2017-06-24 15:45

ロボット時代の工場と働き方

 年々進化するロボット技術、日経がアメリカの自動車産業のロボットが増加の一途をたどっており、生産の伸びに雇用が追い付いていないことが問題と論じている。
この記事は大変面白いものの私には違和感もある。単に雇用問題というより「ヒトの働き方」に対する問題提起であり、さらに教育にも関係する問題だと思えるからなのだ。

最初にその日経記事、その言わんとすることをかいつまんでみてみたい。全文は下記リンク先参照ください。

【ロボット 自動車の町が直視しない「不都合な真実」】 
2017/6/19 2:00

 米自動車産業の雇用がなかなか改善しない。多くの研究者が原因としてあげるのは、ロボットによる急速な生産効率化だ・・・という書き出しで始まり、ロボットとの共生は可能かをレポートとの記事。
主な内容は
・急増するロボット、6年前の7割増
・しかし労働者の受け止め方は、雇用に対する敵はロボットより自由貿易
・AIの進化で、今回の自動化は別次元

こんなことで、この記事、AIと共存できる人材の育成を進められるか。自動化で先行してきた米自動車メーカーが直面する課題、それは全ての産業にあてはまるといった問題提起したもののその先がなかなか見えてこない。こんな記事を書いた日経の中西豊紀記者さんは何が言いたかったのだろう。

そして最後にこんな図が
2017-6-21ロボット問題まとめ 

だが中西記者さんにはお気の毒ながら、これは結論が出ている。
若し機械と戦うなら・・・最後はラッダイト運動になる。機械の打ち壊しだ。

ラッダイト運動
2017-6-21ラッダイト運動 


ではロボットとヒトはどういう関係になるのか。
・ ヒトがロボットを作る
・ ヒトがロボットを使い、メンテナンスをする⇒これが重要
・ ヒトがロボットを改良進化させ、最後は廃棄する
要するに、人間が機械を、ロボットを使うのである。

私はこの状態を、「現代の生産ラインは保全マンがモノを作るんだ」、こんな言い方をしていました。言うは易くですが、これを実地で行うにはとんでもない努力が要ります。保全マンには毎日の勉強と訓練が欠かせません。
特に現代の保全マンは例えば溶接ロボットのメンテのためには「手作業で溶接がきちんとできるだけの溶接スキルが必要」、こんな事が言えます。難しいですね。


さてそれでは私が一番違和感を感じるのは、本文中に有ったこんなグラフ。

2017-6-21ロボット問題 

このグラフは、付加価値額の伸びに対し雇用者数が頭打ち、こう言いたいためのグラフだ。

しかし考えて欲しい。もし付加価値額の伸びと同じ割合で雇用者数も伸びていたら・・・
この会社は何の改善もせず、仕事量の増には「人海戦術で対応」していると解釈される。現在の厳しい産業でこれは致命傷と言って良い。いくらアメリカの経営がのんびりしていても、今時こんな事はしていないはずだ。
特にアメリカの自動車メーカーは日本との競争の過程で日本式の生産方式を学んでいる。GMならトヨタとの合弁会社NUMMI(今は提携解消されたが)、フォードはマツダとの提携でしっかり学んでいるはずだ。更にトヨタ生産方式はMITでリーン生産方式と名づけられて普及されている。この件はGEでのリーン生産方式について以下ブログで紹介しました。
日本は孤立国では無かった

この記事を見るとアメリカの生産方式も相当部分日本式を取り入れ、量が増えても自動化などで簡単には人を増やさなくてもやっていける。そんな実態が有るのだと思う。
そして新聞記者さんは勉強不足なので、こんな産業の体質の変化が分からないのだ。


所で冒頭書いたこの件が従業員の教育問題に関係するという話、こんな例で考えてみたい。

例えばある「溶接工程」を考えてみる。
従来⇒溶接工は与えられた部分の溶接をするだけ、量が増えれば残業なり人員増加で対応する。勿論教育も必要だが、担当溶接工程だけ。
要点は・・・言われたことをやるだけ、いわば奴隷労働である

ロボット導入後⇒仲間の溶接工の一人は溶接ロボットのメンテナンスで残ったが、部品の清浄度とかシールドガスの管理だとか、それなりに大変らしい。俺たちは新しい切削加工工程を担当。当然新しい工程をイチから覚えねばいけない、とても大変だ。しかし俺たちの仕事は良い車を作ってお客様の期待に応える、その為にこの工程はこんな風にやってゆく。こんな考え方で取り組んでいる。当然ながらCS(customer satisfaction, 顧客満足度)などというものを勉強していかねばいけない。品質管理だの6σ(6シグマ)だのと面倒だなあ・・・。
恐らくこんな事が工場では起こっているだろう。それに耐えて雇用は守られている、こんな発言になっていると思う。
実は最近ナショジオ(ナショナル ジオグラフィック:National Geographic ドキュメンタリー専門のテレビチャンネル)を見ているとこんな番組がしょっちゅう放映されている。ヒトの意識が変わってきた、その一つの現れなのだと思う。
そして要点は
仕事に目的をもって取り組んでいる。仕事の目的が会社の方向と合致している。労働の尊厳というものが有る仕事と言える。

こんな事が言えると思う。

一寸ネガティブな事例を考えたい。エアバッグのトラブルを抱える「タカタ」である。私は問題点を報道で知るだけなのだが、知らない会社でもないので問題が一刻も早く解決してほしいと願っていた。だが民事再生法の適用を申請せねばいけない所まで追い込まれた、残念である。
タカタの製品のうち、メキシコ工場製だけが問題を起こした、しかも原因が良くわからないのだという。率直な感想はメキシコの罠に嵌ったなあ、こんな感想だ。残念ながらメキシコは民度から見てもモノづくりに不向きな国柄。例えばこんな事例がある。
VWのディーラーで日本に輸入されるVWの整備をされていた整備士の方から昨年暮れに聞いた話。日本に入ってくるVWはモデルごとに生産国が分かるのだが、最悪の品質がメキシコ工場製のクルマ。酷いものでは4枚のドアの取り付けボルトが全部ガタガタに緩んでいたこともあったと言っていた。
まあこんなクルマが工場の門を出られる体質の国がメキシコ、そう理解してよいと思う。


