの排ガス不正問題をエントリーした。
2017-07-17  ダイムラー、100万台以上で排ガス不正の疑い=南ドイツ新聞
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1416.html

この話は台数が100万台から300万台になったり、日本はリコール対象外だったり、いや矢っ張りリコールするとなったりで訳が分からない。

そうなると、では日本は大丈夫かと心配になるが、この件に関しては日本の官僚はしっかりしているようで、ちゃんと確認していることが分かった。
尚この事は裏の桜さんも同様で、「日本はちゃんとやっている筈だが」という事をエントリーされている。
http://sakuraura.blog.fc2.com/blog-entry-4318.html


では最初にダイムラー(車名:メルセデス・ベンツ)の日本でのリコールの話から。

<以下引用>
2017.7.22 11:07
ベンツが説明一転、日本でもリコール 対象車種などは不明

 メルセデス・ベンツ日本(東京)は21日、親会社のドイツ自動車大手ダイムラーが実施する高級車「メルセデス・ベンツ」のディーゼルエンジン車のリコール(回収・無償修理)について、日本に輸入された車も対象となると明らかにした。これまでは欧州での販売車と仕様が異なるため、リコールの対象外と説明していたが、本社からの通知で説明を一転した。

 ベンツ日本は「本社から欧州と同様の対応を取ると説明を受けた」と表明。リコールの開始時期や対象車種についての情報はなく「詳細が判明次第、適切に情報提供していく」と説明している。ベンツ日本は、主力の「Eクラス」をはじめ日本でディーゼル車14車種を展開しており、平成28年に販売した6万7千台のうち約2割をディーゼル車が占めている。

 ダイムラーは18日、欧州で販売した300万台のリコール実施を発表した。排ガス規制逃れのための違法ソフトウエアを搭載している疑いが浮上し、ドイツ当局が調査に着手している。不正の有無は明らかにしていない。
<引用終り>


さてでは日本はどうかというと、国土交通省からこんな報告書が出ている。
排出ガス不正事案を受けたディーゼル乗用車等検査方法見直し検討会
(中間とりまとめ)
http://www.mlit.go.jp/common/001129370.pdf
2017-7-22排ガス問題報告書1 

排出ガス路上走行試験等結果取りまとめ
http://www.mlit.go.jp/common/001121838.pdf
2017-7-22排ガス問題報告書2 

ここにこんなグラフがある
2017-7-22排ガス問題報告書3 

日本の官僚はこんな所はしっかりしている。VWの不正が明るみに出たのは2015年9月。直後の10月には「日本は大丈夫か」と検証チームを作り、国産車6台・外国車2台を選んで走行テストを行っている。上掲リポートはその中間報告。

中間報告ではあるが、調査した国産車6台、外国車2台ではVWのような不正は見つからなかったと書いてある。
上掲グラフはその国産車6台の排ガスのうちNOxのデータ。赤線が規制値なので各車とも規制値をクリヤー(*印はドライバーを変えてクリヤー)しているが、これはあくまで台上試験での話。ディーゼルの場合、実際の路上走行では外気温や渋滞などで大きく数値が変わることは分かっており、ある程度は許容されている。このグラフは規制値を飛び出した部分が多いが、この程度は各社とも申告済である。
(注:この現実の路上でのエミッションについてはRDE(Real Driving Emission)と言って、いま世界の自動車メーカーの課題だが、確立されていない)

上掲グラフはこの問題の難しさが良く分かる。例えばランクル・プラドの場合、同じところの往路と復路でまったく違うデータになっているが、これは外気温が下がったことと渋滞でのノロノロ運転が理由らしい。こんな時EGR(排ガス再循環装置)を止め、SCRへの尿素水噴射も止めたりするので、NOxは急増するとの事。難しいですね。

特に外気温の影響は大きく、外気温が10度を下回るとEGRを止めたり、尿素水噴射を止めたりするので、NOxは急増する。上掲報告書には東京の1年間の外気温の変化のグラフが添付されている。

2017-7-22排ガス問題報告書4 

例えば外気温10度未満が問題となれば、東京の場合でも1年の約1/4がそんな時期。難しい問題だと思います。また欧州はもっと寒いのでさらに深刻と言えますね。

尚上掲中間報告書はVW問題から測定方法や問題点など非常に詳しく、大変興味深いです。
また紹介したグラフには外国車2台がデータがありませんが、クルマはベンツとBMWです。どうして外したのか分かりませんが、何かの忖度(???)でしょうかね。
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2017-07-17 14:39

ダイムラー、100万台以上で排ガス不正の疑い=南ドイツ新聞

 VWの排ガス不正が明るみに出て間もなく2年。その時はあまりの台数の多さと多額の罰金・補償金で大騒ぎになったのだが、その後パッタリ話が聞こえなくなった。
そして先月、こんな話が聞こえてきた。とうとうメーカーや政府ではなく自治体や裁判所が問題提起し始めたという事である。
「不正まみれディーゼル車、欧州都市で規制の波」

そして今回遂に自動車の老舗中の老舗ダイムラー(旧社名:ダイムラー・ベンツ、車名:メルセデス・ベンツ)も矢張り排ガス不正の疑いがあることが分かった。

この話で私は最初から不審だったことがある。つまりこの不正問題はディーゼルエンジンの画期的な技術革新、コモンレール技術から出発している。そして私はタイ時代にその新技術についてちらっと聞きかじったことが有ったが、当時の私にはそれ以上理解不能な高度な話だった。(この当時でさえ燃料を1800気圧まで加圧し、1爆発あたり複数回噴射する。想像できない世界)
簡単に言えばあまりにも難しい技術で、日本のデンソーとドイツのボッシュにしか出来ない。そんな話だった。(最近確認するとメーカーは他にシーメンスとデルファイが製造しているが、多分ボッシュの技術指導で製造しているのだろう)
そして今回のVWの排ガス不正は当然メーカーのボッシュが絡んでいる筈で、そうなればほかのメーカーも大なり小なり不正がありうる話。

参考エントリー
VWの不祥事発覚に思う事
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1166.html

そんな事なのだが、ついにダイムラーにも問題があることが指摘された訳だ。先ずはその報道を。

<以下ロイターより引用>
http://jp.reuters.com/article/daimler-emissions-idJPKBN19Y0A6

ダイムラー、100万台以上で排ガス不正の疑い=南ドイツ新聞
 2017年 07月 13日 13:18 JST 

[ベルリン 12日 ロイター] - 南ドイツ新聞は12日、ドイツの自動車大手ダイムラーが、基準を超える有害物質を排出する車両を欧米で100万台以上販売した疑いが出ていると報じた。

シュツットガルトの裁判所の捜査令状を引用して報じた。地元放送局WDR、NDRとの共同調査で明らかになったとしている。

問題の車両は、2008年から2016年にかけて欧米で販売されたもので、高級車メルセデスベンツも含まれる。搭載エンジンは「OM642」「OM651」で、シュツットガルト検察当局は、テスト走行の際に有害物質の排出水準を操作する装置が使用されていた可能性を調べているという。

同紙は、問題の車両が欧州で販売禁止になる恐れもあると報じている。

ダイムラーの広報担当は、この報道について「憶測」にすぎないとコメント。車両が販売禁止になる恐れはないとしている。

検察当局はコメントを控えた。

<引用終り>


そしてこれからが厄介な話。今回の不正問題ではメーカー、規制当局の官僚、政府(含むEU)、労働組合、こんな所が全てはっきりものを言わない。だから何がどうなっているのかさっぱりわからないという現状がある。

ある自動車ジャーナリストの方は、排ガス不正の対象のVWに試乗してきてこんな事を言っていた。
まるで不倫体験…インチキしていたゴルフ・ディーゼルはすばらしかった!
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20151122/zsp1511221000001-n1.htm
「不正ソフトを積んだゴルフ・ディーゼルのレンタカーに乗りました!
 で、どうだったか?
 もんのすごく良かったです。
 こう書くと不倫体験のようですが、なにより驚くべきはエンジンのレスポンスが抜群で、ガソリン車みたいに軽やかに回ることだった・・・以下略」

不倫体験(笑)、まさしくこれがこの問題の根っこの部分にある。排ガス問題を頬被りして快適な車をエンジョイする。そういう事だ。
結果はロンドンもパリもベルリンも大気汚染に苦しんでいる。

こんな問題の背景にドイツ問題、ドイツの国民性が潜んでいる。
例えばトヨタはVWと二度も提携しているが、いずれも苦い経験をしている。
トヨタとVWの「苦い過去」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1303.html

このエントリーでノッチmrngさんからこんなコメントをいただきました。
『「あるウソつきのブログ」さんの昨年9月26日のエントリーで『俺ら日本人技術者の間では、ドイツ人と言えば、「他人には超厳しいくせに自分には超甘い」が通説になっていた。(中略)』とあり、ものづくりに関してドイツ人と日本人は勤勉さで似ていると思い込まされてきたんだなと認識を新たにしました。
この引用されているブログはこれです。
http://blog.goo.ne.jp/jpakiyo/e/ed41e805a7b9c69a34832913138005db

こんなドイツの国民性が実は全く関係ないのですが、こんな事例にも表れています。
『ドイツ外務省「非人間的で残酷」』
「日本の死刑執行非難」
https://this.kiji.is/258416532590937591


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2017-06-30 16:48

不正まみれディーゼル車、欧州都市で規制の波

 フォルクスワーゲンの排ガス不正問題が発覚してから間もなく2年、しかしその後一体どうなったのかさっぱりわからない状態が続いていたのだが、とうとうメーカーや政府ではなく自治体や裁判所が問題提起し始めたようだ。

最初にこれはWSJの記事のタイトルバックの画像、
スモッグに包まれたドイツの町の写真なのだが、これが自動車の町シュツッツガルトなのだとか。

2017-6-30WSJ1 

不正まみれディーゼル車、欧州都市で規制の波
裁判所や環境団体の圧力、自治体が通行禁止や制限に動く 
スモッグに包まれたドイツのシュツットガルト IMAGO/ZUMA PRESS
By William Boston
2017 年 6 月 28 日 15:26 JST 更新

 【ベルリン】ディーゼル車の有害な排出ガスへの警戒が高まる中、ミュンヘンやマドリードなど欧州の大都市ではディーゼル車の利用制限や通行禁止が広がっている。膨大な数のディーゼル車を販売する欧州自動車メーカーにとっては大きな問題だ。

 複数のスキャンダルによってディーゼルエンジンがこれまで宣伝されていた以上に空気を汚染していることが判明したが、各国政府の対応は遅れがちだ。その一方で環境保護団体からの圧力を受けてこうした都市が反ディーゼル車運動の先頭に立ち始め、欧州の自動車メーカーも今後の方針を再考せざるをえなくなっている。

 環境税の導入やディーゼル車両の利用禁止を進める、あるいは考慮している都市の中には、自動車大手 BMW の本拠地であるミュンヘンとダイムラーやポルシェが本社を置くシュツットガルトが含まれる。メーカー側がディーゼルをクリーンにできないのであれば、われわれがクリーンにする――。それが各自治体のメッセージだ

 環境調査に取り組む非営利団体、国際クリーン交通委員会(ICCT)のレイ・ミンハレス研究員は「市民や自動車メーカーに対し、いま求められているのはクリーンな自動車だと自治体が示している」と話す。ドイツ自動車大手 フォルクスワーゲン (VW)の排ガス不正は同委員会の調査によって判明し、すでに2年にわたりディーゼル車の規制に関心を集めている。

米国より欧州で深刻

 米国で明らかになった排ガス不正問題は、その後、他の自動車メーカーにも広まった。米国内ではディーゼルエンジンを搭載する自動車は全体の5%に満たないが、欧州では新車販売台数の半分がディーゼル車であり、現在、約8500万台が走る。

 気候変動対策として大胆な二酸化炭素排出量の削減目標を設定した欧州連合(EU)は、重要な役割を担っている。

 欧州の中でも特にドイツの自動車メーカーは、二酸化炭素排出量を削減するためにディーゼル車の販売に力を入れた。ディーゼルはガソリンよりも効率よく燃焼するため、燃費もよく、二酸化炭素の排出量も少ない。そのため業界も積極的にディーゼル車を売り出し、欧州各国の政府もそれを支持した。1990年代以降、各国はディーゼル車に低率の税金を適用し販売を補助してきた。

 気候変動だけが問題ではない。ミンハレス氏が共同で執筆した研究によれば、ディーゼルエンジンが排出するある汚染物質は、それだけでも2015年に全世界で10万7600人の若年死につながった。死者数の約80%は欧州、中国、そしてインドの住民だった。

 だが自動車メーカーがディーゼル車の販売から離れつつ、EUが設定した温暖化ガス排出量削減の目標に到達することは困難だ。電気自動車(EV)はいまだ全世界の自動車販売台数の2%にも満たない。プラグインハイブリッドも含むすべての新車EVは、EUで昨年販売された1460万台の新車のうち、わずか1%を占めるのみだ。

2017-6-30WSJ2
パリ:1997年製以前のディーゼル車通行禁止(7月に2001年製以前も)25年全面禁止。
マドリード:2025年に市中心部からディーゼル車を排除。スモッグ警報時に流入制限。

2017-6-30WSJ3
ロンドン:排出量が多い車両に高額の通行料を課す「超低排出量ゾーン」を2019年開始。
アテネ:2025年に市中心部からディーゼル車排除。

2017-6-30WSJ4
オスロ:1月にディーゼル車一日締め出し(欧州初)。料金所設置、高額通行料を課金。

2017-6-30WSJ5
香港:ディーゼル車からクリーンな代替車への乗り換えに補助金。
ソウル:市中心部に低排出量ゾーン(2006年製以前のディーゼル車は通行禁止)。

2017-6-30WSJ6 
ミュンヘン、シュツットガルト、ハンブルク:旧型のディーゼル車を市中心部から排除または制限する計画を策定中。ハンブルクは2030年までにディーゼルの市バスを代替予定。
PHOTOS: BLOOMBERG (PHOTOS)

 ドイツの自動車メーカーや労働組合は、今後の生計にどのような影響が生じるか不安を抱えている。BMW、メルセデス・ベンツ、アウディやポルシェといったドイツのトップブランドは、欧州で販売する車の半数以上にディーゼルエンジンを搭載させている。

 ダイムラーのディーター・ツェッチェ最高経営責任者(CEO)は今週、ディーゼル車の「利用禁止は政治的な反応だ。実際に履行することはできないため、真の変化をもたらすことはない」とした。

 ドイツ最大の産業労働組合、金属産業労組(IGメタル)も、ディーゼル車を禁止することで低所得層のドライバーが一方的に影響を受けるなどとし、反対の姿勢をとる。IGメタルは自動車メーカー側に古いエンジンを改善する義務があり、政治家にもEVの推進や技術に投資し、交通情勢を改善する義務があると主張。IGメタルの幹部の1人、ローマン・ヅィツエルスバーガー氏は、「こんな見境のない命令はナンセンスだ」と述べる。

ドイツ車メーカーと駆け引き

 ドイツの自動車業界はディーゼル車の利用禁止が撤回されるならば、国内を走る中古ディーゼル車のソフトウエアを更新し、現代の排出基準にまで向上させると取引を持ちかけている。だがドイツで利用されている1500万台のディーゼル車のうち、約半分は古すぎて改修することすらできない状況だ。

 規制を進める自治体のトップは、他に選択肢がないと話す。大都市は交通の要であるため、空気汚染が進む。またVWのスキャンダルによって「ディーゼルはクリーン」という概念が覆されたため、何かしらの対策を取るように法廷からの命令も次々と出されている。

 ディーゼルエンジンはドイツのルドルフ・ディーゼルが発明した。車社会となった現代のドイツでは、まずシュツットガルトが来年から規制を始め、最新型のものを除き、ディーゼル車両の約90%の利用を禁止する。同じような対策を考慮しているミュンヘンも裁判所からの命令を受け、今週中に汚染を大幅に改善する案を提出しなければならない。

 パリでは1997年よりも前に製造されたディーゼル車の通行が禁止されている。7月からはさらに拡大し、2001年よりも前に製造されたディーゼル車まで規制対象を増やすことが決まっている。これによりフランスの重量積載物車両の5分の1が影響を受け、その他のディーゼル乗用車も少ない割合ながらパリを通行できなくなる。

 ロンドンのサディク・カーン市長は、高額な通行料金を徴収する「超低排出量ゾーン」を2019年から設けると発表。排出量が多い車両から徴収する通行料金を増額すると4月に述べた際、カーン氏は「ロンドンの空気は殺人的だ」と話した
(引用者注:2年前にロンドンに3週間滞在した人から聞いた話、その人は名古屋市内在住だがロンドンでは鼻の穴が真っ黒になるとか、穿いているズボンを洗濯すると一度では綺麗にならず、二度洗いせねばいけないとか、日本では一度も経験したことのない空気の汚染だったとの事)

 ノルウェーの首都オスロでは、街がスモッグに包まれた1月にディーゼル車が規制され、違反者には180ドル(約2万円)を科した。規制は午前6時から午後10時までだったが、風向きが変わりスモッグが晴れると解かれた。

 このような動きは欧州以外の都市にも広がる。メキシコシティも12月に開催された会合でパリ、アテネ、そしてマドリードの市長と歩調を合わせ、2025年までにすべてのディーゼル車の利用を市内で禁止するとした。ソウルも2006年以前に製造されたディーゼル車が市の中心地区を通行することを規制する予定だ。

 ミュンヘンのディーター・ライター上級市長は今月、「通行禁止を話し合うことは大切で、正しいことだ」と話した。
<引用終り>


こんな問題を取り上げると、「じゃあ、日本はどうなってんだ」という疑問があると思う。先ずはこれを見てください。
2017-6-30石原都知事ペットボトル会見 

これは1999年(平成11年)11月、当時の石原東京都知事がペットボトルにディーゼル車の排ガス中の煤を入れて記者会見し、排ガス規制を訴えた時のモノ。
石原都知事の力は大きく、排ガス規制が一気に進んだが、当時は「魚を積んだトラックが東京の市場に入れない」とか、「車の買い替えをしないといけないがカネがない」とか大変だった。
2003年(平成15年)10月からは古いディーゼル車は走行禁止になったので、ご記憶の方も多いと思う。


では欧州でなぜこんな問題が大きくなったのかと言えば、ディーゼルエンジンの画期的な技術革新が挙げられる。コモンレールというその技術は黒煙もなく、音もディーゼル特有のガラガラ音も無く、非常にパワフル。大変素晴らしいものだが、残念ながら排ガス規制はクリヤーできなかった。そしてVWのようにごまかしソフトで排ガス規制をクリヤーしたかに見せて「クリーンディーゼル」と見せかけのクルマを売った。
ドイツは環境先進国のはずだったと思うのだが、一体どうしてしまったんだろう。
この間の事情はタイ時代に色々知った話があるので、以下ブログ参照ください。

「VWの不祥事発覚に思う事」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1166.html


またドイツの経済力が強靭だという事に関しては以下参照ください。

「ドイツ問題とVW不正」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1170.html

特にこのドイツ問題に関しては、「他のヨーロッパ諸国と比べて、ドイツが余りに強靱で、その経済パワーが大きすぎた」,そしてもう一つ、「皮肉にも選挙の洗礼を受けていないテクノクラートたちに経済の運営を委ねている」、この事が英国のEU離脱などの現象の背後にある。
今後も注意してみていかねばいけない事と思います。

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2017-06-24 15:45

ロボット時代の工場と働き方

 年々進化するロボット技術、日経がアメリカの自動車産業のロボットが増加の一途をたどっており、生産の伸びに雇用が追い付いていないことが問題と論じている。
この記事は大変面白いものの私には違和感もある。単に雇用問題というより「ヒトの働き方」に対する問題提起であり、さらに教育にも関係する問題だと思えるからなのだ。

最初にその日経記事、その言わんとすることをかいつまんでみてみたい。全文は下記リンク先参照ください。

【ロボット 自動車の町が直視しない「不都合な真実」】 
2017/6/19 2:00

 米自動車産業の雇用がなかなか改善しない。多くの研究者が原因としてあげるのは、ロボットによる急速な生産効率化だ・・・という書き出しで始まり、ロボットとの共生は可能かをレポートとの記事。
主な内容は
・急増するロボット、6年前の7割増
・しかし労働者の受け止め方は、雇用に対する敵はロボットより自由貿易
・AIの進化で、今回の自動化は別次元

こんなことで、この記事、AIと共存できる人材の育成を進められるか。自動化で先行してきた米自動車メーカーが直面する課題、それは全ての産業にあてはまるといった問題提起したもののその先がなかなか見えてこない。こんな記事を書いた日経の中西豊紀記者さんは何が言いたかったのだろう。

そして最後にこんな図が
2017-6-21ロボット問題まとめ 

だが中西記者さんにはお気の毒ながら、これは結論が出ている。
若し機械と戦うなら・・・最後はラッダイト運動になる。機械の打ち壊しだ。

ラッダイト運動
2017-6-21ラッダイト運動 


ではロボットとヒトはどういう関係になるのか。
・ ヒトがロボットを作る
・ ヒトがロボットを使い、メンテナンスをする⇒これが重要
・ ヒトがロボットを改良進化させ、最後は廃棄する
要するに、人間が機械を、ロボットを使うのである。

私はこの状態を、「現代の生産ラインは保全マンがモノを作るんだ」、こんな言い方をしていました。言うは易くですが、これを実地で行うにはとんでもない努力が要ります。保全マンには毎日の勉強と訓練が欠かせません。
特に現代の保全マンは例えば溶接ロボットのメンテのためには「手作業で溶接がきちんとできるだけの溶接スキルが必要」、こんな事が言えます。難しいですね。


さてそれでは私が一番違和感を感じるのは、本文中に有ったこんなグラフ。

2017-6-21ロボット問題 

このグラフは、付加価値額の伸びに対し雇用者数が頭打ち、こう言いたいためのグラフだ。

しかし考えて欲しい。もし付加価値額の伸びと同じ割合で雇用者数も伸びていたら・・・
この会社は何の改善もせず、仕事量の増には「人海戦術で対応」していると解釈される。現在の厳しい産業でこれは致命傷と言って良い。いくらアメリカの経営がのんびりしていても、今時こんな事はしていないはずだ。
特にアメリカの自動車メーカーは日本との競争の過程で日本式の生産方式を学んでいる。GMならトヨタとの合弁会社NUMMI(今は提携解消されたが)、フォードはマツダとの提携でしっかり学んでいるはずだ。更にトヨタ生産方式はMITでリーン生産方式と名づけられて普及されている。この件はGEでのリーン生産方式について以下ブログで紹介しました。
日本は孤立国では無かった

この記事を見るとアメリカの生産方式も相当部分日本式を取り入れ、量が増えても自動化などで簡単には人を増やさなくてもやっていける。そんな実態が有るのだと思う。
そして新聞記者さんは勉強不足なので、こんな産業の体質の変化が分からないのだ。


所で冒頭書いたこの件が従業員の教育問題に関係するという話、こんな例で考えてみたい。

例えばある「溶接工程」を考えてみる。
従来⇒溶接工は与えられた部分の溶接をするだけ、量が増えれば残業なり人員増加で対応する。勿論教育も必要だが、担当溶接工程だけ。
要点は・・・言われたことをやるだけ、いわば奴隷労働である

ロボット導入後⇒仲間の溶接工の一人は溶接ロボットのメンテナンスで残ったが、部品の清浄度とかシールドガスの管理だとか、それなりに大変らしい。俺たちは新しい切削加工工程を担当。当然新しい工程をイチから覚えねばいけない、とても大変だ。しかし俺たちの仕事は良い車を作ってお客様の期待に応える、その為にこの工程はこんな風にやってゆく。こんな考え方で取り組んでいる。当然ながらCS(customer satisfaction, 顧客満足度)などというものを勉強していかねばいけない。品質管理だの6σ(6シグマ)だのと面倒だなあ・・・。
恐らくこんな事が工場では起こっているだろう。それに耐えて雇用は守られている、こんな発言になっていると思う。
実は最近ナショジオ(ナショナル ジオグラフィック:National Geographic ドキュメンタリー専門のテレビチャンネル)を見ているとこんな番組がしょっちゅう放映されている。ヒトの意識が変わってきた、その一つの現れなのだと思う。
そして要点は
仕事に目的をもって取り組んでいる。仕事の目的が会社の方向と合致している。労働の尊厳というものが有る仕事と言える。

こんな事が言えると思う。

一寸ネガティブな事例を考えたい。エアバッグのトラブルを抱える「タカタ」である。私は問題点を報道で知るだけなのだが、知らない会社でもないので問題が一刻も早く解決してほしいと願っていた。だが民事再生法の適用を申請せねばいけない所まで追い込まれた、残念である。
タカタの製品のうち、メキシコ工場製だけが問題を起こした、しかも原因が良くわからないのだという。率直な感想はメキシコの罠に嵌ったなあ、こんな感想だ。残念ながらメキシコは民度から見てもモノづくりに不向きな国柄。例えばこんな事例がある。
VWのディーラーで日本に輸入されるVWの整備をされていた整備士の方から昨年暮れに聞いた話。日本に入ってくるVWはモデルごとに生産国が分かるのだが、最悪の品質がメキシコ工場製のクルマ。酷いものでは4枚のドアの取り付けボルトが全部ガタガタに緩んでいたこともあったと言っていた。
まあこんなクルマが工場の門を出られる体質の国がメキシコ、そう理解してよいと思う。


こんな体質の所に日本式の物作りなど定着させるのは大変である。私はそんな時、全人格で勝負だぞ、一挙手一投足まで教え込むくらいの覚悟でかからないと教えきれない。そんな事を言ってきました。しかし言うのは簡単ですが実際は並大抵ではない。これからの日本人の課題ですね。

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2017-01-12 10:30

VW、世界販売首位へ 16年、1031万台 トヨタ超えほぼ確実


 一昨年9月に発覚したVWの排ガス不正問題。この続報が絶えて久しいのだが、それでも2016年の世界販売台数はVWが世界一になったらしい・・・???。

最初に其れを伝える報道から

<以下引用>

VW、世界販売首位へ 16年、1031万台 トヨタ超えほぼ確実
2017.1.11 00:38     

 ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は10日、2016年のグループの世界販売台数が前年比3・8%増の1031万2400台だったと発表した。VWとしては過去最高。通年で4年連続世界販売1位のトヨタ自動車を抜いて首位に立つことがほぼ確実になった。

 VWは15年9月に発覚した排ガス規制逃れ問題の影響や一部新興国の景気減速に苦しめられているが、中国市場で販売を大きく伸ばした

 トヨタは昨年12月、16年のグループ世界販売台数が1%減の1009万台になるとの見通しを示していた。

 VWの地域別は、問題が最初に明るみに出た米国が2・6%減、景気の冷え込むロシアが4・3%減。ブラジルも33・9%減と大きく落ち込んだが、規模の大きい中国市場が12・2%増で全体の販売台数を押し上げた。(共同)
(引用者注:日本のVW販売台数は13.8%減)
<引用終り>


