2017-02-19 22:08

公益資本主義、何でしょう?

 3月20日発売のWedge3月号に「公益資本主義」なる記事が載っている。
一見普通の記事のような体裁だが、実はこれはこの「公益資本主義」に関しての宣伝だった。
どんなモノかというと

2017-2-18ウェッジ3月号-01 

2017-2-18ウェッジ3月号-02 

いま世界はアメリカ・ウォール街主導の強欲資本主義で貧富の格差が極限まで大きくなっている。
先月には
世界人口の半分と同じ富が62人の富豪に集中
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2016/01/62.php

こんな話が有った。そして上掲記事にはこんな指摘が
労働者階級と貧困層は成長の果実を得ていない。ということは、経済のどこかが決定的にくるっている。ルールに則って一生懸命働けば報われる、という社会契約説が破綻している』

この「一生懸命働けば報われる」、これは言うは易く、実現するのは難しい。しかしタイ時代にタイ人には常にこんな事を言ってきた。難しいがこんな思いが無ければ発展しない。
何時の時代でも決して変わらないターゲットだ。

そしてこの公益資本主義という考え方は、ウォール街主導の強欲資本主義に対するアンチテーゼ、新しい考え方だと思う。
Wedgeの記事は画像でも読めないことは無いが、参考までに1頁目を文字情報にしたので以下掲載する。

<以下Wedge3型烏合記事より>

「GDP600兆円」実現の決め手。具体化する日本初の新・経済システム
動き出した公益資本主義

「GDP600兆円」の達成は安倍政権が目指す悲願の計画。ところがアベノミクスはここに来て停滞感が否めない。この壁を突き破り日本経済を活性化させるのが『公益資本王義』だという意見が頻出している。2016年の「ワールド・アライアンス・フォーラム東京円卓会議」では、その実現に向けて熱のこもった議論が交わされた。

日本が牽引する新経済システム
公益資本主義における三原則

 安倍内閣が経済活性化のために断行した企業減税で生まれたキャッシュは、社員などの社中(社員、顧客、仕入先、地域社会、地球といった会社を支える仲間を指す)への分配や中長期投資に必要な内部留保に充当されず、ほぼ全部を株主に還元する企業も現れだした。
 メディアもROE(Return On Equity=自己資本利益率)の大きさを競わせるような空気を醸成。昨年1月~9月だけで4兆円を超える自社株買いが実施されROE数値も上がったが、恩恵を受けたのは投資家、投機家、富裕層などだけだった。
 さら四半期決算開示義務も企業を短期志向に走らせ、開示のためのコスト面で大きな負担を強いている。そんな中、「欧米の経営手法に追随するのを止め、日本が率先して余業経営の指針と世界にインパクトを与える資本主義のあり方を示すべき」と、アライアンス・フォーラム財団代表の原丈人氏は力説する。そしてそのために実現すべき「公益資本主義の三原則を挙げた。
 それは第一に、「中長期の経営」の重要性、持続的な会社発展に必要なイノベーションを可能にするためだ。イノベーションは、一朝一夕には生まれない。第ニに、リスクを取り新事業に果敢に挑戦し常に改良改善に努める「企業家精神による改良改善」。そして第三に、利益を社中各員に分配する「社中分配」--ーこの三原則を実行すれば、企業と共に社員は豊かになり消費が活性化され、持続的な絲済成長が可能となり、GDP600兆円は達成できるという。
 こうした原代表の基調講演を基に、2016ワールド・アライアンス・フォーラムで熱心な意見交換が行われた。

<引用終り>


なるほどねえ、公益資本主義、効きなれない言葉だが、考え方なら昔からあるぞ。

売り手よし、買い手よし、世間よし
こんな言葉を聞いたことは無いだろうか。江戸時代の近江商人の商売とはかくあるべしという教え。
近江商人・・・。今の滋賀県近江八幡市から日本全国へ飛び出した商人たちのことだ。
出身地の近江八幡市

2017-2-19近江八幡市街 

今でも昔の栄えた面影を残しています。美しい街ですね。

こんな近江商人たちが江戸時代から心がけてきたこと。この経営理念が松下幸之助の松下イズムに受け継がれていることは良く知られている。

ホンの一握りの富裕層が全世界の人口の半分の持つ富と同じだけの富を持っている。こんな世界がいつまでも持続する筈がない。そんな時、モデルになるモノが日本にある。これからもっと色んな人が話題にし、こんな目標で仕事をしていかねばならない。そんな思いです。

  1. 経済
  2. TB(0)
  3. CM(1)

2017-02-11 16:45

読解力について考えること

 先月から文章の読解力について色々エントリーしてきた。難しい問題だし、私はそんな事の専門家でもない。しかしこのエントリーに皆さんからいろんなコメントをいただいた。そんな事で皆さんからのコメントを紹介しながら、私なりに色々考えることを纏めてみたいと思う。


最初に該当のエントリーは以下の3本
① AI時代に生きる<追記有
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-date-201701-1.html

