とうとうロシアがウクライナに軍を進めました。世界はめまぐるしく動いています。
しかしそんな中、なかなかブログも書けない毎日ですが、私が気になっていること少々書いてみます。
これからも暇を見つけて少しでもブログが書けたらいいなあ、とこれは希望的観測。
古人曰く、当てと褌(フンドシ)は前から外れるとか(笑)。
旧聞になりますが、1か月ほど前文藝春秋2月号(1/10頃発売のはず)を買ってきました。文藝春秋は普段は見向きもしないのですが、今回は岸田首相が新しい資本主義について寄稿しているので是非とも読みたかったわけです。
読んでみて愕然としました。岸田首相の新しい資本主義はあちこちでボロクソなのですが、私の第一印象は、おいッ、岸田さんは社会主義者か?、これじゃあ悪夢の民主党時代と変わらんぞ!でした。
一寸搔い摘んでその酷い一端を紹介します。
尚、新しい資本主義とは『公益資本主義』、つまり欧米型の株式資本主義でも、中国型の国家資本主義でもない、社会全体の利益つまり公益を追求する資本主義の事らしいのだが、経済の本質を知らなければ、何を言っても空論ですね。
公益資本主義
それでは本題に入ります。
最初に、
岸田首相の寄稿文は、題して『私が目指す「新しい資本主義」のグランドデザイン』。
こんな内容です。小見出しを並べてみます。
私が目指す「新しい資本主義」のグランドデザイン 岸田文雄
1. 今こそ資本主義のバージョンアップが必要
2. 「人」重視で資本主義のバージョンアップを
3. 何よりも大切なのは人への投資を
4. 新たな「官民連携」で付加価値を引上げていく
5. スタートアップが日本を救う
6. 大胆な投資の実現
7. 地方こそ主役、デジタル田園都市国家構想の実現へ
8. 気候変動問題への対応
9. 若者世代・子育て世帯の所得の引き上げに向けて
10.まとめ
最初からグランドデザインだのバージョンアップなどとカタカナ語が並んでいます。カタカナ語の好きなお役人臭いっぱいですね。(小役人が原稿を書いたのがまるわかりです)
グランドデザイン(grand design)なら「全体構想」と言いなさいよ、ちゃんとした日本語があるんだから。
おっと「バージョンアップ」はだめですよ。これは和製英語で、ITの世界でよく使われています。意味は製品を改良し、バージョン(版)を更新、増加させることに日本では使っています。しかし英語では一般的には “upgrade” です。こんなことを言うと、国連で気候変動との戦いをセクシーにと言ったアホ大臣(あえて信じろうとは言いませんが)同様バカにされます。
更に中身を読み進めると、経済に無知で、日本の問題点を全く分かっていないことに気が付きます。
例えば、
第6項 大胆な投資の実現の所にはこんな記述があります。
『・2000年⇒2019年の20年間に民間企業の設備投資額推移は
アメリカ~1.45倍、フランス~1.42倍、ドイツ~1.26倍、日本~1.1倍』
このように先進諸国の中で日本が大きく遅れているので、大胆な投資が必要と言っています。
これだけ見れば、アメリカが1.45倍なのに日本が1.1倍か・・・、こりゃああかんと思うところだが・・・。
だが待てよ、この2000年⇒2019年の間に消費者物価指数がどうなっているのか見てみると、
アメリカ~1.48倍、フランス~1.34倍、ドイツ~1.34倍、日本~1.03倍
なぁ~んだ、要は日本がデフレなのがこの問題の根底にある話じゃないか。問題の根っこはデフレ。
こんなことが分かる。
しかし残念ながら、このデフレ対策は全く触れられていない。要するに経済の本質が分かっていないのだ。
更に
第9項 若者世代・子育て世帯の所得の引き上げに向けての所にこんな記述があります。
『さて、新しい資本主義に対して、成長なくして分配なし、という指摘があります。それは事実です。
他方で、分配なくして成長なしというのも事実です。
言い換えると、分配の原資となる成長が必要だという議論と同様に、成功の基礎となる分配が必要と考えています。』
おいおい、「分配なくして成長なし」、これは2021年10月31日の衆議院選挙に向けて立件民主党・エダノンが9月に打ち出したスローガンだぜ。
こんなものは働きもしないのに金だけ欲しがるエダノン一味の言いたいこと。こんなことが成り立つなら、世の中誰も苦労しないぜ。
私はこの一文を読んで確信しました。岸田文雄君は自民党員かもしれないが、隠れ社会主義者であること間違いなし。
こんなことでは岸田首相の経済運営は間も無く行き詰まるはずです。
早く交代すべきでしょうね。
特にぼろぼろの外交は、ウクライナ危機の次に来る台湾尖閣危機には到底対処できないのではないでしょうか。