 VW頑張ってますねえ。まあ何はともあれ車が売れ、決算も黒字に転換したそうで、目出たいことでは無いですか。頑張ったVWさん、おめでとう!。

所でせっかく世界一になったんですから、VWさんもそろそろ世界一らしい事をやったらどうなんでしょうか。
それはあの排ガス不正問題の中身をきちんと公表することです。
該当車両は1100万台と言います。とてつもない台数ですよね。
でもこの排ガス不正車、リコールはどうなったんでしょうか???。それから排ガス対策はいつのクルマからやるんでしょうか。
普通なら排ガス対策前と後でこんなに性能が変わったとか、そんなレポートが有っても可笑しくないのですが、まったくありません。

これは下衆の勘繰りですが、VWさんは全部頬かむりをして逃げたつもり、アメちゃんにはシコタマ罰金を払ったんだからいいだろ、こんな所なのではないでしょうか。
その為の免罪符が世界ナンバーワンの勲章。不正はあったんだが、それでも販売台数世界一だ、だからもうこの話はチャラ。こんな所と、これは下衆の勘繰り、本当かどうかは皆さんで考えてください。
でもこんな事がまかり通ると、その裏返しでドイツ辺りの反日が益々酷くなりそうで心配ではあります。

参考記事
フォルクスワーゲンみそぎなき黒字回復、排ガス不正はなかったことに?
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/06/post-5367_1.php

Newsweekでも問題にして記事にしているのだが、その後も何の音さたも無し・・・

トヨタHV、欧州販売40%増 VW不正で追い風 ディーゼル車は「消えゆく存在」

ディーゼル車は「消えゆく存在」、この一言が大いに気になるのです。実は現在のディーゼル車は一昔前の物とは全く違う、実に素晴らしいもので、私のタイでの経験でも素晴らしいものです。
その顛末は以下ブログ参照ください
VWの不祥事発覚に思う事

現在のコモンレール・ディーゼルではどうしてもクリヤー出来なかった反ガス規制。マスコミからは「消えゆく存在」とまで言われているが、しかし最近マツダが全く革新的技術で排ガス規制をクリヤーするディーゼルを出してきている。
新しいディーゼルで排ガス規制がクリヤーできる日を期待したいところです。

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2016-10-03 17:25

トヨタとVWの「苦い過去」

 ドイツの話をいろいろ書いてきたのだが、もう一度VWについて考えてみたい。
VWによる排ガス規制逃れ問題、大きな問題なのだが最近あまり報道がない。しかしVWはどうも日本のメーカーとはかなり違う考え方で車づくりをしているのではないだろうか。
ちょうどいい事例がある。トヨタが過去に2度VWと提携したことがある。その苦い経験などを踏まえて考えてみたい。

最初に現在のクルマのビッグ・スリーはトヨタ・VW・GM。
その世界販売台数はこんな風になっている。

2016-10-3世界の自動車メーカー別販売台数ランキング

世界全体で見るとトヨタ・VW・GMはほぼドングリの背比べ状態、この図は2015年だが、2016年1月~8月を見るとVWがトップだが、その差はごくわずか。

さて世界全体はそうだが、特にトヨタとVWの国別販売状況は大きく異なる。
ざっくり言ってトヨタは日本25%、アメリカ25%、中国10%、その他40%と言ったところ。
一方にVWは欧州40%、中国40%、その他20%、こんな風でVWはアメリカでまったく売れていない。

Yuyuuさんが以下ブログで指摘されているが、VWのアメリカでのシェアーは僅か2%ほど。
米独・冷凍チキン戦争と日本車の進出
http://yuyuu2013.blog.fc2.com/blog-entry-4415.html


しかし歴史を紐解けば、第二次大戦後真っ先に対米輸出を始めたのはVWだった。その当時のクルマは初代VWビートル(通称カブトムシ)だった。
そしてこの輸出は大成功で、アメリカからは実に好意的に迎え入れられ、ドイツ本国で1978年に生産終了しているのに今なお人気がある。

2016-10-2アメリカに愛されたビートル

そんなVWがいち早くアメリカでの現地生産に乗り出したのが1976年、生産した車は空冷リアエンジンのビートルの後継車ゴルフ(水冷・フロントエンジン・フロントドライブ)のアメリカ版「ラビット」だった。生産したのはペンシルベニア工場。

2016-10-2初代米国生産VWラビット

しかしこのアメリカ進出は失敗だった。生産した車はVWの初代ゴルフを一部変えたものなので決して悪い車ではないはず。
しかし品質は劣悪で不人気者になってしまい販売不振。85年には2代目ゴルフ・ジェッダを生産開始したが人気は回復せず。
結局VWは進出10年でアメリカから撤退した。

こんな事情が現在に続くVWのアメリカでの販売不振のルーツである。

その後20数年たって、2011年にVWは新しい工場を建設した。テネシー州チャタヌーガにこの工場はある。
以下参照ください。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-304.html

このエントリーを見ていただくと分かるが、VWのアメリカ工場の人件費は当時のトヨタやホンダの工場の約半分。
これが私にはとけない疑問点なのだが、この件はちょっと置いておきます。


さて本論です。
トヨタとVWは過去に2回業務提携しています。
一つはVW車の販売をトヨタ系列で行うけんでトヨタDUO店、2010年に販売終了しています。
もう一つがガソリンエンジンの直噴技術(筒内噴射技術)でトヨタのD-4エンジンの技術をVWに供与するものでした。
この件は以下参照ください。
http://d-wise.org/b9910/car.pdf


散々前置きが長くなりましたが、そんな経緯に関してこんな記事があります。

2016-10-3トヨタとVWの苦い過去
http://news.livedoor.com/article/detail/10307753/


しかし幸いなことにこの記事がアーカイブで見ることが出来た。そこでこれを紹介したい。
元記事は「週刊現代」2015年7月4日号より。


<以下引用>
https://web.archive.org/web/20150707010154/http://news.livedoor.com/article/detail/10307753

トヨタとフォルクスワーゲン社の「苦い過去」 国民性の違い浮き彫りに

2015年7月4日 6時0分

ざっくり言うと

これまでに2度フォルクスワーゲン社と業務提携を結んだことのあるトヨタ
トヨタ側の社員が技術を教えても、VW側が教えることは一切なかったという
時間になるとすぐに仕事を切り上げて帰るなど、日本とは正反対の姿勢だった

【戦後70年特別企画】 ドイツ人と日本人。同じ敗戦国なのに、なぜ世界の評価がこんなに違うのか

2015年7月4日 6時0分 現代ビジネス

70年前、戦争に敗れた時点では、まだ同じスタートラインにいたはずだった。合理的に突き進んだドイツと、似ているようで「和」を尊んできた日本。辿り着いた先にはまるで違う評価が待っていた。

トヨタを悩ませた「壁」
「トヨタはこれまでに2度フォルクスワーゲン社(以下VW)と業務提携を結びました。その間、VWのドイツ人とは技術面から営業面まで様々に協力をしてきたのですが……。最後まで分かり合えることはありませんでした。よくドイツ人も日本人に似て、勤勉で真面目だっていうじゃないですか。確かに仕事に対してはそうだったのですが、人間としては根本的に違うんです」(トヨタ自動車幹部社員)

日本とドイツ-。2つの国は国際社会の中で、しばしば「似ている」と言われる。共に第二次世界大戦の敗戦国ながら、戦後、焼け野原となった自国を科学技術によって立て直し、先進国・経済大国として世界を引っ張ってきた。両国とも世界的に有名な自動車メーカーが多数存在する。

だが、その頂点に君臨する「トヨタ」と「VW」が提携した時、そこで互いが感じたのは、越えようもない「高い壁」の存在だったという。

前出のトヨタ社員が続ける。

「特に技術職の社員は相当辛い目にあったようです。トヨタ側は自社で培った技術を惜しみなく教えるのですが、VW側は一切教えてくれませんでした。『自分たちが世界一の自動車メーカーだ。トヨタから学ぶことなどないし、教える必要もない』と考えていたのでしょう。

でも、仕事中は無駄な会話は全くしないし、緊張感があるから作業効率は圧倒的に高い。決まった時間になるとすぐに仕事を切り上げて帰るし、日本とは何から何まで正反対でした」


いまやドイツは「EUの事実上のリーダー国」であり、経済的にも政治的にも世界に存在感を示している。一方で、日本は「アジア一の経済大国」という肩書を中国に奪われてしまい、かつての輝きは取り戻せないままでいる。

なぜ、両国間の評価には、ここまで差がついてしまったのだろうか。

その理由は先ほどの国民性の違いにあるのかもしれない。「したたかなドイツ人」と、「優しすぎた日本人」。それが両者を語る上でのキーワードだ。
・・・以下略・・・
(詳細は上掲リンク先参照ください、徒に長い駄文ですが・・・)

「週刊現代」2015年7月4日号より

<引用終り>


この記事は昨年9月のVW排ガス不正問題が明るみに出る前の物ですので、そんなつもりで見てください。
そしてこんな所が今回のVW排ガス不正問題につながっているのですが、まったく別の分野でドイツ銀行の問題も根は同じではないかと思うのです。

VWは車の販売で大変頑張っていますが、これが裏目に出なければいいのですが、どうでしょうか。
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2016-07-06 09:17

テスラ自動運転車の事故

 アメリカでは自動運転できる車が市販されていて、先進技術だと騒ぎになっているが、その自動運転車が死亡事故を起こした。
そしてその事故の概要が報道されていた。
亡くなった人には大変お気の毒だが、これからのモノ造りには大いに考えさせられる事例だ。

<以下引用>
http://jp.reuters.com/article/tesla-autopilot-dvd-idJPKCN0ZJ0Z1

2016年 07月 4日 07:48 JST
テスラ車死亡事故、自動運転中にDVD鑑賞の可能性

2016-7-6テスラ事故写真

[ウィリストン(米フロリダ州) 1日 ロイター] - 米電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズ(TSLA.O)の自動運転支援機能「オートパイロット」搭載車による死亡事故で、フロリダ州の複数の高速道路パトロール当局者は1日、事故車内からDVDプレーヤーが見つかったことを明らかにした。  

当局者は電話取材に対し、「車内にポータブルDVDプレーヤーがあった」と説明。ただ、車載カメラは見つからなかったという。  

事故に巻き込まれたトラックの運転手の弁護士はロイターに対し、目撃者の話として、事故後にDVDプレーヤーから映画「ハリーポッター」が流れていたことを明らかにした。  

トラック運転手の弁護士は「ビデオに関しては、事故発生直後に現場を訪れた目撃者がいるが、現時点ではそれを検証できない」と指摘。「ただ、この目撃者は現場に到着した際、ハリーポッターが流れていたと話していた」と語った。  

事故車となったセダン「モデルS」の2015年モデルの運転手が道路を見ていたのかどうかという疑問は、テスラにとって重大な意味がある。同社は、オートパイロットの安全性に関して連邦当局から予備調査を受けている。  

オートパイロット搭載車は運転しなくても、車線内を走行し、スピードを維持できる。同社は1日に声明を出し、「オートパイロットは路上での最先端のドライバー支援システムだ。ただ、これにより、テスラ車が自律走行車になったり、運転車が責任を放棄できたりするわけではない」との見解を示した。  

事故原因については、当局者が最終的な判断を下すまで数週間かかる可能性がある。

<引用終り>


最初にこの事故を起こした車、テスラ「モデルS」はこんな車。

2016-7-5テスラモデルS

かっこいい車ですね。見るだけでほれぼれします。
しかしこの車の概要を知らないとこの事故は分からない。
テスラ「モデルS」はこんな車。
車幅2.2m、車重2.6トンとバカでかい車、当然高価でもあるだろう。
こんなでっかい車でタッチスクリーンのモニターがあるが、カーナビ無し、CDプレーヤーも無し

こんな車なので「車内にポータブルDVDプレーヤーがあった」、こんなことも納得できる。


この事故は起こるべくして起こった事故と言える。
自動車に限らず、自動運転は事故の危険と隣り合わせ。工場にロボットが導入された初期には事故が多発したことを思い出す。
だからどこでもカーメーカーは自動運転には非常に慎重だ。
自身の工場のロボットなどで自動運転の怖さを身にしみて感じているためだ


私はクルマの自動運転は日本の高速道路などのような所でしか成り立たないと思っている。

上掲記事の写真で見るとアメリカらしく郊外の広い道路で建物の点在しているところ。大型おトレーラーが出入りするようなところである。
こんなところを車内にポータブルDVDプレーヤーを持ち込んでそれを見ながら車を走らせている。当然前など見ていない。

現代のハイテクのネガティブな側面が現れた事故なのだと思っている。
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2016-05-22 08:11

「現場の限界認めないといけない」、モノ造りで心すべきこと

 「現場の限界認めないといけない」、こんな事をSUBARUの富士重工社長が言っている事が昨日(5月21日)報道されている。
これは三菱自動車の燃費不正に関しての読売新聞の報道なのだが、大変興味深い記事だ。

全文はこんな感じ、5月21日の読売新聞経済面(8面)記事

2016-5-22読売新聞5月21日縮小版

記事は三菱の問題で、そこに同じ自動車メーカーの社長としての考え方を聞かれた際の回答として記事になっている。
大変興味深い話なので、吉永社長の話を引用したい。


<以下読売新聞より引用>
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160520-OYT1T50168.html?from=ytop_main3


富士重工社長「現場の限界認めないといけない」
2016年05月21日 11時05分

 富士重工業の吉永泰之社長は読売新聞のインタビューに応じ、三菱自動車の燃費偽装問題に関連し、「燃費に限らず、現場が『今の実力では限界』と言ったら、認めてあげないといけない」と述べた。

 目標達成のために経営陣が部下に過度なプレッシャーを与えることを戒めたものだ

 三菱自を巡っては、軽自動車の燃費目標が開発現場にとって重荷となり、不正に手を染めたとみられている。吉永氏は「取り繕う文化はダメだ」と強調。その上で自身については「『(目標を)絶対に達成しろ』とは言わないように気をつけている」とも述べた。

 富士重工業は創業100周年を機に、2017年4月から社名を「SUBARU」に変更する。主に車のブランドとして知られる「スバル」を採用することについて、「規模は小さいが魅力あるブランドになるため、社員の力を結集したい」と狙いを語った。

<引用終り>


目標必達、誰でも一度は言ったり聞いたりした言葉である。
がしかし、この言葉の中にこんな不正問題の真因が潜んでいる。これが三菱問題の真相のようだ。

『今の実力では限界』と言ったら、認めてあげないといけない」
これを安易に認めれば、皆が「出来ません、出来ません」と言いだして、これならサボった方が勝。
しかしそれを、どうしても無理なものを無理やりやらせると不正が起こる。

これは各自動車メーカーがこの問題で散々苦労してきた。
例えばトヨタは生産販売台数にこだわって失敗し、豊田章男社長は「もっといい車を造ろうよ」に目標の大転換を図った。
つい最近もホンダが矢張り「生産販売台数目標にこだわり過ぎた」と反省し、新社長のもと立て直しに取り組んでいる。
VWだって排ガス不正問題の真因はこんな所だ。

そしてこんな問題は意外な問題をクローズアップさせている。
人の評価、企業の評価で減点主義の弊害である。

ある持ち点を持っていて、目標未達だと減点。目標達成してもある範囲は持ち点の範囲なので特別評価しない。
こんな評価システムが結構アチコチに有る。
例えば「休まず働かず」をモットーにしている痴呆公務員などはこの典型だろう。
働かなければ、「ノープレー、ノーミス」で減点されない、だから働かない事が美徳になっている。

目標必達、これが無ければ企業の発展はない、当たり前の話である。
がしかし、そこにはある限度があり、人の能力や経営資源にも限界がある。
そんな事を考えさせられる話である。
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2016-02-09 17:22

混沌とする米VWディーゼル車オーナーへの補償案

 VWがドイツでリコール作業開始したと報道され、それを2月6日にエントリーした。
「VWが独でリコール開始<排ガス不正問題」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1224.html


しかしそのリコールの詳細についてはさっぱり分から無かったが、アメリカでのリコールがどうなるかが垣間見える話が有った。

その前段として、アメリカでのリコールはVWのリコール計画が米規制当局によって却下されている。
「カリフォルニア州、VWのリコール計画却下」
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1214.html

そして、そのカリフォルニアでのリコールを如何するか、今回実に興味深い話が報道されている。

VWのリコールがどんなものか、そんな事が推測がつくものだ。

<以下引用>

VW賠償担当者、米オーナー9割が受け入れる提案目指す=独紙
ロイター 2月8日(月)11時1分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160208-00000026-reut-bus_all


 2月7日、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車排ガス不正問題で、同社補償基金の責任者であるケネス・ファインバーグ氏は、米国のVWディーゼル車オーナー、約60万人の9割程度が受け入れる補償案を提示するとの考えを示した。

[フランクフルト 7日 ロイター] - 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車排ガス不正問題で、同社補償基金の責任者であるケネス・ファインバーグ氏は、米国のVWディーゼル車オーナー、約60万人の9割程度が受け入れる補償案を提示するとの考えを示した。

独紙フランクフルター・アルゲマイネ日曜版が伝えた。

ファインバーグ氏は同紙に対し、VWは対象車のオーナーに対して現金を支払うのか、車の買い取りをするのか、車の修理あるいは交換を行うのか、まだ決めていないと発言。

VWと当局が意見の相違を乗り越えない限り、私は手出しができない」と語り、60─90日以内に補償基金を設立するという自身の目標を達成できる可能性は低いとした。

これまで、英BP<BP.L>のメキシコ湾原油流出事故や米ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>の点火スイッチ不具合問題などの補償基金の責任者を務めてきた同氏は、VWの案件では、大多数のオーナーが最終的な提案を受け入れるとの見方を示した。

「過去に担当したBPやGMのケースでは、90%以上が私の提案を受け入れた。VWでもこの水準を目指したい」と語り、VWが補償水準の設定にあたり、同氏に全権を委ねていると明らかにした。

また、基準値以上の排ガス放出による健康被害の訴えを賠償対象とするかどうかについては「含めない方向に傾いている」とした。

排ガス問題の財務面への影響が依然見通せないことから、VWの株価は年初来26%下げている。

<引用終り>


私が注目しているのはこの部分。
VWは対象車のオーナーに対して現金を支払うのか、車の買い取りをするのか、車の修理あるいは交換を行うのか、まだ決めていない

リコール計画が不十分と指摘されたことに関して、「現金を支払い」、「車の買い取り」、「車の修理あるいは交換」のどれにするか決めていない、これは凄い事である。
これでは売った車が使い物にならないという事を言っているようなもの。

このリコールに関しては色々エントリーしてきたのだが、まあ技術的な事も含めこんなエントリーを参照してください。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1168.html

それを踏まえて、上掲の様に「現金を支払い」、「車の買い取り」、「車の修理あるいは交換」、こんな事が未定ではこの問題は解決には相当時間がかかる筈だ。
若し「車の買い取り」なんてことにでもなれば、アメリカは対象が48万台だが全世界では1100万台。
これは一企業で負担できる台数ではない。恐らく何らかの政治決着しかないであろう。

更に厄介なのはこの件が一企業だけではなく、他のメーカーや部品メーカーへの波及は避けられない、更に官僚にも波及する筈だ。
この問題を長年取り組んできたNPOにICCT(International Council on Clean Transportation:国際クリーン交通委員会)という組織がある。ここがアメリカの規制当局と協力して問題提起したという経緯がある。
多分欧州ではお役人もみんなグル、だからこんな風になったのだと思う。根の深い話である。
ICCT(International Council on Clean Transportation:国際クリーン交通委員会)が2014年に公表したレポートはこれです。
「最新ディーゼル車のリアルワールドにおける排出ガス」(英文です)
http://www.theicct.org/sites/default/files/publications/ICCT_PEMS-study_diesel-cars_20141013.pdf

私が排ガス問題で心配するのは日本のカーメーカーには排ガス問題で痛い目に遭った経験があるから。
もう40年も前の話、悪名高いマスキー法の関連で日本では昭和50年・51年規制と言う車の排ガス規制が有った。
これがムチャクチャな難物で各メーカー四苦八苦で対応したのだが、排ガス規制のせいでクルマの動力性能や燃費はガタ落ち。
この規制該当車では「スポーツカーの新車を買って峠道を走ったら軽四にスイッと抜かれてしまった」、こんな話が沢山出てくる位酷かった。
VWも排ガス規制を完全にクリヤーしようとするとこんな可能性があるのではないだろうか。


この問題に関してもう一つ私が心配している事、それは最近ドイツでは猛烈な反日旋風が吹き荒れているらしい事で、どうも2012年秋の中国での反日デモ、2012年12月の安倍政権誕生辺りがその引き金らしい事。
こんな事がVW問題に絡んでこないだろうか、全く関係のない話だが何が起こるか分からないのが今のご時世。
この件は別途エントリーします。
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2016-02-06 16:48

VWが独でリコール開始<排ガス不正問題

 昨年9月に明るみに出たVWの排ガス不正問題。やっとその排ガス不正のリコール修理がドイツで始まった事が報道された。
以下それを報道する時事の記事から

<以下引用>

独でリコール開始=VW排ガス不正
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201602/2016020300608&g=int
 【フランクフルト時事】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、排ガス不正車の国内でのリコール(回収・無償修理)を1月末から始めた。不正が発覚した米国では、規制当局がリコール計画を不十分として認めず、開始のめどが立っていないが、欧州では先行して進めていく方針。
 ドイツでのリコール計画は、昨年12月に独連邦自動車局が承認済み。問題となったエンジンを搭載したディーゼル車のうち、不正なソフトウエアの修正で済む排気量2000ccの一部車種から着手。1200ccは6月末をめどに始める。一部ハードウエアの改修が必要な1600ccは9月末までに実施する予定。
 全世界の不正対象車1100万台のうち、8割近くを占める850万台が欧州連合(EU)域内にある。国別でも地元ドイツが240万台と最多。(2016/02/03-15:13)

<引用終り>

今回のリコール作業は最初にソフト入れ替えだけの車種「2.0TDI」から始め、「1.6TDI」ではソフトだけでなく、「エアフロートランスフォーマー」と呼ばれる部品の追加を行うと公表された。
(ソース:http://response.jp/article/2016/02/03/269063.html

これが追加する「エアフロートランスフォーマー」という部品。エアーフローメーターの所に取り付けるとの事。
2016-2-6VWリコールでの追加部品


この報道で感じること、それはユーザーが一番知りたい事が全く公表され無いまま進んでいる事だ。
ユーザーが一番知りたい事、それはこのリコール改修の前と後で燃費とか加速がどの程度変わるか、そしてその保証・補償はどうなっているかという事である。

先月「カリフォルニア州、VWのリコール計画却下」をエントリーした。

アメリカの規制当局は「修理後に走行性能や排ガス値、安全性にどういった影響が出るかについて十分な説明がなされていない」と指摘している。この状況は変わっていないのだ。
もう一つ、アメリカではリコール車に対して1000ドルの金券を渡すと報道されている。しかしヨーロッパ内ではこれは言及されていない。
しかし「欧州顧客にも補償を EU、米国と同じ対応要請」と報道されている。
(ソース:http://www.sankei.com/economy/news/160122/ecn1601220009-n1.html

こんな状況でこのリコール実施、顧客が素直にリコールに応ずるだろうか。
燃費は悪くなるらしい、性能も悪くなるらしい、補償もないらしい・・・(このアンダーライン部分は推定ですが)
幾ら自国の誇りVWでも、顧客にとっては迷惑以外の何物でもない訳だ。

所で昨年10月にこんなエントリーをした。
「根の深いVW不正問題」

此処にこんなグラフを紹介した。
民間の環境保護団体が車の排ガス規制が可笑しい、そう言う事で実際に路上を走っていた車を調べたもの。

2015-10-3欧州の乗用車排ガス実測データby八重樫さん

実際の使用状態での排気ガス中のNOx濃度をガソリン車(左側・青色)とディーゼル車(右側・赤色)で表したモノ。
横軸は測定した車両の年式、縦軸はNOx濃度、
左側の青四角印はガソリン車の実測値、階段状に下がっているのがNOx規制値。
右側の赤四角印はディーゼル車の実測値、階段状の線は段階的に強化されたNOx規制値。

これを見るとガソリン車は段階的に強化された規制値と実測値がよく合っている。規制が守られた証拠である。
しかしディーゼル車は規制値が段階的に厳しくなってきているが、実測値は古い年式のクルマも新しい年式のクルマも大して変わらない。規制が全く守られていないのだ。
見出しに[emissions enforcement is non-existent]と書いてある。排ガス規制は存在しないと言う意味で非常に強い言い方だ。

今回のVWリコールはこれに対し答えを出さない限り問題が収束することは無い。
先はまだまだ長い困難な道ではないだろうか。
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2016-01-13 17:44

カリフォルニア州、VWのリコール計画却下

 フォルクスワーゲンの排ガス不正問題は中々真相が見えてこない。しかしアメリカ加州から凄い話が聞こえてきた。
VWがカリフォルニア州政府に提出したリコール計画が却下されたのだと言う。

この話を見て私はエマニュエル・トッドの意見を思い出した。
ドイツとアメリカは基本的価値観を共有していないとか、ドイツには根深い反米感情があるなどと言う事だ。
最初に排ガス問題を伝える日経記事から

<以下引用>

カリフォルニア州、VWのリコール計画却下
2016/1/13 4:45 (2016/1/13 10:35更新)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK12H5N_S6A110C1000000/

 【デトロイト=中西豊紀】米カリフォルニア州大気資源局(CARB)は12日、独フォルクスワーゲン(VW)が提出した排ガス不正車のリコール(回収・無償修理)計画を却下したと発表した。内容が法的な基準を満たしていなかったためだと説明している。米国でのVWの信頼回復には打撃になりそうだ。

 VWは2015年11月、排気量2リットルのディーゼル車についてCARBと米環境保護局(EPA)にリコール計画を提出した。それぞれの局は14日までに内容を精査し、計画を認めるかどうか判断する方針を示していた。

 CARBは却下の理由として「法的な要求とは差があり詳細さを欠いている」と指摘。さらに「修理後に走行性能や排ガス値、安全性にどういった影響が出るかについて十分な説明がなされていない」と、技術面での開示姿勢を厳しく評価した。排気量3リットルの車は2月に別の計画提出を受けたうえで評価する方針だ。

 CARBは「今回はより広範な対策を求める措置でもある」という立場で、新たなリコール計画が提出され、それが要件を満たせば承認することを示唆している。CARBがVW側に走行性能を落とさずリコールすることを求めている可能性がある。その場合、「エンジンの交換が必要で事実上不可能」(日系メーカー幹部)で、かなり高いハードルだといえる。

 CARBはカリフォルニア州で独自の環境規制に基づく車を承認している。今回のリコール計画の却下で、VWは引き続き同州でディーゼル車を販売できない。

 一方、全米での販売規制を担当するEPAは、まだ姿勢を明らかにしていない。VWのマティアス・ミュラー社長は13日にワシントンでEPAのマッカーシー長官と面談する予定だ。

 VWの排ガス不正によるリコールをめぐっては2015年末、独連邦自動車局(KBA)がソフトウエアの交換を中心とした計画を承認したばかり。CARBは12日の発表で「VWは環境規制を欺こうという決断をし、それを覆い隠そうとした」と厳しい言葉でVWを非難した。「だます気はなかった」(ミュラー社長)と繰り返すVW側と米当局との溝は深い。

<引用終り>


トンデモナイ話である。それだけカリフォルニア州政府の不信感が強いと言う事だろう。

所で冒頭述べたエマニュエル・トッド氏はこんな事を言っている。
これは週刊現代2015年10月17日号に載った記事。

「VW事件から見えてくる ドイツ最大の弱点」
http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/45706


<以下抜粋引用>

トッド氏は本誌に、続けて言う。

「私はさきほど技術的な評判はあまり問題ではないと言いました。なぜかといえば、排ガスをごまかすための装置というものを作れること自体、技術的に妙技であるといえるからです。

では、私が真に問題と考えるのはなにか。

それは、諸問題を単にテクニカル(技術的)なものとして扱い、モラル(道徳)の面を忘れてしまうという古くからのドイツの傾向です。フォルクスワーゲンのスキャンダルが起きて、世界中の人々はそんなドイツの特質を思い出したでしょう。知っての通り、この種の『中身のない合理性』は、それ自体が危険なのです
・・・中略・・・

「もう一点、付け加えて言いましょう」

トッド氏は言う。

フォルクスワーゲンのスキャンダルは、ドイツ人のアメリカに対する根深い感情について多くのことを教えてくれます。ドイツ人は心の底で、かなり反米の気持ちを強く持っています。ドイツ人はおそらく、リベラルなアメリカの価値観を受け入れないでしょう

<引用終り>

厄介な話である。しかしトッド氏の話を読んでみると確かになるほどと思い当たる。

がしかし、ドイツもアメリカも日本にとっては大事な友好国。(ドイツの反日は一寸別として)
そして中国が破綻寸前のこんな時の揉め事は大変不味いのだ。
この問題が厄介な方向に行かなければいいのだが・・・
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2015-11-02 19:22

自動運転は見果てぬ夢?