⓶ 問題文が理解できない<読売新聞が騒いでいます
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1349.html

③ 読解力が危ない SNS没頭 長文読まず
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1350.html

参考エントリー
④ 春の小川をタイ語で言うと<再掲
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1136.html


 私は教育者ではないので、「子どもの教育、かくあるべし」という視点では書けないので、ビジネス上の経験、特に海外での経験などを中心に書いてみます。

それでは皆さんからのコメント紹介、これは縄文人さんから頂いたの。

<以下①エントリーの縄文人さんからのコメント>
暗記しなければ思考力は生まれません
スマホやLINEの普及で問題視されるのはプレゼンテーション能力の低下ではないかと思います。 
仲間内だけで議論しているとプレゼンテーション能力がつきません。他人に説明するという重要なことをする必要がないからです。文章を書いているようで書いていないという状態になるのではないでしょうか。 
しかし、日本の教育が暗記力重視の教育であるという議論には、少し違和感があります。それより選抜の仕方が偏っていると考えた方が良いのではないかと思います。第一新井紀子氏ご自身が「暗記力偏重の教育」の優等生ではないですか。 
暗記をしなければ、アイデアが生まれません。私は、若い時分にもっと暗記しておけば良かったと思うことしきりです。そうすればもっと良い仕事ができたかもしれないと思います。今となっては手遅れですが。 
プレゼンテーション能力を若いうちから磨き、一所懸命に暗記力を磨くように豚児どもに言っています。
2017-01-08 17:56   縄文人 
<引用終り>


<以下①エントリーへのkazkさんからのコメント>
・・・引用者注:長文なのでかなり省略しました。全文は上掲①ブログ参照ください・・・
ブログ主様には以前お話ししたことがあるかと思いますが、小生はかつてガキども相手に国語の教師を10年以上やってたことがあります。とにかく、読解力という得体のしれないものをいかにインスタントかつスピーディーにそして確固たる理解力として育成するかということを本当に苦労してやってきました。 

いろいろ考えましたが、小生の結論は日本という国は本当にプレゼンテーション能力はいらないようにできてる国なのだということです。プレゼンテーション能力というものはかつてならば叙述力と言われたものでしょう。「話す」という能力を昇華させたものでしょうか。ここで日本人の名演説っていったいどんなのがあるか、と考えた時にふと考え込んでしまったのです。そしたら思い出せるものなんて尾崎行雄の議会演説くらいしかないんですよ。 

・・・中略・・・

次に問題点は縄文人さんが仰ってますが、きちんとした暗記を教えていないということです。暗記はシステマティックにやらねばいけません。物はやみくもに覚えれば覚えるほどおかしくなってきます。事物を体系的にかつ網羅的に教えるという努力がほとんどないのが最大の問題でしょう。物事を体系的に整理し記憶することは、それにより比較という視点が生まれます。比較の結果違いがあればそれを生じた理由は何かを考えることで因果関係を導けます。ここまで来なければ思考とは言えません。 

ただここまでくればなんだもう終わりじゃないかという気分になります。最近は頭がよさげな人が現代に必要なのは問題の解決能力ではない、発見能力だなどと言ってくれますが、日本という国家では問題が共有されればその時点で解決法は殆どの人が分かってるという国です。ここでもプレゼンはいらないのです。 

・・・以下略・・・

2017-01-13 22:22   kazk 
<引用終り>


この問題に関しては皆さん色々言いたいことがあるようです。その中でも最初にこの暗記について考えてみたいと思います。

暗記というと先ず思い浮かぶのがお経。”まか はんにゃはらみた しんぎょう ~”と言うアレですね。お経の本を見ると漢字で書いてありますが何が何だかチンプンカンプン。でも私も子供の頃に仏壇の前で毎日唱えさせられたので、この般若心経、今でも全部覚えていますが、さて何が書いてあるやら・・・、これでは駄目ですね。

暗記については、これが無くては何も進まないのは事実ですが、問題は暗記が「サラダのように断片がバラバラで、相互に関連なく記憶されている状態」がダメだと思うのです。
2017-2-9サラダ写真 

こんなサラダのような状態ではなく、「一つ一つの記憶の要素(断片)が脳神経細胞のようにあちこちに手を伸ばして相互に繋がっていること」、さらに「その要素(断片)がいろんな特徴・要素で分類され、層状に繋がっていること」、こんなことが重要だと思うのです。 
単に記憶するだけでは「記憶のサラダ」、そこに「考える」という要素を追加し、記憶と記憶を網の目の中に織り込んでいく、これが重要だと思っています。

このことはkazkさんが
暗記はシステマティックにやらねばいけません
事物を体系的にかつ網羅的に教えるという努力がほとんどないのが最大の問題でしょう。
物事を体系的に整理し記憶することは、それにより比較という視点が生まれます。比較の結果違いがあればそれを生じた理由は何かを考えることで因果関係を導けます。ここまで来なければ思考とは言えません。 
こんな事を仰っていますが、まさにその通りだと思います。