こんな体質の所に日本式の物作りなど定着させるのは大変である。私はそんな時、全人格で勝負だぞ、一挙手一投足まで教え込むくらいの覚悟でかからないと教えきれない。そんな事を言ってきました。しかし言うのは簡単ですが実際は並大抵ではない。これからの日本人の課題ですね。

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2017-06-19 22:03

気が付けば夏

 早いものであと二日で夏至、暑さはこれからですが、今が夏のど真ん中。
昨日、家族で寿司を食べに行ってきたのだが、すし屋で普段感じない夏を感じてきました。
梅雨の合間の息抜きという事で・・・。


部屋に入ったらテーブルはこんな風に

2017-6-19真砂1 

和食はいいですね。食べる前から季節を感じさせてくれます。

寿司はこんなもの、本当は最後に出てきたのだが、せっかくすし屋に行ったので。

2017-6-19真砂2 

こんな季節感のある器と料理がうれしいところ。

2017-6-19真砂3 

これからが暑さの本番ですが、その前に梅雨もジメジメを乗り切らねば。


今年は北海道では季節外れの寒さがやってきたと報道されています。
実は気になるのが日本周辺の海の海水温(表面温度)が平年に比べ随分低い。
主に東日本と北日本周辺の海は太平洋側、日本海側ともなのですが、平年より2度くらい低温。
この影響がどうなるか良く分かりませんが、冷夏になる可能性も考えられます。特に農家の皆様、ご注意を。


  1. 日常の話題
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2017-06-16 15:47

日本は孤立国では無かった

 前回「アメリカのメディア、指導層の歴史観」について書いたのだが、そこで問題になるのが「日本は孤立国」だという事がある。
日本は一国一文明と言われているが、これはイギリスの歴史家トインビーが言い出したものらしい。そしてこれを有名にしたのがハンチントンの「文明の衝突」(1993年にフォーリン・アフェアーズ誌で発表、1996年書籍刊行)。その文明の衝突では日本の事を以下のように書いている。

<以下ハンチントンの「文明の衝突」邦訳版(1998年刊)より引用>
孤立国としてエチオピアとハイチの例を取り上げたうえで日本について以下のように記述
(引用者注:エチオピアとハイチ!、そんな国と比較などしてくれるなよなあ、半珍トンめ)

 最も重要な孤立国は、日本である。日本の独特な文化を共有する国はなく、他国に移民した日本人はその国で重要な意味をもつほどの人口に達することもなく、また移民先の国の文化にも同化してしまう(たとえば日系アメリカ人がそうだ)。日本の孤立の度がさらに高まるのは、日本文化は高度に排他的で、広く支持される可能性のある宗教(キリスト教やイスラム教)やイデオロギー(自由主義や共産主義)をともなわないという事実からであり、そのような宗教やイデオロギーをもたないために、他の社会にそれを伝えてその社会の人びとと文化的な関係を築くことができないのである。
<引用ここまで>


確かにこんな文化を共有する国はない・・・それは事実だ・・・。
(参考例:2017/6/5 国内組み立てのF35引渡し式、神事が行われている)
2017-6-14F35初号機2017年6月5日 


ハンチントンは「日本の文化を共有する国はない」「宗教・イデオロギーも共有する国はない」「だから他の社会にそれを伝えてその社会の人びとと文化的な関係を築くことができない」と言っている。
がしかし、本当にそうなのだろうか。今回はその反論。


例えばこんな動画を見て欲しい


全31回のうち「学校の掃除」編

これはアラビア語の動画だが、2009年8月~9月のラマダン(断食月)期間中に、エジプト・サウジアラビアなどでテレビ放送された番組。題して「パワーテル 改善」と言う番組。
日本が第二次大戦の焦土から立ち上がって今日を作ったその理由を紹介するもの。
現地ではラマダン期間は昼間は断食なので夕食をみんなで楽しく食べるように、テレビもラマダン特別番組を放映する。この番組も全31回を毎日放映したようだ。
そして大変評判がよく、その後も何度も再放送されており、この学校での掃除に感動したサウジアラビアの教育大臣が自国でも掃除を教育に取り入れるよう指導。サウジアラビアでも学校で子どもが掃除を始めているようです。
また上掲動画とは違いますが、シンガポールでも学校教育に掃除が取り入れられたと報道されています。(上掲動画がキッカケになったかもしれません)
海外「日本の教育に学べ」 日本に倣いシンガポールの全学校で掃除の時間を導入
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-1847.html

尚動画に出てくるキャスターはサウジアラビアのシェイク(イスラム指導者)です。


学校教育に掃除を取り入れろと日本が強要したことはありません。しかしアラブ諸国などではこの番組がきっかけで「日本を見習おう」、こんな動きが出ているという事です。
タイ在住のレヌカーさんは「文明はその光で周縁を照らし」と仰っていますが、まさに今それが起こっているのではないでしょうか。

ハンチントンの言う「だから他の社会にそれを伝えてその社会の人びとと文化的な関係を築くことができない」、この指摘に対し、こんな日本を見習おうという動きがあるという事実、これを指摘したいと思います。
この「パワーテル 改善」についてはyoutubeに載っていますので興味のある方はどうぞ。


さらにもう一つ、これは上掲「パワーテル 改善」の別の事例 

これは全31回中の「トヨタの創作」編


 ここでは最初に「トヨタ産業技術記念館」を訪問しています。名古屋駅から徒歩10分の所にあるトヨタの物作りに特化した博物館。トヨタのルーツである自動織機とクルマの初期のころからが分かるところです。尚機織り(はたおり)についての難しい言葉が色々出てきます。以下エントリーが参考になるかと思います。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-926.html

最初は布を織る織機を自動織機にするための飛び杼(とびひ:シャトル)自動交換の話、その次に経糸(たていと)が切れた時に織機が自動的に止まる仕組み(経糸切れ検知装置、経糸が切れた時落下する部品をドロッパーという)の話をしている。横糸が切れたり無くなったら、それ以上布が織れない、しかし経糸(たていと)が切れてもそのまま織り続けられる。しかし出来たものは傷のある布つまり不良品。その為の経糸(たていと)切れ検知装置異常を検知して機械を止め、それ以上不良品を作らない。これがトヨタ生産方式の基本の一つ、そのルーツがこんな所にあった。そんな事を説明している。