 車の自動運転が最近急にクローズアップされている。
東京モーターショーでも話題になっているようだが、機械の自動運転は工場のロボットや自動搬送車などでいろいろ経験してきた。
工場で使っているロボットなどは沢山の事故を経験し、結局人とロボットを完全に分離することで(つまりロボットを織の中に入れてしまう事で)安全に使えるようになった。

所でクルマの自動運転に関して心配されていたことが現実になってきたようだ。

<以下Sankeiーbizより引用>

自動運転「無謀動画」が氾濫 テスラの警告無視 後部座席でチェスや読書…
SankeiBiz 11月2日(月)11時25分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151102-00000501-fsi-bus_all

 米電気自動車メーカーのテスラ・モーターズが導入した新しい「自動運転技術」について、一般公道で無謀な実験を行ったユーザーたちが、続々とその様子を捉えた動画を投稿サイトにアップしている。ハンドルから手を離して新聞を読んだり、運転席から離れて後部座席でふんぞり返ったり…。中には事故を起こしかけた危険なシーンも投稿されている。テスラ側は「システムは未完であり、完全な自動運転ができるわけではない。自動運転中に起きた事故については一切責任を負わない」と警告しているのだが、一部の気の早いユーザーには現状が理解されていないようだ。

・・・以下略、詳細は上掲リンク先参照ください・・・

ではそのテスラSはどんな車かというと

<以下引用>
http://gigazine.net/news/20151016-tesla-model-s-autopilot-review/
2015年10月16日 23時00分00秒
ついに「自動運転(オートパイロット)」を搭載したテスラ「モデルS」実車レビューいろいろまとめ

2015-11-2テスラモデルS

自動運転が可能になりました | テスラモーターズジャパン
http://www.teslamotors.com/jp/blog/your-autopilot-has-arrived
2015-11-2テスラモデルSの自動運転

<引用終り>


 クルマは大変便利なものだが、一つ間違えれば人命にかかわる大事故を起こす。発売したクルマがクルマの構造や機能に関する事故を起せばメーカーの責任が厳しく糾弾される。
クルマのメーカーは何処もそんな経験を持っている。
しかし最近参入した新規メーカーテスラはどうも車の使われ方を勘違いしているようだ。

テスラ側は「システムは未完であり、完全な自動運転ができるわけではない。自動運転中に起きた事故については一切責任を負わない」と警告、こんな事を言っているが、これで事故が起こったら責任は無いと言えないのがクルマメーカーの辛い所。
若し「システムは未完」と言うのなら発売すべきではない。当たり前だ。

こんなモノで事故が起こればメーカーにとっては命取り、これから大問題になるのではないだろうか。
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2015-10-19 19:44

ドイツ問題の現地からの声

 今回のフォルクスワーゲンのはガス不正について、ドイツ問題と言う側面から10月1日にこんなエントリーをした。
ドイツ問題とVW不正
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1170.html


所で週刊現代10月17日号に興味深い記事が2件あった。

最初は裏の桜さんが取り上げたこんな記事
「日本人から見りゃ、ルーズベルトだって同じだよ」
http://sakuraura.blog.fc2.com/blog-entry-3593.html

この記事では以下の緊急インタビューが中心になっている。
【緊急インタビュー!仏学者エマニュエル・トッド「VW事件から見えてくる ドイツ最大の弱点」~やっぱりドイツが世界をダメにする?】

エマニュエル・トッドはソ連の崩壊を人口問題から分析、そして崩壊を言い当てたことで一躍有名になった人学者。そしてハンチントンが文明の衝突で日本を唯一の一国一文明としたことに対し、日本とドイツには類似点があると指摘している、そんな学者だ。

そして裏の桜さんの指摘も事の核心に迫る話、貴重な意見だとおもう。


さてここからが本題。週刊現代10月17日号にはもう一つこんな記事。

日本人が知らない「EUの盟主」ドイツの正体
~VW事件を生み出した「傲慢」「自賛」体質とは

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45705

此処にドイツ在住の川口マーン恵美さんが現地の状況を詳細に語っている。
大変貴重な意見なので以下川口さんの意見全文を引用。

<以下引用>

 ドイツ人というのは、私が見る限り、正しい人間でありたいという願望のとても強い人たちです。倫理的でありたい、正しい行動を取りたい。つまり、周囲から尊敬される人になりたいのです。

そして、正しいと思う行動を取れるとき、彼らは大変幸せで、心洗われた気分になり、自己陶酔に陥る。そういう場合のドイツ人の自画自賛たるや、相当なものです。

さらに彼らの奇妙なところは、ときどき皆がこぞって、突然、理性をかなぐり捨ててしまうことです。そして、倫理観だけを前面にかざし、自己礼賛とともに、非合理の極みに向かって猪突猛進していく。こういう状態になった時のドイツ人は、大変情緒的で、絶対に他の意見を受け付けません。

その良い例が、ドイツの脱原発です。

そもそも、遥か遠い福島で起こった原発事故で、日本人以外でこれほど大騒ぎした国民はドイツ人の他にはいません。ドイツではガイガーカウンターまで売れたのです。

その挙句、'11年6月に、2022年リミットでの脱原発を決め、政治家も国民も一丸になった。彼らの心は、自分たちは自然を愛し、拝金主義とは一線を画す気高い国民であるという誇らしさで満たされました。

しかし、です。

政府は、原発の電気を再生エネルギーで賄うつもりでしたが、再エネはいくら増えても一大産業国の電力を安定供給することはできません。何しろお天気次第ですから。そのため、再エネは急増していながら、結局、原発の減る分は火力で賄っています。ですから今、ドイツでは、再エネの買い取りのための賦課金で電気代が高騰するばかりか、CO2も増えています。

さらに、北ドイツの風力電気を南ドイツの電気消費地に運ぶ送電線は住民の反対で進まず、とにかく問題山積みです。2022年までにCO2をこれ以上増やさず、どうやって原発を止めれば良いのか。これもすべては、政治家と国民の一時の自己陶酔の結果なのです。

非難されるとすぐ攻撃する

2015-10-19メルケル首相

最近、欧州全体を移民問題が騒がせています。この移民問題へのドイツ政府の対応を見ていても、ドイツ人の悪い癖が出ていると感じます。

9月初旬、シリアやアフガニスタンからの移民が漂流し、本当に気の毒なことになっていました。それを見たドイツのメルケル首相は「政治難民の受け入れに上限はない」と大見得をきって、難民のドイツへの移送を決めた。

国民の多くもそれを支持し、それをドイツメディアが人道的と褒め称えた。ドイツはいっぺんに、ウェルカム・トゥー・ジャーマニー一色になりました。

しかし、まもなくバイエルン州のミュンヘン中央駅に続々と難民が到着し始めると、ドイツはパニックに陥ります。そして、一時的にドイツ—オーストリア間の国境を閉めるという事態にまで発展。主要道路でも国境での検問が始まり、あちこちで大渋滞も起きました。

9月だけでバイエルン州には、17万人の難民が入ったようです。ドイツ全体では、今年1年で100万人近くになるだろうと言われています。メルケル首相の人道主義が難民に希望を与えたからです。

しかし、すぐに破綻するこの善行は、本当に「英断」だったのでしょうか。他のEU諸国ではメルケル首相のスタンドプレーに対する批判が続出しています。それに対してドイツは、他国にも難民の引き取りを促す。非難されるとたちまち攻撃に転ずるのも、ドイツ人の特徴です。

そして、フォルクスワーゲンの不正問題です。燃費が良くて、パワーがあって、なおかつ環境によい。そんなディーゼルエンジンを作り上げ、世界中で大儲けしたいという野望があったことは間違いありません。フォルクスワーゲンの経営陣にとっては、心がくすぐられるチャレンジに映ったのでしょう。

実際には、なかなかそんな夢のようなディーゼルエンジンは開発できない。しかし、自分たちにはできるはず。そう思っているうちに魔が差した?要は、ばれなければ良い……。

もし、彼らがこんな考えにとらわれていたのだとしたら、何かが狂ってしまっていたとしか思えません。おそらく不正をしていたという自覚もなかったのではないでしょうか。これは傲慢なことです。

東西ドイツの統一は1990年。西ドイツが東ドイツという破産国を抱え込む形でしたから、ドイツは経済的に一時困窮しました。'98年から'05年まで首相を務めたシュレーダー氏は『アジェンダ2010』という大胆な構造改革を断行し、それまでの「手厚い社会保障」にすらメスを入れました。

その後、改革の効果はゆっくりと現れ始め、2010年頃になって初めて成長という果実をもたらしました。ですからドイツ人には、自分たちが進めてきた構造改革に対する強い自負があります。だから、南欧の破綻国にもそれを強いるのです。

しかし今、EUではドイツのやり方に批判の声が聞かれます。ドイツの交易はEU圏内がメインなので、ドイツが輸出超過になれば、EU内には必ず輸入超過になる国が出る。そもそも、異なる経済力の国が同じ通貨を使えば、経済力のあるドイツにとってユーロは常に安く、輸出は伸びる一方です。そして、他の国々はいつの間にか、輸出など夢に見るしかなくなってしまいました。

しかし、ドイツ人からすれば、この事実は受け入れがたい。自分たちが成長できたのは勤勉と努力の結果だと思っています。ギリシャをはじめとする南欧の国々の経済が低迷しているのは、彼ら自身の責任だと考えるわけです。

そこで援助の条件に、過酷な金融引き締めを要求し、「上から目線」、つまり傲慢だと憎まれる。両者の意見は、今や完全にすれ違ってしまっています。

驕れる者は久しからず

フォルクスワーゲンの不正問題は、ドイツ人の「高い鼻」を折るには十分な一大事件です。ドイツ国内はまさにパニック状態が続いています。

倫理的に正しい国民であったはずのドイツ人が、よりによって不正をしていたということは、ドイツ人を非常に戸惑わせています。ドイツ人はドイツ車に強いアイデンティティーを感じています。中でも、国民車であるフォルクスワーゲンはドイツ人の誇りそのものです。ドイツ人にとってはフォルクスワーゲンの醜聞は自分自身の醜聞なのです。下手に弾劾すれば、自分自身を弾劾することになりかねない。

そのうえ、ドイツ人は、「実務的」にもどうすればよいのかわからずに、困惑しています。

ドイツでは消費者のクレームに対応するのは、メーカーではなく販売会社です。しかし、今回、販売会社もいわば被害者で、今のところクレームに対応する術を持ちません。現在の法律では米国のような集団訴訟はできませんが、今、メーカーに対してそれをできるようにしようという声さえ上がりはじめました。

フォルクスワーゲン社が一刻も早く対策を打ち出さなければ、あちこちで不満が募り、ますます事態が混乱するでしょう。

そうした中で、私が危惧しているのは、ドイツ人がこの危機を抜け出すために、外部に「敵」を見出すのではないかということです。

たとえば、ドイツの成功をねたんで陥れようとする国=米国、ドイツの不幸を利用しようとする姑息な国=日本、といった風に、です。

不正が発覚した後の9月22日のこと。ドイツの公共放送ZDFのニュース番組に経済専門家が登場し、いかにも憎々しいといった風に次のように語っていました。

「今回の事件で我々の車の品質に傷がつけば、他国のメーカーの力が増す。そうなれば、『ワンダフル!』と言いながら、他国のメーカーがその隙間に入り込む。たとえば、トヨタだ!」

ドイツの公共放送がトヨタを名指しで、ドイツの災いを喜ぶ「敵」として扱っているわけです。彼らは惻隠の情という言葉を知りません。

他にも「おやっ?」と思うことはあります。不正発覚当初、野党の緑の党が、「国交大臣は、この不正を知っていたのではないか」と指摘したのに、与党にさりげなく否定されたまま、以後、その話が一切出ないことです。

ドイツでは、産業界と政界は非常に関係が深い。言い換えれば、産業界と政界が協力し合っているから、ドイツ経済はここまで順調に発展したのです。ただ、「協力」はときに、限りなく「癒着」に近づく場合も多い。

ドイツの自動車関連産業は7人に1人が働くまさに基幹産業で、ドイツ政府と手を取り合って進んできた歴史があります。中でもフォルクスワーゲンは、本社を置くニーダーザクセン州政府が同社株の20%を保有する大株主で、監査役会には州知事が加わっています。

しかも、新たに分かってきた情報では、不正ソフトは'07年あたりから、すでに問題になっていたというのです。知っていた政治家がいたとしても、不思議ではありません。なのに、それを追及する声が一切出てこないのは、かえって不自然です。

フォルクスワーゲンはこれまでずっと、政界の全面的バックアップを享受してきたはずです。しかも、ドイツ経済の強化に貢献してきたのは自分たちとの自負もある。だから、自分たちの不正が摘発されるわけはないという思いあがりがあった可能性はないでしょうか。

戦後、何もないところから始めたドイツと日本は、両者とも経済大国として蘇りました。そして、ドイツはこの15年、政治大国としても軍事大国としても急激に伸びてきました。その間に、どこかに歪みも生まれたのでしょう。今回の事件を見ると、驕れる者は久しからずという言葉が、ふと頭に浮かぶのです。

<引用終り>


川口マーン恵美さんの意見は実に素晴らしいと思います。流石現地に居なければわからない意見。

そしてその心配していたアメリカ憎し、これは既に始まっています。
ロイターの以下記事参照ください。
アングル:排ガス不正でVW擁護するドイツ、反米感情も再燃
http://jp.reuters.com/article/2015/10/16/angle-vw-scandal-germany-idJPKCN0SA0E220151016

そしてもう一つが日本憎し、これも実際はもう始まっていると見るべきかと思います。
此処に興味深いデータがあります。イギリスBBCが毎年実施している世界に良い影響を与えた国は何処か、そんな調査です。

これの2014年のデータです。
http://www.globescan.com/images/images/pressreleases/bbc2014_country_ratings/2014_country_rating_poll_bbc_globescan.pdf

此処で全体を纏めるとこうなっています。

2015-10-19世界に対する良い影響2014

日本は五位です。日本人はこんなグラフを見ても一喜一憂しませんのであまり心配しませんが、実は詳細に見るとこんな風になっています。

これは日本に対する印象を国別に纏めたもの。

2015-10-19世界に対する良い影響の日本に対する見方2014

一番下をみてください。日本に対する印象をボロクソに評価している国があります。韓国と中国。
いやあ、酷いもんですねえ・・・
こんな韓国に莫大な援助をしていたのが日本、こんな中国に矢張り莫大な援助をしていた国、そして呆れたことに未だにODAで援助している国が日本。
日本は本当にお人よしなんですねえ・・・(苦笑)
尚こんな中韓の異常値を除けば、日本の総合ランキングは五位どころではないのが分かると思います。

さて所でもう一つ、日本をボロクソに評価している国があります。表の中ほどにある国、ドイツです
イギリスやフランスと比べて極端に評価が低いですね。
日本人から見るとドイツは利害で衝突することもあまりないと考えがちですが、そんな事ではこの異常な低評価は説明がつきません。特にポジティブが少ない事もさることながらネガティブが非常に多い、こんな評価になっています

ドイツの日本憎しはもう既に始まっていると考えるべきでしょう。
さてさてこんな困ったチャン、如何したもんですかねえ。
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2015-10-16 09:24

VW排ガス・スキャンダルの引き金を引いたもの

 フォルクスワーゲンの排ガス・スキャンダルがますます深刻な状況で、遂にドイツ政府が「強制リコール」に踏み出したと報道されている。
独政府、VWに来年のリコール開始指示 国内240万台対象
http://jp.reuters.com/article/2015/10/15/volkswagen-emissions-recall-idJPKCN0S90NG20151015

詳細は上掲記事を見ていただくとして、要は「VW案のユーザーが自主的に修理に持ち込むのではなく強制的に修理しろ」、こんな事らしい。
ことほど左様に大変な状況のようだが、そのスキャンダルの引き金を引いたものの一つがプリウスショックではないかと思っている。

そんな事の分かるブログ記事が有ったので紹介したい。
書いた方はプリウスの設計者「八重樫武久さん」。

<以下抜粋引用>

二代目プリウス欧州カーオブザイヤー受賞
10月 11 2015 Published by Takehisa Yaegashi under プリウス開発秘話
http://www.cordia.jp/blog/?p=1839

プリウス、ハイブリッド開発で様々な賞をいただき、その授賞式やフォーラム、環境イベント、広報宣伝イベントにも数えきらないほど出席しました。その中で、一番印象深いイベントは2005年1月17日スウェーデンのストックホルムで開催された“2005年欧州カーオブザイヤー受賞式”です。クルマとしての受賞式ですので、パワートレイン担当は本来は黒子、海外でのクルマ関係の受賞式にはそれまで出席はしませんでしたが、この欧州カーオブザイヤー受賞式だけは、自分で手を挙げストックホルムまで出かけて行き、受賞式に参加しました。

初代の開発エピソードは以前のブログでもお伝えしてきましたが、”21世紀に間に合いました”のキャッチフレーズで量産ハイブリッドとして脚光を浴びたスタートでした。しかし、当時の開発現場の実態としては京都COP3のタイミング1997年12月生産販売開始にやっとの思いで間に合わせたというのが正直なところです。

・・・以下初代プリウスに関する部分は省略、詳細は上掲リンク先参照ください・・・


二代目は、そんな中で欧米でも普通に走れるハイブリッド車を目指しましたが、振り返ると初代は無我夢中の技術チャレンジであっという間に過ぎ去っていきましたが、二代目の開発はそれ以外の苦労が多かった印象です。様々な制約、費用回収の要求からのコスト低減要求、さらに様々な外乱の中で、グローバルスタンダードの志しを下ろさず、知恵を絞り抜いて取り組んだ開発でした。

それだけ、いろいろあった2代目プリウスの開発でしたので、2005年欧州カーオブザイヤーの受賞はなにより感激した出来事でした。欧州販売開始は2003年末からでしたので、選考委員もしっかり欧州で走り込んだうえでの審査だったと思います。非常に高い得点で2005年カーオブザイヤーに選ばれました。

その選考委員の採点表欄をみると、初代後期型ではゼロ、もしくは非常に低い点数を付けた選考委員の方々が、この2代目プリウスには高い点をつけ、コメント欄に前回の低い点を付けたことが間違いで、ここまでの進化を見抜けなかったとのコメントが複数ありました。このコメントを読み、欧州でも評価してもらえるクルマにすることができと嬉しさがこみ上げてきました。これが自ら受賞式出席に手をあげ、寒い冬の観光にも不向きな1月中旬、ブリュッセルから一泊二日、トンボ帰りの受賞式でしたがストックホルムの受賞式に参加した背景です。

冒頭の選考委員会委員長Mr. Rey Huttonのスピーチの中で

「トヨタは(自動車としての)厳しい道を学んできた。カーオブザイヤーの審査委員は、2000年プリウスも候補としたが、その投票は割れていた。当時では、プリウスが将来のビーコン(引用者注: beacon 、標識、かがり火、航空標識などの意味、将来の方向を指し示すものと言う意味と思われる)と見なした委員と、ハイブリッドのアイデアは見当違いと片づけた委員に分かれていた。新型プリウスは2000年には無かった大部分を持つようになった。今回は、32の候補車の中で、過去最高得点の一つ139点を獲得し、58人の審査員のうち39名がトップとした。」

などとこの受賞を紹介してくれました。

その後、当時の技術担当副社長がトロフィーを受け取るのを見守り、一緒に写真撮影を行い、多くの選考委員の方々と話しをすることができました。そのディナーで味わったワインは、それまでもその後も味わうことのあった有名シャトーのワインよりも美味しかったことが忘れられない思い出です。(写真2)

2015-10-16プリウス欧州カーオブザイヤー授賞式

写真2(2005欧州カーオブザイヤー)

このブログを書きながら、はたと思い至ったことがあります。この欧州カーオブザイヤーの受賞式は2005年1月、これがひょっとすると今大騒ぎになっているVWスキャンダルの引き金の一つになったのではとの思いです。

プリウスハイブリッドが米国で、欧州で認知度が高まり、急激に販売を伸ばし始めたのもこの頃からです。講演会、フォーラムでの欧米エンジニアの態度、目線に変化を感じ始めたのもこの時期からのような気がします。特に、欧州のエンジニア、ジャーナリストは、審査員のコメント、委員長のスピーチにあったように2000年のモデルまでは、ハイブリッドを収益無視の広告宣伝用のシステム、欧州では通用しないとの意見が主流であったのに対し、この2003年二代目でその見方が変わったように思います。

当時は、欧州でも認知されたことを喜ぶばかりでしたが、そこまでインパクトを与えたとすると、それから10年、3代目から4代目をこの世界にサプライズを与えたインパクトを引き継げているか、次の機会には振り返ってみたいと思っています。

この二代目プリウスは、このブログのように、2005年欧州カーオブザイヤー受賞の他、北米カーオブザイヤーも受賞しました。しかし、本家本元日本ではカーオブザイヤーを逃してしまいました。日本のエンジニアである私にとっても残念なことでした。

二代目のハイブリッド開発は、様々な制約はありましたが、我々には我慢のエコカーから欧州(ドイツアウトバーンを除き)で普通に心配なく走れるエコカーの実現の目標にはブレはありませんでした。しかし、今振り返ると、社内では走りの良さをアピールポイントにしたいとの声が強すぎ、走り系のモータージャーナリストから、欧州車との対比で拒否反応があったことも原因かとも思っています。

今回の騒ぎで思い出したことが、あたりか、外れは判りませんが、時代を切り拓くつもりでやったことは確かです。フェアな土俵で、その次の時代にも安全・安心、自由に快適に移動そのものも楽しめるFuture Mobilityを巡る、世界自動車エンジニアのチャレンジを期待します。

<引用終り>


八重樫さんは二代目プリウス発売当時の欧州での雰囲気を実に詳細に語っておられる。正に全く新しいクルマが登場した、そんな雰囲気だったのだろう。
そしてこの事は欧州だけでなくアメリカでも注目された。
一番大きかったのがアメリカの著名な俳優ディカプリオがアカデミー賞の授賞式にプリウスで乗り付けた事だった。
「オスカー」受賞の為に豪華リムジンで乗り付け、赤じゅうたんの上を歩く、そんな映画人の夢の場にプリウスで登場したこと、これは当時大センセーションを巻き起こしたモノだった。

しかし二代目プリウスは八重樫さんが仰っておられるように「ドイツのアウトバーンのような高速走行には弱い、燃費も思ったほどよくならない」、こんな問題も内在していた。(この解決策の為三代目プリウスは排気量を1500⇔1800にアップ)

こんな事でVWはディーゼル化を推進、そして今回のスキャンダルに至った、VWは2004年~5年頃からこんな不正をしていたようなので、タイミング的にも丁度合う訳だ。

しかし不思議なのはこの当時トヨタとVWは提携関係にあった。
ガソリンエンジンの直噴化技術とそれに伴うNOx対策技術はトヨタからVWに提供されている。
(トヨタとVW技術提携、1999年にトヨタD-4エンジン技術がNOx処理技術も含め技術供与)
http://d-wise.org/b9910/car.pdf
(この資料はfcq821 さんに紹介いただきました)

またこの頃トヨタ系の販売店でVWを売っていたこともご記憶の方があると思います。確かこの提携関係は2010年頃まで続いたはず・・・。
ライバルであると同時に提携関係でもあった、そんな関係だった事も有った訳です。

一体何がVWを此処まで狂わせてしまったのか、疑問はつきません。

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2015-10-10 10:20

独VW不正車リコールに対する懸念

 しばらく間があいてしまいました。ヘマをして書きかけのモノを消してしまい、書きなおすのも面倒だしなあ、怠け者の繰り言です。
しかしFC2は下書き機能が弱い、下書き機能は使いにくいので使っていなかった、こんな事が裏目に出てしまいました。


所でそうこうしている内に懸念している話が報道されてきました。
最初にこんな話から。

<以下ロイターより引用>
http://jp.reuters.com/article/2015/10/09/analysis-vw-recall-us-idJPKCN0S30QG20151009?pageNumber=2&sp=true

2015年 10月 9日 17:46 JST
焦点:独VW不正車リコール、米所有者が「妨害」も
 10月8日、独フォルクスワーゲンはどのような解決策を提示しようと、米国ではリコールを強制できない州があり、対象車の一部所有者がリコールに応じない可能性もある。

[サンフランシスコ 8日 ロイター] - 排ガス不正問題という自社最大のスキャンダルを引き起こした独フォルクスワーゲン。同社がどのような解決策を提示しようと、米国ではリコール(無償回収・修理)を強制できない州があり、対象車の一部所有者がリコールに応じない可能性もある。

米国では、VWのパサート、ゴルフ、ジェッタの2009─15年モデル約48万2000台が対象となる。修理されると性能や燃費が悪くなる可能性が高いため、一部の所有者は、たとえ車が法定基準を40倍上回る排気ガスを吐き出し続けようとも、リコールを拒否する可能性がある。リコールを強制できる手段もほとんどない。

米国で対象となるVWのディーゼル車が最も多かった3州のうち、一番多かったカリフォルニア州だけがリコールに応じない車の登録更新を認めていない。同州に続くテキサス州とフロリダ州では、そもそもディーゼル車の排ガス基準がない。

米環境保護局(EPA)によれば、車両登録に必要な排ガス検査を受ける前に、リコールに応じたという証明を大気浄化法によって求められているのは、全米でわずか17州だという。

EPAは、残りの33州で証明が必要ないかどうかについては確認できなかった。テキサス州の排ガス点検プログラムにはディーゼル車は含まれていない。一方、フロリダ州では現在、そのようなプログラムさえない。排ガス検査を受ける必要のない州が、ほかにどれくらいあるのかも不明だという。