次にもう一つ、一寸視点を変えて、④のブログからの引用

これはkazkさんからのもの
<以下引用>
No title kazkさん のコメント
日本語は世界でも珍しい二重構造を有してる言語なのです。
つまり、日本古来の和語の基づく単語群とおもに漢語の輸入による単語群です。これは飛鳥奈良の時代から、膨大な支那からの文化の輸入を行い当時の日本人たちが必死の思い出言葉と格闘して創り上げた金字塔だと思ってます。

例えば春の小川の歌詞自体見れば分かるのですが、これはほぼ純粋に日本古来の和語で書かれてるものです。そしておそらくここに流れる情緒というものは言葉と共にあリ翻訳はほとんど不能なものです。このような単語群があり、それに基づく文学が成立し独特の文化というものは成立するものだと思います。

日本人はこのような体系の上に漢語に基づく思想、哲学、科学に及ぶまでの単語群を作り上げました。これは当時の日本人たちのおそらく血のにじむような格闘の結果だと思ってます。

それだけではありません。春の小川の歌詞の中で見られる、行く、咲く、という動詞、美しくという形容詞を我々は何も考えず使ってますがこれは全て漢字の訓読み、つまり完全に日本語化して使うという荒業をこなしてます。
その上「小川」などはどうしてこういう作り方ができるのか、不思議になるほどの言葉でしょう。小生は当時の日本人たちがかかる格闘をしてくれたお陰で日本の文化が誕生したのだと思ってます。
<引用終り>


それからもう一つ、これはNINJA300さんからのコメント
<以下引用>
 日本語がすばらしいのは、やまとことばと漢語のミックスにあると思います。 
やまとことばだけの国がタイやドイツ、漢語だけの国がシナ。英語はラテン語とやまとことばである古英語(アングロサクソン語)のミックスです。 
ミックスの言語が一番使いやすいです。それは速読は漢語やラテン語をイメージで読めるからです。タイ在住日本人の間ではタイ語が劣っている思われる方が多いですが、わたしはそうは思いません。その土地や文化にはそれにあった言語があるからです。もっとも人工的に漢語を消滅させた韓国は例外の可哀相な国です。 
タイ語以外のやまとことば言語である、ドイツ語がいかに長い組み合わせ単語を使用しているか。まるで和歌のごとくです。 
ドイツ語の例 
「Grundstücksverkehrsgenehmigungszuständigkeitsübertragungsverordnung 
(不動産取引許認可権限委託規則)」 
2015-07-09 12:31 URL NINJA300 
<引用終り>

大変面白い話だと思います。kazkさんが指摘している日本語の二重性、NINJA300さんが指摘している英語の二重性と二重構造の言語の便利さ。これは良く分かります。

英語の二重性、これについては以下参照ください。
http://japanenglish.jp/news/%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AB%96%E8%AD%B0%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E7%9F%A5%E8%AD%98%EF%BC%8811%EF%BC%89%E3%80%80%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%AA%9E%E5%BD%99.html

ここで詳しく書いてありますが、英語のルーツはアングロサクソン語で古ドイツ語(古低地ドイツ語)由来。それが1066年のノルマンコンクェストで支配階級がフランス語を話すようになり、これが300年続いた。16世紀に入ってルネッサンスの文化が入り、公用語などに主にラテン語が入ってきた。
結果英語は、アングロ・サクソン語系語彙とラテン・ギリシャ語系語彙の2つの語彙体系を合わせ持つ「二重語彙」の言語。日常的な表現は主にアングロ・サクソン語を使い、公的な表現は主にラテン・ギリシャ語を使うという、使い分けをしている。こんな風です。
英語の二重性はkazkさんが説明している日本語の二重性の経緯ときわめてよく似ている訳です。


さてでは二重言語でない言葉がどうなるか、タイ語を例に見てみます。

これはタイ語の本に1ページ。
2017-2-11おしん本文の一部 

タイ語は表音文字で「分かち書き」でもないのでこんな風。

試しにタイ人に読ませてみると皆こうしている。指でなぞっている、こうしないと読めないようだ。
(画像は指でなぞる読み方のサンプル、だから本文とは関係ありません)
2017-2-11指でなぞって読む所の写真縮小 

参考までに、上掲タイ語文章はタイで見かけたTVドラマ「おしん」の本の一部
2017-2-11おしん表紙 


さて以上のことを踏まえ、暗記の問題、言葉を教え込むことのついて、渡部昇一先生が良いことを言っています。
「傍若無人」と言っても、「辺りかまわず勝手に振舞う事」と理解はできる。
しかし傍若無人を訓読「傍(かたわ)らに人無きが若(ごと)し」と読めば、この理解が一層深まる。この徹底的に理解することが大切だ。こんな話です。

こんな徹底的に理解することの実践例に橋本武氏の銀の匙の事例がある。
2017-2-11銀の匙表紙 

この話は以下も参照ください
http://melma.com/backnumber_115_6202504/


この銀の匙には例えばこんな記述があります。
本文のこんな一行
また伯母さんと相乗りにのせられて 俥(くるま)を列(つら)ねてゆくのが
嬉しくて元気よく喋(しゃべ)っていた。