以上でアラビア語の話は終わりにして、今度は英語の話。登場人物はエジソン以来の超大企業GEのCEOイメルト氏。
アメリカの巨大企業GEのイメルトCEOは、我々のリーン生産方式は日本(トヨタ生産方式)から学んだと言っています。

これはイメルトCEOが2015年に来日した際の講演


2017-6-15リーン生産方式1 

2017-6-15リーン生産方式2 

参考エントリー
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1178.html

リーン生産方式
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%96%B9%E5%BC%8F


ハンチントンの指摘、「だから他の社会にそれを伝えてその社会の人びとと文化的な関係を築くことができない」、この事に対してアメリカの大企業GEでさえこんなことを言っています。
日本は孤立国ではなかった、日本の文化が世界で受け入れられ始めてきた。そんな事例でしょう。
この流れは安倍首相の米議会での「希望の同盟演説」「オバマ大統領の広島訪問」、「安倍首相の真珠湾訪問」、こういった事で大きく変わろうとしている。
今は歴史の転換点なんだと思っています。




  1. 経済
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2017-06-14 18:43

アメリカのメディア、指導層の歴史観

 6月10日のエントリー「国連の日本叩きは文明の衝突」で20世紀を代表するTop newsについて書いたのだが、その全100件のリストが見つかったので見てみた。
アメリカのジャーナリストと学者がどんなことを考えているのかが実に良く分かる。

またそれに関連してアメリカ在住の伊藤貫氏の「自滅するアメリカ帝国 日本よ、独立せよ」からもアメリカの考えていることを紹介する。この本は2012年3月刊で少々古いが、内容は今見直しても新鮮だと思う。
見てみると今私たちが直面している相手は実に厄介な国・国民、そんなところが良く分かる。


では最初にTHE TOP 100 NEWSから上位20位まで。
(尚、全100位までのリストは長くなるので文末に掲載しました)

THE TOP 100 NEWS STORIES OF THE 20TH CENTURY 
1 1945 アメリカが広島・長崎に原爆投下 日本降伏し第二次世界大戦終了 
2 1969 アメリカ人宇宙飛行士ニール・アームストロングが人類初の月面歩行
3 1941 日本が真珠湾攻撃 アメリカが第二次世界大戦参戦
4 1903 ライト兄弟 飛行機発明
5 1920 (アメリカの)婦人参政権
6 1963 ケネディ大統領 ダラスにて暗殺さる
7 1945 ナチのホロコーストの恐怖 強制収容所公開される
8 1914 第一次世界大戦 ヨーロッパで始まる
9 1954 ブラウン教育委員会 学校の人種隔離撤廃
10 1929 アメリカの株式市場暴落 (世界大不況始まる)
11 1928 フレミング 抗生物質ペニシリン発見
12 1953 DNAの構造発見さる
13 1991 ソ連崩壊 ゴルバチョフ辞任 エリツィン就任
14 1974 ニクソン大統領辞任 ウォーターゲートスキャンダル
15 1939 ドイツがポーランド侵攻 第二次世界大戦ヨーロッパで始まる
16 1917 ロシア革命 共産主義政権誕生
17 1913 ヘンリーフォード大量生産ライン設置 モデルT生産開始
18 1957 ソ連が初の人工衛星スプートニク打ち上げ 宇宙開発競争始まる
19 1905 アインシュタイン 特殊相対性理論提示 この後一般相対性理論も
20 1960 FDA 経口避妊薬承認

一位が原爆投下と日本降伏となっている。これは日本が原爆を投下してやっと降伏したいう事を意味している。日本がその前から敗戦のための交渉をしていた事はやはり無視である。
そして3位が日本の真珠湾攻撃、これでアメリカは第二次世界大戦に参戦したというFDR(ルーズベルト)の筋書き通りの考え方だ。

所でこのリストでドイツはどうなっているかというと、7位がナチのホロコースト、強制収容所暴露15位が1939年ドイツのポーランド侵攻でWW2開戦37位が1945年ドイツ降伏となっている。
またロシア革命で共産主義政権誕生が16位、共産主義政権崩壊が13位である。

この日本とドイツの差、これがアメリカ人の日本に対する見方となっている。いい悪いは別として、こんな現実を踏まえてこれからの進路を考えていかないといけないと思う。

但しこの調査は1999年のモノ。最近の安倍首相の米議会での希望の同盟演説オバマ大統領の広島訪問安倍首相の真珠湾訪問と大きく状況は動いているが、この件は今回は別とします。


さてもう一つの話はアメリカ在住の伊藤貫氏のこの著作の件

2017-3-18-0.jpg 

この本にこんな記述がある。アメリカ・アメリカ人を理解するうえで非常に重要だと思うので少々長いが紹介したい。

<以下上掲「自滅するアメリカ帝国」より引用>

【第1章 自国は神話化、敵国は悪魔化】より
・・・前段略・・
  しかし中東情勢に対する判断だけでなく、対露政策、対中政策、通商政策、金融政策においても、米欧間の政策判断には明確な違いが生じてきた。そしてその違いの根底には、「アメリカ人とヨーロッパ人は、まったく違った世界観を持っている」という知的・精神的なギャップが存在しているのである。
 それでは、十七世紀から二十世紀初頭までの、いわゆる「ヨーロッパ古典外交」ーーー多極構造の国際社会において、バランス・オブ・パワー(勢力均衡)の維持を最も重視する外交ーーーと比べて、過去二世紀間のアメリカ外交には、どのような特徴かあるのだろうか? 欧米の外交史家はアメリカ外交の特異性として、以ドの五つの特徴を挙げることが多い。

① アメリカン・エクセプショナリズムーーー「アメリカは例外的な国だ、例外的に優れた国だ」という思い込み。

② 国際政治に、アメリカの政治イデオロギーをそのまま持ち込もうとする。他の諸国を、アメリカのイデオロギーを基準として判断し、裁き、処罰し、(時には)破壊する。

③ 世界諸国に、アメリカの経済システムと政治制度をそのまま採用させようとする。世界を、アメリカのイメージに合わせて作り変えようとする。

④ アメリカ外交を「美しい神話」に加工・修正して、ひたすら礼賛する。アメリカの外交政策と軍事政策に関して、自己欺瞞する。

⑤ 戦争になると「完全な勝利」と「最終的な決着」を求めようとする。異質な国と妥協して平和的に「棲み分け」するーーバランス・オブ・パワー状態を実現し、その均衡を維持しようとする--よりも、異質な国(異質な文明、異質な体制)を完全に破壊してしまおうとする。