EPAは、リコールは実施されるとしている。

<「大きなにんじん」が必要>

一方、「この車は最高」と語るのは、フロリダ州に住むパサートのディーゼル車の持ち主だ。プライバシー上の問題からトーマスとだけ名乗るこの男性は、「ただしそれは、車の性能によるところが大きい。性能を保つためにリコールを無視するか、リコールに応じて買った当時の性能を失うか選択する立場に置かれたことに困惑している」と話す。

全米自動車販売業者協会(NADA)の広報担当者、ジャレッド・アレン氏は、フロリダ州のような抜け穴のせいで、米国でのリコール完了率は70%程度にとどまっていると指摘。「消費者が対象車を乗り続けられることに関連した執行システムがない」と述べた。

ドイツ規制当局はリコール計画の提出期日を7日に設定。その翌日にはVW米国法人の最高経営責任者(CEO)が米下院公聴会で証言する。

VWファンのウェブサイト「VWVortex」では、リコールに応じさせるには顧客の前に「大きなにんじん」をぶら下げなくてはだめだと主張する所有者もいる。

例えば、ロイヤリティープログラムや下取り、金銭的なインセンティブなどがそうだ。VWは先週、販売業者に対し、下取りを希望する顧客1人当たりに2000ドル(約24万円)の「ロイヤリティーボーナス」を提供すると通知した。

その額が十分なのか疑わしいと、先に登場したフロリダ在住のトーマスさんはみている。「再販で受ける損失はそれよりもはるかに大きいだろう

EPAはVWにリコールを命じる権限をもつ。だが、リコールに応じるよう顧客に強制できる権限には限りがある

この件についてEPAは、リコールは必ずしも車の所有者に修理を求めるものではないと、ロイターに文書で回答。自動車メーカーは四半期ごとに、リコール回収率をまとめた報告書を同局に提出しなければならないとしている。

しかし、リコールに従わないことのリスクは明らかであり、「修理しなければ、連邦政府の排ガス基準を超えた有害物質が排出されるかもしれない」という。

カリフォルニア州の場合、リコールに応じなければ車両の登録更新は許可されない。更新は年に1回行われるため、所有者は最大1年間は修理しないで済む。

ロサンゼルス在住のデービッド・ロージングさんは「できるだけ長く待つつもりだ。ほかの人の車のバグがすべて修正され、カリフォルニア州の期日ぎりぎりに自分の車は『修理』してもらう」と語った。

しかし、テキサスやフロリダを含むほとんどの州ではそのような法律がなく、環境保護主義者からは不満の声が上がっている。

「テキサスとフロリダが(カリフォルニアと)同じことをせず、EPAも強制しないなら、ちょっと驚きだ」と、米自然資源防衛協議会(NRDC)エネルギー・輸送プログラムのディレクター、ローランド・ウォン氏は語った。

問題が安全性に関することではなく、排出ガスであることが、リコール回収率に影響している可能性がある。安全性に関わるリコールでさえ、強制ではないために多くの所有者が車をディーラーのもとへ修理に持ってこないという。

現在、リコール回収率を調査している米自動車工業会によると、2000─13年の安全性に関わるリコールの99%で、米道路交通安全局(NHTSA)は無条件の運転自粛勧告を出していなかった。

つまり、VWが金銭的なインセンティブなどで顧客をリコールに応じさせようとしない限り、規制当局は祈ることしかほとんど何もできないのが現状だ。

「規制当局は命令を下し、采配を振るうべきだ。さもなくば、VWが主導権を握っているように思える」と、非営利団体「生物多様性センター」の弁護士であるクリステン・モンセル氏は語った。

<引用終り>


 こんな事はアメリカだけでは無い、VWがリコールする全ての国で起こり得る。
特に大気汚染で深刻なヨーロッパでは事が深刻になる。メーカーとしてはリコールしなければならない。
そして環境問題からはそんな汚い排気ガスを出す車など走ってもらっては困る。
しかしユーザーとしては走行性能は悪化する、燃費は悪くなる、そんなリコールには応じられないと考えるのも無理ではない。
更に売ろうにも中古車価格が下落する。そうなれば上掲記事にあるような「大きなニンジン」が必要になるのは当然だ。
ディーゼル車のユーザーにとって最悪の状態になる事が予想されている。

しかもVWとしては困った事に「どの程度性能が悪化するか、未だに公表していない、多分当分出来ない」と言う事である。

今ドイツはパニック状態と聞くが、この先どうなるのであろうか。
この問題の厄介なのは修理して元の性能を確保できるなら問題ない。しかし修理して元の性能が悪化する、つまり今まで使っていた快適なクルマが「環境に対する規制違反」という虚構の上に成り立っていたマボロシだった、こんな事が現実になる事である。

自分たちが今までこれこそドイツの技術の優秀さだ、そう信じていたものが根底から破壊される。
VWの、ディーゼル車への信頼が破壊されると言うより、自分たちの長年築き上げた文化が否定されることになったと言える。

私が特に気にしている事。こんな不正を発生させた原因の奥底にゲルマン人の国民性、民族性が潜んでいるかもしれない事だ。
ナチス・ヒットラーの台頭を許した、あの「みんなで渡れば怖くない」が此処でも起こっているのではないだろうか。

こんな心配は実は今トンデモナイ大移民問題にも共通することなのではないだろうか。
心配な事ではある。
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2015-10-03 15:06

根の深いVW不正問題

 VWの不正ソフト問題でドイツが大揺れに揺れていると報道されているが、そんな状況が具体的にわかるデータが出てきた。
プリウスの設計者OBの八重樫さんと言う方のブログに興味深いデータがあった。
八重樫さんは昨年11月、ベルリンで今回の問題を取り上げた環境NPO、ICCTの方と話合いをしてきたのだと言う。
その時入手した欧州の自動車の排気ガス中のNOx(窒素酸化物)のデータである。

大変興味深く、この問題の根の深さが分かるのでそれを紹介。

最初に八重樫さんのブログはコレ
「クリーンならぬ、ダーティ-・ディーゼル:その2」
http://www.cordia.jp/blog/?p=1822

此処にこんなグラフがある。

2015-10-3欧州の乗用車排ガス実測データby八重樫さん

実際の使用状態での排気ガス中のNOx濃度をガソリン車(左側・青色)とディーゼル車(右側・赤色)で表したモノ。
横軸は測定した車両の年式、縦軸はNOx濃度、
左側の青四角印はガソリン車の実測値、階段状に下がっているのがNOx規制値。
右側の赤四角印はディーゼル車の実測値、階段状の線は段階的に強化されたNOx規制値。

これを見るとガソリン車は段階的に強化された規制値と実測値がよく合っている。規制が護られた証拠である。
しかしディーゼル車は規制値が段階的に厳しくなってきているが、実測値は古い年式のクルマも新しい年式のクルマも大して変わらない。規制が全く守られていないのだ。
見出しに[emissions enforcement is non-existent]と書いてある。排ガス規制は存在しないと言う意味で非常に強い言い方だ。


もう一つがコレ
新車の年度ごとの規制値と実際の排出量を比較したもの

2015-10-3欧州の乗用車排ガス実測データby八重樫さん2

左上から2000年のEURO3、右上が2005年のEURO4、左下が2009年のEURO5、右下が2014年のEURO6を現わす。
赤色点線の吹き出しが規制値、グレーの雲形吹き出しが実際の排出量である。

左上2000年の場合、規制値0.5に対し現実は1.0、右上2005年は規制値0.25に対し実際は0.8、左下2009年は規制値0.18に対し実際は0.8と何ら変わらず、右下2014年は規制値0.08に対し実際は0.6.
規制値に対し何倍のNOxを出しているかの比率では15年前より悪化。
実に2014年になっても実際の排出量は2000年の規制値すら満足しない、こんな現実を表わしている。


こんな問題が出てくる背景には年々悪化する大都市の環境悪化が有るのだろう。
これは2015年3月18日のパリの空、エッフェル塔が霞んでいる。見やすいように白の矢印を付けましたが見えるでしょうか。

2015-10-3スモッグに霞むパリの空15年3月18日
http://jp.wsj.com/articles/SB11871187576556893798304580533032371808768

記事によれば、余りにもスモッグが酷いので車のナンバー末尾の偶数と奇数で分け、乗り入れ規制をしているとか。

そう言えば日本だって昔はこんな事も有った。

2015-10-3スモッグに霞む銀座1959年
1959年(昭和34年)1月の銀座、和光の時計の文字盤さえ見えない・・・ 

しかし日本の高度成長期と同じようなスモッグが欧州の大都市を覆っている。ヨーロッパは環境先進国と言う話は全くのマボロシだったのだ。

この問題を最初に取り上げた時、ロンドンに3週間ほど滞在した人が洗濯すると水が真っ黒になる、こんな話をっ紹介した。
そこにいつも興味深いコメントを寄せてくださるNINJA300さんがこんな事をコメント下さった。
ご自身のロンドン滞在経験から、ロンドンでは顔を拭くとタオルが真っ黒になるとの事、この様に環境の悪い所、そんな事が良く分かるエピソードです。


冒頭紹介した排ガスのデータ、こんなモノが漏れ出てくると言う事は現地ではもっとすごいデータが把握されていると思って間違いない。そんな上でこんなデータを突き付けても、環境や産業を管轄する政府当局がさっぱり動かないのだろう。
マスコミなどをプッシュしても「規制値には合格したクリーンなクルマだ」、こんな事を言うばかりだったのではないか。
この問題は自動車メーカーだけでなく政治家や各方面の官僚、更にはマスコミも巻き込んだ問題になると思う。

ドイツは大変な問題を抱え込んだものだが、多分日本にも何らかの影響があると思う。
移民問題と並んで、目が離せない事態ではある。



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2015-10-01 19:22

ドイツ問題とVW不正

  ヨーロッパに200年位前から「ドイツ問題」と言うものがあるのだと言う。
確かにWW1もWW2もそうなのだが、今もその問題があると言う意見がある。今回のフォルクスワーゲンのディーゼルエンジン排気ガス不正問題も確かにそうだ。
所でそのドイツ問題とはどういうものか、最初はそんな所から。

少々古いが、最初に2011年12月のフォーリン・アフェアーズ (Foreign Affairs) 記事から。

注:フォーリン・アフェアーズ (Foreign Affairs) は、アメリカの外交問題評議会(CFR)が発行する外交・国際政治専門の隔月発行政治雑誌。こんな問題に関して最も権威の高いとされている雑誌です。

<以下抜粋引用>

ヨーロッパの新しいドイツ問題
―― 指導国なきヨーロッパ経済の苦悩
 フォーリン・アフェアーズ リポート 2011年12月号
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201112/Blyth.htm

 20世紀の多くの時期を通じて、「ドイツ問題」がヨーロッパのエリートたちを苦しめてきた。他のヨーロッパ諸国と比べて、ドイツが余りに強靱で、その経済パワーが大きすぎたからだ。こうして、NATOと欧州統合の枠組みのなかにドイツを取り込んでそのパワーを抑えていくことが戦後ヨーロッパの解決策とされた。だが、現在のドイツ問題とはドイツの弱さに派生している。ユーロ危機を引き起こしている要因は多岐にわたるが、実際には一つのルーツを共有している。それは、ドイツがヨーロッパにおける責任ある経済覇権国としての役割を果たさなかったことだ。

・・・中略・・・

 西洋文明の礎を築き、最初に民主主義を経験したギリシャ人とローマ人が、皮肉にも選挙の洗礼を受けていないテクノクラートたちに経済の運営を委ねている。基盤の弱い民主主義プロセスを経た指導者が、外国の債権者の圧力によって強靱な指導者に置きかえられるという1930年代の気配も漂い始めている。

引用者注:「1930年代の気配」と言うのはヒットラー・ナチスの登場だと思います。ヒットラーは1933年ワイマール憲法のもとで首相に指名され、1934年大統領の権限も継承した総統に就任。

・・・以下略、全文は有料記事なので読めませんが、此処までは上掲リンク先で読めます・・・
<引用終り>


大変興味深い論考である。
私が特に注目しているのは「他のヨーロッパ諸国と比べて、ドイツが余りに強靱で、その経済パワーが大きすぎた」というこのくだり。
これこそVW不正問題の根本にも共通する問題では無かったか

そしてもう一つ、「皮肉にも選挙の洗礼を受けていないテクノクラートたちに経済の運営を委ねている」、この事も今回のVW不正問題の大きな要因では無かったか。
VWは暴走した。その理由は技術開発の遅れであり、経営トップが関与していなければこんな不正は起こらない。しかしもう一つ環境規制当局のテクノラートもこの件は分かっていた筈だ。
しかしVWとその周りの政治家や官僚が余りにも大きなパワーを持ちすぎていたことが事の背景にある。

ブルームバーグによれば
「発覚に至る過程は2013年にさかのぼる。ディーゼルエンジンによる大気汚染を心配した欧州当局が、米国で販売された欧州車の路上走行での排ガス検査を望んだ」、つまりこの問題を解決する能力が自分らには無いと考え、アメリカにタレこんだ・・・、こうではないだろうか。
元記事:http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NV6OMU6K50YC01.html
引用エントリー:http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1167.html


所でこんな事は他の自動車メーカーも分かっていて、トヨタはEUの規制当局に問題提起していたことが報道されている。
興味深い記事なので全文引用する。

<以下引用>

トヨタもVWの不正に抗議していた
大西 孝弘
2015年10月1日(木)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/093000094/?rt=nocnt

 トヨタ自動車が数年前から、独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車の排ガス性能に疑問を持ち、欧州の規制当局に取り締まりを要請していたことが「日経エコロジー」の取材で明らかになった。

 背景にはディーゼル車の開発において、VWと同じような燃費や走行性能を求めると、排ガス性能が発揮できなかったことがある。競合他社のデータと比べてもVWが不正ソフトを使っていなければ説明できないデータだったという。

 しかし、規制当局は動かなかった。実際、2013年の欧州委員会共同研究センターの調査で、不正ソフトを見つけていたと欧米メディアが報じている。EUではこうしたソフトは以前から違法としていたが、「規制当局は問題を追及しなかった」(英紙フィナンシャル・タイムズ)という。

 不正が明るみになったのは、欧州ではなく米国だった。環境NPO(非営利法人)のICCT(International Council on Clean Transportation)や米ウェストバージニア大学の調査からVWの排ガス性能に疑念が持たれ、最終的には米環境保護局(EPA)がVWの不正を発表した。

2015-10-1VW不正by日経ビジネス1

 以前から同業他社はVWに疑いの目を向けてきた。ディーゼル車のエンジンや排ガス技術は基本的に大きな差がない。それにも拘わらず、燃費や走行性能で差がついているならば、疑問を抱かざるを得なかった。

 フォルクスワーゲンの不正の背景に自動車業界に共通する課題が浮かび上がる。

 1つは実燃費向上に対するプレッシャーだ。

 排ガス問題でも注目されたICCTが9月24日に発表した報告書が、再び自動車業界で注目を集めている。

 ICCTは報告書で測定データに基づき、カタログ燃費と実燃費のかい離が広がっている問題を提起した。カタログ燃費とは規定の試験モードに基づき、認定された燃費だ。実燃費とは実際に走行してみた際の燃費だ。従来からその差の大きさが問題視されてきたが、ICCTは実際の測定データに基づくかい離を公表した。

 下のグラフをご覧いただきたい。企業ごとのかい離率のグラフだ。かい離があるのはもはや前提である。ポイントは全社平均のかい離率から各社がどの程度の差があるかだ。試験以外のリアルワールドでは基準値の40倍のNOxをまき散らしていたと報じられたVWだが、カタログ燃費と実用燃費のかい離率は他社に比べて小さい。毎年の全社平均値より下回っているのは、VWグループと小型車が主力の仏フィアットと仏プジョーシトロエングループ(PSA)だけだ。この対象車はディーゼル車以外も含まれるが、欧州で走行しているクルマを対象としたため、ディーゼル車が多いと見られる。

 実際、これまでVWは実燃費の良さを売りにしてきた。VW日本法人のホームページでも、他社と比較しながら実燃費の良さをアピールしている。

 これは基盤とする欧州市場の特長がありそうだ。欧州の自動車事情に詳しいコンサルタントは「欧州の顧客は自動車の性能に厳しく、実燃費へのプレッシャーが強い」と話す。その中でフォルクスワーゲンは排ガス性能を犠牲にしてでも、実燃費を向上させようとした構図が浮かび上がる。

燃費とNOxは二律背反の関係

 ディーゼル車において、燃費とNOx(窒素酸化物)は二律背反の関係にある。エンジンの燃焼効率を上げれば燃費が向上する一方で、空気中の窒素と酸素が反応し、NOxが発生しやすくなる。それを様々な技術を使って両立させようとしているが、どうしても二律背反の要素は残ってしまう。

 特にこのジレンマを抱えるのが排ガス浄化装置の1つである再循環装置(EGR)だ。EGRは排ガスの一部をエンジンに戻し、エンジンの燃焼温度を下げてNOxの発生を抑える。EGRを機能させ過ぎると排ガスの循環量が増え、「燃費が最大で3~4割悪化する」(日本自動車研究所のエネルギ・環境研究部の土屋賢次部長)。

 そこで実際には、EGRを「適度に」使って燃費の悪化を抑えつつ、残りは後処理装置でNOxを低減するのが一般的だ。VWは不正ソフトを用いて試験以外ではEGRなどを使わず、燃費向上を実現する一方で、NOxをまき散らしていたと見られている。

 もう一つの共通の課題が耐久性だ。ディーゼルエンジンの研究に長年取り組んできた早稲田大学理工学術院の大聖泰弘教授はVWの不正発覚後すぐにこの問題を指摘していた。「EGRを使うと使わない場合に比べて燃費の悪化だけでなく、エンジンの劣化が早くなる」と話す。VWの不正によって、快走を続けてきたディーゼル車の技術的課題が改めて認識されることになった。

ICCTが公表した自動車各社のカタログ燃費と実燃費のかい離率

2015-10-1VW不正by日経ビジネス2

 試験時とリアルワールドでのデータの違いは、排ガスだけでなく燃費でもある。VWはディーゼル車において燃費を優先したとするならば、環境よりカネを選んだとの批判を受けざるを得ないだろう。 なぜなら、燃費は直接消費者の便益になり、自動車の購入動機につながるが、排ガス性能は購入動機になることはあまりないからだ。規制をクリアするのは義務であるため、できるだけコストを減らしたいとの意思が働く。皮肉なことに、VWは環境軽視のしっぺ返しを制裁金や賠償、ブランド毀損などの巨額資金流出という形で受ける。

他の環境規制への波及も

 試験時と実態の格差が問題となってきたのは、自動車の排ガス規制が初めてではない。これまで大気汚染や水質汚染、化学物質汚染など様々な環境規制が同様の問題を抱えてきた。常に汚染を測定するとコストがかかりすぎるからだ。2兆円を超えるとも言われる巨額制裁金がVWに科されれば、環境規制をより厳格に適用するという動きが世界的に広がりそうだ。

<引用終り>


先週25日のエントリー「VWの不祥事発覚に思う事 2015-09-25」でコモンレール・ディーゼルの思い出などを書いた。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1166.html

コモンレール・ディーゼルは運転してみれば実に素晴らしい。音も静かだし、動力性能は抜群である。しかも燃費も良い、その上ディーゼル特有の黒煙も少ない。いい事ずくめなのだ。
こんな素晴らしい新技術が日本では売れない、そんな話を目の当たりにした。
このクルマ、トヨタ・ハイラックス・ヴィーゴが売り出されたのが2004年の事。
丁度其の頃VWはソフトの不正を決断したのだろう。

その根底に強大なドイツのパワー(ドイツ問題)が有る事が良く分かった。難しい話である。

さてこの問題、まだまだ新たな事実が出てくるのではないだろうか。注意して見ていきたい。
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2015-09-28 18:03

欧州の大気汚染<ディーゼルが問題

 先月(2015年8月)、ロンドンに3週間ほど語学留学に行った人の話を聞いた。語学学校にホームステイ先を紹介してもらい、そこに泊まって毎日語学研修。空き時間は色々ロンドン見物で土産話はとても面白かった。
そんな面白い話の中で本人もこれには驚いたと言う事がある。
汚い話で恐縮だが、鼻の穴が真っ黒になり、鼻水も黒くなる。その人は名古屋市在住で職場も名古屋市内。しかし今迄こんな経験は一度もしたことが無かったと言う。
更に驚いたのがズボンなどを洗うと水が真っ黒になること。あまりにも酷いので二度洗いをしてやっと普通になったとの事。

私もその話を聞いて、昔はロンドンは石炭を焚くので町が真っ黒、これは聞いた事がある。今でも結構石炭を使っていると聞いたが、そんな事かねえ。こんな認識だった。(笑)
しかし調べてみたらトンデモナイ。ロンドンもパリも物凄い大気汚染であることが分かった。
原因はディーゼル車の排気ガスが主なモノであるとの事。
そうこうしている内にフォルクスワーゲンの悪質な不正ソフト問題が明るみに出てきた。矢張りそうか・・・


これた大玄さんから頂いた情報での大気汚染の写真。
http://www.news-us.jp/article/426669960.html
これはフランス・パリの写真

2015-9-28パリの大気汚染写真


参考までに日本の現代、スカイツリーから見た筑波山

2015-9-28スカイツリーから見た筑波山

ほぼ同じところを江戸時代末には・・・ これは深川洲崎五万坪

2015-9-28深川洲崎五万坪
スカイツリーは墨田区押上、深川洲崎=東京都現代美術館辺りで江東区三好、だから距離にして3キロ位。

しかし東京に江戸時代の空を蘇らせた、石原慎太郎元知事は偉かったなあ・・・


所でロンドンはと言うと、これは先月(15年8月のロンドン

2015-9-2815年8月のロンドン塔とタワーブリッジ

いつもどんより曇っていて綺麗な空の写真が撮れなかったのだとか・・・


さて本題に戻って欧州の大気汚染である。
実は欧州の大気汚染の状況は公表されていないので具体的には良く分からない。調べても一番最近のモノでも2014年3月のモノが最新の様だ

<以下引用>

パリの大気汚染が危険水準に、20年ぶり自動車運転規制へ
http://jp.reuters.com/article/2014/03/17/l3n0me0al-paris-car-idJPTYEA2G03820140317

[パリ 16日 ロイター] -フランス政府は17日、首都パリの大気汚染が危険水準に達したとして、20年ぶりとなる自動車の運転規制に踏み切る。

パリはフランスのディーゼル車補助金制度や自家用車台数の多さなどを背景として、欧州の他の大都市に比べてスモッグに見舞われやすい。最近は季節外れの暖かさと晴天が1週間続き、汚染が悪化していた。

今回導入した制度では、ドライバーはナンバープレートが偶数か奇数かに応じて隔日しか運転を許されない。先週はパリの空気が目に見えてかすんだため、公共自転車や電気自動車の共有制度が無料化されていた。

マルタン・エコロジー相は16日、記者会見し、17日には大気汚染が悪化する恐れがあるとし、規制は市民の安全を確保する狙いだと述べた。

欧州環境機関(EEA)の13日の発表によると、微小粒子状物質「PM」の濃度はパリで147マイクログラムに達したのに対し、ブリュッセルは114、アムステルダムは104、ベルリンは81、ロンドンは79.7だった

野党や自動車関連団体は今回の措置について、3月末に迫った地方選を前に、社会党が連立を組むヨーロッパエコロジー・緑の党の圧力に負けた形だと批判している。

<引用終り>

このPMの濃度だが、日本の環境基準はというと日平均で35以下である。
不要不急の外出を控えるなどの行動をとる基準(暫定基準)は日平均で70超、注意喚起情報が出るのは午前中早めの段階は朝5時~7時で1時間値85超、午後は5時~12時で1時間値80超である。

欧州の主要都市のPM濃度は
>微小粒子状物質「PM」の濃度はパリで147マイクログラムに達したのに対し、ブリュッセルは114アムステルダムは104ベルリンは81ロンドンは79.7だった

つまり主要都市のPM濃度は日本なら外出を控えると言うレベルを超えている。特にパリが酷い。

そしてもう一つ、この記事で見逃せない事がある。
野党や自動車関連団体は今回の措置について、3月末に迫った地方選を前に、社会党が連立を組むヨーロッパエコロジー・緑の党の圧力に負けた形だと批判している。

この様にひどい大気汚染に対し、自動車関連団体が対策をする代わりに政府の政策を批判しているのだ。
そしてこの記事から1年半後、今回の不祥事が発覚した。

更にこの不祥事、政府がこの規制の抜け穴を助長するように動いていたと言う事も報道され始めた。
政府を挙げて、「大気汚染対策より自動車の売り上げが大事」という政策だ。

今後さらにいろんな問題が噴出してくると思う。
日本メーカーがディーゼルが欧州であれだけ売れながらもそれに追随しなかった、それだけの理由があったと言う事だろう。
尚マツダのスカイアクティブは圧縮比を「16訂正します;圧縮比は14(2.2L)、14.8(1.5L)です、団塊ノンポリさんに指摘いただきました、ご指摘ありがとうございます」という極端な低圧縮比を採用している。矢張りこれが正解だったんだろう。
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2015-09-27 15:41

ディーゼル車の排出ガス規制

 フォルクスワーゲンの排出ガス規制の不正問題で皆さんから色々コメントを頂いたのだが、余りにも専門的な話なので理解の為どんな事が問題なのか概要を知る範囲で纏めてみたい。
と言っても私もその道の専門家ではないので、まあ常識にちょっと付け加えただけのものですが・・・


最初にガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いと如何してガソリン車が問題にならないかを簡単に。

ガソリンエンジンはガソリンが燃料でスパークプラグの火花で点火、ガソリンと空気を一定の割合になるよう混合し(空燃比という)運転する。排気ガスにはCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)を含み三元触媒で浄化。(最終的にCO2、H2O、N2になる)

ディーゼルエンジンは軽油が燃料でガソリンエンジンより強く圧縮し、加圧した燃料を噴射。点火は圧縮した空気の高熱で自然着火。運転の調整は噴射する燃料の量で調整する。排気ガスはCO、HC、NOx、PM(粒子状物質)を含む。
このCO、HCはガソリンエンジン同様綺麗に燃焼させれば少なくなり、触媒でも簡単に除去可能。厄介なのがNOxとPM。
特にNOxは空気中の窒素と酸素がくっついたもので、燃料をきれいに燃やすほど発生する。これがこの問題の一番の根っこ。


ディーゼルの前に如何してガソリンエンジンが問題にならないかを説明。
ガソリンエンジンにはCO、HC、NOxを同時に除去する三元触媒が使われている。
これはエンジンの中でガソリンと空気の混合割合(空燃比と言う)と三元触媒でCO、HC、NOx除去の割合のグラフ

2015-9-27空燃比

横軸が燃料と空気の混合割合で、右に行くほど空気が多い。
縦軸はCO、HC、NOxの触媒での除去の割合を示す。
空気と燃料の最適な混合割合(理論空燃比と言う)は14.7、そしてその理論空燃比にごく近い14.6辺りのごく狭い範囲にCO、HC、NOxを90%以上除去できる範囲がある・・・ウィンドウという。

このウィンドウの発見が三元触媒がその後の排気ガス対策の救世主となった。まさに技術面での奇跡だった。

もうこんな古い話は殆ど誰も意識しないで車に乗っているが、こんな経緯がある訳だ。

さて今度はディーゼルである。ガソリン車に比べてディーゼルの方が難しいのは上掲のような奇跡的はデバイスが無いためである。
そんな中で日本とヨーロッパのディーゼル車の排気ガス規制値の推移を見てみたい。