このたった一行の中の「 俥」という文字の橋本武先生の解説は

 にんべんに車で「 俥」という文字が出てきました。人力車のことです(注1)。これは中国にはない、我が国で作られた漢字体の文字で、こういった文字のことを和字、または国字といいます。
 どんな和字を知っていますか。少し、挙げてみましょう。顔かたち、すがたを意味する俤(おもかげ)、吹き下ろす風を意味する颪(おろし)、鎹(かすがい)は物の合わせ目をとめる両端の曲がった釘のことです。
 裃(かみしも)は昔の礼装の一種、鞐(こはぜ)は足袋などを留め合わせる爪形のもの、鋲(びょう)は頭の大きな釘。
魚の鰯(いわし)、鱚(きす)、鱈(たら)、鯰(なまず)、鳥の鴫(しぎ)、鶫(つぐみ)、。植物の笹(ささ)、栃(とち)。
当用漢字になっているものには、込(こ)む、峠(とうげ)、畑(はたけ)、働(はたら)く、匁(もんめ)があります。
 ここに挙げたのははんの一例です。ほかにも探してみてください。
注1:wikiによれば、俥の文字は中国には別の意味で存在するが、日本で気が付かずに作ってしまったとのこと。
<引用終り>

この橋本武氏の授業について、kazkさんは実際に其れを体験した方の話を聞いているそうですが、灘だから出来たんだろうなあ、という事のようです。

がしかし徹底的に教え込むという事はこんな事。そして私がタイに行って現地の何も知らない連中相手にやったのも程度の差はありますが、まあこんな事でした。
何も知らない現地人を雇用し、そこで日本なみの品質の物を作るにはこんな事を毎日毎日繰り返さないといけない。これは別に海外だけでなく日本でも同じではないでしょうか。

  1. 未分類
  2. TB(0)
  3. CM(36)

2017-02-04 18:33

スマホ問題についての凄い調査結果

 今週月曜日から今日まで、読売新聞朝刊一面に『独かい力が危ない』という特集記事が載った。
私もそれについて1月30日、2月2日にエントリーしたのだが、その関連としてこんな問題提起を紹介したい。

曰く『スマホで子供はバカになる!』
東北大学加齢医学研究所所長 川島隆太氏

尚この記事は1月7日のエントリー「AI時代に生きる」でも紹介したのだが、この時は長文だったためタイトルのみ紹介にとどめた。しかし大変貴重な発言なので今回全文紹介する次第。
読んでいくと川島先生の危機感がひしひしと伝わってきます。


<以下月刊HANADA2017年2月号より引用>

スマホで子供はバカになる!

川島隆太 東北大学加齢医学研究所所長

スマホの害が明らかに

 私は東北大学加齢医学研究所で脳の研究をしています。加齢医学研究所は仙台市教育委員会と学術協定を結んでおり、二〇一三年から、子供の学習意欲を伸ばすにはどうすればいいのかを脳科学の視点で諮問するようになりました。
 教育委員会はゲームやテレビが子供の学習意欲を削いでいるのではないかと考えていましたが、最近はゲームをするのも、動画を見るのもすべてスマホでできてしまう。児童・生徒が普段どれくらいスマホ、タブレットを使っているのか、またそれによってどんな影響があるか調べてみようということになりました。
 仙台市教育委員会と共同で毎年、仙台市立小・中・高校生約七万人を対象に、「仙台市標準学力検査」と「仙台市生活・学習状況調査」を実施しています。
 「仙台市標準学力検査」は、基礎知識と応用力を調べるテスト(中一は国語、数学、理科、社会の四教科。中二、中三は英語を加えた五教科)。
 「仙台市生活・学習状況調査」は、好きな授業に関する質問や学習意欲についてなどのアンケートです。
 「ふだん、一日当たりどれくらいの時間、携帯電話(スマートフォンも含む)でメールやネットゲームをしたり、ネットを見たりしていますか」などの質問があり、この二つの調査を元に解析したのですが、恐ろしい事実がわかりました。それは、「一日一時間以上スマホを使うと子供の学力が下がる」ということです。
 スマホ(タブレットも含む)使用が一時間以内であれば平均点は上がるのですが、一時間を超えると下がり始めます。使用が一時間増えるごとに、平均で国語二・三点、数学四・六点、理科三・八点、社会三・八点下がるのです。
 学力を下げる要因として、二つの可能性が考えられました。一つめは、スマホ使用による睡眠不足。二つめは、家庭学習の時間がスマホによって奪われている可能性です。
 しかし、どちらも違っていました。