・・・中略、以下は④項について

-神話創りの”才能”ー
④ アメリカ外交を「美しい神話」に加工・修正して、ひたすら礼賛する。アメリカの外交政策と軍事政策に関して、自己欺瞞する。

 アメリカ外交の四番目の特徴は、神話化である。アメリカ国民は、自国の政治史と外交史を神話化するのがとても上手い。ヨーロッパ人や日本人よりも、はるかに上手い。そしてアメリカ人は、神話化した自国の政治史と外交史の「高い理想に満ちた美しいストーリー(筋書き)」を繰り返し語り合っているうちに、これらの「美しい神話」こそが真実であり、アメリカにとって都合の悪い外交政策や軍事政策の歴史的な事実は「無かったことにしてしまう」という素晴らしい才能を持っている。

 ニューヨーク大学の歴史学者、カレン・オダール・クッパーマンは、アメリカ国民の”神話創りの才能”に関して次のように述べている。

 「十七世紀初頭に最初の入植者がマサチューセッツに着いた時から、アメリカ人は自国の歴史を『美しい神話』として創りあげ、記憶してきた。人植者たちは、彼らを親切に迎え入れてくれたアメリカ・インディアン(北米大陸の先住民)の部落を襲撃し、インディアンたちが冬の極寒期を生き延びるために蓄えていた食料を奪い、家屋を破壊し、彼らの墓を掘り起こして埋葬品を盗むことまでした。
 インディアンを大量に殺害して彼らの農地を奪った入植者たちは、『我々は新大陸で正しい信仰を実践するため、神の国を創った』という建国神話を作り、その神話を繰り返し宣伝して『歴史的な真実』に仕立て上げた。アメリカ国民は、”自分たちは信心深く謙虚で、聖なる徳を実践するために神に選ばれた民だ”という自信と自覚を持つようになり、”世界の諸国民の模範となる『丘の上の都市』を築いた”というプライドに満ちて行動するようになった。
 インディアンの農地と狩猟地を奪い、彼らを奴隷として使用するようになったアメリカ人は、次にアフリカから大量の奴隷を購入して、アメリカの経済発展の道具として使用した。この過程で、”アメリカこそ、世界の諸国よりもはるかに道徳的に優越した国だ”というアメリカ国民の自負心は、ますます堅固になっていった」

 著名な外交史家であるコネティカッ卜大学のトーマス・パターソン教授も、次のように指摘している。
 「アメリカ国民が好む政治史と外交史の解釈は、”アメリカは、自由と民主主義を世界に拡めるため、常に高い道徳規範と政治的な理想に燃えて世界平和と繁栄のため偉大な貢献をしてきた″という筋書きのものだ。米政府、教育機関、マスコミ人は、現在もこの理想化された歴史解釈をせっせとプロモートしている。この”美しい筋書き”は、多くのアメリカ国民にとってとても心地良く、満足できる歴史観なのだ。そして都合の悪い歴史的な事実ーーー例えば、先住民インディアンの大量虐殺、奴隷制度、メキシコ領土の大規模な強奪、アメリカの外交政策がラテン・アメリカ諸国に腐敗した独裁政権(傀儡政府)を押しつけてきたこと等々ーーーは、なるべく触れないことになっている。最近、ロシア(エリツィン政権)に『ショック療法』と呼ばれるアメリカ製の経済改革プランを押し付けてロシア経済を破壊してしまったが、これもすでに『アメリカ外交の忘れられた史実』となっている」
 パターソンによると、「歴史を修飾し、改訂して、『自己礼賛のお話』を創りあげるのが、建国時から現在まで続いているアメリカ外交のパターンである」という。