2015-9-27日欧の排ガス規制比較
http://www.jaf.or.jp/qa/others/knowledge/11.htm

この図の緑色が欧州、青色が日本である。
欧州ではユーロ4、ユーロ5、ユーロ6と規制がきつくなっている。
日本でも同様だが、日本の方が遥かにキツイ。日本の2009年の規制値に対し、欧州は2014年のユーロ6で5年遅れで追いついてきたと言った所。
しかしVWはこの規制値に合格できないと言う事だろう。

問題はNOxとPM、そしてPM(粒子状物質)高温で燃やせば除去できるのだが、それをするとNOxがどんどん増えてくる。
そしてNOxを除去できる技術は現在2種類が使われている。
一つは尿素水を噴射する方法、尿素がアンモニアになり、それがN0xを還元しN2と水にすると言うモノ。

尿素水は商品名「アドブルー」、見た目は水である。しかし尿素水用のタンクが必要でスペースの小さい乗用車には苦しい。
またマイナス11度で結晶化するなど取り扱いも難しいものである。

この仕組みは裏の桜さんの以下のブログ
http://sakuraura.blog.fc2.com/blog-entry-3570.html

この中にボッシュのシステムを紹介する動画があるので参照してください。
https://youtu.be/lGB97AisRSo

尚尿素SCRシステムは以下wikiも参照
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BF%E7%B4%A0SCR%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0


そしてもう一つのシステムがこんなもの
NOx吸蔵還元触媒
https://ja.wikipedia.org/wiki/NOx%E5%90%B8%E8%94%B5%E9%82%84%E5%85%83%E8%A7%A6%E5%AA%92

一言でいえば運転状況によってNOxを触媒内に貯めこみ、運転状況が変わった時それを吐き出して浄化すると言うモノ。

しかし高価なプラチナなど貴金属を多用するためコストが高く、運転状況でNOxをため込むために大きな容量が必要。
そして燃料の中の硫黄分によって触媒が劣化しやすく、メンテも大変なシステムだ。

恐らくVWはこんな触媒の開発が上手く出来なかったのだろう。

こんな所がこの話の概要です。

最後に一つ追加、9月25日付の読売新聞にこんな記事がある。

2015-9-27読売新聞記事

lこの記事の赤枠で囲った排ガス規制値の日米欧の数値比較表、嘘が書いてあるわけではないが上掲日欧の比較表と比べてみてほしい。読売記事の表では欧州の規制値が紆余曲折が有ったことが分からない、新聞記事と言えども注意すべきものと言う見本として理解してほしい。

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2015-09-26 18:11

独VWの排ガス不正-「ごまかし」はこうして暴かれた<ブルームバーグ記事


 フォルクスワーゲンの排出ガス不正問題はますます深刻の度を増しているが、この不正がどのように暴かれたのか、そんな事の分かる記事があった。この記事はよもぎねこさんにコメント欄で教えていただいたのだが、私が疑問に思っていたことも大体わかる。
貴重な記事なので全文紹介したい。

最初にブルームバーグの記事から

<以下引用>
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NV6OMU6K50YC01.html

独フォルクスワーゲンの排ガス不正-「ごまかし」はこうして暴かれた
2015/09/25 03:06 JST

2015-9-26VW不正の記事写真byブルームバーグ

    (ブルームバーグ):マルティン・ウィンターコルン氏のフォルクスワーゲン(VW)でのキャリアを終わらせた同社の不正は、今年9月3日にロサンゼルスのオフィス施設の一角で暴かれた。
何カ月もの言い逃れの末に、VWの技術者たちがやっと、カリフォルニア州環境保護局の大気資源委員会の調査官らに秘密を打ち明けた。排ガス検査でごまかしをするための「装置」を車に取り付けていたというのだ。そのことを1年以上、大気資源委員会および米環境保護局に隠してきた。
発覚に至る過程は2013年にさかのぼる。ディーゼルエンジンによる大気汚染を心配した欧州当局が、米国で販売された欧州車の路上走行での排ガス検査を望んだ。米国での路上検査の結果は欧州のものよりも試験場での検査結果に近いだろうと考えたからだ。ところがそうはならず、カリフォルニア州が調査に乗り出すことになった。最後には25人の技術者がほとんど専業で取り組んだ結果、VWが検査結果をごまかすためのソフトウエアを使っていることが発覚。このソフトは少なくとも1100万台の車に搭載されていた。
ワシントンとベルリン、サンフランシスコにオフィスを持つ非営利団体の国際クリーン交通委員会(ICCT)が欧州当局から排ガス検査の実施を委託された。ICCTは13年の早い時期にウェストバージニア大学の代替燃料・エンジン・排ガスセンターで研究者らを雇用した。1989年から、エンジン排ガスと代替燃料の使用について研究している同センターが、VWのパサートとジェッタを含めた3車種のディーゼル乗用車を検査することになった。
同センターで研究する助教授のアービンド・ティルベンガダム氏は「最初からメーカーの不正を見つけようとしていたわけではない。何か違った発見をすることを期待して検査していただけだ」と話した。
パサートとジェッタに加えBMWの「X5」を使って2013年3-5月にかけて試験したところ、VW車は試験場では排ガス規制の法的基準を満たすのに、路上では基準よりはるかに多くの窒素酸化物を排出することが分かった。センターは14年5月に研究結果を公表し、カリフォルニア州の大気資源委員会が調査を開始した。
委員会の調査官らはVWの技術者たちと何カ月も会議を繰り返し、VWは同年12月に約50万台をリコール、それによって問題が解決すると伝えた。しかし委員会が再び検査すると、修理後も状況はほとんど変わっていなかった。委員会のスタッフはVWに答えを求め続けたが、VW側は検査の方法や検査機器の調整に問題があったと言うばかりだった。
しかし検査を何回やり直しても路上と試験場で結果が異なり、あまりの不可解さに調査官らは車のコンピューターに格納されているデータを調べ始めた。そしてついに、ハンドルの動きなどから排ガス検査中であるかどうかを識別するソフトウエアを発見。VWは09-15年にかけてこのソフトを、エンジンをコントロールするモジュールに組み込んでいたのだった。
さらに9回の会議で調査妨害を続けた揚げ句、VWの技術者は今年9月3日にとうとう、白状した。「われわれが集めた証拠とデータの蓄積の前に、彼らは文字通り言い訳の種が尽きた」と大気資源委員会のスタンリー・ヤング報道官が述べた。
原題:How Smog Cops Busted Volkswagen and Brought Down Its CEO(抜粋)

<引用終り>

上掲写真は元記事に有ったものだが、排ガスの測定は普通こんな風に行う。エンジンを始動し、決められた走行パターンに合うようにエンジンを運転する。その時は無負荷状態では駄目なので車輪を回し、必要な負荷をかける。
この時車輪は回っているがクルマは動いていない。
だからこんな台上試験の時は「エンジンは動いている、車輪は回っている、しかしクルマは動いていない」、こうなっている。

現代のクルマはABS(Anti‐lock Break System)がついているので、車輪の回転は常にセンサーで検知している。
では車が動いていない事は如何して検知するか。
クルマが動いたら必ずハンドル(ステアリング・ハンドル)を動かす。例え10メーターでも動かしたら必ず動かす筈だ。
しかし台上試験でステアリング・ハンドルを動かしたら・・・ クルマは試験機から飛び出す筈で危険極まりない。
(注:前輪駆動、又は四輪駆動のクルマの場合)
だからステアリング・ハンドルの動きが確認できればいい訳だ。

所で最近のクルマはパワーステアリングが従来の油圧式から電動式に変わってきた。狙いは油圧ポンプをエンジンで駆動する必要が無いのでその分パワーロスが少ないためだ。3~5%の燃費改善になるようだ。
そしてこの電動パワステにはステアリング部にセンサーがついている。

これは国産車の一例(だからVWとは違うが、センサーが何処にあるかの参考用として)

2015-9-26電動パワステの一例これは日本のモノ(JTEKT)

この様にVWでも最近は電動パワステだと思うので、此処からステアリングの動きを読み取り、実走行かベンチ試験かを判断するようにしていたのだろう。


さてこの問題、リコールで制御ソフトを変更すれば、クルマの性能は悪くなるだろうし、耐久性も劣る筈だ(だから不正をした)。
リコールと言われてユーザーが簡単に応ずるかどうか、これまた難しい問題を抱えたものだ。
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2015-09-25 19:59

VWの不祥事発覚に思う事

 フォルクスワーゲンがアメリカ環境保護局(EPA)から、ディーゼル車の排ガス規制を不正にクリアしていたと指摘されています。
世界各国で1100万台が関係している可能性があるといわれ、大問題となっている。

最初の報道は
「アメリカ環境保護局は18日、フォルクスワーゲンが、排ガス規制を逃れるため、2008年からことしにかけて、アメリカで販売したディーゼル車およそ50万台に、試験場などでの検査の際に有害物質の排出量を大幅に低くする不正なソフトウエアを搭載していたと発表。」というもの。そして「フォルクスワーゲン側も20日、不正を認め、謝罪しました。」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150922/k10010244221000.html

この制裁金だけで最大でおよそ180億ドル(日本円でおよそ2兆1600億円)に上る巨額なものになる恐れを指摘され、これだけで驚きだが、更にこの問題はアメリカだけでなく全世界で1100万台が対象になると報道され、更に驚きが広がっている。
株価も最初に2日間で35%下落、更に下落が加速している。

更に問題はVW以外にBMWにも波及しそうである。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_97972


しかしこの話を聞いて私としては積年の疑問がやっと解けた、そんな思いがある。
問題の発端は車の排気ガス規制強化とディーゼルエンジンの画期的な技術革新にある。この技術革新、コモンレールと言う技術だ。そしてこの技術は日本のデンソー(旧日本電装)が世界で初めて開発に成功、しかし日本ではトラック用として細々と生産していたのだがその後ボッシュが乗用車用に開発。この為ヨーロッパでは爆発的にディーゼル乗用車の普及が加速。現在ではヨーロッパの乗用車販売の半分がディーゼル車になっている。

現在の乗用車のエンジンで見ると日本とアメリカはガソリンエンジンでハイブリッドが増えてきた。
しかしヨーロッパではハイブリッドはほとんど普及せず、ディーゼルが半数になる勢いである。
このディーゼル普及のキーポイントがコモンレールと呼ばれるエンジンの燃料噴射技術。

日本車では大量生産車種としては2004年に発売されたこんな車から採用されている。

ハイラックスヴィーゴ(VIGO)と言うクルマ

2015-9-25ハイラックスvigo

見たことのないクルマだと思います。2004年から発売していますが日本国内では売られていない、しかしタイを始め全世界で生産、輸出されており、トヨタでは「ヴィッツ、カローラ、カムリと並んでこのハイラックスヴィーゴは四天王と呼ばれる年産百万台規模のクルマ」だった。(注:この当時はこれが四天王、しかしその後プリウス・アクアのハイブリッド勢が此処に割り込んできています)
そしてこのクルマのエンジンに採用されたのがコモンレール技術。この当時でコモンレールにかかる圧力は1800気圧という超高圧の凄い技術。

そしてこの技術で出来た車に乗ってみると実に素晴らしい。
最初に気が付くのがディーゼルと思えない音の静かさ、ディーゼル特有のガラガラと言う音が殆ど気になりません。
走り出してみるとパワフルな事もガソリンエンジン車と同等かそれ以上。タイなどの郊外のハイウエイでは130キロ以上で平気で巡航できます。しかも燃費も良い。
そしてディーゼル特有の黒煙も非常に少ない。上掲写真のクルマは後ろに荷台はあるモノのまるで乗用車。
実は私のタイでの仕事の最後がこのクルマの関連だった。だからこのクルマには忘れられない思いがある。


所でそのコモンレールと言ってもよく分からないのでどんな技術かを紹介。
これはデンソーの資料から
http://www.denso.co.jp/ja/products/oem/ptrain/diesel/commonrail/

ディーゼルエンジン コモンレールシステム

コモンレールシステムは、サプライポンプで高圧にした燃料をレール(蓄圧室)内に蓄え、ECU制御のもとにタイミングよくインジェクタから各気筒に適切な噴射量を噴射するシステムです。

高い燃料噴射圧力により、燃料を微粒にしますので、燃料の粒が小さくなり中心部の燃え残りがなくなり粒子状物質の発生を抑えます。

燃料の高圧噴射化に伴い噴射率(単位時間あたりの噴射量)も増加しますが、噴射から燃焼開始までの遅れ(着火遅れ)は、一定時間以下には短縮できません。そのため着火までに噴射された燃料が増加、つまり初期の噴射率が多すぎるため、着火と同時に爆発的な燃焼が起きてしまい、NOx及び騒音を増加させてしまいます。

そこで、パイロット噴射を行うことにより、初期の噴射率を必要最小限に抑え、爆発の初期燃焼を緩和しNOx 及び騒音を低減させています。

2015-9-25コモンレールシステム
<引用終り>

そしてこのコモンレール、余りにも難しいものなのでデンソーとボッシュしか製造出来ないと聞いていました。
しかし今回調べてみるとメーカーは他にもう2社、ドイツのシーメンスとアメリカのデルファイ(GMの電装部門が独立した会社)でも製造しています。ただし色んな資料を見てもこの2社の事は殆ど出て来ない、多分ボッシュの技術供与で製造しているのではないかと推測します。
そして今回問題のVW用はシーメンスが製造しているようです。


さてここからが私のタイでの思い出話。
上掲ハイラックスVIGO(通称IMV)の生産準備を検討していた頃です。デンソーの旧知の方と親しく話をする機会がありました。タイでこんなモノを作るんだと言われても私には理解する知識も無い話でしたが、これがコモンレールシステムでした。しかし如何しても気になった事、日本では排出ガス規制でどうしても製造できない、しかし世界には規制が問題ない国もある。だからタイに工場を作ってこのシステムを量産するんだとの事。
IMVは世界戦略車で生産量はカローラ並、だから日本にも無い工場を作ると言う壮大な話で、何社かの部品メーカーも一緒に進進出すると聞きました。
その後しばらくして、ある巨大工業団地の経営会社のトップの方と話をする機会がありました。そのトップの方はデンソーがタイに巨大工場を作る。是非とも自分の所に誘致しよう、特別な優遇をして誘致するんだと言っていました。
結局デンソーはタイ国最大の工業団地であるアマタナコーン工業団地に決定。アマタナコーン工業団地にはデンソーを満足させる用地が無かった、それで工業団地サイドでは隣接する高速道路の反対側を買収して工業団地を造成、高速道路には橋をかけて使えるようにとの優遇ぶり。大いに驚いたものです。

その後の日本と欧州の自動車メーカーの技術が全く分かれてしまいました。日本はハイブリッド、欧州はコモンレール・ディーゼルです。
ドイツからは事あるごとにハイブリッドに対する問題点が指摘されてきました。曰く高速走行では燃費が良くない、ディーゼルの方が上だと。だからトヨタのプリウスも2代目は1.5L、3代目は1.8Lですが、排気量アップの主な理由は高速走行時の燃費改善と公表されています。

これは私の個人的感想ですが、あの凄い技術力のデンソーでさえ排気ガス規制の問題で苦労しているディーゼル乗用車。ドイツが凄いのか、メーカーのボッシュが凄いのか・・・、でもデンソーとボッシュは永年提携関係だしなあ・・・
この疑問が解けませんでした。

今回のフォルクスワーゲンの不祥事発覚、これで長年の謎が解けました。
あんな事をしなければクリヤーできない排気ガス規制、だからトヨタとホンダがハイブリッドを推進してきた訳だと。

しかしこのVWの不祥事、他のカーメーカーへの波及は間違いないでしょう。多分こんな大問題ですが、更に大きな問題に発展するのではないか、その時日本メーカーが巻き込まれない事を願っています。<
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2015-06-23 22:15

街角で見かけたクルマ

 今日クルマの車検だったので夕方引取りに行った。
その道すがらふと見かけたのがこのクルマ。 ん? 何だこのクルマ。

2015-6-23シボレーフリートライン1948年型縮小版

フロントガラス(正確にはウィンドーシールド)の上にはサンバイザーがついている。ヘッドライトにもヘッドライトバイザーが・・・
ヘッドライトなんかにバイザーが要るかと言う話しは置いといて・・・
リヤーフェンダーにはスパッツまでついている・・・、 う~~ん 無駄のカタマリの様なクルマだが・・・

シボレー フリートライン 1948年型、そうか 車齢67年なのか・・・

このガレージのオヤジさんが出てきたので聞いてみた。現在レストア中なのだとか。チャンとナンバーもついている。

日本車やヨーロッパ車と違ってアメ車はまだ部品が有るので、レストアは比較的容易なのだとか。

現代の目から見ると、この時代のクルマは無駄のカタマリ。しかしソレでいいんだろうなあ。

無駄もまた良きかな・・・。
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2015-04-30 17:17

世界の車に「日本の技術」・・・ボンネットを開けてみよ!<中国の報道です


 世界の携帯電話の中では日本のメーカーはどうも元気が無いように見えるが、実は世界の携帯電話の中身を見ると肝心な所は必ず日本の部品が使われている。
所でこんな事が携帯電話だけでなく自動車の世界でもじわじわと日本製部品の力が認められてきた。

知る人ぞ知ると言う話しなのだが、そんな一部始終をサーチナが報道しているので紹介。

<以下引用>
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0421&f=business_0421_009.shtml

世界の車に「日本の技術」・・・ボンネットを開けてみよ!=中国メディア
【経済ニュース】 2015/04/21(火) 06:32


 中国の大手ポータルサイト、捜狐は19日「日本を罵るなかれ。フォルクスワーゲンもこれら日本製品を使っている」と題する記事を発表した。

 記事は、フォルクスワーゲンだけでなく、ゼネラルモーターズなども日本製の重要な部品を使っていると指摘した。

 まずターボチャージャーではIHIや三菱重工業の製品が使われていると説明。日本製は品質がよく安価と指摘し、「信じないなら(ボンネットを開けて)見てみればよい」と論じた。

 トランスミッションについてはアイシン精機を紹介。欧州ブランド車としてはフォルクスワーゲン、ボルボ、サーブ、オペル、ランドローバー、プジョーに使われており、上海GMも、アイシン精機製品を使っている車種があると紹介。

 中国では、自動車用の鋼板は自国を代表する製鉄会社の宝鋼が生産するようになったと認識されている。記事は、宝鋼の自動車用鋼板は、新日本製鉄の技術によってつくられていると指摘。フォルクスワーゲン車も日本の技術による宝鋼の鋼板を用いていると紹介した。

 さらに、レーザー溶接ロボットやそれ以外の製造用ロボットでも「日本製が最高の品質」であり、「フォルクスワーゲンの生産ラインは、すべて日本製ロボットを使っている」と紹介。

 自動車用半導体については、日本で生産され空輸されている。記事は、2011年の東日本大震災発生後の状況を紹介。日本国内の生産がストップしたため、中国におけるドイツ系自動車会社も完成車の生産を停止をせざるをえなくなったという。

 記事は最後の部分で「今の時代に、技術に国境はない。本当に自動車を理解している人は、精密機械製造の分野で、日本には実際に優れた部分があると知っていると論じた。

◆解説◆
 捜狐は上記記事の属性を「自動車文化>新科技>安全技術」とし、「安全技術」のジャンルで掲載した。中国では日本車に対する批判が続いている。このところは「安全性が低い」との主張が多くなった。

 一方で、日本車批判に対する反論も、発表されつづけている。多くは「日本車批判に根拠はない」、「日本車の安全性は国際的にも認められている」、「中国市場で劣った車を販売して、日本企業が得る利益はない」といった内容だ。

 捜狐が上記記事を「安全技術」のカテゴリーで発表したことは、日本車批判を目にする読者を念頭に置き、自動車分野における日本企業の優秀さを改めて紹介する意図があった可能性がある。(編集担当:如月隼人)

<引用終り>


自動車で中身の部品が全部日本製などという事はそう簡単にはおこらない。
スマートフォンなどとは中身が違いすぎるのだ。
しかしそれでもエンジンに次ぐ重要部品、トランスミッションがこんな状況。
日本頑張れ! です。
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2015-03-03 17:32

GMがタイ・インドネシアで乗用車生産から撤退

 GMがタイ・インドネシアでの乗用車生産を打ち切る事が報道されている。
中でもGMタイ工場は私もほんの僅かながら縁が有ったので、そんな意味でも灌漑深い。
でもGMブランドと言っても小型車はGMが開発したクルマではない。
乗用車はコリアンカーである。それにシボレーのバッジを付けた車なのだ。


最初はタイからの撤退を報道するロイターの報道から。

<以下引用>

米GM、タイで年央までに小型車「シボレー・ソニック」生産停止
2015年 02月 27日 19:05 JST

 2月27日、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は年央までにタイで小型車「シボレー・ソニック」の生産を停止すると発表した。
[27日 ロイター] - 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は27日、年央までにタイで小型車「シボレー・ソニック」の生産を停止すると発表した。ラヨーン県にあるGMのタイ工場での年産能力は18万台だが、これを縮小する。

GMはスタッフの「自発的離職プログラム」を開始するとしたが、詳細は明らかにしていない。GMはタイで約3200人を雇用する。

GMは26日、6月末までにインドネシアで小型MPV(多目的車)「シボレー・スピン」の生産を停止し、約500人を雇用するジャカルタ郊外のブカシ工場を閉鎖することを明らかにしていた。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0LV0Y520150227

<引用終り>


もう一つ、こちらはインドネシアからの撤退を報道する日経の報道

<以下引用>

GM、インドネシア生産「再撤退」 シボレー工場閉鎖
2015/2/27 9:25

 【ジャカルタ=渡辺禎央】米ゼネラル・モーターズ(GM)は26日、インドネシアで「シボレー」ブランドの乗用車の生産を打ち切ると発表した。工場を6月末までに閉鎖。東南アジア最大の市場性に目をつけ2013年に再参入したが、わずか2年で「再撤退」する。日系車が9割以上を占めるなか、販売・部品調達網の構築で歯が立たなかった。

 工場はジャカルタ郊外で、ミニバン「スピン」を国内外向けに生産している。GMが05年に撤退した跡地に1億5千万ドル(約180億円)を投じ、年産能力4万台で13年前半に再開した。

 撤退の理由は素材や部品の調達コストを下げるのが難しいため。競争激化で製造・販売の台数が増えず、大量調達によるコスト削減が進まない。今後は輸入車の販売に注力するが、価格競争力の低下をイメージ戦略などで補えるかが焦点だ。

 GMは2日、中国・上海汽車集団との同国合弁会社を通じ、インドネシアに年産能力15万台の工場を設ける計画を発表したばかり。GMが独自に運営するシボレー工場の設備を合弁事業に転用する可能性もあり、上海汽車との事業を踏まえてのアジア生産の再編の側面もある。

 インドネシアの14年の新車販売は約120万台。GMは1万台で、シェアは0.8%にすぎない。それでも現地生産により価格を150万円程度と日系車並みに抑えたスピンは、13年に1万1千台を販売し、同社の全車種だと前年比3倍弱の1万5600台に急増した。

 14年は前年比で36%減り、市場全体(同2%減)に比べて苦戦した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H0G_X20C15A2EAF000/

<引用終り>


GMタイ工場で現在生産しているのはシボレー・コロラドという1トンピックアップとその派生のSUV、そして乗用車ではシボレー・ソニック、そしてシボレー・スピンも準備中だった筈。
シボレー・コロラドはいすゞの人気車種D-MAXという1トンピックアップのOEM。
いすゞがGM傘下だった頃に決まったものが現在も続いているモノ。
いすゞD-MAXはコモンレールのディーゼルエンジンを搭載し、性能・耐久性とも優れたクルマでトヨタのタイラックス・VIGOと並ぶ人気車種。
当然海外にも輸出されている。
シボレーの皮をかぶった日本車と言っても良いだろう。


参考までにこれがいすゞD-MAX
(シボレー・コロラドも同じです)
2015-3-3いすずD-MAX
ディーゼルと言っても昔の黒煙モクモクではありません。排気ガスも綺麗、走りは素晴らしい。
下手な乗用車は全くついていけないくらい良く走ります。
流石コモンレールディーゼルです。
尚名前のD-MAXはディーゼルーMAXと言う意味ですが、タイ語ではディー・マーク(とても良い)と聞こえます。



もう一つのシボレー・ソニックはベースがGMコリア(旧大宇)のGM・アベオ、つまり隠れたコリアンカー。

GMタイ工場は創業以来約15年くらい、最初はドイツのオペル・ザフィーラを組み立てていたが途中からコリアンカーに切り替えてきた。
しかし15年たっても、現在タイでの乗用車のシェアーは昨年の場合2.0%(約7500台/年)でトヨタのシェアー41%、ホンダのシェアー25%に全く歯が立たない状態。
まあこれに見切りをつけたのであろう。


次はインドネシアの方。
インドネシアも事情は同じだが、確かGMインドネシア工場は2013年5月頃から操業していたはず。
生産開始わずか2年で撤退とは思い切った事をしたものだ。

インドネシアで生産している車はシボレー・スピン。
シボレー・スピンと言ってもなじみがないがブラジルで2012年に開発されたMPV。
但しベースとなるプラットフォームはシボレー・ソニックと共通、つまりコリアンカーの土台にブラジル産の車体を乗っけた車と言った所。
このクルマで日本車の牙城、インドネシアで勝負しようとしたようだ。

残念ながら同じ土俵、同じ価格帯で勝負してはGMの苦戦は無理もない。
また近くのオーストラリアからもGMは撤退しており、この地区では拠点が無くなってしまった。
(注:オーストラリアはGMだけでなくトヨタも撤退している。理由は人件費がムチャクチャ高騰してしまった事。)

GMは方針がふらふらしてサッパリ分からないが、今回もその様だ。
この先どうなることやら・・・・
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2014-08-18 17:37

カリフォルニアに愛想を尽かしたトヨタ

 バンコク在住のバンコクジジイさんのブログにアメリカトヨタが本社をカリフォルニア州からテキサス州に移転する計画との記事が有る。
http://ameblo.jp/bangkokoyaji/entry-11911284268.html

この記事はウエッジの7月号に載っていたもので、私がモタモタしている間に先を越されてしまった(笑)。
しかしこの件は色んな意味で興味深いので取り上げてみたい。
最初にこれはウエッジの記事。


<以下引用>

米国トヨタ本社移転
戸惑う社員、カリフォルニア州政府

2014年08月13日(Wed)  福田恵子 (ロサンゼルス在住ジャーナリスト)

4月最後の週末、「米国トヨタがカリフォルニアからテキサスに移転」とのニュースが全米を駆け巡った。カリフォルニア州ロサンゼルス郊外トーランスの米国トヨタ本社を、2017年まで段階的に、テキサス州ダラス北郊のプレイノに新しく建設される本社キャンパスに移すことが発表されたのだ。

 しかし、カリフォルニアはここ最近、高税率かつ不公平で複雑な税金を課す州との悪評が高く、企業には人気がない。移転先のテキサスは、フォーブスが全米でビジネス好適州7位に位置づけている。トヨタは表向きの移転理由を、ケンタッキーの技術部門とカリフォルニアの販売部門の機能を一カ所に集めて「One Toyota(1つのトヨタ)」を実現することだとしている。しかし、トヨタが事前にリストアップした移転候補地10都市にカリフォルニアは一カ所も含まれていなかった。また、トーランスはロサンゼルスの大都市圏に属すことで優秀な人材には恵まれているが、テキサスのプレイノに比較すると、生活費は4割も高くつく。言い換えれば、テキサスでは同じ給料でも質の高い暮らしを送ることが可能となる。

 今回のニュースを聞いて、フラッシュバックのように蘇ったのが、8年前の日産本社のロサンゼルス郊外からテネシー州ナッシュビルへの移転だ。日産は当時、本社勤務のうち4割の従業員が移転に伴い転勤したと発表した。しかし、8人の役員が移転後2年以内に退職している。彼らは、家族を残し単身赴任した後、ロサンゼルスに転職先が見つかると、会社よりも「住み慣れたカリフォルニア」を選択したのだ。

 果たしてトヨタの従業員は、今後どのような選択をするのだろうか。トーランス本社に勤務する勤続15年の女性社員は、「会社からは『全員がウェルカムだ。一緒にプレイノに移ろう』と言われているので、移転に対しては前向きに受け止めている。しかし、どのような生活が待ち受けているのか、待遇はどう変わるのか具体的なことが何ひとつわからないので、周囲の社員を含め、まだ決断はしていない状況だ」と会社の決定を信頼しつつも、先行き不透明だと語る。

 日産が移転した2006年、米国トヨタの幹部は「我々が日産のようにこの地を去ることはない」と明言した。しかし、状況が変化すれば企業の方針も変化する。カリフォルニア州は「逃がした魚は大きい」と後悔することになるだろう。

◆Wedge2014年7月号より

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3990?page=2

<引用終り>

実はウエッジの記事ではあまりしっかり書いてないが、トヨタはカリフォルニアに愛想を尽かしたと言った方が正しいようだ。
その辺りの事情を少々古いが5月のWSJの社説が書いている。

<以下WSJより引用>

【オピニオン】カリフォルニアに愛想尽かしたトヨタ

By HOLMAN W. JENKINS, JR.