使っただけ成績が下がる

 まず、睡眠不足の可能性を調査しました。睡眠不足の子供の成績が悪いのは、文科省などの調査によってわかっています。いろいろな説明がなされていますが、おそらく理由は二つ。一つは、レム睡眠(浅い睡眠)の数が足りないこと。レム睡眠は脳に記憶を固定させる役割があると言われています。睡眠時はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しており、睡眠時間が短いと、このレム睡眠の数が減って記憶が定着しない。
 もう一つは、ミトコンドリアの機能低下です。細胞のなかにはミトコンドリアというエネルギーを生産する細胞内構造物があり、睡眠不足になると、ミトコンドリアの機能が低下することが医学的にわかっています。ために、脳が細胞レベルでエネルギーをうまく作れなくなる。
 そこで私たちは、子供を睡眠時間が六時間の群、六~八時間の群、それ以上寝ている群の三つに分けてスマホの使用時間を調べてみました。結果、きちんと寝ている子であっても、スマホを使用したら使用した分だけ平均点が下がっていたのです。
 スマホによって学習時間が奪われているという仮説も検証しました。この場合も先ほどと同様、家でまったく学習しない群、一時間程度する群、二時間以上やる群に分けて調べてみたのですが、どの群も、やはりスマホの使用が長くなればなるほど成績が下がっていたのです。
 ことに数学は下がり方が顕著で、自宅で二時間以上勉強する群であっても、使用時間が一時間増えていくごとに平均点が約五点下がっていきます。一時間程度勉強する群のなかで、スマホを使わない子と三時間使用する子に分けてみると、前者の平均点は七十二点、後者は六十一点。
 スマホをまったく使わない子、三時間使用する子の数学の平均点は前者六十三点、後者五十四点。
 家で勉強しない子は学校の授業でしか記憶が作られませんから、スマホを長時間使用することで、学校で学んだことが頭から消えてしまったのがわかります。無為に時間を過ごすよりも、スマホを使っている時間のほうが悪影響があるということです。

2017-2-4-1月刊HANADAスマホ記事4 

 睡眠を十分とっていようがいまいが、自宅で勉強しようがしまいが、スマホを一時間以上使ったら使った分だけ学力に影響があるのです。

使用をやめると成績アップ

 調査結果からは、学力の低い子ほどスマホを使いたがるのではないか、という仮説も成り立ちます。それを検証するために、翌二〇一四年から子供たちの成長を三年間、追跡調査しました。
 すると、成績のよかった子供がその後、スマホを持ち始めると成績が下がり始め、逆にスマホの使用をやめた、あるいは一時間未満にした子供は成績が上がったのです。
 ただ、スマホの長時間使用が習慣化してしまっていた子供に関しては、いきなり使用を制限しても、}年で成績は若干しか上がりませんでした。スマホ依存が深刻な子供は、回復に時間がかかるようです。
 これらの結果から、スマホの子供に与える影響は直接的なものであることが明確になりました。
 最初の調査では、LINEアプリを使用している子供の成績の下がり方が著しいこともわかりました。先述したように、スマホは一時間未満であれば平均点は上がりますが二時間未満の使用で抑えることができるということは、時間を自分でマネジメントする能力があると考えられます)、LINEなど通信アプリに関しては、一時間未満でも影響が見られた。三十分でも使えば、各教科の平均点が下がっていくのです。
 教科別に見ていくと、一時間LINEを使用するごとに国語二・五点、数学四・八点、理科四・一点、社会は三・八点下がります。なぜLINEは、一時間未満でも影響があるのか。既読マークの表示や通知音が頻繁に鳴るたびに相手の反応が気になってしまい、勉強の集中力や注意力を低下させることが考えられますが、それだけでは説明かつかないことが多く、今後、継続調査が必要でしょう。

学習中に八割がスマホを

 二〇一六年はスマホに関するアンケート内容を増やし、使う時のシチュエーションやどんなアプリを使っているかを調べ、LINE同様、アプリごとに影響に特徴はないか調べてみました。
 アンケート結果を解析して驚いたのはーー教育委員会の方たちも驚きを隠せませんでしたがーースマホを持っている子供の約八割が、家での学習中にスマホを使用しているということです。
 では学習中、どのようにスマホを使用しているのか。音楽を聴いているのが七割、ゲームをしているのが全体の三分の一、動画を見ているのが三分一、LINEが三分の一。足していくと分母を超えてしまいますから、複数のアプリを使用している子供が多くいることになります。
 アンケートを解析してわかったことは二つ。
 一つは、LINEを除いて音楽、動画、ゲームなど、机に向かっている時に一つのアプリしか使っていない場合は学力に与える影響に差はないこと。二つめは、複数のアプリを切り替えながら、つまりマルチタスキングをしながら勉強している場合は成績が大きく下がることです。
 スマホと学力の因果関係ははっきりしているわけですが、なぜスマホを使用すると学力が下がるのか、明確な理由はまだ解明できていません。スマホをいじると、前頭前野の血流量が下がることがわかっています。前頭前野は記憶する、学習する、行動を抑制する、物事を予測する、コミュニケーションを円滑にするなど、人間ならではの働きを司(つかさど)っている部分。そこの働きが抑制されるわけです。
 これはテレビを見たり、ゲームをしたりしている時、あるいはマッサージを受けている時にも同じ状態になります。つまり、一種のリラックス状態になる。この弛緩した状態が長時間続くことで、脳に何らかの影響を及ぼすのではと推測されます。
 スマホの問題で悩ましいのは、科学的根拠を出すのが非常に困難な点です。いまの時代、動物実験ができなければ、生命科学の世界では。科学”とは認められません。動物実験をして、遺伝子発現やタンパク質の組成の変化などを見るなどが必要なのですが、実験動物はスマホを使うことができない。