 ■ヒロシマ・ナガサキの正当化

 アメリカ外交史の数多くの「神話」のなかで日本人にとって特に興味深いのは、アメリカ政府による「原爆正当化の神話創り」(核攻撃を正当化する歴史解釈)である。
 言うまでもなく一九四五年の広島・長崎に対する核攻撃は、明白な戦争犯罪行為であった。最初から非武装の民間人を大量に無差別殺害することを目的としてなされる軍事行為は、すべて戦争犯罪だからである。しかし第二次大戦後、アメリカのほとんどの政治家とマスコミ人は、非武装の民間人に対する二度の核攻撃を執拗に正当化してきた。
 実は一九四五年、米軍の最高指揮官として政策決定に参加していた職業軍人たちは、非武装の民間人を原爆によって大量殺害することに反対していた。陸軍参謀総長であったマーシャル大将(後に国務長官)は、原爆投ドの二ヵ月前、スティムソン陸軍長官に、「原爆は日本の軍事基地に対して使用されるべきであり、民間人を殺害するために使うべきではない」と伝えている。一九四五年八月、ヨーロッパ戦線の最高指揮官であったアイゼンハワー陸軍大将は、「原爆が使用された時、日本政府はすでに敗戦のための交渉を始めていた。あのような残忍な兵器を日本人に対して使う必要はなかったはずだ」と述べて、二度の核戦争犯罪に対する嫌悪感を表明していた。
 トルーマン大統領の補佐官であったレーヒー海軍人将も、「原爆が投ドされた時、日本はすでに抗戦能力を失って降伏する準備をしていた。あの野蛮な攻撃は不必要であった。あのような行為を行うことによって我々アメリカ人は、暗黒時代の野蛮人と同じ道徳基準しか持っていないことを示した。私は、あのようなやり方で戦争を遂行するという教育を受けていない。戦争とは、女性や子供を大量殺戮することによって勝つべきものではない」と述べている。
 アメリカの軍人の中には(後に戦略爆撃軍の総司令官となった)力-ティス・ルメイ空軍大将のように、焼夷弾を日本の数十の都市に豪雨のように降り注ぎ、婦女子と老人を次から次へと計画的に大量焼殺していくことを心から楽しんでいた「勇敢な軍人」も少なくなかった。しかしマーシャル、アイゼンハワー、レーヒーのようにまともな価値判断力を持つ米軍幹部は、民間人に対するニ度の核攻撃か明らかな戦争犯罪行為であることを、明瞭に認識していたのである。
 しかし建国以来、自国の外交政策と軍事政策を常に「美しい神話」として政治宣伝し、「誇らしい国家記憶」として温存してきた伝統のあるアメリカ政府は、非武装の婦女子に対する核攻撃が明白な戦争犯罪であることを認めるわけにはいかなかった。そこでトルーマン政権と、民主党を熱心に支持していた「良心的なインテリ」や「進歩的なマスコミ人」は、「原爆投下は軍事的に必要なものであり、正当な道徳的行為であった」という神話を製造する作業を始めた。この「原爆正当化の神話」を作成する作業は、それほど困難なものではなかった。
 スタンフォード大学の歴史学者、バートン・バーンスタインによれば、「ヨーロッパの民間人を米軍が空爆した時とは違って、アメリカ政府は日本の民間人を空爆によって大量殺害することを躊躇しなかった。アメリカの指導者と国民の多くは、日本人のことを『黄色いケダモノ』ーーー人間以下の存在ーーーと見なしており、なかには核兵器によって日本人を大量殺戮したことを喜んでいた者もいた……後にトルーマン大統領は、”本土決戦を決行すれば五十万人の米兵が死亡した。五十万の命を救うため、原爆を使う必要があったのだ”と述べて、原爆使用を正当化した。しかし当時の資料を調べても、”五十万の米兵の命を救うために原爆を使用すべきだ”などという発言や報告は、何処にも見つからない」。
 コロラド大学の外交史学者、ロバート・シュルジンジャー教授も、次のように指摘している。
 「アメリカ国民は、広島と長崎に原爆を投下することによって。百万の米兵の命が救われた”と信じこんでいる。これはまったく、何の根拠もない神話にすぎない。学者の中で、こんな神話を支持している者はいない。しかしアメリカでは、これが『定説』となってしまった。一九九五年にワシントンのスミソニアン博物館が原爆投下に関する歴史的事実を展示しようと試みたが、政治家とマスコミから猛烈な圧力をかけられて、この展示をキャンセルせざるをえなくなった。これも、”アメリカの政治勢力が創りあげた『国民的な記憶』は、真面目な学術的研究よりもはるかに強い影響力を持っている”という典型的な例だ」
 シュルジンジャーによると、外交史や政治史を専門とする学者が真面目な著作や論文を発表しても、「アメリカの外交政策と軍事行為を正当化し、賛美してきた国家神話には太刀打ちできない」という。
 アメリカの。良心的な知日派のインテリ”は、二十一世紀になっても、この「核攻撃正当化の神話創り」を続けている。例えばニ○一〇年に出版された文春新書『日米同盟vs中国・北朝鮮』においてジョセフ・ナイ元国防次官補(ハーバード大教授)は、「あの時(一九四五年夏)、核兵器というものに十分な理解が浸透していなかった。核を人間に使用することのタブー感はその後から湧いてきたのです……そして(トルーマン)大統領の側近たちは皆、こう口を揃えるのです。『日本の本土上陸作戦には六十万人もの犠牲者が出る……』と」と述べている。
 しかしバーンスタインやシュルジンジャーの研究で明らかなように、「六十万の命を救うため、原爆を使う必要がある」などという発言や報告は、当時、何処にも存在していなかった。”知日派インテリ”ナイの発言は、単なる「美しい神話」にすぎない。正直な職業軍人であったマーシャル、アイゼンハワー、レーヒー等と違って、ジョセフ・ナイ先生は、「二度の核攻撃を正当化する国家神話を創り上げるのも、アメリカのソフト・パワーの発揚なのだ」と思っているのかもしれない(苦笑)。

(注:この著書は2012年3月20日に刊行されたもの、その後の変化は(特に第二次安倍内閣での変化は)織り込まれていない。)
・・・以下略・・・


長い文章でしたが、現実の今現在の状況で見てみても実に新鮮な話だと思います。
特にトランプ大統領が今誰と戦っているのか、日本にいてはマスメディアの一方的な情報だけなので分からないが、そんな本音の部分が垣間見えるようです。

こんな現実を踏まえ、では各論をどうするか、次回もう少し考えてみたいと思います。






参考までに20世紀のTOP100ニュース全部を以下に載せておきます。
http://cgi.stanford.edu/~dept-ctl/tomprof/posting.php?ID=115