2014 年 5 月 16 日 14:02 JST

 カリフォルニア州の一部メディアのだまされやすさは笑えるほどだ。米国本社を5000人分の雇用とともにテキサス州ダラス郊外に移転するというトヨタの決断は、カリフォルニアのビジネスや政治環境を反映したものでは決してないとする主張だ。

 トヨタの北米事業を統括するジム・レンツ氏はロサンゼルス・タイムズ紙に「カリフォルにアに本社を置かない理由は地理的なものだ」と強調した。

 もちろんカリフォルニアから立ち去る真意はトヨタにしか分からない。現在米国で販売されているトヨタ車のほとんどはミシシッピやテキサスなどの国内で生産されており、もはやロングビーチ港経由で輸入されているわけではない。しかし、トヨタの顧客はカリフォルニアに偏在している。その代表的なハイブリッド車(HV)「プリウス」については特にそうだ。それに、他の企業は人員をさまざまな場所に拡散させる方が有益だと判断している。ボーイングは1000人分の技術職をシアトルからロングビーチに移したばかりだ。

 本社を置く場所としてはともかく、自動車生産地としてのカリフォルニアへのトヨタの態度は過去にもきっぱりと表れている。トヨタは2009年、フリーモントのGMとの合弁組立工場を維持することを拒否した。ビル・ロッキャー州財務官率いる特別委員会をはじめ、カリフォルニアの政治家から容赦ない圧力を受けたにもかかわらずだ。本社をテキサスのような共和党色の強い州に移転したことは象徴的な行為かどうかは分からない。しかし、トヨタがカリフォルニアの政治にほとほとうんざりする理由は他にもいくつかある。

 1つはヘンリー・ワックスマン上院議員だ。09年、代車として使用していたレクサスの悲惨な事故で4人が死亡した。サンディエゴのディーラーは、その代車の前の使用者からフロアマットがアクセルペダルに引っかかることを警告されており、不運とも言える事故だった。ワックスマン議員はこの全米に報道された悲劇を下院公聴会のお膳立てに利用し、別の全く異なる欠陥について詰問した。電子システム上のバグで車が暴走する事態が生じていると主張したのだ。ワックスマン氏の公聴会は進行中だったが、米政府はトヨタ車の事故は「ペダルの設置ミス」が原因であることを示す証拠を積み上げていた。電子的欠陥は発見されなかった。バグ原因論は訴訟弁護士の間でだけ支持されており、ワックスマン議員の取り組みの背後にそれら弁護士の利害があったことは明白だ。

 さらに、やはりカリフォルニアを地元とするロサンゼルス・タイムズ紙がサンディエゴの悲劇を独自の「調査」で追跡取材し、苦情データの短絡的な分析を基に電子的欠陥を主張した。トヨタは同社史上最も深刻で費用の高くついたスキャンダルで基本的にカリフォルニアの重要な指導者や組織の餌食にされたようなものだ。しかし、彼らは自分たちの過ちを認めるどころか、内省さえせず、当事者間でいまだにこの職業的な腕前をたたえ合っている。 

 そしてもう1つが、カリフォルニア大気資源委員会(CARB)だ。トヨタはガソリンと電気を利用したHVを成功させた草分け的存在。しかし、トヨタはカリフォルニア最大の自動車ブランドとして、州内でのゼロ排出車(ZEV)の一定比率の販売を義務づける空虚な規制によって、最も多額のコストを負担することにもなっている。つい先週、トヨタがテスラとの3年間の契約を静かに終わらせる計画であることが明らかになった。この契約はトヨタの小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「RAV4」の電気自動車(EV)版2600台の部品をテスラから調達するというもの。テスラの各種文書によると、部品の開発・供給のためにトヨタが負担する費用は1億6000万ドル(約160億円)と見込まれていた。1台当たり6万1000ドル以上だ。

 RAV4のガソリン車の値段は2万5000ドル前後。EVモデルの1回の標準的な充電での走行距離はわずか92マイル。この実質ハンドメイドの「規制順守車」が、5万0610ドルというかなり譲歩した価格がつけられているにもかかわらず、売れ行きが芳しくないのも不思議ではない。2年たってもまだトヨタは来年9月までに義務を達成するために、多額の損失をのんで1000台をEVにシフトしなければならない。

 RAV4のEVモデルは途方もなく高い。その一因は、豊田章男社長がここ20カ月でEV車開発プロジェクトを直接主導し、盛り上げてきたことにある。アクセルペダルの欠陥問題が突発するなか、テスラに有益な恩恵を与える見返りに、カリフォルニアの政治家が多少は愛情を示してくれることを豊田氏が期待していたのは明らかだ。その恩恵には、テスラへの直接出資や巨大なフリーモント工場の魅力的な条件でのテスラへの譲渡なども含まれていた。しかし、目立った形で愛情が示されることはなかった。一方、ZEV規制は見え透いたまねごとの温暖化対策にほかならない。

 リチウムイオン電池パックの製造と継続的な充電コストを加味した場合、EVの排出抑制効果は誇張されている。液体水素燃料電池車については間違いなくそうだ。液体水素燃料電池車はカリフォルニアの規制でEV以上に大きな恩恵を受けている。また、トヨタは規制順守コストを引き下げようと液体水素燃料電池車に力を入れている。ZEV規制は排気管からの排出のみに配慮し、全体的な環境効果は無視している。なぜなら、そうすることで宣伝になるような自動車の導入が促され、政治家は環境に配慮するイノベーターとして振る舞うことができるからだ。

 当然ながら、トヨタはカリフォルニアで車を売り続けるために、この皮肉に参加し続けるだろう。カリフォルニアの指導者たちは無思慮の権利意識をかざして業界資本を偽りのポーズに無駄に費やしている。しかし、そうした権利意識に自動車メーカーの経営者が嫌悪感を抱かずにいられるはずはない。少なくともトヨタとカリフォルニアが思い描くものは今や異なっている可能性がある。トヨタがテキサスにピックアップトラック工場を建設したのは米国の非都市部に近い場所に拠点を置きたかったからだ。全米自動車競争協会(NASCAR)に加盟したのも同じ理由だ。米国本社のカリフォルニアからの移転が何を象徴するかをトヨタが慎重に考慮しなかったと思い描いているのであれば、トヨタを分かっていないということだ。

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304408504579565023659003350

<引用終り>

トヨタは2009年、フリーモントのGMとの合弁組立工場を維持することを拒否した・・・
この件はトヨタにとってもアメリカでの最初の苦渋の決断だった。
このフリーモントの工場、NUMMIと言ってトヨタが初めてアメリカでの生産を始めた、しかも合弁相手はライバルのGM、色んな意味でトヨタにとって記念碑的な工場だ。
それをGMから一方的に「イチ、抜~けた」と手をひかれてしまったのである。
トヨタはアメリカでのGMとの提携関係を維持するために何とかGMを引き留めようとした。
当時開発中だった3代目プリウスをNUMMIで生産する案を提示し、生産量を確保し工場の採算を維持。
更にその3代目プリウスを何とGMブランドで売ることまで了承しよう、更に必要な技術も開示しよう。此処まで譲歩しようとしたのである。
だがしかしGMは「オイラにはボルトが有る、プリウスなんか目じゃないもんね~」、結局乗ってこなかった。

GMが抜けたらNUMMIは生産量を維持できない。
更に厄介なのがGMがいたからこそ何とかなっていたUAW問題。こんな先鋭的な組合を抱え込めばトヨタの他の工場に波及するのは目に見えていた。
結局トヨタは撤退を決断することになった。
WSJの記事には詳しく書いてないが、こんな事情で撤退したのである。

だがこの因縁話はこれで終わった訳では無かった。
その直後からアメリカのトヨタバッシングが始まる。
トヨタバッシング
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%81%AE%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB_(2009%E5%B9%B4-2010%E5%B9%B4)

このトヨタバッシングでのアメリカ政府(NHTSA)の追求は苛烈を極めたが、更に問題なのが事故原因調査として技術情報の提出を要求したことである。
以下は噂なのだがプリウスなどのハイブリッド車の電子制御関係の情報も丸ごと提出させられたらしい。
更に未確認の噂だが、この情報は当時ハイブリッド車開発で四苦八苦していたGMにも流れたとか・・・(あくまで噂です)

トヨタバッシングはトヨタ社長のアメリカ下院議会での証言で収束に向かったのだが、よくもまああれだけのバッシングに耐えられたものだと思う。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-620.html

おまけに日本は当時民主党政権。彼らは自国の企業が窮地に立ていた時助けるどころか頭をたたきに来た。
おまけにマスゴミまで尻馬に乗ってトヨタ叩き。忘れることの出来ない記憶である。

更にもう一つ、このトヨタバッシングで訴訟を起こしたのは在米韓国人が中心だった。
以下参照ください。
http://blog.goo.ne.jp/pandiani/e/7fd41f2ead0ef57688365953162d909d

カルフォルニアは韓国人のコロニーがアチコチに出来ている。そこに慰安婦像なるモノが建てられ、日本人を侮辱しているのだが、カリフォルニアとはこんな土地柄に成り下がってしまった、そう認識せざるを得ない。

トヨタのカリフォルニア脱出は現地にとっては青天の霹靂だったようだが、恐らくカリフォルニアの終わりの始まり、そう言う事だと思う。
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2014-03-07 18:34

大震災に立ち向かったあるメーカーの話

 間もなく3.11.日本人には忘れられない日がやってきます。
その大震災に立ち向かったあるメーカーの話がレスポンスに載っていた。
3.11は悲しい日ではあるモノの、最近は放射脳が事ある毎に騒ぐのが気になる日でもある。

まあ大震災で自分の地盤が被災しても、東京で放射脳怖いでキ〇〇マがチヂミ上がって布団かぶって隠れていた某国会議員センセもいる訳だ。結局このセンセ、お母ちゃんから三行半を突き付けられるのだが、そんな話題は置いといて、こんなメーカーもあるという事で見てください。

これがレスポンスの記事
http://response.jp/article/2014/03/05/218503.html

<以下引用>

【土井正己の Move the World】震災から3年、「東北から未来へ」…驚きと感動を極めた「東北を第3の拠点に」の判断


まもなく東日本大震災から3年が経つ。2011年3月11日金曜日、その日のことは、今もしっかりと脳裏に刻まれている。私は、豊田市のトヨタ自動車本社の12階のオフィスにいた。その場所でもかなりの揺れを感じ、急いでテレビの前に集まり、それに見入った。そして、徐々に悲惨な状況が明かになってきた。

トヨタでは、同日に緊急対策本部が立ち上げられた。豊田本社、東京本社、名古屋ビル、そしてトヨタ東北の機械部品工場、トヨタ系列の自動車組立て会社であるセントラル自動車の宮城工場と関東自動車の岩手工場などがテレビ会議システムで結ばれ、その日から毎日2~3回の頻度で、現地の状況が刻々と伝えられた。対策本部にいつもの作業服の姿で現れた豊田章男社長は、「一に人命、二に地域、三にオペレーション(回復)」と我々に優先順位を明確に示し、陣頭指揮をとった。

豊田社長は対策本部でこうも言った「君たちは、現場に一番近い。ここで全て決めればいい。即断、即決、即実行だ。役員に報告する必要はない。役員には、『もし状況が知りたければ、この対策本部にくればいい』と私が言っておく」と。すると、次の日から、豊田名誉会長や張会長(当時)などトップ役員が会議室の隅の方の席に黙っているのを見て、驚いた。

本当に全てのことが、その対策本部の大部屋で決まっていった。当初ここで決定したのは、現地への救援物資だ。現地からのリクエストに応じて、水、食料、ガソリン、薬、おむつなど、大量にトラック輸送された。震災の翌々日には、第一弾のトラックが送りだされ、日曜にも関わらず、豊田社長をはじめ多くの従業員が救援トラックを見送った。じつは、このトラック輸送のために先遣隊が前日に複数のルートに分かれて出ており、トラックの通れる道を確認している。これは、95年の阪神・淡路大震災の時に学んだ教訓だ。

1年後に現地を訪問して知ったことだが、この食料、水は役場や病院など中心に配られ、南三陸町の病院では、患者の移送、毎日数トンの水の供給など、全てトヨタの工場職員が行ったという。


◆呉越同舟

現地の物資は徐々に揃いだしてきたので、我々の本来の役割、すなわち、「日常の経済活動」が重要になってきた。4月に入っても、しばらくは全国の工場は止まったままだった。東北には、電子部品やゴム加工品で世界最高レベルの技術を持つ会社がいくつもあり、これらが被災したためだ。ひとつでも部品がなければ、クルマは作れない。

トヨタだけでなく、日本の自動車メーカー全てが影響を受けた。自動車工業会会長でもあった日産の志賀COO(当時)は、昨年11月の東京モーターショーでのプレス発表で、当時の様子を次のように語られている。「日産の工場も被害を受けた。サプライヤーの被害も甚大だった。それだけに豊田社長から『自動車工業会を挙げてみんなで助け合って東北の復旧をサポートしましょう』と電話を頂いた時は嬉しかった。」

ここから、呉越同舟、日本の自動車メーカーは協力して、東北のモノづくり企業の復旧をサポートした。現地に出向いた社員数は延べ数千人に及ぶ。
復旧作業は、急ピッチで進んだ。「数カ月かかると考えていた作業が、現地の方と協力して、数日で完了できた」という報告が本社に伝わり、どっと沸いたこともあった。しかし、その翌日、同じ報告者から「昨夜の余震で全て駄目になった。心が折れた」と言ってきた。彼は続けた。「でも、現地の方はもっと辛いだろうから、明日からもう一度頑張ります」と。涙をこらえる声だった。

当初、年末までかかると言われていた復旧作業は、見通しを大きく上回るスピードで進み、「6月には全国の生産の7割が回復する」と5月11日に発表した。このスピードの裏には、東北の方々と各自動車メーカーの応援者の凄まじい努力、そしてドラマがあったのだと思う。


◆「東北をトヨタ第3の生産拠点にする」経済合理性

そんなある日、「東北を(編注:中部地区、北部九州地区に次ぐ)トヨタ第3の生産拠点にする」というトップ役員の判断、豊田社長の言葉が伝わってきた。正直、耳を疑った。驚きの後に感動が極めた。

さっそく、東北に飛んで、記者会見の準備にあたった。東北の方々は、私以上に驚いたことだろう。多くの工場が東北からの移転を検討する状況で、知事が何とか食い止めようとしていた最中だったからだ。

もちろん、トヨタには「東北を第3の生産拠点」とする経済合理性があった。それまでに、系列の自動車組立工場が2つあり、トランスミッション工場、ハイブリッドカー用のバッテリー工場もあった。ただ、エンジン工場がなく、また多くの部品は東北以外から運び込まねばならず、効率を悪くしていた。復旧活動支援などを通じ、「東北には優良な企業、優良な人材が豊富」をいうことが明確になったからだろう。ここにエンジン工場もつくり、ここで人材育成もすれば、東北生産の競争力が高まると会社として判断したということである。

「トヨタ自動車東日本」の設立を7月19日に発表、同日、人材育成の拠点として「トヨタ東日本学園」の建設も発表した。これまで別会社であった組立工場などを合併し、さらに新規エンジン工場建設も予定した。余震が続く中での発表で、新幹線が止まり、東京から一部のメディアの方が到着できなかった。


◆東北から日本の未来が生まれる

3年目を迎え、被災した東北の自動車産業は元気になってきた。その証はいくつもある。昨年の国内年間販売ランキングで1位となったトヨタの「アクア」は、「トヨタ自動車東日本」の岩手工場でつくられている。また、昨年8月に投入されたカローラのハイブリッド車は、宮城工場で生産されている。バッテリー工場があること、また、この地域が電子技術に優れていることから、東北はハイブリッド生産基地になりつつある。

被災した日産の「いわき工場」も予定をはるかに上回る早さで復旧をとげ、高級車搭載用の最新鋭VQエンジンをここで生産している。被災し、一人がお亡くなりになられた「本田技術研究所 四輪R&Dセンター栃木」は、「震災からの復旧ではなく、より進化した研究所を目指して」と謳い、世界最先端の環境技術などを研究している。

「イノベーション」という言葉を社会に持ち込んだシュンペーターは、「イノベーションは破壊したところから始まる」と述べた。東北が、震災によって大きな傷を負い、日本国民全員が悲しみに暮れた。しかし、ここから未来がつくりだされることは間違いない。東北の方々の「モノづくりにかける執念」は、日本のどこにも負けないものがあると思う。「東北から未来へ」、これからもこの流れを応援していきたい。

<引用終り>

一寸コマーシャル気味だったでしょうか。
でもこんな話はマスゴミは報道しないので、明るい話題としてみてほしいと思います。
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2014-02-06 17:30

アストンマーティンが大規模のリコール 中国製偽造部品が原因

 これをやられたらクルマメーカーは命取り、そんなケースが報道されている。
まあ車がアストン・マーティンなので所詮私らには高嶺の花なのだが・・

<以下大紀元より引用>

アストンマーティンが大規模のリコール 中国製偽造部品が原因

【大紀元日本2月6日】英高級スポーツカーメーカー・アストンマーティンは5日、全世界で1万7590台のリコールを発表した。2007年以降に生産された16車種が対象。理由はスロットルペダルレバー、及び左ハンドル車の足元スカッフプレート取付位置に不具合が判明したためである。

 同社が各国の関係当局に届け出たリコール申請資料には、「スロットルペダルレバーの材質が不適切なため、繰り返し操作することでスロットルペダルレバーが破損して脱落する恐れがある。そのため、スロットルペダルを踏み込めず、加速できなくなる」としている。また、左ハンドル車について、「取付位置のずれにより足元スカッフプレートがスロットルペダルレバーと接触するものがあるため、スロットルペダルレバーがより破損しやすくなる恐れがある」と説明した。

 同社にスロットルペダルレバーを供給しているのは中国深圳市のメーカーで、偽造プラスチック素材を使用したとみられている。今回のリコール台数は同時期に製造された車両の75%を占めている。

http://www.epochtimes.jp/jp/2014/02/html/d25184.html

<引用終り>

アストンマーティンなど滅多に見ないのだが、それでも日本では対象車種は278台も有るそうだ。
リコール詳細は以下参照ください。
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_001473.html

それにしてもこの話、カーメーカーにとっても部品メーカーにとっても命取りの話。
スロットルペダルレバーを供給しているのは中国深圳市のメーカーで、偽造プラスチック素材を使用したとみられている

これは多分本来使わねばいけない材料ではなく安い材料を使って製造したのだろう。
プラスチックは外観だけでは材質が分かり難い、だからこんな事は当然起こりうる、それが悪意なのか単純なミスなのかは別としてだが。

モノ造りの現場では絶対あってはならない事例だが、こんな事は何処でも起こりうる。
私は日本でもだったが、特にタイでは現場の末端の作業員にまで「部品や工程でちょっと何か可笑しいと思ったら必ず報告しなさい」と教育してきた。
何時もとちょっと色が違うとか、そんな些細な事は毎日扱っている人でなければ発見できないからだ。
勿論スタッフやエンジニア・マネージャーにはそんな事に頼らず、品質を保証する仕組みを作り管理させてきた。
其れでもこんな所まで関心を持つことが大切と教えてきた。

最近日本でも冷凍食品に農薬を混入するなどと言う信じられない事例が発生している。
そんな所を未然に防ぐにはマネージメントから末端の一作業者まで徹底的な意識付けが必要だ。

今回のアストンマーティンの事例はそんなことを考えさせるいい事例ではないだろうか。
ヤッパリ中国製はダメだ、こんなレッテル貼りでは済まないものが有る、そう思っている。

<追記> 引用文で「偽造プラスティック」と書いてあるが国土交通省の資料を見るとプラスティックには見えない部品。材質は違うかもしれません。
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2014-01-24 11:52

ハイブリッドカーの買い替え

 アメリカでハイブリッドカーに乗っている人にアンケート調査すると「次もハイブリッド」との回答が3割、こんな報道が有ったようだ。
この話はkazkさん、WannabeRSさんから教えていただいた。

「アメリカ人の6割超がハイブリッド車を2度と買わない?」
http://www.advertimes.com/20120419/article63503/

しかし今乗っている車を買い替える時、もうその車には乗らない。こんな人が6割超も居たらそのメーカーは多分半狂乱である。
勿論車以外でも同じで、例えば食べ物屋でももう二度とこの店には来ない、こう言われたらアッと言う間に潰れる。

そんな事でちょっと気になったので、そのソースを調べてみた。

Advertimesの記事ではソースは「自動車関連のマーケティング調査やコンサルティングを行うポーク(Polk)」となっている。(注:Pork=豚ではなく、Polkです)

所でそのPOLKだがこの記事の翌年、他の会社に吸収されたらしい。
これがPolkの概要
http://en.wikipedia.org/wiki/R.L._Polk_%26_Company

Polk買収を伝える報道
「調査会社の米IHSは10日、自動車産業向けの調査会社として知られるRLポークを買収」
http://auto-affairs.com/?p=5908


そしてPolkが2012年4月9日にこの調査を公表したその日に速攻で報道した新聞が有る。
ロサンゼルスタイムズだ
http://articles.latimes.com/2012/apr/09/business/la-fi-mo-repeat-hybrid-car-buyers-20120409

このロサンゼルスタイムズの名前を聞いてハハ~ンと思った。
実はこのロサンゼルスタイムズ、以前のトヨタバッシングの黒幕中の黒幕。
ムチャクチャトヨタを叩いていたのだが、その辺りが甚だ怪しい人物が絡んでいた。

「トヨタ“推定有罪”の世論を作った謎の人物とLAタイムズの偏向報道」
http://diamond.jp/articles/-/2530

上掲ダイアモンドの記事はトヨタバッシングの関係で色々調べたことが有るので記憶にある。
言っている事は正論だし、勿論事実に基づいている。

そしてこの問題、ロサンゼルスタイムズと言う怪しげな新聞とその後ろにコリアの影を感じるのだが、今はこれ以上分からない。

また日本での報道をしているAdvertimesが引用している国内の事例は2006年のもの。
恐らく初代プリウスのユーザーに対しての調査なんでしょう。
今頃引用するデータではないと思います。

結論です。
この話は怪しげな新聞社が報道した怪しげな記事が元。
WannabeRSさんも指摘していますが、身の回りでプリウスがいやだと言って文句を言いながら乗っている人は殆どいないでしょう。
ただハイブリッドは長距離高速走行では意外に燃費が伸びない。街乗りであんなに燃費が良かったのになあ、こんな意見もあります。
理由はハイブリッドのメリットがほとんど出せない走行条件だから。
そんな所でヨーロッパではそれよりディーゼルが良い、そんな意見も多い事も事実です。
また静かでおとなしすぎて面白くない、これも事実。

面白い話を提供していただいたkazkさん、WannabeRSさん、どうも有難うございました。


それで最後に面白いハイブリッドなどどうぞ。
ラ・フェラーリです。 ・・・これなら欲しい!!!