2017-2-4-2月刊HANADAスマホ記事7 

 今後は現象論として、継続して調査を積み重ねていくしかないと考えています。

取材を受けたが、ボツに

 これらのデータは三年間、仙台市の小学校高学年、中学生約四万人を対象に調査した結果で、信頼性の高いデータです。しかし、こういったスマホのリスクについて、最近は雑誌で少し取り上げてくれますが、聞、テレビなどの大マスコミはなかなか取り上げてくれません。
 関西のある新聞社の記者が、スマホの問題について取材に来ました。その記者は非常に熱心に取材をしてくれて、「これは重要な問題です。大きく取り上げましょう!」と張り切っていたのですが、後日、泣きながら電話がかかってきた。広告主(携帯会社やスマホを製造している電機メーカー)からのクレームを危惧して、上司がその記事をボツにしてしまったというのです。
 また、私たちがスマホのリスクについて記者発表しようと動いていると、教育委員会のことを取材している某地元紙の記者が教育委員会に対し、「そのデータを表に出すな」と倒喝してきたこともありました。
 最近は新聞社も部数が減り、広告も入らなくなってきていますから、新聞社側の気持ちもわからないではありません。ただ、心ある”普通の大人”であれば、この事実を知れば世間の人に知らせてくれると考えていただけにショックでした。
 自分たちのできる範囲で、スマホのリスクについて地道に啓蒙していくしか方法はないと考え、その一環として、毎年、調査結果をまとめたパンフを仙台市内の学校に配るなどしています。
 親や先生が、いくら頭ごなしに「スマホを使うな」と子供に言っても彼らの耳には届きません。大人がすでにスマホ中毒になってしまっており、「どの口が言うんだ」と言われてお終いです。きちんとデータを示して、説明してあげないといけない。

なければ困るは思い込み

 学生たちは必ず、「スマホはコミュニケーションの大切なツール。ないと困る」と言います。
 しかし、私たち仙台市民は、東日本大震災の直後、約一ヵ月、電力の供給がなく、ケータイ、スマホを使うことができない時期を経験しています。私は彼らにこう訊くのです。
 「あの大震災でスマホが使えなかった時、家族、友人とのコミュニケーションはどうだったんだい?」
 彼らはハッと気がついたように、
「あの時のほうが、いまよりも遥かに濃密なコミュニケーションが取れていた」と答えます。あの時は、お互いに寄り添いあわないと生きていけない極限の状態だったこともあるでしょうが、スマホがなければないで、もっと質の良いコミュニケーションができるのです。
 しかし、電気が通じて再びスマホが使えるようになると、皆そのことを忘れてしまいました。
 もう一つの学生の言い分はこうです。
 「もの調べ、辞書代わりに使っている。すぐに調べられるから時間の短縮になる」
 私は彼らにこう訊きます。
 「時間が短縮されるのはいいことだと私も思います。それで、君は余った時間をどう過ごしているの?」
 「……スマホです」
 スマホを使う時間が、無為に過ごすよりも害があることは先ほど説明しました。こう言うと、スマホで短縮された時間をスマホに費やすことがいかに無駄であるか、彼らは気がついてくれます。
 余談ですが、スマホでウィキペディアや電子辞書を使って調べている時の脳を見ると、ほとんど働いていません。
  一方、紙の辞書で調べものをする場合は脳が活性化します。辞書を繰る時に、「この文字の画数や偏(へん)は……」「大体、ここらへんに調べたい単語があるはずだ」など予測が必要になり、頭を使うからです。
 こういった啓蒙活動が功を奏して、スマホの使用を控える学生が少しずつですが増えています。
 私か顧問を務めている兵庫県の小野市では、スマホを使うとどの程度学力が下がるかというデータのグラフを、グラフの読み方の例として授業に取り入れています。小野市のある小学校では、在校生か自主的に、屋上にスマホの使いすぎを警告する幕を掲げるようになりました。