THE TOP 100 NEWS STORIES OF THE 20TH CENTURY 
1 1945 U.S. drops atomic bombs on Hiroshima, Nagasaki: Japan surrenders to end World War II 
2 1969 American astronaut Neil Armstrong becomes the first human to walk on the moon 
3 1941 Japan bombs Pearl Harbor: U.S. enters World War II 
4 1903 Wilbur and Orville Wright fly the first powered airplane 
5 1920 Women win the vote 
6 1963 President John F. Kennedy assassinated in Dallas 
7 1945 Horrors of Nazi Holocaust, concentration camps exposed 
8 1914 World War I begins in Europe 
9 1954 Brown v. Board of Education ends "separate but equal" school segregation 
10 1929 U.S. stock market crashes: depression sets in 
11 1928 Alexander Fleming discovers the first antibiotic, penicillin 
12 1953 Structure of DNA discovered 
13 1991 U.S.S.R dissolves, Mikhail Gorbachev resigns: Boris Yeltsin takes over 
14 1974 President Richard M. Nixon resigns after Watergate scandal 
15 1939 Germany invades Poland: World War II begins in Europe 
16 1917 Russian revolution ends: Communists take over 
17 1913 Henry Ford organizes the first major U.S. assembly line to produce Model T cars 
18 1957 Soviets launch Sputnik, first space satellite: space race begins 
19 1905 Albert Einstein presents special theory of relativity: general relativity theory follows soon after 
20 1960 FDA approves birth control pill 
21 1953 Dr. Jonas Salk's polio vaccine proven effective in University of Pittsburgh tests 
22 1933 Adolf Hitler named Chancellor of Germany: Nazi Party begins to seize power 
23 1968 Civil rights leader Martin Luther King assassinated in Memphis, Tenn. 
24 1944 D-Day invasion marks the beginning of the end of World War II in Europe 
25 1981 Deadly AIDS disease identified 
26 1964 Congress passes landmark Civil Rights Act outlawing segregation 
27 1989 Berlin Wall falls as East Germany lifts travel restrictions 
28 1939 Television debuts in America at New York World's Fair 
29 1949 Mao Tse-tung establishes Peoples Republic of China: Nationalists flee to Formosa (Taiwan) 
30 1927 Charles Lindbergh crosses the Atlantic in first solo flight 
31 1977 First mass market personal computers launched 
32 1989 World Wide Web revolutionizes the Internet 
33 1948 Scientists at Bell Labs invent the transistor 
34 1933 FDR launches "New Deal": sweeping federal economic, public works legislation to combat depression 
35 1962 Cuban Missile Crisis threatens World War III 
36 1912 'Unsinkable' Titanic, largest man-made structure, sinks 
37 1945 Germany surrenders: V.E. Day celebrated 
38 1973 Roe v. Wade decision legalizes abortion 
39 1918 World War I ends with Germany's defeat 
40 1909 First regular radio broadcasts begin in America 
41 1918 Worldwide flu epidemic kills 20 million 
42 1946 'ENIAC' becomes world's first computer 
43 1941 Regular TV broadcasting begins in the United States 
44 1947 Jackie Robinson breaks baseball's color barrier 
45 1948 Israel achieves statehood 
46 1909 Plastic invented: revolutionizes products, packaging 
47 1955 Montgomery, Ala., bus boycott begins after Rosa Parks refuses to give up her seat to a white person 
48 1945 Atomic bomb tested in New Mexico 
49 1993 Apartheid ends in South Africa: law to treat races equally 
50 1963 Civil rights march converges on Washington, D.C.: Martin Luther King gives "I Have A Dream" speech 
51 1959 American scientists patent the computer chip 
52 1901 Marconi transmits radio signal across the Atlantic 
53 1998 White House sex scandal leads to impeachment of President William Jefferson Clinton 
54 1947 Sec. of State George Marshall proposes European recovery program (The Marshall Plan) 
55 1968 Presidential candidate Robert F. Kennedy assassinated in California 
56 1920 U.S. Senate rejects Versailles Treaty, dooms League of Nations 
57 1962 Rachel Carson's Silent Spring stimulates environmental protection movement 
58 1964 British rock group The Beatles takes the U.S. by storm after debut on the Ed Sullivan Show
59 1965 Congress passes Voting Rights Act, outlawing measures used to suppress minority votes 
60 1961 Yuri Gagarin becomes first man in space 
61 1941 First jet airplane takes flight 
62 1965 U.S. combat troops arrive in South Vietnam, U.S. planes bomb North Vietnam 
63 1975 North Vietnamese forces take over Saigon 
64 1942 Manhattan Project begins secret work on atomic bomb; Fermi triggers first atomic chain reaction 
65 1945 Congress passes "GI Bill of Rights" to help veterans 
66 1961 Alan Shepard becomes first American in space 
67 1973 Watergate scandal engulfs Nixon administration 
68 1906 Earthquake hits San Francisco, "Paris of the West" burns 
69 1945 United Nations is officially established 
70 1961 Communists build wall to divide East and West Berlin 
71 1920 Mohandas Gandhi begins leading nonviolent reform movement in India 
72 1911 Standard Oil loses Supreme Court antitrust suit, monopolies suffer blow 
73 1973 U.S. withdraws last ground troops from Vietnam 
74 1949 North Atlantic Treaty Organization established 
75 1928 Joseph Stalin begins forced modernization of the Soviet Union; resulting famines claim 25 million 
76 1932 Democrat Franklin D. Roosevelt beats incumbent President Herbert Hoover 
77 1985 Mikhail Gorbachev becomes Soviet Premier, begins era of "Glasnost" 
78 1900 Max Planck proposes quantum theory of energy 
79 1997 Scientists clone sheep in Great Britain 
80 1956 Congress passes interstate highway bill
81 1914 Panama Canal opens, linking the Atlantic and Pacific oceans 
82 1963 Betty Friedan's The Feminine Mystique inaugurates modern women's rights movement 
83 1986 The Space Shuttle Challenger explodes killing crew including school teacher Christa McAuliffe 
84 1950 U.S. sends troops to defend South Korea 
85 1968 Violence erupts at Democratic National Convention in Chicago 
86 1900 Sigmund Freud publishes The Interpretation of Dreams 
87 1958 China begins "Great Leap Forward" modernization program, estimated 20 million die in ensuing famine 
88 1917 U.S. enters World War I 
89 1927 Babe Ruth hits 60 home runs - a single-season record that would last for 34 years 
90 1962 John Glenn becomes first American to orbit the earth 
91 1964 North Vietnamese boats reportedly attack U.S. ships: Congress passes Gulf of Tonkin resolution 
92 1997 Pathfinder lands on Mars, sending back astonishing photos 
93 1938 Hitler launches "Kristallnacht," ordering Nazis to commit acts of violence against German Jews 
94 1940 Winston Churchill designated Prime Minister of Great Britain 
95 1978 Louise Brown, first "test-tube baby," born healthy 
96 1948 Soviets blockade West Berlin: Western allies respond with massive airlift 
97 1975 Bill Gates and Paul Allen start Microsoft Corp. to develop software for Altair computer 
98 1986 Chernobyl nuclear plant explosion kills more than 7,000 
99 1925 Teacher John Scopes' trial pits creation against evolution in Tennessee 
100 1964 The U.S. Surgeon General warns about smoking-related health hazards


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2017-06-10 18:34

国連の日本叩きは文明の衝突

 国連側による日本貶めが続いている。
2017.6.9 11:04

鬱陶しい話である。K国だけでも鬱陶しいのに国連までゴタゴタ言ってくる。いったいどうしてだろう。裏に潜む黒幕はいったい誰なんだ。そんな事を考えてみたい。
結論はズバリ【文明の衝突】、そんなところをまとめてみます。