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2014-01-20 13:27

アメリカの自動車のトレンド

 アメリカ、デトロイトで全米自動車ショーが開かれている。
今年のトレンドは「より大型に・より速く・より効率的に」なのだと言う。

だがちょっと待ってね、アメリカは2012年にオバマ肝いりで無茶苦茶な燃費改善計画を発表したはずだが、一体どうなってしまったのだろうか。

以下それを伝えるWSJ記事

<以下引用>

2014年 1月 17日 15:32 JST
デトロイトの新車―より大型に・より速く・より効率的に

 毎年、デトロイトの自動車メーカーは、地元で開催する北米国際自動車ショーを利用して、自動車ビジネスがどこに向かっているのかに関する見方を伝える。今年のメッセージは、「高度テクノロジーを利用して、車はより大型で、より速く、より軽量に」というものだ。

2014-1-20デトロイト自動車ショーのコルベットとバイデン

北米自動車ショーでGMのバーラCEO(左)と2015年型コルベットZ06に試乗するバイデン副大統領


 ゼネラル・モーターズ(GM)のシボレー・ブースでは、再設計された大型SUV(スポーツ用多目的車)と新型ピックアップ「コロラド」が前面に出ている。また625馬力の「コルベットZ06」も先頭に立っている。さらに中には、マッスルカー「カマロ」のラインアップがある。アルコーブ(あずまや)に押し込まれたのがハイブリッド車「ボルト」だ。

 バイデン副大統領は立ち止まってコルベットを称賛し、自分が今なお所有している1967年型スティングレーの爆発的な発進力の思い出を語った。またバイデン氏は自動車業界幹部に対し「(不況にあえいでいた)5年前と比べ、自動車業界も大きく変わったものだ」と述べた。

 そのことに疑いは全くない。5年前、規制当局者は自動車メーカーに対し、2025年の車の設計についてガソリン1ガロン当たり平均燃費を54.5マイルにするよう要求した。

2014-1-20デトロイト自動車ショー関連WSJのグラフ

米国の新車は燃費と馬力が右肩上がりに

 オバマ大統領は当時、デトロイトの自動車メーカーに対し、納税者のカネ800億ドルを使って、米国製のコンパクトカーとプラグイン・ハイブリッド車群を製造するよう促した。ボルトのような車だ。自動車業界幹部は11年、政府のプランにしたがって、向こう10年間で燃費効率を2倍以上にする計画を受け入れた。一部の専門家はガソリン価格がガロン当たり6ドルないしそれ以上になると予想していたから、それは当時完全に意味のあることだった。

 しかし今週デトロイトで展示されている真新しいSUVやトラック、豪華車をみると、将来像はスケジュール通り到来しないことが示唆されている。 08年から10年までの間に、米国がより大型でより速い車への歴史的な選好からシフトしたのは事実だ。環境保護局(EPA)によれば、米国内で売られる新車の馬力と重量は低下し、平均燃費は上昇した。2008年、平均的な新車は219馬力で燃費、つまりガロン当たり走行距離(mpg)は21マイルだった。翌09年には208馬力に低下し、燃費は22.4マイルに上昇した。


 何が変化したのか? シェールオイル(頁岩から抽出する石油)革命の結果、ガソリン小売価格の際限のない上昇スパイラルを招いているとの懸念が脇に置かれたのだ。それに対応して、自動車メーカーは主流の消費者に対し、電気自動車購入を促す努力をしなくなり、代わりに大型で快適で高速で、しかも効率のいい車を提供できる技術と素材の開発を競っている。

 SUVとピックアップへの需要は増加している。昨年、米国で販売されたあらゆる軽車両のうち、トラックが半分以上を占めた。前年から逆転した形だ。このシフトは燃料価格の低下と同時に起こった。

 13年の数字が集計されると、EPAは車両が一層重くて馬力は過去最高と肩を並べると予想している。しかしそこには意外な事実がある。燃費も上昇しそうなのだ。ただし、それはEPAの規則で義務付けられるほど急速に上昇しないかもしれない。 現在のトレンドは、連邦燃費規制をめぐる新たな議論が活発になりそうなことを示唆している。それは、2025年に全種で54.5mpgを義務付ける規制を17年に再検討する動きにつながるだろう。


 米国で提供されているハイブリッドとプラグイン車両の数が急増しているにもかかわらず、こうした車両の販売は市場全体の約3%に達したにすぎない。そのうちトヨタ・プリウス系の車がほぼ半数を占めている。テスラ・モーター社の「モデルS」は、裕福で技術志向の消費者なら電気自動車を購入することを示した。しかしテスラの乗用車は7万ドル(約700万円)以上で、ニッチ製品なのだ。

 これに対し、主流の自動車メーカーは、ガソリン価格が上昇しなければ、米国の消費者は25年の連邦燃費基準を満たす車(つまり効率的な大型トラックないしファミリーサイズのSUV)を購入しないのでは、との懸念をますます強めている。

 トヨタ自動車の北米部門のトップ、ジム・レンツ氏は「わたしは米政権が業界と消費者を燃費効率の良い乗用車に向かわせようと構想しているのを評価する」と述べ、「消費者はこれを積極的に受け入れなければならない」と語った。

 しかし同時に、現状では「断絶があるだろう」とも述べている。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303919304579325763578826686.html

<引用終り>


日本では今クルマのトレンドはエコカー。
各クルマメーカーはクルマ好きな若者を増やすようなクルマ作りに躍起になっている。

しかしアメリカは全く違うようだ。
2年前にオバマが大々的に推進しようとしたクルマの燃費改善、これはベースには石油資源は既に2005年にピープを迎えた(ピーク・オイル)と言う危機感が有ったはずだ。
この話は2012年の以下エントリーを参照ください。
自動車の燃費規制
この時、必死で燃費規制を説いていたオバマは何処へ行ったんでしょうね。

このピーク・オイル、勿論間違っていた訳ではない。
しかしアメリカは怪しげなシェールオイル、シェールガスなるモノが出たことで石油枯渇は当分ないとの楽観論が蔓延っているらしい。
怪しい話である。

引用したところにGMのコルベットを試乗するバイデン副大統領が写っている。
バイデン副大統領の怪しい所は昨年暮れの日本訪問で日本人もしっかり気が付いたはずだ。

さてこの話、どうなるんだろうか。

日本はこれから元気になってゆくだろう。
先日行われた東京オートサロン(改造車のショー)にはこんな掲示板が有ったそうな。
ホンダのブースの掲示板
2014-1-20東京オートサロン

日本頑張れ!
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2013-12-17 20:36

名古屋モーターショー

 旧聞なのだが15日まで名古屋モーターショーが開かれていた。
長女が見てきてこんな写真を持ってきたのでショーの一端を紹介。

最初はこれ

2013-12-16ミニのくまもん1


何ですかこれは??、 クルマ?? それとも??

2013-12-16ミニのくまもん2


くまもんでした(笑)
ミニのオープンカーのくまもんバージョン


これはトヨタのタクシーキャブ。

2013-12-16モーターショーのトヨタのタクシーキャブ



現在日本のタクシーの内LPGタクシー(通称プロパン車)はクラウンコンフォートがシェアー90%。
しかし2017年で生産打ち切りが公表され、タクシー業界、LPガス販売業者には大ショック。
そこでこんな車がコンセプトカーとしてモーターショーに出てきた。
LPGハイブリッドなのだと言う。

でもこの車なら個人でも買う人が出てきそう。

そしてこれ。
ホンダのコンセプトは「枠にはまるな」。

2013-12-16モーターショーのホンダのコンセプトは枠にはまるな


なるほど、良い事言ってます。
若い人に是非とも噛みしめてほしい言葉、「枠にはまるな」。

流石ホンダ、素晴らしい。
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2013-11-07 23:04

東京モーターショーのトヨタのコンセプトカー<半世紀前のフランク・ロイド・ライトの慧眼

 間もなく東京モーターショーが始まる。これに出展されるトヨタのコンセプトカーがWSJで紹介されている。
所がこれを見て私はビックリ。
実に40年以上前にそっくりのクルマを未来のクルマとして描いた人がいるのだ。建築家のフランク・ロイド・ライトである。

最初に東京モーターショーを紹介するWSJの記事から。


<以下引用>

トヨタ、東京自動車ショーで未来型電気自動車を披露へ

トヨタは今月23日から来月1日まで開かれる東京モーターショーで、より広いドライブシーンを提供するコンセプトカーを発表する。燃費に優れた排出量の少ない車やレクサスのブランドのイメージをより生き生きと描こうとしている。

トヨタのコンセプトカー「FV2」は未来型の電気乗用車で、よりスピーディーな動きを想定している。人の心を読む基本機能のようなものを備えている。三輪スクーターと電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」の中間にあるような四輪車だ。立って運転することもできるが、車輪が前と後ろでセグウェイより2つ多いため、より速いスピードでも安定している。
2013-11-7トヨタのコンセプトカーFV2の1

前方が貝殻のようなカバーで覆われたFV2には、周囲の車や情報伝達インフラから無線で集めた情報をドライバーに伝えるディスプレーパネルが備わっている。ドライバーが関心を持ちそうなルートや行く先を、声やイメージセンサーから感じ取り、お勧めを提案するパネルだ。
2013-11-7トヨタのコンセプトカーFV2の2

・・・以下略、詳細は下記リンク先参照ください・・・


http://realtime.wsj.com/japan/2013/11/05/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%80%81%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%81%A7%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E5%9E%8B%E9%9B%BB%E6%B0%97%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%82%92/?mod=WSJBlog&mod=WSJJP_Blog

<引用終り>

このFV2、街中のチョイ乗りには面白そうだ。こんな車で最寄りの駅まで乗ってゆき、そこからは電車などで通勤するのならスペースもあまりとらない。興味深い車である。

しかしこんなクルマ、私が若い頃読んだフランク・ロイド・ライトの本に出てくる車とそっくりなのである。
こんな本である。「ライトの都市論」彰国社刊 昭和43年(1968年)12月発行
(書棚からほこりを払って取り出したのがこんな本)
2013-11-7ライトの都市論-03


この本は発刊直後に買った筈なので多分読んだのは昭和44年(1969年)頃だと思う・・・(古いなあ)

その中に未来都市のイメージが書いてあり、そこに未来にクルマと都市の姿がイラストで描かれている。
訳者あとがきに依れば、この本は1958年夏刊行された”The Living City”の全訳でライトはこれを書きあげてから半年後90歳で死去しているので、彼の最後の著作だと言う。

その未来のクルマのデザイン、これはその設計図
2013-11-7ライトの都市論-01


そしてこれはその車を使った都市のイメージ図
(ライトの描く新しい都市のシビックセンターからの景観。路上には新しい車が走り、空にはヘリコプタータクシー、遠景の建物は左が無宗旨の総合教会、右がアパートとオフィスを併せ持つタワー)
2013-11-7ライトの都市論-02


何故ライトがこんなクルマを考えたのか、今回改めてイラストを見直してみた。
こんな車なら前後輪が90度向きが変わるのでその場でUターンできる。人力車かリアカーみたいな動きが出来るのでそんなメリットを考えたのだろう。
流石天才は考えることが違う、改めて感心した。

しかし半世紀以上昔に天才建築家が考えた未来のクルマ、それをトヨタがコンセプトカーとしてモーターショーに出展する。凄い時代である。
夢は実現する、そんな思いでこの記事を見ている。
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2013-10-29 23:01

クルマ文化の未来<自工会会長の話

  10月28日の読売新聞にクルマ好きなら興味深い記事が有った。

自動車工業会会長の豊田章男氏の話である。
偶然だが日曜日にクルマ好きの長女から電話が有り、今日新城ラリーに行ってきた。モリゾウが出ていたので会ってきた、そんな事を言ってた。
そんな顛末も含め、自工会会長の話を紹介。
尚リンク先は下記だが読売プレミアムなので会員以外読めないので以下全文引用。
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20131027-118-OYTPT00806/list_ECONOMY1_1
 
<以下引用>
 
東京モーターショー来月22日開幕…自工会豊田章男会長に聞く
2013年10月28日3時2分 読売新聞
 
 11月22日から12月1日まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる第43回東京モーターショーを前に、日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)が読売新聞のインタビューに応じた。豊田会長は「自動車産業やものづくりに若者が興味をもってくれるとありがたい」と述べて、自動車文化を次世代に伝える重要性を強調した。(聞き手 東京本社経済部長・斎藤孝光)
 
車文化若者へ未来
 
 ◆楽しさ体感
 
 ――会長は「モリゾウ」という名のドライバーとして、ラリーや24時間耐久レースにも出ている。
 
 「もっといい自動車を作るために自分のセンサー(感覚)を研ぎ澄ましたいという思いで始めたが、運転の仕方が分かれば分かるほど、楽しみ方も分かってきた。包み隠さず、車を楽しんでいる姿を若者たちにしっかり見せて、結果として車ファンが増えてくれればいい。トヨタの社長や自工会会長と同様に、ひとりの車好き『モリゾウ』としての役割もあると思っている
 
 ――今年の東京モーターショーでは試乗が目玉になる。
 
 「車は電子化やIT(情報技術)化が進むなど、変化の時代を迎えている。モーターショーでは、『運転支援システム』など最先端の安全技術を搭載した車や、超小型モビリティー(車)も展示される。新しい技術は、説明するよりも体感してもらう方が説得力がある」
 
 「車は他の移動手段と違って、アクセルやブレーキを踏んだり、別の道を選んだり、ドライバーに自由が与えられている。車の持つ『わくわくドキドキ感』を伝えたい」
 
 ――自工会は、10月に開かれた電機業界の先端技術展「シーテックジャパン」や、「ITS(高度道路交通システム)世界会議」とも連携した。
 
 「業界や企業を超えて、日本ブランドを発信したい。シーテックでは、自動車メーカーが超小型モビリティーなどを体験できるコーナーを会場に設けた。電機メーカーは、住宅や家電と自動車をネットワークでつなぐ技術を展示した。自動車と電機が垣根を越えて結ばれれば、日本の産業の強みを相乗的に発揮するチャンスになる」
 
「超小型」共存目指す
 
 ◆ものづくり精神
 
 ――国内生産を続ける意義は。
 
 「日本の自動車メーカーは、国内で約1000万台の生産能力がある。トヨタは国内生産300万台を続けると言っている。多くの部品は、中小・零細企業も含めた部品メーカーから仕入れている。取引先を含めて国内自動車産業を成り立たせるには、ある程度の生産量が必要だ」
 
 「海外生産が増えているのも、国内生産が基盤になっているからだ。石にかじりついてでも、日本の製造拠点を守りたい。そのためにも、ものづくりの生産性を上げて、競争力は失わずに維持、発展させていきたい
 
 ――安倍政権の経済政策「アベノミクス」で、環境は改善したか。
 
 「一番大きく変わったのは為替レートだ。昨年まではあまりに円高基調だった。今は適正な水準に戻ってきたと思う。製造業が日本の基幹産業であるためには、国際的に見ても日本が最も競争力があると言えるように(政策面で)後押ししてもらいたい」
 
 ――未来の自動車社会をどう作る。
 
 「日本は、多くの人にエコカーを買ってもらえる市場なので、2020年の東京五輪はチャンスだと思う。街中を走る車のほとんどがハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)、超小型モビリティーになっていたら、海外から日本を訪れた人たちは驚くだろう」
 
 「日本のドライバーの譲り合い精神は世界に誇れるものだ。ドライバーと、道路などの社会基盤を整備する行政、自動車メーカーの3者が一体で取り組めば、快適で楽しい社会ができる。国内の道路のうちの85%は、幅が3・8メートル以下の狭い道だ。普通車と軽自動車、超小型モビリティーが共存するモデルを日本が作るべきだ」
 
 ◆出張授業
 
 ――若者が自動車を買わない、乗らないと言われている。
 
 「『若者の車離れ』と言われるが、実際には自動車メーカーが若者から離れたのではないか。自工会では9月末から10月にかけて、学生と直接対話するため、大手各社のトップが大学で出張授業を開いた。私は明治大学に行き、自分自身が『こんなに車が大好きだ』と体で表現してきた。授業が終わり、学生から『運転免許を取ります』『車に興味を持った』と言われた。自動車産業やものづくりに若者が興味をもってくれるとありがたい」
 
 「(隔年開催の)東京モーターショーが行われなかった昨年は、東京・台場で、車に触れてもらうイベント『お台場学園祭』を自工会で開いた。日本には国際基準のサーキットもたくさんあり、モータースポーツを楽しむ環境もある」
 
 ――欲しくても高価で手が届かないという声もある。
 
 「車体課税が高すぎる。例えば同じ100万円のものを買うのでも、ダイヤモンドなら5万円の消費税を払うだけだが、自動車は消費税に自動車取得税などが加わり、3年保有で20万円以上かかる。あまりに不公平だ。ユーザーを守るためにも、車体課税の引き下げは声を大にして言いたい」
 
<引用終り>
 
 所でその「トヨタの社長や自工会会長と同様に、ひとりの車好き『モリゾウ』としての役割もあると思っている」と言う部分。
27日(日)に愛知県の新城市で行われた新城ラリーにモリゾウこと豊田章男氏が出場している。
 
そして誰とでも一緒に写真に納まっている。
 
 
こんな所が自ら広告塔になって車が好きな人を増やそうとしている現れであろう。
 
 
所で今回から最初にFC2でエントリーし、それをコピーしてイザに貼り付けるようにしました。間もなくイザは無くなるのでこちらに慣れないとね。
でもFC2は使いにくいですね。ブツブツ。
FC2のエントリーはこちらです。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-810.html
 
尚明日は朝5時半出発で奈良の正倉院展に行ってきます。
どんな様子かは帰ってからという事に。

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2013-10-29 18:08

クルマ文化の未来<自工会会長の話

 10月28日の読売新聞にクルマ好きなら興味深い記事が有った。
自動車工業会会長の豊田章男氏の話である。
偶然だが日曜日にクルマ好きの長女から電話が有り、今日新城ラリーに行ってきた。モリゾウが出ていたので会ってきた、そんな事を言ってた。
そんな顛末も含め、自工会会長の話を紹介。
尚リンク先は下記だが読売プレミアムなので会員以外読めないので以下全文引用。

http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20131027-118-OYTPT00806/list_ECONOMY1_1

<以下引用>

東京モーターショー来月22日開幕…自工会豊田章男会長に聞く
2013年10月28日3時2分 読売新聞

 11月22日から12月1日まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる第43回東京モーターショーを前に、日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)が読売新聞のインタビューに応じた。豊田会長は「自動車産業やものづくりに若者が興味をもってくれるとありがたい」と述べて、自動車文化を次世代に伝える重要性を強調した。(聞き手 東京本社経済部長・斎藤孝光)

車文化若者へ未来へ

 ◆楽しさ体感

 ――会長は「モリゾウ」という名のドライバーとして、ラリーや24時間耐久レースにも出ている。

 「もっといい自動車を作るために自分のセンサー(感覚)を研ぎ澄ましたいという思いで始めたが、運転の仕方が分かれば分かるほど、楽しみ方も分かってきた。包み隠さず、車を楽しんでいる姿を若者たちにしっかり見せて、結果として車ファンが増えてくれればいい。トヨタの社長や自工会会長と同様に、ひとりの車好き『モリゾウ』としての役割もあると思っている」

 ――今年の東京モーターショーでは試乗が目玉になる。

 「車は電子化やIT(情報技術)化が進むなど、変化の時代を迎えている。モーターショーでは、『運転支援システム』など最先端の安全技術を搭載した車や、超小型モビリティー(車)も展示される。新しい技術は、説明するよりも体感してもらう方が説得力がある」

 「車は他の移動手段と違って、アクセルやブレーキを踏んだり、別の道を選んだり、ドライバーに自由が与えられている。車の持つ『わくわくドキドキ感』を伝えたい」

 ――自工会は、10月に開かれた電機業界の先端技術展「シーテックジャパン」や、「ITS(高度道路交通システム)世界会議」とも連携した。

 「業界や企業を超えて、日本ブランドを発信したい。シーテックでは、自動車メーカーが超小型モビリティーなどを体験できるコーナーを会場に設けた。電機メーカーは、住宅や家電と自動車をネットワークでつなぐ技術を展示した。自動車と電機が垣根を越えて結ばれれば、日本の産業の強みを相乗的に発揮するチャンスになる」

「超小型」共存目指す

 ◆ものづくり精神

 ――国内生産を続ける意義は。

 「日本の自動車メーカーは、国内で約1000万台の生産能力がある。トヨタは国内生産300万台を続けると言っている。多くの部品は、中小・零細企業も含めた部品メーカーから仕入れている。取引先を含めて国内自動車産業を成り立たせるには、ある程度の生産量が必要だ」

 「海外生産が増えているのも、国内生産が基盤になっているからだ。石にかじりついてでも、日本の製造拠点を守りたい。そのためにも、ものづくりの生産性を上げて、競争力は失わずに維持、発展させていきたい」

 ――安倍政権の経済政策「アベノミクス」で、環境は改善したか。

 「一番大きく変わったのは為替レートだ。昨年まではあまりに円高基調だった。今は適正な水準に戻ってきたと思う。製造業が日本の基幹産業であるためには、国際的に見ても日本が最も競争力があると言えるように(政策面で)後押ししてもらいたい」

 ――未来の自動車社会をどう作る。

 「日本は、多くの人にエコカーを買ってもらえる市場なので、2020年の東京五輪はチャンスだと思う。街中を走る車のほとんどがハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)、超小型モビリティーになっていたら、海外から日本を訪れた人たちは驚くだろう」

 「日本のドライバーの譲り合い精神は世界に誇れるものだ。ドライバーと、道路などの社会基盤を整備する行政、自動車メーカーの3者が一体で取り組めば、快適で楽しい社会ができる。国内の道路のうちの85%は、幅が3・8メートル以下の狭い道だ。普通車と軽自動車、超小型モビリティーが共存するモデルを日本が作るべきだ」

 ◆出張授業

 ――若者が自動車を買わない、乗らないと言われている。

 「『若者の車離れ』と言われるが、実際には自動車メーカーが若者から離れたのではないか。自工会では9月末から10月にかけて、学生と直接対話するため、大手各社のトップが大学で出張授業を開いた。私は明治大学に行き、自分自身が『こんなに車が大好きだ』と体で表現してきた。授業が終わり、学生から『運転免許を取ります』『車に興味を持った』と言われた。自動車産業やものづくりに若者が興味をもってくれるとありがたい」

 「(隔年開催の)東京モーターショーが行われなかった昨年は、東京・台場で、車に触れてもらうイベント『お台場学園祭』を自工会で開いた。日本には国際基準のサーキットもたくさんあり、モータースポーツを楽しむ環境もある」

 ――欲しくても高価で手が届かないという声もある。

 「車体課税が高すぎる。例えば同じ100万円のものを買うのでも、ダイヤモンドなら5万円の消費税を払うだけだが、自動車は消費税に自動車取得税などが加わり、3年保有で20万円以上かかる。あまりに不公平だ。ユーザーを守るためにも、車体課税の引き下げは声を大にして言いたい」

<引用終り>

所でその「トヨタの社長や自工会会長と同様に、ひとりの車好き『モリゾウ』としての役割もあると思っている」と言う部分。
27日(日)に愛知県の新城市で行われた新城ラリーにモリゾウこと豊田章男氏が出場している。

2013-10-29モリゾウ1

そして誰とでも一緒に写真に納まっている。
2013-10-29モリゾウ2モザイク

こんな所が自ら広告塔になって車が好きな人を増やそうとしている現れであろう。
  1. 自動車
  2. TB(0)
  3. CM(0)

2013-09-03 13:31

ヒュンダイの泥沼スト

 韓国のカーメーカー・ヒュンダイで泥沼ストが収まらないらしい。

しかしこの話、韓国の日本に対する態度から見ると彼らの気質が良く分かる事例の様だ。

 

 

<以下引用>

 

泥沼化「現代自」争議から透ける“ふっかけ”の韓国人気質

産経新聞2013/09/02 10:58

 

現代自動車の労使対立は韓国人の気質が遠因?

 

 韓国の自動車最大手、現代自動車の労働組合と経営者側の対立が泥沼化している。賃金交渉が決裂し、労組側は8月20日から複数回にわたって時限ストライキを実施したが、それでも合意には至らず、追加ストを決行。交渉が難航しているのは労組側の要求額が高すぎるためで、ストなどによる年間損失額は過去最悪という。こうした強硬姿勢は現代自労組特有の話ではなく、「まず相手にふっかける。これが韓国人の気質だ」と指摘する関係者は少なくない。

 

 ■ごねた者勝ちの「ふっかけ気質」

 

 「泣く子はもちをひとつよけいにもらえる。韓国にはそんなことわざがあり、今回の現代自の労使交渉も同じでしょう」。著書「悪韓論」で知られるジャーナリストの室谷克実氏は、こう指摘する。

 

 その意味は「ごねた者勝ち」「大きな声を出せば優遇される」。室谷氏は「韓国人は子供のときから自らの主張をはっきりと述べ、それを貫徹するように育てられてきている」と説明する。しかも、その主張が間違っていても、理不尽であっても「何らかの弁明、言い訳をしながら自らの正当性を主張する」という。

 

・・・以下略 詳細は下記リンク先参照ください・・・

 

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/681063/

 

<引用終り>

 

 

 問題なのはこの韓国人気質、これが日本のマスゴミの中に深く深く浸透している事だ。そのいい例をヒュンダイのアメリカでの販売台数に見ることが出来る。

これは車関係の情報に重宝しているレスポンスの報道なのだが、こんな所にまで捏造がまかり通っているようだ。

 

<以下引用>

 

7月のヒュンダイ米国新車販売、過去最高の6万台超え

2013年8月8日(木) 08時30分

 

韓国ヒュンダイモーターの米国法人、ヒュンダイモーターアメリカは8月1日、7月の米国新車販売の結果をまとめた。総販売台数は、7月としては過去最高の6万6005台。前年同月比は6.4%増と、4か月連続で前年実績を上回った。

 

・・・以下略・・・

 

http://response.jp/article/2013/08/08/203950.html
 
<引用終り>
 
ヒュンダイのアメリカでの販売が7月としては過去最高??? 
はて? そんなに売れるんだったのか?
 