リスクを知ることが大事

 私はスマホのリスクを調べるまで、スマホに対してとくに問題意識を持っていませんでした。ただ、電車に乗るとみんながスマホをいじっている様子や、カフェなどで若いカップルが会話もせずにお互いにスマホをいじっている光景を目にして、何か異常だなと思う程度でした。
 いまから十二、三年前、私の息子たちも大学生、高校生くらいからガラケー、スマホを持ち始めましたが、わが家ではひとつのルールを設けました。「勉強中、寝る前は、ケータイを居間に置いておく」。勉強中、就寝前にタラタラ使うのが目に見えていたからです。いま考えれば、そのルールは正しかったように思います。
 私自身もガラケーに加えてスマホを持っていますが、基本的にはメールのチェックくらいで使用は最小限にしています。
 私たちは二〇一七年の四月に、仙台市のすべての就学生に「勉強中は必ず電源を切る。それができない、あるいは自信がない人は絶対に持ってはいけない」という強いメッセージを出そうと考えています。
 スマホを子供に持たせるときに大切なのは、そのリスクをきちんと教えること。スマホには中毒性があります。中毒性があるものへの耐性は、大人も子供もありません。ただ麻薬とは違い、悪い面ばかりではないことを考えると、これから持たせるのであれば、お酒やタバコ同様、二十歳を過ぎてからのほうがいいのではないか、と私は考えています。
 お酒を飲みすぎると、肝臓を壊したり、アルコール中毒になったりするわけですが、いまはそのリスクを知らずに、子供に楽しくなるからとドンドンお酒を飲ませている状態なのです。


かわしま りゅうた
一九五九年、千葉県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院医学研究科で学び、医学博士となる。スウェーデン王立カロリンスカ研究所客興研究員、東北大学加齢医学研究所助手、講師、教授、同研究所スマートーエイジング国際共同研究センターセンター長等を経て現職。研究テーマは脳機能イメージング、脳機能開発等。

月刊Hanadaー2017年2月号  p267-p273より

<引用終り>


全体に非常に衝撃的な内容だが、私が最も危惧していること、それはテレビや新聞が取り上げてくれない、それどころかデータを公hyプするなと恫喝まがいのことを言ってきたりするというくだり。

問題は根が深いです。





  1. 教育
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2017-02-02 13:40

読解力が危ない SNS没頭 長文読まず

 読売新聞の特集記事『読解力が危ない』の機能の記事は『SNS没頭 長文読まず』だったが、この記事でいろいろ家族で話し合った。


これがその記事
2017-2-1読売新聞一面記事2月1日 


長男がいうには、以前おいらも友達に誘われてやってみた。普通の会話がそのまま文字になっているようなもの。確かに便利なところはあるがつまらないので直ぐやめた。
「ねえねえ、これなあに」、こんなのが延々と続くから、長い文章など読め無くなるのも無理はない。おいらの世代なら先日の読解力調査は90%以上正解だろうが、今の若いLINE世代なら45%かそれ以下だろう。あんなものをやっていると馬鹿になる、間違いない。こんな話だった。

この話はあちこちで聞く。しかし危機感を持っているのは多分若い人だけだろう。
ある程度の年代から上の人たちは、こんなLINEなど触ったこともない。触れば便利であることは確かだ。しかしそこの落とし穴に気が付かない。
現に私の地域の友人たちはパソコンも満足に使えない、携帯電話はガラケーで十分という世代(私もガラケー派だが)。今の若い人の間で何が起こっているかなんて多分理解不能だろう。

しかしゆとり教育世代が深刻な問題である以上にSNS問題も深刻だ。
同じSNSと言ってもフェイスブックにはそんな危険性はないと思う。やはり通信アプリが曲者だが、だからと言って禁止できるものではない。

ただしい使い方の徹底と特に世間を知らない小中学生への使用の制限や注意の喚起などが必要ではないか。


参考:LINEを小学生に使わせていいかという視点で問題点を具体的に指摘したものが有るので紹介
「小学生でLINEは早い? 問題に巻き込まれないために親ができること」
http://moomii.jp/kosodate/linemanner-children.html

概要はこうなっている(詳細は上掲リンク先参照ください)
小学生でLINEは早い?問題に巻き込まれないために親ができること
* 小学生にLINEを使わせてもいい? 8つの問題点

1個人情報の漏えい
2知らない人とつながる
3コミュニケーション能力の低下
4犯罪に巻き込まれる可能性あり
5課金トラブル
6人間関係のトラブルが発生
7健康被害あり/長時間の使用は厳禁!
8スマホ依存になってしまうことも

* LINE問題を防ぐ親が教えるべき8つのこと
1大切なことは直接伝えるように教える
2相手の都合を考える(既読でもすぐ返事を求めない)
3ブロックの方法を教える
4中学生/高校生に起こるLINE問題を教える
5LINE IDのネット/SNSへの書き込みの危険を教える
6知らない人と繋がる危険を教える
7「通報」の方法を教える
8困った時には相談しやすいようにしておく

こんな風です。大変参考になります。
但しここにLINEは読解力を育てるのを損なうという問題は抜けています。
LINEがバカを作るという側面を見逃さないでほしいと思います。


  1. 社会一般
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2017-01-30 21:06

問題文が理解できない<読売新聞が騒いでいます

 本日の読売新聞朝刊一面にとても気になる記事があった、『読解力が危ない』という記事の第一回目。タイトルは『問題文が理解できない』となっている。
朝刊1面のトップ記事に次ぐ2番手記事である。内容も衝撃的だ。