最初は6月8日のエントリー「ストークス氏の助言」から

ストークス 
 先の第ニ次大戦で、日本がアジアに軍事進攻したのは、もちろん、歴史の事実です。
 侵略(進攻)というと、ひとつの国が他国の領土へ武力を使って、強制的に入っていくことを意味します。この定義では、日本は大英帝国の領土である植民地に侵略したと認められます。
 しかし、日本は大英帝国の植民地を侵略しただけではなく、欧米の植民地支配を受けたアジア諸民族が独立するのに当たって、大きな役割を果たしたのです。アジア全土に展開していた欧米の植民地を、日本は一挙に占領した。あっという間に、白人の軍隊を打ち破ったことによって、白人には勝てないと思い込んでいた、アジアと、アフリカの諸民族に、独立への気概と勇気、そして、民族平等というまったく新しい概念をもたらした。日本は世界史に、大きな役割を果しました。
  ・・・中略・・・
 もう一つ、私か言いたいのは、「南京大虐殺」にせよ、「靖国神社参拝問題」にせよ、「慰安婦問題」にせよ、現在懸案になっている問題のほとんどは、日本人の側から、中国や、韓国にけしかけたというのが事実だということです この問題をどうするか、それは日本人目身で考えねばなりません。

ストークス氏は親日派イギリス人として、「日本はこんな凄い事をやってきたんだ、もっと自信を持て」と檄を飛ばしている訳だが、何でも表が有れば裏が有る。この事を反対に植民地を独立されてしまった白人国から見るとどうなるか。

その前に植民地支配されていた中東の人の意見が以下でわかる。

6月4日のエントリー日本が果たした人類史に輝く大革命<うれしい話だが・・・から

本来はレバノン人だという老人の話。
 「われわれ中東に生まれた者は、日本について3つの尊敬心をもっている。1つ目は日本が日露戦争に勝利したことだ。中東は長い間、フランス、イギリスなどの白人国の植民地にされてきた。われわれ非白人は白人には逆らえないという絶望感があった。それを同じアジア人である日本が白人の国であるロシアを打ち負かして、われわれもやればできるという大きな希望を与えてくれた」。
 うなずく私に彼は続けた。「2つ目は1941年、日本がアメリカ、イギリスと戦争を始めたことだ。日本は負けたが、われわれは日本人の前にイギリスが屈する姿を見た。それが戦後、アジアだけでなく、アフリカまでもが独立する契機となった」。 彼は続ける。「3つ目は原爆まで落とされて焦土になった日本があっという間に世界第2の経済大国となり、われわれに援助をしてくれるまでになったことだ。一体、日本のこのすごさはどこに秘密があるのか、教えてほしい」



さてこんな意見を踏まえ、少々古いが高山正之さんがこんな事を言っている。
高山さんのコラム「【変見自在】『威信回復は原爆投下で』 (2004年6月24日号)」にこんなものが有る。ネットで見られるのは以下の「かまくら保守の会さん」のHPから

かまくら保守の会さんのHPから
2015年4月1日 · 
【変見自在】『威信回復は原爆投下で』 (2004年6月24日号)
20世紀には「世紀の大事件」が随分あった。
まず思いつくのは、アポロ11号のアームストロング船長が月に降り立った。ライト兄弟が飛行機を飛ばした。フレミングが抗生物質を発見し、人類は病苦の半分から解放された。広島と長崎に原爆が投下された。
共産国家ソ連が誕生し、70年で消滅した。その引き金となったのがベルリンの壁の崩壊だった。
ナチス・ドイツの400万人ユダヤ人虐殺、いわゆるホロコーストがあった。ENIAC、つまりコンピューターが発明された。
個人的な興味でいえばアルフレッド・ウェゲナーの大陸移動説も面白かったし、意味はわからないけれどアインシュタインの相対性理論の発見もあった。
そういうもろもろを眺めてきて「さて貴方はどれが20世紀を代表する最大の事件だと思いますか」と米国の新聞博物館「Newseum」が20世紀最後の年に全米のジャーナリストを対象にアンケート調査を行った。
同じ質問を当時、教鞭(きょうべん)をとっていた大学の授業でもやったが、1位は圧倒的に「人類、月に立つ」だった。次がソ連の崩壊。共産主義という人類の悪夢が終わったことはやはりおおきかったようだ。
ちなみに旧東独ではベルリンの壁が崩れたあと、偉そうにしていたマルクス学者どもが今はタクシー運転手をやっているとか。和田春樹みたいな勘違い学者がいまだに偉そうにしていられるのは日本と北朝鮮ぐらいなものだろう。
話をもどす。さて米国のジャーナリストが20世紀最大の事件に選んだのは月でもソ連でもなく、なんと「原爆投下」で「それによって日本を降伏させた」ことだった。
「人類、月に立つ」はさすがに2番目にはきたが、3番目には「日本軍の真珠湾攻撃」がくる。
以下ライト兄弟が4番目でナチのホロコーストは7番目。世界を対立と殺戮に追い込んだソ連の崩壊はやっと13番目だった。
米国のインテリがなぜ20世紀総代に原爆投下を選んだのか。真珠湾攻撃がなぜライト兄弟やホロコーストより重大だったのか。
その答えはちゃんと歴史の中にある。
日本は20世紀に入ってすぐロシアをやっつけた。産経新聞の連載「日露開戦から100年」には「ロシアは有色人種国家に負けた初の白人国家の烙印を押され、その恥辱がロシア革命につながった」とある。
日本に負けた屈辱が欧州最強のロシアを滅ぼしてしまったわけだ。
日本は人種には無頓着だが、白人たちは違った。ロシアを他山の石として、日本の封じ込めを図った。最新の軍事情報をもらさないのも当たり前。世界恐慌の際も日本の船を彼らの植民地から締め出したし、航空路もバンコク止まりで日本には乗り入れさせなかった。
しかし日本は耐え、こつこつ腕を磨いた。あのころの日本人はみなプロジェクトXだった。おかげで日米の開戦時に、零戦に勝てる戦闘機は米国にもなかった。
それ以上に白人国家を恐れさせたのが第三世界の不服従だった。明らかに「日本」に刺激されたためで、従順の手本だったタイも好きにやられてきたフランスに宣戦し仏印に攻め込んだ。しかし腐ってもフランス。タイが危なくなって日本が仲裁に入り、タイの顔をたててやった。昭和16年の東京条約のことだ。
そして第二次大戦。英国は最新戦艦2隻をあっという間に失い、シンガポールも簡単に落とされてしまう。
オランダは日本に宣戦布告してきた国だが、いざ日本軍が攻め込むとすぐ降伏して世界一臆病な軍隊の不名誉を背負った。
米国は迂闊(うかつ)にも先制攻撃され、海軍力の大半を一瞬にして失った。白人史上初めてのことだ。フィリピンのコレヒドール要塞も粉砕された。みんなそろってロシアの轍を踏んでしまった。
その日本をなんとかやっつけられたのは米国だった。それも「下等な有色人種」には思いもつかない「太陽のエネルギー」(トルーマン大統領)原爆で降伏させた。
白人の威信を取り戻した原爆こそ20世紀最大の偉業だというわけだ
それから半世紀。抹殺したはずの日本は今回のサミットでブッシュの隣にだった。小泉首相をでしゃばりと、モノがよく見えていない日本の新聞はからかうが、プーチンやブレアは別の思いでこの事態を見つめていることを忘れてはならない。
(引用者注:この記事は2004年のものです)
(ジョージ・ブッシュが日本を救った/高山正之より)