此処に7月のアメリカでのメーカー別の販売実績が有る。
 
2013年7月アメリカ新車販売台数(前年同月比)  
01 GM(米)                      234,071台(16.3%)
02 トヨタ自動車(日)           193,394台(17.3%)

03 フォードモーター(米)      193,080台(11.3%)01 
04 本田技研工業(日)        141,439台(20.9%)
05 クライスラー(米)           140,102台(11.1%)
06 日産自動車(日)           109,041台(10.9%)
07 現代自動車(韓)             66,005台( 6.4%)
08 フォルクスワーゲン(独)    49,083台( 0.3%)
09 起亜自動車(韓)             49,004台( 1.9%)
10 富士重工業(日)             35,994台(42.9%)
11 BMW(独)                     30,038台(10.5%)
12 メルセデスベンツ(独)       26,424台(18.5%)
13 マツダ(日)                     24,977台(29.3%)

---------------------------------------       
    合 計                        1,315,194台(14.0%) 
 
これを見ると7月は平均的に良く売れた、対前年比14%増、中でも日本車の伸びが大きい。
それに対しヒュンダイは確かに対前年比では伸びている。しかし全体の伸び14%を大きく下回る6.4%の伸びにとどまった
市場の成長から取り残されているのだ。
 
しかし上掲記事を見るとそんな事は分からない。ヒュンダイは大きく伸びた、そうとしか書いてない。
 
日本で韓国がらみの報道はこんなモノばかりである。
読み手がよくよく気を付けないと騙される、そんな事例だ。
 
 
韓国人は先ず自分が正しいと言う事を前提でモノを言ってくる。
そしてその為には何をしても正しいと思っている。
そんな事の分かる事例である。
 
最後に鬱陶しい話が続いたのでちょっと清涼剤を。
韓国の誇る戦車の雄姿をご覧あれ。
 
ネットでは「 韓国御自慢のK1A1戦車が公開演習で、段差乗り越えられず、段差を迂回して行く姿が哀れ」と揶揄されているのだが・・・
2分ごろからお楽しみください。

 

日本のマスゴミもそろそろ目を覚ましてほしい、しかし山吹色のお菓子に目が眩んでいるので無理かなあ。

  1. 自動車
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2012-12-06 22:34

トヨタ豊田社長「私は“しんがり”役」…米公聴会を振り返る

 トヨタの豊田社長が2010年のアメリカ議会公聴会に出席したときの心境を語っている。

リーダー論として大変面白い。

 

<以下レスポンスより引用>

 

 

トヨタ豊田社長「私は“しんがり”役」…米公聴会を振り返る

2012年12月6日(木) 21時07分

           

 トヨタ自動車の豊田章男社長は12月6日、米国セールスフォース・ドットコムが主催する「クラウドフォースジャパン2012 」の特別セッション(セールスフォース・ドットコムCEOのマーク・ベニオフ氏、元米国務長官コリン・パウエル氏との鼎談)において、リーダー論とともに自らの体験を述べた。

 

2010年にリコール問題で米公聴会に出席したことについて豊田社長は、「少なくとも自分自身は社長ではいられなくなると覚悟した」としながらも、「初めて会社のために役に立てる。光栄に思った」と、当時の心境を語った。

 

豊田社長は「公聴会に呼ばれた時、私はまだ社長になりたてで、会社も赤字で大変な状態だった。少なくとも自分自身は社長ではいられなくなるなというのは覚悟はした。(社長就任後)1年ももたなかったというのは、正直ちょっと残念だったなという気持ちでアメリカに行った」と振り返った。

 

その一方で「戦国時代に自軍を安全な場所に逃がすまで最後まで先頭に立って戦う人を殿(しんがり)役と言った。私自身、トヨタの中で創業家というレッテルがずっとついてしまうが、そういう中でも初めて会社のために役に立てる。殿役に任命されたことは大変自分自身、光栄に思った。これでトヨタの社長では無くなっても、会社というものが残ればそれで良いじゃないかという気持ちで行った」とも語った。

 

さらに「その時に自分自身に決めたルールは、誰のせいにもしないということと、対応が遅いとか、のろまという責めは甘んじて受けよう。だけど嘘つきとか、ごまかしてるということに対しては徹底的に戦おうということを会社の中に示せたと思うし、全世界のお客様にも示せたと思っている」と述べた。

 

 

http://response.jp/article/2012/12/06/186536.html

 

<引用終り>

 

まだ記憶に新しいトヨタバッシング。

 

だが肝心な事を忘れてはいけない、アメリカが政府・議会総力を挙げて外国の一企業を叩きに来たのである。

幾ら日本ではトップに企業と言えども相手は空母も核兵器も持っている、そんな巨大な国が総力で叩きに来ていたのだ。

 

しかし当時は自民党政権から民主党政権に交代したばかり。

時の 鳩山内閣の経済産業大臣直嶋正行はトヨタ本体の出身、本来なら日本政府も総力で自国の産業を応援しても当たり前ではないだろうか。

 

だが残念ながらトヨタは政府から頭を叩かれこそすれ、何の援助もなかったのだ。

 

こんな事を念頭にこの話を見るとリーダーが苦境に立った時どうすべきか良く分かる。

大変すばらしい事例だと思う。

  1. 自動車
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2012-11-14 22:38

スズキらしい工場開所式

 スズキがタイ工場で開所式 年10万台生産へ

2012/11/12 16:52
 
 スズキは12日、タイ東部ラヨーン県で今年3月に稼働を開始した同国内初の四輪車生産工場の開所式を、日本の販売店関係者ら約380人を現地に招いて行った。鈴木修会長兼社長は「(2016年に)10万台の生産を目指す。インドネシアの工場と相互補完性を持たせ、東南アジアの拠点としたい」とあいさつした。
 
 スズキは米国本土の自動車販売事業からの撤退を発表したばかりで、アジア重視の姿勢をあらためて鮮明にした形だ。
 
 これまでタイの工場で二輪車を製造してきたが、四輪車の生産は初めて。タイ進出は日本の主要自動車メーカーでは最後となる。
 
 工場では3月から小型車「スイフト」の生産を開始。年内に約2万1千台を生産し、タイ国内向けが1万7千台となる見通し。(共同)
 
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/606007/
 
 
<引用終り>
 
スズキらしい質素な開所式である。
タイ人はこんな時無茶苦茶派手な事をしたがる。しかし流石スズキ、質素なものだ。
此れもまた日本式なのかと思う。
 
 
 
 
 
此れがタイ東部ラヨン県のイースタンシーボード工業団地にあるスズキの自動車組み立て工場。
この写真は今年7月に撮影したものなので、もう既にある程度操業していると思うのだが静かなもの。
 
自動車組み立て工場にしてはいやに小さい。
昔ここから10キロほどの所にBMWの組立工場が有ってその完成式に行ったことが有る。
そこもこんな小さな工場で、ボデーの溶接組み立て、そして塗装までは本国で行い、それを輸入して組み立てる工場だった。
 
 
多分トヨタやホンダなどのフル装備の自動車組み立て工場ではなく、ノックダウンによる組み立て工場であろう。
最初は小さくはじめ徐々に拡大していく、スズキらしい堅実なやり方である。
 
 
 
 
尚このイースタンシーボード工業団地、ここにはGM、マツダ/フォードの組み立て工場が有り、他にも自動車部品工場が色々ある。
この団地内で自動車部品は全部そろうと言っているくらいの所。
数年前で団地内の従業員は5万人を超えたので現在はもっと増えている筈である。
 
またこの工業団地には今日本のJFEが鋼板製造工場を建設中だ。
http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/1862045/
 
この時の報道からすでに2年、当初計画では来年4月操業開始予定なので、もうほとんど完成しているくらいだと思う。
 
そろそろ日本の製造業も日本に戻ることも考えてほしい今日この頃ではある。
ミンスを追い出して早く日本再生、その狼煙を上げなければ・・・

  1. 自動車
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2012-11-05 22:04

韓国・現代自動車、燃費を誇大表示<世界の趨勢をインチキで乗り切れるか<続編>

  韓国・現代自動車、燃費を誇大表示<世界の趨勢をインチキで乗り切れるか

こんな話をエントリーしたのだがその続きです。

 

最初にこの図を見てください。

 

 

この図は笑韓流家元ご隠居さんのブログから拝借したもの。

詳細は以下参照ください。

http://tosi.iza.ne.jp/blog/entry/2916214/

 

尚上掲の図のソースは朝鮮日報の様です。

 

 

さてこの図を見てこんな疑問が・・・

幾ら捏造と言っても現代や起亜の車がトヨタやホンダより燃費がいいのだろうか??

 

先ずこの燃費の算定基準になった計算式を見てみたい。

アメリカの車の燃費はCAFEとEPAの二種類発表され

ている。

米国運輸省の道路交通安全局(NHTSA)が発表しているのがCAFE。

環境保護局が発表しているのがEPA

そして二つの数字に違いがあるが、もとはCAFEの数字、

EPAはより現実に近づけるために或る係数を掛けて算出しているようだ。

 

そしてその元になったCAFEの企業別の燃費とはこんな計算で決められる。

 

http://www.honda.co.jp/e-dream/backnum/archive/e-dream28/p7.html

 

 

このCAFEからEPAの数字が決められるのだが、メーカー別の燃費とはこんな計算で算出されている。

つまりそのメーカーの燃費がいいという事は燃費のいい(つまり小さい)クルマをたくさん販売すれば燃費が良くなる、そういうカラクリである。

 

メーカー別に単純に比較して「現代がトヨタより燃費がいい」と言うのは間違い。

「現代の方がトヨタより小さい車(相対的に燃費がいい)を沢山販売した」、こう言う事である。

こんな計算なので、若しこの中に日本のダイハツやスズキなど軽自動車メーカーが入れば断トツのトップ(笑)、そういう意味だという事だ。

 

 

 

冒頭に挙げたメーカー別の燃費比較は他にも捏造が有ると思うがこれ以上は私には理解不能。

しかしメーカー別の燃費とはこんなモノなので眉唾物なのは間違いない。

 

 

そして上掲のご隠居さんのブログを見てもいろんな方が指摘しているが、現代・起亜の車の燃費は非常に悪い。

こんなインチキはいずれ消費者から総スカンを食うだろう。

いや。既に心ある人は現代や起亜は買わない。

現代や起亜を買っているのは主にレンタカーである。

インチキの秘密は案外こんな所かもしれない。

 

 

燃費改善は自動車メーカーの全技術力を上げての取り組みでやっと改善されるものである。

この世界全部での大自動車燃費競争、日本メーカーは負けるわけにはいかない、是非とも頑張ってほしいものである。

  1. 自動車
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2012-11-05 09:13

韓国・現代自動車、燃費を誇大表示<世界の趨勢をインチキで乗り切れるか

  現代・起亜自動車製の車の燃費表示の誤魔化しが問題になっている。

 

<以下WSJより引用>

 

 

韓国・現代自動車、燃費を誇大表示

2012年 11月 3日  10:42 JST

 

 米環境保護局(EPA)は2日、韓国の現代自動車  と起亜自動車が2010年から米国で販売した約90万台の車について、新車に貼られるラベルの燃費が誇大表示されていたと発表した。

 

 両社の親会社である現代自動車グループは、燃費推定値がEPAの調査結果と異なることを認め、ラベルに間違った燃費が記載されていた乗用車やスポーツ用多目的車(SUV)を購入した消費者には補償することを発表した。

 

 また、両社とも2012・13年モデルの1ガロン当たりの推定走行距離を引き下げた結果、12年モデル全体の平均燃費は1ガロン当たり27マイル(リッター約11.5キロ)から26マイルに低下する。

 

 宣伝よりも実際の燃費が低い13年モデルは、現代自動車の「アクセント」、「エラントラ」、「ジェネシス」、「サンタフェ」、「ツーソン」、「ベロスター」。起亜自動車では、「リオ」、「ソレント」、「ソウル」、「スポーテージ」。12年モデルでは、これらに起亜「オプティマ」のハイブリッド車と現代「ソナタ」のハイブリッド車が加わる。

 

 

 該当車の所有者は、EPAによる総合燃費との相違分に対し、居住地のガソリン価格と実際の走行距離に基づいて算出された金額をデビットカードで受け取ることになる。

 

・・・以下略 詳細は下記リンク先参照ください・・・

 

http://jp.wsj.com/Business-Companies/Autos/node_541361?mod=WSJWhatsNews

 

<引用終り>

 

この話は笑韓流家元ご隠居さんも取り上げているので、こちらも参照ください。

http://tosi.iza.ne.jp/blog/entry/2916214

 

 

 ご隠居さんも取り上げているように「半万年の見果てぬ夢」。

しかし話の本質は実はもっと深刻な背景がある。

 

日本では殆ど報道されていないが今年の8月、アメリカは自動車の新燃費規制を発表している。

これは乗用車のメーカー別新車販売平均燃費値として、2025年までに現行の35.5マイル/ガロン(15.1km/リットル)から54.5マイル/ガロン(23.2km/リットル)達成を義務づけるものだ。

 

同様の規制は欧州でも義務化されており、今や全世界的に車の燃費向上が至上命令だ。

 

この理由はユーザーの負担が軽くなるように政府が気を使って決めたもの??

そんな生易しいものではない。

アメリカも欧州も化石燃料の枯渇が現実のものとなってきたことを知り、その対策としてクルマの燃費改善を最重点として取り組む、そんな話なのである。

 

石油の枯渇、これは不思議な事に日本ではほとんど話題にもならない。

いやそれどころか化石燃料(石油や天然ガス)をジャブジャブに使う脱原発を囃し立てているのが現実だ

アメリカ等が日本の脱原発を心配しているのはこんな理由。

「石油が有限でもう既に無くなり始めている。それなのにこれからバカスカ使う政策を推し進める、日本は地球の将来をどう思っているのか。」

こう言う事だ。

しかし化石燃料の枯渇は大問題で、最近の研究ではピークオイルは2005年だった、今はほぼ横ばいから下り坂にさしかかっている所、これが事実のようだ。

・・・この件、以下参照ください

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2850238/

 

9月に「中国は世界で最も貧しい国になる」と言う話をエントリーした。

 http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2873494/

 

この中でアメリカのクリントン国務長官が

 憚ることのない環境破壊と資源の略奪、贅沢と浪費の生活方式は何個の地球だと供給できるのだろか?他国が危惧するのも当たり前だ。」と指摘している。

この何個の地球だと供給できるのかと言う心配は事実。

 

実は2010年に世界自然保護基金がこんな事を発表した。

現在の生活水準なら「20年後に地球2個必要」

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2766222/6324039

 

これがアメリカや欧州が石油や天然ガスなど化石燃料を含め資源保護に躍起になっている理由である。

20年が遠い先の事か、そうでは無い。

いやそれどころか、この報告からすでに2年、あと18年でこの状態なのだ。

 

今年生まれた子が大人になる時、世界は2個分の地球が必要なほど資源が不足する・・・

そんな恐ろしい現実が待っている。

 

 

こんな背景でアメリカも欧州もクルマの燃費規制に躍起になっている。

そこにこんなアホ話が出てきたわけだ。

 

クルマの燃費改善は簡単ではない、いやその自動車メーカーの全技術力のカタマリが燃費性能と言って良いだろう。

エンジンの改善は勿論の事、車全体の軽量化、タイヤの転がり抵抗軽減などメーカーの総合力の勝負である。

 

しかし燃費は日本、アメリカ、欧州で試験方法も条件も全く違い、単純に数値を比較することができない。

 

例としてプリウス現行モデルの燃費を日本、アメリカ、欧州でどうなるか、参考に見てください。

 

同じ車でこんなに燃費が違う、これが燃費問題の難しい所。

 

ここで見てほしい事。

同じ車でありながら、日本で測定するとリッターあたり38キロから32.6キロ、

これがアメリカ基準だとリッターあたり30.1キロから21.3キロ

欧州基準だとリッターあたり26.0キロである。

日本は甘いのだ。

 

 

この様な背景でこの問題を捉えねばいけないと思う。

そして日本やアメリカ・欧州のカーメーカーが死に物狂いで燃費改善に取り組んでいる時、韓国の現代・起亜はインチキで乗り切ろうとしているわけである。

 

しかしこのような趨勢をみればインチキが通るような生易しい話でない事は一目瞭然。

こんなことを誤魔化しで切り抜けようとしたメーカーの末路は自ずと見えている。

 

次回メーカー別の燃費についても考えたいと思います。

                        (続く)

 

 

 

 

 

  1. 自動車
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2012-09-11 15:20

自動車の燃費規制

  日本ではあまり報道されないが、最近世界的に自動車の燃費規制が非常にきつくなっている。

先月末だがアメリカからこんな報道も。

 

米国が新燃費規制を最終決定、25年までに現行の2倍へ

2012.8.29 09:59

 【ワシントン=柿内公輔】米政府は28日、自動車メーカーに課す燃費基準を現行の約2倍に強化する新規制を最終決定した。2025年までの達成が求められ、日本を含む各国のメーカーは環境対応車の開発の加速を迫られそうだ。

 

 新規制では、燃費基準を現行の1ガロン(約3.8リットル)当たり27.3マイル(約44キロ)から、25年までに54.5マイル(約88キロ)程度に引き上げ、1リットル当たりで約23キロに強化される。現行基準でも、16年までに1ガロン当たり約35.5マイル(1リットル当たり約15キロ)へ引き上げる義務が既に課せられている。

 

 世界的に燃費規制の強化が進む中、米国も昨年7月にオバマ大統領が強化策を発表し、当局が日米欧の自動車メーカーなどと細部の調整を進めていた。

 

 新規制のもとでは、ハイブリッド車(HV)などのエコカーが有利になるとみられ、各社の今後の新車開発や販売戦略にも影響を与えそうだ。

 

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120829/biz12082910020004-n1.htm

 

<引用終り>

 

 

実はこの規制、昨年7月にはアメリカ政府と自動車会社首脳、労働組合代表などと合意が成立、そして今回の発表に至ったものである。

幾ら最終ターゲットが2025年と12年先とはいえ、現行の規制値の2倍(燃料を半分しか食わない)とは厳しいものである。

上掲のように最終的には1リットル当たり約23キロ、大変な規制値である。

 

(注:例によってアメリカ流の隠れ蓑があり、アメリカ車の得意とするSUVなどの小型トラック分野は規制値がかなり緩い。)

 

さてそんな燃費規制、元々燃費の良い日本車には有利な話だが、そうとばかりも言っておられない。

ヨーロッパ社は新型ディーゼルエンジンを中心に画期的な燃費改善で日本車を追いかけている。

元々ヨーロッパ車はディーゼル車が多かったのだが、最新のコモンレール技術で音も静か、排気ガスもきれい、燃費もいい、最近のディーゼル車の進歩も実に素晴らしい。

 

(注:このコモンレール技術、コモンレールに1400気圧とか1800気圧の圧力で燃料を蓄圧、1回の噴射ごとにプレ噴射・メイン噴射・ポスト噴射と複数回噴射するシステム。極めて高度なシステムで、世界でデンソーとボッシュだけが実用化している。)

 

実は私もこの燃費規制、メーカー間燃費改善競争を普通の競争とみてきたが、どうも見方が甘かったようだ。

昨日紹介した石油資源のピークがすでに来てしまった話、此処には今後の燃料に関する見通しが掲載されている。

 

以下2050年までの世界のエネルギー見通しより引用

http://www.nexyzbb.ne.jp/~omnika/summary.html

 

燃料と電気の比率

私たちが使用しているエネルギーには燃料と電気がある。燃料は石油と天然ガスとからなり、これからの50年間に減少していく(石炭は燃料ではあるがほとんどが発電に使われている)。電気は、石炭、原子力、水力、再生可能エネルギーなどで作ることができるが、燃料は不足してしまう。下の図は、現在と2050年とで、燃料と電気の比率がどう変わるかを示したものである。

 

この図では、燃料が現在の4分の1以下になる。このことは、移動や輸送に使われる燃料が圧倒的に不足することを意味しており、私たちの将来に対する不気味なメッセージである。

<引用終り>

 

 

2050年と言えば38年後、それまでには何と4分の1以下になる。

(今大学生の人なら定年になる前ですよ)

自動車などを走らすための燃料は如何したら手に入るだろうか。

 

私にはガソリン不足に苦しんで、何と松の根っこを掘り出して松根油を抽出、それで飛行機を飛ばそうとしたあの失敗が目の前に来るような気がしてならない。

 

松根油は以下参照ください

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2845150/

 

 

自動車は世界中で国もメーカーも燃費改善に取り組んでいる。

良い事である。

しかしその背景にこの様な危機感がある事を知らずに反原発などと叫んでいる人たちがいる。

マスゴミもその後押し中だ。

 

しかし、こんな事を煽っている人は

 

こんな人である

 

そしてこんな人を後押ししているのが何と空き缶なのだ。

 

 

最後に9月9日にエントリーした「国益の背く原発ゼロ」のなかで引用したJR東海葛西会長の言葉、これをよく考えてみたい。

 

 

「大衆は自分が求めるものの代償が何かを必ずしも自覚せず、現実を見て初めて「そうだったのか」と気付く」

 

今が日本が100年の衰退に嵌っていくか、それとも昔の輝きを取り戻すか、その瀬戸際ではないだろうか。

 

 

 

尚この100年の迷路、これは最近活動を休んでいる(何処かでコーヒーを飲んでいるのでは?)SONOさんからこんな話をいただいて、ずっと気になっているものです。

その言葉はSONOさんの友人の言葉で

そのイギリス人の反応:日本はもうダメだな。100年の迷路に入った感じがする」

と言うものです。

この話は以下参照ください。

http://tansoku159.iza.ne.jp/blog/entry/2332474/

 

100年の迷路か、それとも新しい100年か、

一人一人の肩にそれが乗っかっているように思います。

  1. 自動車
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2012-07-17 07:17

自動車産業支援を表明<フランスの話です

 日本ではあまり大きく報道されていないが、フランスの大手自動車メーカー「プジョー・シトロエングループ」が人員削減や工場閉鎖など経営再建策を発表し、それに対しフランス政府が支援に乗り出すという報道がある。

 

実は個人的にプジョー・シトロエンと言う車は好きな車である。

(但し買ったことはない・・・)

特に昔のシトロエンなどは実に独特のデザイン、メカもよく言えば独特、悪く言えば独善的で実に面白い。

 

これは10年前にベトナム・ハノイの街角で見かけたシトロエン・トラクシオンアバ

(トラクシオンアバン=前輪駆動)

 

 

 

さて、思い出話はここまで、本題は

 

<以下WSJより引用> 

 

25日に自動車産業支援策発表=仏財務相

2012年 7月 16日  12:19 JST

 

 【パリ】フランスのモスコビシ財務相は15日、ニュース専門テレビ局i-Teleなどとのインタビューで、同国政府が25日に自動車販売促進策など仏自動車産業に対する支援計画を発表すると表明した。

  

 オランド大統領は14日、同国自動車大手プジョー・シトロエン・グループ (PSA)が12日に8000人の人員削減とパリ郊外のオルネー工場の閉鎖などからなる経営再建計画を発表したことについて、「受け入れられず、再交渉すべきだ」と強く批判した。

 

 モスコビシ氏は、プジョーは民間会社ではあるが、政府は同社経営陣に対し再建計画を修正するよう迫る手段を持っていると述べた。ただ、政府がプジョーの株式取得を検討しているのかどうかなど、それ以上の詳細については明らかにしなかった。

 

 プジョーの発表は、フランス中に衝撃を与え、仏産業が全体的に競争力の低下や欧州の債務危機で打撃を被り、困難に直面していることを浮き彫りにした。

 

 モスコビシ氏はまた、フランス政府の見通しでは今年の成長率は0.3%となっていることを指摘し、今年リセッション(景気後退)に突入するとは思わないと述べた。さらに、「フランス経済は強固であり、今後もそうだろう」と強調した。

 

http://jp.wsj.com/Business-Companies/Autos/node_478447?mod=WSJ3items

 

<引用終り>

 

 自動車は全世界で熾烈な生存競争をしている。

これは昨年の自動車世界販売台数。

世界新車販売台数ランキング2011
順位(昨年)自動車メーカー国籍販売台数
1(2)GM米国903 万台
2(3)VW独国816 万台
3(1)トヨタ自動車日本795 万台
4(4)日産・ルノー日仏739 万台
5(5)現代自動車韓国660 万台
6(6)フォード米国570 万台
7(7)フィアット・クライスラー伊米389 万台
8(8)プジョー・シトロエン仏国355 万台
9(9)ホンダ日本310 万台
10(10)スズキ日本250 万台

※日経新聞(2012年2月4日7面)

 

 

世界ランキング第8位のプジョー・シトロエングループと言えども生き残りは簡単ではない。

 

そしてこれからが言いたいこと、

世界規模で競争している自動車、この企業のかじ取りは政治家などが横槍を入れて立て直し出来るほど簡単なものではない。

ましてや左翼政権は雇用の確保のために横槍を入れるのだが、クルマメーカーにとって最大の課題は世界のユーザーに受け入れられる「安くて良い車を作ること」。

雇用の確保を優先すれば、この大前提が崩れる。

 

プジョー・シトロエングループの問題はこれからEU全体の大問題に発展する可能性がある。

今後とも注意深く見守っていきたい。

 

 

  1. 自動車
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2012-07-13 11:29

三菱自動車、1ユーロで1500人の雇用守る…ネッドカー売却<オランダ人の雇用です

  三菱自動車が欧州の生産子会社を1ユーロ(約100円)で叩き売るとの報道があった。

1ユーロ?、幾らなんでも酷い話、工場は92万7千㎡、製造能力は年産約20万台、従業員は現在1500人、れっきとした自動車工場である。

この会社の資産価値は約384億円だという。それを1ユーロで叩き売る、一体何があったのだろう。 

 

 

<以下引用>

 

 三菱自動車、1ユーロで1500人の雇用守る…ネッドカー売却

2012年7月11日(水) 17時19分
             
三菱自動車工業は11日、オランダにある欧州生産子会社のネッドカーを1ユーロで、自動車部品やバスなどの開発・生産を行う同国のVDLグループに譲渡することに基本合意した。
 
2012年中に採算割れのネッドカーでの生産を打ち切るための事業リストラとなる。8月に取締役会で決議し、年内の譲渡を予定している。三菱自動車の益子修社長はかねて、「従業員を引き継いでくれるなら1円でもいい」として工場の譲渡先を探していた。
・・・以下略・・・ 
 
http://response.jp/article/2012/07/11/177709.
  
<引用終り>
 
この会社が生産していたのは三菱コルト、
元々1967年にできたオランダ唯一の自動車工場、三菱は1991年に資本参加、2001年に完全子会社化、そして1年半以上前から撤退をオランダ政府や組合などと協議していた。
私はこの会社の内容に関して全く知識がない、しかし推測する所この会社で造ってもコスト的に採算が合わないのであろう。品質も決してベストでは無かったはず筈だ。
 
 
 
 
 
そしてコルトは日本でも今年6月に生産終了、その後継車は名前が変わって三菱ミラージュ。
新型ミラージュはタイの三菱自動車タイ工場で生産され、タイ国内販売を皮切りに、日本にも輸入される。
 
<以下引用> 
 
三菱自動車、タイ生産「ミラージュ」を日本でも受注開始 燃費リッター27キロ
2012.6.25 15:54
 
 
・・・本文は上記参照ください・・・
 
 
そしてこれは三菱自動車タイ工場でのミラージュ・ラインオフ式の様子。(今年4月)
 
 
この工場はタイの首都バンコクから東南に130キロはなれたレムチャバン工業団地にある。
タイ最大の貿易港レムチャバン港へは2キロ位、輸出には最適の場所。
 
私もタイ時代にこの工場にも何度か打ち合わせなどで行ったことがある。良い工場だ。
 
 
 
さてここからが本題。
三菱自動車は384億円もの損失を出してでもオランダから撤退したい。
そして国内の工場が稼働率が大幅にダウンしても国内生産よりアセアンが良いという。
その理由についてこんな報道がある。
 
 
<以下引用>
 
三菱益子社長「人口減の日本では内需拡大のマジックあり得ない」
2012年4月21日(土) 14時15分
  
三菱自動車の益子修社長はタイで行った小型の世界戦略車『ミラージュ』のラインオフ式後の記者懇談会の席で、日本の人口が大幅に減少するとの将来予測から「日本の人口が2050年までに1億2000万人から9000万人に減ってしまうと、どう考えても内需が拡大するというマジックはあり得ない」と述べた。
 
・・・以下略、詳細はリンク先参照ください・・・
<引用終り>
 
三菱自動車の莫大な損害を伴うオランダ工場撤退には政治がらみの話があり、我々の想像できない話があるのだろう。
その話はちょっと別として・・・
 
 
 
この二つのニュースを日本・日本人はどう受け止めたらいいのか。
 
第一はオランダからの撤退。
オランダが、ヨーロッパモノづくりの拠点としての魅力がないのだろう。
労働者の質とか、いろんなコストのレベルが成長を期待できないと三菱が判断したのだと思う。
莫大な金をどぶに捨ててでもその方が安上がり、ヨーロッパがそこまで来てしまったという事のようだ。
 
第二は日本の工場の低稼働率をさておいてアセアンの工場に投資する。
最後の引用文で三菱の社長が本音を語っていた、「人口減の日本に内需の拡大はあり得ない」という事である。
 
日本の少子・高齢化問題は深刻である。当然内閣には担当大臣もいる。
だが民主党の土鳩、空き缶、野豚内閣、3代2年10か月で大臣は8人変わっている。その中で女性大臣は4人、名前はと言えば福島ミズポ、岡崎トミ子、村田レンホー。小宮山洋子の4人。
これでは対策など出来る筈がない。
民主党内閣には少子高齢化問題など何の問題も無いのだ。
 
 
しかし企業は政治の停滞など待っている余裕はない。
従って今は可能性のあるアセアンに逃げ出す、これが三菱の戦略という事。
 
そしてここには書いてないが日本のエネルギー、特に電力問題。
マスゴミは計画停電だから節電しましょう、こう叫んでいる。
では個人が節電したり、多少の停電を我慢すればいいのだろうか。
電気料金が上がって企業が海外との競争に負け、倒産や廃業。その為一般の人が失業したら・・・ 政府が悪い、企業が悪い、これで良いのだろうか。
 
私はタイで仕事をしてきた。三菱のタイ工場(=一般にはレムチャバン工場と言う)も知っている。
タイとしては大変うれしい話、正にご同慶の至りだ。
しかし日本として本当にいいのだろうか。
 
次にやってくるのは企業が莫大な投資をどぶに捨ててでも日本から逃げ出す。
この最悪のシナリオの前哨戦が今始まろうとしているように思える。
さて如何したものか。

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