こんな記事(クリックで大きくなります)
2017-1-30本日の読売朝刊一面記事 

記事の内容はこんなもの
<以下引用>
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20170130-118-OYTPT50101/search_list_%25E8%25AA%25AD%25E8%25A7%25A3%25E5%258A%259B%25E3%2581%258C%25E5%258D%25B1%25E3%2581%25AA%25E3%2581%2584__

[読解力が危ない]<1>問題文が理解できない
2017年1月30日5時0分

 日本の子供たちの読解力低下が懸念されている。経済協力開発機構(OECD)が昨年12月に公表した国際学力調査の結果では、15歳の読解力が4位から8位に順位を下げた。文章や資料を読み解く力がないと、深く考え、自分の考えを表現することは難しい。読解力向上には何が必要なのか。

2017-1-30本日の読売朝刊一面記事2 

 埼玉県戸田市の戸田第一小学校で27日、公開授業が行われた。3年1組の約30人は値段が書かれたケーキの絵を見て、足し算やかけ算の計算式を考え、それに合う問題文づくりに挑んだ。「問題文を自分で作ってみることで、文章題の理解が進む」と担任の坂野(ばんの)武教諭(38)は語る。こうした授業に取り組むのは、問題文をきちんと読めない子供たちがいるためだ。

 戸田市は昨年2月、人工知能(AI)の研究で知られる国立情報学研究所の新井紀子教授らと、市立中6校の生徒計340人の基礎的な読解力を測るテストを実施した。その結果、4人に1人は問題文を正確に読めていなかった。問題によっては正答率が半分程度やそれ以下のケースもあった。

 同市の戸ヶ崎勤教育長は「教科を教える前に、文章の内容が分からない生徒がいるというのは衝撃的だった」と振り返る。

 これまでも現場の教員に漠然とした不安はあった。普段のテストでも答えを何も書かない子たちから「問題で何を聞かれているか分からない」という声が出ていたからだ。同市は昨年8~10月にも小6~中3に同様のテストを実施。現在、どの学年で読解力に差がつくのか、分析を進めている。

 大学生の読解力もおぼつかない。学生の劣化を指摘する著書がある音真司氏が講師を務めた私大では、読書をする学生は少数で、3年でゼミに入るまで図書館に行ったことがない学生もいた。音氏は「試験やリポートではSNSや日記のような文章を書いてくる。文の構造を理解せず、考えも整理できない」と話す。

 2004年公表のOECD調査でも読解力は8位から14位に急落し、危機が叫ばれた。これを受け、文部科学省は05年に読む力と書く力の向上を掲げた「読解力向上プログラム」を策定。学校現場では授業開始前の時間を読書に充てる「朝の読書」などが活発化した。

 その後、学習内容を増やした「脱ゆとり教育」の効果もあり、日本の読解力は回復傾向が続いた。しかし、最近はSNSの普及に伴う短文のコミュニケーションが若者の間で急速に広がり、長文を読んだり、書いたりする機会は減っている。

 文科省は今回の結果を受け、語彙(ごい)力の強化や文章を読む学習の充実を掲げた。20年度から実施する新学習指導要領にも反映させる。

 05年当時、文科省のプログラムに沿った指導法を研究した高木展郎(のぶお)・横浜国立大名誉教授は「現代に求められる読解力は、思考力や判断力、表現力に通じる力だ」と指摘。「向上には新聞の社説のような論理構成の文章を書き写し、自分の意見を書くことが効果的だ。読書もただ本を楽しむのではなく、『読んでどう考えるか』という学習にしないと読解力は育たない」と指導の転換を求めている。

  ◆SNS= ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略。LINE(ライン)やツイッターなどがある。利用者は短い文章をインターネット上に投稿し、近況を伝えたり、互いに情報交換したりできる。
<引用終り>


何が気になるのか、それは中学生対象の英語の教科書の記述が正しく回答できた生徒が半分にも満たなかった、まさに絶句の記事だからである。

しかしこの文章の読解力、話し言葉の理解力について、私は永年苦労してきた。
物作りではモノが相手だから結果が見える。理解していなければ結果が出ない訳だから、この点ははっきりしている。それでも何か新しいことをしようとしたり、品質の改善に取り組んだりするとき、この問題は避けて通れない重要事項だった。
そんな事で折に触れこのブログでもいろいろ書いている。今日はこの記事の一回目なので、今まで取り上げた記事を紹介したい。

最初に上掲記事の中に出てくる「新井紀子教授」に関して、今月初めに取り上げている。

AI時代に生きる
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1339.html

また言葉の理解に関してはこんなエントリー
春の小川をタイ語で言うと<再掲
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1136.html

春の小川をタイ語で言うと<再掲<続編
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1137.html


色々言いたいことはあるのだが、今回は第一回目の記事。次回以降の記事を見て考えてみたいと思います。
しかし、一つだけ言いたいこと。この問題は学校教育だけの問題ではありません。
職場でも家庭でも、そして地域でも、お父さんお母さんだけでなく、皆で考えねばいけないことだと思います。


  1. 教育
  2. TB(0)
  3. CM(8)