この記事を見て、流石に私も半信半疑であった。20世紀最大のニュースが人類が月に行った事でもなければ飛行機の発明でもない。共産主義の台頭と崩壊やナチスのホロコーストでもない。「日本に原爆を二発も落としてやった」ことなのだと。そして3番目が「生意気にもジャップが真珠湾を攻撃してきたこと」

しかしこのnewseumの記事は間違いない。調べると古い記事だが残っていた。

「さて貴方はどれが20世紀を代表する最大の事件だと思いますか」と米国の新聞博物館「Newseum」が20世紀最後の年に全米のジャーナリストを対象にアンケート調査を行った。
そのソースはこれ
http://www.cbsnews.com/news/top-news-of-20th-century/

2017-6-9top news of 20th century 
画像は加工してあります。詳細は上掲リンク先参照ください


さてその植民地支配だが、同じく高山正之さんの「20世紀特派員 植民地の日々-02」にはフランスのベトナムでの植民地支配の実態について、こんな記述がある。
(ソースは↓ですが、不快な映像もありますので注意)
 http://mimizun.com/log/2ch/korea/1021751522/

<以下引用>
フランス的手法-重税、アヘン乱売、そして投獄 
フランシス・フクヤマは「歴史の終わり」の中で、「工業化に成功した西欧諸国は18世紀半ばにして、1人当たり国民所得が今日の第3世界を上回っていた」と書いている。ニューヨーク・タイム ズ紙(1996年8月20日付)の社説にも「19世紀、人口2900万のイギリスには200万人の家住み召し使いがいた」とある。 

フクヤマはその豊かさを「白人キリスト教国家のみが、いち早く工業化をなし得た成果」と断言するが、さてどうだろう。・・・中略・・・
フクヤマが別の項で書いているように、その成果を「軍事的有利さ」に変えて植民地を獲得し、資源や富を吸い上げたからこそだという説明もある。 
《生死にも税》 ベトナムにきて、まず監獄とギロチンを用意したフランスはその好例といえるかもしれない。彼らがいかに資源と富の回収にいそしんだかを潘佩珠(ファン・ボイチャウ)が「越南亡国史」に書いている。潘はベトナムの100年に及ぶ独立抵抗史の前半を仕切った最大の指導者である。 

「フランスの課税はひどかった。人々にはほぼ1カ月分の収入に当たる人頭税がかけられた」という。これはイスラム勢力がアラーへの帰依を拒むペルシャなどで懲罰的に行ったジズヤと同じで、収入に関係なく一定額を全成人に課す方法だ。イスラムはこれだけだったが、フランスは「ほかに田畑、家屋、市場、河川の渡し税も用意した。さらに死亡と出産を対象とする生死税、葬式や先祖の祭り、結婚式にも税金をかけた」と潘は記している。「越南亡国史」は1905年、潘が日本を訪れたときに出版したもので、ここに列挙したのはまだ序の口だった。 
・・・以下略・・・
<引用ここまで>


この記述で私が注目したのが「19世紀、人口2900万のイギリスには200万人の家住み召し使いがいた」の部分。植民地をもって収奪に励んでいれば実に豊かな暮らしができるという事だ。その植民地での収奪の激しさがベトナムの事例に表れている。


長くなりました。結論を急ぎます。

ストークス氏が著書「日本が果たした人類史に輝く大革命ー「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ 」というのは、植民地支配が出来なくなった白人国から見ると「日本が余計な事をしたおかげで、我々白人は貧しくなってしまった。この野郎、けしからん」となる。
まさしく「文明の衝突」です。そして日本は「日本ただ1国で1文明」という世界で他に例のない国。そして日本には残念ながら同じ文明の国はありません。だから国連にしてもアメリカマスコミにしても日本たたきをする訳です。

そしてこの文明の衝突をストークス氏はこんな風に言っています。

 「日本を取り巻く世界情勢が厳しくなるなかで、日本は相手の都合を慮(おもんぱか)ったり、阿諛追従(あゆついしょう)する必要はまったくありません。アメリカはアメリカの立場で、中国は中国の、韓国は韓国の、日本は日本の立場でものを言う。当然それらは食い違う。外交とは非情で冷厳なもので、世界とはそういうものです日本だけが物わかりのいい顔をしていたら、精神を侵略されてしまい、たちまち付け込まれてしまいます。この質問には、外国人の私ではなく、一人一人の日本人が考えて、答を出すべきです。

ストークス氏は文明の衝突という言葉を使っていませんが、言わんとすることは良く分かります。日本は正々堂々と言うべきことを言えばいいと言っています。
日本は同じ文明の国はありませんが応援団は沢山ある。アジア・アフリカの植民地支配から独立した国はみな日本の応援団でしょう。そう考えると特亜三国は植民地支配を受けていません。こんな所が特亜三国が反日に走る理由になっているのかも知れません。


以上のような状況を見ると安倍首相の70年談話で、「百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました」という認識。米議会での「希望の同盟」演説、そしてオバマ大統領の広島訪問と安倍首相の真珠湾訪問。こんなものがセットになって上掲「newseum」の20世紀最大ニュースのナンバーワンとスリーの原爆攻撃と真珠湾に対抗している。
そして原爆投下がアメリカの三つの原罪の一つになっている。こんな現実を踏まえて未来を見つめていかないといけないですね。

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